交換SS−ウォリクラ族競技会−

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交換SS−ウォリクラ族競技会−

投稿 by フロストテイル on Mon Sep 24, 2018 8:30 am

お題:ウォリクラ族が競技会を部族内でやる。
HN:ルーナ
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投稿 by フロストテイル on Mon Sep 24, 2018 8:31 am


暖かな日差し、柔らかな風、少し青臭い香りがするがそれがまた心地よい。
自分の体毛に日光を染み込ませるかのように浴びていると
足下から視線を感じた。

「おるで」

猫耳の生えたキノコについた二つの瞳
声の主は不機嫌そうな顔で見上げてくる。

「おるで」

「....。」

ツキノコと呼ばれるソレは以前に惚れ薬を作ろうとしていたら何故か生成されたキノコである。
最初は一つだけだったのだが、放置しておいたらいつの間にか数を増やし、今では新種まで出てくる始末と成り果てた。
放置はダメだね☆てへぺろ。

「おるで」

「...ンア"ア"。」

ツキノコに向けて声を発すると耳をこちらへ傾けてくる。
今度は少しはっきり言ってみる。

「ンア"ア"ア"。」

「..!ンア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

こちらの声に反応し、ツキノコが声をあげる。
その様子は少し嬉しそうに見えなくもない。...眉間にしわが寄っているから本当の所はわからないが..。

「ンア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"。」

「ン"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

「なにやってんですか先輩。」

共鳴させて遊んでいると不意に後ろから声がした。
一気に跳ね上がる心臓を口から出しつつ振り向くとそこにはシアクラウドの姿があった。

「おっぴょぅ...な、なんだシア"クラウドか..。」

「アの濁点外して下さいよ。てか心臓しまって下さい。怖い。」

どん引きしつつするシアクラウドに言われ、心臓を口にしまう。
気のせいか足下のツキノコもドン引きしてるようにも見える。
..なんだコラ、やんのかキノコが。

「..で?何か用かな?」

「いや、族長が探してたんで呼びに来たんですよ。また何かしたんですか?」

「悪事の常習犯みたいに言わないでくれよ。」

「で?何か心当たりは?」

疑り深く見つめてくる後輩の目を見返しながら思い返す。
寝床にツキノコを仕込んだこと、パパさんのおやつをこっそりつまんだこと、ふささんのおでこに寝てる間にトマトの絵を描いたこと
エルフさんの薬草部屋にこっそりと無駄にドングリを保存していること、ヒースさんのゴーグルに麻酔銃を仕込んだこと
パーシモンシードの尻尾をこっそり味見したこと..etc.etc..

「....ん、一つもないなぁ。」

「.......ソウデスカー。」

心当たりは一つもないが、とりあえず族長の吉祥さんのところへいくことにした。
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投稿 by フロストテイル on Wed Sep 26, 2018 1:55 pm

「ンア"ア"」

「ンア"ンア"」

「おるで」

「すず吉」

「おるで」

キャンプの入り口に近づくにつれてツキノコの数が多くなっていく。
それぞれが無駄に喋る為、少しうるさくも感じる。
基本は「おるで」「ンア"ア"」しか話せないツキノコだが
個体によっては知性が僅かにあるツキノコもいる為、そういった個体は他猫の言葉を記憶している場合があるようだ。

「おるで」

「やぁお嬢さん向こうの茂みで僕とライトニングしないかい」

「おるで」

「おるで」

「ちょっと先輩ストップ。今聞き捨てならないセリフを言ったツキノコが。」

「気のせいだろ。」

険しい顔になる後輩の耳を尻尾で塞ぎ、キャンプへ急ぐ。
余計な事件に巻き込まれたくはない。

「ンア"ンア"」

「僕の白い稲妻が」

「先輩。」

「気のせいだろ。」

シアクラウドの首をくわえてその場を駆け抜ける。
R-18もR-18Gもごめんだ。
これは健全なSSなのだから。

「吉祥さんの毛は一部白..」

「フリーズランサーーーー!!!!」

何となく道ばたのツキノコ達を尻尾の冷気で凍らせ、粉々に砕いてみる。
そう、何となく、何となくである。
別に後ろめたいことなどない。ただ念のため後でこの一帯のツキノコを冷却粉砕しておこう。

「先輩どうしたんです?」

「なんとなくその辺のツキノコを凍らせて粉砕したくなることってあるだろう?」

「そりゃありますけど何故今..。」

キャンプの入り口が見えて来た。
シアクラウドを振り回しながら入り口を駆け抜ける。
先輩を呪う後輩の声が聞こえた気もするが、聞こえなかったことにした。
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投稿 by フロストテイル on Thu Sep 27, 2018 8:21 pm

「ンア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!」

キャンプの入り口を通ると聞き慣れた声が叫ぶ声が聞こえてくる。
入り口付近の壁にシアクラウドを収納し、急ぎ声の方向へ向かう。

「先輩?何で壁に埋めるんですか先輩?せんぱ...。」

声のした方へと駆けていくと黒く二つに裂けた尻尾が上下に揺れるのが視界に入る。
ウォリクラ族の族長、すず吉の吉の方、黒い猫又..その名を吉祥。
普段はクール...クール?まぁうんクールで良いやうん。...に皆を導く族長が取り乱しているのが一目で分かる。

「どうしたんですか吉祥さん。またヴァックスに解剖されかけたんですか?」

「FAXみたいに略すな。てか解剖されてたまるか。」

そう言う族長の背中にはほんの少しだが針で縫ったような痕跡があったのだが、あえて何も言わないことにした。
知らない方が幸せなこともあるさ。
ハッピーハッピー。

「こいつはどういうことだ?」

吉祥さんが尻尾で指し示す方向に視線を向けると。
キャンプの獲物置き場が視界に映る。
普段から獲物が置いてあり、一族の猫達が食事をする場。
今朝も利用したので良く知っている。

「獲物置き場がどうかしたんですか?」

「俺が言ってるのは置き場ではなく、置き場に置いてあるものについてだ!」

置き場の上へと視線をずらしていく。本来ならねずみ、鳥にウサギなどが置かれているはずの場所。
今は白い塊で埋め尽くされ、なんとも言えない状態になっている。
時折聞こえる「おるで」の声が、その白い塊の正体を明らかにしていた。

「山盛りですね!HAHAHAー!」

「土盛りにしてやろうか?」

言いながら吉祥さんはぐるりと首をまわす。
キャンプ全体をさっと見回し、言う。

「と、いうかさ..。なんか最近キャンプのいたるところにツキノコが..かなり増えてるよな?」

「秋ですねぇ。」

「お前の首ごと収穫すんぞ?オラァ。」

いつの間にか私の頭に付着していたツキノコをつかみながら吉祥さんが脅してくる。
ヤダ怖い。
周りから聞こえてくるツキノコの声を聞きながらそんなことを考えているとキャンプの隅に異様なモノを発見する。
見慣れた雪豹柄の毛皮、冬などに刈り取り使用すると暖かいソレに、4〜5匹のツキノコが引っ付いていた。

「ンア"ンア"パーリナイッ」

「ツキノコを見るとき、ツキノコもまた、こちらを見ているのだ。」

「何か言ってる。」

「やつはもう手遅れだ。マリン13にも診せたが「露出が足りませんね..。」といって大きいツキノコを探しに行ってしまった..。」

「人選..いや、猫選ミスでは..。ヘイぱぱさん生きてるかい?」

雪豹柄の毛皮からツキノコを引き剥がしていく。
全て引き剥がし終わると次第にぱぱさんの目に光が戻ってくる。

「..ハッ!焼肉定食 満漢全席 牛飲馬食 肉食妻帯 無銭飲食!」

「良かった正気に戻ったようですね!」

「え?これ正気で良いの?ねぇ月猫さん?ねぇ?無銭飲食とか言ってたけどねぇ!?おい無視すん..。」

納得いかない表情の族長を放置して、まだ上手く動けないぱぱさんを部屋まで引きずっていく。
おっっっっっもい。

「おかわり。」

「ありません。」
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投稿 by フロストテイル on Tue Oct 02, 2018 6:17 pm

副長部屋にぱぱさんを寝かせ、近くにいたフォナイフセイブルをお腹の辺りの毛皮に差し込む。
しばらくすれば元気になるだろう。

「私のこと充電器かなにかだと思ってます?」

「ふささん、ぱぱさんのこと..頼むぜ。」

「それで誤摩化されると思ってんですか?」

「後でウサギ探してくるよ。」

「ここは私に任せて先に行け。」

ぱぱさんを任せて族長の元へと戻る。
獲物置き場では、渋い顔をしながらツキノコをブチブチとちぎり捨てている族長の姿があった。

「ちぎって地面の肥やしにでもしてやるか。」

「あ、吉祥さんダメですよ。」

「あ?何が?」

「ちぎると胞子が飛散して余計に増えますよ?」

「先に言え!!」

言い終わる頃には吉祥さんの周囲の地面はツキノコパラダイスと成り果てていた。
無論、ちぎっていた吉祥さんの毛皮もパラダイスしていた。

「ン"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!」

「吉祥さん落ち着いて!」

無我夢中でツキノコを払い落とす吉祥さんをなだめつつ、
この惨状をどうにかする方法を考える。
ちぎったら増えるし、食べようにも多すぎるし、そんなに美味しくないし。
なんとか効率よく減らす方法を..。

「...デェィア!」

「うわ、なに?どうした月猫さん。」

「思いつきましたよ!効率よくツキノコを減らす方法を!!」

「え?今の思いついた時の声だったの?回転切りみたいな声してたけど。」

困惑する吉祥さんであったが、対ツキノコアイデアを話すとなるほどと頷く。
その顔は、考えることをやめたような表情をしていたような気がするが..気のせいだということにしよう。
現状、これが一番無駄なく効率的にツキノコを減らせるのだから。

「これより一族の集会を始める!広場に集まれ!」

数分後、吉祥さんによる集会を始める声がキャンプ内に響き渡る。
その声を聞き、見習いから戦士猫、寝ぼけ顔や13顔の様々なウォリクラが広場に集う。
時刻は夕刻、早めに寝ていた者もいたのだろう。
横ではエルフが小さく愚痴を吐いていた。

「もー、折角薬草の整理が終わって仮眠してたのに..。散々やわぁ。」

「お疲れさま。そんなに大変だったの?」

「そうそう、聞いてやぁ。朝に整理し終わったばっかの薬草達があるやんか?それをシアさんにゴチャゴチャにされたんよ。」

「え?シアさんに?」

言いながらキャンプの入り口横を見ると、シアクラウドを収納(封印)していた箇所は穴が空いている。
凄まじい力で抜け出したのだろうか。
やつはウォリクラゴリラ四天王の中でも最弱のはず..。

「聞いてる?」

「あ、ごめんごめん。で?何でそんなことに?」

「何か惚れ薬作るとかで荒らしていきおった。「彼の白い稲妻は私のもの!」とか言ってて怖かったわ。」

「なるほど。大変だったね。」

薬の標的となるであろう猫の無事を祈りつつ、空を見上げる。
天空の端では、星達が笑い声をあげるかの如く煌めく。
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投稿 by フロストテイル on Tue Oct 09, 2018 3:00 pm

「これより!『ドキ☆ドキ!!ウォリクラ競技会〜燃えよツキノコナイトフィーバー!秋の陣〜』を開催する!」

「「「「「なんて!?」」」」」

高らかに宣言する族長の言葉に一族の猫達は一斉に聞き返す。
皆どうやら耳を疑ったようだ。

「族長今なんて?」

看護部屋の前で声を上げるのはヴァックス..ヴァイオレットフォックスだ。

「『ドキ☆ドキ!!ウォリクラ競技会〜燃えよツキノコナイトフィーバー!秋の陣〜』を開催する!」

看護猫の顔が困惑で険しくなる。いわゆる13顔であろうか。
よく見ると他の面々も困惑で13顔になっていた。
ナニコレ怖い。

「私のアルデンテが!」

どこからかマリンフェザーの声が聞こえたが無視しておこう。
後それを言うならアイアンメイデンな。

「アイデンティティな。」

横からエルフが呆れた顔でこちらを見てくる。
こいつ..私の思考を。

「吉祥さん。その、ドキドキ?フィーバー?って何をするんですか?」

「『ドキ☆ドキ!!ウォリクラ競技会〜燃えよツキノコナイトフィーバー!秋の陣〜』
 は増え過ぎたツキノコを出来るだけ効率的に消費する為に考案された競技会だ。ちなみにこの
 『ドキ☆ドキ!!ウォリクラ競技会〜燃えよツキノコナイトフィーバー!秋の陣〜』という名前は月猫さんが考えたので俺は関係ない。」

若干憎しみのこもった眼差しが黒猫から飛んでくる。
よほど競技会名を言うのが恥ずかしかったらしい。
おかしい..結構良いネーミングだと思うのだが...。もう少し短くするべきだったか。

(これから短くなるのは貴様の寿命だがな。)

脳内に恨みのこもった言葉が飛んで来たが気にしないようにする。

「その競技会では」

略されてしまったか。

「まず目的として、増え過ぎたツキノコを消費することにある。」

「おほー!食べれば良いのでは?」

「飽きがくる。」

「ふみー!ちぎって肥やしにするのは?」

「ちぎり捨てると胞子が散ってめっちゃ増える。さっき後悔した。」

「れぱー!野に解き放つ!」

「それだと根本的な解決にならな..てかお前ら文章だと誰が喋ってるかわからんからって変な掛け声出すな。」

スノーレパードファーにツキノコを投げつけ、族長は続ける。

「なんで私だけ..?」

「ツキノコはとりあえず燃やせば増えることなく消せる。
 しかし、延々と火にツキノコを焼べている絵面とか最早何かの儀式なので競技会形式にして遊びながら燃やす。
 運動して腹が減ったらツキノコを喰う。という解決策をそこの元凶が提案してきた。」

元凶なのは否定はしないがツキノコを投げつけながら言わないで欲しい。
やれやれとツキノコをパパさんの毛に収納する。

「ちょっと!何するのエッチ!」

「ちなみに競技会は明日の夜に開催だ。色々準備もあるからな。
 皆も明日の夜に備えておくように、では集会を終了する。解散。」

さて、明日の昼は忙しそうだ。
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Re: 交換SS−ウォリクラ族競技会−

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