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雪の結晶[完結]

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投稿 by ペタルドロップ Wed May 08, 2019 4:27 pm

こんにちは!ペタルドロップです!

一年ほど前から、友人のアイルステラと一緒に構想を練っていた小説、『雪の結晶』を、ついに書き始めることにしました...!(いわゆる交換小説です)
どちらも小説を書くのは初めてです!


私たちは原作に忠実に書くこと目指しています。

しかし創作の都合上、本家の事実と異なる場合があるかもしれませんが、なんでも許せる!という方のみお進み下さい(笑)
私たちのオリキャラも登場します。


余程のことがない限り、小説は毎日“必ず”投稿していきます!!!

BBSを覗けば、ここには前の続きの小説が投稿されているはずです^^
毎日継続して読んでいただけると、こちらとしても励みになります!


駄文かもしれませんが、書き上げるまで見守っていてくださると、嬉しいばかりです♪


では、またウォーリアーズの世界でお会いましょう────


***************


感想、コメントなどいただけると、幸いです♡


最終編集者 ペタルドロップ [ Fri Sep 06, 2019 9:58 pm ], 編集回数 5 回
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投稿 by ペタルドロップ Wed May 08, 2019 4:39 pm

【プロローグ1】

空に浮いている満月が、森にぼぅっと光を放っている。木々の隙間からこぼれた月の光で、地面をまだら模様に照らしている。
うっすらと霧の立ちこめる森の中を、ショウガ色の猫は歩いていた。

その雄猫は、そこに誰かがいるかのように尋ねた。

「お呼びでしょうか?」

それに応えるように、大好きなあの香りが漂ってきた。

「......サンドストーム?」

振りかえるとそこには最愛の雌猫がいた。

「サンドストーム!!!」

駆け寄ろうとしたが、淡いショウガ色の雌猫はそれを止めて言った。

「ファイヤスター、あなたを救う2匹が生まれた。隠れた闇に気をつけなさい」


「サンドストーム!待って!!俺を置いていかないでくれ!まだ一緒にいたいんだ…」

すると、立ち去りかけた雌猫は振り向いて微笑んだ。

「私の子どもをよろしくね」

それだけ言うと、サンドストームは星の光を体いっぱいにまとってすーっと消えていった。

ファイヤスターはだんだん意識が遠のいていくのを感じた────






うっすらと目を開けると、さっきの夢とは違って星のすっかり消えた空が見えた。もうとっくに明るくなっている。

サンドストームのお通夜をしていたにも関わらず、うっかり寝てしまったようだ。

「サンドストーム...。君がいなくなっても、俺は君を忘れない。この命が尽きるまで愛し続ける...」

夢で見たサンドストームの微笑みが脳裏に焼きついて消えない。

そういえば、あのお告げは何だったのだろう...?


「ファイヤスター」
「ん、リーフプールか?」
ファイヤスターは振り返ったが、目はつれあいを失った悲しみであふれていた。

「サンドストームの子猫に会いに行かないのですか?」

「...あ!」

サンドストームが亡くなったことばかりで、子どもが生まれたことをすっかり忘れていた!

リーフプールは仕方なさそうに笑う。
「行きますよ」

「あ、ちょっと待ってくれ」

「実は、スター族からのお告げを受けたんだ...」


































そう、今、保育部屋には合わせて二匹の子猫がいる...



(クリスタルキット...メモリーキット...お前たちが...お告げの猫なのか?)
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投稿 by アイルステラ Thu May 09, 2019 7:47 am

はじめまして!アイルステラです。
是非楽しんで読んでいただけると幸いです!!!

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投稿 by アイルステラ Thu May 09, 2019 7:49 am

