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希望が教えてくれたこと___木と海と岩と暗闇のモノガタリ

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投稿 by 柏花 Mon Apr 04, 2016 1:11 pm

  第16章

 「今日は何をするのですか?」
 ラビットポーは興奮しまくった状態のまま指導者に質問した。

 スワロウフットは優しくウインクした。
 「なわばり探検よ。」

 「よっしゃーー!!」
 
 ふとラビットポーはいいことを思い付いた。

 「スノーポー達と一緒にいくのはどうですか?」

 「その指導者の許可が降りたら良いわよ」

 さっそくラビットポーはスノーポーに駆け寄った。
 「なぁ、一緒になわばり探検に行かないかい?」

 スノーポーは指導者を見上げた。
 「いいですか?」

 「良いわよ。」

 ブラッサムブリザードはスワロウフットに言った。
 
 「よろしくお願いしますね」

 スワロウフットは了解の印に尻尾をさっと振った。

 「ねぇ!、スプリングポーと、エポトワールポーも呼ぼうよ。」
 スノーポーが提案した。

 ラビットポーはニコッと笑った。
 「いい案だ、名案だ!。じゃあ僕が二匹をよん___」

 「おい、」

 後ろで声がした。シャドウクローだ。

 「残念だが二匹はお前達とは行動させねぇよ。仲良しが集まると訓練に集中できねぇだろうからな。」

 ラビットポーはがっかりした。それを見たブラッサムブリザードは鋭くシャドウクローに注意した。
 「ちょっと、他の猫の気持ちも考えなさいよ。」

 「知るか、そんな事」
 シャドウクローの後ろからライトニングウェーブがやって来た。その後ろにスプリングポーと、エポトワールポーが居る。

 少しの間ブラッサムブリザードとシャドウクローはにらみあっていたがスワロウフットがブラッサムブリザードに耳打ちするとブラッサムブリザードは不機嫌そうに去ってこっちに来た。

 後ろでシャドウクローとライトニングウェーブがせせらわらっている。

 スワロウフットがため息をついた。
 「さ、気をとりなおして。なわばり探検にでかけましょう。」

 ラビットポーは前足をなめた。

 「さぁ、行きましょう!」

柏花
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投稿 by 柏花 Tue Apr 12, 2016 9:15 pm

  第17章

 見た目も悪いし、口も悪いし、性格も悪そうだし、第一目が怖い。もうちょっと気さくに話しかけてくれる指導者が良かったのに…。

 エポトワールポーはじっとシャドウクローを見つめて思った。さっきから不機嫌そうに歩いている。

 「あぁ?、なんだ?」
 
 エポトワールポーははっとした。シャドウクローがみられていることにきずいたらしかった。

 エポトワールポーは目をあわせたくなくて下を向いた。

 「はぁ?、用もねぇのにジロジロ見るんじゃねえぞ。このクソ野郎。言っとくがな、俺は___」

 「おい、止めろよ!」
 驚いたことにライトニングウェーブが止めてきた。

 「なんだ?」
 不機嫌そうにシャドウクローが振り向く。

 「なぁ、ちゃんと考えてます?。こんなことしてこいつらに族長とかに言ってしまったら即終了っすよ?。指導者から下ろされるぞ!、いや、それですまないかもしれない、罰が待ってるぞ!」

 呆れたようにシャドウクローが鼻を鳴らした。
 「おいおい、お前怖がりすぎだよ。こいつらに言うなとお脅せばいい話じゃねぇか」

 エポトワールポーはゴクンと唾を飲
んだ。マジで脅されるかも…!?

