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生と死を越えて愛し合った2匹の猫

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Fri Jun 19, 2020 4:23 pm

⚠4期を全て読んだ方だけお願いします。ネタバレあります

⚠原作とは違います

⚠原作の猫視点も出てくるので多少性格が違うことがあります

⚠ある物語の続編です。その物語を読んでください(下にある)

⚠何匹かキャラ崩壊しています(主に連れ合いや子どもに)

⚠最初は4の2期の段階からスタートします

以上クリアな方のみ(それで読みたい方は)お願いします!





こんにちは!ナイトブルーです

前回初めて残酷な真実〜真実は常に絡み合っている〜を書かせていただきました(これ本家でしたね…間違えました)

題名を見て気づいた方もいるかもしれませんが(いたら嬉しいです)これは続編です。もちろん主人公はアザレアファー(アザレアキッド)とシスルポー(シスルキッド)です!あと、ライオンブレイスもかな…?

ライオンブレイスはこんなこと言わない!とかあるかもしれませんが、どうか御容赦下さい🙇

あと、ライオンブレイスとシンダーハートをくっつけていますし、スクワーレルフライトとブランブルクローもくっついています。ライオンブレイス、ジェイフェザーとリーフプール、スクワーレルフライトも仲直りしています

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Fri Jun 19, 2020 4:30 pm

ライオンブレイスは保育部屋を行ったり来たりしていた

「ジェイフェザー!生まれたか?」

まだか?遅くないか

「まだだよ!もうベリーノイズみたいだな!」

「シンダーハート…大丈夫か?」

「え、ええ。こんなに…お産が辛い…ものだとは…知らなかった」

「大丈夫だよ!僕がついてる」 

「兄さんはどっか行ってくれないか?ついてなくていいから」

そんなジェイフェザーの言葉は無視された。





「産まれたぞ」

「何匹だ?シンダーハートは?大丈夫か?子猫たちは生きてるか?雄と雌どっちだ?」

「そんなにいっぺんに答えられないよ」

ジェイフェザーは自分の兄がここまでとはと頭を押さえた。

本当に好きなんだな

「私は大丈夫よ…ライオンブレイス」

「子ども達は?」

「4匹よ…」

最後の1匹がライオンブレイスの方を向いた。

まだ目は見えていないはずだが…

というかこの猫、青みががった灰色だがシンダーハートも自分もそんな色じゃない…

だいたい、青みがかった灰色なんてミスティスターくらい…

まさかな

そんなこと…

「おお!ブルースターに似てる子だな」

「ファイヤスター!」

「いや、それよりもミスティスターに似ていないか?」

「お前もそう思うか?ジェイフェザー。でも、それよりも…」

「ストーンファーにもそっくりだ」

「ねえ、この子どっちに似たの?だいたいライオンブレイスの子達なの?」


「そうですよ!この子ライオンブレイスにそっくりでしょう?」

シンダーハートが他の1匹を指さす

「確かに…」

「それに今その色はミスティスターしかいないし…」

「なあ、シンダーハート、この子の名前決めていいかい?」

「え、ええ」

「この子の名前はシスルキッド…誰よりも愛情深い猫だよ」

「他の子は…あなたに似ているのがレッドキッドで、こっちがマローキッド。最後はドーンキッド」

その時、リヴァー族でも子猫が生まれていた


最終編集者 ナイトブルー [ Fri Jun 19, 2020 6:08 pm ], 編集回数 1 回

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Fri Jun 19, 2020 5:17 pm

「我がサンダー族では、新たに4匹の猫が仲間入りした。ドーンキッド、マローキッド、シスルキッド、レッドキッドだ。」

僕の子どもの事が出たぞ!

そう、ここは大集会だ。

「ねえ、1ついいかしら?」


「どうぞ、ミスティスター」

「シスルキッドってブルースターに似てる?」


「えっと…それはどういう?」


「似てる?毛の色とか」

ファイヤスターは一瞬質問の意図を考えたが思いつがずに答えた


「ああ、似てる」


「じゃあ親は?親は誰?」
 
大集会がザワザワする。こんな風に族長が食い下がったことはあまりない。


もしかしてミスティスターは子猫を狙おうとしてるのか?


「シンダーハートとライオンブレイスだ」

「シンダーハートは灰色よね?ライオンブレイスは黄金色の猫。やっぱり…」


「ミスティスター、どういうことだ?」


「いいえ、なんでもないわ。ごめんなさいブラックスター。
話を遮って悪かったわ、ファイヤスター」

「ああ、サンダー族からは以上だ。」

ファイヤスターはそう言って、ミスティスターに目を向ける


「リヴァー族でも子どもが2匹生まれました。ブラックキッドとラーチ…」


ミスティスターの言葉をライオンブレイスは考えてしまった。

彼はシスルポーに似ている。


もしかしたら死んだ息子の代わりに奪おうとしているんじゃないか?

そうしたらリヴァー族とサンダー族は戦わないと行けないのか?

「おかえり、大集会はどう?」
 
シンダーハートはお産の直後な為大集会には出ていない。

アイヴィーポーの指導者も今は違う猫だ。

「なんかミスティスターが僕達の子どもの事を聞いてきたよ。特にシスルキッド」


「ミスティスターにも似ているものね、息子の代わりに欲しいとか?」


「冗談じゃない!」

ライオンブレイスは思わず怒鳴りそうになった。それから子猫達の方をむく

「お前たちただいま」

「おい、ライオンブレイス」

「なんですか?ファイヤスター」

「ミスティスターの発言はどんな意図があると思う?」

「子猫が欲しいとか…」

「やっぱりシスルキッドってつけたのはまずかったかしら?」


「うーん…でもこの子はシスルキッドって感じがしたし…」


ライオンブレイスは確かにあの時感じたのだ。シスルポーの聡明な雰囲気を。その時アザレアファーの事は知らなかったが、その誰かをずっと思い続ける雰囲気が。

「まあ、子猫は何があろうと渡さないから安心してくれ」

「ありがとうございます。族長」

ああ、あれはどういう意味だったのだろう

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「ライオンブレイス、リヴァー族がきましたよ!」

「ダウポー!どんな猫だ?」

昨日の事もありライオンブレイスは心配した

「ミスティスター…です」

ダウポーも昨日のことは知っている


「それと子猫ともう1匹…雌猫です。戦士だと…あとモスウィングです」

子猫…?戦士にモスウィングは分かる


温和に話したいならモスウィングだし、戦闘する時に雌猫は必要だ。モスウィングも戦えるし下手に看護猫には手が出せない…

でも、子猫はただの迷惑だ

「見習いってことは…?」


「生後1ヶ月くらいですからありません。ブロークンスターでさえやりませんよ、そんなこと。あ、近くにいます!」

ライオンブレイスは偶然を装い、ミスティスター達に近づいた。

「こんにちは、ミスティスター」


「こんにちは、ライオンブレイス。ファイヤスターに話があるの。キャンプまで連れて行って貰えないかしら?」

「分かりました」

何を企んでいるんだ?

