砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

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砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by レパードクロー on Sun Oct 30, 2016 7:35 pm

砕け散る愛の結晶






リトルムーン  【小さな月】 Little Moon
愛すべき我らが主人公。輝く灰色のトラ猫(チビ)。
その体の小ささによるものなのか、はたまた本来の彼女の能力
なのかはわからないがかなりの劣等生であり、なおかつ頭の回転の鈍いとろいやつ。
自力で獲物を捕まえた回数9回。しかし家柄は副長や族長を数多く出している
名門一族である。どうしてこんなやつがうまれたのかは誰にもわからない。

シュライクウィング  【百舌の翼】 Shrike Wing
艶やかな黒毛の美青年。両親とも飼い猫でグレイシャスターに拾われてきた。
天性の戦士ともいわれるほどの実力で同期は誰もかなわない。
純血で名門家にうまれたくせに劣等生なリトルムーンに嫉妬していたが
だんだんとその純粋さを知り、今までの考えを改めていく。
完璧主義でかたい性格な彼もパンサースポットの回転の速さにはかなわなかった。

パンサースポット  【黒ヒョウの斑点】 Panther Spots
恐らく世界一の美少女黒猫。その狡猾さと残酷さはまさに才能としかいえない。
口が達者で言い争いならだれにも負けず、いつもおいしい場面だけ奪っていく
恐るべき女。失敗ばかりのリトルムーンとはうまくかみ合い、唯一無二の親友である。
常に堂々とした態度だが、たまに見せるデレっぷりは国宝ともうわさされる。

レッドブレイズ  【赤い炎】  Red Blaze
リトルムーンの兄である燃えるような赤毛の雄猫。
なぜか中二病オーラがものすごく、彼の目からはどんな出来事も悪魔の仕業に見えるらしい。
ある意味やばい非常識人。それでも一応兄として妹のことは大切に思っている。


クラウドファー  【雲毛】 Claude Far
白と灰色のブチ猫。シュライクウィングの数少ない(というか唯一の)友人である。
天然なのかバカなのかよくわからない性格だが、真面目な日もある。
シルバーフェザーに猛アタック(ストーカーともいう)を続けているが、
その努力が報われたことは一度もない。誰からも愛される一族のマスコットキャラ。
グレイシャスターと前妻の息子(長男)

ジャービルイヤー  【砂ネズミの耳】  Gerbil Year
クラウドファーの弟。兄とは似てもつかない焼けた砂のような黄色の毛に黒い斑点のある猫。
口調は優しいが性格は兄よりもトゲトゲしく、主にツッコミ担当。
シュライクウィングのフォローやリトルムーンの失敗の穴埋めに毎日を費やしている。
グレイシャスターと前妻の息子(次男)

アイヴィーハート  【蔦心】  Ivie Heart
淡いモスグリーンの瞳の褐色のトラ猫。
看護猫見習いだが、新しい名前をもらってからどうにもこうにも仕事がしっくりこない悩める少女。
兄弟にはとても優しく、とくにサンダーポーとロータスポーはお気に入りの面倒見のよい性格。
だが面と向かって他人に言えないことをズバリと指摘する才能がある。
グレイシャスターとスネークファングの娘(長女)  弟子はセイブルポー

 ロータスポー  【蓮の足】  サンダーポー  【雷足】 Lotus Por Thunder Por 
双子の兄妹。兄のロータスポーは暗褐色で足先は黒く、妹のサンダーポーは綺麗なオレンジ色の猫。
ロータスポーにはひそかに看護猫になりたいという思いがあり、いつも看護部屋に通って姉の仕事を
見ている。対してサンダーポーはただひたすら強い戦士になりたいと思っている。
グレイシャスターとスネークファングの子供(次男次女)


トーチフット  【松明足】Torch Feet
焼け焦げたような焦げ茶色の虎猫。常に苦悩に満ちたような顔をしており、性格もかたいがリトルムーンの前では
つい彼女のペースに巻き込まれがち。
スネークファングと浮浪猫との間にできた子供で、グレイシャスターの子供たちとは義兄弟。
兄弟の中では一番年長である。浮浪猫とのハーフなので自身も浮浪猫の顔見知りがいる。
リトルムーンの元指導者。

スネークファング  【蛇の牙】  Snake Fang
褐色と白の混ざった複雑な毛色の猫。
一族の中でも一匹浮いており、口数の少ない雌猫。トーチテイル、アイヴィーハート、ロータスポー、サンダーポーの母親である。

ブルーアイ  【青い目】  Blue Eye
色素の薄い青い瞳の黒に灰色のまだらのある雄猫。パンサースポットの兄。
戦士だったが崖から転落して片足を失い、傷だらけになった。今は戦士部屋にこもっている。


ストライプスター  【縞の星】 Stripes Star
その名を言うのもためらわれるほどの恐れられている元グリーン族族長。
追放されたときに名前を変えられて、ストライプストームとよばれている。
その罪は副長であったリトルムーンの父親と当時の看護猫を殺したことである。




その他戦士猫および野良猫たち



グリーン族

族長:グレイシャスター【氷河星】 
副長:ロウワンファー【ナナカマド毛】弟子はスクイークポー
看護猫:スワローフォール【落ちていく燕】

戦士:シーダーリーフ【ヒマラヤスギの葉】
   ヴァイパーアイ【毒蛇の目】弟子はロータスポー
   シルバーフェザー【銀羽】
   クリアクラウド【透明な雲】弟子はサンダーポー
   マーシュテイル【沼尻尾】
   ミストファー【霧毛】
   ヘアストロング【強いウサギ】弟子はロックポー
   
