MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
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WARRIORS BBS :: 小説投稿フォーラム :: 完全オリジナル猫小説
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それぞれのお話(過去の話など)をどういう風に見たい?
MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~
闇の精霊の力によって、<暗黒の世界>になってしまった。
そんな未来を未然に防ぐことしか希望は残っていなかった。
唯一生き残った一匹の雄猫が今、「未来を取り戻す旅」へ。
果たして未来の運命は____!?
【重要キャラクター】
ホク
白い毛皮にオッドアイの目の雄猫。
<シャイニングスター>という魔法の杖を愛用している。
魔力が高く、未来からやってきた珍しい、光属性の猫。
性格は冷静でぶっきらぼう。警戒心が少し強い。
だが、旅をしているうちに……?
ルフィーナ
赤っぽい毛皮に琥珀色の目の雌猫。
火の国の猫で、魔法を信じている。
陽気でフレンドリー。魔法を信じていない火の国を変えたい気持ちが強い。
アイビス
薄紫色の毛皮に緑色の目の雌猫。
草の国の猫。魔力が弱いかわりに運動神経が抜群で、力持ち。
歌と踊りが得意。祭りに毎回出場して優勝する強者。
しっかり者で敬語で話す。穏やかな性格。
ファイト
青っぽい灰色の毛皮に青い目の雄猫。
<水の国>出身で、ウォータースクールの生徒。
優秀でハンサムだが、性格が上から目線で自己中心的。
優秀な理由は、みんなから見えない所で必死に努力している努力家でもある。
いつも自信にあふれているが、雌猫だけは弱い。
??????
白い毛皮にオッドアイの雌猫。
顔には、顔に斜めの傷が入り、耳が片方裂けているが、
その美しさは衰えていない。謎の雌猫で、この物語の鍵を握っている。
シャイニング
古代文字を洞窟の壁にびっしりと書いた、英雄の猫。
だが、正体は謎に包まれたまま。
※追加予定
【説明】
<火の国>
山に囲まれた国。山のせいで孤立しており、この国だけ魔法を信じず、
本来の野生のまま生活をしている国。火属性の猫が少ないのは、<火の国>の猫達が魔法を信じていない事が原因。
<草の国>
緑豊かな穏やかな小さな国。お祭りを開催する事があり、それを見にわざわざ<水の国>から来る猫もいる。
イメージとしては田舎のような感じ。リーフスクールという、小さな学校もある。
・草の舞フェス
満月の夜に開催される、有名なお祭り。歌や踊りを楽しむ。
元々<草の国>の文化の一つだったが、そのお祭りに魅了されて
<水の国>からわざわざ足を運ぶ猫もいる。
この祭りで毎回優勝する「アイビスチーム」がお目当て。
今では<和の国>にまで広まっているらしい。
<水の国>
三つの国の中で一番文化が進んでいる国。たくさんの属性の猫が住んでおり、生活している。
水が綺麗で魚が美味しいと有名。この国に行った事ない猫なら誰でも憧れる都会。
ウォータースクールがあり、たくさん魔法の事が学べる。
<光の島>
暴風地帯の中にある、不思議な島。昔そこで実験が行われていたらしいが、海が穏やかじゃなくなり、そこにいると危険なので中止になった。
どうしても行きたい場合は光の迷路があるが、そこに入るとまず出れない、複雑な迷路。
<和の国>
和風でできた国。<洋の国>とはなれた大陸にあり、文化が異なる。
<北の国>、<南の国>、<東の国>、<西の国>がある。
魔法のすばらしさを伝えている集団がいる。
ミツヨやツキヨたちはこの国で生まれた。
<精霊>
魔法の力の源。いつもは<光の島>にいる。研究も進んでいるが謎がまだまだ多い。
今、火の精霊、草の精霊、水の精霊、(光の精霊)、(闇の精霊)がある。
光属性の猫は絶滅している事になっている。闇の精霊は、負の感情で出来上がった、本来いてはいけない精霊。
<ダークホール>
負の感情が大きくなると発生する。吸収力が凄く、吸い込まれると<暗黒の世界>に閉じ込められてしまう。
闇の精霊と関係している。
【目次】
【プロローグ 暗黒の未来で】
【第一章 平和な過去へ】
【第二章 魔法を信じる気持ち】
【第三章 キツネ達との戦い】
【第四章 草の舞フェス】
【第五章 <ダークホール>】
【第六章 二つの似ている石】
※追加予定
スペシャルエピソード
(ホクの過去、ルフィーナの夢に向かって突き進む話など盛りだくさん(予定)。完結してから、ここでまとめて投稿します。)
闇の精霊の力によって、<暗黒の世界>になってしまった。
そんな未来を未然に防ぐことしか希望は残っていなかった。
唯一生き残った一匹の雄猫が今、「未来を取り戻す旅」へ。
果たして未来の運命は____!?
【重要キャラクター】
ホク
白い毛皮にオッドアイの目の雄猫。
<シャイニングスター>という魔法の杖を愛用している。
魔力が高く、未来からやってきた珍しい、光属性の猫。
性格は冷静でぶっきらぼう。警戒心が少し強い。
だが、旅をしているうちに……?
ルフィーナ
赤っぽい毛皮に琥珀色の目の雌猫。
火の国の猫で、魔法を信じている。
陽気でフレンドリー。魔法を信じていない火の国を変えたい気持ちが強い。
アイビス
薄紫色の毛皮に緑色の目の雌猫。
草の国の猫。魔力が弱いかわりに運動神経が抜群で、力持ち。
歌と踊りが得意。祭りに毎回出場して優勝する強者。
しっかり者で敬語で話す。穏やかな性格。
ファイト
青っぽい灰色の毛皮に青い目の雄猫。
<水の国>出身で、ウォータースクールの生徒。
優秀でハンサムだが、性格が上から目線で自己中心的。
優秀な理由は、みんなから見えない所で必死に努力している努力家でもある。
いつも自信にあふれているが、雌猫だけは弱い。
??????
白い毛皮にオッドアイの雌猫。
顔には、顔に斜めの傷が入り、耳が片方裂けているが、
その美しさは衰えていない。謎の雌猫で、この物語の鍵を握っている。
シャイニング
古代文字を洞窟の壁にびっしりと書いた、英雄の猫。
だが、正体は謎に包まれたまま。
※追加予定
【説明】
<火の国>
山に囲まれた国。山のせいで孤立しており、この国だけ魔法を信じず、
本来の野生のまま生活をしている国。火属性の猫が少ないのは、<火の国>の猫達が魔法を信じていない事が原因。
<草の国>
緑豊かな穏やかな小さな国。お祭りを開催する事があり、それを見にわざわざ<水の国>から来る猫もいる。
イメージとしては田舎のような感じ。リーフスクールという、小さな学校もある。
・草の舞フェス
満月の夜に開催される、有名なお祭り。歌や踊りを楽しむ。
元々<草の国>の文化の一つだったが、そのお祭りに魅了されて
<水の国>からわざわざ足を運ぶ猫もいる。
この祭りで毎回優勝する「アイビスチーム」がお目当て。
今では<和の国>にまで広まっているらしい。
<水の国>
三つの国の中で一番文化が進んでいる国。たくさんの属性の猫が住んでおり、生活している。
水が綺麗で魚が美味しいと有名。この国に行った事ない猫なら誰でも憧れる都会。
ウォータースクールがあり、たくさん魔法の事が学べる。
<光の島>
暴風地帯の中にある、不思議な島。昔そこで実験が行われていたらしいが、海が穏やかじゃなくなり、そこにいると危険なので中止になった。
どうしても行きたい場合は光の迷路があるが、そこに入るとまず出れない、複雑な迷路。
<和の国>
和風でできた国。<洋の国>とはなれた大陸にあり、文化が異なる。
<北の国>、<南の国>、<東の国>、<西の国>がある。
魔法のすばらしさを伝えている集団がいる。
ミツヨやツキヨたちはこの国で生まれた。
<精霊>
魔法の力の源。いつもは<光の島>にいる。研究も進んでいるが謎がまだまだ多い。
今、火の精霊、草の精霊、水の精霊、(光の精霊)、(闇の精霊)がある。
光属性の猫は絶滅している事になっている。闇の精霊は、負の感情で出来上がった、本来いてはいけない精霊。
<ダークホール>
負の感情が大きくなると発生する。吸収力が凄く、吸い込まれると<暗黒の世界>に閉じ込められてしまう。
闇の精霊と関係している。
【目次】
【プロローグ 暗黒の未来で】
【第一章 平和な過去へ】
【第二章 魔法を信じる気持ち】
【第三章 キツネ達との戦い】
【第四章 草の舞フェス】
【第五章 <ダークホール>】
【第六章 二つの似ている石】
※追加予定
スペシャルエピソード
(ホクの過去、ルフィーナの夢に向かって突き進む話など盛りだくさん(予定)。完結してから、ここでまとめて投稿します。)
最終編集者 ライトハート [ Wed Mar 01, 2017 2:46 pm ], 編集回数 6 回
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
Join date : 2015/05/15
所在地 : 日本
Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【プロローグ 暗黒の未来で】
過去の者達よ。未来がどんなものか、確かめたいか?
未来には希望、夢があるだろう。君たちのもっている『それ』は世界を動かす。
日々努力を重ね、『それ』に向かって突き進む君たちには、言いにくい事がある。
未来は闇しかない。希望など、夢など、何一つない。
ましてや、時すらもない。朝が来なければ昼も来ない。夕方も来ない。
季節も訪れない。そんな未来が想像できるだろうか?
太陽が見えない、この世界に、希望、夢などは何も残っていない。
☆
一匹の雄猫はこの暗い世界で、ただ一人ぽつんと立っていた。
世界は終わった、と言ってもいいだろう。マジックコスモスは暗黒の世界、闇の精霊の力で支配されていた。
その闇の精霊は、君たちがつくりあげた。負の感情は行き場を無くし、やがて猫の形になり、怒り、復讐心を燃やしていた。
負の感情は、闇の精霊をつくりだす。何もかも石に変え、暗闇の世界にする、協力な魔法。
そんな壊れた世界に、白い雄猫だけが生き残った。
何も変わらないなら、一層の事自分も消えればよかったのに。
そんな思いが心をつらぬいた。
この魔法の杖、<シャイニングスター>でひと想いにやってしまおうか、と思ったとその時、
突然光が現れた。その光は、どこか懐かしい感じのする、淡くて優しい光だった。
段々と見覚えのある猫の形になっていく。星の光がまだ存在していたとは。
『ホク』
涙が出るほど、懐かしい暖かみのある声が、自分の事を呼んだ。
「お母さん?お父さん?」
家族とは、幼い頃とある事故で亡くなった。ホクだけが生き残った。姉もいたのだが、あの日を境に姉とは離れ離れだ。
それからというものホクは独りで生きる知恵を授かり、魔法まで使えるようになった。ちゃんとしたスクールには行ってないが、成長した。
姉も成長し、生きていただろうか?それとも______。
『元気そうでなによりだ』
父親が、いつものキビキビした声で言った。
『あなたに託したい事があるの』
「託したい…事?」
『『未来を救え、ホク。まだ希望はある』』
『『過去に行って、この未来を変えるのだ』』
『『<精霊の石>を探せ。そして、虹の城でそれを収めるのだ。決して闇の精霊には見つかってはならぬ』』
段々と両親じゃない声も重なっていった。ガンガンと頭に響き、頭痛までしてきた。
ホクはしゃがみ込み、ぐっと頭痛をこらえた。
「そんな事……俺が出来るわけないだろ……ッ!」
『『希望はお前に託された。今からお前は旅に出るんだ。過去へ行き、世界を救う旅へ』』
その時、ぱっと明るくなった。その光はホクを包み込んだ。
謎の白い、美人な雌猫の顔が目の前に現れた。
顔に斜めの傷が入り、耳が片方裂けていた、オッドアイの雌猫だった。
それでも、その猫は美しかった
その恐ろしいほど美しい猫を見た時、ホクは意識を失った。
【M☆Wコーナー】
ホク「えー、ここでは、これから次回予告を行いたいと思いま………」
スタッフ「カットカット~~!ホク、これはお仕事なんだから感情をこめて言ってもらわないと困るね。それに、台詞と違うじゃないか」
ホ「そんな事言われてもこの台詞絶対キャラにあってないだろ………」
ス「そこは気合でなんとか……」
ホ「ゴホンッ。どうも~こんにちは☆元気にしてるかなぁ?今日からはじまった、MAGIC☆WORLD!!!このコーナーは、次回予告を楽しく行っちゃうよ!(棒」
ホ「次回!【第一章 平和な過去へ】平和な過去って、懐かしいなぁ~!どんな出会いもあるのかも、よくチェックしてね!(棒」
ホ「(殺してくれ……もう無理だ……なんで俺がこんな事を……ッ」
最終編集者 ライトハート [ Fri Oct 21, 2016 7:03 pm ], 編集回数 1 回
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
Join date : 2015/05/15
所在地 : 日本
Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
コメントありがとうございます!そんな事言ってくださるなんて感激です!!スプリングファー wrote:ホクかわいい・・・
ひかりすずさん、文章力半端ないです! 私も見習いたいです!執筆がんばです!
