竜の唄を響かせて    <完結>

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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Tue Oct 27, 2015 9:32 pm

「そういえばなんでデューンホークは看護猫になったの?」

それも疑問だ。

「別に、意味はない。ただ、旅ってなると治療ができる方がいいだろ?」

そっか。

「お前は何で薬草に詳しい?」

「そうそう!俺も気になってたんだ!」

エンハンブレフレイムが言う。

「竜族の猫は誰でも詳しいのよ。」

「へェ、そうなんだ。」

エンハンブレフレイムが納得したように言った。

「母が一番詳しかったわ。」

第1覚醒した母は、薬草についてなら何でも知ってたわ。

「アイリーンのお母さん?」

「そうよ。」

一番最後に聞いた声が母だったわ。

竜族が滅びる前に・・・

「あ、ごめん。嫌なこと思い出させちゃったよね?」

エンハンブレフレイムが戸惑って言った。

「いいのよ。もう私だって引きずってないもの。」

アイリーンはニコッと笑って見せた。

「お前の唄に何故いろんな効果がある?」

デューンホークが聞いてきた。

「私も・・・それだけは教えられなかった。私も分からないわ。」

生まれてからずっと不思議だった。

何で私たちの唄はこんなにもたくさんのことができるんだろうって。

「不思議な唄なんだなー。」

アンバーズオッドもやってきた。

「ん?あいつらは?」

「狩り。」

デューンホークに与えられた罰だ。

「っぷ、可哀想に。」

エンハンブレフレイムが笑った。

「・・・私には。」

「何だ。」

デューンホークが耳を傾けた。

「唄ってはいけない唄があるの。」

それはね・・・

「破壊の唄。」

「破壊?」

エンハンブレフレイムが首をかしげた。

「唄にのせないで言葉だけで伝えられます。」

母から教えられた。

何でって聞いても『理由は伝統だから・・・』

としか言われなかった。

「これを唄えば世界が滅びるんだって・・・」

「唄うわけねぇだろ?アイリーンに限って。」

アンバーズオッドが励ますように言った。

「もちろんよ。でも、これが原因で竜族は嫌われたの。」

竜族の古い歴史の中には残酷な現状があった。

「でも!俺らは絶対にアイリーンたちがそんなことしねぇって分かってる!!」

アンバーズオッドが言い切った。

「私ね、何で竜族が嫌われるか知ったとき、怒りしかなかったの。」

破壊なんかしないのに。

絶対絶対しないわ!!

「それはそうだよな。やりもしないことやるって決め付けて迫害するなんて・・・。」

エンハンブレフレイムが同情してくれた。

「でも、みんなは違ってくれたから。嬉しいの。」

涙が零れた。

「アイリーン。」

デューンホークが声をかけた。

「え?」

「辛いんなら我慢するな。」

そっけなく言ったその言葉は何よりも優しい。

「うん・・・。」

アイリーンは仲間という愛に包まれて再び愛を学んだ。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by ラッキークロー@LC on Thu Oct 29, 2015 6:46 pm

 アイリーンとデューんホークたち、そして竜族は存続するのか...と、目が話せません。

 更新楽しみにしています!
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Thu Oct 29, 2015 9:19 pm

ラッキークローさん!ありがとうございます!!

こんな駄作を読んでくださっているだけでありがたいです!!



更新がんばりますよ!
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by モノクロサテン on Thu Oct 29, 2015 10:35 pm

はじめまして!モノクロテイルです!
竜の唄を響かせて、全部ではありませんが少しずつ読ませて貰ってます!
歌ってやっぱり不思議な力がありますよね…現実世界でも常々思います。聞くだけで人の心を動かせるのなら、世界を終わらせる力があっても不思議ではないかも…
ではでは更新頑張ってくださいね!
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Thu Oct 29, 2015 11:03 pm

ありがとうございます!!w

唄ってやっぱ何か感じますよねw

私も歌を聴いていて、あれ?何だろう、と思うことがありますw
聞いてパワーを感じたり変わったなって思いますね。
歌詞なんかの意味も考えて力をもらったり励まされたりしますw


更新がんばらせてもらいますw
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Fri Oct 30, 2015 7:15 pm