見習い:ロックポー【岩足】
    スクイークポー【ネズミの鳴く足】
子猫:ピアニーキット【ボタン子猫】
   セイブルキット【テンの子猫】
   エイコーンキット【どんぐり子猫】

オレンジ族

族長:ブラッサムスター【花の星】
副長:シャドウウェイヴ【影の波】
看護猫:ホーククロー【鷹爪】

戦士:ラウドトランク【大きな幹】

ブルー族

族長:スノウスター 【雪星】
副長:フラクステイル 【亜麻色尻尾】
看護猫:ペイルフェイス 【青白い顔】

戦士:シャイハート 【臆病な心】


その他猫たち

コールドフラワー【冷たい花】
ワンホーン【一本角】
 
チュニィ(浮浪猫)





__________________________________________
吾輩は猫である。小説を完結させたことは数えるほどしかない。
何でもそれは吾輩の飽きっぽい性格とだらしなさのせいだということは記憶している。
吾輩はこの小説で改めて頑張ろうと試みる。しかもこの小説は吾輩の唯一誇れるものである。
この小説は吾輩の好きな暗いものがとことん詰まったものという話である。  (吾輩は猫であるから抜粋)


私のこと覚えていますか?新しくBBSに来た方々は私のこと、知らないかと思います。
諸事情により、数か月間活動を停止しており、そしてゆきんこ様にも無理なお願いをお引き受けいただきました。
この小説は唯一私が誇れる?小説です。
かけもちなのは十分にわかっています。手をつけたまま放置の作品もあります。
ですが、数か月間、活動こそできませんでしたが頭の中で一年間練りに練ったこのリメイク作品。
多くの方に読んでもらいたいと思っています。
この作品から再出発を遂げたいです。

一週間、または数週間にまとめてアップしていきたいと思っています。
よろしくお願い致します。


最終編集者 レパードクロー [ Thu Nov 03, 2016 7:26 pm ], 編集回数 4 回
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by レパードクロー on Sun Oct 30, 2016 8:06 pm

第1章  水面に潜む野獣




コポリ、と一掴みの小さな泡たちが口の端から漏れた。それは頼りなくて、弱弱しくて、なんとも言い難い泡の塊だった。
ゆらゆらと水面へと泡は上昇していき、ついにはじけて消えた。

尾びれのかわりに足をもらった人魚姫は最後は泡になって消えていったという。
ならばこの状況は何なのだ?
フッと笑いが漏れそうになって慌てて笑いを飲み込んだ。こんなところで笑ったら最後、全身に冷たい死が駆け巡る。

大きく前足で水をかいた。水流は体をおして毛を水中になびかせた。目をしばたく。やばい、全身が警報をあげはじめている。早く陸に戻らなければここにある泥の一部となってしまう。
だが、そんな思いをあざ笑うかのように、探し求めているものは見つからない。

何か、手掛かりはないだろうか?

今や気分は人魚姫などではなくて追い詰められた探偵だった。
早く!酸素プリーズ!脳が叫びまくっている。腹の中で大きな怪物がのたうちまわっている気がした。

きらきらと光の柱が水中に何本もある。だが普通は暖かさを分け与えてくれるはずの日光は凍え切った体にはなんの効果もないだろう。


ダメだ。もう無理。

限界を悟って、必死に足をばたつかせた。上へ上へ。だが体中が言うことを聞かず、鉛のように重たい足を振り回すのが精いっぱいだった。泳いでいるとは思えない恰好ながらも水面まではあと数センチ。
あと少しで___。


「ぷはっ!」

冷たい空気をむさぼるようにして吸う。肺いっぱいに空気を送り込むと少しは体温があがった気がした。
だが安堵感と同時に寒気が襲ってきた。当然だ。氷の張った水中に真冬に飛び込んで何分間かずっとそのままだったのだから。

首から上だけ水面に出してガチガチガタガタと激しく震えているとケタケタという高い笑い声が聞こえてきた。

顔を上げると陸上で美しい黒猫が腹をよじり、爆笑している。笑いながら必死に呼吸しているようでひっひっという
声になっていた。

しばらくすると黒猫の発作もおさまり__まだ目に若干涙の残っているものの__やっと正面を向いた。
明るいブルーの瞳はおかしそうに光っている。
なんだよ、そんなに笑うかよ!と怒鳴りたい気分だったが一言反論するたびに百倍になって帰ってくるのでやめておいた。ただし、ちゃんと反抗的な目は彼女に向ける。

「何、リト、あんたこんな時期に水泳してんの?度胸あるわねぇ」

「あのね、好きでしているわけじゃないんです」

リトとよばれた雌猫はふくれっ面で答えた。
リトルムーン、戦士猫の中でも一番小さな新米戦士である。自力で獲物を捕った回数は__9回。


「せっかく10匹記念のハツカネズミだったのに川にポチャしちゃって.....」

「で?この獲物の取れない時期、せっかくつかまえたのにもったいない。
 悔しいから拾い上げてやる!って思ったのねあんたは?」

「.....見事な要約です」


黒猫、パンサースポットは呆れた、とつぶやいてぐるりと首を回した。
雄猫にくわえ雌猫さえも魅了してしまう彼女の動作に何一つ不完全なものはない。すべての言動に美しさが見られる。そしてなぜ話していないときでさえその余裕っぷりを見せつけられるのかが知りたい。

「そのハツカネズミ何センチよ?」

「えーっと、しっぽ除いて5センチくらい」


ちょっと待て、なぜそこで黙ってしまうパンサースポット!つーか同情のまなざし向けんな!