 「怖がってなんかない」

 ライトニングウェーブが毛を逆立てた。

 「もう一度言う。怖がってなんかない!。ただ忠告しただけっすよ。シャドウクロー様が怒られてしまうととても気の毒なものでして」

 最後は皮肉でしめた。

 「おっと、俺様に口を聞くなんて千年早いぞ。まぁお前には分からないだろうけどな。」

 エポトワールポーは二匹が取っ組み合いをはじめて自分達も巻き込まれると覚悟していたが予想と反してライトニングウェーブは無視して弟子と共にどこかへ去っていった。

 シャドウクローは笑っているが腹がたっているのが分かる。喧嘩をできなかったことが悔しいのだろう。

 少しするとシャドウクローは首をふった。
 「もういい。おい、なわばり見に行くぞ。ついてこい。」

 エポトワールポーは素直についていった。

 ちょっと歩くとシャドウクローが立ち止まった。回りの臭いをかぐと前に出るように示した。

 エポトワールポーはそっと前に進み出るとはっと息を飲んだ。

 「ここがロック族との地平線さ。」

柏花
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投稿 by 柏花 Thu Apr 28, 2016 4:20 pm

  第18章

 ロック族との地平線には沢山の花が咲いていた。色とりどりで美しい。

 「ここ、綺麗だよな....」
 シャドウクローが呟いた。

 エポトワールポーも同感だったから思わず「ですね...」と、言ってしまいいったあとはっと後悔して気まずく、シャドウクローを見上げる。

 だが気にしていないようでシャドウクローは、花を見つめながら驚いたことに、微笑んだ。
 「この花はな、コスモスっていうんだぜ。いろんな色があって綺麗だろ?」

 「はい!」

 こんなに見習いになって寛いだのは久々だわ。....意外とシャドウクローって優しいし、お花好きなのね。

**

 キャンプに戻るとエポトワールポーは見習い部屋に行ってみた。

 中ではブレイズポーが居て、うとうとしている。エポトワールポー達の寝床はもう既に準備されていた。

 エポトワールポーはブレイズポーを起こさないように気を付けながら、自分の寝床に座った。冷たいが寝心地はよい。

 「んん....、むにゃぁ..。ちょうちょーさんん...。」
 ブレイズポーが可愛らしい寝言を呟いた。

 くくっとエポトワールポーは笑うとスプリングキット達が来るのを待とうと寝床に座り込んだ___時だった!

 いきなり足が滑ったと思うと、頭が寝床に打ち付けられた。

 「ぐはッ!?」
 エポトワールポーは呻き声をあげる。

 口を無理矢理開けられたと思うと何やら入れられ、飲み込んでしまった。

 エポトワールポーは助けをよぼうと口を開けたが声を出す前に目の前が真っ暗になり、体が動かなくなってしまった。

 助け.....てぇ...


 

柏花
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投稿 by 柏花 Fri Apr 29, 2016 10:48 pm

  第19章
 
 次に目をエポトワールポーが覚ましたのは夕方頃だった。
 
 回りの空気はうっすらとしていて、少し寒い。地面は固いなにか___床___があり、透明の板のような物が壁の四角の穴___窓___に嵌め込んである。

 エポトワールポーはぼんやりしながら立ち上がり、体についたゴミをはたき落とす。フワッとしたネズミ色の綿のような物が固まってごみと一緒に混ざってる___埃___。

 「やっと目を覚ましたわね。もう、大変だったのよ?」

 「エポトワール」

 エポトワールポーははっと振り向く。そこにいたのは、一匹の雌猫だった。

 「だ、だ、誰ですか!?。それにここは?。それになぜ私の名前を知っているのですか!?」
 
 私の名前はエポトワールポーだが、エポトワールという、ハーフムーンがつけてくれた名前をなぜ、この猫は知っているの?。

 雌猫はくすりと笑うと言う。
 「私の名前は…、希望でいいわ。希望さんで」

 「絶対本名希望じゃありませんよね?。私の名前にちなんで希望ですよね?」

 「あたりっ♪」

 しばらくエポトワールポーは何を言おうか迷った。相手は大人だ。そして私よりもはるかに経験を積んでいる。戦っても勝ち目はない。

 「すいません」

 覚悟を決め、エポトワールポーは問い出した。

 「あなたが私をここへ連れてきたのですか?」

 「勿論」

 雌猫は耳をかいた。余裕の様子だ。

 「ちょっと用があるの、貴女にね。乱暴に連れ去ってしまってごめんなさいね」

 エポトワールポーは淡々と返す。
 「別にいいですよ」

 雌猫はエポトワールポーにいきなり顔を近づけ、観察するようにつぶらな瞳を動かした。

 「ちょ…、何ですか!?」
 エポトワールポーが抵抗するように顔をそむけた。

 雌猫はニコッと笑い嬉しげに喉をならした。
 「あぁ、私にそっくりだわ。愛しいエポトワール!」

 エポトワールポーは耐えられなくなり思わず怒鳴った。
 「ちょっと、止めてください!。それにあなたは何者なのですか!?」

 「私?」

 雌猫はわざとらしくとぼける。

 「えぇ」
 エポトワールポーは冷静に返す。

 「私は」

 雌猫はエポトワールポーを見つめる。

 「貴女の産みの親よ。私は貴女のお母さん」

 …お母さん、、ですって!?

 「ふざけないで!。あんたは私の母なわけないでしょ!?。私のお母さんはフルムーンよ!」

 ふとエポトワールポーは自分とこの雌猫が似ていることに気がついた。

 「私は貴女の母親、リリーよ」

柏花
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投稿 by 柏花 Sun May 01, 2016 1:09 pm

  第20章

 そっと、草むらを抜けると、エポトワールポーは道に迷っていないことを確認した。

 リリーにそろそろ夜だから帰りなさいと言われ、また今度と約束して別れたのだ。

 エポトワールポーは既にリリーが母親だってことは確信していた。___勿論リリーはエポトワールポーの母親だ。

 「一族に何て言えばいいの?。とにかくフルムーンには聞かなくちゃ」
 エポトワールポーはため息をつく。

 キャンプはもう、そこだ…。


      それから数ヵ月過ぎ、エポトワールポー、スプリングポー、ラビットポー、スノーポーは戦士となった…

 
_____________________











  第21章

 「スノーハート!、ラビットリープ!、エポトワールハート!、スプリングストリーム!」

 一族の盛大な掛け声がキャンプをつつむ。

 ラビットリープは嬉しさのあまり、跳び跳ねそうになってしまい耐えるのに必死だった。

 僕もやっと、戦士になったのだ!。もう子供扱いされないぞ!
 
 やがて盛大な儀式が終わると、寝ずの番になった。

 四匹は身を寄せうようにしてキャンプの入り口辺りに座る。

 「ねぇ、しりとりし__」
 スプリングストリームがスノーハートに喋りかけようとすると、スノーハートは「しぃっ!」と睨み付ける。

 スプリングストリームははっとして恥ずかしがりながら、口を閉じる。

 だが、少しするとスノーハートもエポトワールハートもうとうとし、はじめた。

 ラビットリープは興奮していたから眠気は無かったものの、だんだん疲れて眠くなってきた。


 まわりでは鳥のさえずりが聞こえる。ここは森だ。

 朧気だが、フルムーンと大人の猫と、子猫がいるのが見えた。やがてフルムーンは子猫をくわえて去っていってしまった。

 大人の猫のほうも、フルムーンとは逆の方向に去っていく。

 「ラビットリープ、大丈夫?」

 スプリングストリームの声でラビットリープは我に反った。どうやら、幻影でも見てたらしくボンヤリしてる。
 
 「あぁ、悪い。大丈夫だよ」
 小声で囁く。

 あの幻影は何だったんだ?。…まぁ、気にしなくてもいいかな。僕の妄想かも。

 そして朝日がゆっくりと登ってきた。
 

柏花
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投稿 by 柏花 Sun May 01, 2016 9:24 pm

  第22章

 隣ではラビットリープが上る朝日を希望に満ちた嬉しげな表情で、見つめてる。

 スプリングストリームはこれまでの記憶を、思い返してみた。指導者に必死についていこうと、もがくように頑張った訓練。嫌だったが、お話を聞くのが楽しかった長老の世話。そして大集会。

 とても楽しい日々だった。

 夜があけたらもう戦士なのだ。そう思うと、とてもワクワクしてくる。

 「よし、もういいわ。四匹ともよく頑張ったわ!」
 いきなり後ろから声をかけられ、スプリングストリームは少々驚く。族長のホープスターだ。

 スノーハートはふぅ…、と吐息をだす。エポトワールハートは当然のようにホープスターに尊敬を示す。

 エポトワールハートのことを思うと、心がずきんっと痛む。昔はなかがよかったというのに、最近は冷たく、殆ど行動を一緒にしようとしないのだ。指導者のせいなのか…、と思う。

