正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

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正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Sat Jan 02, 2016 7:18 pm

×のケモノ方程式










さて、皆さん。今宵もケモノの時間がやってまいりました。  






















タイガーストライプ【虎縞】
大柄で薄茶色の虎猫。一番父親に顔が似ている。思慮深く、滅多に怒らない。瞳は深いディープブルー。
三兄弟一番上。常に穏やかポジション。

ライオンシャドウ【ライオンの影】
黄金色と茶色がグラデーションのようになった雄猫。闘争心が常に有り余っているような状態。瞳は琥珀色。
三兄弟真ん中。戦う為に生まれてきたようなもの。

レパードアイ【豹目】
見事な黄金色の毛皮に黒い斑点がある雌猫。華奢でしなやかな体つき。森で一番足が速い。瞳はエメラルドグリーン。
三兄弟末っ子。頭も切れるし、生まれながらの優等生。

ハイーナペルト【ハイエナ毛皮】
くすんだ灰色と黒のブチ猫。レパードアイの親友であり、フロストファーの最後の娘。瞳は黄色。

ロビンポー【駒鳥足】
濃い毛足が長いショウガ色の雄猫。ファイヤスターの息子であり、何ヶ月かスクワーレルフライトたちとは年が離れている。瞳はモスグリーン。
曖昧な笑みを浮かべていることが多く、何を考えているのかはわからない。

ブラックポー【黒い足】
暗闇のような真っ黒の毛皮の雌猫。今は亡き、レイヴンポーと浮浪猫キャシィの子供。瞳は薄紫。
自分は浮浪猫の子供という劣等感からいつも他人よりも上を目指している。

タイガー【虎】
虎族初代族長

ライオン【獅子】
ライオン族初代族長

レパード【豹】
ヒョウ族初代族長


以下本家の皆様




*注意事項*

*この物語は最初は普通ですが、徐々にグロ系要素が入っていきます。苦手な方はご遠慮ください
*原作の猫さんを勝手に殺してしまっています。ご了承ください。
*何やかんやでかけもちいっぱいしちゃっています。更新ペースはかなり遅いです。ほんとすみません!


最終編集者 豹爪 [ Thu Feb 11, 2016 5:44 pm ], 編集回数 2 回
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Sat Jan 02, 2016 8:27 pm

*序章_もう少しだけ、あの子に









二本足の操る怪物が木々をなぎ倒し、草花を根こそぎ抜いて森を破壊する。多くの猫が逃げ惑い、ある者は怪物の餌食に。ある者はわき腹に破片がささり、そしてある者は崖から転げ落ちて死んでいく。まさに悲劇。

月はまるで嘆き悲しむかのように、かすかな光しか彼らには与えなかった。流れ星が次々と空を駆け下りて、まるで空が泣いているかの様だった。

猫たちは破壊された森のそばにある丘の上にうずくまり、ショックで目はうつろげだった。
そんな彼らをあざ笑い、苦しめるためか、灰色の冷たい雨は降り始める。

それでも彼らは動いた。旧友のいる農場へ。助けを求めに____。

ずぶぬれの猫たちは納屋へと駆け込んだ。誰もが休養と、獲物を求めていた。そんな彼らをレイヴンポー一家とバーリーは手厚くもてなした。
猫たちは何ヶ月ぶりかに、ゆっくりと心行くまで肉に舌鼓をうった。今までの苦労が夢かと思えるほど、納屋はネズミで満ち溢れていた。



漆黒でつややかな毛並みの雄猫_レイヴンポーはにやりと笑った。あの頃の面影はもう無く、今では立派な父親だった。


「大丈夫さ。僕は人生の大半をこのあたりで過ごしている。縄張りのことなら誰にも負けない。」自信ありげな口調も、見習いの頃は絶対に聞けなかった。

それでもショウガ色のハンサムな雄猫、ファイヤスターは不安を消しきれてはいなかった。すでに頬の肉は落ち、あばら骨が浮き出ているほど痩せているのに、族長としての威厳と瞳の耀きだけは失っていなかった。

「本当にいいのかい?わざわざ僕らの森を偵察してくれるなんて。」

「ああ。僕だって元サンダー族さ。生まれ故郷がどうなってしまったのかを見る権利はあるね。」

するとさっきまで子猫に乳をあげていたブチ猫のキャシィがふっと顔をあげた。


「私もついていきましょうか?」

その声には強い不安と__深い愛情がこもっていた。桜色の瞳は澄んでおり、キラキラと輝いている。
愛する夫についていきたいという意思表示。それと同時に、バーリーはいるけれども_見知らぬ猫たちと一緒にいるという不安が現れていた。

そんなキャシィの耳をさっとレイヴンポーは一なめし、ファイヤスターとバーリーに行って来る。と声をかけた。

「ああ。すまない。」


ファイヤスターはずっと頭を下げ続けていた。
黒猫のたくましい筋肉の発達した背中が、納屋の外に消えるまでずっと。





☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

いつまでたっても彼は戻ってこなかった。かれこれ一時間はたっただろうに!

胸に苦く渋いものがグッと込みあがり、それが不安によって押しあがってきた胃液だと理解するのに時間は要らない。
無理やり不安を静めようと、深呼吸をしてみたがかえって不安と恐怖がますます湧き上がってくるだけだった。作戦失敗。

「私.......見に行って来る。」

一時間の間で何度口にしたかわからないこの台詞を私は再び口に出す。
そうでもしていないと、不安で体が押しつぶされそうだった。冷や汗が絶え間なく首筋を流れ、目頭は何度も何度も熱くなってくる。
とても耐え切れない。生まれてはじめて愛した猫と離れ離れになってしまうのは。

「待ちなさい。ブラック_ブラックキットはどうするんだ。君がいなければ。母猫なんだろう?」

バーリーが優しく声をかける。落ち着きなさい、と。だが、その声すらもキャシィには不安をあおる風としか受け止められない。
彼に何かあったら。何かあったらどうしよう?自分ひとりではこの世界で存在する意味が無い。お願い。帰ってきて。お願い.....。

言葉にしたい思いは行動となって出る。


突然キャシィはワラで作った寝床から飛び起き、ブラックキットの体にワラをかぶせた。暖かくする為に。
そしてそのままブルブルと体を震わすと、バーリーとファイヤスターの目を真っ直ぐ見つめた。

「行って来るわ__バーリー。」

「そして、ファイヤスター。もしも私たちが死んだら、新天地にこの子を連れて行って。お願い。この子を父親のような戦士にしてやって。」


そう言うと、ファイヤスターとバーリーの呼び止める声を無視して納屋の外へと飛び出した。



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

外は凍てつくように寒かった。
吐く息は白く、鼻ずらが凍るかと思った。冬の魔女は自分の体温を風と共にさらって行き、体中が震えた。息をするたびに毛がフワァッと波打ち、ザワザワと心が揺れた。