「まあそうとうトロかったんでしょうよそのネズミ」

「そういうあんたはなんか捕まえたの?」

「もちろん。ほら、あたしってスーパーウーマンだから?」

そう言って得意げに足元に置かれたスズメを差し出した。くそお、と悔しがって地団太を踏むリトルムーンを見事に無視してパンサースポットはさっと長い尻尾を振った。

「ほら、帰るわよ。
 あんたびしょ濡れで震えっぱなしじゃない」










_________________________________________________
プロローグはないです(笑)
いきなり第1章から入るのもどうかと思いましたが構成上そのまま突っ込みました。
次は第2章<腐敗猫>です。
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by レパードクロー on Sun Oct 30, 2016 8:56 pm

第2章  腐敗猫





濡れて重たくなった毛はぴったりと体に張り付いてぬめりぬめりと光っていた。
肉球に感覚はもうなくてゴツゴツとしたものを引きずっているかのように足取りは重かった。
そんな様子のリトルムーンなどどこ吹く風でパンサースポットは軽やかに素早く、そして跳ねるようにかけていく。

もちろん彼女の口には戦利品__つまり獲物のスズメがくわえられており、反対にリトルムーンの口は空っぽだ。
おまけに水泳で体力をだいぶ消費したため、腹もさっきから大コーラスだ。

震えはいまだに止まらず、寒気は消えてむしろ体中が熱っぽくてだるかった。

「ほーら、ちゃっちゃと歩く!そーれピッピッ!」

「あんた絶対あとで殺してやる.....」

ああ、と安心して言葉が勝手に出てきた。もうキャンプの入り口が見える。鼻は中に水が入って凍っているとしか思えない冷たさで何もにおわなかったが、おそらく大勢の猫の匂いがしているはずだ。

突如、見えない何者かにドンと押され、リトルムーンは顔から凍った水たまりに突っ込んだ。
幸い流血はなく、額がひりひりとする程度だったが、それでもしばらくたちあがれなかった。
起き上がったときにはイライラが最高潮で、普段は気のいい彼女でもマグマが噴火すんぜんなのは抑えようがなかった。

「な、なによ一体........」

「ごめんなさい、リトルムーン。小さすぎて気づかなかった」

子猫らしい甲高い声で謝ったのはピアニーキットだった。この少女、少しわけありなのだがひとまずそれは置いておく。


「小さいってあんたねぇ、子猫のくせに何言ってるのよ!?」

「だって森で一番ちびじゃん」

「ああ!!??」

「落ち着きなよ、リト。この子はあくまで第三者の目線から事実を物語っているだけです」

「うんうん」

「なにパンサースポットにすりよってんのよ!ってか目の前でねー、とか言い合うな!
 傷つくわ!」

「.....」
「.....」

「だからさっきもいったけど同情の目であたしを見るなぁー!」

パンサースポットはニヤニヤ笑い、ピアニーキットはゲスい笑い声をあげて転げまわっている。

「このガキ!三秒で地面をなめさせてやるわ!」

「ガキ相手に決闘はやめときなさい。あんた負けるから」

ピアニーキットはまたもたコロコロと笑い転げてじゃーねーといいながら森のほうへと走っていった。
ぶっすーとむくれたリトルムーンを前にパンサースポットはわかってるわよ、といった笑みを浮かべて頭をよしよしと撫でた。



キャンプの中にも雪は降り積もっており、猫たちは雪のかからない部屋の中に閉じこもっていてうろついているのはほんの何匹かだった。
中央の獲物置き場はがらんとしていて泣きたくなるようなわずかな量の獲物しか積み上げられていなかった。
パンサースポットはそのなかにポトリとスズメを落とし、スズメよりもずいぶん小さなネズミを二匹つかんだ。

口の悪い彼女だって一族が最優先なのだ。

その時口を真一文字に結んだ青年がずいっと現れた。
シュライクウィングだ。黒い滑らかで艶やかな毛は深夜パトロールでいくばくか輝きを失っていたが、
それでも猫たちをすれ違いざま振り向かせる程度には美しかった。

「おい、リトルムーン」


何よもー、と思いながら彼を見上げてぎょっとした。

緑色の瞳はぎらぎらと激しい怒りに燃えていた。その瞳に浮かんでいるものは怒りと嫌悪の表情で、
それ以外は何も読み取れなかった。

「何よ」

「お前、その毛はどうした?」

え、やだ、何。心配してくれる系デスか?
普段ツンツンしているけれど実は優しいみたいなノリデスか?

