太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

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太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sun Dec 20, 2015 10:56 pm


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太陽が沈んだ春
ー  禁忌を犯した一族  ー

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▼あらすじ▼

ある一族の族長が暗殺された。死因は毒殺。その為、犯人は看護猫と信じて疑わなかった。普通なら副長が族長の地位を受け継ぐはずなのだが、ほぼ同時に副長が殺害された…………
族長の地位は族長の娘が継ぐ事となったが、彼女はまだ幼かった。よってこの判断に不満を持つ者もいた。
そして遂に、『それ』が起こってしまった……


▼主な登場猫▼

*スプリング族*

⚫︎  リリィスター………【百合星】

三毛柄の少女。見習いの年齢だが『置き手紙』と族長の娘、という理由で族長になった。

⚫︎ シルバーファー………【銀色の毛】

銀色の雌猫。人望が厚く、一族に忠実で文句の付けようのない。リリィスターの母親的存在。

⚫︎ アイスリーフ………【氷の葉】

淡い灰色の雄猫。看護猫を務めている。仕事熱心。

⚫︎ ブレードクロー………【剣の鉤爪】

黄金色の雄猫。足先のみ茶。意外な頭脳派。だが短気。

⚫︎ ポエムハート………【詩の心】

濃い灰色の雄猫。抜け目が無く、あまり感情を表に出さない。

⚫︎レインストーム、クロウアイ

ポエムハートに付き従っている雄猫達。秘書的な存在。

⚫︎ インテントクロー………【意思の鉤爪】

焦げ茶の雄猫。感情的で考える前に行動してしまう。戦士としての腕はずば抜けている。

⚫︎ ブラックフェザー、ウッドボイス、ジンジャーフット

インテントクローの僕の雄猫達。インテントクローに仕える事に生きがいを感じている。

⚫︎シードポー、ライトポー、ハニーポー

リリィスターと同期の年長見習い達。


*ウインター族*

⚫︎ ウェイヴスター………【波の星】

青み掛かった黒い雄猫。目的を果たす為なら手段を選ばない。

⚫︎ ブラウンストライプ………【茶色い縞】

茶色い縞のある雄猫。一族の忠義の為に生きているような猫。その姿からは武士を連想させる。


▼本編との設定変更点▼

戦士の掟での「弟子を持った者しか副長になれない」という設定を「年長見習い以上なら副長になる事を許される」に変更。基本は同じ。


▼世界観▼

*部族について*

スプリング族は本編のサンダー族、ウインター族は本編のシャドウ族に当たる。その他はサマー族がリヴァー族、オータム族がウィンド族に当たる。

*地形について*

本編の湖の周りの土地。




随時更新


最終編集者 ノース・スノウ@休止宣言 [ Sun Feb 28, 2016 1:58 pm ], 編集回数 8 回
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sun Dec 20, 2015 11:01 pm


【プロローグ】

ー沈んだ太陽ー


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彼女は、空き地の中心に置かれた遺体の側に、すすり泣きながら寄り添っていた。

「お父上……如何して……お父上は族長なのでしょう?九生を授かっているのでしょう……?なのに……なのに……ッ」

少女の悲痛な叫び声に誰もが頭を垂れた。

「これから我々は、どうなるのだ?」誰かの一声に重い沈黙が破られる。

「副長が継ぐのであろう?」「そうだ……掟では……」「なら安心なのでは?」

口々に皆口を開いた。そんな中で。

「如何でしたか、レインストーム、クロウアイ」

ポエムハートの問いに、レインストームが耳打ちして答えた。

「そうですか……やはり……族長は……」

ポエムハートは一言一言噛みしめるように言った。

「それから、族長の部屋にこの様な物が」クロウアイがタラヨウの葉を差し出した。

「『私が死んだ時、私の後継はリリィポーに……』これは……遺言書?族長はこの様な物まで……」

「インテントクロー様!副長がッ……!」

ブラックフェザーの声に、再び空き地が静まった。

「如何した?」インテントクローが低く、太い彼特有の声で応答した。

「副長がッ……お、お隠れに……」

ブラックフェザーが言い終わる前に空き地が騒然となった。

ウッドボイスとジンジャーフットが副長の遺体を運んで来たからだ。

「静まれィ!」まさに鶴の一声だ。空き地がしんとなる。

「どういう事だ?」ブレードクローが進み出た。

「それが、我々が族長の部屋に行ったところ、隅で倒れておりまして……」

代表してブラックフェザーが報告した。

「調べはついているのでしょう?」

ポエムハートがレインストームに耳打ちした。そしてレインストームも耳打ち仕返えす。

「えぇ。それについては、族長の部屋にこの様な物が」

クロウアイが、今度は葉の包みを地面に置いて広げた。

「これは……毒薬……ですね?」

「それもタチが悪い物でして。喉を焼き、そして内臓を溶かす……例え一命を取り止めたとしても、心を病ませる……禁忌とされている薬草を調合したのでしょう。こんな事を出来るのは……」

