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スウェル族キャンプ(オリジナルなりきり)

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投稿 by ナルシスフェザー Sun Mar 08, 2020 7:44 pm

スウェル族のなりきり投稿場所です。
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投稿 by ペタルドロップ Mon Mar 09, 2020 6:48 pm

~コーラルクロー~

「「おかえり! ぱぱ!」」
弟子の訓練から帰ってきてすぐキャンプで自分を出迎えてくれたのは自分の子供たちだった。

「ただいま、デューキットにリザードキッ「ねえねえ! 今日のえものはなあに?」」
デューキットはコーラルクローの落としたウサギをフンフン嗅いでいるリザードキットを押しのけて、獲物をよく見ようとしている。

「今日はカワヒメマスを取ってきた。よく太っているだろ」最近では枯葉の季節に変わって皮に張りのある、このような太った魚を見かけるようになった。カワヒメマスは瑞々しく、一族の猫たちにも人気の魚だ。

コーラルクローは後ろを振り返ると言った。「こいつは二匹捕まえたぞ」
後ろからやってきたディープポーは、口にくわえていた小魚を二匹地面に落とすと自慢げに子猫に見せる。「コーラルクロー。この魚、子猫にあげてもいいですよね?」

「あぁ、もちろんだ」デューキットとリザードキットは歓声をあげると、それぞれが魚をくわえて保育部屋に消えた。

魚を捕まえるのには少しコツがいる。弟子がその技を習得しつつあることにコーラルクローは喜びを覚えていた。ただでさえ教えるのが大変だからな…。

獲物置き場にカワヒメマスを落とし、コーラルクローは弟子に言った。「明日は太陽が真上に上りきった頃に大岩に来てくれ。戦いの訓練をする」今日はゆっくり休め、としっぽでディープポーの背中をぽんと叩き、保育部屋へ向かった。

コーラルクローは胸いっぱいに空気を吸いこむと、土と川の匂いに加えて若葉と新芽のいい香りが肺に浸透していくのを感じた。とにもかくにも、早く若葉の季節になってよかった。今年の枯葉の季節は本当に大変だったのだ。数ヵ月前のことを思い返し、コーラルクローは顔を歪めた。あのとき子猫が無事生まれてきてくれなかったら────


「コーラルクロー?」気付くとコーラルクローは保育部屋の目の前で立ち止まっていた。知らず知らずのうちに深い思考に陥っていたようだ。

コーラルクローは、心配そうに部屋の中から様子を伺っている連れ合いに頷きかけると言った。「なんでもない。くしゃみが出そうだっただけだ」

灰色の雌猫は心配そうに青い目を瞬かせると、コーラルクローに隣に座るように促す。コーラルクローが座ったのを確認すると、母猫は魚を食べながら寝てしまった子猫たちに目を向けた。「あの子たち、まだ生まれて二ヵ月も経ってないけど活発よね。特にデューキットが」

二匹の子猫には明らかに性格が現れ始めていた。歩きはまだおぼつかなく、弱々しく見えるが言葉はちゃんと話せるようになってきている。「そうだな。好奇心旺盛なのはいいことだが…。俺はちょっとひやひやするな」

「また! あなたは心配し過ぎよ。あの子たちは何がいけなくて何がいけないのか、これから学んでいくのだから」雌猫はふふっと笑うと目を細める。「私たちの子供がどう成長していくのか、楽しみね」

コーラルクローは横になっている連れ合いの耳を舐めた。「俺もそう思う」
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投稿 by ナルシスフェザー Mon Mar 09, 2020 7:48 pm

~ベルーガシー~

「おかえり!ぱぱ!」

キャンプに甲高い子猫の声が響く。
何事だろうと外を見ると、キャンプの入り口でコーラルクローを取り囲む子猫たちの姿が見えた。
ディープポーの訓練から帰ってきたのね。そう思い、部屋から出て獲物置き場に向かった。
大きめの魚を取り、部屋に持ち帰って行く途中に誰かが小声で話しているのに気づいた。