もうどうしようもない命。




彼女は気づかない。





_ねぇ、このとき気づいていれば未来は変わっていた?_





それは誰にも分からない。




私はその未来に生きていられただろうか。




誰か教えて。




答えを・・・。



















誰か・・・助けて。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Fri Oct 30, 2015 11:00 pm

第4章

事実


「あ、デューンホークさん?」

エンハンブレフレイムが話しかけた。

「あ?」

デューンホークは足を止めて振り向いた。

「この森覚えてますか?」

通りかかったその森を示した。

「懐かしいな!」

クラッシュハートが言う。

「知っているの?」

アイリーンが首をかしげて言った。

「ここな、前寄ったときにサンダー族っていう部族に泊めてもらったんだ。」

ブリッツショットが説明した。

「部族?」

「4つあるらしくてな、俺らが行ったのはサンダー族だったってわけさ!」

アンバーズオッドが引き継いだ。

「久しぶりに寄りません?」

エンハンブレフレイムがデューンホークに頼んでいる。

「しかたねぇな・・・」

デューンホークが折れた。

「やった!久々に会えるんだ!」

アンバーズオッドが飛び跳ねた。






一向は森へと入っていくのだった。




「キャンプってこっちであってるよな?」

エンハンブレフレイムが見渡して言った。

「いいんじゃね?」

クラッシュハート答えた。

そこへ・・・

「侵入者だ!!!」

小さな見習いが飛び出してきた。

その声にすぐに2匹の猫がすっ飛んできた。

「誰だ!!ってあれぇ?」

白くて毛の長い雄猫。

「君は確か・・・クラウドテイル君・・だったよね?」

ブリッツショットが言う。

「久しぶりだなぁ~!」

隣にいるのは連れ合いのブライトハートだ。

「いらっしゃい、キャンプへ案内するわ。」

アイリーンはデューンホークの隣を歩く。

部族ってかっこいいわね。

でも広い世界のどこかに定住するなんて今じゃ考えられないな・・・。

旅の楽しさを知ったら旅は永遠に続けたいわ。

それが当たり前と思っていた・・・
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Sun Nov 01, 2015 3:04 pm

キャンプに通された一向は質問攻めにあっていた。

幾分かするとファイヤスターがそのくらいにしておけと言ったため解放された。

「いやーここの見習いだった君が戦士かぁ。」

アンバーズオッドが雌猫に話しかけている。

「私今シンダーハートって言うんです。」

「いい名前だね。」

そんな会話が進む中デューンホークはサンダー族の副長ブランブルクローと話していた。

そして他の3匹はまだ質問を受けている。

ひとりでボーッとするアイリーン。

「こんにちは!」

やってきたのは小柄な雌猫。

「こんにちは。」

アイリーンは微笑んだ。

「あたしホリーリーフっていいます!」

「私はアイリーンよ。」

黒い雌猫は笑って言った。

「ね、弟とお兄ちゃんには会った?」

「きょうだいがいるの?」

「うん!来て来て!弟は看護猫だからいると思う。」

ホリーリーフについていくアイリーン。

やってきたのは看護部屋。

「ジェイフェザー!いる?」

中から声が返ってきた。

「いるよ!」

アイリーンは何故ホリーリーフが弟に会わせたがるか分からなかった。

ジェイフェザーが看護部屋から出てきた。

「この猫でしょ!気になったって言ってた猫。」

「・・・そうだ。」

アイリーンは首を傾げた。

何が気になったのだろうか。

「ちょっと話してもいいか?」

それはホリーリーフに席を外せという意味だろう。

ホリーリーフはじゃあねと言って行ってしまった。

「ちょっと待っててくれ。」

ジェイフェザーが再び看護部屋に入っていった。

きっと指導者に許可をもらっているのだろう。

しばらくするとジェイフェザーが出てきた。

「森に場所を移そう。」

と、いうことで森に案内される。

その歩き方でアイリーンはあることに気づいた。

(この猫、目が見えないんだわ。)

アイリーンは無駄に同情はしない。

相手を傷つけるかもしれないからだ。

だから同情の気持ちは心にしまった。

大変だけれどがんばって。

「どうも。」

「え!?」

何がどうもなの?