【プロローグ2】

街の路地裏で、産まれれたばかりの小さな命は動いていた。

子猫を見下ろしている若く、美しい母猫の目に愛情は感じられない。

父親は、子供を身篭ったことを知ると母親の前から姿を消した。

美しさゆえに、今までたくさんの雄猫と過ごしたことがある母猫だったが、子供が産まれれたのは初めてだ。


母に抱かれていたというおぼろげな記憶。

あの時の自分は今と違って幸せだった。

心配事など何一つなく、ただ幸福だった。母猫は、昔の思い出に心を馳せた。


***************


 満月の夜。

森の中を歩く母猫の口には子猫がくわえられていた。

イバラで引っかかれる度に、か細い鳴き声を子猫はあげるが、母猫の注意が向けられることはない。





 「ピリカ~」 

一昨日出会った雄猫が呼んでいる。

母猫は彼の元へ走り出したい気持ちを必死に抑え、子猫をひんやりとした地面に無造作に置く。

「私の元へ産まれて来なければ幸せになれたかもしれないのに。これがあなたの運命よ。」

母猫は振り返ることなく去っていった。


***************


 去っていく足音。

必死に鳴くが、母猫の耳には入らなかった。
























 いつからここにいるのだろう。

そう考えるが、だんだん頭がぼーっとしてきた。

耳の先の感覚はすでにない。

意識を失う直前、最後に聞こえたのは、たくさんの足音だった。



***************


 暖かい。微かに子猫が身動きした。

鼻に甘い乳の香りが飛び込んできた。

「分かってるわ、ファイヤスター!もうクリスタルキットはいない!でも、あの子が....あの子だけが私の子供だったの!!!」

子猫をくわえている炎色の毛の雄猫を、若い雌猫が後ろから押しのけた。

「ハニーフラワー、クリスタルキットのことは本当にごめんなさい。私も手を尽くしたのだけれど...どうすることもできなかったの...」

俯く母猫の肩に雄猫はそっとしっぽを置いた。(子供を失ったばかりの雌猫に、俺は新たな子猫を任せようとしている...だが、この罪のない子猫を見捨てるわけにはいかない。)

「ハニーフラワー、お前にはすでに俺の子供を育ててもらっている。そして、ここにはお前を必要としている子猫がいる。」

口を開きかけた母猫の言葉を雌猫がしっぽで遮った。

「もちろん、あなたの子供はあの子1匹よ。この子達が坊やの代わりになるわけがない。それは分かってるわ。でも、お願い。」

母猫はしばらく目を閉じた。

子猫が鳴く声だけが聞こえる。




目を開けた母猫には決意の色が見えた。









「私がこの子を育てます。───






























 


───────この子の名前はクリアキット」

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投稿 by アイルステラ Thu May 09, 2019 7:50 am

【登場猫】

メモリーキット...淡い緑の目をした、濃い縞のある薄茶色の雌猫。
          ファイヤスターとサンドストームの娘。

クリアキット...深い青の目をした、青みがかった灰色の雌猫。

ハニーフラワー...黄色い目をした、薄い茶色のとら柄の雌猫。
          クリスタルキットの母猫。
          メモリーキット、クリアキットを育てる。

クリスタルキット...水色の目をした、真っ白な雄猫。
           ハニーフラワーの息子。
           グリーンコフで死ぬ。

ピリカ...銀色の美しい雌の浮浪猫。
      クリアキットの母猫。


その他 本家シリーズ2-6~3-1の間の猫


最終編集者 アイルステラ [ Tue Jun 25, 2019 10:10 am ], 編集回数 1 回

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投稿 by アイルステラ Fri May 10, 2019 7:45 am

~メモリーキット~

 「サンドストーム!!!そんな....嫌だよ!!!俺を置いていかないでくれ!!!」

「ごめんなさい....ファイヤスター...スター族からお迎えが来たみたい....」

「俺だけじゃ何もできないよ...サンドストーム...」

苦しげな息の中、サンドストームは微笑んだ。

「何を言ってるの、ファイヤスター...あなたは素晴らしい族長よ....そして...私の愛する猫...」



 その時、スクワーレルフライトとリーフプールが駆け込んで来た。

「母さん!!!」 
悲痛な声をあげる娘達にサンドストームは囁いた。

「父さんを支えてあげてね...」

「何...言ってるの....大丈夫、今薬草を持って来たわ。大丈夫...大丈夫...絶対助けるから!!!」

「無駄よ...リーフプール....私はスター族に狩りをしに行くわ...」

3匹が立ち尽くす中、サンドストームは産まれたばかりの子猫を優しく舐めた。



 自分を抱いている母の呼吸が浅くなってきた。

「最後に...この子に名前を贈るわ...あなたの名前はね...メモリーキット...あなたは...私の最後で最高の思い出よ...あなたを置いていく私を許してね...」



 淡い緑の目が緑の目をしっかり捉える。

「この子をよろしくね....ファイヤスター...私はいつでもあなた達を見守っているわ...」

「サンドストーム!!!」

「母さん!!!」


**********


 目を開けるとそこは保育部屋だった。あの夢を見るのは久しぶりだ。もう決して会うことができないお母さん。メモリーキットは、母の香りを鼻の奥に感じた。目を閉じて夢を鮮明に思い出そうとする。自分を産み、それが原因で命を落とした母にメモリーキットは心の中で語りかける。

「お母さん、聞こえる?私は今日見習いになるのよ!!!いつでも見守ってくれてるのよね。お母さんに負けないくらい立派な戦士になるために、訓練頑張るから!!!」



 保育部屋を出てくぼ地を見渡した。朝日に照らされて体が温まっていく。保育部屋を振り返ると、一緒に育ったクリアキットがハニーフラワーの近くで眠っているのが見えた。(クリアキットはいつまで寝てるの!!!今日は私達の命名式の日なのに!!!そうだ!クリアキットにいたずらしちゃお!!!)

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投稿 by ペタルドロップ Sat May 11, 2019 7:38 am

~クリアキット~

「これがあなたの運命よ」

残酷に言い放ち、立ち去る足音。

(いかないで…)

心の中で呼んでも呼んでも帰ってこなかった。

だんだん耳の感覚がなくなってきた...


