ナインの復讐 ーThe Revenge of Nineー                     [ひとりの戦士の復讐記][長編][原作1期全巻相当]

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別件ですが、猫寮小説制作について………不安なので、少しご意見を下さると幸いです。(関係者・無関係者は問いません)

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Re: ナインの復讐 ーThe Revenge of Nineー                     [ひとりの戦士の復讐記][長編][原作1期全巻相当]

投稿 by ヒーステイル on Mon Jun 29, 2015 5:36 pm

老婆を失ったときの黒猫の感情がもうなんとも・・・。貴様から貴女になったときも本当に、嬉しいというか切ないというか・・・。
彼女の名前もききたかったですね・・・
ナインがサンダー族へ申請しにいったときの演技力というか、演技ではないにしろ感情の表し方がほんとに子猫じゃないですねw
そしてナインとラスティーの2つの火がどう接触するか、楽しみです。一族に入った順では、ナインのほうが先輩なんですねw
更新ペース早くて嬉しいです!これからも頑張ってください!
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Re: ナインの復讐 ーThe Revenge of Nineー                     [ひとりの戦士の復讐記][長編][原作1期全巻相当]

投稿 by L ͛k ͛ on Mon Jun 29, 2015 6:16 pm


 ラッキークローさん ⋙ コメントありがとうございます。
             物語の大切な初期段階を終えることができましたが、味わいこんでいただけたようで幸いです。
             憎んでいた母親の仇のために修業を始めたりと、ナインはけっこう情の深い性格をしていますよね。
             いろんな仕掛けをラッキークローさんがひともといてくださるたび作者は冥利に尽きております!
             彼女の復讐は6章から本格的に始まります。応援ありがとうございます、今後もよろしくお願いします。

 光鈴さん      ⋙ コメントありがとうございます。
             始めたばっかりなので気合はたぎっておりますよ! 一日2章更新が目標ですが、今日はできるかな………
             老婆との最後のやりとりは、ベタですが心を込めて書きました。光鈴さんの心に触れられたなら幸いです。
             懐かしの炎の予言ですが、あれはかなり前からやってみたいなあと画策してたので、今回やれて大満足でした^^
             ナインの運命は次章で決まります。応援ありがとうございます。お互いに頑張りましょうね!

 ヒーステイルさん  ⋙ コメントありがとうございます。
             「貴様」から「あなた」への変化はわかりやすい心情描写でしたが、
             あの辺りは台詞を慎重に選んだので、ナインの声の表情も想像していただければ嬉しいなあ、なんて思います。
             ナインの演技を皆さんにちゃんと気づいていただけて良かったです。
             はい、ラスティーとはこのあと運命のご対面ですよ! 彼は物語上でもっとも重要な男の子のひとりです。
             実は女の子だったことが判明したナインの復讐者としての活躍、これからも見守ってくださいね!
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Re: ナインの復讐 ーThe Revenge of Nineー                     [ひとりの戦士の復讐記][長編][原作1期全巻相当]

投稿 by L ͛k ͛ on Tue Jun 30, 2015 8:03 pm

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第5章





 いきなり現れた子猫の唐突すぎる言葉───部族の生まれですらない子どもが、サンダー族に入れてほしいというのだ!───に、

一族の全員が言葉を失っていた。だが、最初にその沈黙を破ったのは、この自分、タイガークローだ。


 「ずいぶん図々しいガキを連れこんできたもんだな、レッドテイル! え?」タイガークローはほかの戦士猫たちを肩で押しのけて

進み出ると、ブルースターのとなりに立ち、三毛猫を真正面から思いきりにらみつけた。ブルースターは、雌の子猫に向けていた目を

ちらっとこちらに向けたが、なにもいわないし、タイガークローも気にしない。


 レッドテイル、こいつには昔から本当にむかつかされてばかりだ。見習いのころから、勝利への絶対的な執着心がないすかした野郎

だった。昨日のリヴァー族との戦いでも、白旗をあげるという屈辱の道を選びやがった。部隊を率いていたのが俺なら、サンダー族は

絶対に負けなかったはずだ! だがこいつはいつでも自分の決断が正しいと思い込み、結果、一族の名を汚して仲間に迷惑をかける。

今回もそうだ。勝手なまねをしやがって!


