My WARLD 【ちょっとずつ再開】

新しいトピックを投稿   トピックに返信

Go down

My WARLD 【ちょっとずつ再開】

投稿 by ヒーステイル on Sun Jun 28, 2015 11:32 am

_____My  WARLD______































世界の始まり・・ささやき・・









僕は君といれて幸せだった 私は貴方といれて嬉しかった。

ずっとずっと 一緒にいた存在。

でも、生まれ落ちたその時に 会うことはなかったね。



あの頃の日々は まるで御伽話の世界のように楽しくて 幸せで。何も知らない僕らにとっては残酷で。

何も分からない 想えない。ただお互い傷つけ合って 全てを踏み躙って慰め合って 私達は感じるのを恐れていた。

余計なことで悩んでいた時が遠く思えて どうしようもなく羨ましかった。

けれど それがいつだったか  なんて思い出せない。分からない。



ただただ羨ましくて 手を伸ばせば何かに気付いて傷つけて 怖くなって手を引っ込めた。でも 手の中には何も残らなかった。



それでも 言えます。

君と、貴方と過ごした時は 紛れも無く”幸せ”であったと。

ふたり出会えたことは 奇跡という運命であったと。

胸を張って 今ならそう言えます。


寂しいし 辛いし 逃げたくなります。会いたくなります。君を 貴方を どんな方法でも使って この手で触れたくなります。



僕が 私が 君が 貴方が ふたりで居た世界で笑ったこと。そこに入れない奇跡を 運命を恨んだこと。

そのぬくもりが 声が 愛が 存在が 思い出が 消えてしまう前に。伝えたいことがあるんです。

何を言ったって 幸せでした。あの頃を思い出す度 苦しく 淡く そう思えるから。



どうか どうか__君が 貴方が 今も幸せであることを。これから先ずっと 誰かの隣で笑っていることを。

望んだことは それだけです。

君の 貴方の 隣にいない自分を どうか許してほしい。その未熟な心を温められないこの微かなぬくもりを。














この胸が愛したもの全てに______











































さよなら






































Every day of the morning glow


最終編集者 ペイルヒース@ヒース [ Thu Oct 08, 2015 5:06 pm ], 編集回数 3 回
avatar
ヒーステイル
副長
副長

投稿数 : 278
Join date : 2015/05/17

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: My WARLD 【ちょっとずつ再開】

投稿 by 明日輝 on Sun Jun 28, 2015 1:13 pm

1コメゲットです!

新小説おめでとうございます!
またまたまたまた面白そうな小説で…うずうずしていますっ

開始を楽しみにしています!
頑張ってください!
avatar
明日輝
年長戦士
年長戦士

投稿数 : 182
Join date : 2015/05/15

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: My WARLD 【ちょっとずつ再開】

投稿 by ヒーステイル on Sun Jun 28, 2015 5:32 pm

明日輝@あっとまあく初心者 wrote:1コメゲットです!

新小説おめでとうございます!
またまたまたまた面白そうな小説で…うずうずしていますっ

開始を楽しみにしています!
頑張ってください!

コメありです!
ノートに書き綴ってたお話なので、ぼちぼち投稿させてもらいます!
お互い頑張りましょう!
avatar
ヒーステイル
副長
副長

投稿数 : 278
Join date : 2015/05/17

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: My WARLD 【ちょっとずつ再開】

投稿 by トワイライトアウル on Sun Jun 28, 2015 7:15 pm

では2コメゲットです(≧∀≦ )
新小説おめでとうございます!
どうしてそんなに話が出てくるのです…(´;ω;‘) ウラヤマシイ!!

頑張ってください!素敵な文章がこのBBSを彩るのを楽しみにしています!
avatar
トワイライトアウル
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 70
Join date : 2015/05/16
所在地 : と、都会だし? (震え)

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: My WARLD 【ちょっとずつ再開】

投稿 by ヒーステイル on Mon Jun 29, 2015 5:23 pm

トワイライトアウル wrote:では2コメゲットです(≧∀≦ )
新小説おめでとうございます!
どうしてそんなに話が出てくるのです…(´;ω;‘) ウラヤマシイ!!

頑張ってください!素敵な文章がこのBBSを彩るのを楽しみにしています!