お互い頑張りましょうね(*´ω`)
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
Join date : 2015/05/15
所在地 : 日本
Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第一章 平和な過去へ】
ホクはゆっくりと目を開けた。まだ意識がもうろうとしていた。
視界はぼんやりとしており、ここがどこなのかもわからない。
一旦目をつぶり、深呼吸をした後、頭をあげた。
自分はコケと羽でできた寝床にいる。随分文化が進んでいるのに、今時このベットに寝るのは珍しい。
部屋もイバラで出来ており、昔を感じられる。
段々意識がはっきりしてきた。あたりを見回すと、誰もいなかった。
ここはどこだろう?
不意に、入り口の方から悲鳴が上がった。
ホクはびくっと飛び上がり、慌てて寝床から起き上がった。
部屋の入口の方を見ると、一匹の雌猫が気絶しそうになっていた。
「ふ、ふふふ、不法侵入者!!!」
琥珀色の目を丸くし、毛を逆立てていた。
彼女は四本足で立っており、爪を出していた。
今時四本足なんて、珍しい。この猫は魔法の存在を知らないのだろうか。
「だ、誰?」雌猫は怯えていたが、どうにか声を出した。
「お前こそ誰だ?」
「わ、私はルフィーナ……って言うか、よく他人の部屋に入れるわね……」
「じ、自分から入ったんじゃない」
ホクは戸惑った。なんと言えばいいのだろう。未来から来たなんて、絶対言えない。そんな事言ったら、笑い転げて死んでしまう。
「どうした?わしを起こすんじゃないぞ、ルフィーナ」
「そ、村長!」
「は?村長?」
ホクはびっくりした。村長……そういう村があるのは、火の国だけだ。つまり、ここは火の国なのだろうか。
「不法侵入者です!」
村長と言われた歳をとった雄猫がうなり声をあげ、目をぎらつかせた。
こちらを見た時、びっくりした顔になった。
「お前……二本足で立っている…だと?」
すると、ルフィーナは何故か目を輝かせた。「きっと、魔法を使えるのよ!」
その言葉に、村長はうなり声をあげた。「気を付けろ、ルフィーナ。その言葉は禁句と、国で定められている。しつこいようなら、追い出すぞ!」
「すいません」ルフィーナはしょんぼりと肩を落とした。
「で?もしそれが使えるなら、これは夢だ」村長は鼻で笑った。「夢なのだから、そんな警戒しなくていいだろう」
「夢じゃありません」ホクはキッパリと言った。
「ほう?不法侵入者の癖に生意気な奴だな。ルフィーナ、さっさと追い出してしまえ」
「えっ、でも……」ルフィーナはどうやら戸惑っているみたいだ。
「はやく!」
「はい!」
村長の命令には逆らえないのだろう。
「こっちよ」
ルフィーナはホクに尻尾をふって出口まで案内した。
火の国の猫達__村の猫達__がじろじろと物珍しそうな顔でこちらを見ていた。
「これは夢だ、お前達」村長は言い聞かせた。
「騒がせてしまって、すまなかった」ホクは丁寧に頭を下げた。
「いいのよ」ルフィーナは何か言いたげな顔をしていた。
「なんだ?」
「ううん、何でもないわ」
ルフィーナは困ったように笑った。
「それじゃ、また会えるのを楽しみにしているわ」
思いがけない言葉に、びっくりした。
「ほらほら!はやく行きなさいってば!ずっとそこに立っていたら、村長は許してくださらないわ!」
「お、おう」
ホクは疑問に思いながらも、ルフィーナに背を向け歩き出した。
火の国と言えば、過酷な山に囲まれている。山を越えるのには何日もかかりそうだ。
「それなら、ライトスピードををした方がいいかもな」ホクはつぶやいた。
ホクはルフィーナの視線が気になった。やっぱり、何かあるようだ。
【M☆Wコーナー】
ホ「えー、今回もこのコーナーをはじめたいと思います。今回は____」
ル「こんにちは~~!!!私、ルフィーナって言いますっ!火の国出身です!!」
ホ「(やけにテンション高いのが来たな)はい、話が途切れましたが、ルフィーナが今回からこのコーナーに参加する事になってます」
ル「全く、テンション低いわね。そんなのでこのコーナーやっていけると思うの?」
ホ「思わない」
ル「……き、キッパリと言うのね__ていうか私達の村からすぐ出て行ってしまったわね、はやすぎない?」
ホ「村長が出ていけ言われたから仕方ないだろ」
ル「た、確かに………。というか、話的に私ってここにいていいのかしら」
ホ「細かい事は気にしたら負けだ」
ル「()」
ホ「___えっと、次回、【第二章 魔法を信じる気持ち】です」
ル「また今度~~!!!バイバーイ!!!!」
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
Join date : 2015/05/15
所在地 : 日本
Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第二章 魔法を信じる気持ち】
ルフィーナはホクが視界から消えると、とぼとぼと村へ帰って行った。
村長が村の中央の自分の部屋の外で、ルフィーナが帰ってくるのを待った。
「話がある」村長はどこか怒った声で言った。
友達や家族、仲間は少しびくびくして成り行きを見守っていた。
ルフィーナは返事をすると、村長の部屋に入っていった。
「それで」村長はうなった。「お前は前からあれに対して好奇心が強い」
「いけない事でしょうか、それは。魔法を信じる事は、いけない事でしょうか?」
あれとは、魔法の事だ。ルフィーナは禁句の言葉を、はっきりと言った。
村長は毛を逆立てた。「今、なんと言った?もう一度言ってみろ!」
「魔法を信じる事は、いけない事でしょうか?」
村長は怒り狂った。攻撃を仕掛け始めた。
「国の掟を守れない者は、この村には必要ない」
村長はルフィーナを地面に叩きつけた。
ルフィーナは悲鳴を上げた。起き上がろうとするが、村長が爪を出して押さえつけている。
「放してください!」
だが村長は何も言わず、喉を目がけて爪を振り下ろした。
ルフィーナは負けてはいられないと村長を跳ね返した。
その拍子に、ルフィーナの前足は怪我をした。
「出て行け!」村長はかっと目を見開いた。「このままの生活の良さがわからない奴は、必要ない!」
その鋭い言葉に、ルフィーナはぐさっと心にきた。イバラのトゲが刺さったみたいに。
「わかりました」
ルフィーナは震えた声で言った。
「こんな魔法も信じれない国なんて……必要ないです」
見返してやる。ルフィーナは誓った。この国を変えてやる。魔法を信じる国に。
誰も魔法を信じないのなら、自分から魔法を学んで、みんなを見返してやる!