「がんばってって思ってくれたんだろ?」

「えぇ、そうだけど・・・。」

「ごめん。僕相手の心を読んだりできるんだ。」

いるんだ。

そんな特殊能力をもった猫が竜族の他に・・・。

「君、竜族っていうのか?」

いきなり聞かれて驚く。

「知ってるわよね・・・。」

「知らない。けど何があったかは・・・ごめん。心を覗いて見た。」

申し訳なさそうな顔をするジェイフェザー。

「いいのよ。けど私に話したいことってそれだけ?」

「いや・・・。」

ジェイフェザーは見えない目でアイリーンを哀れむように見た。

「こんなこと何も知らない僕が言うのもなんだけど、今までどのくらい唄った?」

そんなの・・・。

「分からないわ。気にしないで唄ってたから。」

どうしたの?

何が言いたいの?

「君の事知ったときっていうか・・・君の未来が見えたんだ。」

私の・・・未来?

「それは信じてくれるだろ?」

現にジェイフェザーはアイリーンの心を読んだ。

信じざるを得ない。

「信じるわ。」

「心して聞いてくれ。」

何を言われるかなんて想像できなかった。

「君は______。」
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Sun Nov 01, 2015 5:20 pm

何を・・・言っているの?

飲み込めない。

見開いたアイリーンの目はジェイフェザーでも周りの景色にも向けられていなかった。

だって・・・。

そんなこと考えもしなかったから。

考えるはずもなかったから。

ただ愕然と宙を見つめる。

そんなことありえないよ。

でもジェイフェザーは嘘なんか付いていない。

それは分かっている。

でも嘘だと言ってほしくてジェイフェザーの言葉を待った。

でもジェイフェザーは何も言わない。

アイリーンは硬直している。

「あ・・・」

言葉が出ない。

「ごめん。でも・・・嘘なんかじゃないんだ。」

ジェイフェザーがポツリと言った。

アイリーンは崩れ落ちた。

涙こそ出なかったもののなんで?という思いで胸が弾けそうだった。

ジェイフェザーは詳しく話してくれない。

なんで・・・!?

でも、

「月の池に行ってみるといい。」

その場所も、どういうところなのかも教えてくれて。

アイリーンはショックを受けたままそこへ向かった。

あまりにも呆然としていたためいつ着いたのか分からないくらいだった。

そして教えられたとおりに月の池の水を飲む。

アイリーンは眠りに落ちていった・・・


































アイリーンの運命の歯車が狂い出す・・・
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Sun Nov 01, 2015 7:14 pm

お知らせというか告知と言うかwww

「竜の唄を響かせて」はいよいよ終幕にやってきましたー!w

長かったですww

そして終幕と言いつつもまだズラズラ続きますw







さてアイリーンはジェイ君に何を告げられたのでしょうw
呼んでくれている皆さんに感謝ですwww
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Tue Nov 03, 2015 4:51 pm

覚醒


アイリーンは何もなかったようにキャンプへ戻った。

あのことはその時が来るまで誰にも言わないと決めた。

向き合おう。

それが割り当てられた運命なら受け入れよう。

「アイリーン!!出発するって!」

アンバーズオッドがキャンプに戻ったアイリーンを呼んだ。

「えぇ!」

アイリーンは強かった。

「じゃあ、休息の場をありがとうファイヤスター。」

エンハンブレフレイムが礼を言った。

「いやいや、またいつでも来てくれ。」

サンダー族が見送ってくれた。

「また・・・来れるかしらね・・・。」

アイリーンの呟きを聞いたのはジェイフェザーだけだった。

「じゃあな!!」

短い出会いと時間。

ジェイフェザーは心の中でがんばれよと言った。

アイリーンに待ち受ける運命を知っているのはアイリーンとジェイフェザーだけだ。

ジェイフェザーは振り払うように作業に戻った。

















「アイリーン、行きたいとこあるか。」

デューンホークが聞いてきた。

行きたいところ・・・。

アイリーンは考えた。

確かにあるにはある。

でもそれを言えば・・・

彼らとの旅は・・・もう・・・

でも、いつかは来るのなら。

今選択しよう。

「あるわ。行ってくれるの?」

「時間が余ったからな。どこだ。」

デューンホークはアイリーンの心情に気づかない。

「・・・ラストフォレスト。」

そこで私は旅を終えるわ・・・。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by ラッキークロー@LC on Tue Nov 03, 2015 5:49 pm

ついにクライマックスですね!
ジェイフェザーに言われたアイリーンの運命とはなんなのでしょうか...?そしてラストフォレストとは...?

