太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

新しいトピックを投稿   トピックに返信

Page 2 of 3 Previous  1, 2, 3  Next

前のトピックを表示 次のトピックを表示 Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ラッキークロー@LC on Wed Jan 13, 2016 10:46 pm

ついにリリィスターが、そのちからを発揮しましたね!読んだとき、とても嬉しかったですq(^^q)

少女を動かしたのが、父の率いていた部族を守らなくてはいけない!という思いだったことにジンと来ました。優しい女の子、リリィスター......。

展開がスムーズでとても読みやすいです!陰ながら応援しています!
avatar
ラッキークロー@LC
副長
副長

投稿数 : 229
Join date : 2015/05/20
所在地 : 小説について何かご質問、ご意見等ございましたらお気軽にPMやTwitterの方へメッセージどうぞ!

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ライトハート on Thu Jan 14, 2016 2:45 pm

リリィスター!やっと自信がついてきたんですかね…?
はやくウィンター族を追い払っちゃえ!((こらw
続き楽しみにまってます!
avatar
ライトハート
族長
族長

投稿数 : 525
Join date : 2015/05/15
所在地 : 日本

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Thu Jan 14, 2016 10:05 pm

ラッキークローさん》

またまたコメントありがとうございます!!
そう言ってもらえて……リリィスターもきっと喜んでます!w
その優しさで、一族を率いてほしいものですが………
少し急展開だったかな?と思っていたので、そう言って頂けて良かったです^ ^


ひかりすずさん》

彼女には早く自信を付けてもらいたいところですよね!
ウインター族、追い払う事が出来るのか?!w
早め早めに更新しますね!
コメントありがとうございました!そして、ひかりすずさんも執筆頑張って下さい!
avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Fri Jan 15, 2016 4:59 pm

【第十一章】
ー忌まわしき契約ー



_____________________________________________________________________________________


「まさか、貴様に指示を出すだけの勇気があったとはな」

ハイレッジから戦況を見ていたリリィスターの耳元で、不意にウェイヴスターの声がした。

何時の間にか、彼女の隣にはウェイヴスターが立っていた。

冷たい青い瞳が少女を冷ややかに見ている。

その目はまるで、彼女を嘲笑っていた。

少女は怖くなり、部屋に駆け込んだ。だがそれは逆に状況を悪くし、出入り口をウェイヴスターに塞がれてしまった。

逃げ場が、無くなった。

「完全に流れはウインター族にある。大人しく投降しろ……さすれば命だけは助けてやる」

ちらりと鉤爪が光った。

彼女の鉤爪とは比べ物にならないくらい、太く、長い鉤爪が。

「なに、心配はいらん。オータム族との境界線から尻尾六、七本分で良い………」

リリィスターはその言葉にふと疑問を持った。

確かにスプリング族とウインター族の領地は隣り合っている。だから狩場を広げたいが為に強奪しに来たものだと思っていた。

だがウインター族は、ウインター族側の、ではくオータム族側の領地を欲しがっている。それでは、狩場に行くまでに余計な時間が掛かる。……一体、何を企んでいる?

ウェイヴスターは顔を歪ませて一歩前進した。

だが、少女は後退る事なく、逆に一歩踏み込んだ。

「お父上が守って来た物……そう簡単に明け渡す訳にはいかない!」

彼女の叫び声は、轟となって洞窟を駆け巡った。

「上等だ、小娘ッ!」

ウェイヴスターが大きく跳躍した。

降って来た鉤爪をギリギリで避けると、おもむろに鉤爪を突き出した。

しかし、彼女の鉤爪は弾かれ、逆にウェイヴスターの鉤爪が少女の喉に突き付けられた。

「投降して下さい。さもなくば……」

一筋の血が流れた。

血を見るのは初めてだ。故に、少女の顔は恐怖に歪んだ。

その時だった。

不意に銀色の閃光が横切った、と思ったら何時の間にかリリィスターの前にシルバーファーが居た。

ウェイヴスターの頬には切り傷が出来ていた。

「族長!ご無事ですか?」

聞き覚えのない声と共に、今度は虎猫が入って来た。

「ブラウンストライプか……遅かったな」

ブラウンストライプ、と呼ばれた虎猫はウェイヴスターに頭を下げた。

「彼は?」

リリィスターはシルバーファーに耳打ちした。

「彼はブラウンストライプ……ウインター族の副長です」

……彼が、ウインター族の副長。何処と無くシルバーファーに似てる様な……気のせいね。

すると、ブラウンストライプが進み出た。

「スプリング族の族長よ、投降せよ!貴様らの同志は、とうに限界を迎えている」

リリィスターはシルバーファーを見上げた。

「残念ですが、彼の言う通りです……此処は一旦退いて立て直しましょう

リリィスターは呆気に取られ、しばらくぽかんとしてしまった。

お父上が守って来た物を、こんな簡単に明け渡せ……と?

「族長、転機は訪れます。今は、退きましょう」

avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sat Jan 16, 2016 11:14 pm

【第十二章】
ー副長の役目ー



____________________________________________________________________________________



「分かった……貴女の……シルバーファーの、言う通りに……するわ……」

リリィスターは遂に言った。

ウェイヴスターの口角が少し上がった。

「こんなにあっさりと……寛大なご判断、感謝致します」

ウェイヴスターは颯爽と去って行った。

だがブラウンストライプは今も尚、リリィスターの前に立っていた。

「まだ、何か?」リリィスターを護るように立っているシルバーファーが牙を剥く。だがブラウンストライプは思いもよらぬ言葉を漏らした。

「……すまぬ。某(それがし)は反対だった。だが族長は絶対。従わなくてはならなかったのだ」

「それは違う」

シルバーファーが、ブラウンストライプの言葉を遮った。ブラウンストライプが少し目を見開いた。

「君主の道を正すのが、わたくし達副長の役目である」

シルバーファーはそう、断言した。

「では聞く。それが、一族や族長を裏切る事になっても尚、か」

ブラウンストライプの言葉が、岩の壁により反響された。

ブラウンストライプは唇から血が流れる程、強く強く自身の唇を噛んでいた。

シルバーファーの後ろに立つリリィスターから、彼女の顔は見えない。彼女がどんな顔をしていたか等、リリィスターには分からなかっただろう。

ブラウンストライプは一礼すると、ウェイヴスターの後を追った。

「………どうしたの?」

心配になり、シルバーファーの顔を覗き込んだ。

シルバーファーは体ごと振り返った。だが、何も言わない。

「シルバー……ファー……?」

再度問い掛けるも返事はない。

「で、ではあの猫は何者なの?何だか知り合いっぽかったけど……」

シルバーファーらしくない。唯俯くばかりで、何も言わないなんて。

「言いずらかったら良いわよ……?言わなくて……」

リリィスターは一歩後退った。こんなシルバーファー、見た事がない。まるで何か思い詰めているような……

遂にシルバーファーが顔を上げた。

だが、彼女のリリィスターを優しく包み込む、青い瞳からは光が無かった。

「族長……これは言わぬ方がよろしいかと思っておりましたが、仕方がありませぬ」

これ迄にない空気が張り詰めた。少女の気が引き締まった。

シルバーファーは一度、大きく深呼吸してから口を開いた。

「彼……ブラウンストライプは我々の裏切り者。自らの部族の捨て、敵部族の副長に成り下がった、我が愚弟です……今迄隠していて、申し訳ありません。余計な荷を負わせたくなかったのです……」