ひたすら走り続けた。

二本足の家の庭を走りぬけ、畑の野菜を踏んづけて走り、犬に吼えられても気にしなかった。
走りながら、子猫の時を思い出していた。




__いい?走るときはかぎ爪から徐々に重心を移動させていくのよ。

母の笑顔が蘇る。母はいつも兄たちを相手に何かを教えていた。でも、その笑顔は絶対に姉と妹に向けられることは無かった。
何があっても強い戦士にして一族の役に立たせる。という理由で五兄弟の兄二人_ミドルとベステア相手に戦士の技を教えていた。反対に姉と妹には厳しく当たっていた。
本当だったら捨てたいところだったけれど、そうするとスカージが怒るから_という理由だろう。

スカージは子猫を絶対に大切にした。一度子猫を森に捨てた母猫がいる。その猫はボウンたちに喉笛を引き裂かれ、死んでいった。
ボウンの真っ白な顔についた真っ赤な母猫の血を、彼がぺロリとなめたあれは、今でも忘れられない。

私はというと、戦士としての素質はあったらしい。なので兄たちと同等の位置になった。もちろん、母の笑顔も姉妹の中で独占である。
姉は特に母に愛されなかった。妹はまだ顔が可愛かった。姉はくすんだ灰色の毛で、滅多に笑わなかった。だから嫌われていたと思う。

サーシャは言った。『あたしは出て行く。だからクルーシラ。あんたも決めなさい。このひどい生活か、自由な暮らしかを』
そして彼女は本当に出て行ってしまった。なにはともあれ姉妹愛はあったんだよね、私たち。

そうそう。私の本名はキャシィじゃない。もっとひどい最低な名前。クルーシラ。もちろん残酷と言う意味のクルールからきている。
大嫌いなこの名前。ちなみにキャシィという名前はレイヴンポーにもらった_______。





そうだ。レイヴンポーは?
あたりを見回すと、いつの間にか森の近くまで来ていた。森と、町をはさむようにして存在するサンダー道は今ちょうど、怪物が走っていない。

暗闇の中で目を凝らすと、何か黒い物体がうずくまっていた。あれは_犬?カラス?
恐る恐る近づいてみるが、反応は無い。気持ちが悪いくらいの静寂に、私はブルルッと身震いした。

光を失った黄金色のガラス玉が二つ、何も無い宙を見つめている。
そして白い部分もいくつか_赤い液体が転々とついており_____。顔と見られる部分の口からつーっと顔を横切って液体はたれていた。

「レイヴンポー?」

そっと声に出すが、返事は無い。だがこの顔は、まさにレイヴンポー。捜し求めていた夫だった。
ぐにゃりと曲がったからだ。へこんだ腹。光の無い瞳。つぶれた尻尾。

怪物に、はねられた。

直感でわかった。この傷は前にも見たことがある。他の浮浪猫が跳ねられていたときに見た傷だ。
恐ろしくなった。それと同時に絶望が一気に押し寄せてきた。黒い影が、脳内に、心に染みていく。悲鳴を上げようとして、吸い込んだ息を吐くことはできなかった。
怪物がらんらんと黄色い目をギラつかせて猛スピードで突っ込んできたのである。

はねられる_。

とっさに夫の死体を、首筋をくわえあげてキャシィは走り出そうとした。
だが...............。

怪物のほうが断然スピードが出ていた。そしてだらりと力なく垂れ下がった夫の死体はとても重かった。まるで、これ以上動きたくないと言っているかのように。
はねられた。

まず、首が真逆の方向を向いた。痛みを感じる前に、次の衝撃が体中を襲った。それでも、夫の体を離さなかった。
体中がピクピクと痙攣しだした。やっとじわじわと痛みが回ってきた。
だが、怪物の大きな足にひかれてしまった。体中の骨と言う骨がバキバキと音を立て、砕け散った。激痛が体の中で行き場を失い、跳ね返る。

内臓が耐え切れなくなって破裂し、言葉に表せない苦痛が全身を駆け巡ったはずが、もう何も感じなかった。
腹の一部が小さく裂けて、ひしゃげたはらわたがはみだしたのがわかった。
死んだ。直感的にそう思った。

ブラックキット__貴方には申し訳ないわね。ごめんなさい。こんなにも早く死んでしまって。
ハンサムな族長さんに貴方を託したわ。立派な戦士になってね。私と父さんは一足早くスター族に行くわ。浮浪猫の私が行けるかは定かではないけれど_。
さようなら。


意識はそこで途切れた。












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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by ラッキークロー@LC on Sat Jan 02, 2016 9:10 pm

 新小説おめでとうございます!

 原作を土台にしつつも、また異なる世界を描く物語に、序章を読み終えた今からこの物語の更新が楽しみでなりません!
 レイヴンポーとキャシィ(サーシャの妹と言う設定も、お話に深く入り込めてすごいです)の子供、ブラックポーが今後どのように成長するのか楽しみです。

 また、タイトルの正×正=悪も、何のことなのか......!?マイナス×マイナスはプラス、みたいな感じでしょうか?それとも......。もう楽しみです!!

 応援しています!お疲れの出ませんよう(^^)/
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by ライトハート on Sun Jan 03, 2016 10:27 am

新小説おめでとうございます!
レイヴンポーに連れ合いと子供がいるとはwww
そしてキャシィの死に方が残酷でなんだか可哀想です。
子猫のブラックキットは、サンダー族の猫達に認めてもらえるのでしょうか。
これからの物語が楽しみです!
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Sun Jan 03, 2016 7:11 pm

ラッキークローs>
コメントありがとうございます!
最初は全部オリジナルで行こうかとも思いましたが、やはり色々と思いつかない部分もあって....(キャラとか)
なので一番絡ませやすい本家サンダー族の皆さんです。
キャシィは脇役中の脇役。サブキャラと読んでいいのかぐらいの存在感の薄い設定でしたがいつのまにか語り手務めちゃってますねww
レイヴンポーの子供と言う設定も面白いかなーみたいなノリですw
さぁ~。マイナス×マイナスではなくてプラス×.....かもしれませんよ?そこはお楽しみに。
こちらこそいつも応援させていただいています!頑張ってください^^