 ホープスターは四匹に休むよう言うと、機嫌よく部屋に戻っていった。

 ラビットリープはそれを見届けると大きく伸びをする。
 「皆このあとどうするかい?」

 「私は狩りに行く。じゃあお先に失礼。」
 エポトワールハートはバカにするように三匹を睨み付けるとキャンプの入り口を潜って行ってしまった。

 「もう、どうしちゃったの?。エポトワールハートったら」

 スノーハートが困ったように呟いた。

 「私、このあと寝るわ。」

 「僕も!」

 「私もぉ~」

 皆で笑いあうと、スノーハート先頭に三匹は戦士部屋へ走っていった。

柏花
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投稿 by 柏花 Sun May 01, 2016 9:26 pm

  第22章

 隣ではラビットリープが上る朝日を希望に満ちた嬉しげな表情で、見つめてる。

 スプリングストリームはこれまでの記憶を、思い返してみた。指導者に必死についていこうと、もがくように頑張った訓練。嫌だったが、お話を聞くのが楽しかった長老の世話。そして大集会。

 とても楽しい日々だった。

 夜があけたらもう戦士なのだ。そう思うと、とてもワクワクしてくる。

 「よし、もういいわ。四匹ともよく頑張ったわ!」
 いきなり後ろから声をかけられ、スプリングストリームは少々驚く。族長のホープスターだ。

 スノーハートはふぅ…、と吐息をだす。エポトワールハートは当然のようにホープスターに尊敬を示す。

 エポトワールハートのことを思うと、心がずきんっと痛む。昔はなかがよかったというのに、最近は冷たく、殆ど行動を一緒にしようとしないのだ。指導者のせいなのか…、と思う。

 ホープスターは四匹に休むよう言うと、機嫌よく部屋に戻っていった。

 ラビットリープはそれを見届けると大きく伸びをする。
 「皆このあとどうするかい?」

 「私は狩りに行く。じゃあお先に失礼。」
 エポトワールハートはバカにするように三匹を睨み付けるとキャンプの入り口を潜って行ってしまった。

 「もう、どうしちゃったの?。エポトワールハートったら」

 スノーハートが困ったように呟いた。

 「私、このあと寝るわ。」

 「僕も!」

 「私もぉ~」

 皆で笑いあうと、スノーハート先頭に三匹は戦士部屋へ走っていった。

柏花
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投稿 by 柏花 Mon May 02, 2016 10:40 pm

  第23章

 またひとつ、夜空に星が現れる…。少しずつだがスター族の戦士が集まって来てるのだ。

 スプリングストリームは小道をのんびり散歩しながらふと思う。
 ___エポトワールハート、貴女は本当に私のおねぇちゃんなの?。貴女は…、部族猫なの?。

 「彼奴が部族猫じゃなかったらフルムーンは、何かしら言うんじゃねぇか?」

 「誰!!?」

 はっと、スプリングストリームは振り向く。敵意に満ちた瞳で回りを見るものの、なにもない。

 「出てきなさい!。さもなければ殺すわよ!」

 「おい、落ち着けって!。俺だよ、ラビットリープ!」
 草むらからラビットリープが現れる。

 スプリングストリームはほっとするものの、同時に警戒を覚える。
 「なぜ、私の夢に?」

 「知らないよ。気付いたら君がいたんだから」
 首を横にラビットリープは振る。

 「じゃあここって誰の夢な__」

 「見ろ!あれ!!」
 突然ラビットリープが口を挟む。

 「もう…、何なのよ___」
 
 ラビットリープが指差した先には、一匹の猫がいる…、スター族の戦士…?

