竜の唄を響かせて    <完結>

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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Sun Oct 18, 2015 10:01 pm

アイリーンは薬草たちを育てる術を持っていた。

普通は育てることなど不可能なのだ。

それでもアイリーンだからできるのだ。

(ここまで育ったわ)

薬草はちょうどいい大きさになった。

(そろそろ収穫ね)

薬草たちはアイリーンに育てられ普通よりも効果が大きい。





(この季節はもう終わりね)

収穫を終えたアイリーンはしみじみと思った。

また来年。

そう思うのだ。

でも。

ここで薬草を育てることはアイリーンには二度となかった。

何故なら・・・







アイリーンは今仕分けで夢中になっていた。

だから気づくはずもない。





あぁ。

ここで気づいていればあんなことにはならなかったのかな?

運命はときに牙を向く。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Oct 19, 2015 5:22 pm

影からそっとアイリーンを覗く猫。

やっと見つけた・・・。

その猫は・・・





ガサガサガサ・・・

(!)

草むらから大きな音がした。

アイリーンは身構える。

そして同時に恐怖した。

なぜなら飛び出してきたのは猫だったから。

「君、竜族だよね?」

ニッコリ笑って言う猫は見覚えがあった。

(あぁ・・・)

どうして・・・?

何故私はこんなに・・・

不幸なの?

アイリーンはゆっくりと後ずさる。

この猫は・・・!

「僕を覚えてる?昔君に助けられたんだよ。」

そう、迷子になっていたところをアイリーンが唄って助けたのだ。

(この猫がバラしてしまったから竜族は・・・)

ふつふつと煮えたぎる怒り。

「僕がさ、姉さんに言ったんだ。あの猫は魔法の唄を唄うんだって。」

(許せない!)

飛び掛ろうとしたそのとき・・・

ビュッ!!

何かが飛び出した。

それは。

2匹の雌猫だった。

「やはり竜族の猫ね。」

まわりを囲まれる。

「僕たちさぁ、君を殺さない代わりにある唄を唄ってほしんだよね。」

逃げようとしたら押さえ込まれた。

(離して!!)

「逃げたって無駄だよ。さぁ、僕たちの条件をのむんだよ?」

ジタバタと抵抗するも敵わない。

(何が目的なの!?)

「不老不死になれる唄を唄ってよ。」

そんな唄はない。

少なくとも竜族にそんな唄を唄えた者はいない。

頭を横に振りまくる。

(できない!)

「ふーん。じゃあいいよ、死んで?」

鉤爪を出して切りかかってくる。

いや!!

決死の思いで振り切って全力で逃げる。

こんなとこで死にたくない!!

でも追っ手は同じ距離を保って追いかけてくる。

ハァ、ハァ・・・

息が切れる。

そして遂に・・・

「捕まえた!」

涙が零れた。

死にたくないよ・・・。

「じゃあ永遠に竜族は死んだってことで・・・バイバイ。」

アイリーンはぎゅっと目を瞑った。

浮かんでくるのは竜族のみんな。

ごめんなさい。

約束を守れなくて・・・。


















「やめろ。」


最終編集者 エーテルレイン [ Mon Oct 19, 2015 7:12 pm ], 編集回数 1 回
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by ティアーミスト on Mon Oct 19, 2015 5:35 pm

謎の救世主?!目が離せない展開になってきましたね^^

執筆ガンバです!
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Oct 19, 2015 6:25 pm

師匠!いつもありがとうなのです!!
謎の救世主現る!なのですよw




さてさてアイリーンは一体どうなったのかw続きをどうぞ!
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Oct 19, 2015 7:13 pm

デューンホークはアンバーズオッドたちが戻ると食事を済ませすぐに出発した。

目的地はない。

ただフラフラと旅をして疲れたら休む。

それがデューンホークの旅だった。

目的はあってもそれは場所ではない。

「デューンホークさん、琥珀狩りが行われたのは2年前らしいです。」

クラッシュハートが報告する。

「さっきいなかったのはその情報を手に入れるためか?」

「はい。」

ブリッツショットも答えた。

2匹で行ったのか・・・。

「2年前か・・・。」

竜族は滅びてしまったか・・・。

「驚いたことに噂なんですがね・・・」

ブリッツショットが話し始めた。

「実は生き残りがいるそうなんです。」

「!」

エンハンブレフレイムも反応した。

「それほんとか!」

「あ、いや、噂なんだ。」

「竜族か・・・。」

奇跡の唄を唄う部族。

それを狙って迫害することを琥珀狩りという。

「でも、すごくね!」

クラッシュハートが声を上げた。

「手を出すつもりはねぇ。」

竜族が生きてるならそれでいい。

別に利用なんざしねぇさ。

「俺会ってみたいな~。」

アンバーズオッドが言い出した。

「俺も!」

ブリッツショットもそれに乗る。

「お前ら・・・。」

こういう奴らが琥珀狩りを起こすんだよ。

「いつまで話してんだ?さっさと進むぞ。」
















少し進んだところだろうか・・・

1匹の猫が地面に押さえつけられていた。

そして聞こえてきたのは・・・

「じゃあ永遠に竜族は死んだってことで・・・バイバイ。」

ドクン・・・

竜族だと・・・?

・・・。

「やめろ。」

気づけば俺は・・・
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Oct 19, 2015 7:58 pm

「やめろ。」

アイリーンに向かって振り下ろされた鉤爪が停止した。

「なに?」

アイリーンを掴んでいた猫が振り向いた。

「あんたさぁ、この猫何者か知ってるの?」

「僕たちだっていいことしてるんだよ?」

何がいいことだ!

「おい、お前ら。」

「分かってますって。」

エンハンブレフレイムが前に出た。

「その子解放しろよ。」

続いてアンバーズオッド、クラッシュハート、ブリッツショットも前に出た。

「な、なんだよ。」

「だから離せって言ってんの。」

アンバーズオッドが睨みを利かせる。

「この猫は竜族だぞ!!」

叫ぶ猫。

「だーかーら!この猫は生きてたら世界を滅ぼすかもしんないんだよ!?」

「おい、そんなことすんのか?」

デューンホークがアイリーンに聞く。

(しないわ!)

アイリーンはひたすらに首を横に振った。

「だそうだが。」

「う、嘘に決まってる!!」

雄猫がアイリーンを引っかいた。

(!!)

痛みが走る。

「やれ。」

デューンホークが命令を下した。

「了解!」

いっせいに飛び出すエンハンブレフレイムたち。

アイリーンを攻撃していた3匹はみな逃げていった。

アイリーンは恐怖で体が固まってしまった。

「おい。」

(!)