だがパンサースポットが事情を説明するとその希望は打ち砕かれた。
やっぱりこいつは苦手だ。

「馬鹿か?気は確かか?なんで貴重な獲物を落とす?」

「ゆ、雪でつまづいて転んで......」

「一族のみんながどれほど腹を空かせているのか知らないのか?
 獲物を無駄にしたくせに自分は食べるのか?」

「何よ!あんただって獲物とってないじゃない!」

「お前は部族の冬の厳しさを知らないのか?
 戦士になったんだからちょっとはマシになれよ!」

この一言でリトルムーンはプッツンときれた。

「よく冬の厳しさが語れるわね!
                飼い猫の__腐敗猫のうまれのくせに!
                あなたが何を知っているのよ!」

言い過ぎだ____。
声に出した瞬間そう思ったが、針のように鋭い言葉はもう戻っては来ない。
シュライクウィングは一瞬傷ついた顔をしたが、すぐにそれは消えて怒りでクシャッと歪んだ顔で吐き捨てるように怒鳴った。


「俺を腐敗猫と呼ぶな!!」


次の瞬間、頬がかたいものにあたり、遅れて鈍い痛みが走った。
かたいものは凍り付いた地面で、シュライクウィングに頬を殴られて吹っ飛ばされたと認識するまでに数秒かかった。

パンサースポットに助けてもらい、なんとか起き上がるころにはシュライクウィングは荒々しくキャンプからでていってしまった。

「いてて」

「ま、どっちもどっちね。
 看護部屋に行くわよ。あんた、口の中切れてるわよ」

パンサースポットの言う通りで前足で口元を触ると生温かい血が出ていることに気づいた。

のろのろとたちあがり、看護部屋へ向かう足取りはとてつもなく重たかった。
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by ウィンターリーフ@冬葉 on Mon Oct 31, 2016 7:38 am

新小説おめでとうございます! レパードs、また会えて嬉しいです^^
絵が上手だなあと思ったのもありますが、題名が素敵ですね! 『愛の結晶』……想像して見るととても素敵!
リトルムーン、大人しそうと思わせて結構荒っぽい口調、「このガキ!」が良かったですw

執筆頑張ってください!
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by ティアーミスト on Mon Oct 31, 2016 11:02 am


豹さんの新小説!お待ちしておりました!

劣等生でも負けず嫌いなリトルムーン、思わず応援したくなります。 キャラクターの描き方がとても丁寧で、あっという間に二章
読んでしまいました。さすがです(*´ω`*)

砕け散る愛の結晶…… 暗いものがとことんつまっているということで覚悟して読みますああもう楽しみ過ぎる!←

更新を待ち遠しく思っています。執筆ふぁいとです~
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by レパードクロー on Tue Nov 01, 2016 3:43 pm

ウィンターリーフ@冬葉 wrote:新小説おめでとうございます! レパードs、また会えて嬉しいです^^
絵が上手だなあと思ったのもありますが、題名が素敵ですね! 『愛の結晶』……想像して見るととても素敵!
リトルムーン、大人しそうと思わせて結構荒っぽい口調、「このガキ!」が良かったですw

執筆頑張ってください!

お久しぶりですウィンターs^^
絵はなんとなく描いてみましたが、褒めていただいて嬉しいです。
題名は本文をかいているうちにすらーっと出てきたのでこれでいいかなと思いました。
リトルムーンは今回とにかく子供っぽく純粋に.....を心がけています。

ウィンターsのこと、応援しています!
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by レパードクロー on Tue Nov 01, 2016 3:45 pm

ティアーミスト wrote:
豹さんの新小説!お待ちしておりました!

劣等生でも負けず嫌いなリトルムーン、思わず応援したくなります。 キャラクターの描き方がとても丁寧で、あっという間に二章
読んでしまいました。さすがです(*´ω`*)

砕け散る愛の結晶…… 暗いものがとことんつまっているということで覚悟して読みますああもう楽しみ過ぎる!←

更新を待ち遠しく思っています。執筆ふぁいとです~

おひさしぶりです^^

ウィンターsへの返信でも書いた通りとにかく純粋で子供っぽいを意識しています。
キャラクター一匹一匹の個性はものすごーく大切なのでこちらも心を込めてかいています。
多分二章一気に読めたのは中身がスカスカだからと思いますね笑

暗い部分は後半ででてきます。もう裏切って裏切ってという感じです。
応援ありがとうございます。頑張ります!
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by レパードクロー on Tue Nov 01, 2016 4:51 pm

第3章   少女の幻想





勢い任せでキャンプを飛び出してきたけれども行く当てはないし、何かをしたいという気分でもなかったのでブラブラと歩いているといつの間にかリトルムーンが落ちたという小川のそばまで来ていた。

一面に氷が張っていて見るだけで寒くなってくる。

突然強めの風が吹き、毛皮におおわれているはずの体の奥にまで冷たさがしみてくる。
ぶるりと大きく震えた。その時ふっと先ほど目にした大きく震えっぱなしの雌猫の姿が浮かんだ。

バカだな、ほんと。
ネズミ一匹で川に飛び込むなんて。
見習いでもしない。

濡れた毛で痩せた身体がはっきりとわかるあの姿を思い出すと自然と口元が緩む。
思えば彼女もいつもそうやってドジっては笑っていた。

人のことは散々からかって甲高い声で笑っていたくせに、自分が言われると数時間はすねっぱなし。
そのくせ放っておくと寂しがって常に誰かといないと不安な性格。

先程のリトルムーンの姿と幼い彼女の姿が不思議にも自然に重なって見えた。

だが緩んだ口元もすぐにいつもの真一文字の口になった。

何かが、いる。


殺気ともつかぬ好奇心のような感情を抑えることもなく、自分のそばにじりじりと接近してくる。
相手から近付いてくるならば好都合だ。
一瞬でなぎ倒して喉笛食いちぎってやる。