「子猫持ちましょうか?」

「ええ、お願いできる?疲れちゃって、まだ子猫だから」

まだ子猫…確かにこの子は子猫だが、その言い方にライオンブレイスは違和感を覚えた。

「そうそう、シスルキッドも連れてきてくれない?ファイヤスターとの時」

「僕もいいですか?」

もし、ないとは思うがミスティスターがファイヤスターを殺したりして子猫を持って逃げようとしたら


またはファイヤスターを殺すために子猫を持ちだとしたら…


「もちろん、えっと良かったらシンダーハートにもいて欲しいわ」


え…?シンダーハートと僕はシスルキッドの両親だ。


やっぱり奪う気なのか?


「ところでその子はなんて言う名前ですか?」


ダウポーが質問する。


「アザレアキッドよ」 


「どこか彼女と似ていますね」

強い瞳。ライオンブレイスは彼女の事は嫌いではなかった。

考えは違った。彼女は何よりも恋愛を優先するから。

それでも自分と同じ強い意志を持っている。


友達になりたかった

「ええ…だから、」


「ミスティスター!どうしたんだ?」

「ファイヤスター!突然ごめんなさい、シスルキッドを連れてきてくれない?あと、シンダーハートも」

やっぱり…
「ああ」

「彼女も同席させていいかしら?あと、あなたの信頼できる猫ももちろん。」

「わかった。ライオンブレイス、子猫とシンダーハートを。サンドストーム、ダストペルトを探してくれ。ダウポー君はブランブルクローとスクワーレルフライト、グレーストライプを」


「シンダーハート、シスルキッド」

「パパ!パパ!おかえり」

「ただいま、シスルキッド…来てくれるか?」


「うん!」


「この子本当にあなたのことが好きなのね」


「ママも好きだよ僕」


「じゃあ行こう、シンダーハート、シスルキッド」


「なんですか?ファイヤスター」

「シンダーハート、話がある。体調は?」

「大丈夫です…なぜ、リヴァー族の猫が?」

ライオンブレイスはゾッとした。ミスティスターがシスルキッドを見た時、ほんの一瞬愛情が見られた。

やっぱり本気でとる気か?

「よし、じゃあ話そうか。族長部屋で」

「お呼びですか?ファイヤスター」

「ああ、ブランブルクロー。スクワーレルフライトは?」


「彼女は獲物を置いたら来ます」

ブランブルクローの言い方には愛情がこもっていた。


昔、あのことで2匹は不仲に(というかブランブルクローが)なったが、あのブラット族の戦いでスクワーレルフライトに後悔のないよう「愛してる」と伝えたのだ。


あの時、僕らも彼女らを許した。

リーフプールが僕が殺したと思ってから夜な夜な悲しみ、

ナイトテイルが僕をあの戦いで自ら殺そうとした時、リーフプールは僕を命懸けで守ろうとした(その必要はないが)

それで僕は「母さん」と呼んでしまい、本当に2匹が僕らを愛していると知り許した

「ファイヤスター!何かしら?」

「話だ。ダストペルト、グレーストライプもありがとな」

「じゃあいいかしら?ファイヤスター、この子をシスルキッドに記憶を戻させてもいいかしら?」


「え?あ、ライオンブレイス?」

(いや、なんのことだよ)

「あなた、彼がどんな猫だとしても私たちの子どもよね?」


「もちろん」

ライオンブレイスは頷いた


「じゃあ構いません。それでシスルキッドが幸せになれるなら」


「それは保証するわ」


ミスティスターは前にでてシスルキッドに近づき、何かを囁いた。

「ねえ、シンダーハート。なんて言ってた?」

ライオンブレイスは連れ合いに聞いた


「リヴァー族を覚えていない?私を覚えてない?シスルポー」
どういう意味だろうか?


いや、まさかな…でも…

「はあ…やっぱり私じゃダメね。じゃあムーンシャイン。アザレアキッドをこっちに」

ムーンシャインがアザレアキッドをシスルキッドの前に置く


「シスルキッド、アザレアキッドを見て。アザレアキッドもシスルキッドを見て」


「…」


「…」


「「シスルポー!(アザレアファー!)」」

「「「「「「え?(まさか!ほんとに…)」」」」」」


「やっぱり…」

「会いたかった!」


「僕もだよ!」

「あなたは死んじゃったんじゃないの?」


「そう思ってたさ」


「私もよ。ああ、スター族様本当に本当にありがとうございます!」 


ここに集まったのは主に年長の賢い戦士たちだ。

でも、みんなは驚いていた


「ファイヤスター、この子引き取ってくれない?」

ファイヤスターはびっくりしているみたいだ


「…」

ミスティスターは続ける


「このまま引き離すの酷でしょう?大体なんで他部族なんだか」


「ライオンブレイスは離す気0だし、ムーンシャインは我慢するって。」 

「ちょっと待ってくれ!この子はあのシスルポーとアザレアファー?」

「そうよ」



・・・



「「「「「「ええー!(やっぱりか…)」」」」」」


「だから、離したらこの子達明日にでも夜逃げするわよ?」




「監視します」


「バカね、『ブルースターの再来』よ?頭いいわよ?」


「君も親バカだな、ミスティスター」


「あら?それをあなたが言うかしら?ファイヤスター。だいたい強い戦士も親バカなのは多いでしょう?」


「父さんが親バカ?」


「知らなかったのスクワーレルフライト?」


「大集会の度に娘は可愛いとか、スクワーレルフライトは将来俺ににるとかリーフプールはサンドストームに似てるとか」


「ダストペルトも親バカですよね?」


スクワーレルフライトはかつての指導者を見る


「何言ってるんだ?俺は親バカじゃない!嫁バカだ!」


「…」


「ああ、そうでしたそうでした。でも、ライオンブレイスもそうよね?」


「僕はどっちでも…」


(なんで僕にふるんだよ!)