ひかりすずs>
コメントありがとうございます!
レイヴンポー君はちゃっかり家庭をつくっていたようですねーwちゃんと跡継ぎつくってるじゃないかーw
彼を死なせたのは原作から大きく外れちゃっていますが.......まぁヨシとしようw
野良猫がよく車にはねられてしまっているじゃないですか。あのはねられた猫の気持ちを表してみたくて序章から怪物と共演させてみました。
マイコープスの方と少し死んでいく表現がかぶっちゃったなーと今更思っています。
ブラックキットが一族に認めてもらえるかはお楽しみに。
ひかりすずsの月光の方も楽しみに読ませてもらっています!頑張ってくださいw
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Sun Jan 03, 2016 7:49 pm

*第1章_昇進



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★








ファイヤスターが僕らをハイロックから見下ろしている。その姿は日光を浴びてきらきらと耀き、威厳に満ちていた。
一族の皆が僕らを祝福してくれる。暖かい眼差しを背中に浴びて、二歩、三歩とハイロックへと歩いていく。
そよ風も祝福してくれるかのように、優しく毛の間を駆け抜けていった。

「ライオンポー。お前は今からライオンシャドウとなる。」


ファイヤスターが僕の肩をさっと、一なめした。お礼に僕も鼻ずらをぺロリとなめる。尊敬する族長のモスグリーンの瞳は美しく煌いている。綺麗だ。雄だけどそう思う。
僕で戦士名をもらうのは終わりだ。猫たちがけたたましく鳴き始める。新しい戦士名を大声で唱えられると、カァッと頬がほてって、温かいものが胸にこみ上げてくるのがわかった。

ブランブルクローが誇らしげな表情を浮かべている。ゴールデンフラワーもきっと空から見守ってくれるはず。

そんなことをぼんやり考えていたら、『パアン』と乾いた音がして、頬がカッと熱くなるのがわかった。



目をあけると、レパードポー_じゃなくてレパードアイが僕を燃やしてしまうのかと思えるほどの強い眼差しでこっちを睨んでいた。
それで思い出した。

今、寝ずの番してるんだった!

なんと自分は寝ずの番の最中に居眠りをしていたらしい。それに気付いたレパードアイが僕の頬を平手打ちしたのだ。声を出してはいけないから。
ヒリヒリと痛む頬を前足でさすっていると、ファイヤスターがいつのまにか僕の後ろにいた。


「喋っていいぞ、お前たち。寝ずの番は終わりだ。ご苦労様」


真っ先にハイーナペルトが大きく息を吐いた。空を見上げるともう夜明けが過ぎていた。太陽がうっすらと顔を出している。
兄さんは瞬きをするだけで動かなかった。石でできているのかと時々思う。
ちなみに愛する妹はというと、

「バッカじゃないのライオンシャドウ!!!」


寝ずの番終わって第一声がそれですか。思わず突っ込みたくなるね。
それを聞いたファイヤスターがにやっと笑った。

「ライオンシャドウは夢の世界にひたっていたようだな。」

マズイ。バレていたのか。

「すみません。」

とりあえず形だけ謝った。
後から決まり悪さと罪悪感がひしひしとこみ上げてきて、体中が熱くなった。もぞもぞとうつむいて前足を動かしていると、ファイヤスターが今度は声を上げて笑った。
そうやら怒っているのではないらしい。

「まあ大丈夫だ。グレーストライプだって寝ずの番をはじめて一時間ぐらいでいびきをかいていたからな。」

「えっ嘘っ!?マジすか!?」

「ああ。」

とてつもなく意外だった。いつもはきりっとした目つきで一族に号令を出していたグレーストライプがそんな大失態を犯していたとは!

「じゃあな。狩りにでもいってきてくれると助かるが、強制はしない。寝たかったら寝ていいぞ。」

それだけいって族長はハイロックへと戻っていった。
その後姿はどこかさびしげで、筋肉頭のライオンシャドウにも、旧友がいなくなってしまったことの深い悲しみが蘇ったのだとわかった。
ファイヤスターが座っていたところには、透明な雫が何滴か落ちていた。

涙だった。

「行こう。ハイーナペルト。」

レパードアイが親友をつれて、クラウドテイルのところへ駆けて言った。
兄さんは「眠い」とだけいうと、戦士部屋へと入っていく。

僕も寝よう。夢の続きを見るんだ。
四匹の残像は、もうなかった。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★







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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Mon Jan 04, 2016 11:42 am

*第2章_輝く獅子








戦士部屋はほとんど猫がいない状態だった。若葉の季節だから皆狩りに出かけているのだろう。青葉の季節よりかは獲物の数は少ないが、やはり脂が乗っていて、この時期のネズミやスズメは格別おいしい。
部屋にいるのはマウスファーと僕よりも一足早く戦士になったスパイダーレッグ、そしてタイガーストライプだった。

そっと戦士部屋に入っていったつもりだったが、小枝を踏んでしまった。

「おい!寝かせてくれよ!夜中のパトロールから帰ってきたばかりなんだぞ!!」

スパイダーレッグが歯をむいて怒鳴った。すみません、としょげかえる。マウスファーは怒鳴ってわめくスパイダーレッグをいまいましそうに睨むと、寝返りを打った。
黒猫から少し離れた場所に苔とシダとヒースをかきあつめてくぼみをつくる。
だがいまいちふわふわしていなかった。そりゃそうだ。一晩中たくさんの戦士たちが寝ていたんだから!

寝ていないのはスパイダーレッグとマウスファーのような夜中のパトロールに出ていた者と、僕たち四匹だけだ。

ぺちゃんこにつぶれた苔は中々寝付けなくて、何度も身動きする。鼻の中にヒースの甘い香りが漂ってきて、目がとろんとしてきた。
五回目の寝返りを打つ頃には、すでに僕は夢の中だった。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


夢の中に入ると、そこは星空の広がる草原だった。つぶれていないヒースと、コスモスが咲きあふれている。月は三日月で、猫の目を連想させた。
甘い匂いと、かすかに獣臭がする。
懐かしくもあり、新しい場所がこの草原だった。

「ようこそ。」

太く、力強い声が空に響き渡る。待ちわびていたこの声。現実世界では絶対に聞こえない声。

「おめでとう。戦士になったんだね。」

草原の真ん中には、大きな黄金色の獣が座っていた。瞳はモスグリーンでファイヤスターと同じだった。
首の周りには一際強い輝きを放つ、鬣がはえており、微笑みを浮かべた口元からのぞく白銀の牙は羨ましくもあり、恐ろしくもあった。

彼は自分よりも三倍ぐらい大きかったが、不思議と恐れは感じなかった。

「だが、戦士になったからと言って安心してはいけない。これは一つの通過点に過ぎないんだ。」

「わかってる。だからこうして貴方に会いに来たんだ。」

「よし。」

彼の名はライオン_____。気高き黄金のライオン族だった猫。いや、猫ではない他の生き物。ライオンだ。猫族の祖先と祭られる。
かのファイヤスターがブラッド族との戦いの時にその名前を借りたライオン族。そのかつてのリーダーに自分は指導してもらっているのだ!