シルバーファーは頭を下げた。

凄く、紳士そうな彼が……裏切り者?それも、シルバーファーの弟?確かに何処と無くシルバーファーに似ていたような気がしたけど………

「この事は、一族には知らせないで頂きたい。これを知っているのは、ポエムハート、ブレードクロー、インテントクローと貴女の殿父君のみ……わたくしのわがまま、聞いては下さらぬか……?」

シルバーファーは顔を上げずに呟いた。リリィスターは上の空で頷いた。

裏切り者……という事は、彼は元々スプリング族で、それからウインター族に行ったって事?あんな族長が部外者を受け入れるとは……ましてや副長に任命する訳……考えれば考える程訳が分からなくなって来る………


………結局、ブラウンストライプは何者なのだろう………

avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by 野良にゃん娘 on Sun Jan 17, 2016 6:58 am

とても面白いです……!
文書ファイルに保存してじっくり読ませていただくくらい、今とっても大好きなお話のひとつです。
まだ頼りないけれど努力している主人公がとても魅力的で応援したくなり、先行きが気になるので、とても勉強にさせていただいています。
リリーちゃんがんばれにゃん ฅ`• ω •´ฅ !!
avatar
野良にゃん娘
子猫
子猫

投稿数 : 9
Join date : 2016/01/10

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Mon Jan 18, 2016 5:32 pm

野良にゃん娘さん》

コメントありがとうございます!
そして、嬉しいお言葉ありがとうございます^ ^
私には身に余るお言葉………
そして、絵文字が可愛いですねw
リリィスター、これからも暖かく見守って上げて下さい!!
avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Mon Jan 18, 2016 5:35 pm

【第十三章】
ー不信な影ー


_____________________________________________________________________________________


「スプリング族の皆んな!獲物を捕まれられる年齢の者は、このハイレッジに集まりなさい。集会を始めます!」

リリィスターの隣に座っているシルバーファーの呼び掛けに、疲れた顔をした戦士達が部屋から出て来て、一匹、また一匹と空き地に座った。

だいたい揃うとシルバーファーは頷いた。

彼女が側に居ると思うと幾らか緊張は解けるが、やはり緊張するものはしてしまう。

「さ、昨晩の襲撃で、ウインター族は我ら、スプリング族の領地の一部を譲るように申し出て来た。そして、我らは領地を奪われた」

リリィスターの震え声での報告を受け、一族は怒声や罵声を上げた。

だがシルバーファーが前足を上げると、皆は鎮まった。シルバーファーに言われた事を思い出しながら続けた。

「だが、これで終わるつもりはありません……!転機を見計らい、ウインター族を襲撃します……」

今度は大きな歓声が上がった。どうやら、昨日の襲撃での彼女の立ち振る舞いに幾らか見直してくれたらしい。

だが、インテントクローが歓声を上げていないのもまた事実だ。

再びシルバーファーが前足を上げて黙らせた。

「だから、その時の為に準備しておくように……えっと……次は……」

次の台詞を思い出そうとするが、頭がこんがらがって出て来ない。救済を求めてシルバーファーを見た。

すると、シルバーファーが口パクで次はキャンプ修復の事です、と言った。

「えーっと……キャンプの修復ですが、幾つかの班に別れて作業して下さい……」

シルバーファーに睨まれた。

ヤバ……なんか間違えた?えっと……えっと……こう言う時はッ!

「詳しい事は、シルバーファーから伝えます」

リリィスターはかつてない大きな溜息を聞いた。

テキパキと指示を与えるシルバーファーの青い瞳はまるで台詞を教えても駄目ですか、と言っていた。

リリィスターは視線を空き地に降ろした。やはり、私には族長はむいてないのでは?

そう思った時、視界で何かがちらついた。それは保育部屋の横の茂みに姿を隠した。

集会をしている時に、誰が何処に行ったのだろう?

一族の皆が作業に入ったのを見ると、リリィスターは足を踏み外さないよう慎重に、一歩一歩岩に足を掛けて降りた。

シルバーファーがハイレッジから飛び降りるのが見えた。

彼女も集会から消えた影に気付いたのだろうか?

たが、シルバーファーは影が消えた保育部屋とは反対の方向に歩き、遂にキャンプから出て行った。

あの様子では気付いていないようね。というか、誰一人として気付いていないみたい。皆んな作業に集中してる。

気になり、保育部屋の方へ行った。彼女は保育部屋の横の茂みから森に出られる事を知っていた。

子猫の時、よく一匹でここから森に抜け出してたっけ。ばれた時にはお父上から大目玉を食らったな……

不意に父親の姿が目に浮かび、彼女はしゅんとなった。

そして、本能に導かれるままにそこから森に出た。

彼女は一度大きく深呼吸した。

あの時と同じ香りがする……青臭い葉っぱの匂い……それに、少し雨の匂いが混ざってる……でも……

少女は、地面に鼻を近づけた。

この匂いはしてなかった……あの時は……葉っぱの匂いで分からないけれど……これは、猫の匂いだ……きっと集中から抜け出してた、猫の匂いだ……!

彼女はそのまま匂いを頼りに歩き出した。

段々とその匂いが強くなる頃には、サマー族との境界線の辺りまで来ていた。

「………………」

ふと、リリィスターの耳に誰かの声が飛び込んだ。彼女は慌てて木の影に隠れ、耳をそばだてた。

「お願いです……戻って来て下さい……貴女が必要なんです」

誰かと話している……?それに、聞き覚えのある声……

「僕が絶対に解決してみせます……貴女がやったのでないと、僕が証明します!ですから……」

僕……?もしもその猫が、スプリング族なら、私は自分の事を「僕」と言う者は、私の知る限り一匹しかいないけど……

「そう……ですか……では、また獲物を届けに参ります……えぇ、分かっています」

不意にその猫はこちらに振り返った。リリィスターは慌てて身を隠したが……

「誰だ!」

気付かれた。

恐る恐る木の影から顔だけ覗かせた。いざとなった時に逃げ出せるよう、走る準備をして。

だが少女の目に飛び込んで来たのは、放浪猫や意地悪な族長ではなく、よく見知った顔だった


「アイスリーフ!」
「リリィスター?!」



二匹はほぼ同時に叫んだ。それは、スプリング族の看護猫だったのだ。



avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Mon Jan 18, 2016 10:16 pm

【第十四章】
ー禁忌ー



_____________________________________________________________________________________


「こ、こんなところで何をしていたの……?」

取り敢えず疑問を投げ掛けてみる。

「そ、それはこっちの台詞ですよ族長……何故ここに居るのです……?」

疑問を投げ返された。

「だって……集会を抜け出す猫なんて、滅多にいないから……それ程の用ってなんなのかなって思って……」

リリィスターは語尾を濁させた。

「クソッ……集会中だったら誰にも気付かれずに抜け出せると思ったのに……」

アイスリーフの口から、彼らしからぬ言葉が飛び出した。

やば……来たらいけないところに来たみたい……それに……見ては不味いシーンを見てしまったみたい……

「えっとぉ……では私はこれで……」

こういう時は、何も見なかったふりをして退くのが得策よね……多分。

「族長は………どう思いますか?」

彼女はビクッとするとゆっくり振り返った。

「え……?」

「貴女は……族長は、族長の父君の死をどう思いますか?