「でも1番親バカはファイヤスターだよ!」


「ゴホン、その話はどうでもいいんだ!」


「ファイヤスターが可愛く見えた」


「分かるわ」


「それで、ミスティスター」


「ええ、一緒にしてあげましょ、アザレアキッド?」


「離れません」


「僕もです」


「俺たちも見習わないとな」


「ちょちょっともう!ブランブルクロー!」


「今夜デート嫌か?」


「嫌なわけないでしょ、バカ。」


「ここにソーンクローがいなくて良かったな」


「同感」


「ブランブルクロー、お前今日パトロール5つ率いて狩りで獲物100とってこい」


「ファ、ファイヤスター?」


「父さん、だめ?キラキラ」


「わ、わかった。今日はそんなにやらなくていい」


「話を本題に戻しません?」


「そうだな、ライオンブレイス」


「それでアザレアキッドを預けたいの!」


「彼女はサンダー族に忠実になれるか?」


「なれるわ!」


「何故言いきれる?」


「シスルポーがいるからよ!だいたいね、彼女がリヴァー族に忠実だったことある?そう、ないのよ」


「幼少期から不当な扱い受けてきてあまり好きにはなれませんね」


「でも、彼女は!」


「それはシスルポーがリヴァー族を愛していたから。シスルポーがサンダー族を大事に思ってるのなら彼女もサンダー族を大切に思うわ」


「だいたい、シスルポーはどうなんだ?」


「それはあなた達の問題でしょう?まあ、ライオンブレイスに手放す気がなければね」


「あるわけないでしょう?」


「じゃあこの子は任せたわ」


「じゃあ乳は、シンダーハート君に任せる。そうだな、ダストペルト。君達が彼女の親代わりになってくれ」


「スクワーレルフライト、君たちも親のように心配してやってくれ、グレーストライプ君もだ。」


「いいか?彼女らの1度目の人生の二の舞はしてくれるなよ?」

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Fri Jun 19, 2020 6:04 pm

「なあ、シンダーハートどうする?」


「私たちはこれからも親のように接して行くしかない。というか、ライオンブレイスあなたもそうしたいでしょう?」


「もちろん、だけどさ…正直いって彼には良い親がいただろう?子育てが初めての僕達にちゃんと接してくれるかな?」


「大丈夫、それにシスルキッドしか居ないわけじゃない」


「レッドキッドも、ドーンキッドもマローキッドもいるわ。レッドキッドなんてファイヤスターそっくりよ」


「ドーンキッドとマローキッドは君に似てるじゃないか」


「レッドキッドはあなたにも似てるわよ」


「まあ僕とファイヤスターを足して2で割った感じだな」


「ぱぱ!」


「どうした?レッドキッド」


「あそんで!」


「ずるい、私と遊んで」


「僕も」


「人気なパパだこと」 


「嫉妬かい?大丈夫さ、僕も嫁バカだからね」  


「私達も夜デート行かない?」


「もちろん、喜んで」 


このままの生活がずっと続きますように、ライオンブレイスは願った。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「ゲッ!せっかくのデートスポットが!」


そこに居たのはブランブルクローとスクワーレルフライト


「いい歳して!全く」


「ああ、お前もそう思うよな?」


「ファイヤスター!どうしてここに」


「サンドストームとデートしてたんだ」


あんたらの方がいい歳してるじゃねーか、ライオンブレイスはそう思わずにはいられなかった


ガサッ


「なんの音だ?」


「デートに来た奴では?最近多いし」


「そうかもな」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「ライオンブレイス!」


「もう…少し…寝かせて…ムニャ…zzz」


「起きて!」


「ネズミとるから…」


「シスルキッドがいないの!」


「えっ!」


(起きるの早)


「シスルキッドとアザレアキッドがいないの!」


「嘘だろ…」


「どうしようねえ、ライオンブレイス」


(やっぱり私たちじゃだめ?リヴァー族じゃなきゃ?)


「昨日行った場所!」


「まだ寝ぼけているの?」


「違う違う、昨日行った場所!ガサッて音!」


「あー!探してみよう」


「族長には?」


「伝えたわ!今ブランブルクローがファーンクラウドとスクワーレルフライトとクラウドテイルと捜索中」


「あの子達じゃなかったら遊びに行ったと思うんだけど」


「私達も行きましょ」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「グースーグースー」


「いたわ」


「アザレアキッドだけだけどね」


「アザレアキッド、起きろ」


「うわぁぁぁぁぁぁ」


「シスルキッドの声!」


「行こう!アザレアキッド…どうしよ?」


「私1回キャンプまで伝えて応援要請してくる」


「ああ!」


(あなたは死なないって知ってるけどやっぱり怖い…)


元々、シンダーハートはライオンブレイスと連れ合いになることを怖がっていた。


それでも彼が暗殺されかかった時、1秒1分でも彼と一緒にいて彼との愛の結晶がほしい…そう思わずにはいられなかった。


「ブランブルクロー!急いできてください!あっちでシスルキッドの…」


「ああ、今行く」


「ダウポーもいたの?」


「はい…」


「この子キャンプまで頼める?」


「分かりました」 

シスルキッド…私はあなたを失いなんてしないわ!

「シンダーハート!シスルキッドは無事だ」

ライオンブレイスの大声が聞こえる

「よかった!」

ああ、スター族様ありがとうございます

「じゃあ何があったの?」

「さっき浮浪猫がいた」

シンダーハートはライオンブレイスを見つけそばに行った

「シスルキッド!何やってるの?あなた2匹で出ていこうとしたの?」

シンダーハートは怒鳴る。

「ち、違います。申し訳ございませんでした。シンダーハート」

「どういうことか聞かせてもらおうか?」

ライオンブレイスも心配のあまり怖くなっている。

「自分達が子猫な事を忘れてつい…再会した喜びでデート…しちゃって…申し訳ございませんでした」

「お前は子猫だ!今回は反省しているからいいけど、俺だけじゃないんだ!周りの猫まで迷惑をかけた。それに…心配した!
…無事でよかった」

「ええ、ライオンブレイスが全て言いたいことを言ってくれたからいいけど、ここしばらくは見張らせてもらうわよ?」

「わかっています」

「あと、敬語やめろ」

「え?」

「俺たちは両親だ」

「でも、気持ち悪いでしょう?」

「そんなことは無いさ」

「そうよ」

「ありがとうご…ありがとう。ラ…父さんと母さんは被るし…」

「パパとママはどうだ?」

ライオンブレイス…あなた凄く親バカね

「えっと…パパ、ママありがとう」

「よし、みんなにも謝るんだぞ?」

「うん!」

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「いいか?お前たち絶対にこんなことはするな!