「ベルーガシーは他部族に優しすぎる。」

「友好的なムードを出しすぎなんだ。」

いいのよ。これが私のやり方だから。
そう小声で言い、部屋に戻った。




「ベルーガシー!」

部屋の外で誰かが呼びかけている。
おはいり、と返すとクオーツテイルが部屋に入ってきた。

「パトロールの報告に来ました」

特に異常は無いと思い聞き流していると嫌な単語が耳に入ってきた。

「二本足の臭いが砂浜に続いていました」

これは気をつけておかないと・・・
そう思いながらまた報告を聞き流した。
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投稿 by レインステップ Mon Mar 09, 2020 9:35 pm

~スパークリングバブルズ~

ああ、どうしよう。真っ白な雌猫はキャンプへの帰り道を歩きながら顔をしかめた。ちょうど浜辺へ薬草を取りに行ってきた帰りなのだ。
しかしお目当ての浜辺に咲くハマボウフウが根こそぎ引き抜かれていた。根や根茎が解熱や鎮痛薬として必要なのに、と尻尾を振りながらぶつぶつと呟く。そう、看護猫として薬草を切らしてしまったのはかなり重大なミスだ。
誰が取ったのかはわからないが、それでもハマボウフウが意図的に抜かれたことはわかっている。一体誰の仕業だろう。他の部族猫が薬草を目当てに縄張りに侵入したのだろうか。あるいは、猫ではない生き物か。
とにかく、これは報告しなくてはならないだろうと思うと気分が沈んだ。元々薬草を切らすまで看護部屋から腰を上げなかったのは、看護部屋から出ることに気が進まなかったからだ。一歩外に踏み出せば、戦士として活躍する猫達を目にするだろうし、更に運が悪ければ昔の想い人と鉢合わせするかもしれない。できればそんな悲惨な事態はどうしても避けたかった。
だがこれも看護猫の務めだ。そもそも、十分な薬草のストックのないまま病気の猫が運ばれてきた時に報告を怠ったことを知られて責められるかもしれない恐れも十分にあった。それならば今言ってしまった方が怯えずにすむ。
キャンプへ到着してしまったことに気がつけば、極力誰の目にも気付かれないようにと爪のない柔らかい肉球で足音を立てずにキャンプの端を歩いてそのまま族長の部屋へと向かう。病気で弱った猫の相手は慣れているが、元気で健康な猫に圧倒されてしまわないかと首をすくめながら部屋の前で立ち止まる。中から他の猫の声が聞こえてきたが、二度も安全な看護部屋から出てここまで訪ねてくるのはごめんだ。失礼にならなければ良いがと思いながら、思いきって中の族長へと声をかける。

「ベルーガシー、スパークリングバブルズです。縄張り内での異変について、お話があります。」

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投稿 by ナルシスフェザー Tue Mar 10, 2020 10:56 am

~ベルーガシー~

副長が一通り報告を終え、帰ろうとした時に誰かの声が聞こえた。

「ベルーガシー、スパークリングバブルズです。縄張り内での異変について、お話があります。」

副長を先に帰らせ、おはいり、と返した。
そしてスパークリングバブルズがおそるおそる部屋の中に足を踏み入れた。

「ベルーガシー、浜辺に咲いていたハマボウフウの事なのですが」

浜辺?浜辺に行ったのか・・・二本足に会っていなくてほっとした。

「ハマボウフウが何者かに根こそぎ引き抜かれていたんです。他部族の猫か、猫以外の動物かわかりませんが」

「二本足が引き抜いたのかもしれない。クオーツテイルが率いるパトロール隊が浜辺で二本足の臭いを感知したみたいなの。」

少しの沈黙の後、スパークリングバブルズが口を開いた。

「他にどこかハマボウフウが咲いている場所をご存知ですか?もしご存知であれば教えて頂けると助かります。」

そう言ってスパークリングバブルズは部屋を後にした。

「まだ枯れ葉の季節なのに二本足が浜辺に行くなんて・・・珍しいわね。」

そうつぶやきながら部屋の外の岩に飛び乗り、集会の合図をした。
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投稿 by へあている Tue Mar 10, 2020 11:46 am