ぐるりと草原を見渡す。いつもどおり、草原はずっとはるかかなたまで続いているようだ。_少なくとも自分が見た限りでは、ずっと地平線の向こうまで続いているらしい。
この丘からしかみたことがないからそれ以上はわからない。

「では、今日は大事な話を一つしよう。」

「何の話?」


「俺は戦士だった。気高く、勇敢で、プライド高き戦士だった。俺に敵う敵はいなかった。それぐらい強かったのだ!だが、すべての獣の王になるという夢は惜しくも達成できなかっ

た。なぜか?そう__死んでしまったからだ!だから俺はこうしてスター族と同等の地位となり、星空からしかお前たちを見ることはできなくなった......」


そこまで言って、ライオンは怒りと屈辱のあまり、一声吼えた。その獣の咆哮は星空に響き渡り、大地を揺らした。
ライオンシャドウは吹き飛ばされまいとして、ピタリと地面に身を伏せた。突風が草原を駆け抜け、今にも雷が落ちそうだった。

「_そして、お前たち三兄弟が現れた。俺はお前に戦いの才能があると思う。だからお前には特別に指導をつけてきた。」


「だから、お前には俺の夢をついでほしい。リーダーにお前ならなれるはずだ。」

「僕が?族長?」

ポカンと開いた口がふさがらなかった。このケモノは、指導者は、何を言っているのだろうか?
自分が族長になりたいとは考えたこともあった。ファイヤスターのように聡明で、たくましく、どの部族からも尊敬される族長になりたいと思ったこともある。
だが、昨日戦士になったばかりの自分にどうしろというのだ?

「でも_僕は何も知らない_」

「だから教えるのだ。俺が。そしてファイヤスターが亡くなり、ブランブルクローが族長になればお前はきっとそのときベテラン戦士だ。そしてお前は副長になれる!

だが、父親にはなるな。父親のように、卑怯な手を使ってはなるな。いいか。絶対に卑怯な手を使うな!!」

「もちろんだよ!」

嬉しくて脳が震えた_。
ここには自分を公平に評価してくれる者がいる。一族の皆みたいに偏見をもった見方をしない_。そして自分の才能を見抜いた。

今まで無かったものがゆっくりと体中に満ちてくる。
これは何?でも、すごく、体全部が落ち着いた気がする。

僕はこの時知らなかった_____。この体中に満ち溢れてきたものが、野心だなんて。

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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by ラッキークロー@LC on Mon Jan 04, 2016 2:53 pm

 ライオン族のもととなった人物(ライオン?)を登場させたのはとても面白いアイディアですね!!

 志半ばで死んだ彼の野望、そしてそれを受け継ごうとするライオンシャドウの、若さゆえの無垢さが少し恐ろしいです。
 いったいどう成長していくのかーー読めば読むほどに引き込まれます。

 影ながら応援しています!
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by ノーススノウ on Mon Jan 04, 2016 5:40 pm

今更ですが、新小説おめでとうございます!

物語に凄く引き込まれます。
そして題名の謎、そしてライオンシャドウは副長になる事が出来るのか………
先の展開が楽しみです!執筆応援しています。
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Mon Jan 04, 2016 8:19 pm

ラッキークローs>
いつもコメントありがとうございます!
ライオンさんであってますよ!彼はなんとなく二期原作でブランブルクローに戦いを教えていた虎星さんのようなポジションになっています。
ライオンシャドウの夢と野心と憧れ。それらがどう変化していくのかも注目していただけると嬉しいです。
読めば読むほど引き込まれるとは、最高の褒め言葉で感謝の気持ちでいっぱいです!
応援ありがとうございます!

ノース・スノウs>
コメントありがとうございます!
物語に興味をもっていただけて嬉しいです^^
題名は序盤はあまり気になさらずにwのちのちわかると思いますw
ライオンシャドウの運命はスター族にゆだねられた!!!みたいなかっこいいこと言いたいですけど、彼、実はこのあと.......
と、少しネタバレ要素を言ってしまいました。展開はお楽しみに。
ノースsの小説も応援しております!頑張ってください^^
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Mon Jan 04, 2016 8:51 pm

第3章_月の池、星の明かり








☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


白猫はずっと憂鬱そうだった。ブライトハートのことである。しかし、先輩も先輩だ。なぜ牧場猫のデイジーとつるんでいるの?いや、つるんでいるという表現はおかしいけど__。
やっぱり、飼い猫の血筋だから?そういう系の猫と仲がいいの?っていうあたしだって裏切り者の血をひいているじゃない_。

「あぁぁぁ.....」

クラウドテイルはもう三十四回目のタメ息をついている。しかもネズミをくわえたままだから声がこもって、よけいに暗く聞こえるわけで。

「先輩、タメ息もう飽きました。ちがう表現してください。」


バッサリと切り捨てたのはハイーナペルトだ。彼女には思いやりがもうひとかけらぐらいあってもいいのかもしれない。
灰色と黒のブチの毛をゆさゆさと揺らしてスタスタと歩いて行く_いや、スタスタじゃなくてノシノシと歩いて行く彼女はキャンプに真っ先に飛び込んだ。

なんと偶然。ネズミをくわえたブライトハートが、空き地を横切っていくところだった。クラウドテイルはパッと顔を輝かせ、近寄ろうとしたがキッパリと睨み付けられた。
クラウドテイルは縮こまり、なさけないほどの小さな声で「一緒に食べないか」と誘った。

が、

「デイジーと食べればいいじゃない。」

と冷たく返され、ますます縮こまる羽目になってしまった。
ブライトハートはというと、シンダーペルトやサンドストーム、スクワーレルフライトがいるいわば【雌猫集団】の中へさっさと向かっていった。

「あらら。完全にふられちゃっている」

「ほんと。まぁ、クラウドテイルも鈍感だよね。いいかげんあのデブ猫が色目使っていることに気付けばいいのに。」ハイーナペルトが相槌をうつ。

もう一度言うわ。彼女には思いやりがひとかけら足りない。しかしハイーナペルトはデイジーを特に嫌っていた。
まず、戦えない。そして狩りもできない。声は大きく自己中。その子供たちは問題児。とくに__ベリーポー。戦士の命令を聞かないことで有名だ。