お前たちは子猫なんだ!」


「申し訳ございませんでした」


「ごめんなさい…」


私たちは現在キャンプのど真ん中で怒られている。


まあ最もこの怒りは探した手間より心配から来るものだし、
私たちのしたことは軽率すぎた。


「まあまあ、ファイヤスターその辺にしとけって」


ついでに族長にタメ口を使えるこの猫は、ファイヤスターの大親友で、元サンダー族副長のグレーストライプだ。


「でも… 」


「ライオンブレイスだって抜け出したし、君だって見習いのころ色々やったじゃないか!スクワーレルフライトもなかったか?


「俺の子孫は全員問題児か?」


「まあ君の血をついでるからな」


グレーストライプが面白そうに喉を鳴らす。


ファイヤスターは一瞬睨んだが、直ぐに


「お前の子が真面目なのは理解できないな、グレーストライプ。いいか?お前たち今度はないぞ」


「わかっています…」


「はい…すみませんでした」


「じゃあ部屋へ戻ってゆっくり休め」


ファイヤスターは優しい声で言った


「ふぅ…あんなに怒られるの久しぶりだね」


「そうだな、最後は見習いになって3日目だったよね」


確かあれは…


「シスルポー!」


「なぁに?アザレアポー」


「夜中冒険しよ」


「怒られちゃうよ」


「分かってるよ…」


「まあいいよ!君とのナイトデートも楽しそうだもん」


「うん!じゃあ夜ね!」


・・・


「うわぁ…暗いね」


「ね…競走しようよ」


「いいよ!うーんどこまでにする?」


「うーんとシャドウ族の近くは?」


「いいよ」


「よーいドン」


「僕の勝ち!」


「負け…た」


「疲れちゃったね…」


「ね……zzz」


翌朝


もちろんキャンプは大騒ぎで、リードウィスカー率いるパトロール隊に見つかるまで、2匹は寝ていた


「あなた達何したか分かってる?」


「「申し訳ございませんでした」」


「申し訳ございませんでした?何したか聞いてるの」


「夜勝手に抜け出し…」


「シャドウ族の近くに行き」


「そこで眠りに着きました」


「そうね…そのために何匹が探したと?」


「分かりません」


「パトロール隊4つも出したの!そのせいでみんな疲れているしお腹も空いている。なのに、狩りの部隊が出ていないから獲物は少ないの!」


「はい…」


「あなた達には失望したわ、シスルポー、アザレアポー。
シスルポーは族長の所へ行きなさい。アザレアポーは今日1日狩りをして明日から3日キャンプで有意義な仕事をしなさい?」


「はい…」


「ああ、それからわかっているとは思うけどあなたは今日は獲物をたんまり捕まえないとご飯ないわよ?」


「えぇ…」


「何か言った?」  

「いえ、何も」


ただでさえ怒られる事なのに、指導者が副長と族長なため普通の2倍怒られ、さらにシスルポーは母親からも怒られたので(アザレアポーは母親がすごく悲しそうに「今度こういうことしたらお母さん一生あなたと口聞かないわ」といった) 
絶対にやらないように2匹は誓った。





「いや、私たち寝すぎじゃない?」


「いや、さっき寝てたのは君だけだよ」


「その前にシスルポーも寝てたもん!」


「それはそうだけど…てかこん時辛かったな」


「シスルポーは罰なんだっけ?」


「レパードスターと気が狂うんじゃないかって言うほど戦わせられた。次の日全身動けなかったけど狩りするんで大変だった」


「Wow…」


「族長らしいよね… 」


「ええそうね」  

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Fri Jun 19, 2020 6:36 pm

サンダー族


ファイヤスター(炎の星)…炎の色の毛をもつサンダー族族長




ブランブルクロー(イバラの鉤爪)&スクワーレルフライト(飛ぶリス)…無事仲直りした


ライオンブレイス(ライオンの炎)…琥珀色の目を持つ、黄金色の虎柄の雄猫。シンダーハートの連れ合い。ダウポー(ハト足)の指導者。シンダーハートとの間にレッドキッド、ドーンキッド、マローキッド、シスルキッド


シンダーハート(消し炭色の心)…灰色の雌猫。シンダーペルトの生まれ変わり。ライオンブレイスの連れ合い。アイヴィーポー(ツタ足)の指導者。ライオンブレイスとの間にドーンキッド、マローキッド、レッドキッド、シスルキッド


ダストペルト(土毛皮)&ファーンクラウド(シダ雲)…
熟年夫婦。子どもはスパイダーレッグ、バーチフォール、アイスクラウド、フォックスリープ


ジェイフェザー(カケスの羽)…青い目をもつ、灰色の縞柄の雄猫。看護猫。星の力を持つ1匹。


リヴァー族


ミスティスター(かすみ星)…青みがかった灰色の雌猫。リヴァー族族長
シスルポー(故)とムーンシャイン達の母。


ムーンシャイン(月の光)…黄金色の雌猫。ロビンクローと別れ、アザレアキッド、ラーチキッド、ブラックキッドを産む。


アザレアキッド(ツツジの子猫)…ムーンシャインの子ども。誰かの生まれ変わり…?三毛柄に緑の目を持つ雌猫。


ラーチキッド(カラマツの子猫)…ムーンシャインの子ども。黄金色の雄猫。


ブラックキッド(黒い子猫)…ムーンシャインの子ども。黒い毛に黒い目を持つ雄猫


シャドウ族


ロビンクロー(駒鳥爪)…ムーンシャインの子どもの父親。

どの部族にも属していない猫

アプリコットハート(杏心)…元ウィンド族。浮浪猫に加勢し、アザレアファーを殺そうとしたことで追放

ナイトテイル(夜しっぽ)…元サンダー族。ライオンブレイスを2度暗殺しようとして、シスルポーを実際に殺したことで追放


死んだ猫(星のない世界)
スノーストリーム(雪の小川)…ミスティスターやシスルポー、アザレアファーを殺そうとしてアザレアファーと相討ちした。ホークフロストとどちらも子どもが欲しくて(スノーストリームは洗脳のため、ホークフロストは権力のため)子を作った。

ホークフロスト(鷹霜)…アザレアファーの父親

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投稿 by ナイトブルー Fri Jun 19, 2020 8:18 pm

前世


アザレアファーは?