 「その子を見つけて連れてきたのは俺たち夜明けのパトロール隊だよ」ライオンハートがあわてて和を取り成すように口を挟んだ。

「キャンプに入れてやるかどうか判断したのは、たしかにレッドテイルだけどさ───」


 「おまえは黙ってろ!」ぴしゃりと喝を飛ばせば、旧友ははたかれたように目を丸くして口は閉じた。困ったような顔を横のローズ

テイルと見あわせるが、どうせこいつはそれ以上なにもいいやしない。タイガークローはレッドテイルに向き直り、さらにつづけた。

「浮浪猫のガキをキャンプに入れるのを許可しただと? いったいなにを考えてるんだ? こいつのごみため仲間に俺たちの居場所を

吐かれてみろ、サンダー族はひとり残らず浮浪猫どもになぶり殺しにされるんだ!」


 子猫の肩がぴくりと動き、金色の瞳がかすかに揺れた。真後ろに立っていてそれに気づいたレッドテイルが、怯える必要などないと

いうように、子猫の肩をしっぽでぽんぽんと優しくなでた───吐き気がする。「なぜこの子が浮浪猫たちにキャンプの居所を教える

と思うんだ?」


 「そいつがやつらのねぐらに戻るからに決まっているだろう!」


 「それはこの子を一族に入れなかった場合の話だろ?」


 はっ? タイガークローは目を剥いた。こいつはなにをいっているんだ? どんな頭をしているんだ? だがレッドテイルは、赤い

キツネのようなしっぽを立てて、タイガークローにしゃべらせなかった。「まだどうするか決めたわけじゃないんだ。最終的な判断を

下されるのはブルースターなんだから。それに最初から不誠実を決めつけていては、この子がそういうことをしても責められないよ。

下層の生まれであろうと疑って怒鳴りつけたりしちゃだめだ。震えてるじゃないか」


 黒い雌の子猫はたしかにうつ向いて目を伏せ、かすかだが体を震わせていた。だが知ったこっちゃない。レッドテイルの偽善ぶりに

胸がむかむかしてくる。貴様の説く道徳は大いに結構だが、世界はそれで回っちゃいない。食うか食われるか、やるかやられるかだ。

浮浪猫を隠れ家のど真ん中に連れこむ行為は、自分たちサンダー族の安全を脅かす。だから追い払うか口封じに殺すかするというただ

それだけのことなのに、この馬鹿はわかっちゃない。道徳心で一族の命を守れるか? 猫なで声で話せば、敵の部族と和解できるか?

否だ!


 だが不愉快なことに、ホワイトストームまでレッドテイルの肩を持ちはじめた。「タイガークロー、こいつのいうとおりだと思う。

一度子猫がここに来たなら、俺たちが今いい争ったって意味はない。それにうちの子猫たちも見てみろ。頼もしいはずの大戦士たちが

仲間割れして、あいつらまで怖がっている」


 タイガークローがきっと振り返ると、保育部屋の前から目を丸くしてこちらを見ていたグレーキットとサンドキットがひっと悲鳴を

あげ、レイヴンキットはひっくり返るなり母猫のうしろに隠れてがたがたと怯えはじめた。ダストキットだけは頭を高々ともたげて、

自分は臆病じゃないといいたげだが、タイガークローがひとにらみすれば程度をわきまえてうなだれた。


 「あの子、僕たちと一緒に訓練を受けるの?」グレーキットがかん高い声で自分の母親にたずねる。


 「でも浮浪猫の子なんでしょ?」と、あざけり混じりにサンドキット。


 「きっと腐ったドブネズミから生まれたんだぜ!」ダストキットが意地悪な笑い声をあげ、さっそく元気を取り戻し、聞こえよがし

にこういった。「僕たち部族猫とはちがって、あいつは浮浪猫なんだから。下水のにおいがお似合いさ!」


 「あなたたち、邪魔しないの!」怒ったブリンドルフェイスが別の母猫の子も一緒くたに保育部屋に引きずり戻すが、子猫どもは、

とたんにミャーミャー抗議して母猫の腕から逃れ出ようとした。まったく、あいつらにもいらいらさせられる。


 ───だが。


 「ドブネズミの腐肉から生まれた?」ぽつりと、静かな怒りに燃える声があがった。


 タイガークローもブルースターも、ほかの戦士猫たちも、驚いて子猫を見つめた。うずくまっていたはずの黒い雌猫が立ちあがり、

ダストキットをタカのような鋭い目でまっすぐににらんでいたのだ。タイガークローは軽く目を見開いた。子猫の小さな体から、生後

六ヶ月と思えないような凄まじい怒気が立ち昇っている。さっきまでのびくびくしておとなしそうな雰囲気が嘘だったかのようだ。


 「そういう貴様はフクロウの吐きだめから生まれたか?」子猫は激しくうなった。「部族猫か浮浪猫かで似合うものがちがうなら、

貴様にはだれかの吐き戻した肉の残りかすがお似合いだ」


 サンダー族の若者たちが怒号をあげ、長老たちまで子猫に怒鳴りこんだ。「一族に入れてくれといいながら一族の猫を侮辱するとは

なにごとだ!」───だが、タイガークローはだまって子猫を見つめていた。いつになく真剣で冷静な琥珀色の瞳で、子猫の目つきや

その横顔を、慎重に観察している。


 豹変した子猫の言葉でいちばん頭に血がのぼったのは、やはりやり返されたダストキットだ。とら猫はかっと威嚇体勢になって爪を

剥きだし、母猫の腕を振り切って駆けだした。黒い子猫もぐっと身構え、今にも応戦しようとしている。その構えが完璧ですきがない

ことにタイガークローは気がつき、さらに目を見張る。このガキはいったいなんなんだ?