「看護猫のみ、ですね?」ポエムハートが続けた。

「その話は誠か!」

雷が落ちたかのような大声が空き地に響いた。インテントクローだ。

「先走ってはいけませんよ。まだ仮定です」

「そう言えば奴は……看護猫は何処だ!」

インテントクローは血走った目で辺りを見回した。まるでポエムハートの言う事を聞いていない。

「それが、キャンプ中を捜索したのですが……」

申し訳なさそうにジンジャーフットが言った。

「チッ、逃げられたか!探せ!見つけ次第殺せ!」

「待てインテントクロー!まだ決まった訳ではない!」ブレードクローが制した。

「まだ決定的な証拠が無かろう!」

「この毒薬こそが動かぬ証拠である!」

「黙れ!お前の悪い癖だ。物事をそうやって直ぐに感情で判断しようとする。それより、今決めるべきは後継である」

再び空き地はざわついた。


最終編集者 ノース・スノウ [ Tue Dec 22, 2015 9:12 pm ], 編集回数 1 回
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by jay heart on Mon Dec 21, 2015 7:02 am

新小説おめでとうございます‼

jay heart
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by リリィースター on Mon Dec 21, 2015 11:27 am

ノーススノウs初めまして。
小説に私と同じ名前の猫が出てる‼︎ 嬉しいです(^O^)今後、リリィースターの活躍に期待しています!見習いの年齢なのに族長になれるとはすごいです!

リリィースター
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ライトハート on Mon Dec 21, 2015 4:00 pm

新小説おめでとうございます!題名がかっこいいです!
リリィスター、見習いの年齢なのに族長なんですね…!
リリィスター、頑張ってほしいです!
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by 17 on Mon Dec 21, 2015 5:58 pm

この掲示板長いこと覗いてきて、未完がほとんとはいえ百何十ものSS見たが
見習い少女が族長やるのは初めて見るような気がするぞ
頑張れよ

17
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Tue Dec 22, 2015 9:02 pm

jay heartさん》

コメントありがとうございます!頑張ります!


リリィースターさん》

お初にお目にかかります^ ^
主人公と同じ名前とは……!なんかすいません(汗)
リリィスター、期待を裏切らないように活躍させますね!


ひかりすずさん》

ありがとうございます♪
リリィスターには頑張って貰いますよ!
ひかりすずさんも執筆頑張って下さいね!!


17さん》

初めまして。
声援、ありがとうございます。見習い設定を大いに生かそうと思います。



皆様、コメントありがとうございました!
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Tue Dec 22, 2015 9:08 pm


【第一章】


ー後継たる者ー



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「恐れながら申し上げる。後継にはポエムハートが相応しいとわたくしは思いまする」

そう声を上げたのはシルバーファーだ。彼女の周りにいた猫達が、彼女の為に道を開けた。インテントクローが少し顔を歪めた様に見えた。

「シルバーファー、推薦して下さった事嬉しく思います。ですが、後継者は決まっています」

ポエムハートがレインストームに目で合図した。レインストームが例の『置き手紙』を読み上げた。

読み終わると一気に波が押し寄せた。

リリィポーだと?笑止!その遺言書は誠か!」と、インテントクローが喚き、「むぅ……」とブレードクローが平静を装いつつも尻尾を激しく揺らし、シルバーファーは瞼を閉じ、状況を判断しようとしている様だった。

「わたくしも信じたくありません。ですが、この字……族長の物に間違いないでしょう」

「そんな戯言を……我にも見せてみよ!」

形相を変えたインテントクローがレインストームからタラヨウの葉を引っ手繰ろうとした。だが………

バリッと言う音を立て、タラヨウの葉はバラバラに散っていった。

「……さて、わたくしを信じるか否か……皆様の判断になりましたね」

鋭い目付きでインテントクローを見た。

インテントクローは小さく呻き声を出し、その大きな体を揺らして戦士部屋にへと引っ込んだ。

それに、ブラックフェザーとウッドボイス、ジンジャーフットが続いた。

暫くの空白の後、シルバーファーが口が開いた。

「ポエムハートが嘘を吐くとは思えない……きっと『置き手紙』は本物でしょう……」

一族全員の目が空き地の中央へと向けられた。そこには、未だにその空き地で何が起こっているのか、微塵も気付いていない少女が族長の遺体に鼻を埋めて泣いている。

何時の間にかその三毛の少女に寄り添うかの様に、三匹の見習いが横たえていた。

「あの子が……族長……ですか……」消え入りそうな声でクロウアイが呟く。

「何、心配は要らないよ……何せ、あの族長の娘なのだから……」クロウアイの呟きに、レインストームが小声でそう言った。

「シードポー」ポエムハートが自身の弟子を呼んだ。

横たえていたシードポーはゆっくりと立ち上がり、ポエムハートのところへ駆けて来た。

「聞いていたでしょう?彼女に、伝えて頂けませんか?今で無くても構いません」

シードポーは小さく頷くと再びリリィポーの側に戻った。

「……全く……族長は何を考えているのか、想像もつきません」
「むぅ……」
「ッ………」

ポエムハート、ブレードクロー、シルバーファーはそれぞれ何が思う所があるのか、複雑な面持ちで各々の事をし始めた。

他の戦士達も、通夜をする者以外は解散した。空き地は、静寂に包まれた。

不気味な程の静寂に。


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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Wed Dec 23, 2015 11:48 pm