ルフィーナはばっと村長の部屋から飛び出した。
前足が怪我したって気にしない。仲間が止めようとしたって、気にしない。
あの少年を追いかけよう。魔法を信じている、あの少年を。
☆
その頃、ホクはとぼとぼ歩いていた。どこに向かっているかはわからない。
ただ<精霊の石>を探すと言う事だけ。そして、すべて集まったら虹の城に行くのだ。
ふと、足音がした。
ホクははっと動きを止め、慎重に<シャイニングスター>を取り出し、足音のした方へ杖を向けた。
「誰だ?」
ホクは警戒し、うなり声を上げた。
すると、前方の茂みから見た事ある少女が一匹現れた。少しすまなそうな顔をしている。
「驚かせてごめんなさい」
「ルフィーナ………なのか……?」
ルフィーナは前足を怪我していた。血をかすかに流し、ぽたぽたとこぼれている。
「怪我は大丈夫なのか?」ホクは強く聞いた。
「ええ、大丈夫よ……えっと」
「俺の名前はホクだ」
「うん、ホク」
ルフィーナはどこかしょんぼり、悲しそうな顔をしていた。
ホクは<シャイニングスター>をしまった。
「で?どうしてついてきたんだ?」
別に責めるつもりはなかったが、どうしてもこういう口調になってしまう。
「村から追い払われたの……」ルフィーナは今にも泣き出しそうだった。
ホクはびっくりした。まさか………。「でも、どうして………」
「魔法に興味を持ちすぎだって、言われちゃった」ルフィーナは足元を見つめた。「ねえ、これは夢だと思う?」
「夢じゃない」
夢ならよかったのに、とホクは心の中で思った。こんな未来を変える任務を果たすために過去に行くなんて……。
ルフィーナはいくらか安心したみたいだ。「それならよかった。村長ったら、まだ寝ているんだと思い込んでいるの」
「それで、これからどうするつもりだよ。これまで仲間に支えてもらったお前が、この火の国で一匹生きていけるわけがない」
「実は……」ルフィーナはか細い声で言った。
「聞こえないぞ」
「実は……あなたと旅をしたいなって思ってね」
「冗談はよせ。俺には俺の旅ってものがある」
彼女に任務を巻き込みたくない。それに、足手まといになるかもしれない。
「冗談じゃないわ!」ルフィーナは突然大きな声で叫んだ。「魔法を習いたい!あなたについていけば、魔法の事も少しは知れるわ。そうでしょう?」
どうやらルフィーナは頑固だ。一度決めたらなかなか意見を変えない。そんな奴は少し苦手だ。
だが、ほうっておけなかった。ここでさよならすればいいはずが………。
「仕方ない。ついてくればいい。勝手にしろ」
何故か照れ臭くなり、余計ぶっきらぼうな口調になる。
「やったー!」
ルフィーナはいくらか元気を取り戻し、はしゃぎだした。
「全く、お前は子供だな」
ホクは小さな声でボソッと言ったが、はしゃいでいるルフィーナの耳には聞こえなかった。
「これからよろしくね!ホク!」
【M☆Wコーナー】
ル「こーんにちはーっ!ついに、私達の旅が始まったねっ!♪」
ホ「子供みたいにはしゃぐな……」
ル「でも、ようやく物語が進んだって感じじゃない?次回はどうなるの?」
ホ「ちょっとした戦いになるな」
ル「えっ?私と喧嘩とか!?」
ホ「それは見てからのお楽しみだ」
ホ「次回、【第三章 キツネ達との戦い】」
ル「(さらりとネタバレしてるし………)よ、よかったらコメントしてくれるとルフィーナ達、喜ぶよっ!」
ホ「(大声で言う事じゃないだろ。よく言えたな……)えっと、宜しくお願い致します」
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
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Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第三章 キツネ達との戦い】
「それで?」
二匹は今日はもう遅いので、寝床をこしらえて火の国で寝る事にした。
「確か、魔法を勉強したいそうだな」
「うん!魔法って、どんな事をするのかこの目で確かめたいの!」
「それなら、魔法学校、ウォータースクールに行ったらどうだ?」
「ウォータースクール?どこにあるの?」
「水の国だ。そこまで俺と旅をして、そこで別れるっていうのはどうだろう」
「別れる話はまだしたくなかったな…」ルフィーナの尻尾がたれた。「でも、そこで本当に魔法の勉強ができるの?」
ホクはうなずいた。ルフィーナとはどこかで別れた方がいい。
魔法も使えない猫など一緒にいては、任務がはやく進めなくなる。彼女のせいで、世界が救えなくなったら嫌だ。
「わかった。私も魔法を勉強したいし、ホクも一匹で旅をしたいのよね?それなら、水の国でお別れね」
ホクは無言でうなずいた。
「それじゃあ、おやすみなさい」
ルフィーナはそれだけ言うと、ぐっすりと深い眠りに落ちた。
ホクも今日は疲れ果てたので、すぐに眠れた。
☆
朝、ホクははやめに目が覚めたが、ルフィーナが寝床にいない事がわかった。
どこにいるのだろう。こんな朝早くから。この森はかなり危険だというのに。
昨日、キツネの足跡を見つけたのだ。ルフィーナを怖がらせたくなかったので、内緒にしていたが。
「ホク!」
突然名前を呼ばれ、ホクはびくっと飛び上がった。
「何だよ、お前………」
それは元気なルフィーナの声だった。キツネに襲われていないので、ほっとした。
びっくりしたのがバレないように、毛をゆっくりと寝かせた。
「これ、私が拾ったの!」
ルフィーナは、得意気に言うと、前足でとあるものを転がしてきた。
「とてもあたたかいのよ」
それはどうやら石のようだ。火の色をしていて、不自然なぐらいに綺麗で丸い石。
ホクはその石を手にとった。その瞬間、びりっと体に衝撃がはしり、ホクは少し悲鳴をあげ、石を落とした。
「大丈夫!?」
「あ、ああ……」
ホクは落ち着くためにため息をついた。ルフィーナは普通にその石を触っていた。
「これ、とっても綺麗ね。私の宝物にしよっと!」
「わかった……この鞄に入れておけ」
ホクは自分の鞄を取り出した。ルフィーナが石を鞄に入れた。
突然、ホクのお腹の虫が鳴いた。そっか。過去に来てから何も食べ物を口にしていない。
その音が聞こえたのか、ルフィーナがおかしそうに笑った。「私が狩りに行ってあげる!」
この大自然の中では、自分はどうやら役立たずのようだ。「悪いな」
ルフィーナはにこっとほほ笑むと、ぱっと駆け出した。
ルフィーナに危険が迫ってないか、耳をすます事しかできない。
ふと、悲鳴が上がった。ホクは鞄の整理をしていたが、動きをとめた。
あれはルフィーナの声だろうか?
ホクは鞄を掴み、寝床から駆け出した。ルフィーナの匂いを頼りに探すと、次第にキツネの嫌な匂いもしてきた。
「チクショウ…ッ!」
ホクは<シャイニングスター>を取り出した。
ルフィーナは三匹のずる賢そうなキツネに囲まれていた。
ルフィーナは毛を逆立て、怯えた匂いを発している。だが、勇敢にも爪を出し、威嚇していた。
「光の精霊よ!我に力を与えよ!ライトスピード!」
光の速さでルフィーナの元へ駆け出した。
「ライトソード!」
魔法を唱え、ホクは三匹のキツネを光で追い払った。
キツネは腹が立った声をあげ、逃げて行った。
<シャイニングスター>は星の形の所で輝きが増していた。
ホクは息を切らし、ルフィーナの所へ駆け出した。
「大丈夫か?」
「ありがとう、ホク」ルフィーナは嬉しそうに言った。「これが魔法なのね!」
「魔法は、他人を助けたりするためにあるんだ。悪い心をもって使うものじゃない。わかったか?」
これから魔法を使うのなら、この事は教えた方がいいだろう。
「うん!」ルフィーナはまだ感動しているのか、目を輝かせていた。
ホクは<シャイニングスター>をしまいこんだ。
「助けてくれたお礼に、ネズミをどうぞ」
「捕まえたのか」
ルフィーナは太ったネズミを足元に落とした。「分け合って食べない?キツネ達に邪魔されて、これしか捕まえられなかったの」
ホクはうなずいた。ルフィーナがネズミを半分に引き裂いた。
「いただきます!」
ルフィーナはそういうと、ガツガツネズミを食べ始めた。
正直生のネズミを食べるのは気が引けるが、ホクは無理して食べた。
「おいしい?」
「とっても。生も悪くない」
「えっ?」
「魔法が使える俺たちは火が使えるだろう。俺は火を通してしかネズミを食べた事がなかった」
「それって美味しいの?」
「当たり前だろ。今度食べさしてやるよ」
【M☆Wコーナー】
ル「♪~~~」
ホ「テンション高いな」
ル「だって、ウォータースクールに行けるんだもの!そういえばホクも、学校に行ってたりしてたの?」
ホ「どうだったかな。そんな過去の記憶、思い出したくもないさ」
ル「そっか、なんかノリで聞いてごめんね?でも、スペシャルエピソードとかあるらしいね。小説かまとめの文になるかは、まだわからないらしいよ」
ホ「そうみたいだな」
ル「という事らしいですっ。もしよければ、そちらも見てねっ!………次回、【第四章 草の舞フェス】!新キャラも出る予定だよ!お楽しみに~~!」
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
Join date : 2015/05/15
所在地 : 日本
Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第四章 草の舞フェス】
「着いたぞ」
二匹は旅を続け、ようやく草の国にたどり着いた。
草原が果てしなく広がり、真ん中の方にオアシスみたいに町があった。
自然豊かで、小鳥たちのリズムカルな鳴き声が聴こえる。風も強く、雲が流れるのがはやい。
空が暗くなる頃に二匹は着いたのだった。
☆
草の国の中心の町を歩いていると、一つのポスターに目が留まった。
ルフィーナは見たこともない物ばかりで、きょろきょろしている。
「おい、これを見ろ」
ホクは先を急ごうとするルフィーナを引き留めた。
壁に張られたポスターには、『草の舞フェス 今夜開催』と書いてあった。
「これは何?」
「ポスターだ。みんなにお知らせするんだ。これは足跡文字と言って、言いたい事を文字として表している」
「難しそうね」ルフィーナは目をぐっと細めた。
「きっと、ウォータースクールで一番に習うだろう」
「覚えられるかしら」ルフィーナは心配そうな顔で聞いた。
「覚えられるだろ」
ホクはどう接したらいいかわからず、ぶっきらぼうに言った。
「それで、なんて書いてあるの?」
「『草の舞フェス 今夜開催』だって。歌と踊りを満月の下で披露するらしい」
「なんだか楽しそうね!せっかく来たんだから、その時間に寄って見ない?」
「そうだな。この町で腹ごしらえしてから行こう」
「賛成っ!」
ルフィーナは元気よく駆け出した。
「道も知らないくせに……まったく」
ホクはため息をついた。正直、自分もこの国の事はあまりわかってないのだ。
ホクはルフィーナとはぐれる前に急いで追いついた。
☆
腹ごしらえを済ました後、ホク達は町を離れて会場へ向かった。
「さっきの火で通したネズミ、美味しかったわ!でも、やっぱり新鮮な生の方が私的には向いてるかも」
「この辺で生はあまり見かけないから、お前も慣れないとな……」
「そうだね……あ、あれがその『草の舞フェス』の会場じゃない?」
夜になり、満月に照らされた、賑やかな空き地がそこにはあった。
大勢の猫達が集まり、もう始まっている祭りを楽しんでいる。
「急ぎましょうよ!」
「さーて!続いては<和の国>からここ、<洋の国>にやってきた弟子をもつ、アイビスチームの登場だ!