そして何よりもハイーナペルトへの最初の一言が、

「まあ!あなたの毛はまるで山火事にあったみたい!」

だ。自分の容姿をとやかく言われるのが好きではない親友は、この一言に激怒し、危うくデイジーを噛み殺すところだった。そこは自分がもてるかぎりの理性を総動員して止めたが。
デイジーも無神経すぎる。単に彼女のような飼い猫たちは明るい目立つ色の毛をしているが、部族猫や野良猫は基本茂みにとけこめる色だった。
ハイーナペルトは極普通の毛色なのに_。

するとリーフポーが息を切らしながら空き地へと駆け込んできた。入り口でしゃがみこんでめそめそしているクラウドテイルを蹴り飛ばしそうな勢いで。
実際には蹴り飛ばしてのではなく突き飛ばしたのだが。遅れてソーレルテイルも駆け込んできた。身重のソーレルテイルには走ることさえつらいだろうに。

「皆!!聞いて!」

リーフポーのかん高くなめらかな声が響き渡った。シンダーペルトも何事かと振り返る。

「私.........、私、スター族に導かれてハイストーンズの代わりになるものを見つけたわ!【月の池】よ!」

「何ですって!?」


シンダーペルトがリーフポーに駆け寄る。続いて一匹、二匹と。
あっという間に薄茶色の雌猫のすがたはたくさんの猫で見えなくなった。新しい物好きのハイーナペルトももちろん真っ先に走り出していった。

この世はある意味、平和だ。クラウドテイルを除いて。
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Wed Jan 06, 2016 2:14 pm

第4章_二度と戻らないお星様





☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★








マウスファーが戻ってこなかった。僕らが戦士になってから彼女は急に老けた。高齢の雌猫は、長老の仲間入りをする前にもう一度だけ一人で狩りに行きたいという要望でファイヤスターに外出の許可を得ていた。だが、もう大集会に出発するというのにいまだに戻ってこない。

空は茜色と蒼色のグラデーションになっており、星がまたたいている。月はまだ半分しか顔を出していないが、それでも優しい光を部族猫たちに投げかけていた。

「遅い!マウスファーはどこへ行ったんだ?」


副長の兄がイライラとしながらその場をいったりきたりしている。サンドストームとクラウドテイル、そして自ら捜索隊に志願したソーンクローとスパイダーレッグもまだ戻って気はいない。
クラウドテイルは大集会へ行かないのでいいが、残りのメンバーは参加するのでそろそろ戻ってこなければ。

森の隅でカラスがけたたましく泣き叫びながら、バサバサと飛び立っていった。

嫌な予感がする。

無理やり不安を落ち着けようと、タイガーストライプは胸の毛をなめはじめた。いきなり列の後ろから悲鳴が上がった。


「マウスファー!どうして!」これはファーンクラウドの声だ。

振り向くと、捜索隊がマウスファーの__遺体をくわえてずぶぬれになってこちらへ歩いてくるところだった。マウスファーはもう息絶えていた。

「ミズハタネズミをとろうとしていたみたいなんですけど。でも、もう若くないんでごらんの通り足を滑らせて溺れ死んじゃったんです、ファイヤスター」

ソーンクローが深い悲しみの声で報告した。はたから見ればマウスファーへの愛情が無いように聞こえるが、彼の目には指導者を失った苦しみが浮かんでいた。
ずぶぬれになった遺体をちらりと横目で見る。口にはミズハタネズミがくわえられており、うっすらと口元には血がにじんでいた。


「遺体を、キャンプへ。帰ってきてから葬儀を行おう。リーフプール、すまないが、儀式の為に留守番になってもらいたい。そしてソーンクロー、クラウドテイル。マウスファーを運んでくれ。」

「ええ。別にかまわないわ。」


そうだった。リーフプールは一人前の看護猫になったんだった。二週間前に。


「シンダーペルト、ブランブルクロー、行こう。遅刻してしまう。」

「はい。みんな!出発だ!」


兄の号令で一族はぞろぞろと走り出した。誰もがひそひそとマウスファーのことを話している。

はっきり言おう。僕はスター族を信じていない。だって死んでいるのだ。死んだら生き物は粒子だから空中をさまようんだ。そんなこともわからないのか?
だから、月の池が見つかろうとどうなろうと、僕にはほとんど関係ないに等しい。
いや、看護猫の看護の部分だけは尊敬しているよ、もちろん。

だが、マウスファーも救えないんじゃ、スター族は何なんだ?


それに、僕たち兄弟をこんな偏見の目にさらしたのも、元はスター族のせいじゃないか!

父の悪事も止められなかった、先祖なんかを信仰し、あがめる気になんてとてもなれないね。
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by ラッキークロー@LC on Wed Jan 06, 2016 2:50 pm

 タイガーストライプ......?

 ま、まさか彼はスター族を信仰していないとは!父親と同じ道を進んでいるようで、ぞくぞくします。
 ライオンシャドウとタイガーストライプは、第二のタイガークローとなりそうで、目が離せません。今後の二匹の動向を、目を皿のようにして見守ります。

 そしてマウスファーが......。彼女は好きだったので悲しいです。
 ただ、彼女の死の裏にも何か隠されていそうで怖いです。レパードsの小説は、随所に工夫がちりばめられていて、飽きることがありません!

 続きを全力で待ってます!
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Thu Jan 07, 2016 2:05 pm

ラッキークローs>
コメントありがとうございます!
タイガー君はスター族を信じてはいませんw父親と同じ道を歩むのかどうかはいずれわかりますよー^^
目を皿のようにして読んでいただけば何か証拠をつかめるかも??
マウスファーを死なせてしまったのは自分もちょっと悲しいです((
何が隠されているのか、そして三兄弟の運命はのちほど明らかになります。
もう少しで序盤も終わりますので、お楽しみに!
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Thu Jan 07, 2016 2:25 pm

第5章_どうしてあたしが裏切り者なの?








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島に着くのが待ち遠しかった。マウスファーがいなくなったのは悲しいけれど、落ち込むほどではない。だって、あの女戦士はあたしたちを嫌っている。
どうせ、父親のようになる。どうせ、裏切り者だ。

見習いの頃は毎日のように小言を聞かされた。

もうすぐ友達とおしゃべりできる!あたしのことをわかってくれる友達と!
ハイーナペルトだってあたしのことをわかってくれる。けれど、一族の全員信用できない。第一、彼女は見習いになるまで子猫のときは一言もしゃべったことないじゃない!!

あたしたち三兄弟はシャドウ族の縄張りで父さんとあったこともある。でも、もうそれはできない。
島に着くと、真っ先にシャドウ族を探した。嬉しいことに、まだリヴァー族とシャドウ族しか来ていなかった。

「レパードポー!」白猫、そして焦げ茶色の猫が走り寄ってきた。


「オークポーにスノウバード!」

「もう、オークファーだ!」

焦げ茶色の小柄な雄猫は少しむっとした表情で、尻尾を振り回しながら訂正した。そうか、この子も戦士になったんだわ!