アイリーンは恐る恐る振り返った。

「大丈夫か?」

その優しさにも恐怖した。

(私を騙して利用するんでしょ!!)

黙ったままのアイリーン。

「はぁ、俺らはお前がたとえ竜族であろうとも利用なんかしねぇよ。」

(嘘よ)

ただひたすらに見つめるアイリーンの異変に気づいたデューンホーク。

「お前、声が出せねぇのか?」

アイリーンは頷く。

そうか・・・。

声が出ねぇのか。

「少しいいか?」

キョトンとするアイリーン。

するとデューンホークが近寄ってきた。

(え、何?)

デューンホークが少し触れた。

すると・・・

「何か言ってみろ。」

(何・・・?)

「何。」

(え・・・)

「え。」

デューンホークは看護猫であったためにこのような会話法を身につけていた。

「名前は?」

(アイリーン)

「アイリーンか。俺はデューンホークだ。」

デューンホークは完全に分かった。

この猫は声帯に異常があるんじゃねぇ。

だとしたらこいつが声を失くしたのはショックやストレスからだろうな・・・。

アイリーンはまだ、知らない。

この猫との出会いが後に運命を左右することになるなど・・・
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Oct 19, 2015 9:38 pm

アイリーンはどうしていいか分からなくなった。

(逃げてもいいかな?)

デューンホークが聴いているのも忘れて・・・。

「お前逃げれねぇよ。」

(あ・・・)

「さっきの奴らがお前の生存を知った以上噂は広まっていく。」

アイリーンはこれから狙われてしまう。

生きられる確立は低い。

「もう一度言う。お前はもう逃げたり隠れたりできねぇ。」

その言葉が何を示しているか分かっている。

死だ。

追われて殺される。

ただそれだけ。

(生きたい・・・)

「デューンホークさんそろそろ行きませんか?」

エンハンブレフレイムが言った。

「待て。」

「はぁ・・・。」

(約束が・・・)

「約束?」

生きるんだって。

ラルフと兄と妹と母と竜族のみんなとの約束。

(私は・・・)

アイリーンは悩んだ。

この猫は信用できる?

騙してるかもしれない。

(あなたを信じてもいいですか?)

デューンホークは真面目な視線を送る。

「俺か?」

(はい)

「俺のことは信用してくれていい。」

そう。

俺は嘘をつかない。

こう見えてもな。

(じゃあ話します)

「何を話すんだ。」

アイリーンは俯いた。

(私は本当に竜族の生き残りです)

「あぁ。」

(私は最後の生き残りです)

じゃあ琥珀狩りは本当に・・・

「お前だけか?」

(2年前に琥珀狩りで・・・)

アイリーンは前足にぎゅっと力を入れた。

思い出す度に涙が溢れてくる。

「辛いなら話すな。」

この猫を守ってやりたい。

そう思えた。

辛いだろう。

自分だけ生き残って後ろめたさと恐怖が取り巻いているんだからな。

「生きたいか?」

(・・・はい)

「それなら、俺と来るか?」
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Oct 19, 2015 11:06 pm

(それは・・・)

あなたと旅をするということ?

「俺が・・・お前を守ってやる。」

私は道具だから?

唄う玩具だから?

ねぇ、そうなんでしょう?

(あなたも私を利用するの?)

「さっき言った。俺のことは信用しろと。」

私は前もあの子猫を信用したわ。

でも、

裏切られた。

だからそう簡単に誰かを信用できない。

(強いのですか?)

「さぁ?なぁ、俺って強いのか?」

デューンホークが仲間たちに尋ねた。

「自分を謙遜しないでください!デューンホークさんは強すぎます!!」

「だ、そうだ。」

(一緒に行けば私は生きられるのですか?)

「守ってやる。」

「俺らも守ります!!」

ブリッツショットが言った。

「俺も。」

アンバーズオッドが言い、クラッシュハートが頷いた。

「俺らは唄なんかに興味はないんだ。デューンホークさん同様利用なんかしないよ。」

アイリーンの心に温もりが広がった。

信じていいのかもしれない。

少しだけでも・・・。

(まだ、完全ではありませんが信じます)

「そうか。」

答えを聞いてない。

「で、俺と来るのか?」

(あなたがいいと言うのならお願いします)

「いいんだな?」

(はい)

迷いはない。

生きる希望があるのなら私はこの猫に全てを委ねるわ。

「こいつの名はアイリーン。今日から仲間だ。」

みんなアイリーンを温かく迎えてくれた。

幸せなのかな?
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Tue Oct 20, 2015 3:45 pm

第三部


旅と仲間

「アイリーン!腹減ったか!?」

「おーい!アイリーン、もう少しだぞ!」

「すげぇなそれ!!」

全員が優しく接してくれた。

そうしてアイリーンも少しずつ心を開き始めていた。

信じてもいいんだ。

だってみんなこんなに優しいもの。

でも心のどこかに不安がある。

この優しさは嘘なんじゃないかって。

私を信じ込ませるための罠なんじゃないかって。

分かってる。

そんなんじゃないのは。

彼らは本気で私を思ってくれている。

分かってる。

それでもまだこの不安は拭いきれない。

私は怖い。

「大丈夫か。」

デューンホークがそっけなく聞いてくれる。

アイリーンは頷いた。

そして笑って見せた。

(作り笑いが見え見えだな・・・。)

「わざと無理して笑うなよ・・・。」

デューンホークはアイリーンに聞こえないくらい小さな声で呟いた。

それでも俺は待つ。

お前が心から笑えるようになる日を。

声を上げて笑ってくれるその日を。

(信じたいのに・・・)

アイリーンは強く思っても心のどこかにある恐怖と不安は消えなかった。

2年も不安と孤独を心に押し込んで抱えてしまった。

その結果が不信を招いた。

まるでもがいて走っても抜けられない闇と沼にはまってしまったかのように・・・

アイリーンは闇を抱え込んだ。

(お願い・・・私を闇から救って・・・)

アイリーンの願いは誰にも届かなかった・・・。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Tue Oct 20, 2015 9:44 pm