タイガースター ---ホークフロスト
                                          | ------------------アザレアファー
                             スノーストリーム




シスルポーは?


ブルースター   ストーンファー
           |-------------
オークハート    ミスティスター     ムーンシャイン
                                     |-----------------
                                   ?                    シスルポー
                          
今世 


アザレアキッドの家系図


ブルースター   ストーンファー       ロビンクロー
           |----------                                          |-----------------アザレアキッド
オークハート   ミスティスター  ムーンシャイン
                                     |--------------
                                   ?                シスルポー


シスルキッドの家系図

ファイヤスター   スクワーレルフライト
          |   -------------
サンドストーム    リーフプール
                                          |----------ライオンブレイス
                            クロウフェザー             |---------------シスルキッド
                                                     シンダーハート








ついでに前世の頭脳や考え方、見た目は受け継いでいるが、狩りの才能だけは今世のものなため、シスルキッドは魚をとれない。

何故シスルポーが死んでいないのか?

普通なら死ぬところだが、シスルポーの思いが普通ではなかったため、魂だけがこの世に残ってしまった。
魂が突如、シンダーハートに吸い込まれシスルキッドになった。

アザレアファーは?

これはシンダーペルトで言うところの『戦士になりたかった』が
この場合の『彼と家庭を作りたい』という強い思いになった。

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投稿 by ナイトブルー Sat Jun 20, 2020 3:05 pm

「でも、どうするんだろう?」

「サンダー族に浮浪猫だもんね」

「アザレアキッド、こっちに来なさい」

「はい、お母さん」

シスルキッドはアザレアキッドを見た。

「なにかついてる?」

「いや、敬語じゃなくても大丈夫じゃないかなって」

「でも、私はどこにいても嫌われ者だから」

「アザレアキッド、大丈夫」

「…わかった、努力する」

「早く来なさい」

「シスルキッドも来い」

「うん!パパ」

シスルキッドはライオンブレイスの元へ駆けつけた。

「自分で獲物を捕まえられる年齢の者は、全員ハイレッジの元へ集合しろ。一族の集会を始めるぞ」

僕なんで参加してるんだ?

「伝えることが2つある。1つはサンダー族の縄張り内に浮浪猫がいた。」

一族がザワザワとしている。

「静かに!」

ブランブルクローが叫ぶ。

「ありがとう、ブランブルクロー。それでパトロールを強化する」

「ファイヤスター!それ何日のことですか?」

「今日の朝だ」

「待ってください!」

「どうしたブラクンファー」

「今日は子猫たちを探すためにみんな歩き回っていました。誰も見たものはいないのですか?」

「いるか?」

一族全員が黙る。確かにどうやって入ったのだろう?

「ファイヤスター!発言をいいですか?」

「どうした?スクワーレルフライト」

「可能な猫は1匹しか居ないと…」

「ナイトテイルのことか!?」

シスルキッドは震えてしまった。怖い、またこの幸せが奪われるかもしれない

「そうです」

「ああ、そんな」

「リーフプール!あなたのせいではないわ。育てたのは私よ」

「いいや、お前のせいじゃない。俺も一緒に育てた」

「スクワーレルフライト、あなたでもブランブルクロー、あなたのせいでもないわ。私の…」

「みんなのせいじゃない」

「僕のせいだ。ナイトテイルが殺したがっていたのは僕だ」

「そんなことは無い、サンダー族で責任を負うのは俺だ。でも、今はそんなことはどうでもいい…パトロールを強化しろ。ブランブルクロー」

「わかりました」

「あともう1つ、今回新しく猫を受け入れることになった」

一族から批判の声が上がる

「またかよ…」

「ファイヤスター、サンダー族は部族猫の集団じゃなくなりますよ」

「今度は飼い猫?それとも浮浪猫?単独猫?」

「一門の猫かもね」

「それは大丈夫だ、部族猫だからな」

「「「「「え?」」」」」

「攫ってきたの?それともタイガースターが居て危ない目にでも?」

「何族ですか?」

「リヴァー族だ、アザレアキッドこっちに」

アザレアキッドが前に出る

「アザレア…キッドです…よろしくお願いします」

アザレアキッドは緊張しているみたいだ、まあ部族にいい思い出がないからだろうけど

「リヴァー族と戦いになりますよ?」

「ファイヤスター頭どうかしちゃったのか」

「クラウドテイルは相変わらずだな」

「そうなの?パパ?」

「ああ、そうだ」

「ミスティスターから頼まれたんだ」

「ええ?」

「それ絶対罠よ!」

「マウスファー、どうしてそう思うんだ?」

「だって他の部族に大切な子猫を預ける?」

「親は誰なんですか?何と?」

「まずマウスファー、罠だとして大集会で我々を咎めて何が手に入ると思う?それにミスティスターはそんな事しない」

「分からないわ、他の部族と争わせるのかも。それに、ワンスターの時もそうだったわ」

その話は聞いたことがある。長老に昔2匹は仲良かったって

「そして、親はムーンシャインだ、彼女も納得している」

それには疑問の声が上がった。ムーンシャインがミスティスターの娘ということはみんな知っているらしい

「なら余計におかしくない?」

「理由はなんと言ってるんだ?」

「彼女はアザレアファーの生まれ変わりだ」

「えぇ?」

「生まれ変わり?」

「それはほんとうですか?」

「証明できるのか?」

「アザレアキッド?」

「皆さんの名前は分かります。あなたがマウスファー、ソーンクロー、スパイダーレッグ、ダストペルト、ファーンクラウド、ライオンブレイス、ジェイフェザー、ブランブルクロー、スクワーレルフライト、フォックスリープ、ダウポー、アイヴィーポー、バーチフォール、ホワイトウィング、クラウドテイル、ブライトハート、ポピーフロスト、ベリーノウズ、マウスウィスカー、ヘーゼルテイル、グレーストライプ、ミリー、ソーレルテイル、ブラクンファー。まぁ他にもいらっしゃるとは思いますが…」

「それは覚えただけじゃ…?」

「じゃあ、私とシスルポーが子猫の時川に落ちてリーフプールに拾われたというのは?」

「リーフプール?」

「え?ああ、そうよ」

「そんなこともあったな!よし、じゃあこれで分かったか?」

「でもファイヤスター!そしたら何故余計に…?ミスティスターは自分たちに?」

「そうよ、アザレアファーっていったらミスティスターの弟子で…まさか!?」

「そのまさかだ、マウスファー」

「どういう事ですか?」

「アザレアファーって生前すごく愛している猫がいたでしょう?」

「シスルポーとかでしたっけ?」

「そうよ、そして一族にはシスルキッドがいるわ」

「シスルキッド前に来い」

やっぱり呼ばれたか…

「皆さん!僕はシスルポーです。元リヴァー族で親はミスティスター、姉はムーンシャイン、指導者はレパードスターです。」

ああ、気味悪いと馬鹿にされるだろうか?