【第ニ章】
ー新たなる王ー


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父の姿が消えても暫く、リリィポーは空き地で父が消えた方を見続けていた。

一晩中泣いた為、少し気分がすっきりした。だが、頭は真っ白だ。何も考える気が起きない。

取り敢えず寝ようか……と思い、見習い部屋へと向かった。だが行く手をシードポー、ライトポー、ハニーポーによって遮ぎられた。

「退いて……眠いの……」彼女は抑揚のない口調で告げた。

三匹の見習いは互いに目配せをし、おもむろにシードポーが口を開いた。

「ち、ちょっと付いて来てくれ。お前の部屋は……変わったんだ」

彼は碌にもリリィポーと真面に目を合わせずに告げると、二匹に目配せし、リリィポーの体をライトポーとハニーポーに支えさせる。

そのままリリィポーを積み重なった岩の頂上まで連行した。

リリィポーはおぼつかない足取りで、何度も岩から足を踏み外しそうになった。

岩棚に到着すると懐かしい匂いが鼻孔をくすぐった。それは彼女を安心させると共に、悲しませた。

三匹に導かれ、父の匂いのする寝床に腰を落ち着けた。

「さ……さて……リリィポー……今日の事だが……」

「今日は、今晩月が登り切るまでにアイスリーフと共に『月の池』に行って、それから帰ってきて副長を任命。今晩は忙しいわよ。本当はもっとゆっくりしたいのだけど、明日の夜が大集会だから……仕方がないの」

おどおどしているシードポーに変わり、ハニーポーが口を開いた。

だがリリィポーの耳には何も入っていないらしく上の空で頷いただけだった。

ライトポーがシードポーとハニーポーになにやら耳打ちした。すると見習い部屋は族長の部屋を後にした。

もう何処だろうと関係ない。彼女はその場に丸くなった。

だが………

「失礼する」

これにはリリィポーは思わず唸る。眠いの!どうして皆寝かせてくれないの?

ぼやける目を擦り、重い体を持ち上げた。

そして尻尾の先でコケをもてあそびながら視界をハッキリさせようと瞬いた。

だんだん視界がハッキリしてきた………そこに居たのは………シルバーファーだった。


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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ラッキークロー@LC on Tue Dec 29, 2015 12:12 am

 コメントが遅くなりましたが、新小説おめでとうございます。そしてとても面白いです!

 斬新な発想、幼い少女が今後どのように部族を率いていくのかワクワクします。娘を族長に選んだ、族長の意図もいったい何なのか......とにかく先が楽しみです。

 執筆応援しています!
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Tue Dec 29, 2015 6:19 pm

ラッキークローさん》

身に余るコメントありがとうございます!
そう言って頂けると、執筆のやり甲斐があると言うものです^ ^
ラッキークローさんも執筆頑張って下さい!応援しています!
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Tue Dec 29, 2015 6:25 pm


【第三章】

ー銀色の毛ー



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「何か用ですか?シルバーファー」尻尾の先でコケをもてあそびつつ対応する。

「用、というまでではなりませぬ。ただ……」

シルバーファーはすっと頭を下げた。

「わたくしのあの様な発言のせいで、貴女には重過ぎる荷を負わせてしまった……」

だがリリィポーは虚ろな目でシルバーファーを見つめるばかりで何も答えない。

……無礼を承知で申し上げます

シルバーファーが頭を上げたかと思うと、彼女は輝きを失ったリリィポーの瞳を覗き込んだ。彼女の父と同じ、炎が灯った琥珀の瞳を。だがその炎は消えかかっている。

「その様にずっと嘆いておられては、族長はきっとお喜びなさらないでしょう。きっと族長は、悲しんでおられる

不意に太陽の光が消えた。その変わり洞窟内に雨の匂いが充満し、湿気が高くなった。

ザーッという音が洞窟内で木霊した。

「そう……か……」

彼女は、族長に選ばれて初めて口を開いた。

「お父上は……私にッ……」

リリィポーは瞳に溜まった涙を拭いた。

「お父上は、私に、笑って欲しいんだ………一族の皆にも……」

彼女はおぼつかない足で立ち上がると、族長の部屋の入り口に向かった。空き地はもう、雨から逃れようと皆部屋の中へ避難していて誰も居なかった。

だがリリィポーの目には、此処から父と見た仲間達の笑顔が映っていた。

「……私は……お父上を悲しませたくない……」

幼い少女は後ろを振り返った。そこには不安そうな表情を浮かべたシルバーファーが居る。

「私は……私が嘆く事で、一族を……お父上を不安に、していたのね………」

そう言えば、お父上の口癖は『後ろを振り返るな、前を見ろ。さすればきっと光が見える』だったっけ………

「シルバーファー」

リリィポーは体ごとシルバーファーに向き直った。

「私の右腕となって……私を導いてはくれませんか……?……この通りッ

少女は深く頭を下げた。

あまりに突然の出来事に、シルバーファーは鋭く息を呑んだ。

だが、あまり間を空けずに、素晴らしき戦士は口を開いた。

「どうか頭をお上げ下さい」

涙が滲んだ目を再び彼女に向けた。

「わたくしの不行き届きに雪辱の機会を与えて下さるそのお心遣い、恐悦至極にございます。そのお役目、しかと承りました」

その瞬間、幼き族長は一番の笑顔を見せた。


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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Thu Dec 31, 2015 6:06 pm