アイリーンが仲間入りしてから5日。

アイリーンは大体打ち解けた。

でもまだ心からの笑顔を見たものはいなかった。



「今日はここで終わりだ。」

デューンホークの言葉とともにブリッツショットが倒れこんだ。

「あーッ疲れたー!」

クラッシュハートとアンバーズオッドもつられて倒れた。

「お前ら・・・」

エンハンブレフレイムが呆れたように言う。

「狩りはどうすんだよお前ら!!」

「エンハンブレフレイム頼むよー!」

アンバーズオッドがエンハンブレフレイムを見つめた。

「俺からも頼む!!」

クラッシュハートも言う。

「はぁぁ!!?」


クスッ・・・

アイリーンはその光景に思わず笑みがこぼれた。

「はぁ、もうちょっとまとまれよ・・・。」

デューンホークが愚痴をこぼす。

「俺だってお前らと同じくらい疲れてんだよぉ!!」

エンハンブレフレイムはブリッツショットの耳を引っ張る。

「いててててっ!」

「お前が行けェ!!」

エンハンブレフレイムが逃げようとする2匹を見つけ・・・

「どこ行くんだぁ?お前ら・・・」

「あー、ちょっと諸事情で・・・」

アンバーズオッドが捕まった。

「狩り当番はお前らだろう?」

「クラッシュハートー!!」

「俺狩り行ってきます!!」

クラッシュハートは逃げるように森に入っていった。

「何にも捕ってこなかったらぶちのめすからな!!」

エンハンブレフレイムが残りの2匹に笑いかける。

「笑顔が怖い・・・行きます!!」

2匹も逃げるように狩りに行った。

「ハァー、俺が疲れるよ・・・。」


クスクスッ

アイリーンは笑う。

「おっ!」

エンハンブレフレイムが気づいて近寄ってくる。

「笑顔可愛いよ。」

(え!あ・・・)

笑っていたことに気づくアイリーン。

「もっと笑っていいんだよ!でしょう?デューンホークさん!?」

「あぁ。」

でもデューンホークの方が笑わないと思うわ。

プライド?っていうのかしら?

きっとそれが高いのね。

「アイリーン!今度俺と狩り一緒にしような!」

エンハンブレフレイムはどこか兄、アラステアに似ていた。

普段はしっかり者でもときにハメを外すところなんかがそっくりだった。

アイリーンは完全ではないが打ち解けていった・・・
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Wed Oct 21, 2015 7:44 am

「いてて・・・」

エンハンブレフレイムが腹痛を訴えた。

「我慢しろ、薬草が見つかんねぇ。」

たいしたものじゃないだろ?

「いや、すっげー痛いんですけど・・・。」

「お前昨日何食った?」

「あー、えっと、ネズミとモリバトです。」

エンハンブレフレイムの腹痛の原因が分かれば・・・。

「で、その獲物を捕ってきたのはどいつだ?」

「お、俺っすけど・・・?」

クラッシュハートが名乗り出た。

「そのネズミかモリバトは様子がおかしくなかったか?」

「いえ・・・特には。」

アイリーンはそっとその場を抜け出した。

「ったく。しょうがねぇな。」

「あれ?アイリーンはどこですか?」

アンバーズオッドが気づいた。

「そこら辺にいるだろ?」

ブリッツショットが見回した。

「あれー?いないな。」

「ほっとけ。すぐ戻るだろ。」

デューンホークはエンハンブレフレイムの腹を触った。

「白状しろ。お前昨日食ったのネズミとモリバトだけじゃねぇだろ?」

腹がやけに張っている。

「いやー・・・何のことでしょう・・・?」

「俺は看護猫だ。騙せるとでも思ったか?」

「・・・すいません。リスと小さいトガリネズミも食べました。」

エンハンブレフレイムは降参して言った。

「自業自得だ。」

「すいません・・・。」

食べすぎで胃もたれでも起こしたんだろ。

「あっ!アイリーンだ!!」

いなくなっていたアイリーンが戻ってきたのだ。

口に細長い植物をくわえている。

「何持ってるんだ?」

アイリーンはエンハンブレフレイムを見た。

「そいつは薬草か?」

ブリッツショットの指摘に頷く。

「こっちへよこせ。」

デューンホークが呼んでいる。

アイリーンはデューンホークの足元に落とした。

「これは何ていう薬草だ?」

(ナズナよ)

「どんな効果がある?」

(腹痛みたいに消化器系に効くのよ)

初めて見た。

こんな薬草。

「何故知ってる?」

(植物と話せるの)

「は?」

アイリーンは説明した。

竜族だからこそできることである。

「信じ難いが・・・。」

(それを食べさせてみて)

アイリーンがナズナをエンハンブレフレイムの元へ全て持っていった。

「おい、待て。」

(?)

「薬草には適量ってもんがある。全部食わせたら副作用が出ちまう。」

アイリーンはただ薬草に詳しいだけ。

使い方や量はあまり知識がない。

「量はその半分で十分だ。」

アイリーンは頷くと量を分けた。

「それでいい。食え、エンハンブレフレイム。」

「えー!」

「えー、じゃねぇ。お前のためを思って言っている。」

「分かりましたよ・・・。」

エンハンブレフレイムはしぶしぶ食べ始めた。

「ん?あれ?まずくない。」

アイリーンがニコッと笑った。

「何入れた。」

デューンホークがこっちを見た。

(香草をすり込ませただけよ)

「そんなこともできるのか。」

(誰だってできるわ)

「俺はしねぇ。」

そんな面倒くさいことはする必要がない。

特にこいつのような自業自得な患者には教訓としてまずくても食わせた方がいい。

「お前は薬草に詳しいな。」

「すごいですね、アイリーンって。」

アンバーズオッドが反応した。

「デューンホークさんの知識と合わせたら最強だよな。」

クラッシュハートも言う。

「違いねぇ。」

ブリッツハートが相づちを打った。

「馬鹿なこと言ってねぇで大人しくしとけ。」

デューンホークに一蹴され黙り込む3匹。

「あ、少し楽になってきました。」

「なるほどな。効果があったようだ。」

(よかった)

「ありがとな、アイリーン。」

(いいのよ)

アイリーンの声は聞こえなくても通じたのが分かった。

「俺だんだん分かるようになったな、お前の気持ち。」

エンハンブレフレイムがニカッと笑って言った。

(私のこと分かってくれてうれしいわ)

アイリーンは初めて役に立てたことが嬉しかった。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Wed Oct 21, 2015 6:54 pm

エンハンブレフレイムは治ったあとデューンホークに叱られていた。

「お前はいつも大丈夫大丈夫と言って結局大丈夫になったことなんか一回もねぇだろ。」

「はい。そうです、すいません。」

「エンハンブレフレイムの腹痛のおかげで休めたな。」

アンバーズオッドがアイリーンに耳打ちしてきた。

クスッ

(そうね)