更新を首を長くしてまっています!
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Tue Nov 03, 2015 6:22 pm

ラッキーさんありがとうございます!!

錯誤するアイリーンの運命、そして目的地「ラストフォレスト」。
これからも応援お願いします!!
頑張らせていただきます!
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Tue Nov 03, 2015 6:58 pm

アイリーンが言った言葉に全員耳を疑った。





ラストフォレストとは・・・

その名の通り意味は『最後の森』だ。

そこは昔、竜族が琥珀の森より昔に棲んでいた場所。

でもそこは今、廃墟と化している。

そこで竜族が誕生した。

初めは突然変異だったと語られる竜族。

竜族は昔は神のように敬われていた。

だがある日。

竜族の力を妬んだ者たちが噂を流した。

_竜族は滅びの唄を唄う_

そしてラストフォレストを追われた竜族が定住したのが琥珀の森だった。














「何故お前がそんなところに行くんだよ。」

デューンホークが口を開いた。

「それは・・・」

本当のことを言いそうになるのをグッと堪える。

「なんだ。」

デューンホークが先を促す。

「・・・夢で・・・・夢で見たの。行って見たいなって思って・・・」

吐いた嘘に胸が痛む。

本当は真実を彼に打ち明けたい。

でもそれはできない。

この上なく自分を嫌った。

嘘吐きな自分を。

「夢?」

全員が目を丸くする。

「ダメかしら?」

「いや・・・行くか。」

アイリーンにとって最後の旅がスタートした・・・。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Wed Nov 04, 2015 4:26 pm

「どんな夢見たんだ?」

ブリッツショットに聞かれて答えに困るアイリーン。

「それは・・・えっと・・・・」

あの方が現れてくださったなんて言えないわ。

「りゅ、竜族のみんながそこにいて・・・」

また嘘を吐いてしまった。

「だから行きたいんだね!」

クラッシュハートが納得した。

ごめんなさい・・・。

どうか嘘を信じていて。

「どんなとこだった?その・・・夢の中ではさ。」

アンバーズオッドが尋ねてきた。

「言い表せないくらい・・・」

酷い所だった・・・なんて言えない。

そんなことを言えばそこへ言ってくれなくなる。

「・・・素晴らしかったわ。」

嘘を吐く度胸が痛くなる。

騙してしまった。

私を信じてくれた仲間たちを。

愛するデューンホークを・・・。

「止まってねぇでさっさと進むぞ。」

デューンホークが痺れを切らして言った。

「はい!」

全員再び歩き始めた。

アイリーンは後ろめたさを感じながらついていく。

そして月の池で見た夢を思い出していた。















_すまなかった。_

すぐに現れたその猫に見覚えはなかった。

「・・・どなたですか?」

_わたしは竜族の初めとなったロンレイ(竜の泪)である。_

「竜族の初め・・・。」

_そなたらはわたしの子孫だったのだよ。_

この猫が竜族の一番初めの先祖。

_わたしは突然変異として竜族の唄を唄ったのだ。そしてわたしの子供たちも唄えるようになったのだ。_

「あなたが竜族の唄の・・・。」

アイリーンは目を合わせた。

_そなたに・・・苦しい思いをさせたのもわたしの失態だ。すまぬ。_

琥珀狩りのこと?

それとも・・・

_あの、ジェイフェザーとかいう猫が言ったのは・・・真実だ。_

分かってた。

信じなきゃいけないって分かってた。

でも・・・。

でも、あまりにその事実が辛すぎて・・・。

「変えられないのは・・・分かってるわ。」

_一度負った運命は変えられぬのだ。_

「・・・受け入れたくない・・・。」

_すまぬことをした・・・。_

ロンレイは同情の眼差しをアイリーンに向けた。

_そなたはこれからも・・・あのデューンなんとかというやつと旅をする気か?_

「えぇ・・・。」

_本当にそれで良いのか?_

それはどういう意味?

・・・。

あぁ・・・。

そういうこと。

「まだ、決めたくない。私が定着できる場所があるならば・・・。」

_ならばそなたはここに向かうとよい。_

そう言って見せたのは荒れた森だった。

_ここはわたしが棲んでおった場所だ。今はすっかりと荒れ果てておるがな。_

「ここに向かえと言うの?」

_勧めておるだけだ。ここはラストフォレストという。_

何故ここを勧めるのだろうか・・・。

「ここに行ったらどうなるの?」

_二度と出られなくなる・・・。_

「え・・・」

_入った途端に出口を忘れるのだ。唄の効力によって永遠にその効果は続くのだ。_

そんなの・・・。

あまりにも残酷すぎない?

でも、それが正しい選択なのかもしれない。

「考えさせて・・・。あまりにもショックが大きすぎて・・・」

その森に入ったら二度と外へ出られなくなる。

デューンホークたちと旅ができなくなる。

でも・・・。

_ゆっくりと決めるがよい。わたしはそなたがどんな選択をしようとも責めたりはせんからな。_

アイリーンは独り取り残されて思い悩んだ。















アイリーンが選んだのは別れだった・・・。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by ティアーミスト on Wed Nov 04, 2015 7:11 pm

うわあそんな!別れちゃうのそんなひどい!((

竜の唄の更新が楽しみで仕方ありません笑
そして、ついにクライマックスですね……はんかち準備で待機ですっ
入ったとたんに出口を忘れてしまう森、ラストフォレスト…一体どんな運命が彼らを待ち受けているのでしょうか(´・ω・`)
執筆ガンバです~
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Wed Nov 04, 2015 9:09 pm

師匠、お言葉ありがとうございます!
クライマックスに入りましたねw
いつもいつも見ていただいて嬉しいあまりでございます!w
更新がんばります!







さてさてw
どんなラストになっていくのでしょうかw
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Fri Nov 06, 2015 6:09 pm

一行は今日は早めに休むことにした。

「ふへェ!疲れたー!」

全員がバタバタと横になっていく。

アイリーンはみんなの横にチョコンと座った。

「ん?」

アイリーンがキョロキョロと辺りを見回している。

「どうかしたの?」

エンハンブレフレイムが話しかけてきた。

「え?あ、うん。何か感じたの。でも多分気のせいだと思うから気にしないで。」

アイリーンは答えた。

「そっか?」

エンハンブレフレイムが不思議そうに見てきた。

「狩り班は誰だ?」

「あー、めんどくせェ!」

アンバーズオッドがのろのろと立ち上がった。

「毎回毎回文句言うな!」

エンハンブレフレイムがアンバーズオッドを駆り立てた。

「はいはい。」

ブリッツショットも立ち上がって狩りに行った。

「にしても・・・。」

クラッシュハートが何か言いたげに呟いた。

「何だ。」

デューンホークが気だるそうに言った。

「デューンホークさんが今まで旅をしてきて弟さんの情報って入ったことありましたっけ?」

「ねぇな。だが、諦めるつもりはない。」

デューンホークは遠くを見据えてる・・・。

私も強かったら・・・

こんな運命打ち砕けたのかな。

ごめんなさい。

私はその夢を見ることができない。

だからね。

せめて応援だけでもさせてほしい。

大好きなあなたの夢を。

「見つかるといいわね。」

「お前もあいつを気に入ると思うぜ?」

デューンホークが自慢げに話す。

「いつか会えるんだもの。楽しみよ。」

今まで吐いた嘘の中で一番アイリーンを苦しめた。

嘘吐き!

心の中で自分を罵る。

アイリーンはバレないように笑顔を貼り付けた。

会えるわけないのに。

その事実が辛い。

気にしないようにしてた。

自分に嘘を吐きたかった。

私は最低ね。

自分には嘘を吐かないくせにみんなに嘘を吐いてる。

なんて最低なの。

苦しい。

考えたくない。

「腹減ったなー。」

エンハンブレフレイムが森を見て2匹を待っている。

「がっつきすぎないでね?前みたいになったら困るもの。」

「な、ならねぇよ!・・・なってもアイリーンがずっと薬草とか探してくれんだろ?」

それは・・・。

ずっとじゃない。

でも・・・。

ごめんね。

嘘を吐かせて。

「えぇ、もちろんよ!」

嘘吐きな自分が嫌い。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by フェンリルハート(ルナー)@諸事情より新アカウント on Sat Nov 07, 2015 3:00 pm