【第四章】

ー幼き皇女ー


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そろそろ、か。

ほとんど丸い月が完全に登りきったのを見て頷いた。

きっと明日は満月ね。

その意味を良くは考えずに心の中で呟いた。そう、満月。

彼女は満月の夜に行われる大イベントの事をすっかり忘れていた……

だが彼女の胸は今、激しく鼓動している。何せ一族の集会と言えど沢山の猫の目が一斉に自分に向けられる事には変わりない。

それに、彼女は幼いが故に副長の正式な任命法を知らなかった。

何時まで経っても覚悟が決まらず、部屋の中をグルグル回っていた。空き地からは既に沢山の猫の気配がする。

足先が冷え切り、震え、心臓は大きな音を立てて鼓動する。

「リリィポー、お迎えに上がりました」

彼女は突然の声に飛び上がった。その声の主は……

「ア、アイスリーフ?」

灰色の看護猫だった。昨晩、師を失った看護猫。

「な、何か、用……ですか?」突然の事に動揺しつつも出そうになった心臓を押し戻した。

「『月の池』に参りましょう」

ん……月の……?あ、あぁ……族長はそこでスター族と対面して任命されるんだっけ?じゃあその後に副長任命?良かった……『月の池』に行く間に彼に副長の任命方法も聞ける。

リリィポーはほっと胸を撫で下ろした。

「……と言いたいところですが、先に副長任命をお願いいたします」

え?

反論する間も無く彼女は空き地を見下ろす事となった。

「え………ぁ……っと………」青ざめた顔で口籠った。

何とおっしゃったのか聞こえませんぞ!

インテントクローだ。彼はあからさまに不快そうな顔を浮かべている。

黙れ!貴様の大声で族長のお言葉が聞こえぬぞ!

そう叫んだのはブレードクローだ。一族の皆は押し黙った。

だがその静寂が彼女の心を押し潰した。

「あっ……うっ………」

急に声が出なくなった。喉が潰れたみたいだ。まるで掠れ声しか出ない。

「本当にあれが族長で大丈夫か?」「フューチャースターの血を引いているのだぞ」「そうだ。だから大丈夫だ。だが……」「父が優秀だからと言って子供も優秀になるかは……」

仲間達の声が脳の中で木霊する。これがより彼女を恐怖に陥れた。息が上がり、足の震えが激しくなるのが手に取るように分かる。

と、あの銀色の戦士と目があった。銀色の戦士はリリィポーに大きく頷いてみせた。

不意に喉のつかえが取れた気がした。真っ直ぐに彼女を見つめる。彼女の青い瞳は不思議とリリィポーを安心させた。

リリィポーは大きく空気を吸い込んだ。

シルバーファーを、副長に任命します!

幼き少女はこれで十分だと思った。だが、空き地がざわついた。

後々アイスリーフに聞いてみると、決まり文句があったらしく、リリィポーはその決まり文句を省略してしまったらしい。

『月の池』に着くと、彼女はアイスリーフに言われた通り冷たい水を飲み、目を閉じた。

そして……………

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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sat Jan 02, 2016 11:05 pm


【第五章】

ー大集会ー


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「族長、失礼します」

「シルバーファー……入って」

リリィスターは入り口を見た。ちょうど彼女が一礼して入ってくるところだった。

「どうしたの?」

あの任命式以来、シルバーファーはリリィスターに族長としてのたしなみを教える教育係となったのだった。

「はい、今夜の大集会に連れて行く者達はお決めになりましたか?」

「はぁ、大集会……と?」

シルバーファーは珍しく眉を顰めた。

「まさか族長、大集会を知らないとは言うまい」

「あ、あぁ………大集会ですか……あれって族長が決めてたんですか?てっきり希望制かと」

「何を申すか。貴女は今まで何を見てきた」

シルバーファーに睨まれ、思わずすくみ上がった。

「分かった……分かったから……で、何をどう決めればいい?」

シルバーファーから長々とアドバイスを有り難く頂戴した。

「つまり、私は大集会に行く者を選べば良いのね!じゃあ全員で良いんじゃない?」

「わたくしの話をちゃんと聞いていたか?」

再び睨まれ、すくみ上がる。

「ハァ………では今回はわたくしで決めても良いでしょうか?」

「ではお言葉に甘えて」

シルバーファーが一礼して出て行くのを見送った後、大集会の様子を思い出していた。

んと……四つの部族皆が島に集まって集会を開くんだったっけ?あの子達元気にしてるかなぁ……戦士になってたりして!
で、族長は木に乗って演説してたっけ。お父上、かっこよかったなぁ。何時でもかっこいいけど。

……ん?