 「やめなさい!」ブルースターの厳しい声があがり、青灰色のたくましい体が、二匹の子猫の直線上に割りこんで立ちはだかった。

ぶつかったダストキットがころころと転がっていき、ぱっと起きあがって族長をにらんだ。黒い子猫も、炎のように燃える金色の瞳を

ブルースターにぶつけている。ブルースターが冷静に見つめ返した。黒い子猫はしばらく怒りのまなざしをブルースターに向けていた

が、やがて自分のしていることに気がついてはっと目を覚ました表情になり、低く小さくうずくまった。「………申し訳ありません」


 「侮辱されたらやりこめるだけの根性があるのは認めるわ」ブルースターが穏やかにいう。「でも、一族のものと不和を起こすなら

仲間に入れてはあげられない」


 とたんに、子猫の顔がひどく弱々しくなったように見えた。この妙な変化をけげんに思い、タイガークローは首をかしげていたが、

すぐに気がついた。戦士より険しい荒々しさを見せたかと思うと、そうすべきとわかった瞬間に慎ましく従順になる、裏表があるこの

態度。だが根底に常にたぎらせつづけている激しい感情。この子猫は、自分とどこか似通っている。だからタイガークローにはわかる

のだ。こいつは絶対に信用が置けないと。


 「あなたは不思議ね」ブルースターが静かな口調でいった。「わかっていてほしいのだけれど、ダストキットとの喧嘩を止めたのは

あなたに能力がないと考えたからではなくて、その傷を気にしないわけにはいかなかったからよ」子猫の胸にある十字傷に目をやる。


 「そんな傷なのに、よく俺たちから遅れずについてこられたと思いますよ」ライオンハートがのどを鳴らし、タイガークローは内心

舌打ちする。「案内してもらう身だからこちらのスピードにちゃんとついていくといったんです。無理だと思いましたが、傷の痛みを

感じているようすはおくびにも出さずについてきました。それで今もまだ闘気があるなら、あっぱれじゃないですか?」


 よけいなことを吹きこむんじゃない! タイガークローは怒りに燃える目でライオンハートをにらんだ。だが戦士は、肩をすくめた

だけだった。怒りたきゃ怒ればいいさ、俺はこの子がきらいじゃないんだ、とでもいいたげだ。まったく、全員どうかしているとしか

思えない。浮浪猫のガキを気に入るとは!


 しかしタイガークローも、子猫が激しくいい返して応戦しようと構えたのを見た今では、子猫に対する評価の姿勢を若干公平にした

のは事実だ。やられてやり返す根性があるガキはきらいじゃない。戦闘の才能に見込みがあるガキもきらいじゃない。そういう意味で

ならライオンハートに異論はない。だがこのガキからは、同じタイプだから本能でわかる、裏切り者のにおいがするのだ。


 ブルースターは慎重に子猫にたずねた。「本当に一族に入りたい?」


 子猫は大きな金色の瞳でブルースターを見上げた。今は落ち着いて澄んだ目をしている。子猫はゆっくりうなずいた。やっぱりだ。

どう振る舞えば、周囲の目に自分が信頼できる猫に写りやすいか、よくわかっている。だからますます危険だとわかる。しかし厄介な

ことに、それがわかるのは同じ穴のムジナの自分だけのようだ。


 「あなたのその激しさをきちんと抑えられると、約束できるかしら。それに一族生まれでないことは、能力の差にこそならないとは

いえ、あなたに大変な苦労を強いるはずよ。偏見にも耐えなくてはならない。それでも、できる?」


 「私………」子猫は控えめな雰囲気をかもしだしながら答えた。「私は、一族に立派につかえるだけの能力が自分にはあると思って

います。族長にさえ能力を認めてもらえれば、それでいい」


 ブルースターは驚いてレッドテイルと視線を交わした。タイガークローは内心で頭を抱えている。感心か? ばかじゃないのか?

浮浪猫のガキだぞ。俺と同じような、激しい本性を隠しているガキなんだぞ。タイガークローは不機嫌にうなったが、子猫も族長も、

気にとめるようすはなかった。一族のみんなもそうなのか? このガキはおまえたちに巧みに取り入っているんだ。なぜわからない?


 ブルースターが青空を見上げた。太陽がもうずいぶん高くなっている。これ以上一族の活動を停滞さすせわけにはいかないと考えた

のだろう。族長はハイロックに飛び乗るなり、召集をかけられるまでもなく空き地に集合していた一族に、凛とした声で呼びかけた。

「サンダー族に入りたがっているこの浮浪猫の子どもの処遇は、今晩、ロングポーと子猫たちの儀式のあとに発表します。それまで、

子猫には手当てを受けさせますが、処遇が決めるまで許可なく話しかけることは許しません。さ、みんな、それぞれの持ち場に戻って

今日の仕事をはじめなさい。あとは年長の戦士にだけ話があります。ローズテイル、副長の代わりにみんなに指示を出すのをお願い」


 雌の戦士はうなずき、一族に指示を出す前に看護猫の名を呼んだ。ハリエニシダのトンネルから現れたスポッティドリーフが子猫の

ところへ駆け寄った。真剣な光を帯びた目がすばやく子猫の傷を診る。「やっぱり爪や牙によるものね。薬草はもう用意しているわ」


 ローズテイルはうなずき、スポッティドリーフについていくよう黒い子猫にうながしながらいった。「この子をお願いね」


 黒い子猫が、表情の読めないまなざしをスポッティドリーフに向けてからブルースターとタイガークローを振り返った。思いっきり

にらんでやると、子猫の金色の瞳の奥に、ちらとなにかがよぎった気がした。


 ブルースターに彼女たちに従うよう合図されてようやくその気になったらしく、子猫はタイガークローから目をはがすと、看護猫に

導かれておとなしくついていった。


 ブルースターはうなずくと、ハイロックから飛び降りて、族長部屋にかかっているコケのカーテンをさっと開け、中に入りながら、

自分が一族でもっとも信頼しているいつもの仲間たちを呼んだ───レッドテイル、ホワイトストーム、ライオンハート、そしてこの

自分、タイガークローだ。


 だがタイガークローは、ハリエニシダのトンネルに消えていく浮浪猫の子猫に、ずっと激しいまなざしをぶつけつづけていた。なぜ

ここまで敵意をもつのか自分でもわからないくらい、今のタイガークローは、いきなり一族に現れたあの子猫を、脅威として見なして

いるのだ。あの子猫はなにか腹に一物持ってサンダー族にやって来たにちがいない。自分には本能でわかる。だからこそ、絶対にこの

サンダー族に入れるわけにはいかないのだ。





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Re: ナインの復讐 ーThe Revenge of Nineー                     [ひとりの戦士の復讐記][長編][原作1期全巻相当]

投稿 by ラッキークロー@LC on Tue Jun 30, 2015 10:14 pm

 クオリティの高すぎる五章に、ライトニングゴッドsという通り名を思い付いたLCです。

 タイガークローの一人称で話を展開させる!!!めからうろこです!!!タイガークローの野心に満ちたこころの裏から語られる物語......今までとはぐんと雰囲気が変わり、また彼がナインのにじみ出る復讐心を感じているのもドキドキします。これから、共通点をもつ二匹がどのように過ごしていくのか目が離せません!

 冷酷に見えるナインも、唯一の肉親であった母親の存在を侮辱され、隠していた本性を露にしたところにジンと来ました。やっぱりナインには隠しきれない気高いプライドと激しさ、そして情に深いところがあるのですね...!惚れます^/^φ(゜゜)ノ゜



最終編集者 LC@カウントダウンテスト [ Wed Jul 01, 2015 6:55 pm ], 編集回数 1 回
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Re: ナインの復讐 ーThe Revenge of Nineー                     [ひとりの戦士の復讐記][長編][原作1期全巻相当]

投稿 by ライトハート on Wed Jul 01, 2015 3:07 pm

タイガークロー視線は初めてな気がします!まさしくダイガー君って感じですねw
あっさりと受け入れると思っていたら、こうなっていて面白いです!
他の猫もナインが裏切り者だと気が付くんでしょうか…?楽しみです!
お互い頑張りましょう!
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Re: ナインの復讐 ーThe Revenge of Nineー                     [ひとりの戦士の復讐記][長編][原作1期全巻相当]

投稿 by 明日輝 on Wed Jul 01, 2015 7:26 pm

今更ながら新小説おめでとうございます!
遅れてしまいすいません!

一気に読ませて頂きました!もう、流石の一言ですね!
表現やら設定やら全てが素敵でこの小説に惚れちゃったのです。
とにかく続きが気になって仕方がありません!頑張ってくださいっ!

密かにタイガークロー君応援してしまうのです…!
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Re: ナインの復讐 ーThe Revenge of Nineー                     [ひとりの戦士の復讐記][長編][原作1期全巻相当]

投稿 by L ͛k ͛ on Wed Jul 01, 2015 7:47 pm


 ラッキークローさん ⋙
   毎度更新するたび感想を下さり、本当に大感謝です………! しかもデュエルカードにしていただけるとはなんたる光栄であることか!(
   ナイン入族の回はもともと、第三者のだれでもない目線から1章文で終わらせる予定だったのですが、
      一筋縄でいかせたくなくて2倍の文量に ➡ これじゃたたでさえ少ない読者さんが離れちゃう、二分しよう
          ➡ あれ、この雰囲気で2章続くとつまらないんでない? ➡ じゃあ虎二郎さんに語ってもらえばいいんでない?
   このようなことがあってああなりました。決して適当とかそういうわけではなくこのぐだぐだも計算ずくだったんですええ!(
   ナインの魅力や芯、動機の描写もまだまだ至らぬ点が多いので、これからも掘り下げたいと思います。
   ラッキークローさんのご負担にならない範囲で、お気の向いたときにまた読みに来てくだされば幸いです^^

 光鈴さん ⋙
   コメントありがとうございます! 虎二郎さん視線、初めてですかね………? 彼らしさが出ていれば幸いです。
   ナインはラスティーみたいないい子でないどころかサンダー族への報復を企んでやってきましたし、
   初対面の時のいろいろってあとあと大事だよなあと思い、ひと悶着起こさせることにしました(虎二郎さんのなかだけですが)。
   ナインの本性にだれが気づき、だれが気づかずに利用されるか、是非注目していてくださいね。
   お互い頑張りましょう! とうとう予言が明かされた『月光の照らす暗い世界』もはらはらしながら応援しています!

 明日輝さん ⋙
   いえいえ、読んで下さるだけでもうれしいのにコメントまでいただけて幸いです!
   このおぞましい文量、一気読みの時に困らせてしまいませんでした………?
   最初のころの読者さん数人をすでに置いてけぼりにしてしまっている気がして怖いです………
   しかし今新しく明日輝さんが読んで下さったことに、LKはとっても狂喜乱舞しております!
   今内容を読み返すとすでに過去の自分を殴り倒して「ここの気持ちが矛盾してる!」だとか「論理が破綻してる!」とか
   叱りながら書き直させたい衝動に駆られていますが、これから軌道修正するはずです………たぶん………
   ええ、ぜひ虎二郎さんを応援してあげてくださいな! ナインVS虎二郎さんの悪党対決、ぜひ注目してくださいね!


多分時間の都合上、7章更新後くらいからはこういう丁寧めのコメ返しできなくなるかと思います、すみません(´・ω・`)
今夜あたりに、ナインの復讐のための第一歩の成否の結果を投稿します。よろしくお願いいたします。
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Re: ナインの復讐 ーThe Revenge of Nineー                     [ひとりの戦士の復讐記][長編][原作1期全巻相当]

投稿 by L ͛k ͛ on Wed Jul 01, 2015 11:33 pm

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第6章





 ───それはあの、灰色の雨の日の夜。極道の浮浪猫たちから追い立てられ、父親に捨てられた親子ふたりで、惨めな濡れねずみに

なりながら、町外れの松林まで逃げてきたときのこと。


 ナインは腹をすかせていた。それを母親に訴えると、なら自分の脚でも食ってなと冷酷に吐き捨てられた。だが一瞬のちに母親は、

お前に乳をやったせいで腹が減って死にそうだ、あたしになにか持ってこいと、胸ぐらをつかんで脅しつけた。当時のナインはまだ、

自分には復讐心という凄まじいパワーの原動力があることを知らなくて、普通の憎悪を覚えはしても、母親に逆らえずにいた。あんな

猫のもとになぜ生まれたのだろうとナインは呪いながらも、「この森は部族猫の縄張りらしいから、ここでは絶対に狩りをしないで」

───たしかにそう言い残して、仕方なく人間の家の前に置いてあるごみ袋をあさりに行ったのだ。


 そしてようやく鶏肉のかけらを見つけ、それをくわえて母親のところに戻った。───いや、戻るはずだった。


 材所の針葉樹の辺りまで行かないうちに、人間の町の外れの道路の上で、ナインは立ち止まった。灰色の雨のカーテンの向こうで、

なにか………おぞましい光景が繰り広げられていた。三歩走り寄ったとき、やっとわかった。これまでにナインが見たこともないほど

恐ろしく巨大な雄猫が、松林からここまで逃げてきてとうとう捕まったらしいナインの母親に襲いかかっていたのだ。


 ひと目見た瞬間手遅れだとわかった。ひと裂きふた裂き、むごたらしく切りつけるたび、雄猫が自分に酔いしれながら叫んだ言葉、

特にその最後の台詞を、ナインは絶対に忘れない。


 ───薄汚い浮浪猫の分際でサンダー族の獲物を盗むとは、貴様は万死に値する大罪猫だ。このティスルクロー様が、死んだほうが

ましと思うくらいの罰を刻みつけてやるからな───。


 ティスルクローも、震えながらただ傍観していた連れの部族猫たちも、目の前で悲鳴をあげながら死んでいく猫の娘がそれを間近に

見ていたことに結局ずっと気がつかなかった。すべてが終わり、すべてに見捨てられたあと、灰色の激しい雨のなか、ナインはおそる

おそる、母親の遺体に近づいた………それを見た。


 ───そして、全世界がどっとナインを殴り飛ばしたかのような、凄まじい、筆舌に尽くしがたい衝撃に打ちのめされたのだ。


 あれほど憎んでいた母親だった。あれ以上ひどい母親はないと思えるくらいだった。それまで、愛情などひとかけらも抱いたことが

なかった。だが、変わり果てた母親の死にざまを見た瞬間、ナインの脳裏には、サンダー族とティスルクロー、そのふたつの名前が、

地獄の火で熱したよりもっと苛烈な焼きごてで、生涯絶対に忘れられないほど深く焼きつけられたのだ。


 ナインの世界の天地がひっくり返され、復讐の色ただ一色に染まったのは、そのときのことだった。あの瞬間から、ナインが生きる

目的はただひとつ───サンダー族とティスルクローへの復讐だった。だからこそナインは今、絶対にこのサンダー族に入らなくては

ならないのだ。





 ───ときは現在へ、浮浪猫の少女を一族に迎え入れるかどうかをサンダー族の年長戦士たちが話し合う場面へと戻る。


 「もう一度最初から説明して」自分の寝床に腰を下ろし、ブルースターがライオンハートに命じた。タイガークローの目を意識的に

避けているようだ。


 ライオンハートはちらっとタイガークローを気遣わしげに見てからいった。「あの子は、スネークロックスのそばのひらけた場所に

落ち着き払って座っていました。サンダー族の猫が通りかかるのを夜中から待っていたようです。あの子をひと目見た瞬間、侵入者と

見なしたラニングウィンドが飛びかかって───」


 「侵入者なんだからそのとき殺されちまえばよかったんだ」タイガークローはぼそっとつぶやいたが、ホワイトストームのなだめる

ような低いうなり声を引き出しただけだった。


 「───子猫は応戦しましたが、俺が仲裁に入りました。そこで初めてあの子から、女、子どもに乱暴を働く浮浪猫の故郷から逃げ

だし、噂に聞いたサンダー族に入りたい一心でここまで来たと聞いたんです」


 「あの子、ラニングウィンドと戦ったの?」ブルースターが感心した声をあげる。


 「正気ですか、ブルースター」タイガークローはいらいらと頭を振った。「浮浪猫をサンダー族に入れてやるおつもりですか?」


 「たしかに、こんなことは初めてね」ブルースターがため息をつく。「部族の生まれですらない子猫を、仲間に引き入れるなんて」


 その口ぶりに、タイガークローがきっと顔をあげて族長をにらんだ。ホワイトストームも驚いた顔でたずねる。「ブルースター?」


 「いいかもしれない」ブルースターの青い瞳が星のように輝いていた。


  タイガークローが目を剥いて低く叫ぶ。「嘘だろう?」


 「あの子はサンダー族に入りたがってるし、私たちは新しい戦力になる子猫を必要としている。ダストキットに対して取った構えを

見た? 戦士に必要な戦闘本能はしっかり持ってるみたいじゃない。あの激しい性格も敵の部族との戦いではいいほうに働くはずよ」


 「鍛えられた体をしているようですしね」レッドテイルが考えこんだ目をしている。「あの子は、ダストキットやサンドキットより

痩せているし、筋肉がある。能力では一族の猫にひけをとらないと思いますよ」


 「だが、浮浪猫だ!」耐えきれずにタイガークローが怒鳴った。「あの、腹のなかでなにを考えているかわからない子猫を、一族に

入れるのか? キャンプでの第一声は慎ましかったのに、自分の悪口を聞いた瞬間にぶち切れたのを見ただろう?」


 「けなされればだれだって怒るわ。それに、喧嘩のあとではダストキットより聞き分けがよかった」ブルースターが穏やかにいう。

「でも、タイガークローの言葉にも一理あるわね。よそ者を一族に受け入れるという、初めての事例をつくるかもしれないのだから」


 タイガークローはなにか皮肉げな表情を浮かべたが、それに気がついて、またもなだめるようにうなったのはホワイトストームだけ

だった。ブルースターは、なにもさとらぬまま───あるいは、さとった素振りを見せないまま───大戦士たちの面々を見渡した。

「いちばん良い決断を下すために、もっと慎重にならなくては。あの子が一族の見習いや戦士になったときに、どんな影響を及ぼすか、

もう一度よく考えて………初めから検討しましょう」


 そのとき、タイガークローの琥珀色の目が、不穏にぎらりと輝いた。





 夕日が落ちて空が暗くなり、星が輝きはじめたころ、ナインは、部族猫たちが遠くで喜びの声をあげたのを聞いて眠りから覚めた。

ケシの実をなめたせいか、ずいぶんよく寝てしまっていた。疲れを癒す代わりに、あの三ヶ月前の夜をちらっと夢に見てしまったが。


 「………あの声は?」


 「ロングポーが戦士になったのよ。今、ブルースターのいっていた儀式がはじまったの」そばでナインのための薬草を練りあわせて

いたサンダー族の看護猫がそっといった。「これからは、一族の子猫たちが見習いになる儀式。きっとそのあとであなたも呼ばれて、

これからどうなるのかいい渡されるわ」


 まだ夢のなかのティスルクローの声にぼうっとしながら、ナインは看護部屋の寝床から起きあがり、顔をしかめた。昨日の昼過ぎに

負った肩の噛み傷にくわえて、自分でつけた胸の十字傷にマリゴールドが貼ってある。この傷だけは薬草で治したくはなかった。だが

弱い立場にいる今、看護猫の手当てを拒むわけにはいかなかったのだ。それに、望みどおり傷痕だけは残るだろう。


 ナインは前足で顔を丹念に洗いながら、ここに来る前に最後に見たもの、タイガークローという名の戦士の、あのねめつけるような

琥珀色の炎を思い出した。あの猫………どうやら、ナインの本性を見破ったらしい。ナインにうたぐるような挑むような目つきを投げ

つけてきたのだから。一族の年長の戦士たち、特にライオンハートたちが比較的すんなりとナインを受け入れる態度だったのに対し、

あの大柄の戦士だけは、最初からナインに激しい敵意を持っていた。


 灰色の雨の日の夢から完璧に意識を切り離した今、ナインは独り考える。───今朝の短い初対面のあいだに、タイガークローは、

ナインを危険猫と見なしたにちがいない。力と攻撃性をそなえた猛々しい戦士だ、そう簡単になにかに負けたりしないだろう。だが、

いつかナインの復讐をあの戦士が阻む気がしてならない。そうなる前に、危険を───タイガークローを排除しなくては。


 深く考えこむナインの横顔を、サンダー族の若い看護猫スポッティドリーフは、ときおり作業から目を上げてじっと見つめていた。


 一族がまたにぎやかな歓声をあげ、ナインはハリエニシダのトンネルの向こうを見た。ついに見習いたちの儀式が終わったらしい。

スポッティドリーフとナインの目がちらっとあった。いよいよ、ナインがこの一族に潜りこめるのかどうかがはっきりするのだ。


 「お願いがあります」ナインは唐突に、黒っぽい三毛猫にいった。「もし私が一族に入れてもらえることになったとしたら、すぐに

ブルースターにことづけしてはしいことがあります───よそ者の私より、一族の猫からいってもらうほうがいい」


 「なに?」うら若い看護猫はちらっと顔をあげ、疑わしそうな顔をした。ナインは傷の痛みに少し顔をしかめながら近寄り、彼女の

耳にそっと耳打ちした。スポッティドリーフの琥珀色の瞳がかすかに輝き、体を離してナインを見る。


 ナインも見つめ返した。金色の目がきらめいている。「この部族に必ず忠実になると誓います。でも、母の恩だけは忘れたくない」


 そのとき、空き地のほうからさらに大きな大勢の猫の声が響いてきた。ナインが驚いたのは、それが今までのような楽しげなものと

ちがい、怒ったような、ぎょっとしたようなものだったからだ。一族は落ち着きなく騒ぎだし、怒号が乱れ飛んでいる。族長がそれを

鎮めようと声を張り上げている。ナインをそちらを振り向いたまま動かなくなった。どうやら、当のナイン抜きでナインの処遇が発表

されたようだ。ナインの小さな胸がドクドクと激しく高鳴る。今の反応で大方の予想はつく。だが………どっちだ?


 「おい、浮浪猫のお嬢さん」ハリエニシダのトンネルが揺れ、黄金色のとら猫が現れた。好奇心と優しさで緑色の目が輝いている。

その瞬間ナインは確信した。「ブルースターがお呼びだよ。君の命名式を行うそうだ!」


 「!」


 冷たい喜びが、ナインの胸の奥深くからわきあがった。ここでじっと一族の決断を待たねばならないのは苦痛だったし、あの戦士、

タイガークローがなにか邪魔するかもしれないと危ぶんだが、ついにやった。長い復讐を遂げるための最初の試練を乗り越えるのに、

ナインは成功したのだ!


 ライオンハートが優しくうなずきかけて引き下がり、看護猫が先に出ていった。そのあとからナインは覚悟を決めてゆっくりと空き

地に出ていった。一族の猫たちは、相当動揺しているにちがいない。だからこそ、これからのナインは堂々と立派な姿を見せなくては

ならない。かれらのナインに対する評価がナインの命綱なのだから。勝負は今この瞬間からはじまるのだ。


 空き地には、一族の全員がそろっているらしかった。大きな岩の前に円を描いて座り、だれもがナインに、敵意や好奇心、警戒心、

いろいろの感情を浮かべたまなざしを投げている。だが今、頭を高く掲げて進み出てくるナインを見て、何匹かは息をのんだり、目を

見張ったりした───ダストキットとタイガークローだけは、ひときわ激しい目をナインに向けつづけていたが。


 ナインは気にしなかった。大岩の上から決意したような表情でナインを見つめるブルースターだけを、しっかりと見すえつづけた。


 ブルースターの下にたどり着くと、看護猫がナインからのことづけを伝え終えて離れていくところだった。ブルースターの青い瞳には

複雑な思いが隠されていたが、それでも理解して受け入れてくれたらしく、ほほえみを浮かべている。


 ナインが定位置に座ったのを見て、ブルースターは励ますようにうなずいた。あごをあげ、銀河のきらめきを青い瞳に宿している。

「本日より、戦士の名を獲得するまでのあいだ───」そこでブルースターは一瞬間を置き、ナインに向ける目に一瞬なにかをよぎら

せた。「───この見習いを、ナインポーと命名します。彼女の亡き母親に捧げる愛に敬意をこめて。そして、一族に忠誠をつくして

くれるよう祈りをこめて」


 ブルースターの目が優しく輝いた。───だが、ナインが彼女に返している瞳の輝きは、本当は氷の心の輝きだった。


 この女は、自分ではそうとは知らずに、サンダー族を激しく憎むナイン、ゆえに一族にとってもっとも邪悪な脅威となるナインを、

あろうことかキャンプの真ん中に招き入れ、牙を突き立てる機会をいつでもつかむことができるようにしてしまったのだ。


 すばらしい道が開けたことで、ナインは穏やかなほほえみすら浮かべていた。だが次の瞬間、ナインは驚愕して目を見開いた。


 「タイガークロー」ブルースターが呼びかける。「あなたは弟子の指導を終えたばかりだけれど、優秀でやる気に満ちた戦士だわ。

この子の指導は自分で引き受けたいといってくれたわね。ナインポーの指導をはじめなさい」


 ナインは信じられない思いでタイガークローを振り返った。とら猫が群れのなかから進み出てきてナインをぎろりとにらみつける。


 「あなたの豪胆さと一族を思う熱い忠誠心を、この子にも宿してくれることを願うわ」


 ナインは固まったままだったが、タイガークローは引き裂かれた痕のある黒い鼻面をずいと突き出し、ナインと鼻を触れあわせた。

「俺はおまえを信用していないからな、浮浪猫」族長に聞こえないよう、揺するような低い声で耳打ちする。「いつでも監視している

し、訓練は容赦なく厳しい。本気で死ぬ覚悟を決めておけ」


 謀られた───。ナインの体を戦慄が走った。だがナインはつばをのむと、金色の瞳で見返してかすかに口の端をゆがめすらした。

「喜んで、タイガークロー」どうにかほほえんでみせた。


 タイガークローは脅しを効かせるようにぐっと琥珀色の目を細めたが、なにもいわなかった。ふたりのあいだに火花が散ったことに

気がついた一族の猫はだれもいない。


 「さ、夜も遅いわ」ブルースターがほっとしたような声で一族に呼びかけた。「夕食を食べたら、すぐに明日に備えて休みなさい」


 一族はささやきあいながら散っていった。ホワイトストームとレッドテイル、ライオンハートが、それぞれの新しい弟子を伴って、

ナインとタイガークローにおめでとうと声をかけに来た。ほかの猫たちは探るような目つきでナインをにらみ、なにもいわなかった。

だがナインは気にとめない。一族での暮らしは長いのだ。これから少しずつ変化させていけばいい。


 「ローズテイルは?」タイガークローが不機嫌そうにうなった。ナインを見もしない。


 「レイヴンポーと、師弟水入らずで食事したいってさ。変わってるよな!」レッドテイルが笑った。タイガークローににらまれたが

軽く受け流し、ナインに優しい目を向ける。「ようこそ、ナインポー」


 「ありがとうございます」ナインは穏やかに返した。「これからよろしくお願いします」


 「腹が減った。早く飯にしよう」ナインを呼びに来たあの黄金色のとら猫がぼやいた。黄色い目をした胴の長いたくましい白猫が、

まったくおまえは、とため息をつく。戦士たちはこんなにくつろいだようすなのに、見習いたちはナインに近寄ろうともしなかった。

ダストポーはナインに対する敵意をむき出しにした目でにらんでいる。ナインはにこりとほほえみかけた。ダストポーは歯を剥いた。


 その夜、新しい師弟たちはごちそうを一緒に囲んだ。指導者たちはこれからの訓練の予定の話に花を咲かせていたが、見習いたちは

ナインがいるせいで葬式のようにむっつりとしていた。飽きたナインはほかの猫たちが食べ終わるまでのあいだ、キャンプをゆっくり

見渡していた。いるはずのあの戦士───復讐するためにずっと爪を研ぎ続けてきた、あの因縁の相手を探していたのだ。あいつの顔を

もう一度見て、できれば接触をはかりたかったのに。ナインはかぎ爪を出し入れし、ひとりかすかに首筋の毛を逆立てていた。自分の

生きがい、自分がこの復讐心のかぎりを尽くして、この牙と爪で必ず命を終わらせてやりたいと死ぬほど願ってきた相手。あの悪魔の

ティスルクローは、いったいどこにいるのだろう?


 「さっきからだれを探してるんだい?」グレーポーがびくびくしながらたずねてきた。


 ナインはちらと彼の目を見て、なんでもないように肩をすくめた。「死んだ父から、サンダー族にはティスルクローという勇敢な

いると聞いた。その猫の武勇伝に憧れてここへ来たから一目見たかったんだが………今日は遠方の任務にでも出されているのか?」

これくらいの嘘なら、問題はないだろう。それよりグレーポーがなにか有益な情報を教えてくれないか楽しみだ。あの憎い仇のこと

ならなにを知っておいても損じゃない。あの猫の息の根をこのナインが止めると誓ったのだから。


 すると、ダストポーとサンドポーがびくりと肩を震わせ、怒りに燃える目でナインを見るので驚いた。「………なにか?」


 グレーポーは一族の見習い仲間をちらっと見て、怯えながらいいにくそうにいった。「あのさ、ナインポー。ティスルクローは、

その………三ヶ月前かな、たしかにすごく強くて怖い負け知らずの猫だったんだけど、リヴァー族のパトロール隊に襲われて………

あえなく戦死しちゃったんだ」





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今回のミスはひどかった………(´・ω・`)



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Re: ナインの復讐 ーThe Revenge of Nineー                     [ひとりの戦士の復讐記][長編][原作1期全巻相当]

投稿 by ラッキークロー@LC on Sat Sep 26, 2015 10:06 pm

 勉強から逃避して、今一度プロローグから読み直しましたが、何度読んでもレベルが高すぎて凄すぎます。教科書に載っても全く違和感がないクオリティです。

 憎悪を向けていた憎き敵、ティスルクローの死を知ったナインがどういう行動に出るのか。そしてタイガークローは復讐の爪を研ぐ弟子にどんな仕打ちを与えるのか。
 一文一文に込められた猫たちの感情が色鮮やかで目が離せません。

 応援しています!
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Re: ナインの復讐 ーThe Revenge of Nineー                     [ひとりの戦士の復讐記][長編][原作1期全巻相当]

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