ディープポー

キャンプの騒がしい声でディープポーは目を覚ました。見習い部屋はすでに空っぽだ。慌てて立ち上がろうとしたが、前足に体重をかけた途端、あまりの激痛で座り込んでしまった。昨日は1日中、指導者に狩りの技を練習させられたのだった。今日もまた訓練かと思うと気が重くなったが、魚を捕まえたときの感動は忘れられない。ディープポーは前足に気をつけながら立ち上がり、部屋を出た。

空は今にも雨が降り出しそうな厚い雲がかかっているというのに、キャンプは戦士や見習いで溢れていた。ディープポーは集団の端に座っていたゴールデンポーとスノウポーに声をかけた。

「なあ、何があったんだよ?」

ゴールデンポーが親しげに尻尾で耳を叩いていった。

「あら、やっと起きたのね」

スノウポーが若い雌猫をじろりと睨む。

「身動きひとつしないから、死んじゃったのかと思ったわ」

ディープポーは正直、2匹のことなど興味がなかった。ゴールデンポーの尻尾を振り払いながら、もう一度聞く。

「何があったんだよ?」

「ベルーガシーとスパークリングバブルズが一晩中話し込んでたんですって。それで、さっき族長が一族のみんなを招集したの」

スノウポーが呆れたような口調で続ける。

「なのに族長、ずっと考えたままで何も話さないのよ」

ディープポーは族長の水色の目を見つめた。左右で色が少し違うその瞳は、不安げに曇っている。


最終編集者 へあている [ Wed Mar 11, 2020 11:45 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by レングティームーン Tue Mar 10, 2020 10:22 pm

エーテルキット

エーテルキットは鳥がなきはじめるころ、起きました。
私はきっとパトロール隊以外で部族1番の早起きかも!白い毛皮をぺろぺろとなめるとコケで汚れた毛皮はたちまち美しくなりました。
白い毛皮に朝日が映りオレンジ色に光る様子があまりにも綺麗に見え、エーテルキットが思わず見惚れていると…。リープキットがおきました。
「お姉ちゃん…。今日はなにもやらないの?珍しいね」
いけない!噂聞くのを忘れていました。
「忘れてたわ。ちょっといってくる!!リープキットお願い!」
「はーい」
エーテルキットはいつもの壁の隙間から出る。私以外は通れない秘密の通路!わくわくしながらエーテルキットはキャンプを1番見渡せる位置にすわる。
しばらくするとスパークリングバブルズとベルーガシーが話すのが聞こえる。残念ながらよく聞こえなかったが浜辺と二本足と薬草がどうこうのということがわかった。何かあるのかな…。不安を感じつつも他の猫の動きに注目するとベルーガシーが集会を開いた。そろそろ戻らないとそう思いながらも話を聞きたくてエーテルキットは座って待つ。だが彼女は考え込んでいた。
どうしたのかしら…。あの二本足が何かやばいことをしたの??
エーテルキットはたたずんだまま動かなかった。
しばらくするとベルーガシーが途切れ途切れに話し出す。
「みんな…聞いて。さっきスパークリングバブルズやパトロール隊から聞いたのだけれど、どうやら浜辺に二本足がいたみたいなの」
一族が不安そうに鳴き出した。
「そしてハマボウフウが何者かに引き抜かれていたの。おそらく二本足がやった。みんなも気をつけて。今後はしばらく浜辺へは戦士で2匹以上、見習いは緊急の場合以外ちかずかないようにして。あとスパークリングバブルズは戦士を1匹はつけるように。
…これで集会は終わりです」
ベルーガシーが岩から立ち退くと猫たちは話始めた。一族全員が不安を感じている
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投稿 by レインステップ Tue Mar 10, 2020 11:08 pm

