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☠海賊猫たちの冒険☠

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投稿 by リンクステイル Sat Aug 01, 2015 12:05 am


スノウ・ブラッド



「よう、俺はハウル」威勢の良い声が後ろから聞こえ、スノウはさっと振り向いた。

そこには、不思議な色合いの毛並みをした雄猫が立っていた。琥珀色の瞳を輝かせ、人懐っこい笑みを浮かべている。

「お前は?」雄猫が聞いてきた。

何だか面白そうな奴だ。スノウの心の中で、ちょっと驚かせてやろうという気持ちが生まれる。

そこでスノウは、雄猫に向かってやや凄んだ声で名を名乗った。

「ああ?・・・スノウ・ブラッド」

しかしハウルはそんなことは全く気にせず、いや気づいてすらないのかもしれないが、にっと笑った。

「そっか、よろしくな!」

「お、おう……よろしく」

相手の反応に拍子抜けしたスノウは、やや戸惑ってそう返した。自分を見て怖がらなかった奴はこいつが初めてだ。

「なあお前、俺を見てなんとも思わねえのか?」

「………ん?なんか思った方が良いのか?」

不思議そうにハウルは尋ねる。スノウは呆れた。

「なんかって……ほら、俺って顔怖いだろ?片目が傷で閉じてたり、牙が鋭かったり、眼光が………」

だんだん声が小さくなり、終いにはため息をついてしまう。明らかに自虐している。

そんなスノウを見て、ハウルは再びにっと笑った。

「仲間に怖がってたら、これからの旅楽しくねーじゃん!もっと楽しもうぜ!」

それもそうだ、とスノウは思った。仲間を怖がるようじゃ、敵を見た途端失神してしまうだろう。

「俺を見て怖がらないなんて、珍しいなと思ったんだ。それだけだ」

スノウは言い訳のようにそう呟いた。そして気を取り直すためにハウルに問いかけた。

「お前なんで海賊になんかなろうと思ったんだ?」

「なんでって、だってよ、海賊かっけーじゃん!雄猫の憧れだろ!!」

勢い込んで話すハウルを見て、スノウは苦笑した。単純で良いな、とさえ思った。

「ああ、確かにかっけえよ。けどな、海賊は苦しいことだっていっぱいあるんだぜ?」

スノウはにやりと笑って言った。しかしハウルは怖気もせずに言った。

「そこを乗り越えてこそ真の海賊だろ!俺も絶対なってやる!」

そして今度は、ハウルがスノウに問いかけた。

「お前はどうしてこの船に乗ったんだ?やっぱかっけーからか?」

「それもあるが」スノウは再び苦笑した。本当に元気な奴だ。

「チビの頃からの憧れだったんだよ、この船の乗組員になることが。
スカージの船にいた頃から、な」


…………………
交流ありがとうございます!
ハウル君、こんな感じで大丈夫でしょうか?違かったら言ってください。
続きお願いします!
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投稿 by L ͛k ͛ Sat Aug 01, 2015 1:11 am

【エレジー・ドラドの航海日誌】Page1




 ハンマー丸々1本を縦にぶち込めそうなほど、女の子らしく小さいようで案外蛇のそれのように外れやすいらしい顎を、愕然とおっ

開げて。

 「なん………だと………」

 掠れ声を喉の奥から絞り出したエレジー・ドラドは、恐怖に撃たれたように小刻みに震えていた。


 完敗である。

 完敗である。
                            ジャンケン
 この麗し………もとい逞しい炎色の猫相手に、果敢に挑んだ初勝負。

 それが一発目で負けてしまったのだ。


 不幸にも彼女に絡まれた目前のアレン少年は、はわわわとショックを受け続けるエレジーに、面倒臭そうな金色の視線を投げかけて

いた。

 彼にすればこれは起こるべくして起こったことだ。直情径行型のチビっ娘エレジー、合理性優先型の熟考策士の彼とでは、最初から

勝負は決まっていたようなもの。「ポイ!」と叫ぶなり嬉しそうに甲板をバンバン叩きだした彼女に対し、彼の選択とは必要最小限の

動き………つまり、ただ爪を剥き出すことだった。というか、ジャンケン直前にブンブン腕を振り回すなんて、これから出す手をわざ

わざ見せびらかす真似をするなんて、あれだな、こいつは馬鹿なんだな、とアレン少年は呆れずにいられないはずだ。


 しかし、直情少女エレジーは彼の賢い思考など推し量ることすらしない。

 エレジーは幼い子どもだ、単に肉体年齢な意味合いだけでなく、普段の精神年齢までその半分にも満たないほどガキんちょなのだ。

 本来は順番決め程度の意味合いだったはずで、しかも彼女が提案したというのに、エレジーは未だ大ショックを受けている。

 たかがジャンケン、されどジャンケン。

 自分は、こいつに負けたのだ。


 「………」

 「………おい、チビ」

 「………………」

 「あのなあ、俺はこれ以上時間を無駄にしたくないんだ、とりあえず船長室に行かせてくれな───………ッ!?」


 いちいち反応の大袈裟なエレジーに若干苛立っていた様子のアレン少年は、しかし突然ぎょっとする。

 いきなり彼をきっと見上げて睨みつけた黄金色のチビっ娘が、大粒の真珠のような涙をぼろぼろとこぼしていたのだから。


 エレジーは負けん気が強い。無駄に強い、本当に無駄に。

 しかも、こんなところに絶対要らないだろうという場面でその性格が発揮されるという、大変七面倒臭い発動条件を備えている。


 当然の如くアレン少年は動揺した様子だ。しかし炎色の美少年は急に目を見開くと、慌てて周囲を見渡した。

 これは、歳上の彼が幼女を泣かせている構図に見えなくも………ない。

 なんと厄介なモノに絡まれたのか、と彼は再三頭を抱えたことだろう。


 「………ッ、くそ、チビ! とりあえずこっちに来い」

 「いやだ、いやだぞ! 君にこのタイマンで勝つまで、君の言うことなんか僕は絶対に聞かないからな!」

 「なんかいろいろおかしくないか!?」


 ギャーギャー言い争いながら、片方は泣きわめきながら、金色の少女は炎色の少年に泣かば引きずられるようにして、甲板端の外扉

から続く廊下の中に消えていく。エレジーの意味不明な涙よりもこちらの方が注目を集めてしまいそうなものだが、彼女に切れ味鋭い

突っ込みを入れたために早くも苦労人属性を勝手に背負わされはじめていたアレン少年は、それを未だ知るよしもない。


 そして、外扉の前で見張りをしていて彼らを見送った副船長のとら猫が、やはり嫌な予感を覚え、頭痛を感じたこめかみに手を押し

当てていたのだが、それこそ若いふたりはついぞ知りもしなかった。







 アレン・クロー。

 いずこの伝説騎士かと問いたくなるようなかっこいい名前だが、しかしそのご本人様は美女と見紛うような麗しの猫である。


 すらりとした肉体美を誇る体を包むのは、窓から射す朝日を浴びて燃えるように輝く赤毛。

 鋭い眼光を秘めたアーモンド型の金色の瞳は、そこに色気でも浮かべてみれば、たちまち乙女などイチコロだろう。

 乗船したときにエレジーは、自分と同じ女海賊は果たしてどのくらいいるのかと新クルーの顔ぶれをざっと見たのだが、女クルーは

結構いる。アレンの金の瞳にに射止められる雌猫は、果たして何匹いるのやら。


 しかし今、エレジーはいわゆる壁ドンをされて、その彼の瞳に深く覗き込まれているのだ。

 エレジーをまっすぐ射る真剣な熱視線。

 なんと、自分が口説かれている!

 ………いや違う、こりゃガンつけられてるのだ。


 「チビ、いったい何のつもりだ」

 「大佐、ナンノコトデショウカ」

 「あれ、半分は俺で遊ぶための嘘泣きだな? あ?」

 「ありゃバレてたの? ………助演女優賞は逃がしたかなあ」

 「てンめえェェェ!」


 アレンの怒りの一撃が炸裂する。

 名誉毀損という事態に不可解な負けん気と悪戯心で追いやられかけたのだ、当然での行動である。

 しかし彼のかぎ爪が砕いたのはエレジーではなく、エレジーの頭が一瞬前まであった背後の扉だ。

 半壊した扉は左半身を残して木屑と化し、その凄まじい破壊力を目の当たりにするや、瞳をカッと見開いて、エレジーは絶叫する。


 「アレン、本気で僕を殺す気か!? 大変だ海の警察呼ばないと! 助けて海兵さんこいつです!」

 「てめえはそれでも海賊か!?」


 もはや漫才である。

 どこまでもボケ倒すチビっ娘少女と、キレッキレのツッコミが異彩を放つ美少年。

 犬も食わない喧嘩だろう。

 アレン少年には申し訳ないが、エレジーは結構楽しんでいる。思わず笑顔になっている。


 しかし次の瞬間。

 突如、残っていた左半身の扉が轟音とともに吹き飛び、凍りついた若い二匹は、揺らめく煙の向こうに佇む影を振り返った。

 船内の廊下に現れたのは、老いてなお美しい、青灰色の女海賊。

 ………一瞬、新クルーのだれかに顔がダブった気がしたが、しかしエレジーは背筋を冷たいものが走り抜けるのを感じた。


 「………新クルーですね」

 「「………はい」」

 「早くキャプテンに挨拶なさい。それから、次に私の部屋の扉を破壊したときはワニの夕食に突き出しますよ」


 終始穏やかな口調だったが、その効果は絶大だった。

 老練の女海賊、“青きハリケーン”ブルースターとファーストコンタクトを取ったふたりは、大人しく船長室の扉の外で待機する。

 アレンにもうひと睨み凄まれ、反省などしたことのなさそうなエレジーがついに謝ったのは言うまでもないことだ。







 アレンが船長に挨拶しているあいだ、エレジーは廊下の窓から外の甲板にいる他の新クルーたちを眺めている。

 突撃が出会いだったし、初めての会話は終始口喧嘩に近かったが、なんだかアレンといるのは楽しい。

 アレンにとってのエレジーは、今のところ災難を呼ぶうるさいチビっ娘に過ぎないかもしれないが、それでも、楽しい。


 しかし新クルーは彼だけではない。

 他に何匹の猫がいるのだろう、エレジーが現時点でざっと覚えた顔はまだごくわずかだ。


 赤い片眼を持つ怖面の白猫。

 乗船したときに気になった雄猫のひとりだった。なんとなくだが勝手に“ロロノア”とあだ名をつける。なぜか方向音痴そうな気も

する。


 その彼と今話しているのは、ローズグレイの不思議な毛色の雄猫。

なんだか雰囲気が太陽のようですごく好きだ。お兄ちゃんと呼びたくなる。話したこともない他人なのに、何故だろう。


 はにかむように笑いあっている胸の白い青灰色の雌猫と緑がかった黒い雌猫は、なんだか姉妹のように仲が良さそうに見える。

 気の強い姉と大人しい妹、のような。同姓の同年代とはあまり話したことがないけれど、エレジーも混じらせてくれないだろうか、

彼女たちと話すのが楽しみだ。


 アレンと同じくらいに美貌のまぶしい金色の雄猫は、漆黒の引き締まった体の雌猫と見張り台でくつろいでいる。

 エレジーより遥かに歳上だろう、大人っぽい落ち着きのある猫たちだ。どうしたら仲良くなれるだろう?


 樽の上にちょこんと座り、胸に期待を膨らませながら、エレジーはキャプテンとの初対面の時を待つ。


 きっとしばらくは新クルー同士で親睦を深めることになる。全員と仲良くなること、それがエレジーの当分の目標だ。

 なぜならこの船は海賊船。

 味方の結束が固くなければ冒険で生き残れない、そのような理由もあって、彼らと親密な関係になりたい。

 しかし………乗船して小一時間では、やはりまだ船全体の雰囲気も、新クルーたちの猫柄も把握するのは難しいようだ。


 第一、船は動き出しているが、自分たちはまずどこに向かうのだろう?

 猫喰い部族の住まう島、妖精の隠れ住む島? 宝の手掛かりは一体どこまで見つかっているのか。

 ディストラクション号は何かの宝を目指していると聞いている。その大きな目的の全容をエレジーはまだ知らない。

 新クルーの自分たちに、キャプテンは本当のことをどこまで教えてくれるのだろうか。

 新クルーと創立メンバークルーでは、経験も船への思いも結束の理由も、大きく異なるような気がする。

 新クルーが、そして新旧クルーがひとつの一味になるのはいつだろう?