「おい!聞こえてるぞ!!」

エンハンブレフレイムがデューンホークの横から顔を覗かせた。

「黙れ。反省してんのか?」

デューンホークが睨んだ。

「してます。すいません。」

「哀れだなぁ。」

ブリッツショットがやってきた。

「俺らはそんなに食わねぇしよ。」

クラッシュハートも言っている。

「捕ってきた獲物がなんか少ないと思ったらエンハンブレフレイムが食ってたんだな。」

アンバーズオッドがしみじみといった。

クスクスッ

(楽しいわ)

「あいつもつくづく馬鹿だよな。」

クラッシュハートが頭を横に振りながら言った。

「とにかくこんなに早く治ったのはアイリーンのおかげだ。感謝しとけ。」

デューンホークがアイリーンを見ていった。

「アイリーンありがとな!」

(いいのよ)

アイリーンは笑い返した。

(元気になってくれて嬉しいわ)

その言葉は届かない。

それでも懸命に伝えようとする。

「元気になって嬉しいだとよ。」

デューンホークが伝えてくれる。

「本当か!?」

「いいよなーエンハンブレフレイムは。」

クラッシュハートが愚痴った。

「ほんと。」

アンバーズオッドが頷く。

「アイリーンに一番好かれてるだろ?」

ブリッツショットも言う。

「いや?そうでもないぞ?」

エンハンブレフレイムが来ていた。

『ヒィィィィィ!!』

驚く3匹。

「俺よりもデューンホークさんの方がアイリーンは好いてると思うぞ?」

エンハンブレフレイムの言葉で凍りつく3匹。

「ん?どうした?」

「俺ら勝ち目ねぇじゃんか・・・。」

ブリッツショットが呟いた。

「エンハンブレフレイムならまだしも・・・」

アンバーズオッドもショックを受けたように言う。

「デューンホークさんには勝てねぇよ・・・。」

クラッシュハートが続けた。

「は?・・・お前らまさか・・・!」

エンハンブレフレイムは気づいて頭を抱えた。

『アイリーンが好きなんだよぉ!!』

(!!)

3匹の声が重なってアイリーンに聞こえてしまった。

「はぁぁ。お前ら馬鹿か?」

エンハンブレフレイムはアイリーンの元へ向かった。

「気にすんな。ただのたわごとだ。」

(私のこと・・・)

「俺ら全員お前のことが好きなんだ。」

エンハンブレフレイムが笑って言った。

「仲間としてな!」

(認めてくれてるんだね、仲間として)

「デューンホークさんも!ですよね!!」

「ん?あぁ。」

そっけなく答えるデューンホーク。

「デューンホークさんはああ見えても結構照れ屋なんだ。」

「聞こえてるぞ。」

「え!あ、すいません!!」

エンハンブレフレイムは慌てて謝った。

アイリーンは幸せを心いっぱい感じていた
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Wed Oct 21, 2015 9:30 pm

デューンホークはアイリーンが元気になったことを密かに喜んでいた。

アイリーンは笑う回数が増えた気がする。

まだまだ全てがよくなったわけじゃない。

声はまだ出ないし。

デューンホークだけが知っていた。

ときどきアイリーンが夢にうなされていることを。

元々眠りの浅いデューンホークだからこそ気づけるのだ。





そして今日もまた・・・

アイリーンは、泣いていた。

夢の中でも声は出せないらしい。

掠れて不規則な呼吸が静かな夜の世界に響いた。

「どんな夢見てんだよ・・・。」

辛そうにうなされるアイリーンを見ていたら心がズキッと痛くなる。

「こいつを苦しめてんのはきっと・・・」

琥珀狩りの記憶だろうな・・・。

くそ!

俺は何て役立たずな看護猫だ!

心の傷ぐらい治してやれたらどれだけいいか。

計り知れないアイリーンの心の傷の深さ。

「アイリーン・・・。」

今までにない感情がこみ上げてきた。

守ってやりたい。

救ってやりたい。

仲間にさえそんなに深い感情を抱いたことはなかった。

「・・・ぁ゛・・・・・」

アイリーンが掠れた声を出した。

「!!」

デューンホークは驚いた。

でもそれはそのときだけだった。

辛いだろ・・・。

ごめん。

俺は役立たずだから、何もしてやれねぇ。

デューンホークはアイリーンに体を寄せて目を閉じた。

お前の痛み、苦しみ、悲しみを少しでも俺に分けてくれ。

それでお前が辛くなくなるなら・・・。

アイリーンの涙がデューンホークの耳を濡らした。

「・・・ッ。」

デューンホークはやりきれない思いのまま眠りについた。

いつか俺が、お前の心の傷を癒してやるからな
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Thu Oct 22, 2015 10:22 pm

デューンホークが完全に寝付いた。

アイリーンは夢にうなされて目を覚ました。

するとデューンホークが寄り添ってくれていたことに気づく。

温かい気持ちになりながらもそっとその場を離れた。

自分ことをこんなにも思ってくれる者がいる。

それがどれほど幸せか。

2年もの間に愛されることを忘れてしまったアイリーン。

今、この幸せを噛み締めていたい。

アイリーンは月の見える場所に座った。

(どうかこの幸せが永遠に続きますように)

小さなその願いは風に乗って飛んでいく。

寂しい月の光がアイリーンに突き刺さる。

アイリーンは静かに泣いた。

怖い。

この幸せが、いつか崩れていってしまうんじゃないか。

再び不幸になってしまうのではないか。

不安で不安で・・・。

怖くてしかたなかった。

涙は止めどなく流れる。

(助けて)

声にならない叫びでアイリーンは泣く。

嫌でも想像してしまう。

幸せが崩壊する光景を。

そんなの・・・イヤよ・・・・・。

どうしようもない恐怖と不安に押しつぶされそうになる。














デューンホークはまたすぐに目を覚ました。

そしてアイリーンがいないことに気づく。

「どこに行った?」

心配だ。

デューンホークは辺りを見回す。

いねぇな。

においを辿ってみることにした。

するとすぐに分かった。

アイリーンは開けた場所で月を見ていた。

(なんだ、ここにいたのか)

安堵でいっぱいになる。

おかしいな。

俺はアイリーンに過保護すぎやしねぇか?

何だってそんなに心配する。

俺はおかしいのか?

俺は・・・

よく見るとアイリーンは泣いているではないか。

放って置けるわけ・・・ねぇよ。

デューンホークはすぐさま駆け寄った。

(!!)

アイリーンはすぐに涙を拭ってデューンホークに笑いかけた。

隠すなよ・・・。

「笑うな。」

(え?)

