猫の王国 ―風の彼方へ―
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Re: 猫の王国 ―風の彼方へ―
プロローグ
一匹の猫が神に願った。
「猫に栄光を与えたまえ・・・けして衰えぬ栄光を。悲しき宿命を背負えるように」
神は猫に命を、天の宝玉を八つ与えた。
以来、猫は九つの生を授かり、生きるようになった。
命を一つ経るごとに、猫は一つ賢くなった。
―――国を理解し、自ら王を掲げるほどに。
そうしてできたのが猫の王国。
九つの命を持つ猫たちの、平和で安らかな楽園。
の、はずだった。
一匹の猫が神に願った。
「猫に栄光を与えたまえ・・・けして衰えぬ栄光を。悲しき宿命を背負えるように」
神は猫に命を、天の宝玉を八つ与えた。
以来、猫は九つの生を授かり、生きるようになった。
命を一つ経るごとに、猫は一つ賢くなった。
―――国を理解し、自ら王を掲げるほどに。
そうしてできたのが猫の王国。
九つの命を持つ猫たちの、平和で安らかな楽園。
の、はずだった。
リトルレイン- 未登録ユーザー
Re: 猫の王国 ―風の彼方へ―
―登場猫―
☆ロゼ(滴)
猫の王国に住んでいる。
黒いビロードの毛並みの小さな雄猫。日の下の泉のような翡翠色の目。
負けず嫌いでなんでも挑戦する、〝勝ち〟知らずのアタッカー。
頭の回転は速い。
☆シーム(梢)
猫の街にやってきた商人の娘。
美しいミケ柄の雌猫。きらきら光る緑色の目。
元気いっぱいで明るい。ドジで失敗も多いが、諦めない。
いけない事には黙っていられない強い正義感の持ち主。
☆ロゼ(滴)
猫の王国に住んでいる。
黒いビロードの毛並みの小さな雄猫。日の下の泉のような翡翠色の目。
負けず嫌いでなんでも挑戦する、〝勝ち〟知らずのアタッカー。
頭の回転は速い。
☆シーム(梢)
猫の街にやってきた商人の娘。
美しいミケ柄の雌猫。きらきら光る緑色の目。
元気いっぱいで明るい。ドジで失敗も多いが、諦めない。
いけない事には黙っていられない強い正義感の持ち主。
リトルレイン- 未登録ユーザー
Re: 猫の王国 ―風の彼方へ―
ジェイハートさん、こんにちは。
小説、友情話のほうですよね! 更新楽しみです。
私もがんばりますので、お互いがんばりましょう!
コメントありがとうございました!
小説、友情話のほうですよね! 更新楽しみです。
私もがんばりますので、お互いがんばりましょう!
コメントありがとうございました!
リトルレイン- 未登録ユーザー
Re: 猫の王国 ―風の彼方へ―
第一章
ばさんっ!
通りにそんな音が響いた。
店先の物品が地面に散らばる音である。
「ちっ、猫だ! 猫がなにかくすねてっ・・・・あれ? あの黒猫、なに盗ってったんだ・・・・?」
通りの店の主人は去っていく黒い猫を見つめる。
「っていうか俺の店―――本屋だぞ・・・?」
***
黒猫は走っていた。分厚い本をくわえ、森の中を走っていた。
小さな体に余る大きな本。
それを、黒猫はさも嬉しそうに引きずっていた。
「やったぞ! 間抜けな店主から奪ってやった!」
その口から洩れたのは、まぎれもない英語・・・・・・人間の言葉だった。
「・・・ちょっと休むかな」
猫が道をずれ、本を横に置いたとき―――その三毛猫は現れた。
「ちょっとあんた! 待ちなさい、そこの黒猫!!」
きれいな猫だった。完璧な三毛は健康そうに輝き、碧色の目も、くりくりと光っている。
近くのしげみから上半身だけを出し、きっ、と黒猫を睨んでいる。
喋っているのは完全な猫の言葉である。
「・・・なんか用?」
「用も何も、盗みは良くないわ!」
黒猫も同様、猫の言葉で返す。
三毛猫はその体勢ののまま、黒猫に噛みかかる。
「私はシーム。梢のシームよ。さっき何かを盗んだでしょ? 泥棒よ!」
「は、はあ? なんでそんな事言うんだよ・・・困るのは人間だぞ? 命が一つしかない、低俗な奴ら!」
「命?」
不思議そうに聞き返すシーム。黒猫は、しまった、と罰の悪そうな顔をする。
「君、猫の王国民じゃないのか! ごめん、今のは聞かないで・・・」
黒猫は慌てて立ち上がり、本をくわえて走りだそうとした。
「ま、まって!」
くん、と足が止まる。
「何? これは僕の物だけど」
「それじゃなくて。・・・いや、それも良くないけど」
シームは苦笑いを浮かべる。
「・・・あなた、名前は?」
「馬鹿にしてるのかい? まあ、これから会う予定もないし、いっか。僕の名前はロゼ。じゃーね」
「まってってば!」
再び走り出そうとして、引きとめられる。
「えっと・・・あの、抜いてくれない? からまっちゃったの」
「・・・」
なんて猫だ。
ロゼは自分の運とやらを呪いながら、しかたなしにシームを助けるのだった。
ばさんっ!