唐突な質問に思わず彼女は固まった。頭の中が真っ白になった。

「お父上の……死?寿命ではなかったの……?お父上もろそろそだと言っていたし……」

「まさか!貴女は寿命で亡くなったと思っていたのか!族長というのはスター族のご加護を受けしお方達。寿命なんざで死ぬ程、柔ではない!

珍しくアイスリーフが声を荒げた。リリィスターはますます固まってしまった。

「……仕方がないか……本当なら貴女は見習い。漸く戦士になれるかどうかという時期だ。無理もない……」

溜息交じりで彼は呟いた。

「貴女は御存知ないようだが、貴女の父君を殺した犯人はこのスプリング族の中に居る。そして、副長を殺した者も。貴女はずっと貴女の父君に寄り添いっぱなしで気付いていなかったようですが、副長の首には深い小さな切り傷がありました。一流の戦士により付けられた物でしょう」

お父上が、誰かに殺された……ですって?

馬鹿な……お父上は全戦全勝、一度も負けた事なんてない。だから、全部族の猫達は、彼を恐れと敬意を込めてこう呼んでいた…………


………『漆黒の獅子』、と。


「もうその辺にしておやり。彼女が可哀想だよ」

いつの間にかアイスリーフの側に、リリィスターと同じ三毛柄の、美しい三毛柄の猫が立っていた。

ふと少女の脳裏に、幼き日の記憶が横切った。

気難しく頑固だが、性格とは裏腹に、とても美しい毛を持つ看護猫。

アイスリーフの師であり、スプリング族自慢の腕利き看護猫。

彼女に直せない病はないと称された、全部族一の看護猫。

「お前さんが新しい族長かい?やれやれ……『漆黒の獅子』の娘だからって、そんな小娘を族長にするとは……スプリング族も落ちるとこまで落ちたもんだねぇ」

「あの……どうして此処にいるんですか……?急に居なくなったりして……皆んな心配してますよ……?」

話の腰を折る台詞だと分かっていたが、どうしてもこれを聞かずにはいられなかった。三毛猫看護猫はふーっと軽く唸った。

「全く、人の話も聞けないのかい。良いだろう、教えてやる。それはな、濡れ衣を着せられないように、といったところだ。あたしゃは進んで切腹になるほど脳足りんでないからね」

「せっ……ぷく?どうして?貴女はそんな悪い事なんてしてないし……」

「あぁ、してない」

看護猫は口を挟んだ。木々を薙ぎ倒しそうな勢いで尻尾を振りながら。

「だがな、切腹になりかねない事を犯した奴が居る」

「……族長殺し、副長殺し……」

アイスリーフが彼女に続けた。看護猫は頷いた。

「禁忌とされる薬草を使った、禁忌とされる族長殺し。そして、副長に牙を突き立てる事もまた禁忌。それらの禁忌を犯した者が居る。それが明るみに出たら、スプリング族はなんと言われるか」


「禁忌を犯した一族」


アイスリーフの言葉に、彼女は再び頷いた。

少女はますます混乱した。

この看護猫達は、お父上を、そして副長を誰かが殺したと言う。そんな事、誰にも出来るはずなどない……自ら族長、副長を殺すなど、スター族を血に染める事と同罪。こんな事をする奴は頭が狂っているか、もしくはスター族を信仰していない者しか出来ないだろう。

「そう言えば……」

唐突に彼女は話題を変えた。

「ウインター族に襲撃されて、まんまと領地を奪われたんだって?情けない話ねぇ」

「えぇ……申し訳ありません」

リリィスターは看護猫から目を逸らした。

「スター族から御告げを受け取らなかったのかい?」

御告げ………?そんな物、そう言えば一度も………

「いいえ……」正直に答えた。

「……そうかい。っと、少しばかり長く話してしまったようだ。そろそろ心配して迎えに来る頃だ。あたしは見られちゃ不味いから、一足先に失礼するよ。……スター族のご加護があらん事を」

彼女は最後にそう告げると草むらに姿を消した。

「族長は先に戻っていて下さい。僕はもう少ししてから帰ります」

アイスリーフはいつもの口調でそう言うと、彼は何処かに行ってしまった。

キャンプへの長い長い道中を歩きながら、少女の意識が混濁する程考え込んでいた。

お父上が殺された事、これもショックだったが、彼女はもっと別の事を考えていた。


…………禁忌を犯した一族…………


お父上の一族がそんな風に呼ばれ、忌み嫌われる。それだけは避けたい。避けなければならない………これは、絶対に明るみに出してはいけない。



avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Thu Jan 21, 2016 3:25 pm

【第十五章】
ー訓練ー


_____________________________________________________________________________________


「族長、こんな大変な時にどこをほっつき歩いていたのです?」

夕暮れになってキャンプに帰宅すると、シルバーファーが待ち構えていた。

副長が族長に説教とは前代未聞だろう。

「えっと……え、獲物を探しに……」

「でも一匹も捕らえられなかった、と?下手な言い分です」

シルバーファーは大きな溜息を吐いた。そしてまた口を開いた。

「それはともかく……先日、あの様な事がありましたし、族長には力を持つ者との戦いに慣れて頂く為、ブレードクローに戦闘訓練を頼みました。早速明日から訓練が始まりますので、そのつもりで」

「ブレードクロー?!」

ブレードクローの戦闘訓練はキツイ事で有名……組み合いの時は手加減なしで投げ飛ばすし、それに朝から晩まで走らされたという者も……

「えぇ。ブレードクローです。彼にはとりあえず大集会までと頼んでおきました。かといって、作法の方も疎かにしてはいけませんよ。教育の方はポエムハートに頼んでおきました。わたくしはあまり時間が取らないと思い。では、明日に備えて下さい」

シルバーファーは一礼すると族長部屋から出て行った。


✳︎


早朝。まだ太陽も完全に顔を出し切っていない頃、ブレードクローに起こされ、いつの間にか訓練する為の空き地に引っ張り出されていた。

「今日はまず、族長の実力を見せてもらい………」

内容が頭に入ってこない。

刹那、息が詰まった。ブレードクローに横から殴られたのだ。

「これで、目が覚めたか?では族長の腕前を見せて貰おう。何時でも来い」

と言うと、ブレードクローは身構えた。

なんか良く分からないけど……取り敢えず攻撃すれば良いのね?