 一匹のスター族の戦士は警戒する二匹に近寄る。
 「こんばんは。警戒しなくていいわよ」

 少し警戒を解いたラビットリープ。

 スプリングストリームは敬意を示し、ペコリとお辞儀した。

 スター族の戦士はそんな二匹にむかって微笑む。
 「礼儀正しくありがとう。今回はちょっとあなたたちに話があるの」

 すっと表情が冷たくなる。

 「ラビットリープ、なんのことだか分かっているでしょう?」

 「えっ?、どうかしたの?ラビットリープ??」
 驚きスプリングストリームはラビットリープの顔を見ると凍りつく。

 ラビットリープはこれまでに見たことのない、とても冷たく、けいべつするような表情だった。

 「前もいったけどあなたの言葉を信じるつもりはありませんよ?」

 「ちょっと、ラビットリープ!どういうこ___」

 「君は黙っててくれよ!」
 
 怒鳴るラビットリープ。

 「君はなんにも知らないくせに!」
 
 「じゃあ教えてあげなさい。ラビットリープ?」
 
 しばらくラビットリープとスター族の戦士はにらみあっていたが、さすがにスター族の戦士との喧嘩はよそうと思ったらしく、ラビットリープが話し出した。

 「事の始まりは見習いになって数日たった時だったんだよ。ある日この猫が僕の夢に現れていきなりいったんだ。
 『特別な力を持った二匹、それは貴方よ』…って」

柏花
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投稿 by 柏花 Wed May 04, 2016 6:33 pm

  第24章

 『『特別な力を持った二匹、それは貴方よ』』

 違う…、僕は普通の猫だ!。

 『その〝チカラ〟は間違えれば部族を壊す…』
 
 嘘だ…、そんなの嘘に決まってる…

 『もう一匹は____』



 「黙れェ!!。僕はそんな猫じゃない!。消えろ!、黙れ!、死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

**

 「どうして話してくれなかったのよ!?。話してくれれば、力になれたかも知れないのに…!」
 悲しげに呟く。悲しかった、そんな気持ちを一人隠していたラビットリープの気持ちを覚り。

 スター族の戦士は少し間を開けると聞いてきた。
 「二人とも、そのチカラみたいなものを、発揮したことはない?」

 「有るわけねぇじゃねぇか!!」
 即座に怒鳴るラビットリープ。

 「私も無__」

 スプリングストリームはいいかけ、ふと記憶を探る。


 「どうかしたの?」
 「なんかあるのか!?」

 「私のチカラってもしかしたら、」

 私は大きく目を開ける。

 「願ったことが、全て本当になるって言うことかも…」

 「…はっ?」

 空でカラスが不吉なことを予知するかのように鳴く。

 もう一度ラビットリープは聞く。
 「お前のチカラは願ったことが、全て本当になるだって?」

 「う、うん…」

 空がだんだん明るくなってる。

 スター族の戦士は空を見ると名残惜しそうにいう。
 「そろそろ帰るわ。またあなたたちに会えることを、祈ってるわ」

 「俺はもう会わなくてもいいし」
 有無を言わせない口でラビットリープは呟いた。



 だんだん霧が現れるようになり二匹は覚めた。

柏花
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投稿 by 柏花 Sat May 07, 2016 4:46 pm

  [size=24]第25章[size]

 私は…

“汚れし塵”

 生きてる価値は…

“無い”

“貴女は生きている価値なんて無いのよ”

“死ねば?”

“…死ね!。塵!”


 


  「嫌ァァッ!!」

 エポトワールハートは悪夢から覚める。何回目だろうか?。

 近くでスプリングストリームが寝てる。

 「あぁ、スプリングストリーム…。私はどうすれば…」

 「1つだけ方法はあるけど?」

 「…貴方か」

 一匹の雄猫に呟く。
  
 「その方法って?」

 雄猫はそっと囁く。

 エポトワールハートは大きく目を開ける。

 雄猫は恐ろしいほどの微笑みを見せた。

 大きく息を飲み、決意を示す。

 それしか方法は無い…。

 殺るしかないわ!。殺ってやる…





 でも…

 それは私の意思じゃないわ。

 
 「決着は今夜だよ?」

 タイムリミットは残りわずか。

 「やるわ…。今夜の、、真夜中に」


 タイムリミットは残り、九時間…


**

 準備を始める。

 出来るだけ人目のつかない谷間を選ぶ。

 谷間に猫が落ちたら、そのまま海に流される。

 エポトワールハートはほほえむ。
 「ここが、最後の場所…」

 「私達と、スプリングストリーム達、どちらかが最後になる場所ね…」

 うぅッと吐き気が上がる。

 エポトワールハートは吐く。悲しい気持ちと共に。

 「うぅっ、もう嫌よ…。何で…、酷い」

 「そうさ、酷いのさ。」

 雄猫がエポトワールハートに覆い被さるように囁く。

 「だから早く、あの二匹、殺しちゃお?」

 