このフェスでは優勝を重ねて来た、強者だ!」
司会者が大げさに盛り上げると、観客がざわめきだした。
「アイビス!ツキヨ!ミツヨ!」
「変わった名前ね……ツキヨとミツヨなんて」ルフィーナが小声で言った。
「<和の国>って違う大陸からわざわざやってきた双子らしいぞ」
三匹の雌猫達は、華麗な踊りを繰り広げていた。美しい歌声、キレのあるダンス、そして<和の国>独特の雰囲気。
その姿に魅了された猫達は息をするのも忘れそうな感じだった。
フィナーレになっていった頃、さっきとは違うざわめきがおこった。中には悲鳴をあげ、観客は逃げ出した。
「助けて!」
アイビスとツキヨとミツヨが、近くの木につかまり、怯えていた。
「なんだ、あれは…!?」観客が驚いた声をあげた。「吸い込まれそうな穴がッ!」
「穴……?」ルフィーナはもっとよく見ようとジャンプをし続けた。
「……まさか……」
ホクは<暗黒の世界>になる前の出来事を思い出してぞくっとした。
ホクは観客と観客の隙間を巧みに避け、アイビス達の所へ向かい、その正体を確かめた。
【M☆Wコーナー】
ル「さー、今日もやってまいりましたこのコーナー!このフェス、どうなっちゃうの!?それに穴って何!?」
ホ「それは次回のお楽しみだな」
ル「………(また前みたいに題名でネタバレじゃないでしょうね?)」
ホ「……な、なんで怪訝な目でこっちを見るんだ?」
ル「~~♪♬♩(口笛)」
ホ「………次回、【第五章 <ダークホール>】」
ル「_(┐「ε_ (結局ネタバレかい!)」
ホ「なんなんだよ急にこけやがって……」
ライトハート- 族長
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Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第五章 <ダークホール>】
「<ダークホール>……ッ」
黒い光が現れ、あらゆるものを吸収し始めた。木の葉などが、どんどんその穴に吸収されていく。
近くにいたアイビスたちも、体力の限界だ。
「助けてください……」
ホクは<シャイニングスター>を取り出した。
「逃げなさい!」司会者がホクに向かって言った。「そんな魔法で倒せるものではないだろう!」
「やってみなきゃわからないだろ!」
ホクは怒鳴り返し、力をこめた。
「光の精霊よ。我に力を与えよ!」
すると、杖の先に激しい光が集まった。
「ライトソード!」
ホクは叫び、光の剣を名一杯<ダークホール>に向けて降った。
すると、<ダークホール>は光によって裂け、どこかへ消えていった。
次第に力も弱くなり、穴は無くなった。
ホクは息を切らしながら<ダークホール>があった場所を険しく見つめた。
もう<ダークホール>が現れるとは。闇の精霊の力が大きくなっている。
いつ<暗闇の世界>になってもおかしくないだろう。
「ホク?」ルフィーナがいつの間にか震えた声で近くにやってくた。「大丈夫?さっきのは……」
「ああ、アイビス、ツキヨ、ミツヨ…!」
司会者が三匹の怯えている雌猫の所へ駆け出した。
「ううっ、怖かったです……」こげ茶トラの雌猫、ミツヨが震えた声で言った。
「何怖がっているの、ミツヨ」双子のツキヨが励ました。「助かったじゃない」
アイビスが二匹を交互に見た。「ええ。この白い雄猫のおかげで助かりました」そう言い、ちらりとホクを見た。
そして立ち上がり、頭を下げた。「助けてくださり、ありがとうございます」
双子の雌猫達も、アイビスの後に続いてお礼を言った。
だが、ホクはそれどころではなかった。苦い過去を少しずづ思い出していたのだ。
あの<暗闇の世界>になろうとしている光景が蘇った。
「………ッ」
「あ、あの、何か私達悪い事を言いましたでしょうか?」
アイビスの声にホクは我にかえった。「えっ?あ、いいや……とりあえず、無事でよかった……」
すると、司会者がやってきた。「今年のフェスは終了した……。君のおかげで、アイビスたちも助かったよ」
「いいえ」
「お礼と言ってはなんだが、君たちは旅をしているそうだな」
ぼうっとしているホクの代わりに、ルフィーナが答えた。「はい!今は水の国に向けて、旅をしているんです」
「それなら、寝る場所と、食べ物を無料で提供しよう。この会場の近くに、このフェスに出場した猫達の寝る場所があってね。
一つ部屋が空いているから、そこを使うといい」
「私が案内します」薄紫色の毛をしたアイビスが申し出た。「ツキヨとミツヨは、先に部屋に戻ってください」
「わかりました」二匹は頭を下げ、ホク達に会釈した後どこかに行ってしまった。
「ありがとうございます……」ホクはお礼を言った。
「いいえ、お礼を言わないといけないのは私の方です。本当に……ありがとうございます」
☆
二匹はアイビスに案内された部屋でくつろいでいた。
ルフィーナがリスをもりもり食べる横で、ホクはちまちま同じリスを食べていた。
「……ホク、元気ないね?」
「え?そんな事ないだろ……」
「アイビスたちを救ったのに……」リスを一口頬張ると、ホクを見あげた。「ねえ、<ダークホール>って何なの?」
「まだお前は知らなくていい……」ホクは暗い声で言った。食欲も湧かない。とりあえず、一匹になって考え事がしたい。
ルフィーナは少し悲しそうな顔をした。「そう」
ついに我慢できなくなったホクは、食べかけのリスを置いて立ち上がった。「独りにさせてくれ」
ルフィーナの顔も見ずにホクはそういうと、この部屋から出て行った。
ホクは部屋から少し離れた大きな木に登り、枝に腰を下ろして大きな満月を見つめた。
この月を見るのも、あと少しかも知れない。それだけ自体は悪化している。まさか、<ダークホール>が現れるとは。
ホクはため息をついた。ルフィーナにそっけない態度をとったが、嫌われただろうか。きっと性格の明るいあいつの事だろうから、そんな事はないはずだ。
「あら、この木が見晴らしがいいのを、知っていたんですね?」
突然猫の声がして、ホクはびくっとして危く落ちそうになった。
声のした方へ顔を向けると、そこにはアイビスが枝に腰を下ろして座っていた。
「それは……知らないけど」
「元気ないですね?」
ホクはため息をついた。独りになりたかったのに。
木から降りようとすると、アイビスに引き留められた。「待ってください。実は私も、元気がないんです」
「えっ?」ホクは振り返った。
アイビスは困ったように笑った。「話、聞いてくれますか?」
<ダークホール>の事を考えずに済むなら、別にいいだろう。
ホクは元の位置に戻った。
「私、ここを出ようと思うんです」
「家出?」
「い、家出ではないです……ここは本当にいい国で、穏やかで素敵なんですよ?でも……」
ホクは続きを待った。
「命の恩人に、少しでも恩返しが出来たらって思って。旅をしたいんですっ」
「……誰だよ、それ」
「あなたですよ」
ホクはその言葉にぎくっとした。「やめてくれ、命の恩人だなんて」
「でも、それを司会者に中々言う機会がなくって」
「まあ、来てくれたらルフィーナも歓迎してくれるだろ……でも、俺の旅は今後厳しくなる」
「それでもついていきますよ」
「本当かよ」ホクはふっと笑った。
「申し遅れましたが、私はアイビスです。あなたのお名前は?」
「俺はホクだ」
「ホクさん……ですね。私、司会者と相談して、しばらく踊りと歌を休憩して旅をするよう、話してみますね」
「その、弟子たちはどうするんだよ?」
「あの子達、いつも私の事ばかり頼って……自力で出来ないんじゃないかって心配なんです。なので、私がいなくても何とかなるように…成長してほしいです」
「わかった。もし司会者に許可が出たら、勝手についてくればいいさ……」
「本当ですか?ありがとうございます!」
「俺、もう帰るよ。ルフィーナにも言っておく」
「おやすみなさい、ホクさん」
「おやすみ」
ホクは木から降りると、ルフィーナが待っている部屋へゆっくり歩いた。
新しい旅の仲間ができるかもしれない。
そして、任務に、彼女は巻き込まれるかもしれない。
【M☆Wコーナー】
ル「ついに新しい仲間が加わるのね…!」
ホ「まあな」
ル「楽しみだな~アイビスさん優しそうだし!」
ホ「おう」
ル「元気ないね?」
ホ「元気ないのはいつもの事だろ。逆にお前が元気ありすぎるんだよ」
ル「あははw確かにッw」
ホ「…否定しないのか…??」
ル「だってさ、<火の国>のみんなにも、元気すぎる猫って呼ばれてて、有名だもん!」
ホ「悪い意味でな(ボソッ」
ル「何か言った?」
ホ「次回、【第六章 二つの似ている石】。次は謎の猫が一瞬登場するらしいな」
ル「お楽しみにっ!もしよければコメントもしていってね☆」
ル「(上手い事無視したわね………)」
ライトハート- 族長
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Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第六章 二つの似ている石】
「<精霊の石>をバラバラにしたのに、今度はあいつがいるのか………」
一匹の白い雌猫が、この国で一番高い木の上で立っていた。目はうつろで、負のオーラをまとっている。
満月の光で、綺麗な銀色に輝いていた。
顔には、顔に斜めの傷が入り、耳が片方裂けていた。
オッドアイの目をぐっと細め、<ダークホール>が現れた場所をじっと見つめた。
「あいつのせいで失敗に終わった……だが、闇の精霊の力はこれじゃ終わらない……もっと、もっとだ。力を集めて……世界を……」
☆
「それじゃあ、旅の幸運を祈っているよ」司会者がアイビスに言った。
「わがままを言って、申し訳ありません」
「本当に行ってしまうのですか、アイビス様」ミツヨが戸惑った声で聞いた。
「私達、本当にこれからやっていけるのでしょうか」とツキヨ。
「心配いりませんよ、二人とも。私が旅を続けている間、二人は成長します」
「それじゃあ、行ってらっしゃい……」
アイビスはにこっとほほ笑んだ。「別れは決してつらい物ではありません。そのうち戻ってきますから」
「はいっ!」
「お世話になりました」ホクは司会者に頭を下げた。
司会者は笑顔でうなずいた。
「また会う日まで!」
「お二人は、これからどこへ向かうのですか?」
新しく仲間が加わった。旅は一層明るい物となっていた。
「水の国に行って、ルフィーナをウォータースクールへ入学させる」
「とっても楽しみだな!色んな事、学びたい!」
ルフィーナは仲間が増えた事を本気で喜んでいるのか、元気そうで、機嫌もよさそうだった。
昨日のそっけない態度をとった事は、どうやら気にしていない。
「ウォータースクールですか。リーフスクールのライバル校ですね」
「リーフスクール?」
「ええ。草の国にある、学校です」
「火の国にも、いつか学校が出来たらいいな……」
「どうしてウォータースクールに通う事にしたんですか?」
「火の国は魔法を信じていないの。だから、私が魔法を勉強して、みんなを見返す。そして、少しずつでいいから魔法を信じる国にしていくんだ!」
「立派な夢ですね」アイビスはふふっとほほ笑んだ。
「あら……?」
「どうかしたの?」
アイビスが立ち止まり、しゃがみ込んだ。
「これ、とても綺麗ですね」
前足で手にとったものは、文字通り綺麗な石だった。
「何だろう、凄くあたたかいです」
ホクはその石にどこか見覚えがあった。緑色だったが、確かルフィーナは赤い石を拾った。
「お守りにしたらどう?」ルフィーナが提案した。
「そうですね。こんな石、珍しいですっ」
どうやら自分で拾った石が似ていると言う事を、ルフィーナは察していないようだ。
ホクが静かなのに気が付き、ルフィーナが顔をのぞきこんだ。「どうしたの?」
「いや、何でもない」
「これ、自分の鞄に入れておきます」アイビスが大切そうに鞄の中にしまい込んだ。
不思議だ。ホクはこっそりと自分の鞄に入っている石を見つめた。
これほど似ている石があるとは。何か共通点があるのだろう。
【M☆Wコーナー】
ル「そろそろ<水の国>に近づいて来たねっ」
ホ「もう少しだな」
ル「うん!それでね、ホクの旅に新しい仲間、アイビスが加わったの!」