リリィスターはふらりと走ると、適当に前足を突き出した。

だが、次の瞬間にはブレードクローにのしかかられた。口の中が土の味が広がり、呼吸が出来なくなった。

ブレードクローが立ち上がると大急ぎで立ち上がって口の中の土を吐き出した。

「腰が引けているし身体の重心移動も出来ていない!それでも見習いをやってたのか?これでは子猫にも勝てまいぞ!」

彼はそう叫ぶと、リリィスターに休む暇を与えずに彼女に飛び掛った。

少女の身体は地面に叩きつけられた。

「避ける事も出来ないのか。その見習いの小さな身体をもっと活かせ!」

ブレードクローがまた来た。一発目はどうにか躱したが、二発目をもろに食らった。少女の身体は尻尾三つ分くらいのところまで転がり、漸く止まった。

「本当に族長があの方の血を継いでいるのか疑いたいくらい弱いな。基本中の基本も出来ていない。リリィポーの指導者は一体何を教えていたのか、是非ともお聞かせ願いたい」

早朝だからだろうか?自分でも驚く程身体が動かない。

節々が痛む身体を如何にか持ち上げた。

ウェイヴスターと戦った時の方がよっぽど動いた……と思う……惨敗だったけど………自分自身に聞きたいよ。私は本当にお父上の血を継いでいるのか、ってね。まるで足枷が付いてるみたい。動き辛い………身体が重い…………

ブレードクローが再び接近を開始した。

身体が痛い……もうこれ以上は叩きつけられたくない………

少女は身構えた。どうすれば良いかなど分からない。身体が勝手に動いてくれる。

ブレードクローは少女に前足を勢い良く出した。

だが、リリィスターは捕らえた。

タイミング良く飛び上がると、ブレードクローの背中を蹴って彼の背後に着地し、後ろ足を払った。

彼はバランスを崩してそのまま横ざまに倒れた。

ふと我に返った少女は慌ててブレードクローを覗き込んだ。

「あの……えっと……大丈夫……ですか……?」

だが………彼は笑っていた。

「へっへっへっ………そうこなくっちゃ、なぁ?」

ブレードクローはそう呟くと、いきなり起き上がってリリィスターを押し倒した。


✳︎

結局、反撃できたのはあの一度だけだった。

全身は砂埃を被り、節々が悲鳴を上げている。

そして、帰ったら寝ようとと考えていた矢先………

「姫殿下?どうかされましたか?」

此奴 ( ポエムハート ) に捕まった。

「大丈夫です」

欠伸を堪えてもごもごと言った。

「そうですか。では続けましょうか、姫殿下」

「あの…………」

彼女は思わず口を挟んだ。

「なんでしょう?」

「その『姫殿下』ってなんですか?」

「あぁ、それでしたら」ポエムハートはにこりと笑った。

「貴女と貴女の父君への敬意を込めて、と言ったところでしょうか?気になさらないで下さい」

こうして退屈な授業が始まった。


avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ラッキークロー@LC on Thu Jan 21, 2016 7:25 pm

 いつもたのしみにしています!更新お疲れさまです!

 文章がシンプルで分かりやすく、とても読みやすいです。リリィスターが族長への成長を遂げるべく、特訓を始めたことにワクワクしています(^-^)v

 成長した主人公の物語を読むのが大好きなのです^/^

 物語も佳境へとむかう頃でしょうか?いつでも応援しています!
avatar
ラッキークロー@LC
副長
副長

投稿数 : 229
Join date : 2015/05/20
所在地 : 小説について何かご質問、ご意見等ございましたらお気軽にPMやTwitterの方へメッセージどうぞ!

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sat Jan 30, 2016 7:10 pm

ラッキークローさん》

いつもいつもコメントありがとうございます!
読みやすいとは……!身に余るお言葉、ありがとうございます!!

流石はラッキークローさん、鋭いですねw
これからもよろしくお願いします!

コメントありがとうございました!
avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sat Jan 30, 2016 7:12 pm

【第十六章】
ー夢か現かー



_____________________________________________________________________________________


少女は、彼女が子猫だった頃の夢を見た。

大好きだった、おばちゃんがお父上の話を聞かせてくれていた時の夢だ。だが、何故かお父上に話てくれと頼んでも、お父上は語ろうとしなかった話。

「リリィキット、今日も来たのかい」おばちゃんの声が蘇る。

「また『漆黒の獅子』の話かい?聞かせてあげよう。そら、もっとこっちにいらっしゃい」

少女は手招きされ、おばちゃんの横にぴったりと寄り添うように座った。



これは部族を創造せし大神、『漆黒の獅子』のお話。

我々は、彼が生まれなければ今頃滅亡していただろう。


彼は子猫の頃からその才能を開花させた。誰にも教わらず、自分自身で戦士をねじ伏せる程の力を手に入れたのだ。

そして、知識も直ぐに吸収した。

彼は天才児だった。

そんな彼を側見て来た我らはこう思った。

我らを救ってくれるのは、彼しかいない、と。

我々は当時、とても貧しい土地に住んでいた。

地に生えているのは雑草のみ。獲物もろくに居らず、水もない。その為疫病で多くの仲間を失った。薬草も手に入らなかったのだ。

だが、我らの住む地の近くには湖があった。

しかし既にそこには沢山の猫達が住み着いていた。

我らは彼らに、獲物と水を分けて欲しいと懇願した。

だが野蛮な猫達は我々を追い払った挙句、我らの同志の喉笛に牙を突き立てた。

そんな時、彼は『シーズン族』の族長となった。

彼は我らにこう言った。

「あの猫達に、あの地を統べる権利は有らず。あの地を統べるべきはこの、シーズン族である!その牙を、蛮族の喉笛に突き立てよ!我らの同志を殺した罪を知らしめるのだ!」


こうして我々は、反乱を起こした。

蛮族の長は、ファイヤスターと言う炎の毛を持った者だった。

我らの長は、ファイヤスターとの一騎打ちで見事に金星を上げた。

この時我々は、彼に恐れと敬意を持ち、彼を『漆黒の獅子』と讃えた。

そして『漆黒の獅子』は、ファイヤスターの強さや忠誠心を讃え、彼を『炎の英雄』と謳った。


湖の周りに住み始めると、ある者達が独立したいと言い始めた。

『漆黒の獅子』は快くそれを許した。

独立したいと考えていた者は少なくなかった。それぞれの好きな環境を見つけたのだろう。

彼らは『漆黒の獅子』への恩恵は忘れない。この御恩を返すと誓って『漆黒の獅子』の元から離れていった。

『漆黒の獅子』の元に残ったのは約半数程だった。

すると『漆黒の獅子』は何時までも『シーズン族』の名に縛っては独立した事にならないとして、我々を『スプリング族』『サマー族』『ウインター族』『オータム族』に分け、独立を宣言した。


我々は幾千年先、我らが滅ぶ時まで『漆黒の獅子』の名を語り継がねばならない。

我々にはその方法でしか、彼を護る術はないのだから。


avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sat Jan 30, 2016 7:15 pm

【第十七章】
ー不穏な動きー



____________________________________________________________________________________


「報告しますッ!」

族長の部屋に、慌ただしく伝令が入って来た。伝令はリリィスターとシルバーファーに恭しく頭を下げた。

「ウインター族に動きが……!ウインター族の軍勢がサマー族とオータム族に一斉に奇襲した模様」

「戦況は?」

シルバーファーが鋭く言った。

「サマー族、オータム族共に押されています」

「まさか!ウインター族にそんな事が出来る程の戦士達が居ると?」

信じられないとでも言いたげに彼女は唸った。

「それに関して、気になる噂を耳にしました」

伝令は一層深く頭を下げた。

「どうやらウインター族は、無法者や放浪猫、ましてや飼い猫をさらい、戦士として戦わせていると………」

暫くの間、静寂が訪れた。

リリィスターはシルバーファーを見た。彼女は目を閉じていたが、ふと開けてリリィスターを見た。

「……どう致しましょう?」

「え?」

リリィスターは思わず聞き返した。

「援軍を送りますか?それとも、彼らには自力で頑張ってもらいますか?」

伝令が不安そうに族長と副長を順に見た。

「え、援軍を……?でも、襲撃は二ヶ所同時なのでしょう……?そんな、私達にそんな戦士の数はいない……」

「では、彼らには自力で撃退してもらいましょうか?」

シルバーファーが切り返した。

「それは、つまり見捨てるという事……?それは……ッ」

もしかしてこれがウインター族の狙い……?二ヶ所同時に襲撃すれば、援軍が来ない。……もしかして、この前領域を奪いに来た時、ウインター族はオータム族側の領地を要求したのは……この為だったのね……!

そして、スプリング族はきっと援軍を出して来ないと予想した。サマー族とオータム族を潰してから、奴等は一斉にスプリング族を襲って来るつもり……?!

「族長、失礼します!侵入者を捕まえました!」

不意に入り口からそんな怒声が聞こえた、と思ったら三匹の戦士に囲まれた虎猫が部屋に入って来た。

「ブラウン……ストライプ……!」

そう言ったシルバーファーの声は怒りで震えていた。

ブラウンストライプ……ウインター族の副長で、シルバーファーの弟。それでもって裏切り者、だったっけ………

シルバーファーが全身に力を込めたのが分かった。

しかし、ブラウンストライプはその場に屈した。彼は地に膝をついたまま口を開いた。

「どうか、ウェイヴスター殿を助けてくれぬか……勿論ただとは言いませぬ……某(それがし)の首を差し上げましょう……どうか……リリィスター殿、貴女だけが頼りなのです。某はどうなっても構いません」

「リリィスター、このような者の言う事に耳を傾ける必要はありません!」

シルバーファーが唐突に唸り声を上げた。

「鎮まれ」

ふと無意識にそう言った。自分でも驚く程冷静だ。シルバーファーは鎮まった。

「ブラウンストライプ、そなたの話、詳しく聞かせてみよ。貴女達は下がって。キャンプを護って」

無意識的にぽんぽんと彼女の口から言葉が飛び出した。

ブラウンストライプを連れて来た戦士達は部屋から出て行った。

「貴女も暫く席を外せ。お前もな」

今度はシルバーファーと伝令に向かってそう言っていた

「ですが、この者は族長を殺めようとするやも知れません」

「ブラウンストライプからは殺意は感じられない。それに、ブラウンストライプが話し終わる前にそなたが彼を殺してしまいそうだから」

口が勝手に………?まるで、私の身体が誰かに乗っ取られたみたい……

avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sun Feb 21, 2016 6:38 pm

【第十八章】
ーもう一つの顔ー



____________________________________________________________________________________


シルバーファーと伝令が出て行き、正真正銘二人きりとなった。

「楽にしなさい」

ブラウンストライプは少し躊躇ってから、漸く腰を落ち着けた。

「さ、詳しく聞かせて」

少しの間があってから彼は口を開いた。

「ウインター族は、この地を統制しようと乗り出しました。この前こちらへ攻め入ったものこの一貫。一つの部族を攻撃すれば、他の部族から援軍を送られる可能性が高いとして二つの部族を一斉に攻撃する事にしたのです」

「ちょっと待って」

リリィスターは口を挟んだ。

「だったら三部族一斉に攻め込むべきなんじゃない?外部の猫達を戦士として戦わせているのでしょう?」

自分でも驚く程に冷ややかな口調だった。まるで……いや、本当に誰かに身体を乗っ取られたようだ。

ブラウンストライプは少しうつむいて続けた。

「それが……ウェイヴスター殿はスプリング族は援軍を送らないと判断し……サマー族とオータム族を統制してから一気にスプリング族に攻め込もうと……」

「あの噂は本当なの?無法者や飼い猫を戦士として戦わせているの?」

口を挟まずにはいられなかった。自分自身でも怖くなるほど頭に血が上っている。

「はい……その通りです」

どうやら彼は白状したらしい。彼はゆっくりと話し始めた。

「ウェイヴスター殿はこの土地を統治しようと考え、その為には戦士が必要だと仰った。そこでウェイヴスター殿は我らに、放浪猫や飼い猫、もしくは他部族の子猫をさらうように命じました。そして、我々はさらってきた者達を訓練してウインター族の戦士として使いました」

「正気か?」

リリィスターが気付いた時にはそう唸っていた。

「お前達は何をしたのか分かっているの?外部者をさらい、戦士として使う事など言語道断!それに子猫を誘拐するなんて……子猫を誘拐する事は禁忌。ましてや戦士にして自分達の代わりに戦わせるなんて……ウインター族は禁忌を犯していた!」

彼女は吠えた。否、彼女の身体に宿った何かが吠えた。

「ウインター族の奴等……禁忌を犯した一族!この世にいらぬ存在とは、このような事をいうのね」

彼女に宿った物はまだ満足しないと言いたげに唸った。

「どうか……ウェイヴスター殿をお助け下さい!

ブラウンストライプは深々と頭を下げた。ふと彼女はこの猫に興味を持った。

「何故貴女はそんなに一生懸命なの?他人事なのに、まるで自分の事のよう。どうしてそんなに一生懸命になれるの?」

彼女は今度こそ自らの意思で問い掛けた……気がした。

「姉上……いえ、シルバーファーに言われた事を考えていたのです。我ら副長の誠の務めは君主の道を正す事だと」

その瞳には、揺らぎなどなかった。それしか考えていない、そんな瞳だった。

彼女の心は疼いた。こういう形の忠誠心もあるのかと泣いていた。

だがこれは自分自身の気持ちではない、と彼女は直感した。

それと同時に、助けたいと思った。しかしこれは立派な裏切りでもある。追放は免れないだろう。それ程の覚悟をもって、彼はここへ来たのだ………

「分かったわ……具体的に、どうするつもり?」

遂に彼女は言った。ブラウンストライプの表情があからさまに明るくなった。

「どちらか片方だけに援軍を送るのです。サマー族かオータム族のどちらかに。二つの部族が一つになれば、きっとウインター族には勝てるはずです」

「いえ、ウインター族のキャンプが空になっている今、ウインター族のキャンプに乗り込むべきです」

不意にポエムハートが姿を現した。彼はブラウンストライプの横に並んだ。

「今迄の話、聞かせていただきました。今こそウインター族に引導を渡すべきではありませんか?ウェイヴスターはキャンプに留まっているのでしょう?」

何故それを?と言わんばかりにブラウンストライプはポエムハートを見た。

「私の部下を侮らないで頂けますか?」

穏やかな口調だが、どこか有無を言わせない威圧感がある。それが彼の持ち味なのだが。

「どういう事?」

再び口が勝手に動いた。

avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sun Feb 21, 2016 6:40 pm

【第十九章】
ー覚醒、そして終焉ー



_____________________________________________________________________________________


「レインストームとクロウアイを偵察に行かせたところ、興味深い情報を拾って来てくれました。一つが、族長自身は戦に出ていない事です。そして二つ目は、戦士のほとんどが戦に駆り出されていて、警護が疎かになっています」

ポエムハートは一息ついて続けた。

「最後に、ウェイヴスターの命は残り一つであるという事。この意味、お分りですか?」

まさか!貴女は族長を殺せと言うの?族長を殺す事は禁忌に値する……もしそんな事をしたらスプリング族は禁忌を………

……禁忌を犯した一族となってしまう……?何を言っているの?もうスプリング族はとっくに……


禁忌を犯した一族じゃない。


「ウインター族のキャンプに乗り込む!支度をせよ!」

あぁ……駄目……

出て行くポエムハートの背中に向かって訴えた。

これは、私の意思じゃないの……!私の身体を乗っ取った奴の意思……

犠牲を出しては駄目!

だが、命を出してしまってからではもう引き返す事は出来ない。

それに、口が開かない。

出て行って……!これが、私のもう一つの人格なのだとしたら、出て来ないで!

ブラウンストライプは深々と頭を下げると、ポエムハートを追った。

✳︎


「失礼します」

ポエムハートとブラウンストライプが出て行ってから、暫くしないうちに一匹の猫がやって来た。ハニーポーだ!

「何か?」また口が勝手に動いた。

もう、出て行ってってば!

ハニーポーは続けた。

「シルバーファーに言われて、獲物をお持ち致しました。それから、シルバーファーからの言付けです。『お忙しいでしょうが、ご無理なさらないように』との事です」

そう言うとハニーポーは一礼して出て行った。

彼女の口調に違和感を覚えつつも、リリィスターはお腹が減っていた事に気が付いた。

流石はシルバーファー、気が効くわね。

彼女は獲物に食い付いた。それは瑞々しくて美味しかった。

「失礼します、お呼びでしょうか?」

不意に入り口からシルバーファーの声が聞こえた。

「お呼び……?呼んだ覚えは無いけど……まぁ良い。入って」

この時ばかりはちゃんと口を開いた。やっと出て行ったか。

シルバーファーが入って来た。

「シルバーファー、わざわざ獲物をありがとね」

だが、彼女は顔を顰めた。え……?今、何か悪い事言った……?

しかし彼女の口からは想像と付かない答えが飛び出た。

「獲物……?届けさせた覚えは……」

ゔっ…………………………ッ?!

刹那、何故か喉に焼けるような痛みが走った。それと同時に呼吸が出来なくなった。

「族長?!」

シルバーファーがそう言うのが聞こえた。

リリィスターは激しく咳き込んだ。だが呼吸は出来ない。

「何の騒ぎですか………ッ?!」

騒ぎを聞き付けたポエムハートは目の前の光景に暫し唖然とした。

だが直ぐに冷静を取り戻した。

「シルバーファー、そのままゆっくりと族長から離れて下さい。言いたい事がありますでしょうが、今は従って下さい」

「………………ッ」

シルバーファーはポエムハートに言われた通りに下がった。そしてポエムハートは彼の取り巻きに、こう命じた。

「彼女を……シルバーファーを捕らえて下さい。但し、抵抗されない限りは決して手荒く扱ってはいけません」

彼の取り巻き………レインストームとクロウアイは目配せしたが、やがてシルバーファーを両脇に挟んで出て行った。

「これは……また………」

ポエムハートはそう呟くと、族長部屋を後にして看護部屋に向かった。

それと同時に、リリィスターは意識を失った。


avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sun Feb 21, 2016 6:52 pm

【あとがき】

此処までお目通し頂き、ありがとうございます。改めましてノーススノウです。
中途半端なところで一部完結になります。
リリィスターの父は誰が、どうやって暗殺したのか、本当にリリィスターに毒を盛ったのはシルバーファーなのか、何故リリィスターの父は彼女を族長に選んだのか………二部でゆっくりと明かしていこうと思っております。

最後になりますが、此処まで読んで頂き本当にありがとうございます。
読者の皆様のコメントには救われております。私の作品で、少しでも楽しんで頂ければ、嬉しい限りです。
これからもノーススノウを、暖かい目で見守って下さい。
avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ティアーミスト on Sun Feb 21, 2016 8:49 pm

 
一部完結おつかれさまです(*´・∀・)

明かされた父のもう一つの名前、そして「禁忌を犯した一族」の本当の意味……

最後まで夢中になって読んでしまいました!

二部がますます楽しみです。応援していますっ!(`ω´)
avatar
ティアーミスト
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 135
Join date : 2015/05/17
Age : 15
所在地 : Love the life you live. Live the life you love.

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ラッキークロー@LC on Tue Feb 23, 2016 5:02 pm

 一部完結お疲れ様です。読み手の期待を良い意味で裏切る、あっという展開が広げられた怒涛の一部でした。

 リリィスターがようやく覚醒し、ラッキークローのテンションがマックスになったのもつかの間......いったいどうなってしまうのか......二部も目が離せそうにありません。

 とても楽しく更新を待つことができました。二部も正座しながら待機しております。お疲れ様でした!
avatar
ラッキークロー@LC
副長
副長

投稿数 : 229
Join date : 2015/05/20
所在地 : 小説について何かご質問、ご意見等ございましたらお気軽にPMやTwitterの方へメッセージどうぞ!