~スパークリングバブルズ~

大変なことになった!ベルーガシーが集会を始めても中々話し出さないことに不安を感じていたスパークリングバブルズは、話し出したことに一度は安心した。
族長の近くで聞くのが良かったのだろうが、部族猫皆の目線を感じるところに近い場所に居座るつもりはない。こそこそと集まってくる猫達とは反対に移動して後ろの方に引っ込み、話を聞いていた。
一匹で行かないようにと言われたときには、自分には見習い看護猫がいないので薬草を取りにいけないじゃないかと目を見開いたものだが、最後に付け加えられた言葉には体の毛が一辺に膨れ上がった。ベルーガシーの目の端には、急に白い毛玉が爆発したように見えたかと思わず自意識過剰になる。
''誰か戦士をつれて行く''、ですって?確かに二本足にまた捕まえられたら、爪がないので反撃もできないが、まさか!
しかし族長に抗議などできるはずもない。渋々項垂れて尻尾を引きずったまま看護部屋に退散することにしよう。
とにかく今は浜辺に薬草は既に無いのだし、と思ったところで足が止まった。
ハマボウフウが抜かれていたことに気が付いてすぐ、慌てて戻ってきたが、浜辺にはまだ必要な薬草があったはずだ。
ああ、なんてこと!ハマスゲが残っていた。頭痛や腹痛、筋肉痛など色々な痛み止めに使える薬草なのだ。鎮静作用もあるので良く使う。
これは在庫が底を尽きているわけではないから、無くなったハマボウフウを採取しにいくついでに、くらいにしか考えていなかった。
しかしハマスゲまで引き抜かれてしまったらどうなることか…確かまだ生えていた記憶がある。
どうしよう、一人で行ってしまおうか。

「…やることがない戦士だなんて、いるのかしら。任務を中断してついてきてもらうのは申し訳ないし…」

看護部屋に帰ってくると、乏しくなってきている薬草達を目にする。私が頻繁に補給せず、ギリギリまで引きこもっていたせいだわ。
そうだ、次看護部屋に来た猫に戦士の当てを聞いてみよう。
そう決めたスパークリングバブルズは、一旦落ち着こうと少ない薬草の整理を始めた。
誰かの怪我や病気をどんな理由であろうと願ってしまうだなんて看護猫失格だとは思うもの、自分から話しかけるなんてとんでもないことだ。

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投稿 by ペタルドロップ Tue Mar 10, 2020 11:57 pm

~コーラルクロー~
 
二本足? やっと若葉の季節になったと思ったらこれか!
コーラルクローはまた心配事が増えた…と呟いた。思わずため息を漏らしそうになるが、族長の話す内容に集中する。
 
「────今後しばらく浜辺へは戦士で二匹以上、見習いは緊急の場合以外近付かないようにして。あとスパークリングバブルズは戦士を一匹はつけるように」
そういい終えると、ベルーガシーは族長部屋へ踵を返した。次の大集会があるまでに一度浜辺にディープポーを連れて行こうと考えていたが、しょうがない。
 
コーラルクローはその場で固まっているスパークリングバブルズを見た。一緒に薬草を取りに行く戦士は副長から指名されるだろうか。それとも申告制だろうか。
 
どうしてもスパークリングバブルズの手助けをさせて欲しい。コーラルクローは思った。あのときの恩は絶対に返すと決めていたのだ────
 
 
 
枯葉の季節のときだった。スウェル族ではグリーンコフが大流行し、たくさんの猫が病で苦しんでいた。そのうちの一匹がコーラルクローの連れ合い、スカイミストだった。
 
スカイミストはその当時、三匹の子猫を身ごもっていた。母猫であり体力も落ちている上グリーンコフになったことで体はどんどん弱っていった。連れ合いであるコーラルクローももちろん付き添っていた。
 
だがそこでお産は始まってしまった。
看護猫であるスパークリングバブルズはスカイミストに一晩中付き添ってくれた。その結果スカイミストは助かり、子猫を一匹失ってしまったはもののデューキットとリザードキットは無事生まれてきてくれた。
 
コーラルクローにとってスパークリングバブルズは、連れ合いと子供を窮地から救い出してくれた命の恩人なのだ────
 
 
 
看護部屋へと消えたスパークリングバブルズをコーラルクローは急いで追いかけた。果たして俺を一緒に行かせてくれるだろうか…


最終編集者 ペタルドロップ [ Fri Mar 20, 2020 10:50 am ], 編集回数 1 回
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投稿 by レインステップ Thu Mar 12, 2020 12:29 pm