コメありです!
ネタがポンポンふる代わりにスランプになるのが多いんですよ(´;ω;`)
駄作で彩らないよう、頑張ります!
avatar
ヒーステイル
副長
副長

投稿数 : 278
Join date : 2015/05/17

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: My WARLD 【ちょっとずつ再開】

投稿 by ヒーステイル on Mon Jun 29, 2015 6:39 pm

Warld 01








私の心は”幸せ”でいっぱい。だって、独りじゃないもの。あなたがいるもの。

だから、”幸せ”。

嘘なんてついてない。私は幸せだもの。

なのに、何で、あなたはそんな目で見るの?あなたは”幸せ”じゃないの?


___うそじゃないのに。





~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~


 風は潮の香りを運んでくる。幾月もその風に当たり続けた大木は、森を背にして白ずんでいた。

 「ねえ、クイック?」そっと呼びかけてみるが、大木の洞からは何も気配が感じられなかった。白猫はここにはいない。自然と溜息が出る。

 彼は最近、よく住処を出かけるようになった。別に 今までいなくなったことが無いわけじゃない。本当に、よく出かけるのだ。

 クイックは何故、どこに出かけているのか、頑なに教えようとしなかった。どうしてなのか、とわざとらしく拗ねる度、クイックは面倒くさそうに「線路沿いを散歩してきただけだよ」と言うのだった。それからは、口を割ることはない。

 その言葉が真実だとは、どうも思えなかった。

 この場所のことは隅から隅まで、知りすぎたくらいに知ってるし、何も隠すことはないのに。

 クイックは、最近変わった。

 彼がいないとつまらない。拗ねたように柔らかな頬を膨らませながら、彼が行くと言う、線路が通る街外れを目指して歩き出した。

 目の端に。てんてんとした木々達が流れていく。潮に負けた植物、辛抱強く耐えてる植物。ずっと、昔からの光景だ。

 視界が急に割れ、丘の上へ出た。黄緑色の草が足元で戦ぐ度、くすぐったくって笑ってしまう。またクイックとここで、静かに昼寝でも誘ってみようか。

 いや、それにはクイックをつかまえなければならない。尻尾を伸ばし、気持ちを固めて丘を下った。なだらかな地面が続き、目線よりほんの少し下に街が見える。赤、茶、黄の屋根が鮮やかだ。

 なだらかな坂の途中で、急に地面がまっすぐになった。その地面の向こう側は、また坂だ。

 真っ直ぐな地面に、件の線路が張り付くように伸びていた。片方をぐんにゃりと曲げ、がたがたと不器用なレールは赤く錆びている。

 ぽんっと柔らかく、前足を線路の上に乗せた。ざらざらの感触が裏に伝わってくる。舌でグルーミングする感覚に少し似ていて、何だか心地よかった。

 急に風向きが変わり、目を先走らせ、ぐるんと後ろを振り向いた。

 のそのそとしている歩き方なのに、細い脚のせいで軽く見えるのが羨ましい。彼__クイックは瞳を上げ、眠そうに瞬いた。

 クイックが無言で近付いてきたので、首を曲げてまじまじと彼を見た。「今度はどこに行ってたの?寝床からいなくなって」

 別に探してたわけじゃないわ!と言い訳がましく付け足すと、クイックは空によく似た目で見つめ返し、それからふっと笑った。

 「ティアーだって、この場所のことはたくさん知ってるだろ。僕がどこに行ったって、隠すようなことはできないよ」

 なら教えてくれてもいいのに。含んだような言い方にむっとしつつ、それを隠すように俯いた。「そうね」

 白猫は黙って空を仰ぎ、また のそりのそりと丘を上り始めた。慌てて追いかけ、クイックの顔が見える位置につく。

 丘のてっぺんまで上り、風で戦ぐ草の上にごろんと寝転ぶと、クイックはすっと通った目を閉じた。

 まさか、先ほどの考えが現実になるとは。形は違えど、クイックが隣にいることに、嬉しくなって口をムズムズ動かした。このまま叫んでしまいそうだ。

 「ティアー」クイックが呟いた。風に紛れてしまいそうな程、掠れた声だった。閉ざされた目を覗こうとしながら、しっかりと「何?」と返事をする。

 「空、青いね」白猫は抑揚のない声で言った。ぽつり、と発せられる喉は細い。

 空を仰ぐと、喉の皮膚がつっぱるのが分かった。暫く間を置いてから、うん、と返す。

 「見てると、平和って思う。幸せって」

 クイックが、ぱちりと目を開け、下から上目遣いで見てきた。その表情からは何も伺えない。彼は吐息と共に、静かに言った。

 「僕も」、と。

 そして、また目を閉じ、体をくねらせて背を向けた。彼の白い尻尾がしなり、パタンと音がした。






Definition of happiness


avatar
ヒーステイル
副長
副長

投稿数 : 278
Join date : 2015/05/17

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: My WARLD 【ちょっとずつ再開】

投稿 by ラッキークロー@LC on Tue Jun 30, 2015 4:15 pm

 ヒースsの文章はいつも繊細で、一つ一つ文字を目で追うのが楽しみです^/^

 恋愛物.......ですかね?恋愛物がかけない私、いつも勉強させていただいています!ティアーの感情が切なくてほろ苦く、引き込まれます。

 更新を楽しみにしてます!!!
avatar
ラッキークロー@LC
副長
副長

投稿数 : 230
Join date : 2015/05/20
所在地 : 小説について何かご質問、ご意見等ございましたらお気軽にPMやTwitterの方へメッセージどうぞ!

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: My WARLD 【ちょっとずつ再開】

投稿 by ヒーステイル on Tue Jun 30, 2015 6:26 pm

LC@テスト真最中 wrote: ヒースsの文章はいつも繊細で、一つ一つ文字を目で追うのが楽しみです^/^

 恋愛物.......ですかね?恋愛物がかけない私、いつも勉強させていただいています!ティアーの感情が切なくてほろ苦く、引き込まれます。

 更新を楽しみにしてます!!!


コメありです!
繊細、ですと!?嬉しいです・・・!今回は自然というか、風景の描写に気をつけているので、そういってもらえてとても励みになります!
恋愛かどうかは、物語が進むに連れてハッキリさせたいですw
LCsの文は、読者を惹きつける力が強く、いつも参考にさせていただいてます!
お互い頑張りましょう!
avatar
ヒーステイル
副長
副長

投稿数 : 278
Join date : 2015/05/17

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: My WARLD 【ちょっとずつ再開】

投稿 by ヒーステイル on Tue Jun 30, 2015 7:04 pm

Warld 02









 ここから見える島は綺麗だ。朝焼けにふちが彩られ、ぎざ波立つ水も輝いている。いつか見た蛍のように、ちらちらと白い光だった。

 僕は音を出来るだけ発さないように、静かに、しなやかに起き上がった。からん、と小石が転がり、足元の崖の下で踊る波に飲み込まれていく。

 崖の茶色い岩肌に、波がゆらゆらと押し寄せていた。さほど高さはない崖だが、僕はティアーと違って泳げない。小石のように、飲まれ、もがく自分を想像する。ぞっと首の毛を逆立てながら、その場を離れた。

 木が脇に並ぶ、細い小道を歩く。通い慣れた、僕だけの道。ティアーがここを気味悪がって近づきたがらないのを、僕は知ってる。

 今、僕が嬉々として歩いているこの森は、確かに不気味に見えるだろう。どんな時間でも、明るくなることはなく、薄暗い。森の奥からは、誘うようにフクロウの長い鳴き声がきこえ、頭上をコウモリが素早く掠める。

 でも、小道の端のキノコは、暗がりで光って星のようだし、フクロウも陽気に歌うことだってある。道を抜けてもがくように茂みを超えれば、そこに広がっているのは 所々地面の見える草地で、ベリーのなる茨もたくさんある。焼けるような太陽と海の景色は、形容しがたいくらい美しい。

 ここは知ってもらいたいようで、誰にも教えたくないくらい、素晴らしい場所なのだ。僕はひとりで頷いてから、街外れまで歩いた。

 丘の上で昼寝でもしようか、なんて考えていると、線路の脇に、黒猫がぽつりと突っ立っていた。

 波に反射する夕焼けの光のような、澄んだ綺麗な目は、すっと前だけを見ている。物思いに耽ったように、その横顔は静かだった。

 ぴょこん、ぴゅこんと僕の隣を飛び跳ね、輝かんばかりの笑顔を見せていたティアー。可愛らしく木の実をかじるリスを真似し、わざわざ木に登ってクルミをとり、はちきれそうになる程、頬にその実を詰めていたティアー。

 彼女は今、朝焼けに照らされ、山百合のような佇まいで、僕に背を向けている。目を瞬く度、長い睫毛がふわりと動く。

 僕はちょっと躊躇い、わざと風がぐるんと身を翻すのを待ってから、黒猫の方へ進んだ。

 黒猫はまず、目だけで僕を確認すると、あの燃えるような眼差しで向き直った。目尻が緩み、綻んでいることに、彼女は気付いているのだろうか。


**


 「見てると、平和って思う。幸せって」と、ティアーは言った。

 空を見つめるティアーはどこか楽しそうだった。幸せと答えた心に、嘘はないだろう。ただ、その”幸せ”が、どんな意味かは分からない。

 「僕も」ころんと寝返りをうつ。ティアーと顔を合わせたくない。

 こうやってふたりで話して、笑って、空を見て。それを彼女が幸せというのなら、この生活に胸のしこりを感じてる僕は、野蛮なのだろうか。

 つまらない?違う。不満がある?違う。ただ純粋に____疑問なんだ。なんで僕は幸せを感じないのか。ティアーの言葉に納得出来ないのか。僕達の存在意義はなんなのか。

 ___僕らは、一体なんなのか。

 僕はそんなことばっか考えてるんだな、と苦く息を吐いた。隣でティアーが笑っているのに、僕は対照的に押し黙ってる。

 ティアーが夕焼けなら、僕は白く淡い朝焼けだ。


***


 「ねえクイック」帰り道、ティアーが足を止め、俯き加減に呟いた。

 僕は目を瞠って立ち止まり、胸と頭で、黒猫を振り返った。ティアーの瞳は、かたむいた表情とは裏腹に、強い光を放ってる。

 「わたし、間違ってる?」

 「・・・」

 何が、なんて訊けなかった。喉が乾いて震えた。きっと、ティアーのことだ__自分でも、何を訊いているのか分かってないだろう。でも、答えてやらなければ。

 「ううん」僕は優しく唸った。ああ、震えてませんように。「大丈夫、僕も同じだから」

 ティアーと僕は一緒。ティアーは口を柔らかく開き、嬉しそうにはにかんだ。同じ、という安心感。全ての負の感情が吹き飛んだようだ。

 僕への不信感も。

 僕は笑ってティアーの頭を撫で、彼女の肩に鼻面を押し付けた。ティアーは喉を鳴らし、僕の背中を尻尾で払った。

 __ねえ、僕らは、一体なんなの?僕には分からないよ。分かるものなんて、誰もいないだろうけど。






Who are you?
avatar
ヒーステイル
副長
副長

投稿数 : 278
Join date : 2015/05/17

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: My WARLD 【ちょっとずつ再開】

投稿 by ヒーステイル on Thu Oct 08, 2015 6:08 pm

World 03








 きっとこの世界に”救い”なんてありゃしないんだ。そう言ったのは誰だっただろうか。いつだっただろうか。あるのは、自分で見つけろと騒ぐ看板だけなんだ。

 「わたし、間違ってる?」

 その質問はぽろりと口から零れたもので。そんな質問をしていることに我ながらびっくりした。

 でも、クイックは笑ってくれた。笑って、否定をしてくれたのだ。賢そうな目を、哀れっぽく輝かせて。

 「ああ!」裏返った声で叫んで飛び起きた。茂みの隙間から見えるのは息を呑むほど美しい朝焼けだ。朝日が水平線の向こうから白っぽい光の矢を放ち、この島を包んでいる。「ああ、クイック!」跳ねるように飛び起き、茂みをもがくように出て大木の洞を覗いた。

 中には誰も、何もない。敷かれた藁はもう冷たい。かなり早くの時間に、ここを抜け出して行ったようだ。洞の前に突っ立って、どうしようもない程の怒りが込み上げてくるのを感じていた。

 「クイック!」

 その怒りに身を任せるようにして走りだす。闇雲に森に飛び込む。匂いは木々で支配されていた。

 暗い小道をすごいスピードで走った。地面を蹴る足の裏がヒリヒリして痛い。きっと肉球の皮が剥けているのだ。しかし、少し前から歩いてくる白猫を見つけた時は、ある種の快感で満たされた。

 クイックは、毛を逆立てて飛び込んでくる友人にびっくりしたのだろう。ぎょっと目を丸くし、後ずさる間もなく体当りされて転がった。

 「何するんだ!」クイックがけほっと咳き込みながら怒鳴った。怪しいキノコがゆらりゆらりと揺れ、目に見えるほど濃い粉を放出していた。

 「なんで貴方はいつもそうなの!」負けじと声を荒げて言った。いつもそうなの!?これは女のいつも言う蔑みの言葉だとは自覚していた。「いつも勝手にどこかに行って、いなくなって、私が困っている時もいないわ!そんなに私のことが嫌いなの?ふざけないでよ!」

 「ふざけてるのはそっちだろ!僕に自由も与えない気か?」そう唸ってクイックがぐっと身を低くした。爪をむき出し、ぎらぎらした目で睨んでくる。やる気だ。

 いいわ。そっちがやる気なら戦ってやる。「自由すぎるのも大概にしてって言ってるの!私が悪いみたいに言わないで!」後ろ足に力を込め、クイック目掛けてもう一度飛び込んだ。

 構えていたクイックは転がってそれを避け、着地したタイミングで腹に蹴りをいれた。うっと口から呻きが漏れる。クイックは得意気に鼻を鳴らしてから、緊迫した表情で固めた。「そっちこそ僕が悪いみたいに言うな!君が僕を必要とするときなんて、すぐに分かるわけないだろう」

 「問題はそこじゃないわ」体勢を立て直し、激しく唸った。低い姿勢のまま飛び出し、クイックの胸を大きく引っ掻く。ぐらりとクイックの体が不安定に揺れたので、体当りして押さえつけた。上を取ってしまえばこちらのものだった。相変わらず、キノコは胞子を出し続けている。胞子は風に煽られ、2匹の周りをくるくる浮いた。

 クイックは悔しそうな顔をして低く唸った。そして、ふと冷静な顔つきになる。全身が震えた。「それよ!」爪を全開にした前足を大きく振りかざし、彼の顔めがけて下ろす。寸前のところでクイックの足に阻まれた。爪は、もう少しで彼の目玉を掠りそうだった。

 「その目よ__私を見る目。悲しむ目、哀れむ目!」彼に対する憎い気持ちと、彼が、必要とした時にいなかったクイックがすぐちかくにいることに抱いた喜びが混ざり合って、頭が真っ白になった。ただただ涙が溢れて仕様がなかった。

 「ティアー・・・」クイックが悲しそうな声で呟く。涙が彼の白い頬に落ち、ゆっくり伝っていく。喧嘩をしていた相手が急に泣き出すというのは一体どんな事態なのだろうかと自分でも思う。しかも、馬乗りで爪で襲ってきた奴が、だ。

 「僕は・・・ティアーがいないと生きていけないよ。きっと、寂しくてたまらないと思う。だから、君と離れ離れになるようなことはしたくない。僕は君と一緒がいいんだ」クイックは微笑し、頭を上げて耳元で囁いた。

 本格的に涙がぽろぽろと溢れて止まらなくなった。ああ、もういい。全て委ねてしまおう。体の力を抜き、クイックの肩に顎を乗せて息を吐いた。

 「私と一緒にいてくれる?いなきゃ寂しい?私の事、好きでいてくれてる?」ぽつりと呟いて問うた。

 「もちろんさ」長い質問に、クイックは全てひっくるめて一言で返す。物足りない気もしたが、黙ってひとり微笑んだ。帰ろう、と押し返されるまで、彼の上に乗っかっていた。

 朝焼けが普通の日差しに変わる頃、2匹はやっと住処に帰った。

 きっと、クイックは気付いていないだろうから、あえて言わないことにする。それまであった存在が、最初から有りもしないものだったなら、”寂しい”、なんて感情は一切築けないであろうなんて、それこそ自分で自分の首を締めているようなものなんだから。










He would not love me
avatar
ヒーステイル
副長
副長

投稿数 : 278
Join date : 2015/05/17

ユーザーのプロフィールを表示

トップに戻る Go down

Re: My WARLD 【ちょっとずつ再開】

投稿 by Sponsored content


Sponsored content


トップに戻る Go down

トップに戻る


 
Permissions in this forum:
返信投稿: