人間の歴史を猫が紐解く… 【おそらく短編】

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人間の歴史を猫が紐解く… 【おそらく短編】

投稿 by トワイライトアウル on Thu Oct 08, 2015 10:28 pm

「あなたたち…人間の歴史に興味はない?」


「本当、チェルシーは人間についてよく知ってるよね…」
「まぁ、得意分野だからね?」
ナツは、尊敬とも、あきれともとれる目でチェルシーに返事を返す。
「暇だし、聞いてあげなくもないわ」
「あら、うれしい。」
二匹には、色々と感謝ね。
こんな生活にも、いいところはあるものね。 ただ、ときどきあの太ったネズミの味を思い出す。






「…とまぁ、人間は古い歴史を文字に表して遺す文化があるの。」
「便利なものですね」
とメレディス。
「そうよメレディス君。猫よりも大分文化が進んでる」
「おかげで、部族猫の住処も次々に…」
「そうね、だから私達は飼い猫に成り下がってしまった…。」
心地よいリビングを見回す。つきっぱなしの扇風機、流れる政治のニュース、机の上のヒメジョオン。
もう、わたしたちには見慣れた景色。あの頃を、羨んだりはしない。






二階のベランダで、最近建設が始まったビルの工事現場を遠くに眺め、まだ咲いていない、学校の名前が記された鉢に咲く朝顔の匂いをかぐ。
「そうね、どこから話そうかしら。」
別に、近世の話でも、この猫たちにとっては新鮮で、あたらしい発見なんだ。
ただ、私はもう二匹に、基本的な知識はたたきこんだつもりだ。今更、言葉から人付き合いのむずかしさまで教える気はない。
そうね…

「平安時代」
「平安…たしか、794年?」
「まぁ、諸説あるけどね。」
メレディスは覚えが早いから助かる。
「あれだっけ、むしごはん!」
「それは飛鳥時代だし、大化の改新だし、まず645年だし…」
「あ、そうね」
それに比べナツときたら…まぁ、地道に教えていくしかないわね。



いずれ、猫も人間の知識を必要とするときが必ず来る。
どんな些細なことでも、伝えておきたい。
私の知識だって不十分な点が多いけどね。



最近車の通りが増えたなぁ。
赤い車の窓から顔を出して、郵便局から帰ってくる主人を待っているであろう犬がいる。
ああ、あなたも哀れね。
私はまだ自由よ、外にもでられるし、森にだっていける。

ただ、ここで生まれ育ったメレディスには無理。ナツも、怪我がいっこうに治らない。
私も、しばらくはここで暮らす。おそらく、私が骨をうずめるのも、二階建てのこの家。
たしか、パン屋なのよね。あまり外装を気にしないから、色々と曖昧なのよね。



「さて、まずは桓武天皇から説明しないとね…」
「早くー!」
「お願いします。」

「まず、話は784年に遡るわ…」

 



 登場猫
   チェルシー  雌。人間のことをよく知っている。もと部族猫。今は二本足、もとい人間の家で暮らす。二匹とはいえは違うがほぼ同じ家の住人のようなもの。
   メレディス  雄。飼い猫。秀才系。意外とチェルシーを慕っている。
   ナツ     雌。元部族猫。ものおぼえがいまいち。チェルシーとは親友。左足に軽いけが。
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Re: 人間の歴史を猫が紐解く… 【おそらく短編】

投稿 by エーテルレイン@停止中 on Sat Oct 10, 2015 8:32 am

新しい小説ですね!!
人間のことを猫たちが知る、という面白い設定でこれからが楽しみです。
チェルシー、メレディス、ナツがこれからどうなっていくのかとてもわくわくしています!
執筆ふぁいとです!
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Re: 人間の歴史を猫が紐解く… 【おそらく短編】

投稿 by トワイライトアウル on Sat Oct 10, 2015 10:15 pm

「まず、平安京の前の都は知っている?」
「平城京じゃないの?」

私はナツの、思いっきり間違ってくれる所が大好きだ。
こういうと失礼になってしまうのかもしれないが、おかげで教えやすくて助かる
教える側としては、相手が理解していない方が、意外とやりやすいのかもしれない。
…というか、楽しいのかもしれない。

「違うは。長岡京という都よ」
「あっ! そうそれ! 長岡!」
「へぇ、平城京だと思っていました」

そして、メレディスの好きなところは、素直な所ね。



「仕方ないわ、桓武天皇は平城京の建設の最中にもう移住してしまった訳だし…実際に栄えたとされるのは10年にも満たないしね」
「そうなんですか…」

「て、そんなに簡単に引っ越ししちゃうものなの?」
「確かに、部族猫は同じ場所にずっといるものね。先祖代々受け継いできた…。」

そう、あの森が壊されるなんて誰も想像していなかった。
今、あの森の跡地には、建物が建設されるらしき動きがあると、
近所のハスナに教えてもらった。
日本でも、まだ森林伐採は歯止めがかからない。

「さて、というか二人には桓武天皇のことは話したかしら?」
「はい、かるーくですけど。」

メレディスは、皮肉ととれるような言動も、素直に聞こえる所が可愛らしい。
ナツは、ずけずけと言ってくるけど…それもまたありがたい。



後日更新
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Re: 人間の歴史を猫が紐解く… 【おそらく短編】

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