 その時がとても………楽しみだ。


 ひとり、およそ普段の彼女らしくない謎めいた表情を浮かべ、エレジーは波に揺られるディストラクション号の上で、仲間の

クルーたちを眺めている。大きな目的のために冒険に身を投じる、この高みから降りるような高揚感が彼女を包む。



 ⚓ ⚓ ⚓ ⚓ ⚓



【更新ログ01】(8 / 3追記)

  物語ログ ▼びしょうじょ ならぬ びしょうねん アレン・クロー が あらわれた!
       ▼アレンしょうねん と イチャ………もとい まんざい を していたら あおきハリケーン の かみなりが おちた!

  判明ログ ▽負けず嫌い。例えミクロサイズの勝負でも、最初の1発目で敗北すりゃ涙が出ちゃうよ女の子だもの。
       ▽独り静かにしているときは、意外や意外、考え事などもするようだ。



意味不明な終わりになりましたすみません! 文章の書き方が変わってしまってどうもなりきれていないっぽい・・・・・・
ジャンケン前のやり取り、笑いながら読ませていただきました、ラッキークローさんありがとうございました!
こんな面倒なので良ければ、どなたか絡んでいただけると幸いです………
そしてエレジー同様、この航行の最初の目的地や目的行為が明らかになるのが楽しみだなあ、と思っていたりします。


最終編集者 ĻK [ Mon Aug 03, 2015 6:33 pm ], 編集回数 2 回
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投稿 by ティアーミスト Sat Aug 01, 2015 10:09 am

☠レフティ・スィーフ・Jr☠
                       ───黄金毛皮の左利きの泥棒───


「いや……雄猫にしてはちょっと声が高いなとは思ったけど……」

レフティ・スィーフ・Jrは勘違いをしたようだ。見張り台に立っていたのはそう、雌猫だったのだ。


シルエットと口調を拝見したところ、初めは引き締まった体つきの男かと思いこんでいたがそれは大きな間違いであった。

そうとう視力のいい海賊猫ならば、彼女の目にひかる二つの違う色味の組み合わせが息をのむ美しさであること、そのひとみに

影を落とす睫毛には色っぽささえあると言う事、そして輪郭は整った三角形であることが遠目でも分かっただろう。


しかし……。

レフティは眉を寄せた。「雌猫が海に出るのは危険じゃないかい?」

金の雄猫は漆黒の雌猫を見つめた。本心からだ。残酷で大馬鹿者の男たちのごろつくこの世界では、「女の子」の呼び名の

似合う猫の命は長く続かない。




「雄猫でも危ないときは危ないし、関係ないさ。それより見張り台からの眺めだろ?」


黒猫は口元に微笑を浮かべてあっさりとこたえた。そして、その長い尻尾で右を差す。

尻尾をたどる様にして視線を移すと、そこには広大な世界が広がっていた。


「!!」


手すりから身を乗り出すと、青い風がレフティを包み込んだ。

かつてこの海を支配してきた、偉大な海賊たちと同じ空気を吸い込む。そして眼下に広がるのはどこまでも青、青、青……素晴らしきカリブの海だ。

穏やかなそれはまるで魚のうろこのように波だち、ときおり日光を反射してきらめいている。


そのすべてが、レフティにとっては感動的なものであった。



……



「自己紹介がまだだったね。俺はレフティ・スィーフ・J。君は?」

しばらくして、レフティは黒猫に向き直った。

「アーケイン・フィールド。みんなにはアーケインって呼ばれているけど長かったらアークでもいい。よろしく。

君のことはなんて呼べばいい?」

「レフティでいい」

黄金色の猫は昔からの呼び名を教えた。これは、祖父にも親父にも呼ばれていたものであった……ただし、

レフティをことごこく嫌う故郷の住民からは、「死にぞこないの泥棒」とか「ねずみ野郎」とかもっと汚い呼び名を付けられていた。


「へえ、レフティか。航海は楽しいぞ───そういえば、今回狙っているお宝はそうとう手強いらしいんだ」

アークは瞳をきらりと光らせ、ひげを動かした。まるで、まだ手に入れていない財宝が目の前にあるかのようだ。

「ということは、他にもそれを狙っている奴らが?」

「実際の所は、よくわからない。ただ、タイガークローやらスカージやらも絡んでる」

彼女は、意外な情報源だ。恐るべき海賊たちが同じ財宝を目指しているなんて、この旅は特別なものになるに違いない。



アークについて、まだ知りたいところはたくさんあった。しかし、【秘密の領域】の名を持つ彼女の心には、安易には踏み込むことができなさそうだ───

レフティはありがとう、と言って見張り台から立ち去った。





ふたたび甲板にもどると、レフティは樽の上に寝そべり、にぎわう船内をぼんやりと眺めていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ウィングs交流ありがとうございました!

レフティくんただいまフリーなので、どなたか交流お願いします^^
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投稿 by ヒーステイル Sat Aug 01, 2015 1:13 pm

【ハウル・R・D】




 なんか、このスノウってやつ、一緒にいて楽しいな!これがハウルの、彼への第一印象だった。凄んだにも関わらず、律儀に答えてくれるんだから、良い奴だ!と。

「お前はどうしてこの船に乗ったんだ?やっぱかっけーからか?」ハウルは目を爛々と輝かせた。スノウはハウルほど子供じゃないのに、どうしてこう自身の気持ちを吠えるのか。

 「それもあるが」スノウは再び苦笑した。「チビの頃からの憧れだったんだよ、この船の乗組員になることが。
スカージの船にいた頃から、な」

 スカージ・・・?

 ハウルは小さな脳みそで考えた。スカージ・・・どっかで聞いたことある名だ。

 スノウははにかんでいるのか、それとも後ろめたく思ってるのか、先程よりも顔を少しだけ、俯かせていた。後者はないだろうが。

 「ああっ!」ハウルははっと顔を上げた。閃いた!俺最強!!「スカージってあいつだろ?ちっちゃい雄猫!」

 「侮ったら死ぬぜ」スノウが返す。「見掛けで判断するなっていう教訓みたいなもんだ。あいつは強い。そして・・・卑屈だ」彼は苦虫を噛み潰すような顔をした。

 「そっかー」ハウルは感心して頷いた。「俺の母さんや父さんも、スカージの船員らしいぜ。よくわかんねーけど」

 スノウがぎょっとして片目を丸くする。

 ハウルは真剣な顔になって続けた。「スノウの言う、最低なスカージの下につく両親になんて、会いたいとも思ったことねーけど」

 それからにっと笑い、スノウの肩を威勢よく叩いた。「いつかスカージ倒す!な!」

 「ははっ」スノウは可笑しそうに声を漏らした。「・・・おう」

 すると、不意に目の端がきらっと眩しくなり、ハウルは目を細めた。なんか反射してんのか?首を巡らすと、そこにいたのは雌猫だった。

 眩しいくらいの金色の毛皮!ハウルは見たことのない黄金色の猫に、何故か胸を踊らせた。

 「声かけに行こうぜ!」そう叫ぶやいなや、スノウの返事も訊かずに馬鹿は走りだした。

 スノウが面倒くさそうに息を吐いたのが聞こえたと同時に、ハウルは雌猫に声をかけた。

 「よう!俺ハウル!なにやってんだ?」ハウルは大声で声を掛けた。声のデカい馬鹿とはこいつのことである。

 はっと彼女は顔を上げた。暫く思いにふけっていたようで、なかなかハウルを認識しない。

 「・・・はっ、お兄ちゃん!生き別れのお兄ちゃん!?」

 __冗談か、はたまた我に返ってない頭脳が叫んだ言葉か。

 「ふぇ?」声のデカい馬鹿は口をポカンと開ける。スノウが「?」を頭の上に浮かべていた。

 しかし、ハウルは無駄にノリが良かった。空気の読めない馬鹿なのに、とりあえず空気はすっとこう!と表してぐいぐいノッてくのだ。

 ハウルは彼女と波長があったのかもしれない。

 「お前・・・まさか!海で離れ離れになった、コ◯ンか!!?」

 「いや◯ナン 男じゃね?」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
絡ませていただきました!

リンクスs>
私が操作するより、リンクスsのかくハウルが私のイメージ通りのハウルですごくびっくりしましたwこれからも面倒見てやってくれると嬉しいですw

師匠>
交流させてもらいました!意味わからん文になったので、変更していただいて構いません!
元気な若猫同士、ふざけあえる関係になりたいですw
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投稿 by ムーンドロップ Sat Aug 01, 2015 8:09 pm

コースト・ハイドランジア

小さくため息をつきながらも、ちょっと嬉しかったのも事実である。

相手が優しいふんわりした感じだと、トゲのある口調にならずに話せるようだ。

「ねえ、甲板に出て見ない?」

フォレストがコックリ頷いたのを見て外に出る。

綺麗な青空に、ちょうどいい海風が吹いている。

そして海は恐ろしいほど広く美しく広がっていた。

今までは気がつかなかったことだ。

魚が、船の近くを増えた。
「うわあああああ」

フォレストが嬉しそうな声を上げる。

「あなた達、船長に挨拶はしたの?」

振り向くと青灰色の雌猫がこっちを見ていた。若干不機嫌そうなのは・・・?

フォレストも、ビクッと振り返る。

「はい、しましたけど何か?」

相手の話し方は穏やかだったが、ちょっと突っかかるような響きがある気がして返答が皮肉っぽくなる。

「そう、したならいいのよ。さっき私の部屋の戸を壊した新クルーが、まだだったみたいだから確認しただけよ。」

「それで、名前くらい名乗ったらどうですか?」

横のフォレストがちょっとコーストを突っついたが、気にすることなく雌猫を見る。

「ブルースターよ。この船で最年長。」

「コースト・ハイドランジアです。」

「ふ、フォレスト・グリーンです!」

フォレストのおどおどした感じの自己紹介にブルースターは頷いた。

「よろしく。」

そう言って立ち去ろうとしたが、その目がコーストの右足で止まった。

固まったブルースターの様子に首を傾げ、眉を潜めた。

「何か?」


「その傷・・・・生まれつき?」

その恐る恐る言う様子が気に食わなかった。

「そうですけど、それがなんだって言うんです?あなたに関係あるんですか?」

ブルースターはしばらくコーストを見つめた後はなんでもないとつぶやき言ってしまった。

「あの猫、強そうでかっこよかったですねー!」

フォレストが言った。
「それはそうだけど、あんまり好きじゃないわ。」

そう答えて、辺りを見渡した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんだか、変になってしまってすいません。
トゥモローさん、続けづらくなってしまいましたが続きお願いします!
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投稿 by 明日輝 Sat Aug 01, 2015 9:43 pm



               フォレストグリーン



なんでしたっけ?ブルースター?…さん!

かっこいいし、かっこいいし、かっこよかったです!

すごく憧れます!

フォレストの脳内分身、いわく「ミニフォレスト」略して「ミニフォレ」が騒ぎまくる。

自分が物語の主人公になったつもりの妄想をした果てに生まれたのだ。

「それはそうだけど、あんまり好きじゃないわ。」

コーストは言った。

どうしてでしょうか。凄く素敵だったのに…。

フォレストは”知らなくていいもの”を感じた。




「そうでした!甲板へ行くんでしたよね!」

「え?あ、うんそうね。」

コーストは突然変わった話題に一瞬気の抜けた反応を見せてから、微笑んだ。

コーストも憧れますね、お姉さんみたいです。

キラキラした目でコーストを見つめた。

「私、甲板に行ってみたかったんですよねー。二本足の街には”かんばん”たるものがありましたけど!
 あ、そういえば!二本足の家には”かんぱん”というものがあるらしいですよ?なんでもかたくて細長い容器に入っている食べ物だとか。
 何年も保存できるようです!すごいですよね、腐っちゃいそうです!」

急に早口になってしゃべりだしたフォレストをあきれ顔で見つめる

「色々言いたいことあるけど…まあいいわ。」

コーストはくすっと笑った。

「あ、ほら、甲板よ。」

コーストが顎をくいっとあげて示した。

「ホントですね!」

フォレストは駆けあがった。







「…ん…えーっと…」

問題発生です。

甲板にはまさかのたくさんの猫達。今考えると確かに猫が集まるかもしれない。

「これは…」

この短時間でお友達がひとりできました。…もうできる気がしません。

そして、私たちを興味津々に見つめている皆様方…。

これは世にいう…

「大波乱の予感…ですか?」

「違うと思う。」

フォレストの考えを読み取ったのか、コーストが即答した。

ちょっと予想外です。少なくとも私のなかでは大波乱ですよ。





うむむ…何かいているのか…
どなたか交流よろしくお願いします!
明日輝
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投稿 by レパードクロー Sun Aug 02, 2015 1:23 pm

とても出遅れた船出ですけれども....................。
猫寮していたユーザーさんならわかるあいつです。めちゃくちゃイラつくあいつです。




*ドミナトリックス・ブラック<黒の女王>通称ドミナ

*容姿 漆黒の毛皮に金に近い琥珀色の瞳の雌猫。目元の毛は一段と濃くて、お面を被ったように見える。筋肉質だが引き締まった体つき。

*性格 自己中で傲慢。だが少しずれている。しかし悔しいことに傲慢なだけあって頭はよく、容姿も優れている。だが何せ野郎共がプカプカし
    ている海で彼女のようなやつは浮いてしまうであろう。(「余計なお世話よ」ドミナより)
    船長には苦笑され、副船長にはドン引きされ、青いハリケーンにはうざがられるクルーです。
    お嬢様性格(悪い方の)だが、裏表が激しく、腹黒い。しかしやはり少しずれている。性格だけは海賊の一面も。なぜだか秘蔵のボンボンとよぶあめ玉が好き。特技はビンを
    割ること。一度糸が切れると凄まじい性格になる。実は寂しがり屋で活発。でもやはりずれている。

*両親、海賊になったキッカケ 海賊。祖父がブラックスターでシャドウ海賊団という船から見習い修行のためにディストラクション号へと送られた

*能力 体力:上の上 賢さ:上↑ 落ち着き:上 戦闘センス:上の上↑↑ コミュ力:中 サバイバル力:色々あって上の上 忠誠心:不明

*適任な役割 特攻隊ですかねぇw

*台詞

「私はドミナトリックスよ!出来ないことなんてないわッ」いき
「これ、食べる?美味しいわよ、ユーカリ味」(相手の反応「なんじゃそりゃ」)
「貴方がどうあがこうと私の前では無力よ。」(相手の反応「あ、そう。」)

よろしくお願いいたします。
レパードクロー
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投稿 by ティアーミスト Sun Aug 02, 2015 7:04 pm

皆様の船長面談(??)がひと段落しましたら、今後のスケジュールをうpさせていただきます‼
ので、楽しみにしていてくださいね╭(υˇωˇυ)╮♪♬
 エレジー・ドラドさんとアレン・クローさんのコンビネーションに微笑み(282((が止まりませんw
 他の船員さんたちもそれぞれ個性が発揮され始めて、これからどうなるのかわくわくです!




                          ☠レフティ・スィーフ・Jr☠
                       ───黄金毛皮の左利きの泥棒───

レフティは、うとうとしていた。

こんな昼間から眠たくなるのもおかしいことなのだが、灰色の瞳を包むまぶたがとろり、とろりと下がってくる。

乗っている樽は太陽で程よく温められているし、そこに爽やかな海風がほおをなでるのだから本能的に眠くなる。



──────「うごぅっ?!」


突然脳天をパンチされたレフティは飛び起きた。寝起きの頭に、痛みがじわりと広がる。

立ち上がった拍子に自分の尻尾をふんずけてしまい、派手に樽の上から転げ落ちた。


何?誰?誰?!

瞬時に身構え、周りを見渡す。 混乱する彼の耳に、温かい息があたった。

「乗り込んでそうそう、寝るんじゃないわよ」


老いてなお美しいその瞳に密かな怒りをたたえ、レフティにささやいたのは青い毛皮の雌猫……いや、ただの雌猫ではない、

かの有名な「青いハリケーン」の異名をもつブルースターではないか!

「すっ、すみません」

敬語などめったに使わないレフティも、このシーンでは使わずにはいられなかった。すっとんきょうな声をあげる。

目を回す若き海賊に、ブルースターはちょっと笑った。

「よろしい」

そう言い残して、さっそうと自分の部屋へ戻る彼女をレフティは目で追った。

そしてブルースターが扉の奥へ消えるとひげを震わせてふぅ、とため息をつく。徐々にいつもの冷静さが戻ってきた。



瞳を正面へ戻すと2匹の少女と目があってしまった。ふたりとも、今の一部始終を目の当たりにして、目をまん丸くしている。

レフティも怪訝な顔を浮かべて、彼女たちを見る。



「…………」

「…………」



と、青灰色の雌猫がくすりと笑った。固まったまま見つめあう少年と少女の光景がおかしかったのであろう。

それを合図にしたかのように、レフティも珍しくふきだすように笑った。まるで、先ほどまで止まっていた時間が動き出したかのようだった。

小柄な黒猫もくすくす笑っている。海賊の荒々しい印象とはかけ離れた、可愛らしい笑顔だ。


「…いや、飛んだ茶番を見せてしまってすまなかったな」

レフティは彼女たちにそう話しかけた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

トゥモローさん、ムーンさん交流宜しくお願いします‼


レパードさん≪ふおおおお!いらっしゃいませ!(  どうぞ楽しんでいってくださいね








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☠海賊猫たちの冒険☠ - Page 2 Empty Re: ☠海賊猫たちの冒険☠

投稿 by L ͛k ͛ Sun Aug 02, 2015 10:12 pm

【エレジー・ドラドの航海日誌】Page2




 なんとなんとの難破船!

 こんなハバナことってほんとのほんとにアドリア海!


 ………などとどこぞの船長よろしくオーシャンジョークを心の中でガンガン飛ばしまくるくらいに、エレジーのテンションゲージは

鰻登りにだだ上がりであった。

 なぜって、こんなに魂が震える出会いは生まれて初めてだったから!


 「あの嵐の日のことを言ってるなら………そういう君はシェリーなの? ああ、ずっとずっと会いたかった……!」

 「いやシェリーも女だよな!?」


 傍らにいる片目の白猫の冷静沈着なツッコミもよそに、アポトキシン4869の絆を感じた馬鹿2匹は「兄弟よ!」と叫びながらひしと

かたく抱き合った。周りは当然ドン引きである。しかし気にするような2匹ではない。少なくともエレジーは違うし、きっとハウルも

同じだろう。


 「僕の名前はエレジー・ドラド、『海の小悪魔』エレジー・ドラドだ!」

 「よろしくな『海の小悪魔』、俺はハウル・ラスター・ドーン、『夜明けに輝く遠吠え』さ!」


 丸い琥珀色の瞳をあたたかく輝かせながら、ハウルももう一度名乗り返してくれた。

 これでもう、直情弾丸系の2匹の間に垣根などなくなった。もはや長年の親友のように、それこそ本当の兄弟もとい兄妹のように、

不思議と気持ちが繋がっていたのだ。


 そんなふたりを首をかしげて見つめる白猫の赤い視線に気がつき、エレジーは彼の前までとてとて歩いていくと、彼を見上げて目を

丸くした。


 「………ゾ……ロ? うわあ、本物の海賊狩りがここにいる!」

 「………何の話だ?」

 「たしぎとちゃんと仲良くしてる? そうだ、『鬼斬り』見せてくれない?」

 「だからてめえはさっきから何の話をしてるんだ!?」


 眉間にしわを寄せた白猫がかなり怖い容貌の持ち主だったことにそのとき突然気がついて、エレジーはきゃッと飛び上がるなり、大

急ぎでハウルの背後に逃げ隠れた。彼のうしろからやがてそおっと覗かせたエメラルド色の瞳はフランケンシュタインを見たみたいに

大きく見開かれ、子どもらしく柔らかい毛はふんわりと逆立っている。体はまるで氷水から上がったばかりみたいにぶるぶると震えて

いる。


 「エレジー、怖がる必要はないぜ」

 ハウルが苦笑し、エレジーの頭のてっぺんを優しくなめてから白猫を見やった。

 「あいつはスノウ、スノウ・ブラッド。確かに見た目は怖いかもしれないけれど、中身はすごく優しい奴だよ」


 ほんと? と上目遣いに見上げて問いかけるエレジーにハウルは大きくうなずいて、エレジーを彼の方に押し出した。

 エレジーはぴたりと硬直し、今度はまるで氷の彫像のようだ。実は少し芝居も入っていることにこのときハウルは初めて気がつく。

 スノウも少し困った様子でハウルを見たが、目の前で小さくうずくまるエレジーを見下ろすと、おずおずと微笑みかけた。

 優しい微笑みだった。不幸だったのは、片目の白猫の口の端に、鋭い牙がきらりと光ってしまったことか。

 エレジーの悪戯心はもちろんこれで火が点いた。エレジーは目も口も大袈裟に目一杯開くと、甲高い悲鳴を長々とのどから迸らせ、

なぜか後ろ足だけで立ち上がり、両前足を高く掲げて一目散に逃げていく。


 この異様な挨拶表現に、スノウはもはや傷つきやらなんやらを通り越して呆然としていたが、ハウルは甲板に寝転がって笑い転げて

いた。



 ⚓



 ファイヤスターの部屋に突撃したのはもちろん悲鳴をあげながらだ。すれ違ったアレンは、また頭突きされてはかなわないと思った

らしく反射神経をフル運転して飛びすさっていた。

 ファイヤスターは子どもが海賊を志望するとは思っていなかったのだろう。かなり驚いていた様子だったが、3ヶ月間の海賊修行の

経験があると話すと認めてくれた。


 船長との挨拶を手短に済ませ、船長室を出て甲板に戻る途中では、ブルースターにもう一度捕まってこってり絞られ、彼女の部屋の

修理を罰として引き受けることになった。まあどうせ大工仕事は覚えがあるし、やらなければならなかったろう。


 でもその前に、もう一度ハウルとスノウのところに戻って、しばらくお喋りを楽しんだってトリトンのばちは当たらないはず。

 鼻唄混じりにホップステップジャンプしながら、上機嫌のエレジーは再び日差しの中へ戻った。



 ⚓ ⚓ ⚓ ⚓ ⚓



【更新ログ02】(8 / 3追記)

  物語ログ ▼よあけにかがやくとおぼえ ハウル・ラスター・ドーン が あらわれた!
        エレジー は あにきぶん と いもうとキャラぞくせい を てにいれた!
       ▼ちぞめのゆき スノウ・ブラッド が あらわれた!
        スノウ は たいへん こんらんしている!
       ▼エレジー は あおきハリケーン から とびら の しゅうり を めいじられた!

  補足ログ ▽わざと大袈裟にスノウを怖がったのは、実は心優しく不器用な彼に対して、これでもかとばかりに甘えてるからだったり。
       ▽ファイヤスター船長との面談の描写の簡略化により、ディストラクション号への本当の乗船目的は依然謎のまま。



ヒーステイルさん交流ありがとうございました(*´ω`)
ハウル君、スノウ君とお話させていただきました!
またラッキークローさん、今さらですがアレン君がドアを壊したことにしてしまって済みませんでした;
あとあと彼の戦闘力の証明になるといいかなと、考えなしにやってしまって………。事情を知る青きハリケーンがエレジーに修理させることにいたしました。
レパードクローさんとの交流が楽しみです。ドミナトリックスの名前をここで使っていただけるとは………!


最終編集者 ĻK [ Mon Aug 03, 2015 6:41 pm ], 編集回数 4 回
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投稿 by リンクステイル Mon Aug 03, 2015 1:41 am


スノウ・ブラッド



「僕の名前はエレジー・ドラド、『海の小悪魔』エレジー・ドラドだ!」

「よろしくな『海の小悪魔』、俺はハウル・ラスター・ドーン、『夜明けに輝く遠吠え』さ!」

ひしと固く抱き合う小さな金色の雌猫とハウルを眺めながら、スノウは深くため息をついた。

さっきから色々なことが次から次へと起こり、頭が混乱していた。

まず驚いたのは、ハウルの両親がスカージの船に乗っていたということだ。

それがいつなのかは知らないが、もしかするとハウルの両親と顔を合わせたことがあるかもしれない。

言われてみれば、ハウルの面影を感じられる猫がいたようないなかったような。

その後何が起こったのかというと……ああ、そうだ。

ハウルがいつかスカージを倒すと宣言して、一時度胸がある奴だと感心したものの、樽の上に座る小さな雌猫────今ハウルと抱き合っているエレジーとかいうチビ────を見つけるやいなや話しかけにいこうと飛んでいってしまったのだ。

そういえばこのチビ、俺がハウルと会う前に炎色をした猫に突っ込んでいった奴だな。まあいい。

そしたら今度はエレジーの意味不明な一言にハウルが飛びつき、コ○ンだのシェリーだの言い合い、何故だか知らんが感動の再会っぽい雰囲気になり、そして今に至るのだ。

馬鹿っぽいが、なんだか羨ましかった。

と、そこでスノウは、目の前でこちらを見上げる雌猫の存在に気づいた。

綺麗なエメラルドの瞳をまん丸にし、その体の小ささと合わさって幼さを醸し出していた。

「………ゾ……ロ?うわあ、本物の海賊狩りがここにいる!」

スノウはキョトンとなった。このチビは一体俺を誰と間違えてるんだ?

「………何の話だ?」

「たしぎとちゃんと仲良くしてる?そうだ、『鬼斬り』見せてくれない?」

そこでスノウはハッとした。ああそういえばゾロって、大人気某海賊アニメの世界一の剣豪を目指しているっていうあの二本足のことか?てかたしぎは海軍だろ!

ああ違う、話が別の方向へ逸れていきそうになった。問題は、そのゾロっていう二本足と俺の関係性だ。

「だからてめえはさっきから何の話をしてるんだ!?」

眉間にしわを寄せ、怒鳴るような口調で言ってしまい、スノウはしまったと慌てた。こんなチビにこの口調と顔は相当恐怖を植え付けてしまうはずだ。

思った通りエレジーはきゃっと飛び上がってハウルの後ろへ隠れた。

目を見開き、毛を逆立て、そおっとハウルの後ろから顔を覗かせるエレジーを見て、スノウは心の中で謝った。

すまん、次からは気を付ける。

「エレジー、怖がる必要はないぜ」

ハウルが苦笑し、エレジーの頭を優しく舐めてからこちらを向いた。

その様子に、本当の兄弟みたいだ、とぼんやり思った。

「あいつはスノウ、スノウ・ブラッド。確かに見た目は怖いかもしれないけど、中身はすごく優しい奴だよ」

心配そうにハウルを見上げるエレジーは、ハウルに押される形でこちらへ来る。

氷の彫刻のように固まっているエレジーを見て、スノウは困ったようにハウルに助けを求めた。

だがハウルが大丈夫というように頷くのを見て、そっとエレジーに微笑みかける。

そこでスノウは牙の存在を思い出したが、時すでに遅し。

エレジーは目と口を大きく開き、叫び声を上げながら何故か二本足で逃げ去っていった。

何もそこまで怖がらなくても………。

スノウは傷つきを通り越して唖然とした顔でエレジーを見送った。

そしてさっきから床で笑い転げているハウルを前脚で強く突く。

「おいそんなに笑うなよ。傷つくだろ」

「いやあごめんごめん!」

まだ笑いが収まらないのか、ハウルは目に涙を溜めながら立ち上がった。

「てかお前、まだ気づかねえのか?」

「何がだよ。お前とあのチビが兄弟だってことか?」

「そうそう……っていやその話題すでに終わっただろ」

スノウの、見た目とは似合わぬとぼけたような発言を聞き、ハウルが乗ったものの呆れたように言う。

しかしスノウはハウルとは異なるタイプの馬鹿である。

「いやだってお前ら言ってただろ、兄弟とかなんとか」

「そんなの冗談だって!楽しければいいのさ!てかお前意外と馬鹿なのか?」

ハウルが悪気も無く言う。

「お前には言われたくねえよ」スノウは呆れたように返した。

それを聞いて、ハウルはそうかーと笑う。その言葉に傷付かないところがこいつらしくていい。

「てか何の話だ?俺がまだ気づいてねえって」スノウは焦ったそうに聞いた。話が別全く進まない。

ま、それもそれで楽しいが。スノウはふっとそんなことを思った。

「ああ、そうだそうだ」ハウルが思い出したという風に言う。

「お前さ、エレジーに騙されてるぞ」

「………………はっ!?」

長い間の後に、素っ頓狂な声を上げて口をアホみたいに開けるスノウを見て、ハウルは再び笑い転げた。

「俺って……馬鹿なのか?」

スノウはぼそりと呟いた。

「そうだとは思うけど、でもエレジーの嘘はなかなか見抜けないと思うぜ」

その声が聞こえていたのか、ハウルが笑いながら答えた。

「ああそれってあれか、兄弟の絆ってやつか」

「そうなんだよ……ってだからその話題終わったって!!」

ボケをかますスノウに、ハウルは再びノリツッコミをし、そして笑った。

「お前ほんとーにおもしれーな!!」

ハウルのその言葉に、スノウは思わず吹き出した。

「お前もな」



2匹でアホみたいに笑い転げていると、突然船長室のドアから炎色の何かが飛び出してきた。

ファイアスターか、はたまた火の玉か、エレジーではないだろうなと考えながらその姿を目で追うと、猫だということが分かった。

しかしファイアスターではない。

「おい!」

スノウはその猫に向かって叫んだ。

その猫はピタリと足を止め、ゆっくりとこちらへ歩いてきた。

スノウとハウルは、その姿を見てはっと息を呑んだ。

アーモンド型の金色の瞳に、輝く炎のような毛並み、整った顔立ち。

間違いなく美女だった。

この猫はさっき、エレジーと衝突していたやつだ。スノウはこっちへ向かって歩いてくる猫を見て思いだした。

猫は2匹から尻尾一本分の距離を置いて立ち止まると、訝しげにこちらを見た。

先に口を開いたのは、ハウルだった。

「やあ綺麗なお姉さん!俺はハウル!名前はなんて言うんだい?」

途端に猫の表情が険しくなった。2匹は目を見合わせる。

え、俺なんか悪いこと言った?

いいや特に無いとは思うが。

そんな無言の会話を交わしていると、突然目の前の猫が叫んだ。

「俺は女じゃないっ!!アレン・クロー、立派な雄猫だ!!」


…………………
ヒースさん>それは良かったです♪これからもスノウと仲良くしてやってくださいw
LKさん>エレジーちゃんが再び合流するところまで進めずすみません!それと、交流ありがとうございます!
ラッキークローさん>勝手ながら、交流させていただきました。おかしいところがありましたら、ご指摘ください!

長くなってしまいましたが、どなたか続きをお願いします!


最終編集者 リンクステイル [ Mon Aug 03, 2015 11:45 am ], 編集回数 1 回
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投稿 by レパードクロー Mon Aug 03, 2015 11:41 am

ドミナoceanstory1









爽やかな潮風が吹き、黒猫少女は出航の時を迎える..............とはいかない。
真っ黒の船から下ろされたボートにのり、ドミナトリックス、通称ドミナはとある海賊を訪ねようとしていた。

「じゃ、俺らはここで。アバヨ、ブラックのガキ。」

頭にバンダナを巻いたイカツイ虎猫たちはボートをこいで船へと戻る。
一人縄梯子に取り残されたドミナは早足で縄梯子を登った。グダグダしていると殺られる、それが祖父の教訓だからだ。
方耳に大きな琥珀のイヤリングを揺らしてドミナは甲板へと派手に着地した。

「ボロッ!まったく誰がこんなことするわけ?」

着地したところの板はベロンと剥けていた。手入れが届いていない証拠....................
いや、違う。ドミナが踏み抜いたのだ。甲板を踏み抜いた犯人が犯人を探すというのは実に馬鹿げている。


甲板にはたくさんのクルーが集まっていた。しかし、新しくやってきた華奢な少女を見ると笑い出した。
なんだこんなひ弱そうな奴か、と。
ドミナが歯を剥き出して激しく唸るとさすがに野郎共も黙ったが。


「失礼します。」

古びたドアを開けて船長室へと入った。たくさんの宝石類や本がうすだかく積まれていたりする。

「誰だ?新入り希望者か?」

「そうです。祖父からなにか聞いていると思います。」

炎色の雄猫はああ!と叫ぶと何やら羊皮紙を取り出した。

「ファイヤスター、孫のドミナトリックスをそちらへ修行に送る。プライドの高いうるさいやつだがよろしく頼む。ブラックスター。....................とかかれているけれどそうなのか?」

うるさいやつ?プライドが高い?なんてことを書いてんのよあのジジイ!
殺してやる!あのクソジジイを!

「おーい、聞いているのか?」

「うっさいわね!黙んなさい!!」

「えー................話を進めるぞ。」

ファイヤスターの必死のなだめでドミナはやっと落ち着いた。
どすんと無礼にも椅子に腰掛け、足を組む。

「ドミナトリックス・ブラック、黒の女王よ。」

「そうか。これからよろしく頼むぞ。」

自己紹介と手続き(怒鳴り合いとも言う)がすみ、ドミナは早々と船長室から退却した。
甲板の柵に寄りかかり、海を眺める。
太陽の光が海と彼女の毛並みを光らせる。それは絵になっており、どこも欠けてはいなかった。

「僕の名前はエレジー・ドラド、『海の小悪魔』エレジー・ドラドだ!」

甲高く響く声が空へと響き渡る。
ドミナと同じ年齢の猫たちが自己紹介とハグをしあっているようだ。
そのうちの一匹にちらりと見られたような気がした。気のせいか。











Lkさん>なんやかんやで気に入ったのです、あの名前wエレジーcとも交流をぜひしたいです!
ティアーs>ふおおおお、私もお邪魔してみましたよ!はい、楽しむなと言われても楽しみますね!((
交流よろしくお願いします。


最終編集者 レパードクロー [ Tue Aug 04, 2015 9:49 am ], 編集回数 1 回
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投稿 by ラッキークロー Mon Aug 03, 2015 4:18 pm

アレン・クロー



 エレジーが突っ込んできた。

 その手は食らうか!!!アレンは持てるすべての力を出し切りその死の一撃をかわすと、ドキドキ言ってる心臓をなだめながら甲板へ足を踏み出した。

 思わず口からため息が漏れる。にぎやかな海賊船の中、アレンは妙に心が重かった。
 原因は数分前、ファイヤスターとの会話のせいだ。

 
 △▼


 __船長室に入り、中にいたファイヤスターと目があった瞬間、思い出したくもない記憶がまざまざとよみがえってきた。

 先ほどまでエレジーとドタバタ騒ぎをしていたのにもかかわらず、衝撃と怒りが体の中を満たしていく。
 
 炎の毛色、エメラルドの瞳。目の前の雄猫は、憎たらしいほどアレンのよく知る猫とそっくりだった。

 ファイヤスターが尻尾を振った。「お前の名前は?クルー希望者だろう?」ありがたいことに、声色は似ていない。アレンは我に返ると、ぎこちない笑みを浮かべて言った。

 「アレン・クロー」

 雄猫はうなずいた。「良い名前だ。......と、君は雄猫か。何だか毛色が俺に似ているな」

 ファイヤスターは微笑んだ。そのせいでアレンは思い出したくもないことを思い出してしまったのだが__アレンは小さくお辞儀をし、船長と一言二言会話を交わすと、部屋を後にした。

 お前はここに来てまで俺の邪魔をするんだな。アレンは自嘲気味に笑った。
 おい、親父。聞いてるのか?アレンは空を仰ぎ、燃える太陽に目を細めた。


 △▼


 __しょうがない。アレンは頭をぶんぶん振った。船長の外見が父親とそっくりだったのはもう忘れよう。過ぎたことを思い出している自分がばかばかしくなった。向こうで抱き合って馬鹿丸出しの叫びをとどろかせている二匹を見ろ!あの二匹みたいに突っ走っていくのが海賊ってもん......

 「ってエレジーかよ!!??」

 隣にいるあの雄猫__灰色の縞柄の雄猫は、あのエレジーと意気投合して謡い合っているところから見ても後々アレンの精神と命を危険にさらしてくれそうだ。再び深いため息が出る。じゃんけんで生命の危機にさらせれるのもすぐな気がする。
 というか次はうまく負けてやらないとまたブルースターとかいう怖えばあさんに起こられる。いや、むざむざ負けるのは何となく嫌だ。やはり全身全霊で勝ちをつかみに行くべきでは......待て、また勝利を収めようものなら今度こそヤラレル。目の前でボロボロ泣かれたときは本当に死ぬかと思った...。

 よし、次はうまく引き分けを連続させ、エレジーのスタミナが切れかかったころに休戦を申し込む、という感じにしよう。そうすれば俺の命は安全だ。大丈夫、そうそう命の綱がぶちっと切れることはない

 「やあ綺麗なお姉さん!」

 
 ブチっ

 切れた。

 すでに結構もろくなってたメンタルの糸が切れた音が、アレンの中に響く。

 「俺はハウル!名前はなんていうんだい?」

 うきうきした声が聞こえてくる。眼球のみをそちらに向ければ、さっきの灰色の雄猫と、傷跡が目立つ白色の雄猫だ。白猫は結構インパクトのある顔つきをしていたが、今のアレンには気にならなかった。

 そのまま時がたつ。相手二匹は何やらとんでもないことをしてしまったのがわかったのか、耳をぴくぴく動かして硬直している。

 アレンは人生一番の最高の笑顔を浮かべると、二匹を安心させるようにうなずいた。
 そして口を開く。

 「俺は立派な雄猫だ!!!!!」

 「「ええええええええ!?」」
 「なんだこの反応!!!」
 「いや......だって君、女子学生でしょう?」
 「さては喧嘩の特売だな!!全部買ってやるから歯ぁくいしばれや!!!」

 灰色猫の言葉にかぎ爪が出る。なんだこの二匹......いや、まだ比較的まともそうなこっちの白猫に話を振れば!!

 「おいお前!わかってくれ!俺は正真正銘の雄なんだ!女装とかそういう趣味があるわけじゃないんだ!つかこれが普通の姿なんだ!」

 ロロノア(勝手に命名)はじっとアレンを見つめていたが、やがて深くうなずいた。

 「! わかってくれたのか!?」

 「ああ。つまり、お前は自分が雄だと思いこむ病を持った雌猫だと」

 「百八十度ぐるりと回ってちげぇ!!!!」

 予想外の事態に冷や汗が滲み出る。まさか海賊になって一日目に性別を巡って論争を繰り広げるとは夢にも思わなかったアレンは、誰かこの悪夢に似た状況を解決してくれないかとあたりを見回した。

 と、一匹の雌猫が目に入る。漆黒の毛色をした、整った顔つきの雌猫だ。アレンはの心の中に一筋の希望が見えた。いける!!雌猫なら俺が雄猫が問直感で理解してくれるはずだ!

 アレンは藁をもつかむ思いで、黒猫に声をかけた。

 その後ろで黄金色の小柄な雌猫の影がこちらに走ってくるのには気づかずに......。

____________________________
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投稿 by ヒーステイル Mon Aug 03, 2015 4:48 pm

【ハウル・R・D】


「やあ綺麗なお姉さん!」名前はなんだ?ハウルは人懐っこく笑って、輝く毛皮の猫の前に飛び出した。猪突進コミュニケーション!!

 しかし、彼女はぴくりとこめかみを動かし、ものすごい剣幕で言った。

 「俺は立派な雄猫だ!!!!!」

 !!?すごい衝撃が2匹を貫く。どうやらスノウも雌だと思っていたようだ。整った容姿、なめらかな毛皮。言われてみれば、芯の通った瞳は雄っぽい、気も、する。

 「ええええええ!?」

 ハウルはびっくりして目を丸くした。元々丸い目が、さらに見開かれたので、なんだかより子供っぽく見える。

 「だ、だって、お前女子学生デショウ?」

 思わず敬語になり、ハウルは尋ねた。

 「さては喧嘩の特売だな!!全部買ってやるから歯ぁくいしばれや!!!」彼女__もとい彼は怒って爪を出した。

 おお、喧嘩か!面白そうだな!受けてたあああああつ!!そうウキウキと叫ぼうとすると、雄猫は痺れを切らしたようにスノウに詰め寄った。

 「おいお前!わかってくれ!俺は正真正銘の雄なんだ!女装とかそういう趣味があるわけじゃないんだ!つかこれが普通の姿なんだ!」

 「ああ。つまり、お前は自分が雄だと思いこむ病を持った雌猫だと」

 「百八十度ぐるりと回ってちげぇ!!!!」

 なんだ、こいつ面白いな!

 雄だと思い込む病気の雌猫・・・・??スノウは頭いいから、きっとそうなのか?

 「って、そうなのか!!!?」

 「お前もう黙ってろ!!!」

 怒られちゃった。ハウルはしょぼんと耳を垂らし、スノウの後ろに大きな体を押しこむように移動した。

 そんなことで落ち込むなよ、と雄猫は呆れたような視線を投げると、黒猫を見つけて目を光らせた。

 「暑苦しい・・・さてはお前、円形脱毛症の症状が出たんだな?そんで隠れたいんだな?そうだろ」

 「ちっげえよ!」

 雄猫が黒猫に声をかけようとした、ちょうどその時。「おりゃーっ!」と叫び声。雄猫が悲鳴を上げ、黒猫を押し倒しつつ倒れこんだ。

 「おい__ 」

 駆け寄った2匹の上を影が襲う。結果、4匹は重なりあうように倒れこんだ。

 ハウルは痛ってと唸りながら顔を上げ、逆光で黒く染まった猫の顔を確認した。そして、さっきのしょぼくれのことなど忘れ、意気揚々と笑った。

 「また会ったな小悪魔!」

 「戻ってきたよ夜明け!」

 「いやなんだよその呼び方!?」

 下から、雌猫の怒った唸り声がきこえるまで、あと0,5秒。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
交流させていただきました!
師匠>エレジーちゃんとの会話がコントのようになりつつあって面白いです!w
リンクスs>たくさん絡んでくださってありがとうございます!ノリツッコミ笑いましたw
LCs>ハウルがぶっこんじゃってすみませんwなんだかお馬鹿なハウルのツッコミ(物理)みたいでしたw
レパードs>彼女とまた交流できるとあって楽しみですw戦闘になると人が変わったようになるので、それまでの日常でもたくさん絡んでください!
 
ヒーステイル
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投稿 by L ͛k ͛ Mon Aug 03, 2015 8:04 pm

リンクスさん>いえいえ、全然大丈夫ですよ(´・ω・`)
         結果的にまたご迷惑をおかけしています。笑

ヒースさん>『コント少女』とは彼女のこと。コントに電話をかけたらきっと彼女のハスキーボイスを聞けるでしょう(*´ω`)
        いくらでも暴れさせてくださいね!

LCさん>ありがとうございます! そしてアレン少年がエレジーの飼い慣らし方を着実に掴んでいってる……!
      ほかの部分でも引き出されていく彼の性格が面白すぎて、彼から目を離せません笑

トゥモローさん、ティアーさん、ムーンさん、ウィングさんともそのうち必ず交流したいです(*´ω`*)



【エレジー・ドラドの航海日誌】Page3




 ───瞬間、海の小悪魔の双眸は、彼女に狩られる運命となる哀れな獲物をロックオンした。


 ハンターはターゲットに気づかれぬよう、そっと小さな体を屈める。

 熱い血潮の駆け巡る心臓が、まるで早鐘のように打つ。

 しかし焦るな、まだそのときではない。そうだ、ゆっくりと機を狙え。

 黄金色の獰猛な少女は、震える息を吐きながら、しっかり筋肉がついていつつも華奢な脚に力を込める。

 獣の野性が宿るエメラルドの眼は、かれらから一時もその鋭い視線を外さない。


 そして本能が彼女に告げる。

 ………襲いかかるべき時は、今!


 「おりゃーっ!」


 嵐も思わず晴れ渡るような陽天気すぎる掛け声とともに、エレジーはすでに大好きになっていた海賊仲間たちのなかへ、弾丸の如く

突撃した。

 ………途中、弾道上をたまたま通りかかっていた黒猫美女を巻き込んだ気もするが、気にしない。

 目を剥いてそうな「ギャッ」という叫びを確かに聞いた気がするけれど、もうやっちまった、故に気にしない。

 というか巻き込んじゃったのならこの機会にとりあえずハグしとこう、それでいいよね。


 ───黄金色のチビっ娘はどこまでも果てしなくポジティブだ。

 それが、のちに海の女豹と畏れ敬うようになるドミナトリックス・ブラックだとしても、彼女にいきなりクラッシュしたことを後悔

するなどありえない。


 だって、自分が今物凄く愛情を感じているアレンとハウルとスノウが集まってる奇跡の現場に遭遇したら、そりゃまあ突っ込むしか

ないよね!

 そのついでに新しい仲間が、しかも雌猫仲間ができたりしたらそりゃあもう儲けもんだよね!


 団子になった猫たちをちっこい体で精一杯に抱き締めながら、エレジーはだれかの毛皮に思い切り頬擦りする。

 「てめェ、セクハラすんじゃねえ!」

 ………おっと、アレンの腰だった。ごめん。


 アレンのなかではエレジーに対する警戒レベルがたった今5段階中6か7には引き上げられたことだろう。
       
 さすがにその気はないのだけれど、変態タグをつけられたかもしれない。

 ごめんよアレン、でもそれほんとに誤解なんだな。


 黄金色の弾丸娘と炎色の美少年はまたもギャーギャー言い争いになりかけるが、しかし体の下で顔をあげた別の猫が笑顔を覗かせた

瞬間、エレジーはとたんにアレンのことが頭から吹っ飛んだ。そして事実、その猫に抱きつこうとして、気づくとアレンのみぞおちに

パンチを入れて吹っ飛ばしていた(本当はどかせようとしただけだったはずなのだけれど)。


 そうして小さなエレジーは、「生き別れの兄」のたくましい首に細い腕を回して抱きつく。

 爽やかな笑い声が上がる。


 「また会ったな小悪魔!」

 「戻ってきたよ夜明け!」


 笑顔で互いに呼びあいながら、エレジーの小さな胸はじんわりと温かくなる。

 出会ってすぐにこんなに心が通じるって不思議だ。


 ああ、たまらない。ハウル大好き!


 「いやなんだよその呼び方!?」と、ふたりの珍事を目の当たりにしたゾロことスノウが、相も変わらず突っ込んでいる。

 たぶんこの先、彼は自分とハウルがコンビネーションを見せるたびそうしているのではないだろうか。

 ………フラグはやめとこう。気のせいだ。


 絡まりあうエレジーとハウルからやっとこさ抜け出したスノウは、ちらと脇を見た。吹っ飛ばされたまま沸々と怒りに震え、しかも

それを必死に自制しているらしい大人なアレンに哀れみの眼差しを向けている。


 ごめんよアレン、と声をかけようとして、しかしエレジーはさらに先に謝るべき相手を自分とハウルが敷いていることに、そのとき

初めて気がついた。


 「………いい加減にどきなさいよこンの馬鹿ァァッ!」


 彼女の怒りの声が爆発したとき、気づけばエレジーは空高く舞っていた。

 ………あれ?  これってまさか放り投げられた?

 いや確かに小柄な自覚はあるけれど。

 よく海風に飛ばされるけど。

 巻き込んじゃった黒猫って、少し歳上なだけの雌猫じゃなかったっけな?

 物凄い力要るんじゃないのこれ?


 「エレジーっ!」

 本人ののんきな滞空思考をよそに、ハウルが悲鳴を迸らせる。

 大人に近い体格の彼は、さすがに甲板に転がされた程度のようだ。


 あ、なんでハウルがあんなに切羽詰まった声を出したかわかったぞ。

 このままだと自分はたぶん、船外の海にダイブして、青きハリケーンのご寵愛を受けているワニたちの口にゴートゥーヘルだ。

 なるほど納得。


 「ってちょおおおお!?」


 さすがの能天気も吹き飛び、女の子があげてはいけない悲鳴をあげながら、エレジーは落ちていく。

 落ちていく、落ちていく、風を切ってまっ逆さまに落ちていく。


 ───しかしハウルの焦燥は杞憂だった。

 エレジーの落下地点にあったのは、今日何度不幸に見舞われたかわからないあの因縁の美少年、アレン・クローの、愕然とした綺麗なお顔。

 物理法則に従うしかないエレジーが避けられるはずもなく、


 「ふおうッ」

 ───ギャッ!


 綺麗な放物線を描いて無事に甲板に戻った瞬間、小さな悲鳴を聞いた気がした。


 うん、気にしない。自分は小さくて軽いからそんなにダメージはないはずだけど、精神的にアレンを殺しちゃった気がする、だけど

やっぱり、気にしない、というか………できない。

 さすがのエレジーも今度ばかりは、申し訳なさを痛感する。


 「………………」

 甲板にうつ伏せで倒れているアレンからそろそろっと体をどける。息はあるけど彼、動かないよ?


 ほっと胸を撫で下ろすハウル、アレンを物凄い眼差しで見ているスノウ。彼らを振り返り、思わずこぼれる苦笑い。

 そしてエレジーは彼女のほうへと恐る恐る向き直る。


 ───全身に怒りをたぎらせている黒猫美女が、そこにいた。



 ⚓ ⚓ ⚓ ⚓ ⚓



【更新ログ03】

  物語ログ ▼エレジーは ハウル と スノウ と アレン と ドミナ に 「とつげき」 を くらわせた!
       ▼こうか は ばつぐん の ようだ!
       ▼ハウル への あいじょうゲージ が レベルアップ した!
       ▼ドミナ の 「ほうりなげ」 が エレジー に さくれつ した!
       ▼エレジー の 「ドロップキック」 が アレン に さくれつ した!
       ▼ともに こうか は ばつぐん の ようだ!

  補足ログ ▽同年代くらいの雌猫でも軽々放り投げられる、驚きの軽さ・コンパクトさ。
       ▽アレン少年がエレジー絡みでどんどん不運ルートまっしぐら。エレジーすべての元凶は君だ。



アレン君ほんとはカッコイイキャラのはずなのに、お言葉に甘え作者とエレジーの暴走がどんどん酷くなっている始末………
ラッキークローさん、ほんとに申し訳ございません! ご希望でしたら書き換えます。
多分次の展開が起きるころには、多少エレジーの悪行も大人しくなるはずです。この埋め合わせはシリアス展開のアレン君の見せ場でかならず………!
どこかのアレン君のターンでエレジーのことフルボッコにしちゃってくださいね; むしろそれ要員のキャラクターですので………!


最終編集者 ĻK [ Tue Aug 04, 2015 10:45 am ], 編集回数 5 回
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投稿 by 明日輝 Mon Aug 03, 2015 8:57 pm

フォレストグリーン




「…いや、飛んだ茶番を見せてしまってすまなかったな」

うおう、雄の方です、雄の方です。

「いえいえ、とんでもないです。茶番うぇるかむです!」

「あ、うん。良かった」

彼はあっけにとられたように笑った。




「君たち、名前はなんて言うんだい?」

「な、なな、なな名前!?」

「ほら、そんなに驚かない」

コーストが突いてきた。

驚くなって言われても、ねえ?ですよ。だって、雄のお友達っていませんからね?作り方も何もわかりませんよ?

「俺はレフティ・スィーフ・Jr。」

「コースト・ハイドランジア。よろしくね。」

コースト、すごいです。緊張しないのでしょうか。私は今心臓が口から飛び出しても驚きませんよ?

「おう!…で、えっと」

レフティはコーストの顔を覗き込んだ

「ほら、あなたも早く!」

「早く!?な、何をですか!?」

フォレストはぶんぶんと首を振った。

「名前!ほら!」

「名前!?ふぉ、フォレストグリーンですっ」

フォレストは自分の名前がもっと短かったら…と思った。もっとも、こう思ったのももう幾度目か…。

「フォレスト、な。よろしく」

レフティは少し安心したように笑った。

「よ、よろしくお願いしますっ!」

こ、これは、お友達、ということで良いのでしょうか…?わかりませぬ。

コーストとレフティは何やら楽しそうに話していた。ひとり取り残されたフォレストは、ただぼうっと二人を見つめた。




「そうよね、私もそう思ってたのよ!あなたはどう?フォレスト」

「へっ?なんでしょう、か?」

「緊張しすぎ、ほらさっきみたいに笑って!」

笑ってと言われましても…こういう時、顔がひきつって笑い方を忘れてしまうのですよ…

こんなんで大丈夫でしょうか…先が心配です

フォレストは、「はは」と乾いた笑いをこぼした。





どなたか続きをお願いします!
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投稿 by レパードクロー Tue Aug 04, 2015 10:22 am

ドミナoceanstory2









三十秒間の間に起こったことをドミナはほとんど覚えていない。

いきなり黄金色の塊が突進してきてデッカイ猫が自分を押し倒して挙げ句に黄金色の猫が自分の上で何やら興奮して.....................。


ただ、ドミナは黙って泣き寝入りするつもりはなかった。

__黄金色の塊を撥ね飛ばし、するりと抜け出すと文字通り全身に怒りをたぎらせながら立ち上がった。



「えーっと..............アハハハハ..........。」



・ ・ ・ ・


「お前もう一度弾き飛ばして海へとゴートューヘルさせてあげる!!」


再びエレジーにつかみかかりそうになった彼女をまだ理性が残っている白猫とハウルと呼ばれたが押し止めた。

その代償に白猫とハウルがノックアウトされてしまったのだが。


「まぁまぁ不慮の事故ってことで............。」

「元凶はあいつだしな............。」

いつの間に意識を取り戻したのか、炎色の美少女がむくりと起き上がった。きらりと輝く瞳、炎色の美しい体つき。

「貴方たちもクルー?」

「そうさ!『海の小悪魔』エレジー・ドラドはこの船のクルーなんだ!!」

「あんたがいたら一発で沈みそうね!海へと帰んなさいよ!」

ギャーギャー叫ぶ二匹を見て炎色の美少女がため息をついた。


「お前ら同類だな。」


「あんた喧嘩売ってんの!?」



またもや暴れだしそうになったドミナを雄猫が二匹で宥める。

「雌猫のくせに雄みたいに振る舞って。」


「俺は雄猫だ!!」

再び団子ができてしまった。

アレンとドミナが取っ組み合って(ドミナは半分アレンを殺そうとしていたが)エレジーが皆にハグをして、ハウルとスノウが止めに入るという団子だ。

きっと絶品だろう。

__アレンとドミナの怒りが爆発するまで、後0.05秒















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投稿 by ウィングシャドウ@もう復活でいいんじゃないかな Tue Aug 04, 2015 12:04 pm

アーケイン・フィールド


 レフティが見張り台から立ち去ってしばらく、アーケインはのんびりと眼下の青い海を眺めていた。
 時折違った表情を見せるカリブの海のことがアーケインは大好きだ。
 
 ふっと視線を下にやると船に上がってきた黒猫美女__毛色はアーケインと似ている__が甲板を踏み抜いていた。甲板の整備はアーケインの仕事だからきっとアーケインが修理する羽目になるのだろう。そしてさっき華奢な黄金色の雌猫が滑って炎色の猫にアタックする原因となった潮溜まりについても後でブルースターに怒られるのだろう。
 アーケインは朝のうちにちゃんと掃除しておいた。潮溜まりなんてなかったのだ__クラウドテイルがバケツをひっくり返す前までは。アーケインは肩を落とした。

 「アーケイン!見張り番を代わるよ」

 と、話題のクラウドテイルがやってきた。

 見張り台から降りてすぐ、ブルースターが近づいてきた。青いハリケーンは怒りで目が釣りあがっている。

 「アーケイン!甲板に潮溜まりが出来ているわよ。戦いが起きたときに危ないじゃない」

 「了解。ブルースター」

 ブルースターはあの現場を見ていなかったのだ。責めることはできない。
 なぜか機嫌が悪そうに見えるブルースターに気づかれないようにため息をついてアーケインは掃除道具を取りに行った。

 新しいクルーたちは楽しそうに話している。
 アーケインも混ざりたいが、右耳が聞こえないせいで大勢と話すのは苦手だ。一対一なら何の問題も無いのだが。


 潮溜まりを片付けて板と大工道具を持ってまた甲板に上がってきたアーケインはひときわ騒がしい大集団に目をやった。
 黄金色の雌猫が仲間に突撃して近くにいた甲板を踏み抜いた黒猫美女を巻き込んだ。黒猫美女が怒って黄金色の猫に掴みかかりとめようとした二匹の雄猫をノックアウト。炎色の猫(雌に見えなくも無いが多分雄猫だ。アーケインの勘がそういっている)が起き上がって黒猫美女が叫んで炎色の猫と黒猫美女がとっくみあって……

 よく分からないがこれだけはいえる。甲板がまた壊れるに違いない。修理は大変だし板はわりと高いのだ。またブルースターに怒られるのはごめんである。

 アーケインは道具をその場において全速力で走って猫団子に向かっていった。


 ___すべての結果が出るまで、後0.02秒


_____________________________________

ティアーs>こちらこそ交流ありがとうございました!

ヒースs、リンクスs、ライトニングs、ラッキーs、レパードs>乱入しました、すみません!嫌だったらスルーしてください。良ければ続きお願いします!

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投稿 by ラッキークロー Tue Aug 04, 2015 6:33 pm

アレン・クロー



 目を開ければ、そこに見えるのは美しい川辺だった。

 蓮の花があちこちに咲き、絶えず紫色の靄が川を覆っている。オレンジにも似た甘酸っぱいいい香りが鼻をくすぐる。よくわからないが、かなり素敵な場所である。そう、まるでこの世の桃源郷のような__

 「っってやべえ!!!ここマジであの世の境目じゃねえか!!!」

 まさか海賊になって一日で生死の境目を漂うとは。いや待て、とアレンは冷静に状況を思い出す。
 よく思い出せ......!冷静になれば今そこまで大変な状況にはなっていないはず!!


 1;ハウルとスノウというらしい雄猫二匹に女子学生疑惑をかけられる。
 
 2;突っ込んできた海の小悪魔どころか海の破壊神エレジーに腰にほおずりされる。同時に鳩尾に一撃を食らう。

 3;ドミナというらしい雌猫が放り投げたエレジーに踏み場にされ顔面踏まれる。

 4;ドミナにさえ性別を間違えられ、さらに取っ組み合いになる。

 5;なんかよくわからないがアーケインとかいう雄猫に突撃され、そのまま全員で甲板に頭から激突、意識を失う。



 「......俺...どこで人生の選択を間違えたんだろう......」

 「うんうん、そうだな。聞いてくれハウル。僕はもしかしたらアレンに変態って思われているかもしれないのだ」

 「エレジー、俺なんかバカって思われてるかもしれないんだけど......どうしよう...」

 「なんでお前らがいるんだよ!!!

 「あたしもいるわよ!!!(雌猫登場)」

 「ゲッ!ドミナ!?お前は近寄るな!」

 「なんでよ!!!あたしが害虫みたいじゃないいいいいいっ!!!」

 「私を忘れんなよ!」

 「ゲッ!てめえかアーケイン!!!」

 「む、アレン、雌猫に向かってなんだその口の利き方!!雄猫ならもっとレディーを敬え!」

 そこでアレンは機関銃のごとく言葉をぽんぽん放っていた口を閉じ、アーケインを凝視した。今......この猫、いま『雄猫』って......。

 「あ、アーケイン......俺が雄猫だとわかってくれるのか...?」

 「ん、なんか危ういところなんだけどな。私の勘が雄だといっているんだ」

 「アーケイイイイイイン!!!!」

 アレンはすべてを忘れてアーケインの前脚を手に取った。性別を正しく理解してもらえる。たったそれだけのことが、何より今アレンには嬉しい。アーケインを崇めたい衝動に陥ってしまう。

 「む、何だアレン!アーケインに変態行為か!?」

 「てめえにだけは言われたくねえわ頬ずりチビ!!!」

 「だからアレン、もっとエレジーに優しく口を利け!」

 「そうよこのアホ猫、雄猫だと言い張るならもっと雄猫らしく振舞いなさいよ紳士らしく」

 なぜか雌猫三匹から非難を食らい、ここらでかなり丈夫だったアレンの精神がぴきぃと音を立てた。二日後ぐらいになったら自分は死んでいるのではないだろうか。

 「......ってまずい!早くアレンとスノウを連れ戻さないと!」

 「! そうだったアレン、早く僕たちと元の世界へ戻るぞ!きみとスノウだけがいつまでたっても意識を取り戻さないんだ!」

 「なんだと!?」

 ハウルとエレジーが焦り始める。自分は今どれだけ危険な状況にいたんだ!
 が、二匹の姿が突如揺らぎ始め、同時にドミナとアーケインまでもが霧となって消えてしまった。......って待てよ!!!九割九分お前らのせいで市の境地に立ってるのに消えるなよ!マジでやべえ!

 『おいでおいで~怖くないよ~』
 『こっちはいいとこだよ~おいで~』

 「って対岸からよくわかんない猫たちが手招きしてる!!!???よく見ると真ん中に死んじまったじいちゃんが!?」

 その隣はネズミに当たって死んだいとこではないか。死んじゃった知り合い大集合じゃねえか!!一刻も早くこの得体の知れないところを出ないと__

 『いや大丈夫だアレン。こっちはなかなかいいところだからな』

 「ってなんでお前がそっちにいるんだスノウ!?おい早く来い!そっち言ったらもう戻ってこれねえぞ!?」

 『問題ねえ。こっちはすごくいいところだぞ。だからお前もこっちへおいでぇ__

 「だめだスノウ!もどって来い!ほら、聞こえるだろみんなの声が!」

 【エレジー・ドラド、ハウル・ラスター・ドーン、どういうことか説明しなさい】
 【ブルースター!アレンが!スノウが!今必死でこっちにきようとしているんです!】
 【頑張れスノウ!そしてアレン、君のことは忘れない!】

 「エレジーはあきらめたような言葉を吐いてるんじゃねえ!俺は何としても帰還するんだ!」

 『心配するなアレン。本当にこっちは楽しくていい場所だからな』
 
 「ほ......本当か?」

 『ああ。本当に楽しくて楽しくて楽しくてたのたのたののたのしたのしシイイイイィィィーッ!!!』

 「スノウ―――――――ーッ!!!」

 その後、二匹は必死の心臓マッサージで一命をとりとめるのだった。


____________________________
 なんだかよくわからないドタバタ臨死体験回になってしまいました......^^;
 リンクス⒮、勝手にスノウ君を窮地に立たせてしまいすみません。お返しに存分にアレンを殴ってください。
 LKs、ヒースs、レパードs、ウィングs、スノウsと交流させて頂きました!ああ、アレンのキャラが......w
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投稿 by ティアーミスト Tue Aug 04, 2015 6:34 pm



                             ☠レフティ・スィーフ・jr☠

                           ───黄金毛皮の左利きの海賊───



目の前で顔をひきつらせる女の子。フォレスト・グリーンというらしいが……これから彼女が航海に出ることを考えると、

なんだか危なっかしい。

レフティは気を紛らわせるかのように尻尾をさっと振った。きっとそんな時はこの青い少女が助けてくれるのであろう。

はわわわわ、と困りまくるフォレストをコースト・ハイドランジアが呆れ顔で、しかし愛情のこもった表情で見守っている。



金の雄猫は彼女たちにじゃあな、と目配せをしてからくるりと背を向け、歩き出した──────


と、すぐにまた足を止める。

「?!」

レフティはその整った顔立ちを崩して、顎をあんぐりと開けた。海賊仲間たちがギャギャー喚きながら目の前を転がっていく。



幸い、スノウは彼と同じくあっけにとられているようすだった。時折一緒にいる灰の雄猫と仲裁をしようとしているが、

なかなかこの毛玉はほどけようとはしない。

雌猫やら雄猫やら黒も白もごちゃまぜになり、よくわからない物体はバケツを倒し、壁に衝突し、甲板の上に置いてあるものをなぎ倒しながら進んでいく。


この金色の雄猫には予知能力は備わっていないがこのあと、あのハリケーンが大爆発を起こすだろうと言う事は予想ができた。


レフティはその灰色の瞳をまん丸くしたままスノウに近づいた。

「なにがあったんだ?」

「あいつがそいつにぶつかって、そんであいつとあいつにもぶつかって、彼女の導火線に火を付けてしまって…で、こうなった」

ディストラクション号に乗り込んで初めにできた友人は瞬きをするのも忘れて説明をした。

訳が分からなかった。

第一、彼の言う「あいつ」や「そいつ」は見知らぬ猫ばかりである。

ただ、壮絶な経歴をふんで彼らは今、団子になっているのだろうとレフティは思った。


「落ちつけ、まずどうしてこんな状況になったかを考えよう!」


レフティは子どもを叱る父親のように、生徒をなだめる教師のように声をあげた。



しかし、その言葉はこの猫たちにとって最も効果のない事だというのを、彼は分かっていなかった。




・・・・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うぬぬ……レフティ・スィーフ・じゅにあ君のお叱りの言葉、どこかずれています(´・ω・`;)

リンクスs、ヒースs交流させていただきました!良ければ続き、お願い致します♪







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投稿 by ティアーミスト Tue Aug 04, 2015 6:38 pm

うぉうっ、一分差の時差が;
私の投稿は、ラッキークローsの投稿の前のシーンとして考えて頂ければと
思います^^;ごめんなさいっ
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投稿 by ラッキークロー Tue Aug 04, 2015 6:44 pm

ティアーミストs

 一分の時間差が出てしまいましたね......すみませんm(__)m

 はい、ティアーミストsの投稿は私の投稿の前のシーン、ととらえてください...すみません。
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投稿 by ヒーステイル Tue Aug 04, 2015 7:54 pm

とりあえず軌道修正しますね^^;なんかごっちゃになってたら指摘お願いします!

【ハウル・R・D】




 なんかもう俺よくわかんねえ。ちょっと楽しかったからいいけどな。楽しんだもの勝ちだぜ!!

「なにがあったんだ?」

 雄猫がそう言った。落ち着いた口調。きっとコイツも頭いいな!

 「あいつがそいつにぶつかって、そんであいつとあいつにもぶつかって、彼女の導火線に火を付けてしまって…で、こうなった」スノウが身振り手振りで説明する。

 ハウルは横から顔を出し、いらぬ補足を付け足した。「おう!ガッてきたから俺もドッてなったんだ。したらその黒猫がぐぐぐぐギャーンッってなって」

 「ちっがうわよこの馬鹿猫!」

 また怒られた。

 雄猫はもっと意味が分からなくなったようだ。俺はだいたいわかったぞ。

 「落ちつけ、まずどうしてこんな状況になったかを考えよう!」

 その時だった。ついに黒猫の我慢が切れたようだ。何か唸りながら猫に飛びかかろうとし、アレンと取っ組み合いはじめた。

 「おい!」スノウが果敢にも止めようとし、ハウルも仲裁に入ろうとした。

 「やめろって!今怪我したら航海できなくなるぞ!」しかし周りの猫も止めようと大声で行ったり動きだしたりしているので、上手く伝わらない。

 黒猫が「うるさいわね!」と歯をむき、アレンに拳をふった。

 ごんっ。

 すげえ音。ハウルはびっくりして首をすくめると、目の前の光景を見て迂闊にもちょっと笑ってしまった。

 殴られたアレン。ふっとんだアレンの下敷きになったスノウ。反動で倒れてしまったがすぐに体制を持ち直した黒猫。

 「えっコレどうなってんの」

 ハウルが言うと、雄猫の呆れたような、焦ったような瞳が見えた。こいつ困ってる?よっしゃなら解決するぜ!単細胞は一生懸命考え、海の小悪魔ことエレジーに笑いかけた。

 「なかなか2匹戻ってこねえから、様子見に行こうぜ!」

 「おうとも!そこの海の女豹も一緒に行こう!」

 「はあ!?ちょっと待ちなさいよ!」

 しかし、もうすでに事は遅し。3匹は三途の川っぽい所に立っていた。

 「すげー。俺サンズのカワ初めて見た」

 「僕も!あんま普通の川と変わんないな。あっニシキゴイ」

 「ふざけないでよいっそ三途の川に飲み込まれてしまえ!」

 「なに行ってんだよ俺ニシキゴイ食ったことねえよ!」

 「いや何の話してんのよ!!この単細胞!」

 「僕タイのがいいなー」

 「私もだ」

 「ふざけ・・・え?」

 ん?ハウルはそっと隣を見た。右は生き別れの妹エレジー。左は、左右目の色の違う、黒い雌猫。

 「私はアーケイン・フィールド。なんとなく勘でやったら来れたぞ。あんま暴れてくれるなよ。甲鈑壊したら・・・・」

 「あっハイすみません」

 なんとなく黒いオーラが漂うアーケインは、アレンとスノウを見つけたようで、きらっと目を光らせた。仕事人タイプか!

 「......俺...どこで人生の選択を間違えたんだろう......」アレンの嘆き声。

 「うんうん、そうだな。聞いてくれハウル。僕はもしかしたらアレンに変態って思われているかもしれないのだ」

 「エレジー、俺なんかバカって思われてるかもしれないんだけど......どうしよう...」俺馬鹿なのかな・・・ハウルはしょげた様子で耳を垂らした。

 「なんでお前らがいるんだよ!!!」

 「あたしもいるわよ!!!」黒猫が半ば怒ったように唸る。こいつも面白ぇな!

 「ゲッ!ドミナ!?お前は近寄るな!」

 「なんでよ!!!あたしが害虫みたいじゃないいいいいいっ!!!」

 「私を忘れんなよ!」

 「ゲッ!てめえかアーケイン!!!」

 「む、アレン、雌猫に向かってなんだその口の利き方!!雄猫ならもっとレディーを敬え!」

 「あ、アーケイン......俺が雄猫だとわかってくれるのか...?」

 「ん、なんか危ういところなんだけどな。私の勘が雄だといっているんだ」

 「アーケイイイイイイン!!!!」

 愉快だなあお前ら。ハウルがそう笑うと、ドミナという黒猫に腹パンされた。「あんたも十分愉快でうるさいわ!」

 「......ってまずい!早くアレンとスノウを連れ戻さないと!」腹パンで我に返ったハウルは焦って言った。結構痛かったけど、鍛えてるハウルにはあまり効果はない。

 「! そうだったアレン、早く僕たちと元の世界へ戻るぞ!きみとスノウだけがいつまでたっても意識を取り戻さないんだ!」

 「なんだと!?」アレンも焦ってこちらを見た。どこどなく苛ついた感じだ。

 すると、なんだか自分の体が軽くなったような気がした。隣のエレジーの姿も霞んでる。えっ?次に目を開けた時に見たのは、ニシキゴイの泳ぐ川ではなく、青い空をバックにした甲鈑だった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
バトンタッチです!
すご溶接が雑・・・w口調違ってたらお申し付けください!
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投稿 by ムーンドロップ Tue Aug 04, 2015 9:05 pm

コースト・ハイドランジア

レフティと言う雄猫は割合話しやすい猫だったのだが、フォレストは固まっていた。

レフティはじゃあと言うように目を向けると歩き出した。
すると何故か上から猫の塊が甲板に落ちてきたのである。








その後の展開をフォレストと共にボーゼンと見つめ続けた。


そして、今は一時的に何処かへ行っていたような猫達が一斉に起き上がり始めた。

・・・・・・・・・・・。




「えっと・・・・・。」

フォレストが困ったようにつぶやく。

「ねえ、フォレスト。この船の新入り、まともなの私たちだけみたい。」

そう、小さな声で言ったつもりだったのだが、同年代くらいの黒猫の耳に入っていたようだった。

「なんですって!?あたしをこんなの達と一緒にしないでよ!!」

・・・・。

「だって一緒にいるじゃない!いきなり落ちてきて、ギャアギャアやってたのはそっちでしょ?!」

自分の眉がグッとつり上がったのがわかった。

フォレストが隣でアワアワ言っている。

「まあまあ、ちょっと落ち着いて・・・。」

さっきのレフティが間に入ってきたがどちらもそんなで引くような性格ではなかった。

ギャアギャアやっている2匹になんかちっちゃい雌猫がとっしんしてきた。

「僕、エレジードラド!」

コーストはギリギリでよけた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いきなり入らせていただきました。すいません!スルーしてくださっても結構です。トゥモローs勝手にすいません!やだったら変えます!
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投稿 by ティアーミスト Wed Aug 05, 2015 3:53 pm

番外編



海賊猫たちの冒険≪ディストラクション号の航路編≫


白い光を放つ太陽が、いつの間にか頭上へきていた。

ほこりっぽい匂いと異様なほどの静けさが立ちこめるこの「密室」では外部の暑さも、騒音さえも全く入ることはなかった。

船長は、自分のひげを指先でなでまわした。船長といってもまだ初老にも満たない年頃である。

彼は今、その鋭利な頭脳でこれからの行く先を考えていたのであった。



鍛え上げられた炎の毛皮のしたの筋肉を波立たせ、ファイヤスターは軽々と豪華なイスから飛び降りた。

黄金の塊を踏まないように注意し、床に散らばったルビーやサファイヤ、金貨や真珠を前足でどかしながら進んでゆく。

海のつわものたちがのどから手が出るまで欲しがったそれらも、今ファイヤスターが求めている宝と比べれば、小石ほどの価値に下がってしまうのであった。


古びた扉から外へさっそうと出て、力任せに木の板を後ろ足で蹴る。

閉まった時に生まれた風は、カビくさい匂いを放っていた。


ファイヤスターは甲板に立ち、海風をいっぱいに吸い込む。狭い部屋の中でなまった海賊の本能を呼び覚ましてくれる波音を、

眼を閉じて聞き入った。


大股で樽の上に乗る。そこは船長の定位置であった。船の上は、昼間から酒を飲む雄猫や、取っ組み合いをする新クルー、

穏やかに話す雌猫の鳴き声で賑わっていた。

船長はそのやかましい猫たちをしばらくしっぽをふりながら見た。みんな目の前のことに夢中で、ファイヤスターの存在には

気が付いていない。


彼は、口を開けた。


「よくきけ、野郎共‼」


若くて容姿の整った彼には似合わない、荒々しい一言だった。しかしその声はまさに鶴の一声で、クルーは全員動きを

ぴたりと止めた。

しんと静かになった船上で、ファイヤスターの声は良く通った。

「ディストラクション号はこれから、太陽の生まれる方向へと進んでいく。幻の財宝を手に入れる為にな…

財宝の正体はまだ、俺とブルースター、そしてジェイフェザーだけの秘密だ。欲望にかられて、殺し合いなんか起きても困るだろう?」

ファイヤスターはエメラルドの瞳を輝かせ、ドラマチックに続けた。

「淡い桃色の霧に隠れた、緑の呪島。これからの行く先だ。なんでも、その島で一番高い木の果実の中には、宝箱の鍵が入っているというんだ……



しかしだな、そこにはやっかいな呪がかかっているらしい。」

クルーたちはぎょっとした、怯えた表情を見せた。ほんとうに大丈夫なのか、とファイヤスターに尋ねる猫さえいた。

呪と関わる場所へ行くのは、実は初めてのことだった。怪物や人食いの化け物たちは、何とか力任せで乗り切ったのだが、今回は一筋縄ではいかなそうだ。

船長は声を張り上げた。その言葉は、海の猫たちの心をゆうきづけるためのものだった。

「ブランブルクロー、引き続き舵を頼む!呪なんかに俺たちは止められないはずだ、さあ行こう!」

海賊たちが拳を突き上げ、恐怖を跳ね飛ばすかのように青空に叫ぶ。



しかし彼らはまだ、向かう先で待つ呪の恐ろしさを知らなかったのだ………




☆☆☆☆



緑の呪島‼最初の冒険の地です!詳細は、一ページ目に書いておきました^^


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☠海賊猫たちの冒険☠ - Page 2 Empty Re: ☠海賊猫たちの冒険☠

投稿 by L ͛k ͛ Wed Aug 05, 2015 11:27 pm

【推奨1】金色のチビっ娘を海楼石製の牢屋にぶち込めば、美少年の海賊生活とカリブの海の平和が保たれること間違いなし。
【推奨2】少年、覇気をッ………覇気を纏う術をレイリー老師に学ぶのだッ………
     それだけが、邪悪な海の破壊神から唯一君を守ることができる………ッ!

               ※ LK は さくらん したようだ


 エレジーお得意のはずのコメディどころか、平文もあんまり調子がよろしくなく、故の前書きの暴走です。すみません。
 そしてムーンドロップさん、せっかくしてくださった交流が短く終わってしまいました。本当にすみません。


【エレジー・ドラドの航海日誌】Page4




 海賊になれば物凄い体験ができるだろう、とは期待していたが。

 まさかノリだけで三途の川まで行けるとは、夢にも思っていなかった。


 ハウルに誘われるままふらっと行って帰ってきたが、しかし地味に物凄い体験だ。

 陸の霊学者は、8割方が捏造に過ぎない臨死体験を必死こいてかき集めたり、熱く過激な机上の空論を神父と戦わせたりしていると

いうのに。

 だれだかわからないが大勢のお亡くなりの猫たちと川越しにモールス信号で交流できるなんて、普通、夢にも思わない。

 なんという冒険、なんという幽霊たちの美しさ、そしてなんと美味そうだった魚ども! ………霊体のくせに食欲をそそるなんて、

ズルい。卑怯なことこの上ない。くそ、この船のコックはだれなんだ! 余は腹が減った、喰われたくなきゃ喰うもの寄越せッ!!」


 「いや途中から心の声駄々漏れだけどてめえ頭大丈夫か!?」
                               ツッコミ
 蘇生したスノウが、早速突っ込みを入れてくれる。うん、やっぱり友だちがいるっていいね。思い切り暴走できるものね」

 「だから駄々漏れなんだよその傍迷惑な災害思考が! ふざけんなこの破壊神! しかもお前、さっき俺の命をさらっと諦めようと

  してたなエレジー? あ? さっきの騒ぎはだれのせいだ? 最初に突っ込んできたのはだれだ?」

 「ふおおお、あひぇん、おひょるとひぇっかくのいひぇひぇんがひゃいなひに」

 「あん?」

 「ご、ごひぇんひゃひゃい………」


 今度はアレンにほっぺを両側から引っ張られ、またいつかの熱視線もとい激怒視線が目の前に。

 うあああ揺さぶるな揺さぶるな。ぶるぶるしすぎると僕は寒天になってしまう体質なんだ、アレン頼む、そればかりは!

 「知るか!」

 いつのまにかアレンはテレパシストになっている、しかしエレジーの願いは聞き入れられない。あれか、これは新手の拷問なのか?

アレンは可愛い可愛い(大事なことだから2回)女の子をいたぶるのが好きなのか、やっぱり変態だったのか? そういやいつぞやは

あのアーケインにも………あれ、アレンっていつアーケインやドミナの名前を知ってたんだろう。まあいいや、あのアーケインにも、

そういえば変態行為をふおおおおおおあ!


 ………む? と、エレジーはふと気づく。いや………このブルブル、意外と気持ち良い気がする。

 むしろアレンの肉球が的確にツボを刺激しだしてからは、そうとしか思えなくなってきた。見よ、優しくほぐされていくこの顔を!

顔面筋がまるで鍋に茹でられるパスタのようだ! なるほど、これは寒天精製などではなくて、一種のフェイスマッサージなのだな?


 「………………ッ………」

 「………………!?」


 あら? 臣下に、臣下アレンに(大事なことだからry)やってもらうマッサージの気持ち良さに目を細めていたら、そのアレンが

愕然とした表情で両手を離してしまった。

 思わず名残惜しそうな、もっと欲しがるような目を上目遣いに向けてしまう。

 アレンは目を見開くや、まるで恐ろしいものでも見たかのような慌てっぷりで逃げ去っていく。酷い、メドゥーサじゃないぞ僕は。


 アレンのばかあ、と解放されたほっぺを押さえながら叫ぶと、さっきまでハウルを縮こまらせていた青きハリケーンが、今度はなに

やらなにやらエレジーにもお説教を始めた。しかし豚に真珠、馬の耳に念仏、海の小悪魔にお説教とはよくいったもので、その効果は

全くない。


 「乗船3時間でクルーを死なせかけ───」

 「三途の川、すごく綺麗だったんですよ───」

 「それを反省する気配もなく───」

 「そういえば、なんだか前世の僕はあのドミナ嬢となにかお宝を奪い合ってた気がするんですよね、あそこにもう一度行けばわかる

  かなあ───」

 「エレジー・ドラド、聞いているのですか!?」

 「え、あ、うん、ウィーズリーの双子ならあっち行ったよマクゴナガルさん」

 「………!??」


 それまで右耳から左耳へ全て聞き流しふわふわと応じていたエレジーは、いきなり真顔で真剣に返した。ブルースターは仰天する。

一瞬、混乱の極みに昇天してしまったようだ。

 その隙を逃す悪戯娘ではない。エレジーはするりと他の猫の群れに紛れ、いくらか離れたところまで逃げると、船上全体を見渡せる

少し高いところに立った。

 お説教抜けは慣れている。今はそれを茶化すより、クルーたちを眺めながら少しゆったりしたい気分だ。


 港を出てから3時間が経つ。そろそろ船長が全体に声をかけてもいいころだろうに、ファイヤスターは一向に現れない。


 エレジーの視線の先では、ハウルがスノウの体調を確認している様子だ、というかそれを機に、逆にスノウがハウルを慰めている。

ブルースターのことなんて気にしなければいいのに。でもしゅんとしてるハウルは可愛い、思わずそんなことを思う。

 別の場所ではアーケインとアレンが話している。性別を間違えられやすい者同士、意気投合しているのだろうか。

 さらに別の場所に視線を移すと、話したことのない青灰色の女の子と黒緑色の女の子が、あの黒猫美女に突っ掛かられているところ

………、いや、ちがう。彼女も応戦してる!


 (強い!)

 金色のハンサムボーイが何やら仲裁に入っているが、青灰色少女に好奇心を掻き立てられた動物エレジーは、当然習性に従うまで。

つまり、名乗りをあげながら彼女のところへ突っ込んだのだ。


 「ッ! 何するの、危ないじゃない!」

 「危ないとは誉め言葉! 初めまして、なんてお名前?」

 「………!? コースト・ハイドランジアよ」


 少女は疑い深い眼差しをエレジーに向けている。危険薬物か爆弾を見るような目だ。いい目だなあ、悪戯心をくすぐられる。


 「エレジー、あたしたちの喧嘩の邪魔しないで」

 「ドミノ、少しくらい入れてくれたっていいじゃんか」

 「? 今あたしをなんて呼───」


 「エレジー・ドラド! 今すぐここへ来なさいッ!」

 金色のハンサムボーイと黒緑色のおとなしそうな女の子がびくっとしたのを尻目に、あちゃあ、とエレジーはため息をつく。

 まあ、あのハリケーンから逃げきれるとは微塵も思ってはいなかったけれど。相当お冠のようだ。

 エレジーはちらと3匹を振り返り、少し残念そうに微笑む。

 「またあとで。夕方にでも話そうよ」


 そして呆然とする3匹をよそに、ブルースターにしごかれながら船室内へ追い立てられていった。



 ⚓



 「………ここはいったい?」

 「牢屋です」

 「僕、味方じゃありませんでしたっけ?」

 「逐一観察していましたが、貴方はトラブルの元となりすぎるのです! 他のクルーはあなたに大変迷惑しています。

  あなたが災難を起こしては彼らも落ちつけませんから、少なくとも今晩まではここで独りで大人しくしてなさい」

 「!!!」


 んな薄情な!


 「独りきりで10時間も過ごせと!? そんなの拷問じゃないですか! ブルースター、お願い、いい子にするからそれだけはッ」

 「貴方を信用するのはこの船が沈むときだけです!」


 そうバッサリ切り捨てると、エレジーをひとり牢のなかに取り残し、ブルースターは甲板に上がっていってしまった。

 バタン、と扉が閉められて、灯りは高窓から指す淡い日の光だけになる。水差しや毛布を置いていってくれたが、これはあまりじゃ

ないか。


 ばかあ、ブルースターのばかあ、と泣き言を言いながら、しかしエレジーは毛布を裂いて結んでうまく丸めて、たちまちにひとつの

クマ人形を作る。つまらない時間は嫌いだ。とりあえず、当分のあいだはこいつがいれば耐えられるだろう。………3分くらいは。


 「わっ、器用だな」


 明るい声がしたのはそのときだ。

 エレジーが驚いて見上げると、いつの間にいたのだろう、そこには見知らぬ青年がいた。

 旧クルー最年少ではないだろうか。ずいぶん若い。そして見た目だけでなく精神力も、エレジーと同じくらい瑞々しい気がする。

 毛は穢れひとつない、夏空の日の雲のような白さで、ふんわりと柔らかそうだ。けれどその下にある筋肉はたくましい。

 サファイアのように青い瞳には、エレジーによく似た悪戯っぽさがキラキラと輝いている。


 彼をひと目見た瞬間から、海の子悪魔は珍しく、初対面者相手に一言も口を利けないでいた。

 若い先輩クルーは笑いながら、牢の柵越しにエレジーに向かい合って座る。


 「悪いね、牢屋の鍵はひとつきりだし、脱出防止用に複雑な錠が使われてるから、出してあげられはしないんだ。

  だけど、話し相手が欲しいだろうと思ってさ」


 青年のサファイアの瞳が、おかしそうな微笑みをたたえた目が、エレジーをまっすぐ見つめた。

 エレジーはまだ馬鹿みたいに動けないまま、彼を見つめ返すだけだ。


 「君、エレジー・ドラドだろう? ブルースターが旧クルーの集会室で怒り狂ってたから、僕によく似た面白い子が入ってきたんだ

  って嬉しくなってさ。

  僕はクラウドテイル。船長の甥っ子だよ。まああのひとの首は、僕が取るつもりでいるんだけどね。

  君も、そういう悪巧みで暴れまわってきたタイプなんだろう?」


 「………まあね、海軍を相手取るくらいには」

 エレジーはようやく冗談めかしながら答えた。なんでだろう? 頭が少しくらくらする。視界もやけに明るいようだ。


 高窓の光だけが差すほかにだれもいない部屋の中、牢屋越しに、白い青年と金色の少女は、こっそりと話し始めた。

 ブルースターに見つからぬように。他の船員のだれにも気づかれぬように。

 悪戯の同志ふたりは、互いの戦績を語り合う。次第に互いの心に触れる。

 絶えずこぼれるクラウドテイルのジョークに、エレジーは思わず明るい笑い声を上げ、エレジーの激しいボケにクラウドテイルが何枚も

上の技術でボケ返す。


 それは、思ってもいなかった出会いだった。



 ⚓ ⚓ ⚓ ⚓ ⚓



【更新ログ04】

  物語ログ ▼エレジー の しょうごう が こあくま から はかいしん に ランクアップ した!
        だが ほんにん は しらない ようだ!
       ▼アーケイン・フィールド と レフティ・スィーフ・J が あらわれた!
       ▼エレジー は うらステージ 『さんずのかわ』 を クリア した!
       ▼げんせ にて コースト・ハイドランジア と フォレスト・グリーン が あらわれた!
       ▼エレジー の 「とつげき」 「ハグ」 は コースト には むこう の ようだ!
       ▼コースト の 「こおりのまなざし」 は エレジー には むこう の ようだ!
       ▼エレジーは 「ろうや」 に いれられた! ファイヤスターの おたっし を ききそびれてしまったようだ!

  判明ログ ▽生後9ヵ月の『海の小悪魔』、まさかの初恋の予感。
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