一気に読んで再び読み直しています!
なんかとてもドキドキします。
これからアイリーンがどうなってしまうのか、とてもワクワク待ち遠しいです。
充てられた運命はこれからどんどんアイリーンを苦しめて行くんですね・・・。
切なくて、でも楽しい部分もあってとても楽しめる作品だと思います!
執筆頑張ってください!!
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Sat Nov 07, 2015 11:28 pm

フェンリルハート(ルナー)@諸事情より新アカウント wrote:一気に読んで再び読み直しています!
なんかとてもドキドキします。
これからアイリーンがどうなってしまうのか、とてもワクワク待ち遠しいです。
充てられた運命はこれからどんどんアイリーンを苦しめて行くんですね・・・。
切なくて、でも楽しい部分もあってとても楽しめる作品だと思います!
執筆頑張ってください!!


うれしいです!
読み直すほどの作品でもないのに・・・w
楽しめる作品とは・・・感激のあまり気絶しちゃいますよ!









そして閲覧数1000超え!!!

この作品に目を通してくれた皆様!
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Sun Nov 08, 2015 5:15 pm

ゴォォッ

アイリーンは燃え盛る炎の中にいた。

熱い!!

「ッ___!!」

え・・・。

「___!!」

声が出ない。

あぁ・・・。

きっとこれは罰なんだ。

みんなを騙して、

欺いた罪への報い。

でも・・・。

こんなとこで終わるなんて・・・。

あっけないな。

あははっ。

何がおかしいの?

おかしいよ!だって儚すぎるじゃない!

ここで死んでもいいっていうの?

どうせいつかは死ぬんだし。

それは・・・。

頭の中で自分が言い合う。

正しいのはどっち?

もう・・・

わかんないや。

でもっ!!!

「助けて!!!」















「ハッ!!!」

アイリーンは目を覚ました。

「全部・・・夢。」

それでもアイリーンの心は穏やかになれない。

「どうした。」

デューンホークが目を開けた。

「嫌な夢を見ただけよ。」

「そうか。」

「少し歩いてくるわ。」

アイリーンは仲間たちの元を離れた。

もう、

私のせいで誰も傷つけたくない。

だからしばらくはこうして嘘を吐くけれど許してね。

守らせてほしい。

どうかこのまま幸せでいてほしい。

それを願わせて。

アイリーンは湖のほとりで声を上げずに泣いた。

ポタポタと落ちる雫は止まらない。

愛してるって、

大好きって、

何度言ったって報われない。

与えられた運命は捻じ曲げることもできない。

それはアイリーンの決意と同じだった。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Nov 09, 2015 5:03 pm

ほとぼりが冷めてアイリーンはみんなの元へ戻った。

だが、デューンホークが起きて待っていてくれた。

「ごめんなさい。もう大丈夫よ。」

アイリーンが傍で丸くなるとデューンホークも隣に横になった。

「何かあったんなら俺に言え。」

目を閉じながらデューンホークは言った。

「え?な、何もないから、安心して。」

また一つ嘘が増えた。

「そうか。」

そのままデューンホークは眠った。

アイリーンはその後に眠りについた。






























翌朝。

みんなより早く起きたアイリーンは誰にも告げずに狩りに出た。

「私のために旅をしてくれているんだもの。」

狩りぐらい私がやるわ。

ウサギを見つけて草むらに飛び込んだ。

「みーつけた!」

え・・・。

目の前にはいつかの雄猫。

「ッ!!!」

恐怖で体が固まった。

「あ・あ・あ・・・」

そっと後ずさりする。

だが・・・。

数匹の猫に押さえられた。

「いや!離して!!!」

アイリーンは必死に抵抗する。

「僕たちは君にはもう用はないんだよね、使えないから。でも君を殺すのを邪魔したあいつらは許せないんだよ。」

それは・・・デューンホークたちのこと・・・・・?

「やめて!!彼らに手は出さないで!!!」

叫び声を上げる。

「彼らに手を出したら許さない!!」

「あのさぁ、君がたとえ僕たちを倒すための唄を唄ってもあいつらにも影響しちゃうんだよ?」



そうだった。

私の唄は無差別に効果が効いてしまう。

”あの唄”も唄えない。

「お願い・・・やめて・・・・・」

「僕が君の言うことなんて聞くと思う?穢れた竜族さん?」

穢れてなんかないわ!!!

「さぁ、そいつを連れてきてよ。殺してやる、あいつらと一緒にね。」

アイリーンは仲間たちのいる場所へずるずると引きずられていく。

悔しくて唇を噛み締める。

血が出るほど強く噛んだ。



















デューンホークは目を覚ました。

そしてアイリーンがいないことに気づく。

「またひとりで行きやがって・・・。」

これで何度目だ?

ったく・・・。

ガサガサガサ…

「おい!アイリー・・・!!」

目にした光景は数匹の猫に引きずられて口から血を流すアイリーン。

「テメェら何してんだよ。」

怒りで戦慄くデューンホーク。

仲間たちも物音に目を覚まして目の前に起きている事態を理解した。

「・・・やれ。」

「待ちなよ!」

何だと?

「この猫殺されたくなかったらその場を動かない方がいいよ?」

その脅しはデューンホークたちを拘束した。

アイリーンが首に鉤爪を立てられている。

「いいね、従った。」

屈辱で怒りがさらに湧き上がる。

「動いたらダメだからね?」

雄猫が尻尾で合図すると襲い掛かってきた。

それでも反撃ができない。

仲間たちは切られ噛みつかれ・・・。

血が宙を舞う。

アイリーンは涙を流している。

「やめてぇぇぇぇ!!手を出さないで!!!」

ドクン・・・

「え・・・。」

体に何かが起きている。

「あ゛・・・!!!」

心臓を握られているような痛みが走る。

そしてアイリーンの黄色と桜色の瞳が色を変えていく。

黄色の目は淡いブルー。

桜色の目は翡翠色に変わった。

『第二覚醒をすると唄の効果が効く相手を選べるようになるの。』
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Nov 09, 2015 5:27 pm

第二覚醒を成し遂げたアイリーン。

確信を持って口を開く。

私は思う
大切なもののためならば
大切な”何か”を守るためならば
命を盾にしても構わない
私は光になって
貴方を見守っているわ
私は見えない鳥
私は聞こえない風
それでも
私はずっと貴方を見守っているから
私は消えて
光となって
貴方の闇を照らし続ける
大丈夫
私はずっと傍にいるから


敵の猫だけがバタバタと倒れていく。

この唄は死の唄と呼ばれている。

だが実際に命を奪うわけではない。

死ぬほどの苦しみを分からせるだけ。

アイリーンの目が元に戻った。

そして仲間たちの元へと駈け寄った。

「大丈夫?」

アイリーンの声はか細く響いた。

「俺らは大丈夫だ。だけどデューンホークさんが・・・」

エンハンブレフレイムが外の3匹に囲まれるデューンホークを見やった。

デューンホークは致命傷を負った。

「助からないかもしれない・・・。」

「いいえ。助けるわ。」

アイリーンは再び目の色を変えた。

倒れた敵に効果がないようにするため。

癒しの唄では効かない。

ならばこの唄を唄おう。

今思っている
生きているんだなってことを
この左胸の鼓動はずっと
絶えないのだから
そして命の炎を燃やし続けるの
私は知っている
生きる意味を
誰だってあるの
生まれ生きた理由が
思い出して
探して
きっとあるわ
私は全ての命に感謝する
生まれてきてくれて
ありがとう


唄い終わると仲間たちは勿論、デューンホークの致命傷も塞がっていた。

「う゛・・・」

心臓にこれまでにない痛みが走る。

「大丈夫か?」

仲間たちが心配している。

「大丈夫よ。」

しかたない。

これは代償。

唄った代償。

「・・・・ん」

デューンホークが薄っすらと目を開けた。

「デューンホークさん!!!」

アンバーズオッドが飛びついた。

「おいおい・・・。」

アイリーンは静かに見守っていた。

第二覚醒・・・。

できたんだ。

目標が達成できた。

「助けてくれたんだな、お前が。」

デューンホークがアイリーンに微笑んだ。

「こんなの何度だってできるわ。」

これも嘘。

でも。

いいの。

「無事ならそれでよかったわ。もうどこも痛くないでしょう?」

「あぁ。」

「俺たちも!!」

ブリッツショットが言うと

クラッシュハートが頷いた。

「旅を続けましょ?」

「そうだな。」

あと少し・・・時間を・・・
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Mon Nov 09, 2015 9:35 pm

辛いって思っても泣かない。

別れが決まったとしても泣かない。

心に決めた。

泣いたら辛くなるじゃない。

絶対に泣くもんか!

