ア「こんにちは。アイビスです。今回はよろしくお願いしますね」
ル「アイビスって、どうして敬語で喋るの?」
ア「どうしてって言われても……物心ついたときから敬語でした。理由はよくわからないのですがね」
ル「へー!これからよろしくねっ」
ア「こちらこそっ」
ホ「雌猫達のノリについていけない(ボソッ」
ア「ホクさん、どうしましたか?」
ホ「え?いやいや、な、なんでもない……」
ル「いつもと違うね(ジト目」
ホ「そうか?」
ア「まあいいじゃないですか。そろそろ次回予告を言う時間ですよ?」
ホ「そ、そうだな。………次回、【第七章 弱い者いじめ】」
ル「次回タイトル嫌な感じだね………」
ア「そうですね……えっと、次回もたのしみにしてください!」
ライトハート- 族長
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Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第七章 弱い者いじめ】
「<水の国>につきましたね!」
ホク達は何日も旅を続け、ようやく<水の国>にたどり着いた。
<マジックワールド>の国の中で一番水が綺麗で、魚が美味しいとされている国。
川も透明度が高く、町のいたるところに流れていて、文化が一番はやく進んでいる、大きな国だ。
ルフィーナは興奮していて、目を輝かせていた。「やっとウォータースクールに行けるのね!」
「よし、さっそく入学できるよう、校長に頼んでもらおう」
☆
学校の近くについたホク達は大きな扉を見あげた。
「やっぱりリーフスクールより、凄いですね」アイビスがつぶやいた。
ホクが扉を開けようとしたその時、悲鳴があがった。
「また<ダークホール>か?」ホクは動きを止め、耳をピンと立てた。
「そんなっ……」アイビスがぶるっと震え、ホクの影に隠れようとした。
「違うみたい。ほら、あそこ……」
近くの公園をルフィーナは尻尾で示した。
何か喧嘩が起こっているようだ。
小柄な雄猫がぶるぶる震えていて、尻もちをついた。
がっしりとした自信満々な雄猫が、その小柄な雄猫を見下ろしている。
「お前、いつも弱虫で泣き虫で、鬱陶しんだよ」
青灰色の雄猫が、睨み付けた。
「ううっ………」
「ふん。弱くて攻撃も出来ないのか?」
近くにいる大人たちは、遠巻きに見ているだけで、誰も助けようとはしなかった。
「何あれ!」ルフィーナがうなり声で言った。
「全く、何をしているんだか……」
青灰色の雄猫は、小柄な雄猫を掴み、乱暴におした。
「少し行ってくる……」
ホクはそう言い、公園の中に入った。
「ホクさん、やめてください!」
「勝てるような相手じゃなさそうだよ?」
二匹の声も聞いていないフリをし、ホクは雄猫達に近づいた。
「放してやれ、ガキ」
ホクは青灰色の手を掴み、振り払った。
「ああ?俺様をガキ扱いだと?」青灰色の雄猫は短気なのか怒った声で言った。「俺様を誰だと思ってるんだ?」
「知るわけないだろ」
「俺様が誰だか知ったら、お前はびびってしまうだろうな」
青灰色の雄猫は、魔法の杖を取り出した。
「俺様を怒らしたら、勝負。それがルールってもんだ」
ホクはため息をついた。「何わけのわからない……」
そこで言葉をきった。青灰色の雄猫が攻撃を仕掛けたのだ。
「水の精霊よ!我に力を与えよ!」
ホクは青灰色の雄猫を睨み付け、攻撃をする前に強烈なパンチを腹に食らわした。
「何ッ!?」
青灰色の雄猫は驚いた声をあげ、どさりと倒れこんだ。
「弱い奴だな。それで調子乗ってると、痛い目にあうぞ」
「この野郎!」
青灰色の雄猫が飛び起き、今度は素手で殴ってきた。
ホクは攻撃を読み、さっと避けると、青灰色の雄猫をこけさした。
公園の近くにいる猫達がざわめきだした。
「ヤバイのが現れたぞ……」
青灰色の雄猫は懲りないようで、体制を立て直すと攻撃を仕掛け始めた。
「全く」ホクも<シャイニングスター>を取り出し、構えた。
「こら!ファイト!やめんか!」
誰かの怒鳴り声に、ファイトと言われた青灰色の雄猫がぎくっとした。
「じいさん!?」
ホクは声のした方へ振り向いた。歳をとった、ファイトに似た雄猫が杖をついて歩いてきたのだ。
「カール博士だ!」
「カール博士…?」
「弱い者いじめはやめろとあれほど言ったじゃろうに!お前さんってやつは……!」
ルフィーナとアイビスが駆けつけ、ファイトにやられていた雄猫を起こしていた。
「畜生。覚えていろよ!」
ファイトはホクに向かって叫ぶと、慌ただしくどこかへ行ってしまった。
「あ、ありがとうございます。助かりました……」
小柄な雄猫はそれだけ言うと、どこかへ行ってしまった。
「全く、あいつは何も変わっとらん」
「あの、あなたは?」アイビスがたづねた。
「わしはカール博士。魔法や精霊について研究をしておる」
ホクは目を丸くした。じゃあ、<ダークホール>についても、研究しているのだろうか。
精霊については、色々聞きたい事があるのだ。でも、研究ときいて少し抵抗があった。
それが何故だかはわからないが。
「あ、あの」
「どうしたんだね?」
「精霊について色々知りたいんですが、少しお時間いただけますか?」
「ホク、急にどうしたの?」ルフィーナが首をかしげた。
「悪いな。入学は明日でもいいか?」
「ええ。いつでもいいわよ!」
「ま、いいじゃろう。わしの研究室に来なさい。美味しい魚を用意してやるわい」
【M☆Wコーナー】
ル「みんな!お久しぶり♪元気にしてたー?」
ア「久しぶりの更新だからって、はしゃぎすぎですよ、ルフィーナさん」
ル「えー?本当はアイビスも嬉しいんでしょ?」
ア「ま、まあ……」
ホ「全く……どうやら次回からまた新しい仲間が加わるらしいぞ」
ア「そうなのですか。ますます賑やかになりますねっ」
ホ「そうだな……(ため息)」
ル「元気ないね?」
ホ「そうか?」
ル「いつもの事だけど!www」
ホ「笑うなよ」
ア「え、えっと、次回!【第八章 一冊の本】!」
ル「難しい事が書いてあるらしいね。あたしには理解不能だよっ♪次回もよろしくね~!」
ホ「…………(苦笑)」
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
Join date : 2015/05/15
所在地 : 日本
Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
こんにちは いつも更新楽しみにしています!
真っ暗な未来の姿から始まるこの物語に、ルフィーナの明るさが花を添えているなあと思いました。
魅力的な登場猫たちが次々と加わってくることで、旅はどんな終点を迎えるのか想像がつきませんね……いったいどのようにお話が展開していくのでしょうか。
完結した後にはスペシャルエピソードもあるということで、最後まで追いかけさせていただきます。ひっそりと応援しています!
真っ暗な未来の姿から始まるこの物語に、ルフィーナの明るさが花を添えているなあと思いました。
魅力的な登場猫たちが次々と加わってくることで、旅はどんな終点を迎えるのか想像がつきませんね……いったいどのようにお話が展開していくのでしょうか。
完結した後にはスペシャルエピソードもあるということで、最後まで追いかけさせていただきます。ひっそりと応援しています!
ティアーミスト- 年長戦士
- 投稿数 : 135
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Age : 22
所在地 : Love the life you live. Live the life you love.
Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
コメントありがとうございます!久しぶりのコメで嬉しいです(*´ω`)ティアーミスト wrote:こんにちは いつも更新楽しみにしています!
真っ暗な未来の姿から始まるこの物語に、ルフィーナの明るさが花を添えているなあと思いました。
魅力的な登場猫たちが次々と加わってくることで、旅はどんな終点を迎えるのか想像がつきませんね……いったいどのようにお話が展開していくのでしょうか。
完結した後にはスペシャルエピソードもあるということで、最後まで追いかけさせていただきます。ひっそりと応援しています!
スペシャルエピソードは話のネタがたくさんあったらやってみたいなという感じですw
応援もありがとうございます!ティアーさんも頑張ってください!
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
Join date : 2015/05/15
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Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第八章 一冊の本】
「おいしい!魚なんて生まれて初めて食べたわ!」ルフィーナが歓声をあげた。
「やはり水の国の魚は美味しいですね。この川が綺麗だから、こんなにおいしく育つのでしょうか」アイビスも嬉しそうに食べている。
カール博士が喜ぶ様子を見て、ニコニコしていた。「こうやって研究室にお客を呼ぶのは久しぶりじゃ」
ホクはじっと魚を見た。実は、魚は苦手なのだ。
「食べないの、ホク?」
「えっ、えっと、その……」
「なんだね。魚が苦手かい」カール博士が笑った。「見た目はクールなのに、以外とお子様なんじゃねぇ」
「うっ……」ホクは急に恥ずかしくなった。
「じゃあ、私がもらうね!アイビス、半分こしない?」
「そうですね!」
ホクはますます恥ずかしくなり、顔が赤くなった。
「ところで、ホク。そのファイトと勝負した時の杖、見せてくれないかね」
「ど、どうしてですか?」
「いや、少しこの研究した本の中にのっている杖と似ていてね」
そう言って差し出したのは、『<精霊>について』の本だった。表紙に<シャイニングスター>とよく似たイラストが書かれている。
「精霊とその杖に、何か関係があるそうじゃ」
まだこの博士、ましてやルフィーナ達も未来から来た事など知らない。
もしその本に、そう言う事が詳しく書かれていたらどうすればいいのだろう。
「何か思い当たる事でもあるのかね?」
「ホク…?」
ルフィーナが心配そうな顔になった。
ホクは恐る恐る<シャイニングスター>を取り出した。
「やはり、この表紙と似ているな………。ホク、この本をじっくりと読みなさい。特に<シャイニングスター>のページをな」
ホクは本をめくり、<シャイニングスター>のページまで飛ばした。
「この杖の存在を、みんなは知っているだろうか。大昔に、あの伝説の魔導士、シャイニングが使った杖だと思われる。
シャイニングは大昔に起こった大事件を食い止めたヒーローだ。その大事件とは、<暗黒の世界>になると言う事。
<暗黒の世界>は闇の精霊、即ち負の感情が大きくなって強くなる精霊の事だ。本来は存在してはならないのだが、
負の感情は私達の心の中にいつも存在している。闇の精霊が力を増し、<ダークホール>を使い居場所を求めて暴走し始めた。
その闇の精霊を倒すには、この<シャイニングスター>が必要だ。この杖は、闇の精霊を倒す力がある。この杖は選ばれし者しか使えず、
シャイニングがその選ばれし者だった。彼は闇の精霊を倒し、世界に再び平和が戻った。」
本を読み終えると、気まずい静寂が流れた。
「ホク、お前さんはつまり……」
「知ってます」ホクはもう言うしかないと思った。
「えっ?」
「その任務を果たすために、俺は…………」ホクは言うのを躊躇った。
ちらりとルフィーナを見ると、彼女は勇気づけるようにうなずいた。
「俺は、未来から来た猫です。その任務を果たす事も、未来がどうなっているかも知っています」
「ホク………」
「俺は星の猫の力を借りて、過去に来ました。そして、ワープされた所がルフィーナの故郷…火の国だったんです」
ルフィーナはようやく謎が解けたのか、どこかほっとしていた。「じゃあ、あれは不法侵入じゃなかったのね?」