そして────




「起きてよ起きてよ!
命名式始まるよ!
空き地にみんな集まってる!」
「っっっ!」
「起きてないの、クリアキットだけだよ」
「え...」

目を開けてみると、目の前にメモリーキットがいた。あれ?なんか近い......

「メモリーキット、重いよ」

ムスッとした顔で答え、体にのっかっているメモリーキットをどかした。
ん?まだハニーフラワーがいる?

「ひっかかったー!
まだだよ命名式はっ」

思い切り笑いたいが、思うように感情を表せず、イライラとした顔になった。

「あぁあ、つまんないの」
諦めた表情をしたメモリーキットは去っていった。

いつもこうだ。

友だちになれると思うと、私のせいですべて台無しだ。






私は自分が嫌い






私、戦士になれるのかな







クリアキットはこれ以上考えるのはやめ、乱れた毛を舐め始めた。
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投稿 by アイルステラ Sun May 12, 2019 7:54 am

~メモリーキット~

 クリアキットはほとんど笑わない子だ。部族猫ではないという理由からか、サンダー族の猫達もそれほど心を許していないように感じる。保育部屋の外に出て振り返ると、クリアキットが胸の毛を舐めているのが見えた。メモリーキットはそっとため息をつく。

「本当は仲良くなりたいんだけどな...」

思っていたことが思わず言葉に出てしまった。

その時、クリアキットがこっちを見た。(まさか...聞こえちゃったかな...)しかし、そんな疑問も、吸い込まれそうな深い青色の瞳と目が合うとたちまち消える。その瞳には、深い悲しみと後悔の色があるように見えた。

メモリーキットはその瞳を見つめたが、クリアキットはさっと視線をそらしてしまった。クリアキットの気持ちが分からないまま、メモリーキットは自分も毛繕いを始める。

空き地を見渡すと、ちょうど看護部屋からリーフプールが出てきたのが見えた。リーフプールは妹のスクワーレルフライトと共に、サンドストームの最初の子供だ。産まれると同時に母を亡くしてしまった私は夜寝付けないことも多かった。私が寂しがったとき、リーフプールは保育部屋に来て慰めてくれた。



 メモリーキットを見つけたリーフプールが近づいてきた。

「おはよう、メモリーキット。今朝は早起きね!」

「今日は私の命名式よ!!!のんびり寝ていられないわ!!!」 

メモリーキットは胸を張って答える。

「そうね。サンドストームも空の上からきっと命名式を見てくれるわ。」 

リーフプールは微笑んでくれた。メモリーキットは、元気よく頷こうとしたが、ハッと心配そうな顔になる。

「ねぇ、リーフプール。お母さんは、今はお星様になって私達を見守ってくれてるのよね。でも、今の時間はお星様が見えないわ...」

「母さんは、いつでも私達を見守ってくれているわ、メモリーキット。」 

メモリーキットはその言葉を聞いても安心できなかった。

「お母さん、私の命名式見えないかも...そんなのいや...」 

必死に堪えようとしたが、涙が溢れてきた。そんな私の様子を見て、少し考えていたリーフプールは大きく頷く。

「分かったわ、メモリーキット。ファイヤスターに命名式の時間を変えてくれるように頼んでみましょう。だから、その涙を拭いて。」 

そう言って、メモリーキットの涙を舐めてくれた。

「私も行く!!!」 

メモリーキットはリーフプールを見上げた。リーフプールの目に驚きの色が走った。少しの間があってから、リーフプールは頭を振ってメモリーキットに微笑みかける。

「分かったわ、一緒に行きましょう。」 

すぐに落ち着いた表情になったリーフプールは答えた。(リーフプール、何か驚いてなかったかな?)

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投稿 by アイルステラ Mon May 13, 2019 7:51 am

~メモリーキット~

 「ファイヤスター、失礼します。」 

部屋の外からリーフプールが呼んだ。

「お入り。」 

すぐにファイヤスターの声が返ってきた。メモリーキットは緊張しながら部屋に足を踏み入れる。きっと、見習いにもなっていない子猫が族長の部屋に入るのは始めてだろう。

「メモリーキット?どうしてお前がいるんだ?」

「ファイヤスター、どうかこの子の考えを聞いてやって。」

ファイヤスターはリーフプールとメモリーキットを見つめて、頷いた。

「メモリーキット、どうした?」

私に視線を合わせてくれた父は、族長としての風格がある。

「はい!ファイヤスター。あの、星が出ていない時に命名式をやると...お母さんが見れなくなっちゃうから...」

必死に説明するが、その最中にも涙が零れそうになる。ファイヤスターは無言でメモリーキットを見つめた。その目には喜びと悲しみと懐かしさが浮かんでいる。

「分かった。お前のサンドストームを思う気持ちは、とても大切だ。命名式は一番星が出てから始める。」

「ありがとうございます!!!ファイヤスター。」

メモリーキットは胸がいっぱいになった。(私には、お母さんがいなくても、頼もしいお父さんと優しいお姉さんがいる!!!)


***************


 ファイヤスターは外に出て、ハイレッジに飛び乗った。

「自分で獲物を捕まえられる年齢の者は全員、ハイレッジの下に集合しろ。一族の集会をはじめるぞ。」

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投稿 by ペタルドロップ Tue May 14, 2019 7:37 pm

~クリアキット~

私は猫の心の中を視ることができる。過去のことも、未来のことも。
私を産んだ猫もそういう能力を持っていたのだろうか。

そんなことを考えつつ、胸の毛を整え始めると、誰かからの鋭い視線を感じた。

見ると、空き地にいるメモリーキットが私のことをじっと見ていた。
目が合うとさっきのことが思い出され、私は罪悪感で目をそらした。

いつものようにメモリーキットの心の中を覗こうと試みたが、また失敗した。なぜかメモリーキットの心の中は覗けないのだ。



とりあえず、気分転換にでも保育部屋の外に出ることにした。
空き地に出てみると、一族の半数以上の猫たちは活動を始めていた。

「おはよう、クリアキット。今日から見習いになるんだってね!」
ホワイトポーが話しかけてきた。ホワイトポーは優しい。
けれど、話しかけられるのはハニーフラワーとメモリーキットがほとんどなので、返答に困ってしまった。

すると、大きなハタネズミをくわえたバーチポーが近くまでやってきた。
「こいつなんかにかまってないで、一緒にこのハタネズミ分け合わないか?」
「まぁ!おいしそうじゃないの!」
「そうなんだ、夜明けのパトロールで君のためにとってきたんだ────」

照れくさそうなバーチポーは、ホワイトポーを連れてどこかへ行ってしまった。
バーチポーの心の中は、私への憎しみと、ホワイトポーへの愛情でいっぱいだった。

なんだろう...この気持ちは。

さびしいって、こんな気持ちなのかな。




ハニーフラワーと一緒に食べるための獲物をとりにいき、保育部屋に戻ろうとしたら、メモリーキットが目を輝かせながらこっちへやってきた。
どうしたのだろう、何かいいことでもあったのだろうか...?
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投稿 by アイルステラ Wed May 15, 2019 7:02 am

~メモリーキット~

 メモリーキットは、ファイヤスターの部屋から出て、クリアキットに駆け寄った。

「私の命名式、夜にやってもらえることになったの!!!」

その時、後ろからファイヤスターのみんなを集合させる声が聞こえてきた。

「行きましょ!!!」

「メモリーキット、私達ってまだ見習いじゃないわ。集会には参加出来ないはずじゃない?」

クリアキットの冷静な言葉に、メモリーキットは踏み出しかけていた足を急いで止める。そして、目を丸くした。

「そうだった!!!でも...いいんじゃない?今日もう見習いになるんだから!」

メモリーキットは深く考えずに言うと、急いでハイレッジに向かって駆け出す。そして、ハイレッジのそばにいるハニーフラワーの隣に腰を下ろした。ハニーフラワーはメモリーキットの耳を優しく舐める。ハニーフラワーの反対側にクリアキットも腰を下ろした。



「今日、嬉しいことに、サンダー族には見習いが2匹増える。」

その言葉を聞いた一族がざわつく。

「メモリーキットの希望により、2匹命名式は夕方、星が出てから行う。」

ファイヤスターは一族のざわめきを無視して続ける。空き地の向こう側にいるリーフプールが隣のスクワーレルフライトに1言2言囁いているのがメモリーキットに見えた。すると、メモリーキットに2匹は揃って親しげにしっぽを振ってくれた。メモリーキットは2匹に向かって会釈した。

しかし、ほとんどの猫は周りの猫と声高に話している。その中に、好意的ではない言葉も含まれているのを感じたメモリーキットは耳を寝かせる。

「ファイヤスター、その2匹というのは、あの浮浪猫も含まれているのですか?」

アッシュファーが浮浪猫、という言葉を強調して尋ねた。その言葉に、サンダー族が静まり返る。

「他に誰がいると言うんだ?クリアキットに決まっているだろう。」

ファイヤスターが怒りを押し殺した声で答えた。

「しかし、浮浪猫の子供ですよ?浮浪猫を見習いにした、というのが他の部族に知られたら、サンダー族は弱い部族だと思われて、襲撃を受けますよ?」

「誰が何と言おうと、クリアキットはサンダー族の見習いになる権利がある。もう文句はないか?」

ファイヤスターは、アッシュファーや、隣で不機嫌そうにしているスパイダーレッグを睨みながら言った。一族の何匹かは不満そうにしているが、何も言わない。

「これで集会を終わる。」

ファイヤスターはリーフプールに自分の部屋に来るように合図をし、さっさとハイレッジを降りた。



 「族長は、よそ者を一族に入れ過ぎだ。」

「ああ、牧場から来たならまだしも、今度は浮浪猫だぞ?このままだと、サンダー族はただの寄せ集めの集団になっちまうよ。」

スパイダーレッグとアッシュファーが話している言葉が、メモリーキットに聞こえてしまった。反論しようとした口を開きかけたが、ハニーフラワーに遮られる。

「今日はあなたの大切な日なのよ。いざこざを起こしてどうするの。」

メモリーキットはため息をつき、ハニーフラワーの後について保育部屋に向かう。さっきまでの誇らしい気分が嘘のようだ。

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投稿 by ペタルドロップ Thu May 16, 2019 7:57 am

~クリアキット~

「族長は、よそ者を一族に入れ過ぎだ。」

命名式はメモリーキットの要望により、星の出ている夜に行われることになった。なぜそうしたいのか聞きたかったが、タイミングを逃してしまった。

どうやら一族のほとんどが私が見習いになることを認めていないみたいだ。今までも一族からは反感の目で見られてきたけど、今日は特に視線が痛い。

「牧場から来たならまだしも、今度は浮浪猫だぞ?このままだと、サンダー族はただの寄せ集めの集団になっちまうよ」

そして、私は特にスパイダーレッグとアッシュファーに嫌われているようなのだ。私は反感の目を向けられても、ただただそこに立っていることしかできなかった。




子猫時代の最後は、ハニーフラワーと一緒に過ごそう。ハニーフラワーは私にいつだって優しい。そして、嫌なことを忘れてあたたかいふところにもぐり込むのが、大好き。

そうだ、さっきハニーフラワーに届けようとしていた獲物を取りに行こうかな。




(どれにしようかな────)

「どけ」
「!!」

獲物を探していたクリアキットは、あっけなく灰色の猫にどかされた。
「やめてよ...」
「じゃまなんだよ」
「この部族に浮浪猫はいらない」足の長い黒猫も来た。
「さっさとサンダー族を出ていく準備でもしておくんだな」
私が思いっきりアッシュファーとスパイダーレッグを睨みつけると、少し彼らはひるんだように見えた。



今日は待ちに待った命名式の日...。これ以上嫌なことが起きなければいいのに。


形のよさそうなズアオトリを選んで保育部屋に向かおうとしていたそのとき。


「ねね、ちょっと待って」

メモリーキットか。

クリアキットは自分が呼ばれていることに気がつかず、振り返らずに歩き続けた。

「クリアキット!」
「え、わ、私?」まさかだった。
「今日は命名式で、子猫卒業でしょ?だから、本当の自分の子どもじゃないのに育ててくれたハニーフラワーに、今までお世話になった感謝のサプライズをしない?」
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投稿 by シャイニングアイ Thu May 16, 2019 6:39 pm

この小説好きです!
すごく面白いので頑張ってください!
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投稿 by ペタルドロップ Fri May 17, 2019 7:50 am

シャイニングアイ wrote:この小説好きです!
すごく面白いので頑張ってください!

シャイニングアイs、コメントありがとうございます!
すごく面白いだなんて、嬉しいです^^
今後も毎日更新していくつもりですので、これからもお楽しみください♪
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投稿 by アイルステラ Fri May 17, 2019 7:52 am

~メモリーキット~

 メモリーキットは我ながら、自分のアイディアに感心した。(ハニーフラワーにサプライズ!!!クリアキットと一緒にサプライズしたら、驚いてくれるかな!)考え始めたら、実行しないと気が済まない性格のメモリーキットは、早速クリアキットに相談しに行くことした。



 「ねね、ちょっと待って!」

興奮してクリアキットに話しかけたが、当のクリアキットの反応がない。

「クリアキット!!!」

「......え???わ、私?」

クリアキットは、本当に驚いた顔をした。

「クリアキットってば!クリアキットが2匹もいたら困るでしょ!!!」

メモリーキットは冗談めかして言った。

「............」

クリアキットは怒られたと思い身を縮めた。(私が一回で気付かなかったから怒らせちゃった...)



「それでね!いいこと思いついたの!!!ハニーフラワーにサプライズするの!!!」

メモリーキットは自分の考えに夢中で、クリアキットの反応には全く気が付かない。

「サプライズ?」

クリアキットはまだびくびくしながら聞き返した。

「そう!ハニーフラワー、今まで私達を育ててくれたでしょ?だから、ありがとう!って気持ちをプレゼントするの!!!」

メモリーキットはしっぽをパタパタさせながら続けた。

「何をプレゼントするの?」

ためらいがちに聞き返してみる。(やっぱりメモリーキットにも私は好かれてないのかな...)話し続けているメモリーキットを見ていると、どんどん不安な気持ちが沸き上がってきた。

「獲物とかかな?一番美味しそうなの選んで持っていってあげない?あ、でも今お腹空いてないかもしれないかな?考えるだけでワクワクしてきた!!!」

メモリーキットはクリアキットの様子に気付かないでここまで言うと、どうかな?というように、クリアキットを見た。


「それだけ?」

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投稿 by アイルステラ Fri May 17, 2019 6:48 pm

シャイニングアイ wrote:この小説好きです!
すごく面白いので頑張ってください!

シャイニングアイさん!!!
コメントありがとうございます!

初めての小説ということで、少し不安だったのですが、気に入って頂けたならとても嬉しいです♪

まだまだ続きます!
今後も毎日覗いてもらえると嬉しい限りです!!!

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投稿 by アイルステラ Sat May 18, 2019 7:48 am

~メモリーキット~

 「それだけ?」

不安から思わず言葉に刺が出てしまった。はっ、と気付いた時には、もうメモリーキットの目が驚きに染まっていた。(メモリーキットに刺々しくしちゃった....物心が付いた時から優しくしてくれてるのにどうしよう...もう仲良くしてくれないよね....)

涙がこぼれそうになる。メモリーキットの顔を見ることができなくなり、クリアキットは地面を見つめた。

「ごめんね...」

「.....え?」

一瞬クリアキットは聞こえた言葉が信じられなかった。(メモリーキット?なんで謝ったの....?メモリーキットは何も悪いことしてないのに....私がきつく言っただけなのに...)

「私、クリアキットのこと、何も考えてなかった...自分の考えに夢中になって、自分のことしか考えてなかった...本当にごめん....」

クリアキットは首を横に振った。(メモリーキットはなんて優しいんだろう。)

「私こそ、本当にごめんなさい!!!」

それ以上言葉を続けることができなかった。何かがドシンとぶつかってきた。見下ろすと、メモリーキットが自分の胸に顔を押し付けていた。涙が込み上げて来る。さっきまでとは全く違う涙。クリアキットはその日産まれて初めて泣いた。自分の近くにいる大切な存在。なんて温かいんだろう。


***************


 しばらく経って、メモリーキットが恥ずかしそうに顔を上げた。

「ごめんね、びしょびしょになっちゃったよね。」

「大丈夫よ、このくらい。それよりも、サプライズでいいこと思いついたの!」

今度はクリアキットが目を輝かせて話し始める。

「あのね、綺麗な小石とか集めて飾るのとかどうかな!?」

「いいね!!!あ、そうだ!その小石の上に、獲物を置くの!!!どうかな?」

「それ、すっごくいいアイディアね!!!」

「じゃぁ決まり!まずは一緒に綺麗な小石を探しに行きましょ!!!」

メモリーキットは元気よく立ち上がった。

「あ、もちろんキャンプの中よ!じゃないと、命名式してもらえなくなっちゃうかも!!!」

メモリーキットが笑いながら付け足した。クリアキットも安心して、ぴんとしっぽを立てて立ち上がる。そして、2匹は肩を寄せ合いながら、歩き出した。

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投稿 by ペタルドロップ Sun May 19, 2019 11:11 am

~クリアキット~

(はじめて仲良くしてくれる相手ができたみたい...)

クリアキットとメモリーキットは、ハニーフラワーが出かけているすきに、二匹で集めた綺麗な小石を保育部屋のハニーフラワーの寝床に並べていた。

「よし、これで小石は大丈夫ね!クリアキット。次は一番おいしそうな獲物を探しに行きましょ!」

「うん!」





保育部屋で、太ったウサギを小石の上に置きながらプレゼントの想像をしていたクリアキットは、メモリーキットに一つ提案してみた。
「メモリーキット、それぞれ一匹一輪ずつ綺麗な花を探してきて、飾るのはどう?」

「わぁ!とってもいいアイディアね!!獲物を置いたらさっそく探しましょ!」

メモリーキットは無邪気に笑って走り出した。「どっちが先にいちばん綺麗な花を見つけられるか競走よ!」





(あ、見つけた!)
友だちができて心が踊っているクリアキットは、足どりも軽やかにキャンプ内で花を探し回っていた。
(形もいいし香りもいい感じ!)

白い花を優しく摘みとり、保育部屋に戻ろうとしたとき、もっと綺麗な花を見つけた。
(約束は一輪だけど、二輪でもたいして変わらないからいいよね)




保育部屋の前に行くと、まだメモリーキットは来ていなかった。(メモリーキットまだかな...?)


かなり不安になり始めてきたころ、近くの茂みが揺れ、メモリーキットが帰ってきたのが分かった。
「メモリーキット遅いよ───────」


「ほへんほへん、ははひはひはは、ひひははふはっはっは」

茂みから出てきた猫は、口いっぱいにかわいい花をくわえた友だちだった。
メモリーキットは花を下に置いてからもう一回言う。

「ごめん、探し出したら止まらなくなっちゃった!」

てへへと笑うメモリーキットに少し後悔を覚えた。

「私ももっと花を摘んできたほうがよかった...?」

メモリーキットは驚いてひげを動かした。

「そんなに心配しなくていいよ、約束は一輪だもんね!」

「そ、そうだね!」
クリアキットはにっこりと笑った。



「クリアキットがこんなに笑っているの、初めて見た......」

メモリーキットがひとりごとのように言ったその言葉は、クリアキットには届かなかった。
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雪の結晶[完結]                                      Empty Re: 雪の結晶[完結]

投稿 by ペタルドロップ Mon May 20, 2019 7:55 am

~クリアキット~

獲物のまわりに色とりどりに花を飾り終えた二匹は、ひと仕事終えたようにドサッと座った。

「ハニーフラワー喜んでくれると嬉しいわね!」

「そうね!次はここでハニーフラワーを待つだけね」

クリアキットは少しあわてた。
「え...!てっきりハニーフラワーに誰がやったのかバレないように、隠れるのかと思ってた...」

それを聞いてメモリーキットは少しあきれて目をくるっと回した。

「何言ってるのよ照れ屋さん!それじゃサプライズにならないでしょ!ハニーフラワーの前で、ありがとうの気持ちを言葉にして伝えなきゃ!」

「そっか!」
クリアキットは思い直し、毛づくろいを始めた。










そのプレゼントはハニーフラワーを喜ばせた。

「本当にありがとう二匹とも...。成長したわね」

「私たち、ハニーフラワーが見間違えるくらいすごい戦士になる!任命式のときは一番最初に名前呼んでね!」
「育ててくれて、ほんとにありがとう!」

一瞬ハニーフラワーの目が遠くを見たような気がした。昔に死んでしまった、たった一匹の自分の子供のことを思い出しているのだろうか。目には涙がうかんでいる。

そして我に返ったハニーフラワーは、二匹をぎゅっと抱きしめた。「立派な戦士になってちょうだい...」




しばらくして、ハニーフラワーがはっとした。
「大変。もう日が暮れ始めているわ。もうそろそろ命名式がはじまるわ」

「え!もうそんな時間!?もう行かなきゃ!」
メモリーキットが出口に向かって走り出した。

「メモリーキット!待ちなさい!毛がボサボサよ。命名式にそんな格好はかっこ悪いわ!」

クリアキットは微笑んだ。(見習いになってもこんな平和な暮らしができたらいいな)



ハニーフラワーが二匹の毛並みを整え終わったころ、ちょうど族長のみんなを集合させる声が聞こえてきた。(指導者は誰になるのかな...?)
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投稿 by アイルステラ Tue May 21, 2019 7:38 am

~メモリーキット~

 一番星が森の上で光り始めた。一族は一日を終えて、グルーミングをしている。ファイヤスターが部屋から現れ、崩れた岩の山の上で声を上げる。

「自分で獲物を捕まえられる年齢の者は全員、このハイレッジの下に集合しろ。一族の集会を始めるぞ。」

その言葉を聞いた瞬間、メモリーキットの心臓が大きな音をたてる。

「いよいよね。」

メモリーキットは震える声で呟くと、しっぽをぴんと立てて、ハイレッジの下に向かって駆け出した。



 期待に満ちた目でファイヤスターを見上げる。真っ先に駆け寄ってきた娘を見て、ファイヤスターは微笑み、ハイレッジから飛び降りる。

「見習いになる準備はできているか?」

優しくファイヤスターが尋ねる。

「はい!!!」

ファイヤスターは頷いて、メモリーキットの頭をそっと舐めた。クリアキットの気配を感じて振り返ると、ハニーフラワーと一緒にクリアキットが歩いてきた。

「メモリーキット。落ち着きなさい。」

ハニーフラワーが笑いを含んだ声で言った。隣に座ったクリアキットは、不安げな顔をして、あたりを見回している。

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雪の結晶[完結]                                      Empty Re: 雪の結晶[完結]

投稿 by アイルステラ Wed May 22, 2019 7:36 am

~メモリーキット~

 「全員集まったな。では、これから俺の大好きな仕事を始める。メモリーキット、クリアキットが生後六ヶ月に達した。もう、見習いになっていいだろう。」

一族から賛成の声が上がった。ファイヤスターはその声が静まるのを待ち、それから呼んだ。

「メモリーキット!」

メモリーキットはぴょんと前に飛び出した。足が興奮で震えている。

「本日より、戦士名を取得するまで、お前はメモリーポーという名前になる。」

ホワイトポーがメモリーポーの名前を大声で呼び、バーチポーがそれに続く。ファイヤスターは星空を見上げ言った。

「お前が戦士並みの力と勇気を身につけるまで、スター族が見守り、導いてくださいますように。」

ファイヤスターはメモリーポーを見下ろし、小声で言った。

「サンドストームも娘が見習いになるのを見てくれているだろう。」

メモリーポーは淡い緑の目で族長の瞳を見つめる。



 「レインウィスカー」

ファイヤスターが呼んだ。レインウィスカーがさっと顔を上げる。

「レインウィスカー、随分待たせてしまったな。やっとお前に弟子を与えてやれる。メモリーポーの指導者になれ。」

灰色の雄猫は目を輝かせ、しっぽを震わせて進み出た。

「お前も身内の死を経験している。だが、それを乗り越える強さがあった。お前の勇気と忠誠心をメモリーポーに伝授してくれ。」

「メモリーポーをサンダー族が誇れる立派な猫に育てます。」

レインウィスカーはきっぱりと答えた。メモリーポーはレインウィスカーに駆け寄り、伸び上がって鼻を触れ合わせると、くぼ地の端へ向かう。



 「スカイオークって、どれくらい高いんですか?シャドウ族って足に水掻きがあるんですか?ネズミの捕まえ方って、こうやればいいんですか?」

メモリーポーは早速レインウィスカーを質問責めにした。腰を屈めて忍び足を始めたメモリーポーをレインウィスカーが笑いながら制した。

「これから全部教えてあげるさ!ちなみに言っておくと、そんなにしっぽを立てていたら、ネズミに気付かれてしまうぞ!」

「私、一族で一番立派な猫になります!!!」

レインウィスカーは嬉しそうに頷いて、前に目を戻した。ちょうどクリアポーの指導者が発表されるところだ。メモリーポーには、クリアポーが神経質そうに地面を足で掻いているのが見えた。

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雪の結晶[完結]                                      Empty Re: 雪の結晶[完結]

投稿 by アイルステラ Thu May 23, 2019 7:42 am

~メモリーポー~

 「ストームファー」

灰色の猫は、驚きで目を丸くして進み出た。

「お前はリヴァー族の血を引いているという偏見にも負けなかった。そして、今は立派なサンダー族の猫だ。その強さをクリアポーに伝授してやってくれ。」

「全力を尽くします、ファイヤスター。」

クリアキットと鼻を触れ合わせると、一緒にくぼ地の端に下がった。一族のみんなが声を張り上げて、新しい見習い達に声援を送る。メモリーポーは、全身でその声を受け止める。産まれてから一番誇らしい気分になった。

ふと目を開けると、ストームファーと話しているクリアポーが見えた。ストームファーが励ますようにクリアポーの頭を舐める。クリアポーの目は不安に満ちていた。



 「メモリーポー、おめでとう!!!」

メモリーポーの思考が遮られた。目の前には、親しげなホワイトポーがいる。その後ろには、バーチポーもいた。

「あなた達の寝床に敷くコケ、早速取りに行きましょ!」

メモリーポーは、レインウィスカーが許可を出してくれたので、ホワイトポーに案内してもらうことにした。向こうでホワイトポーがクリアポーに話しかけているのが見える。

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雪の結晶[完結]                                      Empty Re: 雪の結晶[完結]

投稿 by ラークウィング☆ Thu May 23, 2019 8:21 pm

この小説大好きです!
毎日更新していくんですね!
楽しみにしてます!
ペタルドロップさん!アイルステラさん!
2人とも頑張ってください!

ラークウィング☆
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雪の結晶[完結]                                      Empty Re: 雪の結晶[完結]

投稿 by ペタルドロップ Fri May 24, 2019 7:49 am

ラークウィング☆ wrote:この小説大好きです!
毎日更新していくんですね!
楽しみにしてます!
ペタルドロップさん!アイルステラさん!
2人とも頑張ってください!

ラークウィングs、コメントありがとうございます!

大好きだなんて...お褒めの言葉、ありがとうございます!!!
毎日楽しみにしていてくださる人がいると、私たちもますます張り切って投稿できます♪
終わるまでまだ遠い道のりですが、最後まで楽しんでくださると嬉しいです!


最終編集者 ペタルドロップ [ Fri May 24, 2019 7:56 am ], 編集回数 1 回
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雪の結晶[完結]                                      Empty Re: 雪の結晶[完結]

投稿 by ペタルドロップ Fri May 24, 2019 7:50 am

~クリアポー~

見習い部屋の寝床はホワイトポーたちに案内してもらった。
周りのコケをかき集めて、できるだけ寝心地のいいようにしてから、その上にうずくまるように丸くなった。

「じゃおやすみ」

ホワイトポーはすぐに穏やかな寝息を立て始めた。だが、メモリーポーは興奮していてぜんぜん寝つけないのか、何度も寝返りを打っている。

見習い部屋の中はたくさんの猫の匂いで充満していて、クリアポーは緊張するのと落ち着かないので寝返りを何度もうっていた。

(明日はなにをするのかな...ストームファーにいいとこ見せられるかな...)


クリアポーはメモリーポーと違って、いい戦士になれるか不安だった。そして、ストームファーにも嫌われたくなかった。

今日は、星の輝く、美しい夜だった。
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