「もうすぐだな。」

デューンホークがアイリーンに言う。

「・・・。」

「アイリーン。」

ボケッとしていたアイリーン。

「え!?あ、何?」

「もうすぐだなって言ったんだ。」

「え、えぇそうね。」

アイリーンの様子が最近おかしい。

何だというのだろう。

「大丈夫か?」

「心配ないわ。」

これまでにどれだけの嘘を吐いただろう。

慣れてはいけないと分かっている。

だから嘘を吐く度胸が痛くなる。

「最近食欲落ちてるだろ。」

指摘されて背筋が凍る。

「そう?何ともないわ。」

「大丈夫なの?アイリーン。」

クラッシュハートが心配して話しかけてきた。

「もう!みんな心配しすぎよ!何ともないって言っているでしょう?」

アイリーンはわざと笑顔で返す。

「ならよかった。」

エンハンブレフレイムが安心したように言う。

「何かあったら言いなよ?」

アンバーズオッドがにこやかに言ってくれる。

「勿論よ!」

でもこのことだけは言えない。

分かってくれるわよね。

「何にもひとりで抱え込む必要はないからなッ!」

「ブリッツショット君・・・。」

その優しさがアイリーンに突き刺さる。

隠せずに全て打ち明けたくなる。

でも、それをしてしまえば私の夢は叶わない。

大丈夫。

もう少しの辛抱よ。

ケジメをつけるの。

もう、誰にも迷惑は掛けたくないから。

「みんなと一緒なら大丈夫よ。」

これは嘘なんかじゃない。

「当たり前だ。ずっと・・・死ぬまで一緒だ。」

デューンホークの言葉が深々と心に刺さった。

やめて・・・。

そんなことを言ったら泣いてしまうわ。

「・・・えぇ。」

もう少しだけ・・・嘘を吐かせて・・・・・
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Tue Nov 10, 2015 5:24 pm

第五章

決別

デューンホークはもうすぐだと言った。

そう・・・。

もうすぐお別れってこと。

でも、それが一番正しいんだって分かってるから。

辛くないはずなんだ。

みんなのためって思えるから。

どれだけ私が悲しくてもやらなきゃいけないから。

「あと・・・どれくらい?」

アイリーンは恐る恐る聞きたくないことを口にした。

「そうだな・・・明日の午後には着くだろう。」

そんなに早く・・・。

アイリーンはそう言いたくなるのをグッと堪えた。

「どうかしたのか?」

「何でもないわ。」

アイリーンは目を逸らした。

デューンホークは首をかしげた。

アイリーンは何か隠してる。

それは薄々気づいていた。

一体、何を隠していると言うのだろう?

アイリーンが言うのを待とう。

きっとラストフォレストに着いたら言う気なのだろう。

「何かあったら俺に言え。」

そう言うとデューンホークは前を向いた。

言えないわ・・・。

本当は知ってほしかったし理解してほしかった。

それでも言ってしまえば決意は簡単に砕け散るだろう。

言えなかった。

言って少しでも楽になりたかった。

真実を打ち明けたかった。

アイリーンは泣きたくなるのを堪えた。

まだ・・・泣いちゃいけない。

「何もないってば!」

できる限り笑顔で答えた。

「俺は・・・。」

いや、言うのはやめておこう。

アイリーンの秘密を詮索するつもりはない。

言ってくれるのならそれでいい。

「なんでもない。」

「・・・。」

今のうちに幸せを蓄えておこう。

別れてその後思い出すために。

大丈夫。

きっと笑顔のままいれるはず。

「ね!みんな、今までの旅の話聞かせて?」

最後の思い出になってしまってもいい。
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Re: 竜の唄を響かせて    <完結>

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