「俺がそんな事するわけないだろう。あれはただの事故だ」
「未来から来た猫……不思議な事もあるんですね」
「それじゃあ、<シャイニングスター>を持っていると言う事は、お前さん、まさかまた世界は……」
「<暗黒の世界>になっています。未然に防がなくてはなりません」
「そんなっ……あ、あの私達を襲った<ダークホール>は……あれは、<暗黒の世界>に通じているのですか?」
アイビスがあの時を思い出したのか、怯えた匂いを発している。
「多分そうだ。<ダークホール>に吸い込まれた猫は一生そこから出ていけない」
アイビスがその言葉に怯えたのを見て、
ルフィーナが毛を逆立てた。「ちょっと!怖がるような発言、やめてくれない?<ダークホール>に飲み込まれそうになったばかりなのよ?」
「す、すまない……そんなつもりはなかったんだ」
「お前さんたち、しばらくここに泊まるといい。その<暗黒の世界>についても調べたい。闇の精霊を倒す力に、わしがなろう」
「あ、ありがとうございます…!」ホクは頭を下げた。
「そして研究をしている間に、ルフィーナはウォータースクールに通うといい。今からわしについてきなさい。校長先生に話をしてあげるよ」
ルフィーナは嬉しそうな顔になった。
「ホク。お前さんはもっと力をつけなさい。この町の中心部に「バトルフィールド」がある。強敵を探し、<シャイニングスター>の力を磨きなさい」
「私は何をすればいいでしょうか?」とアイビス。
「お前さんは精霊の研究を手伝ってもらおうかねぇ」
「わかりました!」する事が出来て、ほっとしているようだ。
「ただいまー!」
話がひと段落つくと、外から聞き覚えのある声がした。
扉が開き、青灰色の雄猫、ファイトが現れた。
「お前さん、遅かったじゃないか」
「悪いな、じーちゃ……って、さっきの白猫、いるのかよ!」
ファイトはうげっという顔になった。
ホクは無表情でファイトを睨み付けた。
「け、喧嘩しないでください。この研究室が壊れたら大変な事になりますから」
アイビスの存在に気が付き、ファイトはぽかんと口を開けた。
「ど、どうしたんですか?」
「わ、わかったから……」
どうやらファイトは雌猫に弱いようだ。
「それよりもじーちゃん、俺、凄い石を見つけたんだぜ!」
ファイトが鞄から見覚えのある石を取り出した。水色で輝いている。
「すげーだろ。とってもあたたかいんだ」
ホクは目を丸くした。それはあのみんなが集めた石に似ていたのだ。
【M☆Wコーナー】
ル「こんにちは!今回はゲストが来ています!」
フ「よう!俺の名前はファイトだ!よろしくな!」
ル「どうやらカール博士のお孫さんのようね」
フ「もちろんだぜ。そのおかげで、スクールでもトップの成績さ(ドヤ顔)」
ホ「(喧嘩に負けた癖に偉そうに……)」
フ「それにしてもなんでホクがここにいるんだよ!絶対キャラに合わないだろ!魚も食べれないくせに主人公だって?恥だ!」
ホ「それとこれとは別の話だろ…それに、お前から仕掛けた喧嘩に自ら負ける方がよっぽど恥だと思うけどな」
フ「な、なんだと…!?あ、あれは本気を出してないだけで……」
ア「いい加減にしてください!コーナーの事を忘れたのですか?」
フ「ううっ……」
ア「ファイトさんが主人公になりたい気持ちはわかります」
ル「…わ、わかるのね……」
ア「ですが喧嘩は後にしてください。今は次回予告を皆さんにお知らせしなければいけないのですよ」
フ「そうだな」
ア「ほら、ファイトさんが読んでいいですから」
フ「おうよ!」
フ「次回!【第九章 精霊の石】!」
ル「お楽しみに~!」
ライトハート- 族長
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Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第九章 精霊の石】
「それは……」カール博士は何か思い当たる事があったのか、さっきの『<精霊>の石について』の本をばっと開き始めた。
ページをめくっていくと、その説明らしくものがあった。
「こ、これは<精霊の石>じゃ」
「<精霊の石>!?」ファイトが驚いた声をあげた。
そのワードを聞いたとき、ホクはだいぶ前に見た夢の内容を思い出した。
「<精霊の石>を探せ。そして、虹の城でそれを収めるのだ。決して闇の精霊には見つかってはならぬ」
いつの間にか言葉に出ていた。あの美しい白い雌猫の顔が、うっすらと頭にうかんでは消え、うかんでは消えを繰り返していた。
「ホク、どうしたのですか?」
「………これは<精霊の石>…つまりルフィーナとアイビス、ファイトは選ばれし者……」
「えっ?」
「お前達、あの石を出してくれないか?」
ルフィーナとアイビスは石を取り出した。
ファイトも石を差し出し、三つの<精霊の石>は輝きを増した。
「なんと……この石たちは虹の城の精霊の像にいるはずじゃなかったのか?」
「虹の城って?」とルフィーナ。
「光の島にある城じゃ。その城に本来<精霊の石>があるんじゃ。何者かがその石をバラバラにさせ、魔力を弱めようとしたとしか考えられぬ」
光の島という言葉を聞き、ホクは子供の頃の時代を思い出した。そこで生まれ、一時期は幸せに暮らしていた。でも、何故かその後の記憶が思い出せない。
いいや、思い出したくないから、思い出せないのかもしれない。
「でも、そんな事をする猫なんて、いるでしょうか」
「きっと闇の精霊の仕業だ……<暗黒の世界>にしようと、企んで魔力を弱めさせているんだ」
「おい、何がどーなってるのか、ちゃんと説明してくれよ」
ファイトに今までの事を手短に話した。
「ええ!?つまり、お前は未来から来た猫なのかよ!?」
いちいち反応がうるさい猫だ。その猫が選ばれし者の中に入っているなんて、これからやっていけるだろうか。
「なら、今すぐにでも精霊の像のくぼみにその石をはめなければならぬ。そうしないと、世界は滅亡してしまう」
「でも、どうやってそこまで行くの?」
「ホク、何か覚えていないか?光属性の猫は、光の島に生息しているらしいんじゃ」
「お、覚えていない……きっと暗い過去が原因だ。思い出したくないんだ……」
「でもお前、世界を救わなくちゃいけないんだぞ!」
ファイトがかっと目を見開き、ホクの頬をビンタした。
「お前のせいで、世界が救えなかったらどうするんだ!」
「………お前に何がわかる……」ホクは頬を手でおさえた。「過去の事はどうしても思い出したくない……わからず屋は黙っていろ」
ホクはそう言い、ぱっと研究室から出て行った。
「仕方ない。光の島の行き方も調べなければいけないようじゃ。ファイト、お前のせいじゃよ。もっと過去の事を思い出したくなくなりそうな言動をするんじゃない」
ファイトは少し困った顔になった。「そんなつもりじゃねーのに。なんだよあいつは……」
「さて、ルフィーナ。さっそくウォータースクールに行こうじゃないか」
☆
「ふふふっ」
一匹の白い雌猫が、一番高い屋根の上でくつろいでいた。尻尾をゆらゆら左右にゆらしている。
「負の感情が匂うわ……」
白い雄猫を見つけ、にやりとほほ笑んだ。
「どんどん苦しむがいい。そうすれば、<暗黒の世界>になるのもそう遠くはないのだから」
☆
ホクは暗い道をとぼとぼ歩き続けた。日も落ち、外は暗くなっている。
早く帰らないとみんなは心配しそうだが、みんなの顔は見たくない。
細い路地を進んだ。歩き疲れたホクは、そこに座り込んだ。
後ろの壁から、おいしそうな匂いが漂ってくる。居酒屋だろうか。
「父さん…母さん…姉さん……どうして独りぼっちにするんだ?」
ホクは夜空を見あげた。星を探したが、中々見つからない。雲に隠れているようだ。
「俺も向うに行きたかったのに……なんで生き残ったんだろう……?光属性の猫達は絶滅してしまったはずなのに……なんで……。
もう、嫌だ。こんな任務……………もう…………」
ホクの心に、段々と負のオーラが湧き出てしまった。
「ねえ……少しお話、いいかしら」
ホクはびくっとした。一匹の雌猫がうつろな目でこちらを見下ろしていた。
【M☆Wコーナー】
ル「え!?ホク!今日はお休みですって!?」
フ「口では偉そうだけど、あいつメンタル弱いんだな」
ル「元はと言えばあなたが悪いんでしょ!」
フ「お、俺のせい!?」
ア「まあまあ、その辺にしませんか…?喧嘩なんてしてたらホクさんのためにもなりませんよ。このコーナーの時間を台無しにするんですか?」
ル・フ「うっ……」
ア「わかってくれたみたいですねっ。」
ル「ごめんなさい。ここまで本編のお話を持ち込んで」
ア「大丈夫ですよ。さ、仕切りなおして次回予告を言いましょう?」
フ「おうよ!」
フ「次回、【第十章 真夜中すぎの事件】!なんか意味不明な感じだけど、よろしくな!」
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
Join date : 2015/05/15
所在地 : 日本
Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
2017年、最初のコメントはライトプールさんの創造膨らむ素敵なファンタジー小説にさせて頂きます!
時間の都合上淡白なコメントしか出来ませんが、ライトさんの独創的な世界感、キャラクターがこれでもかと生かされた小説だと思います(*´ω`*)
ひっそり応援しています。頑張って下さい!
時間の都合上淡白なコメントしか出来ませんが、ライトさんの独創的な世界感、キャラクターがこれでもかと生かされた小説だと思います(*´ω`*)
ひっそり応援しています。頑張って下さい!
ラッキークロー- 副長
- 投稿数 : 226
Join date : 2015/05/20
所在地 : 小説について何かご質問、ご意見等ありましたらお気軽にPMやTwitterの方へメッセージどうぞ!
Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
ラッキークロー@LC wrote: 2017年、最初のコメントはライトプールさんの創造膨らむ素敵なファンタジー小説にさせて頂きます!
時間の都合上淡白なコメントしか出来ませんが、ライトさんの独創的な世界感、キャラクターがこれでもかと生かされた小説だと思います(*´ω`*)
ひっそり応援しています。頑張って下さい!
わわっ、今年初コメありがとうございます!
そんなつもりはなかったのですが、そう言ってくださるなんて嬉しい限りです!
今年も頑張ります!!
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
Join date : 2015/05/15
所在地 : 日本
Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
キャー――――ーッ!
申し訳ありません! パソコンの文字変換で出てきたお名前をそのまま打ち込んでしまったようです......。
ライトハートs、ライトプールs、本当に失礼いたしました......! 気分害されましたらすみません。気を付けます。
申し訳ありません! パソコンの文字変換で出てきたお名前をそのまま打ち込んでしまったようです......。
ライトハートs、ライトプールs、本当に失礼いたしました......! 気分害されましたらすみません。気を付けます。
ラッキークロー- 副長
- 投稿数 : 226
Join date : 2015/05/20
所在地 : 小説について何かご質問、ご意見等ありましたらお気軽にPMやTwitterの方へメッセージどうぞ!
Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
ラッキークロー@LC wrote: キャー――――ーッ!
申し訳ありません! パソコンの文字変換で出てきたお名前をそのまま打ち込んでしまったようです......。
ライトハートs、ライトプールs、本当に失礼いたしました......! 気分害されましたらすみません。気を付けます。
大丈夫ですよ!失敗は誰にでもあるので、お気になさらず…!