それとも追い出されるだろうか?

意外にここでは楽しくやれた。

ライオンブレイスもシンダーハートも良い親だった。

これから僕達はどうしようか

「そんな猫が部族に忠実でいられますか?」

「シスルキッド?」

「僕はサンダー族に忠実です。もし、皆さんがアザレアキッドをいじめなければ」

彼女をいじめるリヴァー族を愛していると同時に憎んでいた。

「アザレアキッドは?」

「私も忠実です」

まあ、だいたいアザレアファーはリヴァー族に忠実ではなかった。

「でも、」

「これについて俺は意見を変える気は無い!集会は終わりだ!」

「ブランブルクロー!」

アザレアキッドどうしたんだ?

「あなたは私の事受け入れてくれますか?」 

ブランブルクローはじっとアザレアキッドを見た。

受け入れないと言ったら?どうしよう

「もちろんだ」

「よかった!私アザレアファーの時父親はホークフロストなんです」

「全然似てなかったな」

「ええ父も母も悪でしたが、あなたが親戚って知り嬉しかったです」

「俺もだ」

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Sat Jun 20, 2020 4:21 pm

追加

ライオンブレイスとシンダーハートの子供たち

ドーンキッド(夜明けの子猫)…灰色の雌猫

マローキッド(アオイの子猫)…灰色の雄猫

レッドキッド(赤い子猫)…炎の色をした雌猫

シスルキッド(薊の子猫)…青みがかった灰色の雄猫。シスルポーの生まれ変わり

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Sun Jun 21, 2020 9:19 am

「ドーンキッド、遊ぼ!」

「レッドキッド…いいよ!でもさ、マローキッドとシスルポー誘おう」

「マローキッド!シスルキッド知ってる?」

「あいつどっかに行ったよ」

「いっつもアザレアキッドのとこだよね」

「ね、気味悪いし」

「気味悪い?」

「「「パパ!」」」

「シスルキッドを気味悪いといったか?」

「「「うん」」」

「お前ら、姉弟は大切にしろ。いいか?せっかくいるんだ」

「パパも4匹いたんだよね?」

馬鹿なマローキッド、聞いちゃダメだよ

「四人兄弟だ…もう会いたくてもあえないんだよ。だからな、大切にしろ」

「うん…」

「シスルキッドにはお前たちとも遊ぶように言っとくから。さあ、いい子は遊びな」

「パパは遊んでくれる?」

「仕事があるからな、マローキッド」

「じゃあ、仕事が終わったら」

「ダメだ、母さんとデートするからな」

「リーフプールのこと?」

ああ、マローキッドはすごく馬鹿だ

「ハハハ、これはやられたな。お前たちの母さんだよ」

「ママずるい!」

「パパいいなぁ…」

ママは優しいのだとても

「明日遊んでやるから!」

ライオンブレイスはダウポーの元へ走っていった

「どうする?」

「イタズラしよーぜ!」

レッドキッドはいたずらっ子の笑みを浮かべる

「ねぇ…僕達も参加していい?」

「シスルキッド!」

「ダメ…かなぁ?」

「いいぜ!」

「あ、でも!アザレアキッドと一緒に…」

シスルキッドはチラッとこちらを見る。

可愛い!こういう弟が欲しかったんだよね

「いいよ」

「ありがとう!すぐに連れてくる」

シスルキッドを見送り、弟達の方を振り向いた

「で、どうする?何して遊ぶ?」 

「はい!パパにママが呼んでたよって言って木の下までおびき寄せてそこから落ちる」

マローキッドの馬鹿さは健在だ

「却下、危険すぎる。それに一生見習いになれないかも」

「じゃあパパにコケを全員で投げるのは?」

レッドキッドはいたずらっ子の笑みを浮かべる。

今日子供達と遊ばなかったパパは非常に恨まれているようだ。

「じゃあ普通にコケを投げて相手にぶつけたら1点。5点とったら勝ち」

「えー」

「つまんね 」

「文句は受け入れない」

姉弟の主導権は100%ドーンキッドにある

「おーい!お待たせ」

「私もいいの?」

「いいよ!」

「ほんとに?」

「うん!」

アザレアキッドはにこやかな笑顔で言った

「ありがとう!ドーンキッド」

「いいよ!じゃあ私とアザレアキッドは友達ね!」

急にアザレアキッドは嬉しいような嫌なような表情を浮かべた。だが、すぐに

「ありがとう」

と言って黙ってしまった。

「じゃあよーいドン!」

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Sun Jun 21, 2020 11:07 am

「じゃあよーいドン」

で始まったコケ合戦。前にはそんなことやった事なくて。少し楽しみ…

「うわっ!」

後ろを向くとニヤニヤしてる子猫。アザレアキッドはマローキッド相手に大きい苔を投げ返した。

「うわぁ!おめぇ力つえーんだな、俺たちとこれからも遊ぼーぜ」

キラキラした瞳。シスルキッドとそっくり

「うん…うわぁ!シスルキッド!!」

後ろからコケを投げられる

「えへ!」

「シスルキッド、こっち向いて」

「なに…うわうわうわ」

シスルキッドに苔3連発投げた…全部避けられたけど

「何やってるの?」

「スクワーレルフライト、コケ合戦を…」

怒られるかな?

「うわぁ…!私達もやったなぁ!ねぇブランブルクローやらない?」

「やらない」

ブランブルクローは即答した

「ちぇっ、釣れないの」

「そんなにやりたいなら混じってきたらどうだ?子猫達に」

「バカ!私はあなたとやりたいの」

「じゃあまたデートでな、君の可愛い姿は他に見せられないし」

ブランブルクローってこんなキャラだった?

いやいや…一時期めちゃくちゃ仲悪かったけどあれ何?演技?
 