 タイムリミットは残り、六時間。
 

柏花
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投稿 by 柏花 Wed May 11, 2016 6:30 pm

  第26章

 「そう…、くらぁーい、谷底に落とされちゃうのよ…」
 低い声でナイトファーが囁いた。

 その話を聞いていたバブルキットは大きく目を開けた。
 「そこが〝幽霊谷〟?」

 「えぇ、とぉーっても危ないの。近づくとその辺の地面は脆いから崩れちゃうの。」

 「フゥーン」
 バブルキットは目を鋭くさせる。何やら読めない気持ちが目に、浮かんでいた。

 「なるほど…。僕もはじめて聞きました!」
 隣で聞いていたラビットリープはほう、と頷く。

 「本当に…有るのですか?」
 ドキドキ自分の胸が鳴っているのにスプリングストリームはかんじる。

 「有るのはあるのだけどね…」

 困ったようにナイトファーはため息をつく。

 「その谷は気紛れなのよ。」

 「母ちゃん、気紛れって??。幽霊谷は生きてるの?」

 「そう思うわよね。生きてる訳じゃないけど…。その谷は霧でかくれて、確りとした場所はわかってないの」

 「都伝説かよ」
 声を出してラビットリープは笑った。

 ナイトファーはムッとして言い返す。
 「本当にあるのよ。私は見たことあるわ」

 「本当ですか?」
 未だにドキドキしてる。

 だがラビットリープは笑う。
 「んな訳ねぇだろ。」

 「母ちゃんは嘘をつかないもん!」

 バブルキットは立ち上がる。

 「母ちゃん、教えてよ!!」

 「えっっっ、あぁ、うん…」

 「知らねぇんだろ」

 「ちょ、ちょっと失礼でしょ!」

 「さ、今日はここで終わりよ!」
 ウインクするナイトファー。

 文句ありの顔をしてる二匹。
 「えぇー、教えてよぉ」
 「教えてくれたっていいじゃんかよ」

 スプリングストリームはどっちでもよかった。  「ありがとうございます!。また聞かせてくれますか?」

 「勿論よ」

 ナイトファーは喉を鳴らした。

 「楽しんでもらってよかったわ」




 「でもサー、やっぱし嘘だよ」
 保育部屋からでるとブツブツ文句をいい始めた。

 スプリングストリームはラビットリープを宥めた。
 「そんなこと言わないの。せっかく聞かせてもらったんだから」

 「ん?、彼奴何してるんだ?」
 
 「え?」

 「ほら、彼奴だよ」

 エポトワールハートだ…。

 キャンプの入り口を警戒しながらゆっくり歩いている。

 「なぁ、追跡しようぜ!」

 「う~ん…」
 
 そんなこと久々だし、エポトワールハート何してるか知りたいし

 「良いわよ。行きましょ」

 

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投稿 by 柏花 Fri May 13, 2016 5:21 pm