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
Join date : 2015/05/15
所在地 : 日本
Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第十章 真夜中すぎの事件】
ルフィーナは目を覚ました。ホクがいないと、浅い眠りになってしまう。
横にはアイビスがぐっすりと眠っていた。
窓を覗いてみると、まだ真夜中を過ぎたばかりだった。
あれからルフィーナ達は学校の入学の手続きをしたり、ご飯の買い出しをしていたのだ。
研究室に帰ると、ホクの姿はまだなかった。やっぱり、そうとう怒っているらしい。
ウォータースクールは明日までお休みらしく、明後日からだ。
ルフィーナは小さな部屋の扉の隙間をじっと見つめた。
暗かった部屋が、急に明るくなった。誰かいるのだろうか。もしかしたら、ホクが帰ってきたのかもしれない。
ルフィーナはアイビスを起こさないようにこっそりとベットから降り、扉の隙間をそっと覗いた。
やっぱりそうだった。ホクはどこか元気はないが、帰ってきたのだ。
ホクは棚の方へ向かい始めた。棚の上には、カプセルで保管してある<精霊の石>が置いてあった。
誰でも持てるようにと博士が用意してくれたのだ。
次の行動にルフィーナは驚いた。ホクはそのカプセルをそうっと持つと、鞄の中に入れた。
そしてゆっくりと電気を消し、外に出て行った。
「ホク…?」
ホクの行動に胸騒ぎを感じたルフィーナは、ホクを追跡する事にした。一体何がしたいのだろう。
「物音が聞こえたけど、何事だよ」
別の部屋からファイトがあくびしながらやってきた。
「ホクが帰ってきたの」
「あいつが?」
「でも、様子が変で……<精霊の石>を持ち込んで外に出ちゃった」
ファイトは目を丸くした。「何でだろう?」
「わからないわ。でも、胸騒ぎがする。何か悪い事が起こりそうなの」
「よし、一緒に行ってやろう。お前一人じゃ、夜道は危険だからな」
どこか上から目線な言い方だが、ルフィーナは安心した。
ファイトは荷物をとると、外へ出た。
「チクショウ。出るのが遅かったな」
「大丈夫。私は火の国の猫だったんだもの。追跡は得意よ」
ファイトはうなずき、先頭をルフィーナに譲った。
ホクを追跡するうちに、暗い街灯の少ない道になっていった。路地を進むと、猫の影が二つ見えた。
その影はカプセルを渡す様子が見える。
「やめろ!」
ファイトは叫び、前へ飛び出して体当たりをした。
ホクが悲鳴をあげた。カプセルは空へ浮いた。
謎の雌猫がキャッチしようとしたが、ルフィーナは雌猫を押さえつけた。
「何をするつもりなの!?」
カプセルはちょうどファイトの鞄の中に落ちた。
ファイトはホクを放し、鞄をぱっと拾い、雌猫にとられないようにした。
ルフィーナは雌猫をこらしめようとしたが、気が付いたときにはいなくなっていた。
「あ、あれ……?」
「消えたのかよ」
ホクが路地で倒れこんでいるだけで、雌猫の姿は見当たらない。
「素早い奴だな。とりあえず、<精霊の石>は無事だぜ」
「よかった」ルフィーナはほっとした。
あの雌猫の事も気になるが、ホクが先だ。
「ホク、大丈夫?」
何度揺さぶっても、ホクは目を覚まさない。
「何があったんだろうな……こいつが<精霊の石>を持ち込むなんて」
「とりあえず、研究室に戻りましょうよ」
「魔法でこいつを運ぶのはなんとかするぜ」
「ありがとう!」
こうして三匹は研究室へ戻っていった。
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
Join date : 2015/05/15
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Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第十一章 選ばれし者達の深まる絆】
ホクは夢でうなされていたが、今ゆっくりと目をあけ、悪夢からようやく解放された。
「ここはどこだろう……」
さっきまで路地にいたはずだ。そこから先は何も思い出せない。
「あっ!目覚ましたぞ!」
誰かの声で、頭がガンガンなる。
「ちょっと、静かにしてください。目を覚ましたばかりなんですから」
「ホク、大丈夫?」
意識が大分はっきりすると、ここは研究室だとわかった。
空き部屋でベットに横になっていたところだ。
仲間達が心配そうに見下ろしている。カール博士の姿はなかった。
「…………」
ホクは何と答えたらいいかわからなかった。
気まずい空気の中、ファイトが一番に切り出した。
「悪いな…その、殴ってしまって。お前の過去がどんなものか知らねぇのに。すまない」
ホクの目にいつの間にか小さな涙がこぼれていた。何故泣いているのだろうか。
「別に大丈夫だ。俺の方こそすまない……」
ホクは起き上がり、涙を拭きとった。
「これで仲直りできたわね」ルフィーナはふふっとほほ笑んだ。
「でも、どうして<精霊の石>を持ち出したんですか?」
「えっ?」
「まさか、覚えてないの?」
ホクは顔をしかめて思い出そうとした。「ごめん。そんな事覚えてない……ふらふら夜道を歩いた事しか……」
「あなた、謎の雌猫に目をつけられたの。その雌猫に<精霊の石>を渡そうとしたわ」
「そこで俺たちが助けたってわけだ。ほら、こいつも無事だし」
ファイトが<精霊の石>達が入ったカプセルをホクに見せた。
「なんて馬鹿な事をしてしまったんだ………」
「その雌猫の正体、覚えてる?」
ルフィーナの質問に、ホクは首を横に振った。何一つ思い出せない。そもそも、そんな雌猫がいた事すら。
「とりあえず、お前が……えっと、その、無事でよかったぜ。ヒーローになる前からわけわからない雌猫に<精霊の石>なんて渡すんじゃねーぞ」
「ファイト、そもそもこの問題はあなたにあるでしょう」
「フン。もうその話はいいじゃねーか!えっと、仲直りもした……ことだし?」
「おお、元気になったようじゃな」
「じーさん!ちょうどよかったぜ。こいつ、目が覚めたんだ」
「それは何よりじゃ。ほれ、気分を落ち着かせる薬をもってきてやったぞい。これを飲んでリラックスするがいい」
「ありがとうございます……」
ホクは苦い薬を一気に飲みこんだ。
「今日はそうやってゆっくり体を休めておきなさい。訓練するのは明日からでも遅くないじゃろう」
「それで、精霊とかについて何かわかったのかよ」
「今調べている所じゃ。全てわかったら、まとめて話す」
☆
「失敗に終わってしまったわ。あのよくわからない二匹の猫によって………」
白い雌猫は悔しがって歯ぎしりした。
「まあいい……情報はだいたいわかったから……ね?あいつらより先に………フフフ…ッ」
白い雌猫は、不気味な笑みを浮かべた。
「見てらっしゃい。今こそ素晴らしい世界に変えてやる。もうすぐだわ。私の望む、私の居場所がある素晴らしい世界も、もう少しで………」
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
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Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第十二章 今それぞれがすべきこと】
ルフィーナも無事ウォータースクールに入学し、確実に成長していった。
「あのね!今日は何属性の精霊が操れるか、校長先生に占ってもらったの!」
毎日のように学校で起こった出来事を、夕食で嬉しそうに話す。
「何属性だったんじゃ?」とカール博士。
「火属性!」ルフィーナはへへっと笑った。「嬉しいな。魔法を使えなかった猫でも、こうやって属性がわかるんだもの」
「みんなに必ず一つ属性はついておる。精霊を信じるか信じないかの問題じゃ」
ルフィーナはもう、二足歩行で歩けるようになり、新しい鞄も買ってもらった。
毎日が充実していて、見ているこっちが眩しく感じる。
俺の子供時代も、こんな青春だったらよかったのに。苦い思い出がまた頭をよぎった。
でも今は独りじゃない。こうやって仲間がいるじゃないか。
「ファイト………明日俺とバトルしてくれ。お前の強さは…あの喧嘩でわかったし……。いい試合になると思うんだ……」
みんなが驚いた顔をしたが、ファイトはやる気が出てきたのかうなずいた。
「もちろんだぜ」
アイビスが嬉しそうにほほ笑んだ。「このところ、全て順調ですね。今それぞれがすべき事をちゃんとわかってます」
「この調子で頑張るぞ!」
カール博士の掛け声に、ここにいるみんなはやる気を出した。
「よーし、ホク!この魚を食え!」
「や、やめろよ………苦手だって言ってるだろ?」
ファイトがおしつける魚を、ホクは嫌そうに見つめた。
「ファイト、そんなに嫌がらせをするならファイトの課題を増やそうかのう……」
「や、やめてくれ!これ以上課題を増やすのはごめんだぜ!」
カール博士の冗談に必死になるファイトを見て、ルフィーナやアイビスが笑った。
ホクもふっと笑い、食事を楽しんだ。
☆
次の日になった。ホクとファイトは水の国の中央にある施設、バトルフィールドにやってきた。
この施設は誰でも使えて、魔法の特訓にもなれる。今日は学校も休みだと言う事もあって、ルフィーナも見に来ていた。
ファイトは先が龍の頭の形をしたサンゴ礁のような杖を取り出した。「前よりパワーアップしてるぜ」
「俺だって」ホクも<シャイニングスター>を取り出した。<シャイニングスター>が日に日に力が強くなっているのが実感できる。
「俺から行かせてもらうぜ!水の精霊よ、我に力を与えよ!」
杖についていた水晶が光、水の渦を巻き起こした。
ホクはその水の渦に巻き込まれた。目が回り、どうにもできそうにない。
「もらったぜ!」
ファイトが渦の中に飛び込み、ホクに今度は泡を飛ばした。
「光の精霊よ、我に力を与えよ!ライトソード!」
大きな光の剣が現れ、水の渦を引き裂いた。
ファイトが勢いに負けて飛ばされた。
水の渦から脱出できたホクは、ファイトに光の速さで近づいた。
特訓なので威力を弱めたライトソードをファイトに突き刺した。
ファイトはびっくりした声をあげ、地面に倒れこんだ。
ホクは息を切らした。<シャイニングスター>の星の光が強くなった。
ファイトはゆっくりと立ち上がった。「俺の負けだぜ………」
ホクは力を抜いた。「随分と魔力があがってるじゃないか」
「まあな。<ウォータードラゴン>を操れるようになるまで、俺は強くなり続けるんだ」
バトルが終わり、フィールドから結界が消えた。
「ホク!ファイト!」
この試合を見ていたルフィーナがスポーツドリンクをもってやってきた。
「試合お疲れ様!」
「ありがとう」ファイトがスポーツドリンクを受け取った。
ホクもうなずき、スポーツドリンクを一気に飲み干した。
「試合の後のスポーツドリンクは美味いな!」
「そうだな」
「私、今度自分にあった武器を授業で選ぶ事になっているの」
「もうそんなところまで行ってるのか?」
「うん!すっごく楽しみ!私も二人に追い付きたい!ううん、追い越したい!」
「その意気だ、ルフィーナ」
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
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Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第十三章 ルフィーナの友達】
午後三時になった。いつものように特訓をしていたホクは研究室に帰宅し、
ソファーで休憩していた。カール博士やアイビスは精霊について調べたりしていて、図書館に行って何かヒントを探しているらしい。
ルフィーナとファイトはウォータースクールにいるが、もうすぐで帰ってくる。
ホクは机の上にあった魚のおやつを見つめた。魚がそんなに美味しいのだろうか。一度食べてみるのも悪くない。
ホクは焼き魚を小さくしたおやつをじっと見つめた。そして一気に口に入れ、頬張った。
「……ッ……!?」
予想以上にまずく、ホクの白い毛が逆立った。
味をすぐに変える為、近くにあったリンゴジュースを入れ、一気に飲み干した。
「なんだよ……全く」
「ただいま!」
ルフィーナの元気そうな声がし、ホクはぎくっとした。
「お、おう……」
「どうしたの?元気ない?」ルフィーナが扉を開けたままホクの近くまでやってきた。
「いや、何でもない」ホクは咳払いをした。
「今日はね、お友達を連れてきたの!」
「ちょ、ちょうどよかった。その魚のおやつをあげるといい」
「ほら、クラルテ!隠れてないで出てきたら?ファイトはいないからっ!」
「クラルテ……?」
扉の方を見ていると、小柄な黒白ブチの雄猫が、少し怯えた顔をのぞかせた。
「えっと…その………」
彼にどこか見覚えがあった。確か水の国に来て、ファイトがいじめて助けた子だ。