~スパークリングバブルズ~

「そうだわ、わざわざ気を使わなくっても家族に頼めば良いじゃない!」

スパークリングバブルズには両親が揃っている。妹も二人いる。
まあ、子猫の世話をしているフォールフラワーやバブルキットには頼めないが…フローズンファングやマリンリフルにならお願いできるかも。

その時、ちょうどフローズンファングが来た。薬草を一緒に探しに行ってくれないかと聞こうとした時、フローズンファングが先に言った。

「スパークリングバブルズ、また腰が痛んでね。痛み止めを貰えると嬉しいんだが…。」

駄目だ。年老いてきている父親は薬草を探しに行く側ではなく、薬草を必要としている側だ。

「はいはい、今作るわ。…ねぇ、マリンリフルがもし、もしよ?暇な時間があれば、看護部屋に寄ってと伝えてくれない?」

「何か急な用事でもあるのか?」

スパークリングバブルズが頼んでくるだなんて余程大切な用事があるのだろう。その時フローズンファングは閃いた。先程の集会の話と何か関係があるに違いない!

「もし薬草を取りに行きたいのなら、私がついていこう。」

「駄目よ、今の自分の姿を見て。薬草を必要としてる猫よ。」

「うむ、だが娘の安全のためなら若い頃の百倍は力が出そうだ!」

スパークリングバブルズは呆れたように目をぐるっと回した。七色に変わる瞳が可笑しげに輝く。
やはり自分で頼みに行った方が早そうだ。看護部屋をまた出るのは不安だが、妹の顔が見れると思えば足取りも軽くなる。マリンリフルはめったに怪我や病気をしないから、会う機会が少ないのだ。
もちろんそれは良いことだが、スパークリングバブルズは少し寂しかった。

「はい、痛み止め。私からマリンリフルにお願いしに行くわ。心配しないで戦士の任務を果たしてね、パパ。」

薬草の使い方を前から教えてもらっていたフローズンファングが、痛み止めを慣れたように体にすり込むのを見てから看護部屋を出ようと腰をあげた。
外から見えないようにと扉の上からカーテンのように細長い葉を垂らしてある。そこに季節ごとにマリンリフルが花を飾ってくれている。
そこから体を滑らせて外に出ようとした途端、誰かとぶつかったのを感じた。

「まあ、本当ごめんなさい…!」

バランスを崩して倒れかけるところを何とか持ち返し、一体誰に当たってしまったのかと顔をあげる。
目の前には淡い灰色の雄猫があった。黄色い瞳が驚いたようにスパークリングバブルズを見つめていた。

「スパークリングバブルズ、大丈夫か?すまなかった。まさか出て来るところとは思わなかったものだから…。」

「え、ええ…大丈夫。何か怪我でもした?」

コーラルクローが口を開いたが、フローズンファングが奥から何か叫んだ。

「誰かいるのか?」

「ごめんなさい、パパが痛み止めを貰いに来ていて。」

コーラルクローの匂いからは血の香りが嗅ぎ取れなかった。具合の悪い猫の匂いも。何をしに来たんだろう。子猫の具合が悪いとか…?だが不安そうな匂いもしない。

「良ければ中へ入って。ちょっとパパを見てくるわ。」

様子を見てくるからと言い残して、スパークリングバブルズはまた看護部屋に引っ込んだ。
これ以上フローズンファングに薬草をつけることになったら看護部屋は一枚の薬草もなくなってしまう!

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投稿 by サンウィング Fri Mar 13, 2020 9:16 am

ブラウンストライプ

ブラウンストライプは弟子のゴールデンポーと狩りにきていた。
「ゴールデンポー!その狩りの仕方じゃエーテルキットたち子猫に追い抜かれるぞ!」ブラウンストライプはゴールデンポーの狩りの仕方を叱った。
「はい!すみません、ブラウンストライプ」ゴールデンポーは謝るが、目は輝いていた。まったく、ゴールデンポーの指導者は雌猫のほうがよかったよ。ブラウンストライプは思った。
「もっと訓練に専念しろ!その調子だとベルーガシーはお前を子猫に戻すぞ」しっぽをイライラとふっていると、ゴールデンポーは事の大事さをわかったのかきちんとした。
「すみません、ブラウンストライプ。これからはちゃんと訓練をがんばります!」ゴールデンポーはそういうと、真剣な目になった。
「そうか、じゃあ行くぞ」ブラウンストライプはうなり声でいうと走り出した。
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投稿 by ナルシスフェザー(未登録) Tue Mar 17, 2020 11:56 pm