「レパードアイよ。私も戦士になったの!」

「おめでとう!」

真っ白の雌猫は嬉しそうに顔をほころばせると、グルーミングをはじめた。ひとしきりシャドウ族の戦士たちとグルーミングをすると、また座りなおした。

「トーニーペルトは?」

「もうすぐ赤ちゃんが産まれるから、保育部屋に移ったわ。」スノウバードは早口で言った。


そうだった!トーニーペルトは、もうすぐ子猫が産まれるんだ!

「私からおめでとうって伝えておいて」

「ええ。もちろん。」

すると、会話が途切れたちょうどいいタイミングで大柄なたくましい白猫がやってきた。その猫は足先だけ真っ黒だった。その後ろから黄褐色の虎猫も。

「おしゃべりはそこまでにしておくんだな。」

「すみません、族長」

「元気か?レパードアイ。ファイヤスターから聞いたぞ。戦士になったんだな」

「はい。お蔭様で、ブラックスター」


「お久しぶり。」

「久しぶりですね。ラシットファー、お元気でしたか?」


実は見ての通り、私はシャドウ族と仲良しだ。ブラックスターやラシットファーとも親しいし、何よりオークファーなどの同世代の友達がたくさんいる。
偏見を持った目で見るサンダー族よりも、強い者が好かれるシャドウ族のほうが、私は落ち着ける。

やがて、ウィンド族も到着し、一旦サンダー族の群れに戻るといつもどおり、ブランブルクローには厳しい眼差しを向けられた。
ダストペルトにもにらまれ、ライオンシャドウは怒っていた。

「どうしてあんなやつらと尻尾をからめあったり、ブラックスターとグルーミングしているんだ?」

「別にいいでしょ。仲がいいだけよ。」

「父さんみたいな裏切り者になるつもりか!?」

ぶちりと音を立てて何かがちぎれた。

「うるさいわね!兄さんには関係ないわ!あたしはあの子達と友達なの!以上!」


素晴らしいタイミングでファイヤスターが集会の開始をつげる鳴き声を一声あげた。さすがにライオンシャドウも黙り込む。

が、激しい非難の眼差しであたしをちらちらと見ていたことは知っている。
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Fri Jan 08, 2016 1:04 pm

第6章_煌く羊毛と花







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大集会での族長たちの演説は、とても信じられなかった。
まずマウスファーの死を言わなかった。そして僕らが戦士になったのに、いつもは名前を言ってくれるのに四匹が戦士になったとしか言わないんだ?

なぜ僕たちが戦士になったのにファイヤスターは喜んでくれないんだ?どうして?父親のような強い猫が増えていくのを恐れているのか?
族長の心配もわかる。だけど、僕らへの敬意は?信頼は_?

考え事を頭の中でめぐらせながら歩いていると、どしんと何かを吹っ飛ばしたような気がした。

顔を上げると青みがかかった銀色とも白とも見える煌く毛皮の持ち主が仰向けで転がっている。
まずい、彼女を吹っ飛ばしてしまったんだ___。


「あ、えーっと___大丈夫かい?」


自分にしては珍しくどもりながら雌猫にたずねる。起き上がった彼女の毛皮からは水の匂いとかすかな魚のにおいがした。

「ええ。大丈夫。」

「ごめん。考え事していたんだ。」

ぼそぼそと謝ると彼女は可愛らしくクスリと笑った。雄猫である僕がその笑顔にとりこになったのは言うまでも無いだろう。
誰もがクラリときちゃいそうな天使のようなはにかみで雌猫は僕を見上げた。

僕よりもネズミの体一個分背が低かった。

「私、ウールフラワー。リヴァー族よ。_あなたは?」


少しの間名前を言うのがためらわれた。

名前を言えば父親と同じ名前ということにこのウールフラワーも気付くであろう。自分と同じくらいの年齢だし、よくよく考えればレパードスターも報告していたじゃないか。戦士になったものがいるって!となれば絶対に気付く__。

だが、ウールフラワーに嘘はつけなかった。

「タイガーストライプだよ。」くそう。きっと恐ろしがられてどこかにいっちゃうんだ。この子も。


が、

「よろしくね!さっきはごめんね、私ドジなの。痛くなかった?」何事も無いように彼女は話を続ける。

こんなに華奢な雌猫とぶつかって痛いと思う男はどうかしているだろう。彼女こそ痛かっただろうに。

「いや、大丈夫。ごめんよ」

「ううん、いいの。」


「私ね、ちょっぴりだけどサンダー族の血が流れているんだ。だから皆が不味いっていうネズミの味も嫌いじゃないの。どっちかって言うと、好き、かな?」

なんと!
リヴァー族にはサンダー族との混血がたくさんいると聞いていたが彼女もそうだったとは!

よく見ると顔も可愛いだけではなく、きりりとした目つきで少し大人っぽくも見れる。実際大人だけど。
そして、どことなく見たことある顔だなーとか思っていたらミスティフットにすごく似ている!!

「もしかして、ミスティフットの親戚か何かなの?」

「ええ。お母さんはミスティフットよ。」


サンダー族がぞろぞろと帰っていく。自分もそろそろ帰らなければ。

「じゃ、じゃあ。また。」

「ええ。あっ.....」

ウールフラワーは顔を赤らめ、タイガーストライプの耳元で一言ささやいた。


「また、会えたらいいね」


この一言で体中がカッと熱くなったのは、言うまでも無い。



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★








ウールフラワー【羊毛花】

青みがかかった、白と銀色の中間ぐらいの毛皮の雌猫。瞳はコバルトブルー。
ミスティフットの娘でリヴァー族戦士。モスウィングと仲がいい。
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Sat Jan 09, 2016 4:08 pm

第7章_殺意と忠誠







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キャンプは不気味なほどに静寂に包まれていた。マウスファーの遺体はすでに乾いており、リーフプールが綺麗に毛をなめて整えていたおかげで少しはマシになっていた。
だが、苦悩の表情はいまだに変わらない。

「おかえり。」

気を使ってくれたのか、アッシュファーが声をかけてくれた。弟子のバーチポーもそばにいる。

「まさか彼女が死ぬなんてな」

アッシュファーは悲しそうにつぶやくと、のそのそと獲物置き場へと向かっていった。後に残ったバーチポーはちらりと見習い部屋を横目で見ると、ため息をついた。

「ロビンポー、指導者がいなくなっちゃった。」

そうだった。すっかり忘れていた。


「落ち込んでいるのか?」見習いに命令口調で話しかけれるというのは気分がよく思えた。

「それが......全然。むしろバカは死んで当然だってつぶやいていましたし。」


どうやらこの見習いを悩ませているのは親友の態度らしい。

「それは亡くなった戦士に失礼だ。」

いつの間にかタイガーストライプが横に来ていた。

「兄貴。」

タイガーストライプは紅色の瞳をゆっくりとしばたたかせると、前足に尻尾をきちんとかけた姿勢に座りなおした。
ひくひくと桃色の鼻をひくつかせ、耳を動かす。

「僕が注意しとく。それとバーチポー。君のことをアッシュファーが呼んでいるよ。お通夜をするそうだ。」

そういってマウスファーが横たわっている空き地の真ん中を顎で示した。アッシュファーはすでにグルーミングを始めている。

黒い見習いの後姿を見送ると、タイガーストライプは「やれやれ」とつぶやいて見習い部屋へと向かっていった。
まるで指導者のような口ぶりである。

一通り一族がお別れのグルーミングを終えると、ファイヤスターの声がした。


「みんな!集まれ!集会だ!」


ハイロック(新)の下に集まると、なぜか群れの中心に一匹だけ子猫がいた。ブラックキットだ。そばにいるのは家族ではなくサンドストームとシンダーペルトだった。

まず、ファイヤスターが弔いの言葉とスター族へ送り出す儀式をしてから少し疲れたような表情が一瞬出たのを僕は見逃さなかった。

「これで、楽しい儀式に移れるな。亡くなったマウスファーも銀河から見ているだろう」

残念ファイヤスター。空はもう曇りだ。

「ブラックキットはまだ生後五ヶ月半だが、少し早く訓練を開始することにした。ブラックキット。前へ。」

訓練を早めるのは多分マウスファーが死んでしまい、戦士が少なくなったからだろう。


「.......ポーとする。指導者は_」

「レパードアイ。戦士になってまだ数週間だが、お前は類まれな才能があり、戦闘、狩り、そして頭脳戦すべてにおいて優秀だ。その知識を今度はブラックポーに伝授してくれ。」

「はい、ファイヤスター。」

開いた口がふさがらない。

妹が?指導者に?しかもファイヤスターの旧友で彼にとってとても大切な子猫_じゃない見習いの指導者に?兄の自分よりも早く?

ブラックポーとレパードアイが鼻を触れ合わせるのを見るとああこれって現実なんだと理解する。

「そして、もう一つ。ロビンポーの指導者がいなくなってしまったので、新たに指導者を任命したい。」

今度は誰だ。アナグマでも任命するのかよ。

「タイガーストライプ。お前は思慮深くて賢い。その思慮深さをロビンポーに伝授してくれ。」


開いた口はふさがるどころか顎の間接が外れてしまったのではないかと思う。

自分の息子を新米戦士に任せるなんてファイヤスターどうしたと言いたくなるが、いえない。だって自分の兄が指導者だから!
だからさっきもあんな指導者っぽい発言をしていたんだ。
何も知らないヘーゼルポーが、

「ライオンシャドウも弟子もらうんですか?」

と、サンドストームに聞いていた。
ショウガ色の雌猫は困ったように僕の顔をちらりと見て黙っていた。

「ブラックポー!ブラックポー!ブラックポー!」

新しく見習いになったブラックポーの名前を連呼する声は僕の耳には届かない。

心の中は冷めていたが、腹の中には鉄をドロドロに溶かしたような熱い、でも、苦いものがふつふつと煮えたぎっていた。
今日はファイヤスターに、兄妹に、初めて殺意を覚えた記念日だ。
どうして?

なぜ僕は選ばれないんだ。
声に出せない疑問は、喉を通って腹の中へと戻ってきた。それは逆に腹のマグマをさらに煮え立たせる油となった。
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by ラッキークロー@LC on Sat Jan 09, 2016 5:54 pm

 毎章更新されるごとに明らかになって行く事実、驚きの展開に、感銘の声が口からあふれ出しているラッキークローです。

 レパードアイのかつて父がいた部族への愛情、タイガーストライプの密かに芽生えた危ない恋心、そしてライオンシャドウの怒涛の嫉妬と憎悪の感情。
 三匹皆がもろく危険な感情を持っていますね。その感情は変わるのか、それとも悪化してしまうのか......。

 更新を楽しみに待っています!
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Sat Jan 09, 2016 7:32 pm

ラッキークローs>
コメントありがとうございます!

毎回色んなことを暴いちゃっていますが、いつもいつも急展開かなぁと反省しております((
三兄弟のそれぞれの感情にご期待ください.......という心の声を見事読まれたような気持ちになっています。
さすがラッキーs!目の付け所いつものことながらも鋭いです(^^)
タイガー君の危険な恋心は次章ではっきりとしますのでお楽しみに。

ナマケモノ更新から亀更新へとなる日はいつやら....
応援ありがとうございます!
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Sat Jan 09, 2016 8:00 pm

第8章_意地悪な境界線






☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


僕が弟子をもらって四日目の夕方。太陽の天使がキャンプへとやってきた。

「こんにちは、タイガーストライプ。」

百点満点の微笑みで狩りから戻った僕を暖かく迎えてくれたのはウールフラワーだった。
なんだ?僕がいない間にここはリヴァー族にのっとられたのか?いや、心優しい彼女がそんなことをするわけがない__。

よく見るとみんなウールフラワーに会釈して通っていくし、彼女もまた会釈と笑みを返す。
独身男戦士どもはその笑顔にクラリときているし、そんな先輩たちに僕は怒りを隠せない。彼女のサンダー族での友達はこの「僕」なんだぞ!

「モスウィングがリーフプールに薬草を届けにきているの。」


ああ。納得。どうりで彼女がこのキャンプにいるんだ。

「でも、時間大丈夫なのか?」

「ええ。元々うちの縄張りで見つかったアキノキリンソウをリトルクラウドに届けて、そしてまだいっぱい余っているから次はリーフプールに届けて、最後にバークフェイス。」


湖の周りを一周するルートか。


「ええ。キャンプにはウィロウポーが待機しているし今のところはオフシーズンだから看護部屋ガラ空きなのよね。だからウィロウポーも戦いの練習をリプルウィスカーとやるっていっていたし。」

「大変だなモスウィングも。夜通しかけてあるくなんて!」

「まあね。でも大丈夫よ。あらかじめ各部族の族長と看護猫には言っているし。」

「でも僕はそんなこと聞いていないぞ?」

「この前サンダー族はさっさと帰っちゃったでしょう?だから言えなかったの」


まあマウスファーのことがあったしな。にしても随分詳しいんだな。そうか、モスウィングとは見習い戦士時代が一緒だったから親しいわけだ。
などという雑談で盛り上がっていたら、いつの間にかブランブルクローがそばにいた。

「やあ兄貴。」

「よう。ウールフラワー。君たちの話はモスウィングに聞いた。ファイヤスターがそれじゃ大変だから今夜は止まっていけといっている。」

「えっ、でも......」

「もう日が暮れているんだ。外は危ない。看護部屋で寝ていいそうだ。」


嬉しくて体中が震えた。ウールフラワーが泊まって行く!一晩中一緒におしゃべりができる!そして、なぜだかはわからないけれど、少し恥ずかしくなった。
ウールフラワーの目がきらりと光っている。


「ごめんなさい。私、薬草の匂いってどうしても苦手で..........だから看護部屋はちょっと.....」突然彼女は変なことを言い出した。

「そうなのかい?じゃあどうするかなぁ.....」


兄は困ったような顔をした。敵の戦士とはいえ、華奢な戦士をあのちらかった戦士部屋に泊まらせていいものか悩んでいるようだった。


「戦士部屋でもいいですか?あそこなら戦士がいっぱいいるし、敵の秘密を知ろうとも、戦士に見張られていますしね。」


ウールフラワーは悪戯っぽく僕にウインクした。

「まぁいいけど.....」

兄さんはいまいち納得しない顔でハイロックへと立ち去った。

ウールフラワーが可愛らしく笑って、小さな声で言った。

「今夜はいっぱいおしゃべりできるわね、タイガーストライプ。」

ぶるりと再び体中が震え、思わず彼女の体を尻尾で一なでした。

「ああ。そうだね。」


彼女に笑いかけられた瞬間、はっきりと自分のことがわかり少し安堵もしている自分は何なのだろうと今更考える。
僕はウールフラワーが好きだと頭はわかっていた。

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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by ティアーミスト on Sun Jan 10, 2016 3:24 pm


コメントなかなか出来なくって申しわけないですっ!

いつもどきどきしながら見させてもらってます(*´>ω<`*) 

ふむ、部族をまたいだタイガーストライプの恋は危険な香りがしますな…

たしかにウールフラワーは可愛いですが!ですがっ!((

更新ペースの速さにこのクオリティー…!執筆楽しみにしております~

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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Sun Jan 10, 2016 5:15 pm

ティアーミストs>
コメントありがとうございます!
見てもらえるだけで嬉しいのです(´・ω・`)
リヴァー族との恋愛は定番ですが、あえて挑戦してみました。
設定考えるのがメンドクサイ→そうだ王道で行こう! 
というような考えはありませんよ!ええ!もちろんありませんよおおおおお!!!
ウールちゃんは純粋な美少女設定ですw
応援ありがとうございます!霧sの小説も楽しみに待ってますよ........
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Sun Jan 10, 2016 7:56 pm

第9章_星は悩み決断する









☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


焦げ茶色の雄猫がじっと泉の中を覗き込んでいる。泉にはスター族の不安を形として現したかのように、小波がゆっくり、ゆっくりと広がっていく。
雄猫が瞬きをするたびに、そよ風が吹いて草木の葉を揺らす。


「部族猫たちは大丈夫なのか?ブルースター?クルキッドスター?ナイトスター?トールスター?」


順番に元族長たちの瞳を覗き込んでいく。ブルースターだけはうつむき、じっと何かを考え込んでいた。青い瞳がゆらゆらと揺れる。
まだら模様の雌猫がひらりと切り株から飛び降りてブルースターのそばへと急いでやってきた。

「獣の兄弟が産まれる。彼らの誰かが裏切り、誰かが命を落とす」

「これは、私たちが彼らに送ったお告げです。だけどこれは逆に我らに不安を与えてしまいました。」


スポッティドリーフは美しいすらりと伸びた尻尾で水面を一なでした。
波紋が徐々に広がり、泉はよりいっそう光をまとって煌いた。星たちは泉に全て写り、三日月は不安定だが明るく輝いていた。


「ファイヤスターの暗殺を止めなければ。」

「でもどうやって?お告げでトラ猫に気をつけろとでも言うのかい?スポッティドリーフさんよ。」

黄色い目をグッと細めながらイェローファングはつぶやいた。
だがそれは皮肉ではなく、不安をかき消そうとする独り言でもあったようだ。不安になっているのは皆同じだ。

「違う形で言ったらどうかしら?」ブルースターが提案する。

三毛猫はうなずいた。それならいいかもしれない!


「では...。死神と隣りあわせで生活していることを忘れないでというのはどうでしょう?」


反対意見はでなかった。とりあえずは問題が一つ解決したとでも言うような顔をしてスポッティドリーフは座りなおした。

だが、話し合いは終わらない。


「どうするんだ?ファイヤスターが死ぬぞ?」ナイトスターは遠慮なく言った。

そんな黒猫をトールスターは睨み付けながら、しゃがれた低い声で怒鳴った。


「じゃあトラ猫を止めたらいいだろうが!!!」

「落ち着いてトールスター。私たちに彼は止められない。じっと見守ることしかできないのよ。」


何度もファイヤスターに助けられた経験のあるトールスターとデッドフットはまだ不満そうな顔をしていたが、ブルースターは話を進める。
月は傾くことなく、まるで彼らの話に耳を傾けているような感じで優しい光を地上に投げかけていた。


「三兄弟を止めてもじきにもう一匹獣がやってくる。その牙ですべてを噛み砕き、隠された真実を暴いていく狼が.........」


スポッティドリーフのつぶやきは、泉の中へと吸い込まれていき、後には静寂とそよ風だけが残っていた。
蛍が一匹空へと向かって飛んでいった。

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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by ラッキークロー@LC on Wed Jan 13, 2016 10:33 pm

 今までとは雰囲気が変わった神秘的な9章に、改めてこの物語の奥の深さを感じました!

 虎猫とはタイガーストライプのことなのでしょうか......?ライオンシャドウとレパードアイの運命はどうなるのか、そして「狼」とは誰のことなのか。
 先がこんなに気になるお話も珍しいです。一行先も予測できません!

 次章も楽しみに待っています!
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

投稿 by レパードクロー on Sat Jan 16, 2016 4:09 pm

今までは三兄弟が語り手でしたが今回は第三者の目線からいったつもりです!つもりですよ!つもり!

虎猫がタイガー君とは限りません。原作の猫さんk((黙
レパードアイとライオンシャドウの争いに注目していただけると嬉しいです^^
狼はまあいつかわかりますw

ラッキークローsの小説も楽しみに待っています!
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Re: 正×正=悪のケモノ方程式  [第一部、完結]

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