族長……演説?族長……演説………族長、演説?!

「演説ぅぅぅぅぅぅ?!」

そう、彼女はとてもとても大事な事を忘れていたのだった………


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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sat Jan 02, 2016 11:08 pm


【第六章】

ー子猫の族長ー



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ほとんど放心状態で一族の仲間が集まるのをハイレッジから見ていた。

シルバーファーが忙しそうに下で動いている。

ここからの演説でもあんなに緊張したのに……いきなり大集会?幾ら何でも無茶苦茶よ……大集会、行ったことない訳ではないけど、これで二回目。戦士になってから行こうと思っていたのだけれど……

「まさか族長として行く事になるなんて……」

大きくため息を吐いて呟いた。

「何を話せばいいか分からないよ……シルバーファーに聞いても近況報告すればいいとしか言わないし……」

族長の肩書きとはこんなにも重い物なの?お父上から話を聞いておけば良かったな……

「召集、完了しました」

突然のシルバーファーの声にビクッと跳ね上がった。それと同時に緊張が一気に高まる。

「あ、ありがとう……じゃあ、そろそろ……」

震える足で、一歩一歩慎重に岩の階段を下った。階段を下りきると、如何に自分が小さいかが手に取るように分かる。

きっと他の部族の族長と並んだら、私が見習いだって事が一目瞭然なんだろうな……

「族長、号令を」

シルバーファーに急かされ我に返った。

「え、えっと……出発します……」

だがリリィスターの声は仲間達の話し声で掻き消されてしまった。だれ一人として彼女の声に気付かない。

そんな様子を見かねたシルバーファーが一言、静粛にと叫んだ。

鶴の如く、皆を一声で黙らせた。

こうもしんとし過ぎても、かえって緊張してしまう。

「出ますッ……!」

震え声が裏返った。

と思った瞬間、彼女の足から地面を踏み締める感覚がなくなった。その変わり、首筋をくわえられている。

そう気付くのに時間が掛かった。風がリリィスターの小さな体を吹き付ける。

後ろからは族長があんなので大丈夫か……等と話す声が聞こえる。

……もしかして、私、今……シルバーファーに運ばれてる

良く見ると、シルバーファーの銀色の毛が視界をちらついている。途端に体が熱くなった。

「申し訳ありません、族長。あのままだと族長は踏み潰されていましたので

上からシルバーファーのくぐもった声が聞こえた。

「よよよ余計なおおおお世話なのですっっっっ!ここここれでは、まままるで産まれたての子猫だわよっっっっ!」

恥ずかしさの余りに我も忘れて暴れまくる。だがシルバーファーは彼女を離さない。

「此処でわたくしが離せば、あっと言う間に肉塊になりますが、よろしいですか?」

その冷静な声に我に返ったリリィスターは仕方がなく大人しくした。

途中合流した他の部族にはもう風の噂でこの事は伝わっているらしく、シルバーファーに運ばれている子猫が族長かと嘲笑っていた。


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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ライトハート on Sun Jan 03, 2016 10:16 am

こんにちは!
シルバーファーなんだかかっこいいですwww
リリィスターは慣れない仕事ですが、演説はどんな風になってしまうのか…!
とっても楽しみです!
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by レパードクロー on Mon Jan 04, 2016 10:44 am

今更ですが、新小説おめでとうございます!
見習い少女だったリリィスターの不安な気持ちが文章から伝わってきます。
このような設定ははじめてなので今からドキドキが止まりません!
大集会での演説はどうなることやら.......
執筆陰ながら応援しております!
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Mon Jan 04, 2016 5:46 pm

ひかりすずさん》

シルバーファー、カッコイイですよねw個人的にお気に入りのキャラです。
演説、楽しみにしてて下さいねw
コメント、ありがとうございました!


豹爪さん》

ありがとうございます!
そう言っていただけて嬉しい限りです^ ^
演説、無事に終わると良いですが……どうなってしまうのやら……
豹爪さんも執筆頑張って下さい!
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Mon Jan 04, 2016 5:52 pm


【第七章】

ー失態ー





_____________________________________________________________________________________



リリィスターは演説台の大木を見上げた。

演説どころかこの大木に登れるかさえも分からなくなってきた。一番低い枝でも彼女の肩より尻尾二本分くらい高い。

「貴様が新しいスプリング族の族長か」

リリィスターは不意の声に飛び上がった。声の主は大きな黒い雄猫だった。

その黒猫はすっかりびくびくしているリリィスターを上から見上げて明からさまに口角を上げた。

「紹介が遅れたな。俺はウインター族族長、ウェイヴスターだ。ま、仲良くしようぜ」

にたりと牙を剥き出しにして笑うとひとっ飛びで一番低い枝に掴まり、あっと言う間に青々とした葉の中に姿を消した。

わ、私だって木登りした事ない訳ではないんだから、これくらいッ!

一番低い枝目掛けて思い切り跳躍した。だが彼女の前足は虚しく空を掻き、そのまま地面に着地した。

「まさか木登りも出来なかったとは」

シルバーファーの呆れ声が聞こえた、と思った次の瞬間には枝の上にいた。

「族長が木登りも出来んのか」

隣の枝にはウェイヴスターがニヤニヤしながら居座っていた。

サマー族の族長とオータム族の族長と思わしき猫もそれぞれの席に座っていたが、やはりこの二匹もリリィスターを蔑むような目で見ていた。

シルバーファー……後でこの恩、しっかり返してあげる

大木の根元にすんと座っている銀猫に殺気に満ちた目線を送っておいた。

「大集会を始める!」

オータム族族長と思われる猫が叫んだ。すると一気に潮が引き、静寂が訪れた。

少女は自らの息が上がっている事に気が付いた。

私は静寂が嫌いだ。

何故なら胸が大きく飛び跳ね始めるから。足が震えるから。

私は、静寂が嫌いだ……………だって………


………声が出せなくなるから


「ではまずはウェイヴスター、近況を報告してくれ……」

音がだんだん遠くなっていく………視界が歪んでいく……狭く、なっていく………

「……次……スプ……ング族………近況………頼………」

途切れ途切れにスプリング族族長、と言われた気がした。

慌ててリリィスターは口を開こうとする。

何を言えば良いかは事前に教えて貰っている。まずはお父上事、それから私が新しく族長になった事、シルバーファーが副長になった事……余計な事は話しては駄目。

空気を吸い込もうとするも、空気が入って来ない。

口が、顎が震えてすっかり言う事を聞かなくなっていた。

目の前が真っ暗になった。

足から枝を掴む感覚がなくなった。

周りの音が聞こえなくなった。

脇腹が打ち付けられる感覚と共に、完全に意識を失ってしまった。

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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Fri Jan 08, 2016 2:05 pm

【第八章】
ー月光の下でー



____________________________________________________________________________________



彼女は目を覚ますと、族長部屋に居た。

お父上の匂いがこびり付いた寝床に寝かされていた。

「やっとお目覚めですか」

見上げると、若干呆れ顔でアイスリーフがリリィスターを見下ろしていた。

「貴女は大集会でお倒れになったのですよ。きっと疲れが溜まっていたのでしょう……」

アイスリーフが何かの葉を磨り潰しながらそう言った。

あぁ、そうだった……私、大集会で………?

「私が倒れたら後、どうなった?!」

がばっと起きてアイスリーフの瞳を覗き見た。シルバーファーに、大集会が始まる前に弱みを握らせてはいけないと、耳にタコが出来るくらい言われたからだ。

「シルバーファーが変わりに木に乗って演説しました。ですが、他部族の方々はどう受け取ったか……」

アイスリーフが薬を葉に盛り、こちらに差し出した。

「どういう事?」

比較的飲み易い薬を飲みながら質問した。だが……

「失礼しました。お忘れ下さい……」

彼は語尾を濁させた。

リリィスターが薬を飲み終わると、薬が乗せられていた葉包を片付けた。

不意アイスリーフが顔を上げた。

「そう言えば、先程シルバーファーとポエムハートとブレードクロー、インテントクローが空き地で知恵を絞り合っていましたよ」

アイスリーフは葉包と幾つかの薬草を持って部屋から出て行った。

アイスリーフが居なくなり、部屋は彼女一人しか居なくなった。

しばらく寝床をゴロゴロしたり、寝床のコケを丸めたりして遊んでいたが直ぐに飽きた。ふと彼女はシルバーファーの所にでも行こうかと思い立ち、部屋を出た。

どうやら一日中寝ていたらしく、外は暗かった。

シルバーファーは直ぐに見つかった。空き地で、年長戦士四匹で集まって話し合いをしていた。内容までは聞こえないが、表情から深刻な話をしているらしい。

不意にインテントクローの一際大きな声が彼女の耳に入った。

「絶対にウインター族は攻めて来る!明日の夜には月も欠け始めるだろう。何故あんな小娘を族長にしたのだ!我の方がよっぽど族長に……」

ポエムハートがインテントクローをたしなめて落ち着かせたらしく、インテントクローは静まった。

そうよ………

リリィスターはハイレッジに跪いた。

インテントクローの言う通りよ……

私なんて、所詮小娘……一族を率いるなんて……無理よ……

溢れてきた涙を拭く事もせず、彼女はただ月光の下で肩を震わせた。

月光の光は彼女を包み込んではくれない。

「貴様ァァァァァァァァァッ!」

唐突に轟いた叫び声に、少女は飛び上がった。


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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ラッキークロー@LC on Fri Jan 08, 2016 6:08 pm

うう...リリィスターが自信をなくしているのが痛々しいですね...。もっと堂々と自信をもって!とおうえんしたくなります。

そして叫び声の主が気になって眠れない笑
影ながら応援しています!
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ティアーミスト on Sun Jan 10, 2016 3:34 pm


これまでは賢く冷静、憧れの存在だった族長を幼い少女にすることで、物語に引き込まれますし、

主人公を応援したくなります…!

