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雨音にまぎれて...~小さな命の叫び~

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雨音にまぎれて...~小さな命の叫び~ Empty 雨音にまぎれて...~小さな命の叫び~

投稿 by スポッツフルリール Sat Jun 25, 2016 2:30 pm

晴れ渡る空が、急な通り雨に見舞われた。
木のそばに置かれた箱から響く小さな鳴き声が、むなしくも雨音にかき消され、やがて聞こえなくなった。
湿った茶色い箱の横をある一団が、雨に濡れた草道を踏み分けながら通ろうとしていた。
「急に降るなんて、ほんとまいったな!」
焦げ茶色のたくましい虎猫が、小さく眉をひそめた。
「急いで帰りましょう、獲物がずぶ濡れになっちゃうわ」
淡いショウガ色の雌猫が、獲物をくわえているせいか、早口にそう言った。
その時、先を歩いていた黄金色の雄猫が、声を上げた。
「ふたりとも!ちょっと来てください!」
その声は、驚きと悲しみが入り交じっているようにも聞こえた。

スポッツフルリール
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投稿 by ⌒∇⌒ Sat Jun 25, 2016 2:32 pm

わー、面白いからガンバ Twisted Evil

⌒∇⌒
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投稿 by ライトプール Sat Jun 25, 2016 3:05 pm

新小説おめでとうございます!
雄猫は何かを見つけたのでしょうか.....
続きがとても気になります!!
更新がんばってください!応援してます!!

ライトプール
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投稿 by ヘザーストーム Sat Jun 25, 2016 3:13 pm

新小説おめでとうございます!
この猫たちは一体誰なんでしょうか…?
題名がとても素敵です!
更新頑張ってください!

ヘザーストーム
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投稿 by スポッツフルリール Sat Jun 25, 2016 3:27 pm

ありがとうございます!
短めが多いかもしれませんが、気長にお待ちください!
名前は読んでいく内に出てくるのでお楽しみで!

スポッツフルリール
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投稿 by lilystar Sat Jun 25, 2016 3:55 pm

スポッツフルリーツ 新小説おめでとうございます!題名に不思議な響きがあって面白そうですね!私には考えつかないような題名です!
執筆応援してます!!

lilystar
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雨音にまぎれて...~小さな命の叫び~ Empty Re: 雨音にまぎれて...~小さな命の叫び~

投稿 by スポッツフルリール Sat Jun 25, 2016 4:11 pm

そう言っていただけるとありがたいです!
頑張らせていただきます٩(*´︶`*)۶

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投稿 by ちくわ猫 Sun Jun 26, 2016 10:11 am

コメ失礼します。
新小説がんばってください!!
素敵な題名ですね(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
応援しています!
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投稿 by スポッツフルリール Mon Jun 27, 2016 12:13 am

「ライオンブレイズ?」
淡いショウガ色の雌猫が、黄緑の目を光らせた。
「一体、どうしたんだ?」
2匹は急いで駆け寄った。
「父さん...これ、見てよ...」
虎猫はぎょっとした。隣でのぞき込んでいた雌猫は、信じられないというような眼差しで、それを見ていた。
「サンドストーム。急いでファイヤスターに知らせに行ってください。」
「この子達はどうするの?」
サンドストームの声は、かすかに震えていた。
「俺と、ライオンブレイズで運びます。」
ライオンブレイズは、琥珀色の目を雌猫に向けた。
「...わかったわ。」
サンドストームは重い獲物をものともせず勢いよく駆け出した。
「俺達も急ごう。」
親子は箱の中から雨でずぶ濡れになり、汚れはてた子猫の首をそっとくわえた後、滑らないよう早足でその場を離れた。
「子猫、死なないよね?」
「ああ、きっと大丈夫だ。」
虎猫は、なだめるように優しく力強くそう言った。


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投稿 by スポッツフルリール Thu Jun 30, 2016 11:48 pm

一方、キャンプはいつもと何ら変わった事はなかった。
違うのは、雨が降っているということだけ...。
遠くから聞こえる雷鳴に雌猫は身を震わせた。
「急に降ってきたわね。さっきまであんなに晴れ晴れとしていたのに。」
白い雌猫は保育部屋から忌々しそうに、暗褐色に染まった空を見上げた。
「ほんとに。せっかく、散歩に行こうと思っていたのにね。」
「ねぇ!雨でもいいから行こうよ!」
「私も行きたい!」
子猫は目を輝かせ、無邪気に母親にせがんだ。
「だめよ。こんな雨じゃ、風邪を引いちゃうわ。グリーンコフにでもなったらどうするの?」
母猫は冗談はやめてと言うように子猫を叱った。
子猫達はうなだれ、落ち着かないようなのかしっぽをぱたぱたとふった。
「トードキット。ローズキット。仕方がないわ、デイジーの言う通りよ。」
「だって...」
白猫は2匹をしっぽで引き寄せた。そして、ふさふさとした毛で優しくなぐさめるように頭をなでた。
それから、雨音が響く中、浅い眠りに落ちた。

そんなほのぼのとした1日に、アナグマでもやってきたかのように空き地が一気に騒がしくなった。
「...」
「一体、何の騒ぎ?」
ねぼけまなこで空き地へ出ると、雨は止みつつあった。
「あっ!スノウシャイン!」
ショウガ色の雌猫が慌ただしく駆け寄ってきた。
「スクワーレルフライト?どうしたの?」
「子猫が、捨てられてたんですって!」
スノウシャインは一瞬、理解ができなかったがすぐ事の重大さに気づいた。
その時、キャンプの入口ががさっと揺れ動いた。








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投稿 by スポッツフルリール Thu Mar 30, 2017 8:02 pm

そこには副長が立っていた。焦げ茶色の毛が雨に濡れていっそう濃く見え、がっしりとした体格のせいか、一瞬、子グマでも現れたのかと思ってしまった。その口からは何かをくわえているのが見えた。

(まさか、あれが...?)
まるでしとめた獲物のように、体はぴくりとも動いていないように思えた。ぞっとして毛が逆立ったのを見ていたのか、隣にいたスクワーレルフライトがしっぽで背中をなでたのが感じられた。
「ブランブルクロー!その子達なのね?!」
リーフプールが、静かにざわつくキャンプで声を張り上げ、下りてきたブランブルクローに駆け寄った。
「ああ。早く見てやってくれ、ちっとも動かないんだ。」
副長の目は悲痛に満ちており、横にいたライオンブレイズはよほど驚いたのか、目を震わせている。
ジェイフェザーとリーフプールが空き地の真ん中で診察をしているそばで、族長を囲むように戦士や見習いが集まっていた。
「ファイアスター!これからあの子猫達をどうするおつもりですか?」
「まさか、また見知らぬ猫を仲間にいれるつもりか?」
あまり快く思わない猫達から非難の声が上がる中、族長はいつになく冷静にこたえた。
「見知らぬ猫...といっても、まだほんの子猫だ。命に別状がないとしても、しばらくはここにいた方がいいだろう。」
戦士達は不安げに互いの顔を顔を見合わせた。

スノウシャインはコケに含ませた水を使って、子猫の体を洗ってやっていた。
(今は話し合いに入るより、子猫を助ける方が先だわ。)
相変わらず動かない子猫を見て、不安はいっそう強くなるばかりだった。

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投稿 by スポッツフルリール Sat Apr 15, 2017 11:03 pm

それから数時間が経ったあと、子猫はなんとか一命を取り留めたがいまだに目覚めることはなく、何度かさすってみても、か細い体が小さく上下するだけだった。

(どうして、ああも飽きずに見ていられるんだろう?いつも何かあるごとに騒がしい戦士や見習いでさえ、もう自分たちの仕事に戻っているのに。)
目の前で子猫のそばに寄り添う美しい白黒の雌猫を見て、ジェイフェザーは不思議に思った。すると、こちらに気づいたらしく、しっぽを小さく一振りした。
「ジェイフェザー、来ていたのね。私は...どいた方がいいかしら?」
寂しさと悲しみが体からほとばしっており、こっちまで気持ちが沈むような気がした。
「いえ、じゃまにはなりませんよ。それに、その方が子猫の体があたたまりますし。」
「なら、よかった。」
それだけ言うと、スノウシャインは子猫の体に鼻をすりよせた。

しばらくして、リーフプールとファイアスターがやって来た。2匹に気がつくと、スノウシャインはゆっくり立ち上がり、しっぽを子猫にかけたまま座り直した。深緑の瞳が淡く光る。
「この子達をどうするか...ですよね?」

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投稿 by スポッツフルリール Sun Apr 16, 2017 11:49 pm

ファイヤスターが来る少し前、スノウシャインは夢を見ていた。
「夢をみるなんて、いつぶりかしら?」
空では星がまたたき、深緑色の静かな森を照らしていた。しばらく歩いていると一つの影が近づいて来るのが見えた。
「誰?」
声をかけつつも警戒を忘れず、ゆっくりと近づいた。数歩進んだところで、暗く淡い灰色の毛が見えた瞬間、緊張が吹き去った。忘れるはずがない、いや、私にとって決して忘れてはならない猫...。
「シンダーペルト!」
かつて、まだ幼かった自分の命を救ってくれた看護猫の元へ、喜びをあらわにしながらゆっくりだった足を速めた。すると向こうも、深い愛情をその青い目に浮かばせながら駆け寄って来た。
「こんなにいい時に会えるなんて。今、迷っていることがあるんです。」
額を合わせながら、スノウシャインは言った。
「ええ、分かっているわ。子猫達の事でしょう?」
「一体、私はどうしたらいいんですか?」
雌猫は迷う目でシンダーペルトを見つめた。
「あなたはどうしたいの?それに、もう心に決めていることがあるんじゃない?」
元看護猫は優しくうかがった。
「私は...あの子達を育てたい。」
スノウシャインは悲痛な面持ちで、そして、あまりにも早くスター族の元へと行ってしまった我が子を思い出しながら答えた。
「なら、自分の思いに従いなさい。大丈夫、あなたならやりとげられるわ。」
それだけ言うと、シンダーペルトの体は少しずつ薄れ、空の星久へと溶け込んでいった。
「待って!まだ行かないで!」
だが、そこに雌猫の姿はもうなく、森の静けさだけが残っていた。それと同時に、スノウシャインにもう迷いは無くなった。
「思いに従う...。そうよね、最期は自分ではっきりと決めなくちゃ。」
そしてゆっくり、夢の世界が閉じていった。

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