「もう!」

スクワーレルフライトもすごく素直に反応する。

うわぁ…この夫婦…私たちは普段こんなんじゃないって誰か言って

「あ・い・し・て・る・よ」

「え?う、うぁ」

「油断したの?それとも僕達もあんなふうになりたい?」

「恥ずかしいよ」

「そう?まあいいや僕今4点!」

「ええ?」

「シスルキッド強い」

「さっきよけられた」

「子ども相手に何やってんだか」

「僕も子供だよ?」

「えっ」

「シスルポーだしね」

「いやいやいや、その後スター族で年取ってるでしょ」

「そしたらクルキッドスターとか今何歳だろ」

「いけぇぇぇ」

コケが喋っていたシスルキッドの口に見事入った

「ゴール!」

「ゲホッゲホッコケが喉に入った…ゲホッゲホッ」

「どうしたんだ?シスルキッド!風邪か」

ジェイフェザーが聞いてくる。

「違います…ゲホッゲホッ…コケが喉に…」

「全く…紛らわしいな」

「すみません…」

コケとってくるか…

ドーンキッドに思い切り投げる………見事寝ているファイヤスターにヒットした

「やばい…」 

「ふわぁ…コケ?」

「すみません」

「いや、大丈夫だ。お前が楽しく遊んでいて何よりだ」

「ありがとうございます、ファイヤスター」

結果はシスルキッドの1匹勝ちだった…ちぇっ

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Mon Jun 22, 2020 1:46 pm

「はぁ…」


「どうしたんですか?ファイヤスター」


「ああ、ライオンブレイスか。指導者のことだ」


「ドーンキッド達の?」


「いや、シスルキッドとアザレアキッドのだ。ドーンキッド達はほぼ決めてある」


「あの2匹は難しいですよね…」


「ああ、特に前回の指導者はレパードスターとミスティスターだから…慣れている指導者をつけたいがだいたい1度習っているから教えるのがうまいものじゃなくてもいい。だけど、リヴァー族の戦いになれすぎてサンダー族で何も出来ないかもしれない…難しいものだ」


「ようは

①ミスティスターやレパードスターよりも上手く教えられる指導者をつけたい

②でも教えることがないのに上手い指導者をつけるのも…

③リヴァー族流の戦い方しかできなかったらどうするか?」


「ああ、そういうことだ」


「でしたら、まずはテストしてみてはいかがですか?」


「それはいい案だな」


「もしかして、俺たちの娘の話か?」


「ダストペルト!君も気に入ってくれているようで嬉しいよ」


「まあ、俺としてはファーンクラウドをとられたみたいで嫌なんだけどな…ファーンクラウドはとても喜んでいるから複雑だな」


「常にファーンクラウドの事しか頭にないみたいですね…」


「まあな!」


「「…」」


「それはそうとアザレアキッドの話だろ?もし、テストで

2匹ともサンダー族の戦いが上手そうだったら2匹の指導者を共通にするのはどうだ?」


「え?」


「ほら、ファイヤスターが入ってすぐライオンハートとタイガースターが教えてただろ」


ダストペルトはタイガースターの部分を吐き捨てるように言う


「ああ」


「あん時グレーストライプとファイヤスターの指導者は共通だっただろ?」


「ああ…でもタイガースターもいたし」


「でも、2匹は戦いが上手いなら」


「考えてみよう」



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「シスルキッド、アザレアキッドテストをする」


「何故ですか?僕達が無能だったら追い出すのですか?」


「シスルキッド! 」


「違う、君たちはサンダー族の戦い方ができるかだ」


「僕はサンダー族の戦いしか出来ません。どうやら才能とかはパパやママを継いでいるみたい」


「私は親がムーンシャインだからリヴァー族の戦い方の方が出来ます。でも、リヴァー族の戦い方等は教えることはできません。すみません」

 

「僕もです」


「いくら嫌いだろうと育ててくれましたし、指導者もモスウィングも良くしてくれる猫はいましたから」


ファイヤスターの目に一瞬怒りが見えた気がした


「そんなこと俺が思っているわけないだろう?俺はお前たちにそんなことを求めて部族に入れた訳では無い」


ああ、この猫はどこまでも優しいのだ。誰に対しても


「あなたを見誤っていました。申し訳ありません。ありがとうございます」


「僕も申し訳ございません。こんなこと言う前から分かるべきでした」


「お前たちは謝る時に少し大袈裟すぎるようだ。子猫ならごめんなさいでいいだろう?」


「そうですね…ごめんなさい」


「僕もごめんなさい」


「よし、一応テストするか」


この方が一族からここまで尊敬されるわけが分かった


テスト結果は

シスルキッドは静かに忍び寄り的確に急所をとらえることが出来た(狩り)


戦いでは若手戦士相手に良い戦略で互角に戦った


私は一応狩りは出来たが、戦いでは少し失敗した



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

やっと朝が来た…!!!


今日は私たちが見習いになる日だ。


「ほら、ソワソワしないの」


「ごめん、ママ」


「こっちに来なさい」


ファーンクラウドが優しく毛をなめてくれる


「ありがとう!」


「ねぇ指導者誰だと思う?」


「うーん…わかんない!」


「僕仲良くなれるなら誰でもいいな…」


「私も優しい指導者がいい」


「まあ、厳しい指導者も好きだけど…」


レパードスターを思い浮かべているのだろうか?