「無理して笑うなよ。」

分かってる。

こいつは俺を心配させたくなくて涙を隠したんだってことぐらい。

「泣きたきゃ泣けばいい。誰も見てねぇ。」

俺だけだ。

「誰にも言わない。」

辛いことを押し殺すな。

(私は・・・)

泣きたくなんか・・・

それでもデューンホークの言葉に解放されたのか、涙が再び流れ出る。

「我慢するな。余計辛くなる。」

俺が受け止める。

お前の涙は誰にも見せねぇ。

「何でもいい。お前が泣く理由なんて気にしねぇ。」

辛いんなら涙で流して捨てろ。

アイリーンは泣いた。

デューンホークの胸の中で夜が明けるまで泣き続けた。

俺がお前を全て守る
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Fri Oct 23, 2015 6:41 pm

「ん・あぁーぁ・・・。」

エンハンブレフレイムが目を覚ました。

そして目の前の光景に心が温まった。

デューンホークとアイリーンが仲良く寄り添って寝ているのだ。

何があったかは知らないがとにかく良かったのかもしれない。

他の猫も起きてきた。

そして同じ光景を目にして絶句してる。

「ふはははっ!」

エンハンブレフレイムは言葉をなくした3匹を笑った。

『笑うな!!』

「あっ、おい馬鹿!」

アイリーンが目を覚ました。

続いてデューンホークも。

「・・・うるせぇお前ら。」

デューンホークに睨まれすくむアンバーズオッドたち。

「ヒィッ!!」

デューンホークは再び目を閉じた。

だがアイリーンは起き上がって伸びをした。

(狩りをしないと)

「どこ行く?」

デューンホークが目を瞑ったまま聞いてきた。

(狩りよ)

「気をつけろよ。」

(分かってるわ)

俺はやっぱりおかしい。

アイリーンなら心配はいらない。

なのにどうしてこんなにも気になるんだ?

俺はどうかしてる。

過保護はよくない。

(行ってくるわ)

「あぁ。」

アイリーンは狩りに出かけた。

「俺も腹減ったし狩りに行こっと。」

クラッシュハートも森に入っていった。

「俺のも頼む!」

ブリッツショットが言った。

「はいよ。」

「俺も行くかな。」

エンハンブレフレイムが立ち上がった。

「じゃ、俺の分も。」

アンバーズオッドは毛繕いしながら言った。

「はいはい。」

きっとデューンホークさんの分はアイリーンが捕ってくるだろうな。

エンハンブレフレイムは密かに思った。

デューンホークはどちらかと言えば夜行性気味だ。

だから朝は遅くまで寝ていることが多い。

本人曰く夜は寝れないらしい。

アンバーズオッドとブリッツショットが残った。














案の定、アイリーンは2匹分の獲物を捕らえてきた。

そしてデューンホークをそっと起こした。

「・・・んだよ。」

寝起きは機嫌の悪いデューンホーク。

でもアイリーンを一目見ると不機嫌な目は消えた。

アイリーンが獲物をデューンホークの足元に落とすと、

「どうも・・・。」

と、言って食べ始めた。

その影で、

「絶対デューンホークさんってアイリーンのこと好きだよな。」

ショックを受けつつも呟くアンバーズオッド。

「諦めたらどうだ?」

エンハンブレフレイムは提案する。

「あぁぁ・・・希望はないのか・・・。」

クラッシュハートが頭を抱える。

「泣きてぇよ。」

ブリッツショットも失望している。

「あの2匹のほうがお前らよりお似合いだな。」

『言うな!!』

「黙って食え。」

『すいませんっした!!』

デューンホークはまだ気づいていない。

自分の思いを・・・
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Sat Oct 24, 2015 7:22 pm

戦い


アイリーンはもう完全に仲間とされていた。

嬉しい。

そして自分の思いにも気づいていた。

声を取り戻したい。

今は自分に出来ることが限られている。

もう唄うことを恐れないって決めた。

仲間・・・。

みんなのためになら唄ってもいい。

どんなに危険に晒されても唄う。

もう決めたんだ。














「おい、これから行くところは犬が放し飼いされてるらしい。気をつけろよ。」

デューンホークが注意喚起した。

「分かりました!」

エンハンブレフレイムが答え後の3匹は頷いた。

(注意するわ)

デューンホークは小さく頷き進み出した。

「でもさ、俺らにかかってくる犬ってやっぱ馬鹿じゃね?」

アンバーズオッドが言う。

「あ、俺も同感だわ。」

クラッシュハートも続けた。

「注意しろよ?」

エンハンブレフレイムが念を押した。

「へいへい。」

ブリッツショットが返事をした。

「本当に分かってんだか・・・。」

アイリーンは神経を研ぎ澄ませる。

「おい、そんなに気にするな。」

デューンホークが気づいた。

(でも・・・)

「お前は戦う必要ねぇよ。俺が守る。」

サラっと言い流した。

(守られてばかり・・・悪いわ)

「傷ついてほしくない。」

俺は一体何なんだ?

アイリーンのこと考えすぎだ。

「お前は守る。絶対だ。」

(嬉しいわ、けど・・・)

「心配要らない。お前を守りながら自分の身だって守れるさ。」

デューンホークは何が何でもアイリーンに戦わせることはしたくないらしい。

(私は戦えるのよ?)

「知ってる。だが駄目だ。」

デューンホークが引かないことを思ってアイリーンは諦めた。

守ってもらうのは申し訳ないけど・・・。

「俺はお前が・・・」

お前が?

俺は一体・・・。

何だこの気持ちは。

やりきれない思いに翻弄されるデューンホーク。

ったく。

俺はどうかしてる。

「・・・ん!デューンホークさん!!!

ボーッとしていたら呼ばれているのに気づかなかった。

「後ろ!!!」

エンハンブレフレイムの声で振り返る。

そこには大型の犬が2匹。

よだれを垂らして目を光らせていた。

アイリーンにとって忘れられない戦闘となるのだった。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Sun Oct 25, 2015 9:51 am

デューンホークは構えた。

アイリーンの前に立ち守るような体勢をとった。

「そのままゆっくり下がれ。」

アイリーンに耳打ちする。

アイリーンは言われたとおりに下がる。

だが犬も同じようについてくる。

「デューンホークさん・・・」

ブリッツショットが不安そうに言う。

「落ち着け。」

多分こいつらと戦うハメになるな。

上等だ。

かかってこいよ。

犬はジリジリと距離を詰めてくる。

「どうしますか・・・?」

クラッシュハートが顔を覗き込んできた。

「やるぞ。」

「はい!」

エンハンブレフレイムが戦闘体勢に入った。

「少し手強いな。」

アンバーズオッドもエンハンブレフレイムの横に並んだ。

「お前は逃げろ。」

デューンホークがこっちを向いた。

(でも・・・)

