終わらない失敗談

[フラワリングハート@ふらわり]

終わらない失敗談

永遠なんて、あってないようなものだ。

世界観説明

人間に飼い慣らされていたペット達が自由への欲求と人類への不満を爆発させ、
ある時猫を筆頭に一斉に飼い主に反逆し、この世界から人類を追い出した。(一般的にこれらの出来事を『首輪革命』という。)
人間の下で蓄えていた知識を元に世界の天下に着こうとする犬や猫達は、権力争い(通称縄張り大戦)を始める。
最終的に残ったのはひとつの国と五つの村であった。
醜い争いの時代が終わり、平和な時がやってこようとした時、山を降りてきた『化け猫』が国を襲い始めた。

国は国王と国軍総統が上に立つ軍事国家である。
国軍は縄張り大戦時に作られ、一度解散したが、化け猫との戦いのため再び徴兵された。
化け猫との戦いは熾烈を極めたが、数回にもわたる激闘の末退散させることに成功する。

国にはようやく平和が訪れたように見えた。

主な登場猫紹介

ストロー･オーカー　　Straw Ochre

この物語の主人公。黄金に輝く瞳を持つショウガ色の雄猫。首にペンダントのようなものをぶら下げている。
ナチュラルな自己犠牲主義者で、非常に冷めた客観的な思考の持ち主。少し昔の記憶がない。
運命の女神にとことん愛されていない謎の不憫属性を持つ。


カペラ･アトモスフィア　　Capella Atmosphere

まっすぐな蒼色の瞳と銀色の縞のある純白の毛を持つ雌猫。犬と猫のハーフで、体つきは猫に近い。
クールで飾り気がなく、素っ気無い印象と裏腹にピュアで情に厚い。兄がいる。
短気で結構怒りっぽく、突っ込みのキレに定評がある。


グリーフセイヴァー　　Grief Savior

色素の薄くなった半透明の右目と鮮やかな緑の左目を持った白黒ぶちの雄猫。国軍第一特殊部隊隊長。
マイペースで表情筋が死んでいる。軍に拾われた孤児。名前もあだ名のようなもの。
大柄で傷だらけのため一見して恐ろしいが、中身は優しいというか柔らかい。


紅夜叉姫　　べにやしゃひめ

赤みがかった暗い茶色の瞳の黒の雌猫。見た目は子猫。
幼く見えるが、言動が外見よりも年上っぽい。基本無邪気だがたまに毒舌。
このあたりではない遠い村からやってきたというが、その素性を詳しく語ろうとはしない。


夜桜丸　　よざくらまる

氷のような透き通った水色の瞳を持つ三毛柄の雄猫。
やはり素性を明かそうとはしないが、紅夜叉姫の従者か、兄か、あるいは弟のように見える。
真面目で礼儀正しく努力家で洞察力があるが、それを補って余りあるほどの天然を時たまやらかす。


リム･ベイ･ポミグラニット　　Limb Bay Pomegranate

生き生きとした若葉色の瞳の黒が多い雌の三毛猫。
隣村出身のジャーナリストのようなもの。国と化け猫の関係を追っている。
明るい性格だが、どこまで素でどこまで演技なのか解らない。名前が長いのでリム･ベイと名乗ることが多い。

主な場所説明

アーディンバレー　ARDINBLLEY
現在世界で最も大きな権力を持つ中心国家。山と谷を跨ぐように建国されている。
カペラはこの国の郊外に一人暮らし。

ウィスタリアビレッジ　WISTARIA　Village
アーディンバレーの東の高台に位置する村。
リムの故郷。

篝火山　Bonfire　Mountain
アーディンバレーを見下ろす霊峰。猫又族の住処とされる。

以下余談

はい皆さんおはようございます、あるいはおそようございます。ふらわりです。
なんだかんだこれも半年近く考えていたような気がしないでもないように思います。
半年近く設定を練りまくったにも拘らず完結するかわかりませんが、付き合っていただければ幸いです。
一応章数は少ない代わりに、章の中でも分かれている感じになってるんで目次の数に反して長いと思います。
いつものとおり書いてるこっちがごっちゃになるストーリーでお送りします。後悔の毎日だが反省しても治らない。

[フラワリングハート@ふらわり]

目次

Prologue　相手のいない文談


第1章　冗談のような日常


第2章　過去との対談


第3章　不可思議な密談


第4章　下らない軍談に捧ぐ


第5章　終わらない失敗談


Epilogue　失敗談の終わりに

[ヒーステイル]

新小説おめでとうございます！題名に見事に釣られました！すみません活き造りにしないでください！
個性豊かな猫たちで、その才能がすごく羨ましいです・・・！ｗ
個人的にカペラさんと紅夜叉姫様が気になりますｗ執筆頑張ってください！

[フラワリングハート@ふらわり]

コメントありがとうございます！おっとまさかのヒースさん一本釣り！ではいただきま(((
じゃなくて苦し紛れに考えた結果なので嬉しいです！
いえいえヒースさんのキャラクターもひとりひとりが凄く素敵です･･･！
おお、お目が高いですね･･･二人とも物語の鍵を握る重要なキャラです！ｗ
ものすごく励みになります！精一杯頑張りたいです！ありがとうございます！

[フラワリングハート@ふらわり]

Prologue　　相手のいない文談










～ある雄猫の手記より～











戦いは、繰り返されるものだと、私は思う。

やられたら、やり返さなければ気がすまないものなのだと。


かくいう私も、友をあんな目に遭わせた輩が、憎くて、憎くて、仕方が無い。


そういうものだろう。


いつだって、生き物は失敗から学ばない。

随分前に滅びたという、かつて世界を牛耳った体毛のない二本足の生物も、
同じような過ちを繰り返したのだろうか。


だとしたら。

だとしたら、その愚かな姿を、先祖達は何も見ていなかったのか。




･･････




いつかあいつが描いたあの美しい世界は、果たして本当にあるのだろうか。

俺たちが血と涙を流して作り上げられた大地のその先に、本当に見えるのだろうか。


俺たちは、それを見ることが許されるのだろうか。



俺たちの努力は、仲間達の命は、本当に、＿_________







･･････






永遠なんて、あってないようなものだ。


父が昔、そんなことを言っていたのをふと思い出した。


俺は、俺たちは今、その不確実な永遠に、足を踏み入れようとしているのかもしれない。



生物を超越するその力で、この戦争を終わらせられるなら。



戦いは連鎖するのに。


哀しみは連鎖するのに。


罪は、連鎖するのに。



俺らが捨てるこの命で、それらを断ち切れるのなら。















願わくば、この腐りきった世界が、美しい花園にならんことを。













　　　　ちくしょう、あいつに見られた。恥ずかしすぎる死にたい　って無理なんだけどな
　　　　　　　　　　　                仕返しに明日ネズミのからあげもらってやろう

[ライトニングキット]

遅ればせながら新小説おめでとうございます！

サバイバーズがさらにハードモードになったような世界観、個性豊かなキャラクターの面々….…！
そして最新話のラスト然り、ふらわらさんの必殺コメディのもたらすアクセントといい、
これからの展開が楽しみで仕方ありません( *´ ω ` )

執筆、応援しています！

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