「あの時の……」
クラルテは緊張気味に研究室に入ってきた。「えっと、こんにちは……」
「こんにちは。お前、あの時の子だよな?」
「えっと、そ、そうです……」
「もう、ホクは暴力なんてしないから、もっと気楽にすればいいのにっ。さ、この椅子に座って、魚のおやつでも食べようよ」
ルフィーナはクラルテをリードし、椅子に座らした。
ホクもソファーから降り、椅子に座った。
「それにね、ホクはお魚が苦手なんだって。子供っぽい一面もあるでしょ?」
ルフィーナに小声で言われ、ホクはムッとした。「だから苦手なものは仕方ないだろ?」
「そ、そうなんですか……」それがウケたのか、クラルテは少しだけ穏やかな表情を見せた。
その表情にホクはルフィーナに対して何も言えなくなり、ため息をついた。
「えっと、ホクさん。ルフィーナから色々聞いてます。あの時はありがとうございました…お礼と言ってもなんですが、これをどうぞ……」
クラルテはそういうと、いそいそと何か袋を取り出した。
「開けていいか?」
「もちろんです」
袋をあけると、美味しそうな匂いがした。「これって……」
「クッキーです。僕の手作りで」クラルテは少し恥ずかしそうに言った。
「クラルテって、私のクラスの中で一番女子力が高い子なの!」
「そ、その紹介やめてよ………女の子っぽいって言われたくないし……」
「ご、ごめんごめん」
「へぇー、ありがとな、クラルテ」
ホクはそう言い、一口食べてみた。ネズミの味が広がり、サクサクしていてホク好みの味だった。
「美味い」
クラルテはその一言を聞き、嬉しそうな顔をした。「本当ですか……!?」
「…それにしてもクラルテってどうしてファイトにいじめられたんだ?」
「そ、それは………」
「ちょっとホク!思い出したくないかもしれないじゃない」ルフィーナが困った顔で言った。
「わ、悪かった……」
「だ、大丈夫だよ、ルフィーナ。助けてくれたから………」
「クラルテがそう言うなら………」
「僕、何故かいつもいじめられるんです。多分、男っぽくないからとか、少し変だからと思うんです……僕、どこか変な所でもあるんでしょうか?」
「そんな事ないよ」ルフィーナがクラルテを慰めた。
「僕、引っ越しても引っ越してもすぐいじめられて……ルフィーナが初めての友達なんです。多分、まだあれを見せてないから……」
「あれって?」
「いえ、何でもないです……えっと、もう行きますね。ファイトさんが近くにいるので」
クラルテはホクに向かってお辞儀をすると、この場を後にした。
「ファイトが近くにいる……?」ルフィーナが小首をかしげた。「どうしてわかったのかな」
「さあな……俺、悪い事聞いてしまったみたいだ」
ホクは顔をしかめた。自分も思い出したくない事を聞かれて、気を悪くしたばかりなのに。どうしてこれに気が付かなかったのだろう。
「ただいまー」
しばらくすると、ファイトとカール博士が帰ってきた。
彼の言う通りだ。ファイトは近くにいて、すぐに帰ってきた。
ルフィーナの友達は少し変わった子だった。
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
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Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第十四章 光の島の行き方】
あれから一週間がたった。ルフィーナが新しい、<バーニングブーメラン>という武器を手に入れ、毎日特訓を重ねていった。
今日も放課後、ホクと共にバトルフィールドに来ていた。
「火の精霊よ、我に力を与えよ!」
ルフィーナはブーメランに火を燃やすと、的に向かって投げた。その的は火によって消え、自分の手元に戻ってきた。
「大分上手になったな」特訓を見ていたホクはルフィーナに言った。火の国で出会った頃とは大違いに成長している。
「こんな所にいたんですね」
アイビスの声に、二匹は振り返った。アイビスの武器、<フラワーブリザード>をつけた前足をふっている。
二匹は特訓を終えてアイビスの所へ駆け出した。
「どうしたんだ?」
「ついにわかったんです!」アイビスが目を輝かせた。「光の島への行き方が!」
☆
「光の迷路?」
研究室に戻った三匹は、さっそくカール博士の話を聞いた。ファイトも加わり、誰もが光の迷路の事で目を丸くしている。
「それはとてつもなく複雑な洞窟じゃ。海を渡り、船で移動しなくてはいけないんじゃ。じゃが、この迷路は複雑すぎて
一生出られないとされて、立ち入り禁止になったんじゃ」
「じゃあ、どうやって行くの?」ルフィーナが困った顔をした。
「<水の国>の王様から、光の迷路に行く理由を説明し、説得させなければなりません」アイビスが深刻な表情で言った。
「もしそれが良くても、どうやって光の島に行けるの?一生出られないんでしょ?」
誰もが黙りこくった。だが、ファイトだけは考え込んだ顔をしている。
「ファイト?」ホクはファイトの顔をのぞきこんだ。こんな真剣な表情ははじめて見た。
「思い当たる事が1つだけあるぜ……その光の迷路をクリアする方法が」
「それは何?」
「……透視能力……つまり、クラルテの力を借りるしかない」
「彼にそんな力が?」
「ああ。俺は気が付いてた。言いたくねーけど、俺はあいつに嫉妬してた。あいつは努力もせずに特別な力をもってるから」
「何はともあれ、クラルテの力は役に立ちそうだな」ホクは言った。
ルフィーナがクラルテを連れてきたとき、「ファイトが近くにいる」と言ったが、あれは透視能力のおかげで見えていたわけだ。
ルフィーナも同じことを考えているのか、考え込んだ表情になった。
「でもよ、俺がいるんだぜ?力を貸してくれるかわかんねーよな」
「そこは俺がなんとかする」ホクは言った。「ルフィーナ、一緒に来てくれ」
「もし力を貸してくれなかったら、どうするのですか?」アイビスが不安を口にした。
「その時はまた別の方法を考えないといけないじゃろう」
「それじゃあ、カール博士。今から行ってきます」
「ああ。夕方には帰ってくるんじゃぞ」
「行こうぜ、ルフィーナ」
ルフィーナは荷物を持ち、うなずいた。
☆
「クラルテの家はこっちよ」
ルフィーナはそういうと、オシャレなカフェへ連れてきた。
「か、カフェ?」
「ええ。クラルテの実家はカフェ屋さんなの。裏の入り口が店じゃなく、本来の玄関ってところかしら」
それじゃあ、クラルテがお菓子をつくるのも納得だ。
ルフィーナはそう言い、扉を叩いた。「クラルテ?お話があるの!」
しばらくすると、クラルテが扉からゆっくりと出てきた。エプロンをしているところを見ると、何かをつくっている最中のようだ。
「すまん。作業中だったか?」
「大丈夫ですよ。ちょうど休憩をしようと思った所です」
「よかった。ルフィーナが言った通り、お話があるんだ」
クラルテが自信無さそうな表情をした。「お話?いいですよ。どうぞ中へ」
中へ入ると、クラルテはエプロンを脱ぎ、近くの緑色のソファーに置いた。
テレビでニュースがついていた。アナウンサーが必死に喋っている中、見た事あるような映像が流れている。
「ホク、<ダークホール>じゃない………?」
ホクはぎくっとした。テレビでは<ダークホール>が中継されていた。
威力は相変わらずで、あらゆるものを吸い取っている。だが猫はいない。
どうやら先に危険に気が付き、避難をしたようだ。
「ここに座ってください」クラルテは緑色のソファーを指さした。「僕はお菓子を用意しますね」
「いや、大丈夫だ」ホクは止めた。「すぐ終わるから」
「そ、そうですか?」クラルテは小首をかしげ、同じソファーに座った。
「クラルテの実家、カフェ屋さんなんだな」
「はいっ。僕、将来このお店を継ぐんです。そのために、お菓子作りの勉強をしているんですよ」
すると、少し悲しそうな顔になった。「でも……両親に迷惑をかけて。今まではカフェ屋さんどころじゃなかったのです」
「でも、今こうやってカフェ屋さんが出来ているじゃないか」ホクは気を使った。クラルテには何故か悲しませたくないと思ってしまう。
「そうですね」クラルテが困った顔で少し笑った。
「それで、そのお話なんだが」ホクは切り出すのに戸惑った。
「君の能力を借りたいんだ」
思いがけない言葉に、クラルテは驚いた顔をした。「どうして能力の事を知っているのですか?」
「えっと、その___」
「ファイトから聞いたの」ルフィーナが中々喋れないホクの代わりにそう言った。
「ファイトが………」彼の名前を聞くと、少し悲しそうな顔をした。
ホクは困りながらも、力を貸してほしい理由、今この世界が危ない事、ホクが未来から来た事を一気に話した。
隠し事をしないおかげで、クラルテは少し心を開いてくれた。
「そういう事なら、いいですよ。でも、ファイトも来るのですよね?」
話を聞き終わると、クラルテが自信なさげに聞いた。
「ああ。あの事についてはあいつも反省してると思うし、もし何かあったら俺がこらしめるから」
ホクはそう言い安心させるように少しほほ笑んだ。
それを見たルフィーナも、クラルテを見てにっこり笑った。「大丈夫よ、クラルテ」
「はいっ。皆さんのお役に立てるなら……僕、頑張ります!」
クラルテは決心したらしく、ホクとルフィーナにきっぱりと言った。
ライトハート- 族長
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Re: MAGIC☆WORLD~未来を取り戻す旅~【完結】
【第十五章 いざ、光の島へ!】
あれから時は流れた。光の島に行く者達はさっそく準備をはじめていた。
テレビのニュースでは、明らかに<ダークホール>の情報が多くなっており、事態は深刻な状況へと進んでいった。
<暗黒の世界>になるのも、時間の問題だった。
ついに出発の時が来た。
カール博士はみんなを呼ぶと、真面目な声で言った。「今から光の迷路に向かう。元々立ち入り禁止じゃったが、<水の国>の王様に許可を得た」
「僕もあれから能力を磨きました」クラルテは自分に言い聞かせるように言った。「きっと光の島まで行けます」
「みんなで未来を救おう」
ホクは心の中で誓った。絶対、<闇の精霊>を倒してみせる。太陽が見れない世界になるのは、嫌だ。
夢に向かって突き進んでいる者、明日に希望をもっている者を守り抜く。
☆
ホクはみんなを連れて光の迷路の入り口にやってきた。入れないよう警備員がそこには二匹立っていた。
「王様から話は聞いている。くれぐれも気を付けて」
「ありがとうございます」
ホクはお礼を言った。
「いいな、みんな」カール博士は一人一人の顔を見て、最後にホクの瞳を見つめた。
ホクはうなずき、選ばれし者と一緒に未来を救う旅の第一歩を踏み出した。
中は光の迷路と由来されるのがわかるほど、キラキラと輝く宝石がたくさんある洞窟だった。
クラルテが先頭で、目をつぶり意識を集中させている。
「こっちです」クラルテは右の小さな穴を示した。「少し過酷で狭いですが、なんとか潜り抜けれますよ」
「よくやりました、クラルテ」もっと自信をつけさせるために、アイビスが言った。
クラルテは嬉しそうにうなずき、小さな穴へ入っていった。
慎重にクラルテの指示で進むと、大きな広場のような場所に出た。
ここだけは太陽の光が照らされていて、天井に穴があいている。
「見ろよ、壁に何か書いてあるぜ」ファイトが驚いた声をあげた。
ファイトの視線を辿ると、そこにはびっしりと足跡文字が彫られていた。
ホクはファイトの横に行き、その文字を読み解こうとしたが、ずっと昔に書いたのか、見たことない文字だった。
「博士、読めますか?」
カール博士が傍に来てしばらく壁を見ていた。
「……俺はここで罪を償い、これからここで暮らしていく。そして、未来の英雄に託すのが俺の使命だと思った。<闇の精霊>を倒すには___」
カール博士はそこで言葉を切り、首を横に振った。「あまりにも昔に書いたのじゃろう。ほとんど消えて読めない。しかも、古代文字じゃ。わしもあまり研究してなくてな」
「古代文字?」ルフィーナが首をかしげた。「足跡文字より、もっと前の文字?」
「そうじゃ」カール博士はうなずいた。だが、一番したの文字に目を移した博士は目を丸くした。「これを書いたシャイニングじゃ!」
「シャイニング!?あの英雄のシャイニングが、どうして罪を償うんだよ?」ファイトが驚いた声をあげた。
「わからない」カール博士は言った。
「そろそろ先へ急ぎませんか?」アイビスがやんわりと言った。「これ以上、読めそうにありませんし」
「そうじゃな。シャイニングの伝えたかったことはわからんが、とにかく、<精霊の石>を光の島にある虹の城に持って行かなければ」
クラルテはもう能力を発動させていたのか、自身たっぷりに言った。「こっちですよ、皆さん」
「急ごう」ホクは言い、クラルテの後に続いた。
ライトハート- 族長
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