~ベルーガシー~

また集会でうまく話せなかった…
一対一の話し合いならうまく話せる。だが一族の前で話すときはどうしても話そうとしている言葉が喉につっかえてうまく話せないのだ。
集会が終わり、猫がまばらになってきた空き地をちらっと見て少しうつむきながら岩から降りた。きっと皆はうんざりしているでしょうね。
そう思うと自分に腹が立ってきた。全身の毛が逆立つのを感じる。何とか毛を寝かせ、気を紛らわせようと獲物置き場に向かった。

中くらいの魚を二匹とやせたミズハタネズミを取り、部屋に戻った。
魚はあまり脂がのっておらず、ミズハタネズミはほとんど毛の味しかしなかった。
あまり気分が良くならず、クオーツテイルに狩猟部隊を組むように伝えてからキャンプを抜けて池の周りの森に向かった。
まだまだ暖かいとは言えないが、木に花のつぼみがついているのを見つけた。
若葉の季節までもう少しだ。
体をかすめていく風もそう言っているような気がした。

気を改めてまたキャンプに戻ると、クオーツテイルが率いる狩猟部隊が取ってきた新鮮な獲物が獲物置き場にどっさりと積まれ、見習いが獲物を持って長老部屋に走っていくのが見えた。
平和だなぁ。そう呟き、あくびを噛み殺しながら部屋へと向かった。

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投稿 by ペタルドロップ Fri Mar 20, 2020 10:50 am

~コーラルクロー~

コーラルクローは促されるがまま花のカーテンをそっとくぐる。自分が怪我して治療してもらうことは稀であり、ここに入るのは大抵、他の猫の用事で入ることが多い。このまま歳を取っていくと俺もここで世話になるのだろうか。

中ではスウェル族の中でもかなり年長の戦士、フローズンファングが薬を手慣れた様子で自分の体に塗りこんでいた。スパークリングバブルズの父親だ。
「コーラルクロー、お前、看護部屋に来ることもあるんだな」フローズンファングはコーラルクローを見つけると目を丸くさせた。

「いやいや違いますよ」コーラルクローはまさか、とおどけて目をぐるっと回した。「スパークリングバブルズにちょっとした用事なんです」

父親の隣に座った看護猫はふさふさしたしっぽを前足にかけ、首を傾げてコーラルクローを見た。「私に用事って何かしら?」

コーラルクローは軽く咳払いをすると口を開いた。「さっき族長の集会があっただろ? そのとき、浜辺に行くことがあれば看護猫は戦士を一匹連れていけ、と言っていたから」コーラルクローは前足で無心に地面を掻く。「もし行くことがあるのであれば…俺に行かせてくれないか?」

スパークリングバブルズの綺麗な瞳が驚いたように見開かれた。「頼んでもいいの…?」

「もちろんだ」コーラルクローは即答した。こんな小さな形ではあるが、少しずつでもいいから手助けができればいいのだが…。
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投稿 by へあている Sat Mar 21, 2020 7:55 pm

ディープポー

集会が終わると同時に、スパーリングバブルズは看護部屋に逃げこんでいった。それを追うように看護部屋に入っていく指導者を見て、ディープポーは驚いた。今日は正午に大岩に来いと、コーラルクロー本人が言っていたはずだ。そして、もうすぐ約束の時間である正午になる。
解散した戦士たちはさっそくパトロール隊や狩猟部隊を組み始め、見習たちは指導者に連れられて訓練に出かけていく。
ディープポーはイライラと尻尾を振り、つぶやいた。

「忘れちまったのか?」

何があったのかは知らないけど、先に待ち合わせ場所に行ってよう。いつかきっと来るはず。しかし、一歩踏み出したところで足を止めた。本当に忘れてたらどうしよう。風通しの良い日陰で一日ぼーっと過ごすのは絶対に嫌だ!体中痛くて今すぐにでも横になりたいけど、せっかく起きたんだから!あーどうしよう。そう考えながらうろうろしていると、いきなり誰かに肩をつつかれ、ディープポーは飛び上がった。副長のクオーツテイルだった。