  第27章

 「お、お帰り。遅かったな。どこで道草食ってたんだ?」
 戻ると例の雄猫が声をかける。

 エポトワールハートは首を傾げる。
 「そうかしら?、あんまり遅くなった気がしないのだけど…」

 笑う雄猫。
 「フフ、いいこと教えてやるよ。死ぬときに近づいたら、時を感じなくなるらしいぜ」

 「ちょっと、変なこと言わないでよ。私死ぬ訳じゃないし……」

 『・・・・・・・・・・』

 雄猫は空気を悪くしたことを理解したのか、気を使うようにいった。
 「そろそろ帰るよ。いいかい?、決着は真夜中だからな?。その頃に戻ってくるよ」

 「えぇ…」

 雄猫は一度こちらを振り向いたが、去っていく。

 ほっと一息つくと、エポトワールハートはオークの葉を開く。そのなかには尖った石と、茨の棘が入っていた。

 その二つを適当にばらまいておいた。こうすれば少しだけ、擦り傷や、切り傷を負わせて戦いになったとしてもハンデをおわせられる。

 「ッ」
 こんなことを考える自分が嫌だった。

 もうひとつのオークの葉の中には何やらねばねばした実と、くもの巣が入っている。これはちょっとした罠に使うのだ。

 近くに穴がある。落とし穴だ。雄猫が掘ってくれたおかげで十分深い。

 落とし穴と言うものはある浮浪猫に教えてもらった、方法だ。

 「はぁ…、浮浪猫っかぁ…。最近やってなかったけどまた暇なとき、殺るかな…」

 約一ヶ月前、浮浪猫が数匹、ウッド族の縄張り内で殺されているのを、パトロール隊が発見した。どれも一撃で殺されたらしく、致命傷しかついてないのだ。

 ウッド族の猫たちは恐ろしさに身を震わせている。族長と、副長は頭を悩ませ、長老と、母猫は怖がり、戦士達は恐ろしさに立ち向かおうと必死なのだ。

 そして二週間ほど前、ダーク族のにおいがした浮浪猫の死体を見つけた。そしてロック族のにおいがした浮浪猫も見つかっている。

 ホープスターは今回の大集会で話す模様だ。意味はないというのに…。


 そうこれは全て、エポトワールハートが殺ったのだ。

柏花
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投稿 by 柏花 Thu May 26, 2016 6:19 pm

 第28章

 「ハッ…、ハッ…あとすこ___う’’ぐぅっ!?」
 突然上から何かがのし掛かってきた。そして鉤爪を出した手で、首を絞める。

 「グヵァァ…。い、、息がぁッ。ウグッ…」

 相手はせせらわらっているのか、逝ってしまいそうな中聞こえる。
 
 (何が楽しいって言うんだ!)

 雄猫は最後の力を振り絞って上にのし掛かっている猫を蹴飛ばす。

 「キャッ!」

 (雌だと!。なぜそんな力があるんだよ!?)

 自分は放浪猫の中でも恐ろしいと唱われてきた。なのにこんな雌猫に殺されかけたとは!

 「痛たたたぁ。あんたってひどーい。汚れたらどうしたっていうのよ~?」

 (自分が怪我をする事よりも、汚れを気にするなんて、愚かなお嬢様だな。でもこんなやつに殺されかけたなんて…)

 雄猫は相手をにらむ。雌猫で、年は少女と言えば良いだろうか?。俺よりめっちゃ年下だ。(俺は年長者)

 雌猫はこちらに向かって口の回りを舌でなめまわす。

 (ッ、生意気め!。やられたのも不意打ちというものか…)

 雄猫は聞いてみる。
 「お嬢さん、お名前は?」

 「お前は?」
 余裕たっぷりという感じだ。

 「俺は…、ウルフだ」

 「狼?ふーん。私はエポトワールポーよ」

 雄猫は眉間にシワを寄せる。
 「エポトワールポー?、珍しい名前だな。遠くからきた、放浪猫かな?」

 「さぁね」

 今なら殺せる、ウルフはそう感じ取った。相手は油断してる。___だが本能は逃げろと叫んでいる。

 「そうかい…。おっ良いこと思い付いたぜ。あっちで話さないかい?」

 ウルフは決めた。殺す、と。
 
 「分かったわ。お先にいかせていただくわね」

 占めた!

 「おう」
 ウルフは笑わないよう苦労した。

 エポトワールポーは自分から、キツネの尻尾約一本の近い距離を歩いている。殺すのは楽勝だ。

 「残念ね。遅い」

 ウルフは一瞬の激痛もなく、死んだのだった。

 その姿をエポトワールポーは軽蔑するような目付きで睨む。

 _____一匹の猫がその現場を目撃したのにも気付かずに…

柏花
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希望が教えてくれたこと___木と海と岩と暗闇のモノガタリ - Page 2 Empty Re: 希望が教えてくれたこと___木と海と岩と暗闇のモノガタリ

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