「お前は生きているんだ。竜族の生き残りだ、死なれたら困る。」

(私は・・・)

「行け。」

アイリーンに有無を言わせまいとデューンホークはアイリーンの背を押した。

アイリーンは後ろめたそうにチラっと振り返ると走っていった。

ガルルルルルルル・・・・・

犬は飢えたように目をギラつかせる。

「俺に喧嘩売ったこと後悔させてやるよ・・・」

デューンホークは口角を吊り上げてニッと不気味に笑った。



























「ハァ・・・ハァ・・・」

全員血を流して横たわった。

「手強かったー!」

アンバーズオッドが言った。

「あれ?アイリーンは??」

「あぁ、あいつなら・・・」

アイリーンがやってくるのが見えた。

心配そうに顔を歪めている。

デューンホーク以外の猫が駆けてきた。

「よかった!無事で!!」

(あなた達の方が酷いじゃない)

そのときだった。

後ろで死んだはずの犬が起き上がってデューンホークを見た。

アイリーン以外気づいていない。

デューンホークも・・・。

アイリーンは・・・



「デューンホーク!!!後ろ!!!!」
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by ティアーミスト on Sun Oct 25, 2015 10:05 am

ふわああ大ピンチ!
飽きのこない、はやめの展開に引きつけられます(`・ω・´)
いよいよ物語も終盤に入ってきたのでしょうか?w続きが気になりますw 
執筆ガンバです!
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Sun Oct 25, 2015 10:08 am

師匠!

毎度毎度感謝でいっぱいなのです!
ラストに近づいてますよww
ハンカチの準備をww
続きが気になるなんて・・・w
感激で倒れそうになりました!w

これからスピード上げるのでw






さて、最後の声は誰でしょう?
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Sun Oct 25, 2015 6:56 pm

デューンホークはすぐさま後ろを振り向いた。

そして犬の死力の一撃をかわした。

犬は完全に死んだ。

デューンホークはそんなことどうでもよかった。

「アイリーン・・・今!」

ブリッツショットが驚いていた。

エンハンブレフレイムを押しのけてアイリーンに接近した。

「おい、今の声お前か・・・!」

アイリーンは自身でも信じられなかった。

でも・・・。

「う・・ん。」

久しぶりに声を出せた。

なんて清々しいんだろう。

「戻ったんだな。」

「うん。」

デューンホークは少し笑った。

「よかった!!アイリーンの声が戻ったぁぁぁ!!」

アンバーズオッドが飛び跳ねた。

「声聞けた!!」

クラッシュハートも喜んでいる。

「俺も嬉しいな。」

エンハンブレフレイムは薄っすら涙を浮かべていた。

「み・・んな・・・」

「何だ何だ!!」

大袈裟だなぁ。

呼んだだけなのに。

「声が戻ったならよかった。」

デューンホークが静かに言う。

「デューンホーク・・・」

「エンハンブレフレイムさん」

「アンバーズオッド君」

「ブリッツショット君」

「クラッシュハート君」

みんなの名前を呼ぶ。

「俺だけさん!!?」

エンハンブレフレイムが落ち込みそうになっている。

「違うの・・・なんかお兄ちゃんに見えて・・・・君じゃ、変だと思って・・・」

「あ、ごめん!お兄ちゃんかー。嬉しい!!さんでいいよ!!」

アイリーンはずっと思っていたことを告げる。

「いいよな・・・」

アンバーズオッドたちが見てくる。

「それより・・・少し聞いて。」

「ん?」

デューンホークも起き上がった。

また今日も・・・


アイリーンは唄った。

ずっと唄わないと決めていたことだったのに。

でも、今は違う。

唄いたい。

傷ついた仲間たちを癒してあげたい。

大丈夫。

もう全て信じられる。

みんなが静かに耳を傾ける。

そして唄い終わる頃には傷は全て癒えていた。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Oct 26, 2015 12:51 pm

「いいのか・・・?」

デューンホークが言った。

それは俺たちを信用してるという証拠だと思ってもいいんだな。

「うん。いいの。」

もう、何も心配する必要はないもの。

大丈夫。

彼らなら信じられる。

「私は・・・あなたたちを信じます。」

ブリッツショットとエンハンブレフレイムが向き合った。

「俺たちを信じてくれるのか!!?」

エンハンブレフレイムが驚きのあまり大声で言った。

「うん。」

怖くない。

今まで彼らが私にしてくれたことを思うと心が温かくなる。

仲間・・・。

私を認めてたんだ。

だから私も信じようって決めたんだ。

「俺らのために無理して唄わなくてもいいんだよ?」

アンバーズオッドが言ってきた。

「そうだよ!その唄は俺らなんかのために使うなんてもったいないよ!!」

クラッシュハートも同じようなことを言う。

「私ね。大丈夫だから。みんなのために出来ることが唄うことだから。」

唄わせて。

あなたたちがくれたものに比べればこんな唄、どうってことないかもしれない。

でもね。

私が出来る唯一のことだから。

あなたたちのために出来るたった一つのことだから。

「言ったはずだ。俺たちにお前の唄は必要ないと。」

デューンホークが冷たい一言を放った。

「そんなことをすれば俺たちがお前を利用しているみたいに思える。」

デューンホークの言葉には温かみも隠れているのにアイリーンは気づいた。

『唄っているところを見つかれば途端に危険に晒されるぞ』

そう言いたかったのだろう。

だが、デューンホークの性格からして本当のことを言えなかったのだろう。

「気にすることないよ。あれはアイリーンが心配だって意味だから。」

ブリッツショットが耳打ちした。

「分かってるわ。ありがとう。」

アイリーンも少し安心した。

デューンホークが素直になったらきっとこの状況は崩れるだろうな・・・。

でも素直な彼も見てみたい。

アイリーンは少し笑った。

「ふふっ。」

素直なデューンホークを想像していた。

「何がおかしい。」

デューンホークに指摘されてハッと口をつぐんだ。

「あ、いや・・・」

デューンホークは言い過ぎたことを反省しつつ、

「とにかくお前が必要だと思うとき以外唄うな。いいな。」

そこにも優しさが隠れているのを知っているわ。

あなたは厳しくて冷たいって見られてるかもしれない。

でもね、私とエンハンブレフレイムたちは知っているのよ。

あなたが本当は優しい猫なんだってことを。

だから私たちはあなたについていけるの。

強くて優しいあなただからみんな慕っているの。

「分かったわ。」

アイリーンは答えた。

「な!デューンホークさんは優しいだろ!」

ブリッツショットが笑って言った。

「ブリッツショット。」

デューンホークの一言でブリッツショットは青ざめた。

「すいません!すいません!!」

必死に謝るその姿がおかしくてつい・・・

「アハハ・・・」

今まで声を出して笑うことがなかったアイリーン。

それでも今は思いっきり笑えるのだ。

「・・・っぷ、アッハッハッハッハ!!」

つられてアンバーズオッドもクラッシュハートも笑い出す。

エンハンブレフレイムもにこやかに微笑んでいる。

アイリーンはこの日、大きな一歩を踏み出したのだった。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Oct 26, 2015 1:28 pm

アイリーンが声を発したとき、デューンホークのあの分からない気持ちがより一層強まった。

そして唄ったときも・・・。

アイリーンが危険に晒されやすくなって心配で心配で堪らなくなった。

守りたい。

たとえ自分の命を犠牲にしてでも・・・。

そう思えるのだ。

俺は一体どうしちまったんだよ・・・。

今までこんな思いに駆られたことなんてなかった。

分からない。

この思いがなんなのか。

「はぁ・・・。」

ため息が混じる。

でも聞いたことがある気がする。

これは・・・恋?

「んなわけねぇだろ。俺に限って・・・」

つい口に出して反論した。

アイリーンに対してしかこんな思いは起こらない。

俺は・・・。

否定できない。

俺はやっぱりどうかしてる。

恋なんて俺には向いてない。

俺は優しくしてやれねぇ。

思いをはっきり伝えられねんだ。

俺は変わってるからな。

デューンホークは頭をかいた。

そして仲間たちと丸くなって眠るアイリーンを見つめた。

第一、俺はアイリーンに冷たくしすぎたしな。

本当のことが言えないんだ俺は。

するとアイリーンが目を覚ましたのが分かった。

デューンホークはとっさに寝たフリをした。

仲間と少し離れて寝るデューンホークにアイリーンはそっと近づき寄り添って眠った。

「・・・ッ・・・・・」

デューンホークが悩んでいるところへの不意打ち。

おいおいおい・・・。

勘弁してくれよ。

そんな彼女の素っ気無い優しさに心を奪われそうになる。

でもいいもんだな。

温もりが傍にあるってのは。

久しぶりだな。

こんな風にグッスリ眠れそうなのは。

アイリーン。

俺はお前が好きなのかもしれない。

今は伝えられないけどよ。

いつか知ってくれると嬉しい。

俺の気持ちを。

答えてくれなくていい。

ただ傍にずっといてほしい。

もう、お前を悲しませるようなことはしないから。

俺がどんな敵からも守ってやるよ。

だからどこにも行くな。

俺の傍でいつまでも笑っていてくれ。

デューンホークは久しぶりに深い眠りについたのだった
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Oct 26, 2015 2:46 pm

次の日の朝。

アイリーンは目を覚ました。

みんなまだグッスリ眠っている。

だがもうじき朝日が全員を起こしてしまうだろう。

「昨日あんなに激しく戦ったんだもの・・・」

唄ってはいけないとデューンホークに言われたけど・・・

疲れてるんだからゆっくり寝てね。

心に灯ったその輝きは
いつか貴方を導いてくれる
決して消えない炎
それはいつまでも燃え続けるの
温かな日を浴びて
その灯火を空に返そう
大丈夫
安心できる
貴方は今優しさに愛でられて
今を幸せに生きるんだ
貴方は優しい
このまま何にも邪魔されずに
その炎を燃やし続けて
消えない火
照り続ける光
貴方は優しい・・・



これでしばらく眠れるわ。

その間に私は狩りをしましょ。

みんな起きたらすぐ食べれるように。

「あぁ、なんていい朝なの。」

アイリーンは伸びをした。

「さ、狩りよ。」

アイリーンは狩りを始めた。

「そう言えば植物の声、まだ聞こえる。」

普通なら声を出した瞬間に植物の声は途絶えるはずなのに。

「覚醒・・・したのね。」

母の言ったことを思い出す。

声を出しても聞こえるのなら覚醒したことに間違いはない。

でもまだあるのだ。

『アイリーン。覚醒は2段階に分かれているのよ』

『一つは今教えたこと』

『もう一つはね___』

まだ覚醒の段階が違う。

竜族に覚醒者はいなかった。

ただ、母が第1覚醒者だった。

そしてアイリーンも第1覚醒者となった。

「もっと強くなれるってことね。」

アイリーンはそう思いながらも狩りを続けた。

第2覚醒・・・

自分にできるだろうか。

生きる為にやるしかないのだろう。

でもどうやって?

私にできる?

そう考えているうちにウサギを仕留めた。

「第2覚醒ってそもそもどうすればいいの?」

思わず声に出る。

時を待てば分かるはずだろう。

「もう、このくらいで十分よね。」

狩りを終えて獲物を運ぶ。

するとデューンホークが目を覚ました。

「おはよう。」

「あぁ。」

デューンホークは寝すぎたことを不審に思っている。

「寝すぎたな・・・。」

いつもなら起きてる仲間たちもまだ寝ている。

「疲れたのよきっと。」

唄ったことがバレちゃうわ。

「私だけは戦わなかったでしょ?だから起きれたの。」

「そうか・・・。」

「あ、みんなも分も捕ってきたから。」

獲物をドサッと落とす。

「起きろ。」

デューンホークが仲間を起こす。

「ん・・・あーぁ」

全員起きるまでさほど時間はかからなかった。

「おー!これアイリーンが全部捕ったのか!!?」

クラッシュハートが嬉しそうに言った。

「えぇ。」

「お前ら感謝しろよ?今日の狩り当番はお前らなんだから。」

エンハンブレフレイムがアンバーズオッドとブリッツショットに言った。

「そうだな、ありがと!」

アンバーズオッドが笑って言った。

「サンキュー!!」

ブリッツショットも言った。

「いいのよ。昨日私だけ逃げちゃったでしょ?みんな疲れてると思って。」

アイリーンはにこやかに返す。

「遠慮しないで食べて!」

みな、ガツガツ食べ始めた。

「ふふふっ、エンハンブレフレイムさん、また胃もたれ起こさないでね?」

「ブゥッ!!お、おう!」

エンハンブレフレイムはびっくりして噴出した。

「まーたやっちまったら困るしな・・・」

クラッシュハートが呟いた。

「エンハンブレフレイムさんだけじゃなくてみんなもよ?」

アイリーンはおもしろそうに笑って言った。

「心配するな!」

とアンバーズオッド。

「俺はエンハンブレフレイムとは違って食い意地は張らねぇからよ!」

ブリッツショットも言った。

「フザけんなぁ!俺の悪口言いやがって!!」

エンハンブレフレイムが近くにいたアンバーズオッドを小突いた。

「うるせぇな。黙って食えねぇのか、お前らは。」

デューンホークに一蹴され静かになった。

「デューンホークもガツガツ食べちゃダメよ?」

「分かってる。」

そういえばアイリーンって俺だけは呼び捨てだよな・・・。

他の奴らは君やさんをつけてるってのに。

「何でだ?」

「え?」

「何故俺だけ呼び捨てなんだ?」

知りたい。

「それは・・・親しみやすいから?」

「俺を怖いとか思わねぇのか?」

仲間内にさえ怖い。

恐れがあるのに。

「怖いなんて思わないわ。むしろ・・・」

「おぉ!?」

ブリッツショットが反応した。

「はーい、お前らちょっと向こう行こうか?」

エンハンブレフレイムが3匹を遠ざけてくれた。

「私ね、もしかしたらあなたが好きかもしれないの。」

いつからか分からない。この気持ちが芽生えたのは・・・
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Oct 26, 2015 3:34 pm

「お、俺が・・・?」

デューンホークが動揺している。

「そう、あなたが。」

まさかな・・・。

「それは慕ってるって意味だろ。」

「いいえ。」

分かってないなぁ。

私は好きなのよ。

ただ純粋にね。

「・・・。」

「ね、私はあなたを愛するわ。」

俺は・・・

「・・・俺も・・・だ。」

「え?」

「俺もお前が好きかもしれないな・・・。」

隠した感情。

私には分かるのよ。

「本当?」

「あぁ。」

そっか。

「嬉しいわ。」

今、とっても幸せよ。

「私を守ってくれてありがと。」

「いや・・・別に。」

そうやって感情を隠そうとする。

そんなところも好きなんだわ。

「これからもずっと傍にいてくれるな。」

「もちろんよ。私はずっとあなたの傍にいるわ。」

デューンホークがフッと笑った。

「俺、初めてだな。こんな風に思いを打ち明けたの。」

「私もかもしれないわ。」

俺を変えやがって。

俺は本当ならこんなとき冷たく返すんだ。

でもアイリーンにはできないな。

「もういいか!!?」

エンハンブレフレイムが叫んでいる。

「ありがと!」

「どういたしましてー!」

エンハンブレフレイムが戻ってきた。

「何話してたんすか?デューンホークさん。」

「そうそう、気になりますねぇ。」

ニヤニヤと聞いてくるクラッシュハートとブリッツショット。

「殺られてぇのか、テメェら。」

ギロッと持ち前の目力で圧倒する。

「うぎゃあ!!すいません!!」

クラッシュハートとブリッツショットはアイリーンの後ろに隠れた。

「助けてアイリーン!!」

「え!ちょっとー。」

アイリーンはもうすっかり打ち解けていた。

「お前ら、ちょっと来い。」

デューンホークに呼び出されビクビクと怯えながらついていく。

「で、何話してたんだ?」

アンバーズオッドに聞かれてアイリーンは、

「好きって言ったのよ。」

「・・・マジか・・。」

ガックリとうなだれるアンバーズオッド。

「結果は分かるな。」

エンハンブレフレイムは頷きながら言った。

「知ってたのね。」

「俺か?あぁ、デューンホークさんの言動を見聞きしてれば分かるさ。」

エンハンブレフレイムが一番初めに気づいたのだ。

「気を使ってくれてありがと。」

「いいっていいって!」

「俺を置いとくな!!」

アンバーズオッドが割り込んできた。

「アンバーズオッド君も。」

「ん?」

「戦うとこかっこいいと思うわ。」

「社交辞令はよしてくれ。傷つくだけだ。」

アンバーズオッドはさらに落ち込んだ。

「ぎゃぁー!!!」

「助けてー!!!」

デューンホークに呼ばれた2匹は滅多打ちにされていた。

重なった2匹の上にドサッとデューンホークが座り込んだ。

「どいてください!重いです!!」

ブリッツショットが悲鳴を上げる。

「リーダーは誰だ。」

「デューンホーク様です!!!」

クラッシュハートが叫ぶ。

その様子を見ていた3匹は、

笑い出した。

「アッハッハッハッハ!!!」

「クククッ!」

「アハハハハハッ!」

デューンホークはまだ降りない。

「反省したように見えねぇ。」

「そんなぁ!!してますしてますぅ!!」

ブリッツショットが慌てて言った。

「なら狩り当番を1週間連続にして許す。」

「ヒエェェェェェェ!!!」

2匹はようやく解放されたのだった。

「で、どうなったんですか?」

「教えていただかないと・・・」

デューンホークから物凄い気迫が漏れ出した。

「あ・・・」

再び2匹はデューンホークから仕打ちを受けるのであった。

楽しい日々が続けばいい。そう願うアイリーンだった。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Oct 26, 2015 4:34 pm




「そういえば、デューンホークはどうして旅を続けるの?」

ずっと思ってた疑問。

デューンホークは隣を歩くアイリーンを見つめた。

「もう少しで休憩だ。それまで待て。」

デューンホークなりの返し方で答えた。

「分かったわ。」

考えたことなかった。

何でだろう?とは思っていたが実際にそれが何かを考えてもみなかった。

何か目的があるの?

それは場所?

物?

猫?

考えれば考えるだけ分からない。

「俺のは後で教えるとして、お前のは何だ?」

「私?」

「そうだ。」

「まだないわ。」

第2覚醒することは夢じゃなくて目標。

「そうか。」

私は夢なんか考えられなかった。

夢っていうものを忘れてしまった。

私には生きるって約束と覚醒するって目標がある。

でも夢がなかった。

叶えたい夢は私にはなかった。

















一行は小さな公園で休息をとった。

デューンホークは話し始めた。

「俺にはな、弟がいるんだ。」

「弟さん?」

知らなかった。

「昔、人間に引き離されちまったんだ。そんときにこの傷を負ったんだ。」

デューンホークには顔と耳に傷かある。

「そのピアスも?」

「人間が面白がってつけた。」

思えば沸いてくる殺意。

デューンホークを傷つけた人間を殺してやりたい。

「で、俺の夢はその弟を見つけることなんだ。」

それがあなたの夢。

私は分かったわ。

自分の夢が。

それは__

「絶対夢を叶えてね。」

「あぁ。」

「約束よ?」

「分かったよ。」

デューンホークは頷いた。

私の夢はあなたの夢が叶うこと
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

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