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sun Feb 28, 2016 2:04 pm

ティアーミストさん〉

コメントありがとうございます!
そう言って頂けてとても嬉しいです!!
応援、ありがとうございます^ ^
期待に添えられるよう、頑張ります!

ラッキークローさん〉

最初からここまでコメントを下さり、本当にありがとうございます!
ラッキークローさんのコメント、とても励みになります。
ラッキークローさんも執筆頑張って下さい!

お二方、コメントありがとうございました!
avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sun Feb 28, 2016 2:06 pm

____________________________________________________________________________________



太陽が沈んだ春
ー静かに散り行く流れ星ー


_________________________________________________________________________________


▼あらすじ▼

シルバーファーの族長暗殺未遂の件で、一族は動揺していた。そして、スプリング族の誰もが彼女が犯人だと思っていた。
そんな中で、それに異議を唱える者達がいた。彼等は彼女の身の潔白を証明する為に隠密で行動を開始するが、それには幾つもの壁が立ちはだかっていた……
リリィスターの命は?何故彼女の命が狙われたのか?シルバーファーの運命は?
謎が今、解き明かされる。


▼主な登場猫▼

*スプリング族*

⚫︎ アンバーライト【琥珀の光】……茶色い雄猫。不思議と猫を惹きつける雰囲気を持っている。一部の猫の間ではポエムハートと同等か、それ以上の策士だと言われている。

⚫︎ ヴィーナスシャイン【輝く金星】……青み掛かった灰色の雌猫。鋭い洞察力の持ち主。運動神経も良く、戦いは得意だが本人はあまり戦いが好きではない。本当は看護猫になりたかったらしい。

⚫︎ フラワーハート【花の心】……薄い茶色の雌猫。胸、腹だけ白。恐れを知らない、冒険が大好きな女の子。一匹で突っ込んでしまいがちで周りに迷惑かけることも。皆のムードメーカーでトラブルメーカー。

⚫︎ カイトウィング【トビの翼】……尻尾の先だけ灰色の、黒い雌猫。マイペースで自分勝手。だが天才肌で戦士の素質に富んでいる。

⚫︎  タイガーフライト【飛ぶ虎】……黄金色の雄猫。悪知恵が良く働き、からかうのが大好き。いつも仕事に対してやる気に満ち溢れているが、張り切り過ぎて空回りしてしまう事も。元シルバーファーの弟子。

⚫︎ ブラウンストライプ【茶色い縞】……茶色い虎猫。元ウインター族副長。現在はウインター族の野望を止めた為にウインター族から追放され、変わりにスプリング族に迎えられた。

⚫︎ ポエムハート【詩の心】……濃い灰色の雄猫。何時も冷静沈着で表情が乏しい。また彼ほどの策士はいないと言われている程に策を練るのに長けている。現在臨時の族長を務めている。

⚫︎ レインストーム、クロウアイ【嵐の雨】【カラスの目】……ポエムハートの取り巻き達。忠実に彼に仕えている。

⚫︎ インテントクロー【意思の鉤爪】……焦茶の雄猫。強さこそ正義だと考えていて、リリィスターをあまり良く思っていない。現実臨時の副長を務めている。

⚫︎ ホワイトペルト、ブライトミスト、レッドフット【白い毛皮】【明るい霧】【赤い脚】……一族に忠実な戦士達。弟子はそれぞれシードポー、ハニーポー、ライトポー。

⚫︎ シルバーファー【銀色の毛】……銀色の雌猫。スプリング族副長。年長で一族の猫達から慕われているが、今は族長暗殺未遂で身柄を拘束されている。

⚫︎ リリィスター【百合星】……三毛柄の雌猫。スプリング族族長。だが幼いという理由で一部の猫からは認められていない。現在は毒を盛られ、意識不明の重態に陥っている。


*ウインター族*

⚫︎ ウェイヴスター【波の星】……青み掛かった黒い雄猫。目的を達成する上では手段を選ばない。


▼世界観▼

第一部から一月程先。地形は湖の周りの土地。


※本編との設定変更点は第一部と同様。


最終編集者 ノーススノウ [ Thu Mar 10, 2016 9:14 pm ], 編集回数 1 回
avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Sun Feb 28, 2016 2:11 pm

【第二十章】
ー静かなる時ー



_____________________________________________________________________________________


キャンプに久し振りの静寂が訪れた。空き地を包み込むように月明かりが照らしている。

アンバーライトは一つ欠伸した。すると、隣に座っているヴィーナスシャインに鋭く睨まれてしまった。

その目は、「寝ずの番」の最中に口を開くなと言っていた。

先程の興奮は何処へやら。やっと長かった見習い時代を終えて戦士部屋に寝られると思ったら……

自分と同期のグレーファーやカイトフェザー、イーグルウィングに随分と先を越されてしまった。彼等は少し、少しだけ早く戦士になるだけだと思っていたのに。

……そう言えば、ここ最近色々あった。

『漆黒の獅子』が亡くなったかと思えばリリィポーとかいう後輩見習いが族長になり、その事で年長戦士が喧嘩したり……

そうしたら今度はウインター族が反乱を起こした、とかなって……それで、リリィポ……スターが毒を盛られて、その犯人が……

アンバーライトはキャンプから隔離された、だが全ての部屋から見える場所に掘られた穴を見遣った。そこの出入り口には先輩戦士のレインストームが見張りに立っている。

その穴の深さは大体、狐三、四匹分くらいもあり、そう簡単には登って来られないだろう。

地下牢……そう呼ばれている穴の中に、「彼女」が囚われている。

なんやかんやで自分とヴィーナスシャインは戦士になるのが遅れてしまった。

アンバーライトはヴィーナスシャインを横目で見た。彼女は何か考え事をしているのか、じっと月を見上げている。

灰色の毛が月明かりに照らされ、銀色に輝いている。その姿は、まるで「彼女」の様だ、とふと思ってしまった。

彼女の中で色々な感情が巡り巡っているらしい。顔を顰めたかと思ったら今度は歪め、時には鉤爪を出したりしていた。

不意に彼女と目が合った。彼女は会釈すると辺りを見回し始めた。

会釈。それはヴィーナスシャインが照れ隠しする時の癖だ。きっと変な顔を見られたとでも思ったのだろう。

現に少し頬を赤らめている。

別に気にしなくても良いのにな。男には分からない女心という奴か?

ふとアンバーライトの脳裏に「彼女」を最後に見た時の姿が過ぎった。

骨が浮き出るくらいにやせ細り、美しい銀色の毛並みからは艶は無くなり、所々絡まっていたり解れたりしていた。

自分が尊敬し、目標にして来た猫はこんなのじゃない。

最初に、そう思った。その次に出た感情は憤怒だった。

スプリング族が「彼女」をこんな姿にしたのかと思うと、凄く腹が立つ。

刹那、空き地に光が差し込んだ。月のような柔らかな光ではなく、全身を鋭く照らす輝きだ。

太陽だ!太陽が登って来た!