後ろだ。

相手は油断しているのか、パキリという小枝を踏む音が聞こえた。

くるりと振り向いて雪のかたまりに突進していった。相手がぎょっとして怯えたのが匂いでわかった。
その時、雪のかたまりはずずっと動き叫び声をあげた。
そう、雪のかたまりと思ったそれは___。


「こーさん!降参ってばぁ!」


真っ白な毛皮に包まれた物体。前のほうには明るいブルーの瞳が悪戯っぽく光っている。

「忍び歩きは体重移動が一番大事っていつも言ってるだろ、クラウドファー」

「はいはい」

一族の愛するマスコットキャラ、クラウドファーだった。その名の通り雲とも雪とも見えるその純白の毛皮の
遺伝子はいったい誰から受け継いだのかわからない。

父親である族長のグレイシャスターでさえ、青みのかかった灰色の毛なのに真っ白って一体どういうことだ。

そんな彼は自分よりも少しばかり年上なのだが、のんびりとしていてまともにやりやえば恐らく自分が勝つだろう。

「で?俺をこそこそつけてきて何の用だ?
 たまたま一緒になったとかほざいたらぶっ飛ばす」

「さっきのリトルちゃんみたいに?」


もう噂はだいぶ広まったようだ。

頭の片隅にぼんやりと残っている幼い二匹の猫の映像はパチンと消えた。
かわりに罪悪感と恥ずかしさがこみあげてきてシュライクウィングは自嘲気味に笑った。

「.......さっきは俺が悪かった」

「だよねぇ。フツー女子殴るなんて論外だもんねぇ。
 ま、相手が彼女でよかったじゃない」

ほっとけ、とほほ笑んだ。
クラウドファーはおかしそうにひげを震わせて前足で顔をぬぐった。



急に地面が遠くなった。
視界がぐらりと揺れ動いて意識がもうろうとしてくる。


「さよなら!」

必死に走る少女を振り切って灰色の道を渡る。
雨音に紛れてその声はだんだんと小さくなっていき、かすかにしか聞こえなくなった。

再び走ろうとしたとき首にいつもついているはずのものがなかった。
チリンチリンと不愉快な音を出すものだがあれがなければ暖かい家の中には入れない。

落としたのだ。

どうする。戻っていってとるか。
少年にはそれしか選択肢がなかった。

森に向かって駆け出した。
あの灰色の道に来た時、赤い長いものをくわえた猫が走って来た。
ああ、あの子だ。もってきてくれたんだ。

僕はあの子を振り切って逃げたのに。
なんて、優しいのだろう。

声を上げようとしたが、ふとあることに気づいて足を止めた。

同じ容姿の猫がもう一匹いる。

目の前に真っ赤な液体が飛び散った。



「おおおおぅぅぅ!目、覚めた?」

「え.....」

目の前の赤いものは消えて、かわりにクラウドファーがその丸っこい顔に心配そうな表情をして
座っていた。

どうやら夢を見ていたらしい。
何度も何度もみる夢を。

毎晩見るたびにその夢は長くなり、今日は久しぶりにみたせいなのか、かなりはっきりと鮮明な映像だった。

「ぁあ、大丈夫だ」

「久しぶりだねー、うなされるの。
 かれこれ数週間はみてなかったでしょ?」

「大丈夫だ。心配すんな」

「心配してないよ。ただ、死んだりしたらお葬式はでなきゃって思っただけ」

「......頼むから俺の身を案じてくれ」

当分死にはしない。
彼女たちの夢を最後までみるつもりだから。


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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by ライトプール on Tue Nov 01, 2016 5:20 pm

新小説おめでとうございます^^題名かっこいいです!
リトルムーン、純粋で応援したくなります。
更新楽しみにしてます!頑張ってください!

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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by レパードクロー on Thu Nov 03, 2016 6:11 pm

ライトプール wrote:新小説おめでとうございます^^題名かっこいいです!
リトルムーン、純粋で応援したくなります。
更新楽しみにしてます!頑張ってください!

コメントありがとうございます。

題名はできるだけ覚えやすいものを、と思い考えていますが
どうしても作者の好みのミステリアスな雰囲気のものになってしまいます;;

応援ありがとうございます。頑張ります!
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by レパードクロー on Thu Nov 03, 2016 7:46 pm

第4章  〈消えゆく大地〉と〈空の聖地〉










グリーン族の看護部屋は空き地の隅っこにある小さな洞穴だった。
天井にはネズミの足一つ分ほどの穴がいくつか開いており、ちょろちょろと新鮮な湧き水が流れ落ちていた。
リトルムーンは世話になる回数こそ多かったができればあまり来たくない場所だった。

ここにくるとなぜだか耳鳴りがする気もするし、目もかすむ。息苦しくて今すぐここから出たいという衝動に
かられることもしばしばある。

パンサースポットにこのことを話すときっぱりと「看護部屋恐怖症ね」と言われた。



「ごめんくださぁい、スワローフォール?いらっしゃいますか?」

ゆったりと入り口に垂れ下がった苔のカーテンを押しのけて呼びかけたが彼女の返事はなかった。
かわりにその弟子であるアイヴィーハートが薬草のくずを顔中にくっつけて呼びかけに応じた。
どうやら薬草の整理をしていたらしい。