「見習いがこんなところで何してる」

ディープポーは逆だった毛を舐めて整え、答えた。

「指導者のコーラルクローが看護部屋に行っちゃったんです」

クオーツテイルは看護部屋をじろりと見て、ああと頷いた。

「じゃあ今日はブラウンストライプと一緒に訓練しろ。ウェイヴ族との境界線あたりで狩りをすると言ってた。お前の指導者には俺が伝えとくから、さっさと行ってこい!」

ブラウンストライプ?弟子は…。ディープポーはまたため息をついた。ゴールデンポーだ。今日は1日、おしゃべりに付き合わされるんだろうな。ディープポーは尻尾を垂らしてのろのろと歩き出したが、後ろで怒鳴り声が聞こえ、慌てて走り出した。
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投稿 by ペタルドロップ Tue Mar 24, 2020 8:20 am

~コーラルクロー~

コーラルクローは肩で大きく息をしている弟子を見下ろした。「少し休憩するか?」

ディープポーがかぶりを振ったのを見て、コーラルクローは横になったままの弟子を立ち上がらせた。「じゃあ、一回でもできたら今日は終わりにしよう」

今日は訓練用の空き地で戦いの訓練をしている。ディープポーはできなくても諦めないところがいい。「いいか、ひねりの技は難しいが、できるようになれば戦いで常に役立つ。怖じ気づかずに、狙いを定めて敵の背中に飛び降りるんだ!」

灰色の見習いが起き上がり、再び離れたのを見るや、コーラルクローはディープポーめがけて突進した。するとディープポーはコーラルクローにぶつかる前に四肢で地面を強く蹴り、空中で体をひねると、走りを止めたコーラルクローの背中に着地した。

「やるじゃないか! ディープポー!」コーラルクローは弟子を褒めちぎった。「よくできた」

ディープポーはコーラルクローから飛び降りると、珍しく恥ずかしそうにしっぽを震わせた。「そうでもないですよ。一回しかできていないんですから」

「一度できればあとは慣れるだけだ」コーラルクローは安心させるように優しい口調でいった。「もう日も暮れてきたし、今日はここまでにしよう」

そう言った途端、ディープポーの腹の虫が小さく鳴った。ディープポーはすぐさまコーラルクローに向き直るととぼけた。「今の音…なんでしょうね?」

コーラルクローはその質問には答えず、微かにひげを震わせた。「狩りでもして帰ろうか」

途端にディープポーは目を輝かせた。その場を離れると弟子は岩陰に隠れるネズミを狙いに行った。


あの時ディープポーには申し訳ないことをしてしまったな…。コーラルクローは数日前のことを思い返していた。戦いの訓練をする約束を交わしたが、結局ディープポーは他の戦士に指導してもらっていたのだ。

約束の時間帯の直前、コーラルクローは薬草を取りに行く手伝いをしたいと看護部屋に言いに行った。しかし、まさか今すぐに取りに行くとは思っていなかった。コーラルクローは急いでキャンプで弟子の姿を探したが、既に灰色の見習いの姿は消えていた。

なんで俺は周りに気が配れないんだ? 目の前のことばかりに集中しすぎで他のことを考えられなくなる癖に嫌気が刺した。

コーラルクローはその苛立ちをぶつけるかのように魚をひと殴りしてしとめると、元の場所に戻っていく。

塩辛い海風が今日もコーラルクローのひげをなでていた。
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投稿 by レインステップ Wed Mar 25, 2020 1:09 pm

~スパークリングバブルズ~

族長は浜辺の薬草が全て引き抜かれていたことを言ってくれなかった!

スフェル族の看護猫、スパークリングバブルズは在庫の乏しい薬草を前に途方にくれていた。加えて、昨晩の大集会での族長のあまりに短い発言に苛立ちを覚えて、激しく白い尻尾を振っていた。
確かに、一族が薬草を切らしていることは口外したらまずいことになるかもしれない。しかし浜辺の異変については触れるべきだろう、というのが彼女の考えだった。

幸い、他部族の看護猫のうちの一匹がハマボウフウに代わる薬草を分けてくれると言ってくれたが、行くのは気が重い。看護部屋からすらも出たくないのに!

イライラと尻尾を振りながら、まるで檻の中の虎のように落ち着き無く看護部屋を歩き回る。
この前の薬草のことがあったので、同じ戦士には頼めない。いつも楽しげに仕事をしている妹の姿を見ると、声をかけづらい。父親はもう年寄りで遠征にはいけないし、母親は子猫の世話に忙しい!

「私にも見習いがいたら…!」

大集合の夜を思い出す。ストリーム族の看護猫のフォールドリーフが連れてきた、淡い青色の瞳が可愛らしい見習いの姿がまぶたの裏に鮮やかに甦る。確か名前はオーキッドポー。何て羨ましいのだろう。ストリーム族は永遠に安泰だ。

他の猫と会うのは苦手だが、それは戦士に限ってだ。自分が諦めた、輝かしい道を歩める戦士。
スフェル族には嬉しいことに、若い見習いや子猫が沢山いる。今はそのうちの一匹が看護猫を志望してくれることを願うしかない。

スパークリングバブルズは前任の看護猫、彼女の指導者だったブルークラウドを恋しく思った。ここにいれば、何かアドレスをくれたのに。そうでなくても、慰めの言葉くらいかけてほしかった。
彼、ブルークラウドは長老猫入りをしてからボケが酷かった。ついに雨の日の夜、キャンプから出ていったのを目撃されて以来、姿を消してしまった。
スフェル族には、爪を失った役立たずの看護猫しか残されていないのだ。

爪のない今、この看護猫は木登りすらできない。木に実る薬草の代わりになる、同じ効力を持つ薬草を探すのにどれ程の時間がかかったことか!それでも、全てとはいかなかった。毎年、季節の移り変わりには戦士に頭を下げて頼みに行く以外、選択がなかった。何て自分は役立たずなんだろう。

「…とにかく、私だけでサーフ族に行くしかないわね。」

看護猫になって唯一の利点は、争いに巻き込まれなくなったことだ。
勿論、好きなときに境界線を跨いで遊びにいくことはできないが(もしできたとしても、彼女はそうしないだろう。)道中襲われる心配がないことだけが、救いだった。
特に、スパークリングバブルズが爪を失ったのはどの部族猫にも大抵知られていたので、その心配はなさそうだった。もし襲われることがあれば…とまで考えて、スパークリングバブルズは毛を逆立てた。

それにしても心の広い部族だ。ストリーム族と戦うことになりそうな雰囲気だったのに、薬草を分けてくれるとは。
向こうからも、サーフ族では採れない薬草と交換だと言われたものの。
交換として言われた薬草が、看護部屋に比較的量のある薬草で良かった!

白い看護猫は、口一杯にお願いされた薬草を咥えて恐る恐る看護部屋の葉の隙間から顔を出した。
万が一誰かに見つかって、行くのを止められたら大変だ。これ以上、役立たずの看護猫だとは思われたくない。

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投稿 by ナルシスフェザー Thu Apr 02, 2020 5:53 pm

~ベルーガシー~

大集会を終えてキャンプに着いた。その途端にものすごい罪悪感を覚えた。

浜辺の薬草の件を話し忘れてしまったのだ。

あんなに覚えていたはずなのに・・・
スパークリングバブルズに申し訳なく思いながら部屋に戻り、眠りについた。

翌朝。クォーツテイルがパトロールの報告に来た。相変わらず二本足は浜辺に足を運んでいるようだ。
困ったものだ。これ以上薬草を抜かれてしまったらスウェル族は薬草不足に陥ってしまう。
若葉の季節ではあるが、まだ枯葉の季節の寒さを引きずりつつある。
二本足がこれ以上薬草に手を加えなければ良いのだが・・・

獲物を口にする。少し肉付きが良くなってきたようだ。
早く若葉の季節本番になって欲しい。
そう思いながら続きを口にした。
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