夜明けがこんなにも遅く感じたのは初めてだ。それと同時に、初めて太陽を恋しく思った。

何時も居心地の良い夢の世界から無理矢理現実に引き戻すから悪者扱いしてたよッ!自分が悪かったッ!これからはずっと沈まなくて良い……いや、ずっと登ってろ……

その時、視界の端っこで先輩戦士のホワイトペルトが近付いて来るのが見えた。

「お前達、ご苦労さん。二人だけの長い長い夜は満喫出来たか?」

彼が言い終わるか、言い終わらないかの所でヴィーナスシャインが吹き出した。

彼女は一通り大笑いした後、涙目で口を開いた。

「そんなに太陽が好きになっちゃった?」

そこで漸く顔がほころんでいた事に気付いた。今度はアンバーライトが顔を赤らめる番だ。彼女の洞察力は流石だ。気持ち悪いくらいに良く見ている。

ホワイトペルトは少し笑うと、お前達は休めと言って夜明けのパトロールに出掛けていった。

あぁ、やっと始まる!自分の新たなる生活が!もう指導者に起こされる事のない、幸せな……いや、一族にもっと貢献出来る生活が……

またしてもプッとヴィーナスシャインに笑われた。

「本当アンバーライトったら、隙あらばぐーたらしようとして……今度からは私が朝起こしてあげなくっちゃね」

そう言って、彼女は笑ったつもりだったのだろうが……

目が笑ってないッ!笑ってないですよヴィーナスシャインさんッ!

アンバーライトの背筋に、何か冷たい物が走った。

この先、波乱しか待ってない気がするのは気のせいか?

何やら冷たい視線を背中に浴びながら戦士部屋へと足を踏み入れた。
avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by レパードクロー on Sun Feb 28, 2016 3:08 pm

遅れてすみません!完結おめでとうございます!そして第二部始動おめでとうございます!

予想を裏切る展開でビックリしております^^
シルバーファーは本当にリリィスターを殺してしまったのでしょうか......
スプリング族の運命がどうなるのか、とても楽しみです!

執筆頑張ってください!応援しています!
avatar
レパードクロー
副長
副長

投稿数 : 335
Join date : 2015/05/17
所在地 : ちゃぶ台帝国にある実家

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Thu Mar 10, 2016 9:02 pm

レパードクローさん》

コメントありがとうございます!
不自然な形で第一部完結させてしまいましたが、大丈夫だったでしょうか……?
謎はゆっくりと解き明かしていこうと思います。気長にお待ち下さい^ ^

レパードクローさんも執筆頑張ってください!
avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by ノーススノウ on Thu Mar 10, 2016 9:19 pm


【第二十一章】

ー愉快な仲間達ー


_____________________________________________________________________________________


案の定、戦士部屋に入った途端に絡まれた。

「おうおう遅かったな!俺はとっくに戦士部屋の床に慣れたぜ?」

まずそう言って駆け付けて来たのはタイガーフライト。彼は悪い奴ではないが、こうなると面倒くさい。

「なんだぁアンバーライトぉ、俺の格好良さに惚れちまったかぁ?」

はいはい、聞き流しといてやるよ。

「なぁに?うるさいなぁ。朝くらい寝かせてよ〜」

この気の抜けた声はカイトウィング。彼女は低血圧で朝に凄く弱い。この事を一族は了承してなのか、彼女が夜明けのパトロール隊に参加してるのを見た事がない。

というか、カイトウィングは起こしても起こしても直ぐに眠ってしまう芸の持ち主だ。現に、今はまた寝ている。

「わぁっ!」

「うわぁっ?!」

驚いて振り返るとそこにはフラワーハート。彼女は満面の笑みを浮かべて立っていた。

「アンバーライトも漸く戦士の仲間入りやな。うちの事先輩って呼ばなあかんなぁ」

アンバーライトは一つ溜息を吐いた。

「はいはいフラワーハート先輩」

すると、彼女は少し笑った。

「冗談冗談。フラワーハートでえぇよ。それじゃまた後でな」

再び歯を見せて笑うと、部屋から出て行った。

次にグレーファー。彼女はアンバーライトを光のない目で見ると不潔、と一言。

まだ「あの事故」を根に持ってるのかよ……と少々呆れつつ、ヴィーナスシャインを出迎えに行くグレーファーを見送った。

「お前の床はカイトウィングとヴィーナスシャインの間だ」

タイガーフライトはそう言うと戦士部屋の一角を指した。

うわ……カイトウィングの……隣…………

タイガーフライトはウィンクすると戦士部屋から出て行った。

あいつ……わざとか………

カイトウィングは夜中、少しでも蹴られただけで騒ぎ立てる。早朝になれば元気が無くなって、起こしても二度寝で済むが……

見習い時代の記憶が蘇り、思わず身震いした。もうあんな目には逢いたくない……

幸い今は朝だ。アンバーライトは自分の寝床に身を落ち着けた。

タイガーフライトめ……覚えてろ。いつか最高のプレゼントをくれてやるからよ……!

アンバーライトはタイガーフライトへの悪態を吐いていると、何時の間にか深い眠りに落ちていた。

✳︎

次に目を開けるとすっかり日が暮れていた。隣ではヴィーナスシャインが毛ずくろいしている。今起きたばかりなのだろうか?

「あ、ごめんね。起こしちゃった?」

アンバーライトが頭をもたげるのを見ると、ヴィーナスシャインが言った。

「ほらヴィーナスシャインにアンバーライト、行くよ」

「うわっ?!」

背後からカイトウィングの声。何時の間に……全く、心臓に悪い。

「お、驚かすな。行くって何処へだ」

アンバーライトは少し動揺したまま言った。

「何処って、狩りに決まってるでしょー?ブライトミスト直々の命令なんだから。はい出た出た」

半ば強引に部屋から引きずり出された。

全く、午前と午後で人変わるよなぁカイトウィングは。今に分かった事じゃないが。

「や〜っと一日が始まったのに、まさか一日中寝て過ごす気じゃないよね?」

いやいや、お前の概念をこっちに押し付けるな。と心の中で呟いた。

隣のヴィーナスシャインも呆れ顔だ。

「さ、日が暮れちゃう前に終わらせよ!」

もう十分暮れてるよ。

アンバーライトは溜息を一つ吐いて、カイトウィングとヴィーナスシャインを追った。


avatar
ノーススノウ
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 137
Join date : 2015/05/16
所在地 : 11次元

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: 太陽が沈んだ春 ー禁忌を犯した一族ー 【完結】 / ー静かに散り行く流れ星ー 【始動!】

投稿 by Sponsored content


Sponsored content


トップに戻る Go down

Page 2 of 3 Previous  1, 2, 3  Next

前のトピックを表示 次のトピックを表示 トップに戻る


 
Permissions in this forum:
返信投稿: