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奇跡〜海と陸が交わる時〜

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奇跡〜海と陸が交わる時〜 Empty 奇跡〜海と陸が交わる時〜

投稿 by ウィステリアフロスト Thu Aug 08, 2019 5:13 pm

小説を書くのは初めてなので、文章がおかしいことがあると思いますが、温かい目で見ていただければうれしいです!
おかしなところあったら教えてください)^o^(

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奇跡〜海と陸が交わる時〜 Empty 登場猫紹介

投稿 by ウィステリアフロスト Fri Aug 09, 2019 11:08 am

サンダー族

✴︎カーミリアポー(椿足):美しい雌の見習い。明るく、無邪気な性格。基本なんでもできるが、どんくさい。白銀のつやつやとした毛皮を持つ。耳の先、尻尾の先や足の先だけ黒い。瞳はエメラルドグリーンがかったブルー。主人公。

✴︎ロータスポー(蓮足):カーミリアポーの兄。無口でクールな性格。ファンが2、3匹いるが、相手にしたことがない。どんくさい妹を影ながら見守る優しいお兄ちゃん。真っ黒な毛を身にまとい、目は朝日の光のようなオレンジがかったイエロー。ジャギットイヤーに懐いている。

✴︎ヴァイオレットポー(スミレ足):カーミリアポーの幼馴染で、一番の親友。気が強く、絶対妥協しない。ロータスポーが大好き。灰色の毛並みに青紫の瞳。

✴︎リーヴスター(葉の星):族長。責任感が強い雄猫で、失敗すると極端に落ち込む。白い身体に淡い緑の瞳。

✴︎ワームグリーン(いも虫の緑):副長。自分の名前が大嫌い。戦いが馬鹿みたいに強い。灰色の地に三毛柄模様の雌。

✴︎バタフライウィング(蝶の羽):看護猫。優しい雌猫で、悩みを聞いてもらうために看護部屋へ行く猫も多い。三毛猫。琥珀色の瞳。

✴︎シンダーウィンド(消し灰色の風):美しい母猫。銀色の毛に青い瞳の持ち主。カーミリアポーとロータスポーの母。連れ合いはリーヴスター。妊娠中。

✴︎アイヴィーブルー(青い蔦):シンダーウィンドの親友。ヴァイオレットポーの母だが、お乳が出なかったためシンダーウィンドに子供の世話を任せて戦士に復帰。黒猫で、青と緑のオッドアイ。弟子はカーミリアポー。

✴︎ジャギットイヤー(ギザギザ耳):気が短い雄猫。一族の不人気者。アイヴィーブルー、シンダーウィンド、ヴァイオレットポー、ロータスポー、カーミリアポーにだけ優しい。娘を育ててもらったシンダーウィンドに頭が上がらない茶色の雄。目は黒。アイヴィーブルーの連れ合い。弟子はロータスポー。

✴︎トワイライトムーン(夕暮れ時の月):ロータスポーが大好き。いつもロータスポーにくっつきたがる。若い雌猫。白と黒の毛に緑色の瞳。

✴︎アフタヌーンサン(午後の太陽):ジャギットイヤーのことが大嫌い。トワイライトムーンの双子の姉。しっかり者の白猫。目は紺色。

などなど


アンダーシー族

✴︎キラーホエールポー(シャチ足):アンダーシー族王位継承位第1位。素晴らしい容姿の雄猫。なんでも完璧にこなすアンダーシー族の期待の星。ロータスポーとよく性格が似ている。光を全て吸い込みそうな黒猫。耳の先、ヒレの先が白い。エメラルドグリーンがかったブルーの瞳。腰から下はエメラルドブルーのヒレ。

✴︎コーラルポー(珊瑚足):アンダーシー族でキラーホエールポーの次に優秀な見習い。アンダーシー族王相談役継承位第1位。今はキラーホエールポーのお守り役。明るい白猫で、腰から下のヒレはコーラルピンク。目はコーラルレッド。いつもキラーホエールポーに振り回されてばかりの雌。

✴︎オーシャンスター(海の星):アンダーシー族の王。恐ろしく我が子に厳しい雄猫。過保護。茶色の毛並みにブルーの瞳、ヒレはスカイブルー。

✴︎パールシャイン(真珠の輝き):アンダーシー族の王相談役であり、オーシャンスターの連れ合い。キラーホエールポーが世界の全て。優しく賢い。白猫。目は紫がかった紺色で、ヒレはグリーン。

などなど。

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投稿 by ウィステリアフロスト Fri Aug 09, 2019 11:31 am

「ねえ、お母さん!お話しして!」ダウキットはせがんだ。アイヴィーキットもねだる。「仕方がないわね。」ホワイトウィングは微笑み、話し始めた。「これはね、ずっと、ずうっと前の話よ。今から100年も前の話。」100年前ってどれくらい前?分かんないよ。「その頃のサンダー族は、海って呼ばれる大きな大きな湖に住んでたんだって。その水はしょっぱくて飲めなかったらしいの。そこにはね、魚や猫より大きい魚、穴熊の何倍も大きい生き物がたくさん住んでたの。その頃のサンダー族に、カーミリアポーっていう見習いがいたの・・・。」

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投稿 by ウィステリアフロスト Fri Aug 09, 2019 4:54 pm

第1章

「キラーホエールポー!お待ちを!待ってください!」懇願する雌猫に構わず、半猫半魚の美しい雄猫は、浅瀬に一心不乱に泳いでいる。雄猫のヒレから生まれた泡は、コーラルポーの顔をくすぐり、消えていく。コーラルポーは泳ぎの速度を上げて、二本の足でキラーホエールポーを掴む。生まれてからずっと側にいる雄猫からは、怒りが感じられる。「俺は、地上に行く。もう耐えられない。俺は、母上のふるさとに・・・」その時、美しい水面にすっと黒い影がさした。上を見上げたコーラルポーは、思わず身震いした。上にいたのは、海の殺し屋、キラーホエール。すなわち、シャチ。出くわしたら絶対に助からない、海で唯一の天敵。「コーラルポー。逃げろ。」キラーホエールポーにいわれ、思わず逃げそうになる自分をコーラルポーは叱った。「そういう訳には参りません。私はあなたのお守り役で・・・」「もう。おまえはどうしていつも馬鹿なんだ。キラーホエールの狩りが始まったぞ。」後悔しても、もう遅い。コーラルポーは覚悟を固め、キラーホエールとキラーホエールの間に突進していった。

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投稿 by ウィステリアフロスト Sat Aug 10, 2019 6:09 pm

第2章

「起きろ!カーミリアポー、起きろ!」なんなのよ。朝からうるさいな!「もうちょっとだけ・・・」目の前に立ち、カーミリアポーを起こそうとしているうるさい奴を引っ掻いてやろうと前足を突き出したカーミリアポーを、そいつは殴りやがった。痛さに顔をしかめて起き上がるカーミリアポーの前に立っていた憎き敵は、カーミリアポーの兄、ロータスポーであった。「おはよう、寝坊助。」顔は笑っているが、目は笑っていない。「さあ、長老の寝床変えようか。それともマダニ取り?あ、往復ビンタでもいいよ〜」我らの兄、ロータスポーは相変わらず恐ろしい。こんな悪魔を好きになるトワイライトムーンとヴァイオレットポーはどうかしてる。ここは素直でかわいい妹を演じておこう。「はい、お兄様。すぐにネズミの胆汁をとってきますね。」「・・・キモい。」なんだよ!じゃああたしは何すればいいのよ!「おまえの分の仕事、俺がやっといた。」こういうとこは兄の唯一の長所。「ジャギットイヤー達が呼んでる。行くぞ、のろま。」「の、のろまはないでしょう!このナメクジカエル男!」「はい?今なんと?」「だから・・・ナメクジカエ ぎゃ!」足元を見ていなかったカーミリアポーは石につまずき、地面に叩きつけられた。「大丈夫か!?」ロータスポーが心配顔で聞いてきた。「痛い。」「看護部屋にいったほうがいいんじゃないか!?」「ううん、大丈夫。毛を整えるの手伝って。」そういうと、ロータスポーが毛を舐め始めた。「いつもごめんね。」「いいんだよ。おまえは間抜けだからな。」「一言余計よ!」カーミリアポーは、こんな平和な毎日が続くと信じていた。

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投稿 by ウィステリアフロスト Mon Aug 12, 2019 12:24 pm

第3章

「・・・?」ここは、どこだ?コーラルポーは?「コーラルポー?コーラルポー!」隣には、力なく横たわるコーラルポーのか細い姿が見える。「気づいたようだな。」誰かに声をかけられたようだが、キラーホエールポーにはそんなことはどうでも良かった。「コーラルポーは?コーラルポーは無事なのか?死んじゃいやだよ、起きろよ、コーラルポー。」「コーラルポーは無事だ。しかし重傷で、助かるかはわからない。」その時、コーラルポーからか細い声が上がった。「キラーホエールポー?どこにいるの?」「ここだよ、コーラルポー。無事でよかった!安心して休んでくれ。」そう言うと、コーラルポーはそっと目を閉じ、可愛らしい寝息を立てて眠り始めた。ほっとして顔を上げると、そこには父であるオーシャンスターがいた。「父上!」「あいさつは不要。そなたには早急に話がある。コーラルポーは今回、そなたを守り損ねた。そこで、守り役を交代しようと思う。後任はスクイットポーだ。」「そんな!私が悪いのです。キラーホエールの生息域と分かっていて水面に上昇してしまいました。コーラルポーが怪我したのは私のせいです。」「やはり。しっかり者のコーラルポーがそんなへまをするわけがない。王たる者・・・」始まった。だから父上は嫌なんだよ。ピーピーピーピーずっとお説教。「・・・臣下の意見もしっかり聴き、って聴いているのか?キラーホエールポー!」「もちろん。王になる者は自分の意見を押し付けるのではなく、臣下の意見もしっかり聴き、かつ自分で物事を決められるようにしなくては、という内容ですよね?」「うむ・・・行ってよろしい。」やっぱり、もうここにはいられない。本当の母がいない海になど、いられない。コーラルポーが回復するのを待とう。それから計画を立て、地上に行くのだ。もう、自分と愛するコーラルポーの居場所は海にない。


スクイットポー:王相談役の座を狙う雌猫。茶色と白の毛に青い瞳。ヒレの色は黒。キラーホエールポーが好き。

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投稿 by ウィステリアフロスト Mon Aug 12, 2019 5:25 pm

第4章
_________「二人でここを出よう______愛するコーラルポー。もう、上下関係なく暮らせるんだよ。ただの連れ合い同士になれるんだ。付いてきてくれ、コーラルポー。」ああ、この時が来たんだ。私はキラーホエールポーを一生支える。どこにいても傍らにいる。そう、胸を張って言えるようになりたかった・・・。私は、キラーホエールポーのことを愛している。だけど、地上に出てしまったら、そう言えなくなる・・・。私には、夢視力がある。その能力のおかげで、スクイットポーにいじめられる前に、夢でそれを知ることができた。だから、運命の相手だって分かる。黒猫で、朝日のような眼光を持つハンサムな雄猫。私を見る、射抜くような眼差し・・・。私は、その猫が好きになってしまった。キラーホエールポーごめんね。でも、私はあなたを愛してた・・・。今も、これからも、ずっと。コーラルポーは目を開け、美しいその猫を見つめた。「あなたと一緒に地上に行くわ、キラーホエールポー。

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投稿 by ウィステリアフロスト Tue Aug 13, 2019 12:06 pm

第5章

「ロータスポー!狩りに行くぞ!」ジャギットイヤーが呼んでいる。行かなければ。でも・・・その前にカーミリアポーを起こさなければ!「カーミリアポー!お・き・ろ!」カーミリアポーはまだ寝ている。仕方ない。バシン!「痛っ〜やったの誰よ〜?せっかく寝てたのに〜」おまえはナマケモノか。さあ、狩りに行こう!
✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳

ロータスポーは指導者を睨んだ。トワイライトムーンが一緒だなんて聞いてない。こいつがいるんだったら絶対参加しなかった。当のトワイライトムーンは、さっきから俺にくっついて離れない。暑いんだよ!ジャギットイヤー、恨むぞ。そのとき、指導者の足がぴたっと止まった。警戒している様子が、表情から分かる。それに習って足を止め、耳をすませると、バシッ、バシッと小枝を踏んで歩く音がする。トワイライトムーンも目を細め、音がする方に身を低くして忍び寄っていく。ジャギットイヤーも動き始めた。トワイライトムーンとは違う方向に向かっていく。なるほど。挟み撃ち作戦だな。ロータスポーはあえて足音を立て、音の主に飛びかかった。そいつは逃げようとトワイライトムーンのいる方に向かっていく。しかし、トワイライトムーンがいることに気づき、真ん中でうずくまるようにしてロータスポー達を威嚇した。「キラーホエールポー?どこなの?」半分悲鳴のようなその声に反応した影に、ロータスポーは気づかなかった・・・。

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投稿 by ウィステリアフロスト Tue Aug 13, 2019 12:45 pm

第6章

「助けてくれ!」悲鳴が混じったその声に、カーミリアポーはヴァイオレットポーと分け合って食べているハトから顔を上げた。「ロ、ロータスポー!」血まみれの体で助けを求めるロータスポーの姿は異様そのもの。冷静なロータスポーの面影はない。「どうしたのよ!」ヴァイオレットポーが悲鳴を上げてロータスポーに駆け寄る。リーヴスターも我が子の姿に目を見張り、ロータスポーに駆け寄った。「大丈夫?何があったの?」カーミリアポーは叫んだ。「侵入者・・・、ジャギットイヤー達・・・、危ない・・・。シャドウ族との境界線、に、近い・・・く、さ、ち・・・。」ロータスポーはそれだけ言うと、バタンと倒れた。「「ロータスポー!」」シンダーウィンド、リーヴスター、ヴァイオレットポーが叫んだ。「ロータスポー、死んじゃいやよ!」カーミリアポーも泣き叫んだ。リーヴスターが怒りに燃えた目で、戦闘部隊の命令を出した。「カーミリアポー、ヴァイオレットポー、アフタヌーンサン、フロストテイル、アイヴィーブルー。ワームグリーン率いる戦闘部隊に参加しろ。」残りの猫はキャンプを守る。ロータスポーは回復しそうか?バタフライウィング?」「ええ。浅い引っ掻き傷が全身にあるだけよ。」ああ、よかった!必ず、ロータスポーの敵をとってやる!

どうも!ウィステリアフロストです!読み返してみて、この章必要あったか?と思ってしまいましたw今後もよろしくお願いします。2日に1度は更新していきたいと思います^_^

フロストテイル:尻尾だけ白い茶色の雄。目は明るい黄色。落ち着いた性格だが、戦いになると熱血?

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投稿 by ウィステリアフロスト Tue Aug 13, 2019 5:10 pm

第7章

カーミリアポーは目を見張った。ジャギットイヤーとトワイライトムーンが動きまわる影に襲いかかられている。それが一体なんなのか、カーミリアポーには分からなかった。そして、白い雌猫がいる。雌猫は苦しげに目を細め、影とトワイライトムーン、ジャギットイヤーの戦いを見守っている。雌猫が少し身体をずらすと、傷ついた血まみれの足があらわになった。すごい怪我!カーミリアポーは影を止めてから雌猫を助けようと思い、影に飛びかかった。ワームグリーンが命令している声がする。でも、今は加勢が一番大事。影の正体は黒い雄猫だった。見たことがないほど美しいその猫は、カーミリアポーを見ると、サッとジャギットイヤーを放り投げ、トワイライトムーンの足を華麗に払ってカーミリアポーの前にぴたっと着地した。首を傾げてカーミリアポーを見つめる青とも言えぬ、緑とも言えぬその眼光に、カーミリアポーは自分の瞳を見たような、なんとも言えない気持ちになった。「君は・・・?」「あなたは・・・?」2匹の声が重なった。

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投稿 by ウィステリアフロスト Wed Aug 14, 2019 5:08 pm

第8章

おまえは、なんだ?なぜ・・・、なぜ生きている?他の猫には問いかけもしない、疑問にも思わない問いが、キラーホエールポーを貫いた。戸惑いがありありと浮かぶ名前も知らない雌猫の目に吸い込まれそうになり、それと同時に何も知らないこの雌猫に惹かれ、コーラルポーのことを思い、雌猫の後ろに立ち尽くしている集団はなんなのかを考え、キラーホエールポーは気を失った・・・。気を失う刹那、コーラルポーが何か叫んだような気がした。



ここは、どこだ?あの雌猫は?コーラルポーは?傷つけてしまった黒猫は・・・?キラーホエールに襲われた後と同じことを思い、はっとして目が覚めた。「目が覚めたようね。」今度は父さんが声をかけてくれるわけでもなく、あの若い雌でもなく、コーラルポーでもない、見知らぬ雌猫だった。でも、どこかで見覚えのあるような・・・?「・・・誰?」そう問いかけると、雌猫はふっと笑った。「自己紹介、してないものね。私は、バタフライウィング。看護猫よ。」「看護猫、とは?治療を施す医者猫と同じようなものですか?」「そうね。だけど、ほかにもあるのよ。スター族と呼ばれる先祖と対話して、お告げを読み取るの。」「我が一族は、族長がスター族と対話するんです!」「あなたの一族は?どこに住んでいるの?」「えっと・・・」「答えたくないのにね?」気持ちをズバリと言い当てられ、キラーホエールポーは頷いた。「はい。」「じゃあ、いいわ。でも、これだけは教えて。あなたの名前は?」「キラーホエールポーです。」「キラーホエールって?」「えっと・・・でかくて、恐ろしくて、群れで行動して、恐ろしく賢くて・・・」「ああ!昔、オーシャ・・・なんでもないわ。今のは忘れて?お願い!」口を開こうとしたそのとき。甲高い声がした。

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投稿 by ウィステリアフロスト Wed Aug 14, 2019 5:44 pm

ここは、美しい海の底。だが、美しい海には悲鳴が響きわたっていた。「あの子はどこなの?オーシャンスター?ちゃんと見守るって言ったわよね?」「落ち着け、パールシャイン。」「こんなときに冷静でいられる方がおかしいわ!キラーホエールポーがいなくなったていうのに!」「あいつはきっと・・・」「帰って来るですって?ええ、キラーホエールと仲良く並んで帰って来るでしょうね!あの子は私と血が繋がっていない。だけど、私にとってあの子は、世界の全てだった。あの子を母親のように可愛がり、愛情を注いで育ててきた!あなたはあの子を連れてきたとき、言ったわよね。愛情を注いで、大切に育てよう、と。でも、あなたはあの子を王位継承の道具としてしか見てない!あの子と遊んだことがあった?ないわ!あなたは一度だってあの子のことを・・・もしかして私も?あなたは私達を愛したことがないの?あなたが愛したのはあの雌だけなの?」「そんなことはないよ・・・俺はおまえを、キラーホエールポーを愛してるよ・・・」しかし、オーシャンスターの思いが届くことはなく、パールシャインはどこかに泳ぎ去った後だった。「パールシャイン・・・」オーシャンスターはパールシャインが残した泡に囁いた。「俺はおまえ達を愛しているよ・・・いつだって、おまえ達のことを考えている・・・」

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投稿 by ウィステリアフロスト Thu Aug 15, 2019 5:07 pm

第9章

「あの雄猫、起きた〜?」声の主こそ、あの雌猫。真夏の太陽の光を受けて白銀の体が輝いている。「ええ!起きたわよ!」バタフライウィングが明るく言い、白猫を通した。「こんにちは!あたしカーミリアポーよ!よろしく。」なんか、思ってたキャラと違う・・・。おしとやかで、その・・・もうちょっと弱々しい感じだと思ってた・・・。「こちら、キラーホエールポーよ!」バタフライウィングが紹介してくれた。「あ、ロータスポーは?」カーミリアポーがきいた。「ロータスポーって?」「あなたが戦った雄猫よ!ロータスポー、強い方なのにあなたに簡単にやられちゃってびっくりしたわ!ロータスポー、落ち込んでたわよ。」「カーミリアポー?いるのか?」「ええ!お兄ちゃん怪我治った?」カーミリアポーの兄?見てみたい。きっとうるさいんだろうな。「おまえは誰だ?」ふいに声がした。振り返ると、カーミリアポーのような細い体形の黒猫がいた。琥珀色の瞳をぐっと細め、毛を逆立てている。「お兄ちゃん、こちらはキラーホエールポーよ!お兄ちゃんが戦って負けた猫!」なんでそれを言うのかなぁ?それじゃ、ぼこぼこにされるぞ!「・・・。」ロータスポーが固まった。「うるさい!じゃあ、おまえが戦ってみろ!いくらおまえでも、勝てないぞ!」「いいわ。キラーホエールポー、そういうことだから私と戦ってちょうだい。爪を出してもいいわ。」おいおい、本気か?「つ、爪出してやるのはやめろ。いくらおまえでも無理だ。」「おもしろい。受けて立とう。」後悔すんなよ、カーミリアポー。

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投稿 by ウィステリアフロスト Sat Aug 17, 2019 4:25 pm

第10章

「 カーミリアポー?いつでもかかってこいよ?」なによ?雌猫は勝てないって言いたいの?じゃあ後悔させてあげるわ!考えを改めるのね、キラーホエールポー。ロータスポーに勝てても、あたしには勝てないわよ!カーミリアポーは思いっきり跳んだ。キラーホエールポーを跳び越し、キラーホエールポーに動く暇を与えず、キラーホエールポーの背中に飛び乗った。キラーホエールポーは余裕の表情だ。突然、キラーホエールポーがひっくり返った。いつのまにかカーミリアポーは、鉤爪を出したキラーホエールポーの足に乗っていて、キラーホエールポーにひっかかれた。ロータスポーが目をつぶるのが見え、カーミリアポーは自分を振るい立たせた。キラーホエールポーの馬鹿!カーミリアポーはキラーホエールポーの足から飛び降り、鉤爪を出してキラーホエールポーのお腹に乗った。キラーホエールポーを思いっきり引っ掻く。キラーホエールポーが怒りの声を上げて噛み付いてきた。痛い!カーミリアポーはキラーホエールポーに抑え込まれ、身動きが取れず、負けた・・・と思った。「あたしの負け。」そういうと、キラーホエールポーはカーミリアポーを抑えつけていた足をどかしてくれた。背中を支えてもらい、サッと起き上がったカーミリアポーの耳には、キラーホエールポーのつぶやきが聞こえた。「やっぱり足には慣れないな・・・」どういう意味?足がなかったとすれば、あなたは一体なんなの?

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投稿 by ウィステリアフロスト Sat Aug 17, 2019 4:42 pm

カーミリアポーの目がすっと曇った。今の言葉、聞こえちゃった?ここは・・・気をそらすしかない。キラーホエールポーはカーミリアポーの額をいきなり舐めた。案の定、彼女は驚き、目を見開いている。キラーホエールポーはボソボソと言った。「傷、大丈夫かな、と思って。嫌だったらごめん。」なぜこの気のそらしかたにしたんだろう・・・。恥ずかし過ぎて尻尾がバシバシ地面を打ち付ける。心臓もバクバク、ドキドキ。あ〜、穴があったら入りたい・・・。カーミリアポーはこちらをまっすぐ見ている。カーミリアポーの頰は軽く上気しており、嫌、という感じではない。でも・・・周りの視線に耐えられない。

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投稿 by ウィステリアフロスト Sat Aug 17, 2019 7:16 pm

第11章

あの温かさが忘れられない。彼が額を舐めてくれたときのことが忘れられない。傷ついたあたしを心配してくれる顔。困ったように笑う顔。あたしのおしゃべりを楽しそうに聴いてくれるときの顔。そして、あの謎のつぶやき。彼が謎に包まれていることも、こちらに完全に気を許していないことも、一族が彼を完全には信用していないことも、知っていた。なぜだろう。なぜ、自分はキラーホエールポーにこんなにも惹かれているのか。幾度も幾度も自分に問いかけ、解決しない疑問を抱えて、カーミリアポーは今日もキラーホエールポーと狩りに行く。


コーラルポーはまだ目を覚まさない。足の傷から菌が入り、ここ5日間、目を覚ましたことはない。そっとコーラルポーを尻尾で撫で、見習い部屋でカーミリアポーの横に丸くなる。そして、悪夢にうなされる。夢の中で、3匹の白猫がキラーホエールポーに訴えるのだ。コーラルポーは「あなたは他の雌に浮気した!愛していると言ったのに!」と言い、カーミリアポーは「本当に愛してるなら、なんで嘘をつくの?」と泣き、パールシャインは「なぜ・・・私に言わずに海を出たの?」と嘆くのだ。3匹の叫びに悩まされ、良心が傷む中、キラーホエールポーはカーミリアポーと今日も狩りに行く。

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投稿 by ウィステリアフロスト Mon Aug 19, 2019 7:09 pm

第12章

「キラーホエールポー?キラーホエールポー!どこにいるの?お願い・・・すがたを見せて・・・お願いよ・・・」ここは・・・?海?そして、見えるのは・・・パールシャイン?王相談役であり王妃でもあるパールシャインが《追放の海》に行く訳がない。《追放の海》は、暗く水が濁った恐ろしい海で、アンダーシー族のみんなは普通近寄らない。そこは裏切り者が閉じ込められている恐ろしい世界なのだ。パールシャインがあちこちを泳ぎ回り、ドロッとした水に、気泡がたっている。美しい王妃の後ろに、二対の赤黒い光があることに、王妃は気がつかなかった。「危ない!」コーラルポーは自分の声に飛び起きた。「予知夢ね・・・」コーラルポーは呟いた。「何が?」振り返ると、端正な顔立ちの雄猫がいた。夜闇のような黒い毛に、二つの太陽のような普通よりも、ずっとオレンジがかったその眼光。夢で見た、運命の猫の特徴に、ぴたりと当てはまっていた。


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投稿 by ウィステリアフロスト Tue Aug 20, 2019 4:53 pm

第13章

「へ?」「だから、『予知夢』って何?」「そ、その・・・」雄猫はぐっと瞳を細めて厳しい声で言った。「脱走の計画か?」誤魔化しは効かないようだ。「あなたの部族にはいない?夢で未来のことや現在のことが分かる猫。」「いる。看護猫はスター族からのお告げを夢で受け取れる。お前は看護猫か?」「違うわ。私はアンダーシー族の戦士猫の見習いよ。」「そうか。自己紹介がまだだった。サンダー族の戦士見習い、ロータスポーだ。よろしく。」「ロータスポー(蓮足)・・・。素敵な名前ね。あたしはコーラルポー(珊瑚足)よ。これからよろしくね。」「で、さっき言ってた予知夢の内容って?」そうだ!すっかり忘れてた。パールシャインを助けに行かなきゃ!「おい!どこに行くんだよ!」ロータスポーが前に立ちはだかった。「どいて!あたしは、助けに行かなきゃならないの!仲間を助けたいの。どいて!お願いよ!どいて・・・。」

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投稿 by ウィステリアフロスト Wed Aug 21, 2019 3:42 pm

第13章

「・・・俺はお前のことを通すことはできない。」コーラルポーは血が凍るような叫び声を上げた。「なんでよ・・・!通して・・・通してよ!」ロータスポーの目が、悲しそうに光った。「ごめん。あくまでも、お前とキラーホエールポーは捕虜なんだ。お前を・・・、お前を逃がすことはできない。」「あなたは・・・大好きな人を失ったことも、失いそうになったこともないんでしょ?パールシャインは・・・、あたしにとって、大事、な・・・」涙と嗚咽がこみ上げてきた。「あるよ。」そう言ってコーラルポーを睨みつけたロータスポーの瞳は、驚くほど冷たい光を放っていた。コーラルポーは怯み、毛を逆立てた。「俺が子猫だったころ・・・俺には、もう一匹兄弟がいた。名前は、ローズキットと言って、薔薇のような真紅の瞳を持つ、可愛い妹だった。俺やカーミリアポーにくっついて回る大人しい子で、あいつが笑うと周りが明るくなった・・・。」ロータスポーは淡々と話を続けている。「しかし、ある時・・・ローズキットはグリーンコフにかかった。誰も、誰も・・・助けられなかった。ローズキットは死んだ。母も、カーミリアポーも、魂が抜けたようになった。俺も、何かするたびに、あいつの笑顔や笑い声、ぱっちりした真紅の瞳が脳裏をよぎって、全て無気力になった・・・。」

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投稿 by ウィステリアフロスト Wed Aug 21, 2019 7:11 pm

第14章

知らなかった。彼のこと、傷つけちゃった・・・。あたしが悪い。「お前、・・・」身に降りかかってくる怒りを覚悟していると、ロータスポーが怒りを含んだ声で問いかけてきた。「で?俺は悲しい過去を明かしたんだ。お前の部族の話は?俺だけって不公平だ。」そ、そこかよ!でも・・・猫ではないことを言ったら、彼はあたしを避けるかもしれない。キラーホエールポーと一緒にいない今、何も分からないこの部族で信頼できるのはロータスポー一人。あたしは・・・ここで一人になるかもしれない。でも・・・彼はあたしを信頼してくれている。隠し事は、もうごめんよ。「あたしは・・・あたしの部族は、海のそこにあるの・・・。」ロータスポーは、目を見開いている。「でも、息出来ないじゃないか!」「あたしは、猫ではないの。半分魚なのよ。」そう言って寂しそうに笑うコーラルポーは、夢のこと、《追放の海》のことも語った。「キラーホエールポーは、半分猫魚で半分猫なのよ。だから、海も陸も行き来できるの。あたしは・・・海のそこにあるスター族の真珠から、力を貸してもらってるのよ。あと3日もすれば猫魚に戻ってしまう。」「《追放の海》は一人では危険すぎるよ。パールシャインはとても強いのに捕まったんだろ?僕も行くよ。」今度は、コーラルポーが目を見開く番だ。「あたしの力を分ければそれは可能だけど・・・あなたを巻き込めない。あなたが死んだら?」「死なないよ。もし、死ぬとしてもコーラルポーと一緒なら。」こうして、2匹は恐ろしく危険な旅に出向いたのだ。

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投稿 by ウィステリアフロスト Thu Aug 22, 2019 5:52 pm

第15章

「コーラルポー!今日はカーミリアポーと狩りに行ったんだ。カーミリアポーはカラスを捕まえたんだ!すごいよな!」いつものように看護部屋の奥の方に1日の中で起こったことを話す。看護部屋の奥を覗くと、も抜けの殻となった寝床があった。「コーラルポーなら、ロータスポーと狩りに行ったわよ。」バタフライウィングが言った。コーラルポーは回復したのか。良かった!看護猫を出て、カーミリアポーの側に行ったキラーホエールポーは、カーミリアポーが捕まえたカラスにかぶりついた。「美味しい?」真夏の太陽のように明るく、カーミリアポーがきいてきた。「太ってて美味いけど、羽根が喉に張り付くのは好きじゃないな。」顔をしかめてカラスの羽根を抜き始めたキラーホエールポーに、カーミリアポーが問いかけてきた。「あなた、いつまでここにいるの?」「・・・」ずっと考えてきたことだった。カーミリアポーやすっかり親しくなったみんなと離れるのは辛い。「俺・・・」

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投稿 by ウィステリアフロスト Fri Aug 23, 2019 8:33 pm

第16章

「ふふふ・・・お客様が来るなんて久しぶりだわ。」そう言って赤黒い瞳を憎しげに輝かせた《追放の海》の主は、パールシャインを迎えた・・・のではなく、殺しにきた。「シエルシャイン!」パールシャインは唸り、後退し始めた。「そおよ?あんたの優秀な脳にしては、ずいぶん気づくのが遅かったのね、愛しい妹!」そう、何を隠そうこの2匹は姉妹である。

どれくらい前のことだろう?満潮と月食が重なったとき、2匹は生まれた。満潮と月食が重なった時期に生まれた猫魚は、徹底的に悪に染まるか、清らかな心を持つかのどちらかであると言い伝えられてきた。2匹は、生まれてからずっと恐れられ、敬われていた。そんな周りの猫を2人は嫌い、互いに互いを守るようにして生きてきた。2人はとても仲が良く、お互いの気持ちが手にとるように分かった。そんな風にして、平和に生きてきた2人に悲劇が起きる。

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投稿 by ウィステリアフロスト Sat Aug 31, 2019 2:59 pm

第17章

ある日、族長のサンドスターにお告げが下った。「波が起きた日。貝と真珠が躍動し、生まれた。一族を救う強者、清し。悪に染まるもの、暗し。新たな波が来た、どうする?一族の長、サンドスター。おまえはのりこえられるか?」父、ウェーブスターは記憶の中と寸分変わりなく見えた。サンドスターは口を歪めた。生きているときに一言も話さなかった父と、今さら話したってね。「お父様、ね・・・」こんな猫、父ではない。スター族の力なんて一切必要ない 。私は、私の道を行く。パールポーもシエルポーも普通の猫だ。くだらない伝説で二人を差別なんて一切しない。「私は、ならない。」偏見なんて、持たない。

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投稿 by ウィステリアフロスト Sun Sep 08, 2019 4:57 pm

第18章

「サ、サンドスター!!!!」「お母さん!死んじゃ嫌よ!嫌!」サンドスターは娘の涙に濡れた、小さな顔を舐めた。「私はあなたたちを守る為に戦ったのよ?こんなにいい死に方はないわ。」そして、笑みを浮かべていった。「パールポー、シエルポー。母さんはいつだってあなたたちを見守ってるわ。いつか、また会える日が来るわ。」「お母さん!置いて行かないで!」シエルポーが泣き叫んだ。「シエルポー、あなた、は、今、より、シエルシャ、インとなります。あなた、は、貝の殻のように強く、賢く、生きていきなさい・・・パールポー、あなた、は、い、ま、より・・・パール、シャインとなります・・・。真珠のような光で、一族を包み、ま、もって、い、き、な、さい・・・」そうして、サンドスターは息を引き取った。


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