リリィスターは、自分の無力さに落ち込みながらも一族の為に全力を尽くそうとしていますねっ(*´>ω<`*) 偉大な父が

見抜いた彼女のリーダーとしての才能が、どのように開花していくのかも楽しみです。

ノースさんの発想力やストーリーがととても好きです!執筆ガンバです~

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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sun Jan 10, 2016 11:13 pm

ラッキークローさん》

二度目のコメント、ありがとうございます!嬉しいです!
リリィスターがどうなるのか……優しく見守ってあげて下さい^ ^
声の主は次の章で分かりますよ笑
ラッキークローさんも、執筆頑張って下さい!

ティアーミストさん》

私にはもったいなきお言葉ッ!笑
そう言って頂けて、嬉しい限りです!!
期待に添えられるように頑張ります!
コメント、ありがとうございました!!!
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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sun Jan 10, 2016 11:20 pm


【第九章】

ー仲間割れー


_____________________________________________________________________________________


「貴様ァァァァァァァァァァッ!」

形相を変えたインテントクローがブレードクローに飛び掛った。

互いの鉤爪が交差した。天にまで届きそうな甲高い音が響き渡る。

「何故貴様はあの小娘の肩を持つ?」インテントクローが、そう叫んだ。

「理由は一つ。族長だからだ!」

はっとリリィスターは顔を上げた。

ブレードクローがインテントクローを斬りかかった。だがインテントクローはそれを防いだ。

「あの小娘が族長だと?笑止!我の上に立つ者は、我よりも強き者なり!」

インテントクローは力任せにブレードクローを投げ飛ばした。ブレードクローは四つ足で着地した。

一族の仲間達が何の騒ぎかとそれぞれの部屋から顔を覗かせた。

「族長は我よりも強かった。だから我は認めたのだ!」

インテントクローの声と共に再び鉤爪が交差する。

インテントクローがブレードクローの耳元で囁いた。

「太陽は沈んだ。『未来』という、我等を照らした太陽が」

ブレードクローはインテントクローの鉤爪を弾き返した。

「沈んだ太陽は再び登る!『百合』という名の太陽が!」

少女はよろけた。

まさか、あんな失態をしてからも、こんな事を言ってくれる者が居ただなんで……

ブレードクローがインテントクローの鉤爪を躱し、横腹に鉤爪を突き出すも防がれた。

「あの小娘は太陽にはなれぬ!」

インテントクローの怒号が響いた。

お互いに距離を取ってからまたぶつかり合った。

「あの子が太陽ではないと言うのなら、あの子は大輪の花だ!そう、我等に笑顔をくれる美しき物。それが見抜けぬと言うのなら、貴様の目は何処まで節穴だ!

今度はブレードクローがインテントクローを投げ飛ばそうとした。だが思ったよりも重かったらしく、ブレードクローはバランスを崩してしまった。

その隙を逃すまいとインテントクローはブレードクローを押し倒した。

地面に倒れたブレードクローをインテントクローが押さえ付けると、インテントクローは自らの鉤爪をブレードクローの首に当てた。

「我に刃向かうのならば、我は此処で貴様を斬る」

インテントクローが呼吸を乱さず、ブレードクローを睨んで告げた。

鉤爪を当てられていると言うのに、ブレードクローは余裕のある表情をしている。

少し間が空き、ブレードクローが口を開いた。

貴様は武に頼ってばかりだな。それだと足元を掬われるぞ」

そして、にたりと笑った。

「ふん、戯言を」

インテントクローの鉤爪が首に食い込んだ。

ブレードクローの首から一筋の血が流れた。

お止めなさい!インテントクロー、ブレードクローを離して」

シルバーファーが叫んだ。インテントクローは大人しくブレードクローを離した。

空き地には、一族のほとんどが集まっていた。皆年長戦士達を唖然と見ている。

「インテントクロー、貴女が彼女の事をそう思っていただなんて……残念です」

ポエムハートが呟いた。

「ならば、貴様は奴を認めていると言うのか!」

再び飛び掛かりそうな勢いで言った。

「あのご立派な族長様が推薦したのです。それに彼女は族長の血を引く者」

ポエムハートは冷静に、そう返した。対してインテントクローは。

「例え族長の血を引いていたとしても、その娘も優秀になるとは限らん!」

冷静を失い、野獣と化したインテントクローはそう吠えた。

言い返すかと思ったが、ポエムハートは黙って目を閉じただけだった。

「この罪に対する処罰は如何致しますか?」

不意にシルバーファーはハイレッジを見上げた。

小刻みに体を震わせた少女は一斉に注目され、ビクッと飛び跳ねた。

族長は蚊の鳴くような声で「シルバーファーが決めて……」と言うと部屋に引っ込んだ。

それを見届けたシルバーファーはインテントクローに向き直った。

「族長の命により、恐れながらわたくしが処罰を言い渡す。インテントクロー、汝に初心を思い出していただく為に、月が半月になるまで見習い部屋にて過ごし、見習いと同等の仕事をせよ」