「ああ、今薬草を採りに行ってるわ。何、どうしたの?
 もしかしてケガしたけど__あたしじゃやっぱり、不満?」


言葉の最後のほうはなぜか思いっきり棘を含んでいる気がしたが、気にしないことにする。まあいつものことだ。
機嫌がよいときの彼女はとても優しいが、機嫌を損ねると怒れるアナグマのような感じになってしまう。

残念ながら今回は機嫌が悪いようで、アナグマまではいかないが怒れるイタチ、という感じだった。

アイヴィーハートはお世辞にも手先が器用だとは言えず、看護猫というよりも__戦士が向いている気がした。
そこでリトルムーンは彼女の陰にいる暗褐色の猫に気づく。

「あ、ロータスポーじゃん。何してるの?」

「こんにちは先輩」

優しい目つきの暗褐色の雄猫はにっこりとほほ笑んだ。笑うと双子の妹であるサンダーポーにそっくりである。

「お手伝いです」

照れくさそうに尻尾をくねらせながらロータスポーは答えた。こちらの見習いはアイヴィーハートの弟にあたる。
彼もまた、戦士を志願しているがいつも訓練をするたびにビクついている。
そのうえほぼ毎日看護猫の仕事を手伝っている。なんともちぐはぐな姉弟。

「あとやっててもらってもいい、ロータスポー?」

「もちろんだよ姉さん」


「さて___」

アイヴィーハートがこちらを向いた。

「何したら口から血が流れ出るわけ?」

「えーっと、喧嘩?」

「ったく。あたしは喧嘩の手当てを喜んでするほど暇じゃないのよ」

ぶつぶつと文句を言いながら潰したベリーと薬草を数種類混ぜ合わせた湿布をべちゃっと乱暴に頬に投げつけた。
「痛い!」とリトルムーンが叫ぶのにもかまわず蜘蛛の巣で口の端についた血をぬぐいとる。

アイヴィーハートは「しばらくおさえてて」と言うと、自分はまたもやぶつぶつ呟きながら薬草の束をつくりあげていく。

マリーゴールドとトクサという組み合わせ方から切り傷などにきくもののセットをつくっているようだった。
が、無知なリトルムーンもわかった。しょっちゅうあのセットのお世話になっているから覚えた。

あれはトクサではなく__

「それ、スギナじゃないの?」

「え?」

この「え?」はリトルムーンが発した言葉だ。くるりと振り向くと入り口にケシの花を大量に加えたスワローフォールが
たっていた。彼女はふがふがとこもった声でアイヴィーハートを叱る。

「似てるけどトクサじゃないわ。
 あなた昨日トクサを採りに行ったんじゃないの?
 スギナを採ってきてどうするの?まあ胸やけにはちょうどいいけどまだ在庫はあるわ。
 薬草を無駄にしてはダメよ。」

「......すみません」

アイヴィーハートははっきりとわかるくらいしょげかえり、「もう一度トクサを採ってきます」と言って出て行った。
その背中はどこか小さくて湿布を乱暴に貼られたことなど忘れてしまった。
看護猫とは薬草一つ間違えるだけでも重大なミスだ。一族全員の命を預かっているのだから。

スワローフォールはやれやれと頭を振ると「あの子は戦士になったらいいのにねぇ」と言った。
そしてどさっとケシの花を地面に置くと思い出したようにリトルムーンにそれから、と話し出した。

「あなたはもう腫れがひいているし血も止まったから帰っていいわ」

「ふぁーい」



なかば逃げるように看護部屋を飛び出すと族長とアイヴィーハートに出会った。
ああ、これは入っちゃいかん話だべ、と思いながら食べ損ねたネズミを獲物置き場からとって雪の陰に隠れた。

聞いてはいけない話だとわかっているが好奇心に負けた。

「........お前は本当にそう思っているのか」

「はい族長。あたしは......もう看護猫でいられません!嫌なんです。あの仕事は。
 でも、こんなことを言ったらスター族に見捨てられて〈消えゆく大地〉へ行かなくてはいけないと思うんです!」

「落ち着け。スター族は寛大だ。きっとお前は許される」


〈消えゆく大地〉とは一族のはみ出し者や掟を破ったもの、スター族に入ることを拒否した猫が死んだ後いく場所だ。
逆に普通の猫はスター族の住処である〈空の聖地〉にいく。
ちなみに〈消えゆく大地〉からも拒絶された猫の魂はふらふらと空をさまようという。

なぜその場所が〈消えゆく大地〉とよばれているかというとそこにいった猫たちは穢れに触れてしまい、一度でも
穢れてしまった猫はだんだんと猫としての魂が消えていき、残虐な生き物になってしまい、最後は自滅してしまうからだ。

部族猫は穢れを最も嫌い、最も恐れる。

「スワローフォールを俺の部屋に呼ぶんだ。大丈夫、お前は戦士としてきっと成功していく」

「わかりました」

アイヴィーハートがのろのろとした足取りで看護部屋に戻っていくのが見えた。
彼女はこれからどうなってしまうのだろう。

〈消えゆく大地〉と聞いた瞬間、心の奥深くが懐かしさでちくりと傷んだような気もしたが、気のせいだろう。
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by ライトハート on Fri Nov 04, 2016 11:51 am

遅れましたがリメイクおめでとうございますっ!
面白くて続きが気になります!!!レパードクローさんの文章力が羨ましいです(*´ω`)
お互い頑張りましょう!
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by レパードクロー on Sat Nov 05, 2016 3:47 pm

ライトハート wrote:遅れましたがリメイクおめでとうございますっ!
面白くて続きが気になります!!!レパードクローさんの文章力が羨ましいです(*´ω`)
お互い頑張りましょう!

コメントありがとうございます!
面白いと言っていただけて光栄です...(´∀`*)ポッ
文章力は全然ないですよ、ほんと!ひかりすずsのお話、いつも参考にさせていただいてます。
お互い頑張りましょう!
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by レパードクロー on Sat Nov 05, 2016 4:44 pm

第5章   グリーンツリー






「みんな!グリーンツリーに集まれ!集会を始めるぞ!」

族長の声で目を覚ました。もう夕日は沈みかけていて、戦士部屋となっている洞穴にかすかに差し込んできた。
隣でも先輩戦士のミストファーや同期のジャービルイヤーがもぞもぞと動いている。
口が張り裂けるほどの大あくびをしてリトルムーンもたちあがった。


部族猫は3つの地域に分かれて暮らしている。グリーン族は小川の流れる森に。ブルー族は湿気の多い沼地に、オレンジ族は広大な荒地にわかれて暮らす。中央には大きな湖があり、その湖にでっぱるようにして突き出した丘、ここは月に一度の
大集会を開く場所である。

もちろん〈足長〉たちも森を出ればたくさんとまではいかないがいる。

グリーン族は森の中にある谷にはさまれた空き地に住んでいる。周りは自然にできた岩壁で猫が飛び降りれば確実に
首の骨を折るので敵は入ってこない。入り口は2か所のみ。
岩壁にはたくさんの洞穴や割れ目があり、そこを寝床にしている。
中央にはグリーンツリーとよばれる大きな古木がある。

グリーンツリーは葉はつかないほど年老いた巨木で、巨木と言いながら老猫の腰が曲がっていくようにこの木もまた、ねじれ
て曲がり、一番高い場所でも大人なら飛び降りれる高さだ。
その太いツルツルの幹には何層にも折り重なった代々の族長たちの爪痕が深く刻まれている。

オレンジ族のキャンプはほとんど地下にあるといってよい。岩に囲まれてぽっかりと開いた穴のなかに住んでいるのだから。
その穴の中にも岩は転がっているらしい。

ブルー族は水辺のジャングルのような場所にキャンプを作っているようだ。
彼らは性格がどの猫もひねくれているため、餌としている魚の骨一本も渡さない。
そのためほとんど誰もキャンプに入ったことがない。


かつてはもう一つ、ジャングルと森にはさまれた場所に大きな部族がすんでいたらしいが、大昔になぜか出て行ったらしい。
その部族の名はシルヴァー族という。



空き地に出てみると、まだ半数ほどしか集まっていなかった。
パンサースポットを見つけ、そちらへ行こうとすると、真っ赤なかたまりがぶつかってきた。

名前の通り燃えるような赤毛の猫、無邪気に輝く瞳、リトルムーンの兄レッドブレイズだった。

「我が妹よ!帰っていたのか!」

「うわあああその泥だらけの体でまとわりつくなクソ兄貴!」

「聞け我が妹よ。俺は今日世にも珍しい金色の悪魔を退治した。喜べ」

「世にも珍しいのはあんたみたいな生物だよ」

「まあそう急ぐではない。今教えてやろう。その金色の悪魔の一般的な名前は__」

「会話嚙み合ってねーよクソ兄貴。そもそもなんだよ悪魔って」

「おほん、一般的な名前は【ヒキガエル】であり、非常に危険な__」

「頼むから食べれるもの追いかけてくれない?」

「非常に危険な思考の持ち主である」

「あんただよそれ!」

会話の嚙み合わないリトルムーンとは変な方向でずれてしまったレッドブレイズはにまっと笑った。
そして尻尾でリトルムーンのひげをはじく。とにかくこの猫は誰かと喋っていないと気がすまない。
その相手をするのは主に誰と決まったわけではない。基本フレンドリーなのだ。

ただほっとくとこの猫、何を言い出すかわかったもんじゃない。エネルギーは年中ありあまっているのだ。
昨日だっていきなり「エビの人口養殖をする!」と叫んで沼地に向かったようだ。しかしエビは取れず無念のうちに帰宅。
そして今日も挑戦し、ターゲットは哀れなヒキガエルに移ったようだった。

「あ、そういえば族長が呼んでたばい。はよいったほうがよか」

「はよ言えそれを!っていうかなんで急に方言なのよ!?」

本当に何を考えているかわからないやつである。



「遅れてすみませんっ!」

息を切らして族長部屋に飛び込むといつもの銀色の毛並みの猫はおらず__かわりに今最も会いたくないやつがいた。

「.....昼間は俺が悪かった」

「別に。こっちこそすみませんでしたぁ」

「ネズミ捕まえたの、えらいよ」

「なんでそこで褒めるのよあんたは!」

「人がせっかく褒めてんだから素直に喜べねえのかよ幼稚園児!」

「いきなり言われても気持ち悪いだけですよーだっ」

「なら褒めてもらう気になれば教えてくださいませーだっ」

「こちとら年中無休にきまってんじゃない石頭っ」




「ごめん、やっぱ組み合わせまずかった?」

ほがらかな声がして振り向くと、青灰色のような銀色のような毛並みの族長、グレイシャスターが困った顔をして入って
きたところだった。

シュライクウィングはすみません、と頭を下げる。

いーよいーよ、若い時はそんなもんだよ、とグレイシャスターは鼻歌を歌いながら言った。

「今来てもらったのはピアニーキットとセイブルキットのこと。
 二人とも......指導者になる気、あるよね?」

シュライクウィングははっとしたように顔を上げ、大きくよく通る声で「あります」という。
君は?という風に族長に見つめられたので激しく縦に頭を振る。
シュライクウィングからは呆れた目で見られた気もするがそんなことはどうでもいい。

「ありがとう。今聞きたかったのはその返事。また近いうちに来てもらうよ。さあ、集会に行こうか?」

「はい、族長」

族長に一礼して部屋をでる。何の話だったかを聞きにみんなが集まるのも見えたがまずは母親のところへいこう、
と思った。

指導者になれる__その思いで頭はいっぱいで子猫にぶつかられたことも気にならなかった。
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by ラッキークロー@LC on Sun Dec 04, 2016 6:28 pm

 れれれれっれれれっれぱーどくろーさんの新小説!!!

 レパードクローガチ勢なのでとてもうれしいです。あっという間に五章まで読み切ってしまいました。

 親しみやすい口調で描写される、目の前で会話が繰り広げられているのではないかと錯覚してしまうような質感あふれる猫たちの会話、単一なのに全く平凡さを感じさせない文体......相変わらずの文才、もうときめきがおさまらない!!!

 更新を両手に旗持ち応援しています!
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by レパードクロー on Mon Dec 05, 2016 4:35 pm

ラッキークロー@LC wrote: れれれれっれれれっれぱーどくろーさんの新小説!!!

 レパードクローガチ勢なのでとてもうれしいです。あっという間に五章まで読み切ってしまいました。

 親しみやすい口調で描写される、目の前で会話が繰り広げられているのではないかと錯覚してしまうような質感あふれる猫たちの会話、単一なのに全く平凡さを感じさせない文体......相変わらずの文才、もうときめきがおさまらない!!!

 更新を両手に旗持ち応援しています!

コメントありがとうございます!

あっという間に五章まで読めたのは多分中身がつまっていないからだと思います( ´∀` )
いつもいつもあたたかいコメントをくださるラッキークローさんに救われております。真面目に感謝です。
平凡な文章だからストーリーも一緒ですがそれでも読んでくださる方がいるのには嬉しいです。
私もラッキークローさん愛ならだれにも負けませんよ??

ラッキークローさんのことを思って頑張ります^^
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

投稿 by レパードクロー on Mon Dec 26, 2016 10:34 am

第6章  ストライプスター





薄暗い穴の中を身をかがめて走る。白い毛が土の壁をこする。
痩せてあばら骨が浮き出た身体を隠すように、毛はまばらに生えている。
冷たい空気を吸っていても頭の中では爆発しそうなくらい興奮していた。
与えられた任務を果たし、その報告に行くのだから。

嗚呼、なんて素敵なのだろうか!
自分の尊敬し、愛する方に命じられた任務を完璧にこなしている。
やせ細った雌猫はうっとりとしたまなざしで入り組んだ穴の中を走った。ぽとりぽとりと水滴が落ちてきた。鬱陶しい。

だんだんと光が見えてきた。

息もつかずに突っ切り、穴の中に飛び込んだ。そこは洞窟になっている。
天井には小さな穴がいくつかあいており、光が差し込む。
茶色い木の根がむき出しになっているところからは水が湧き出ていた。ガサゴソと不気味な音がする。

あの方は中央の奥にある岩に座っていた。

うろうろと部屋の中を歩き回っていたり、獲物を一気に食べていたりしている薄汚れた猫たちはこちらを振り向いた。
何匹かはいそいそと這うようにこちらへきて耳をぴたりと伏せ、服従と敬意を示す。

そんな猫たちには目もくれず、自分は尾を高々とあげてあのお方だけを見て歩いた。
暗闇と湿気に足音を奪われる。張りつめた空気を吸い込み勇気を奮い立たせる。

「我が君….ストライプスター……」

岩の上の雄猫は振り向いた。血のこびりついた黄色の汚らしい牙をむいたその猫の目は、氷のように冷たかった。
空気が、変わる。すべての猫がいやらしい目つきでその猫に注目した。

「野良猫の態度は、変わったか?」

大柄で傷だらけのその体にはあわない細く小さな声だった。喉元には食いちぎられたような傷が走っている。そのせいだろう。しかし大きすぎない声はかえって静寂の中に響き渡った。

「ええ。子供のうち一匹の頭蓋骨をかみ砕いたらすぐにおとなしくなりました。
 我々に命を捧げる、そう約束させました我が君。
 決戦の日、彼らは味方となります。」

「手ぬるい」

彼は冷たく言い放った。その場にいる全員がびくりと肩を縮めた。

「ですが、我が君。ぐずぐずしていると部族猫が来ます。
 奴らは飢えたハイエナのように我々の臭いを嗅ぎつける」

「それも、そうだな」

ストライプスターは相変わらずの無表情だ。しかし目には生気がうっすらと宿っている。
コールドフラワーはほっとした。罰される心配はない。

クルクルと低くストライプスターは唸った。

「次の満月の晩までにはあの憎いグリーン族を破滅させることができるだろう。」








遠く離れたキャンプで寝ていたリトルムーンの背筋に悪寒が走った。
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Re: 砕け散る愛の結晶  (星になるリメイク作品)

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