通りにそんな音が響いた。
店先の物品が地面に散らばる音である。
「ちっ、猫だ! 猫がなにかくすねてっ・・・・あれ? あの黒猫、なに盗ってったんだ・・・・?」
通りの店の主人は去っていく黒い猫を見つめる。
「っていうか俺の店―――本屋だぞ・・・?」
***
黒猫は走っていた。分厚い本をくわえ、森の中を走っていた。
小さな体に余る大きな本。
それを、黒猫はさも嬉しそうに引きずっていた。
「やったぞ! 間抜けな店主から奪ってやった!」
その口から洩れたのは、まぎれもない英語・・・・・・人間の言葉だった。
「・・・ちょっと休むかな」
猫が道をずれ、本を横に置いたとき―――その三毛猫は現れた。
「ちょっとあんた! 待ちなさい、そこの黒猫!!」
きれいな猫だった。完璧な三毛は健康そうに輝き、碧色の目も、くりくりと光っている。
近くのしげみから上半身だけを出し、きっ、と黒猫を睨んでいる。
喋っているのは完全な猫の言葉である。
「・・・なんか用?」
「用も何も、盗みは良くないわ!」
黒猫も同様、猫の言葉で返す。
三毛猫はその体勢ののまま、黒猫に噛みかかる。
「私はシーム。梢のシームよ。さっき何かを盗んだでしょ? 泥棒よ!」
「は、はあ? なんでそんな事言うんだよ・・・困るのは人間だぞ? 命が一つしかない、低俗な奴ら!」
「命?」
不思議そうに聞き返すシーム。黒猫は、しまった、と罰の悪そうな顔をする。
「君、猫の王国民じゃないのか! ごめん、今のは聞かないで・・・」
黒猫は慌てて立ち上がり、本をくわえて走りだそうとした。
「ま、まって!」
くん、と足が止まる。
「何? これは僕の物だけど」
「それじゃなくて。・・・いや、それも良くないけど」
シームは苦笑いを浮かべる。
「・・・あなた、名前は?」
「馬鹿にしてるのかい? まあ、これから会う予定もないし、いっか。僕の名前はロゼ。じゃーね」
「まってってば!」
再び走り出そうとして、引きとめられる。
「えっと・・・あの、抜いてくれない? からまっちゃったの」
「・・・」
なんて猫だ。
ロゼは自分の運とやらを呪いながら、しかたなしにシームを助けるのだった。
リトルレイン- 未登録ユーザー
Re: 猫の王国 ―風の彼方へ―
こんにちは、ジェイハートさん!
小説見てます。どんなお話になるか楽しみです。
返信遅くなってしまい、すみませんでした。
コメントありがとうございました!
小説見てます。どんなお話になるか楽しみです。
返信遅くなってしまい、すみませんでした。
コメントありがとうございました!
リトルレイン- 未登録ユーザー
Re: 猫の王国 ―風の彼方へ―
ムカシノハナシ
「ねえホシクイ、命って、そんなに必要かな?」
なんだいトリプルフェザー、唐突に。
「ホシクイが貰った宝玉だよ。
カミサマは私たちを見守ってくれるけど、私たちにとって良い事をするとは限らないから」
・・・・うん。確かにね。
でも、これはホンモノさ。僕たちを栄光に導くモノだ。
「そう。そうだったら、いいけど」
そうさ。間違いない。
これさえあれば、僕たちは―――・・・
「ねえホシクイ、命って、そんなに必要かな?」
なんだいトリプルフェザー、唐突に。
「ホシクイが貰った宝玉だよ。
カミサマは私たちを見守ってくれるけど、私たちにとって良い事をするとは限らないから」
・・・・うん。確かにね。
でも、これはホンモノさ。僕たちを栄光に導くモノだ。
「そう。そうだったら、いいけど」
そうさ。間違いない。
これさえあれば、僕たちは―――・・・
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