インテントクローは不快そうに顔を顰めたが、一礼して受け入れた。

やがて仲間達は各々の部屋に戻り、インテントクローが渋々見習い部屋に入ると、空き地に残っている者はシルバーファーのみとなった。

「族長………」

ぽつりと呟くと、彼女は戦士部屋に滑り込んだ。


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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Wed Jan 13, 2016 10:37 pm

【第十章】
ー族長の権限とはー



____________________________________________________________________________________



「敵襲だ!敵襲ッ!」

少女が族長になり、五回目の早朝の事。

見張りが声を上げた。

刹那、どっとスプリング族のキャンプに猫が流れて来た。

唐突な事に狼狽えながらリリィスターはハイレッジに出た。驚きの余り震えが止まらない。

敵軍の群れから見覚えのある黒猫が現れた。

「お久しゅうございます、リリィスター殿」

黒猫は嫌味と取れる口調でそう言うと、意地悪く笑った。

「何の用だ、ウェイヴスター!」

インテントクローが怒鳴った。

「元気の良い虫ケラだ。だがな、虫ケラに用は無いんだよ。悪いがな」

黒猫はにやりと笑う。

貴様ッ!我を虫ケラ呼ばわりするなどォォォッ!

頭に血が上ったインテントクローはウェイヴスターに飛び掛かろうとした。だがそれをシルバーファーが遮った。

「まだ命が出ておりません」

シルバーファーは冷ややかに言い放った。インテントクローは渋々引き下がった。

「そう言えばまだ用件を伝えてなかったなぁ。本日はお願いがあって参りました」

口調こそ丁寧だが、ウェイヴスターの顔は歪み、少女を嘲笑うかの様に牙を見せている。

「お願いと言うのは、少しスプリング族の領地を頂戴しようと思い……」

ウェイヴスターが言い終わる前に、スプリング族の戦士達が怒声を上げた。インテントクローは勿論の事、ブレードクローも敵意を剥き出しにして、今にも飛び掛かろうと準備している。

静粛に、とシルバーファーが黙らせようとしたが、皆が黙るまでかなり時間が掛った。

事の成り行きを見ていたリリィスターはすっかり縮こまってしまった。ハイレッジに丸々その様は、まるで母を求める子猫の様だ。

「そんなに怖がらなくても、潔く認めて下されば何も致しません。ですが……拒否すると言うのでしたら、力尽くでも頂戴します」

ウインター族の戦士達は歓声を上げた。

そんなウインター族に、スプリング族の戦士達は罵声を浴びせた。

だが、リリィスターはウェイヴスターを見つめるばかりで何も答えない。

ウェイヴスターも、笑みを含み三毛柄の子猫を見つめ返すばかりだ。

「何も答えない、つまり交渉断裂と取ってよろしいか?」

遂にウェイヴスターが告げた。

だがリリィスターは口を開かない。

「……残念です。領地を分けて下さると言うのなら、貴女と手を取り合おうと思っておりましたが……」

ウェイヴスターは大きく息を吸い込んだ。

「かかれ、ウインター族!虫ケラ共を蹴散らしてしまえェェェッ!」

「やるぞォォォッ!我等を虫ケラ呼ばわりした罪を知らしめてやる!てめぇら、我に続けェェェェェェッ!」

族長の指示を待たずにインテントクローが飛び出した。

それにブラックフェザー、ウッドボイス、ジンジャーフット、ブレードクローと少数の戦士が続いた。

だが大半の戦士は戦って良いのか分からずにオロオロしている。

それ程の存在なのだ。族長という存在は。

族長は絶対。族長に逆らう者は悪人。

つまり、族長が成す事は、全て善なのだ。

オロオロした戦士達を見て、そう気付いたリリィスター。

彼女は自らの父を思い描いていた。

何時でも堂々としていたお父上。戦いの時は自ら敵軍の長と迎え撃った。彼は強かった。如何なる敵も薙ぎ倒せた。だからスプリング族は強かったのだ。

今の状況を見てみろ、私。

まるで連携がなっていない。皆バラバラに戦っている。

このままでは、お父上の一族は、負ける。お父上が、悲しむ……!

リリィスターは意を決して立ち上がった。

今は静寂はない。息が吸える。口が開く………


……声が出る!


「スプリング族の皆んな!」

オロオロしていた戦士達は驚いてリリィスターを見上げた。

登って来た陽が、族長を照らした。

『百合』という名の花を照らした。一族に笑顔を与える、大輪の花。

「お父上の守って来た物を、そう簡単に奪われる訳にはいけない!迎え撃て、スプリング族!」
戦士達が一斉にウインター族の戦士に飛び掛った。

すると少々驚いた面持ちのシルバーファーと目が合った。

銀色の戦士は、リリィスターと目が合うと、微笑んで戦いの渦に入って行った。

少女は、漸く自分の言った言葉の意味を察した。

私の言葉で、皆を戦いの渦に飛び込ませてしまったのだ………

一度入ってしまったら、生きて帰って来られる保証はない、アリ地獄の中に。


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Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

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