アザレアキッドは思い出して悲しくなった。彼女をアザレアキッドは見誤っていた


「でも、今だから分かるなあの族長の良さは」


「そうね…スター族でまた元気に狩りしていますように」


「ああ…きっと彼女なら元気だ」


「自分で獲物を捕まえられる年齢の者は、全員ハイレッジの下に集合しろ。一族の集会を始めるぞ」


心がワクワクしている。


今まで2回あったけど、1番楽しみ


「行こう!」


「珍しいね!君がそんな楽しそうだなんて…」


「ファイヤスターの下につけることは誇らしいことよ!」


「ああ!」


「これから部族で最も重要な事をしようと思う」


「ドーンキッド、マローキッド、レッドキッド、シスルキッド、アザレアキッドが生後6ヶ月に達し、見習いになる時が来た」

ファイヤスターは4匹に向かって頷いた

「前へ来なさい」

4匹は興奮してぎこちない足取りで歩く。

ああ、すごく楽しみだ

「ドーンキッド」

ドーンキッドは少し震えている

「本日より、戦士名を習得するまで、お前はドーンポーという名前になる」

「ドーンポー!」

ドーンポーは嬉しそうだ

「ドーンポー!」

「スター族さま、どうぞこの新しい見習いをお導きください」

ファイヤスターが懐かしそうなそれでいて敬意を払うような表情で空を見る

「この見習いが戦士の道をしっかり歩めるように」

「ブラクンファー」

 「ドーンポーの指導者になれ。お前は忠実で深慮のある戦士だ。お前のそうした長所をできる限りドーンポーに授けろ」

ドーンポーは喜んでブラクンファーと鼻を触れ合わせにいった

「それからこの見習いをマローポーと命名する」

一族がお祝いする

「グレーストライプ、お前の知恵と仲間を助けに行く勇気を全てマローポーに授けるように」

ファイヤスターは親友を見て頷いた。

マローポーはグレーストライプの元まで入って鼻を触れ合わせる

「次にこの見習いをレッドポーと命名する」

「レッドポー!」

「レッドポー!」

「ダストペルト、お前は何匹もの見習いに自分の勇気と決断力を授けた。レッドポーにも同じよう授けてくれ」

ダストペルトは胸を張りレッドポーと鼻を合わせる

「シスルキッド、今よりお前はシスルポーとなる」

みんな新しい名前を叫ぶ

「ベリーノウズ、お前はブランブルクローから勇気や素晴らしい腕を教えられた。それをシスルポーにも伝授しろ」

ベリーノウズは目を輝かせ、シスルポーと鼻を触れ合わせた。

シスルポーも興奮している

アザレアキッドは緊張してきた

「アザレアキッド、今からお前はアザレアポーだ」

一族が自分の名前を前のように言ってくれなかったら?

「アザレアポー!」

マローポー達が叫ぶ

「マローポー」

心配は杞憂だった!アザレアポーは嬉しくなった

「バーチフォール、お前の今は亡き指導者の教えてくれた忠誠心と勇気をしっかりアザレアポーにさずけるように」

バーチフォール!どこだろう?

「初弟子だから不慣れだけど頑張るから」

「はい!よろしくお願いします」

バーチフォールと鼻を触れ合わせながら思った

自分はこの一族に入れてよかったと。

見習いになったことが悪夢の始まりだとも知らずに。

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by シャイニングナイト Mon Jun 22, 2020 4:20 pm

あ、悪夢?!
はたしてどうなってしまうのか.......。
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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Mon Jun 22, 2020 4:28 pm

シャイニングナイト wrote:あ、悪夢?!
はたしてどうなってしまうのか.......。
どうなってしまうんでしょう…?


シャイニングナイトさん!見ててくださって嬉しいです!

すごく下手な小説ですが、アドバイス等があればお願いします!

いつもヤミ達のストーリー見てます!!

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Mon Jun 22, 2020 4:49 pm

「おやすみ」

 今日から見習い部屋で寝ることになった!といっても潰れかけただけど

  あの3匹は戦士だし、今はダウポーとアイヴィーポーに私たち5匹

 とても多い

 「おやすみ」 

 「おやすみなさい」

 「おやすみ!」

 今日は安眠できそうだ。いや、興奮して眠れないかも…!!

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 「起きろ!」

 眠い…寝かせてよ…まだ私子猫…見習いじゃん!訓練!? 

 「もう訓練連れて行ってくださるのですか?」

 しかし、目を開けると指導者ではなく屈強な戦士がいた。 

「ブランブルク…ロー?」

 青色の目がキラリと光る…青色? ブランブルクローは青色じゃないわ! てことはこの猫… 

「ホークフロスト?タイガースター?」

 どっち?どっちも嫌!  

「ホークフロストだ。約束しただろう?」  

「あれは!前の時よ。今は関係ない」

 まさか…このために呼び出したの?嘘!  

「お前の精神は幼くはなったが昔と同じだ。そして体の毛の色は昔のままだ」 

「でも、今は私部族を大切に思っている…昔と違って」 

 「なんだかんだ言って昔も大切だっただろう? 」 怖い…心臓がバクバクとなる 

「ホーク…フロスト…お願いします!もう私の前に現れないで下さい」

 「それは無理なお願いだな」   

 あの時死ぬ覚悟があったからいいと言ったけど

 言わなきゃよかった…!!  

「ごめんなさい、ホークフロスト。自分の無責任な発言は撤回するわ。ねぇお願い」 

 「家族は仲良くするべきだ」

 「あんたなんて家族じゃない!」

 言ってから慌てて聞いた

 「何を私に…?」

 「訓練だ、1対1でな。ああ、でも俺とじゃない」

 「さっき家族って言ったじゃない」

 「あんなの口実だ!でも、今日は家族で仲良くしようか? そんなに望むならな!」  

ホークフロストはいきなり私を転ばせ首に鉤爪をあてた

 「殺すの?」 

「ここで死んだら一生ここにいることになる」

 「嫌!」

 アザレアポーはホークフロストの首に手をかけそのまま体重を乗せた。 

 ホークフロストは首にアザレアポーの体重がかかったことで鉤爪が首から離れる。 アザレアポーはサッと手を離し受け身の姿勢を取り近くの木に登った ホークフロストはすぐに追いつきアザレアポーの座っている木に瞬きする間くらいの速さで飛び乗った。

 アザレアポーは急いで飛び降りて、走ったが所詮見習いと上級戦士の差。 

 すぐに追いつかれてしまった  

「俺から逃れられるとでも思ったか?」 

何故かアザレアポーはホークフロストから逃げていると言ってはいけないような感覚に囚われた

 「あなたの鉤爪から逃れたかったの、鋭そうだし」

言い訳がましくいう

 「逃れる相手は鉤爪だけじゃない」 

ホークフロストはそう言っていきなり肩を噛んだ。
 
「イタッ!」
 
 血が流れる。痛い

 その間にホークフロストはアザレアポーの足を思い切り噛んだ 

「痛い!やめて、やめてください!お願いします」 

 怖い… 

 「じゃあ二度と俺に口答えするな」

 「はい…」

 「訓練の相手だがやっぱり気が変わった」 

 「え?いや…なんでもないわ」  

「こういうのは家族でやるものだ」

 「でもあなたは忙しいのでしょう?」

だから、あんたはいや!

 「お前の家族は俺だけだと思うか?」

アザレアポーは驚いてホークフロストを見つめた

 「まさか!嫌!お願い。あいつはやだ…!」  

「お前には父親(俺)がいるように母親(スノーストリーム)がいるだろう?」

 あんな!あんなシスルポーを殺すよう送り込んだ猫!  

「お願い!やめて」  

「じゃあブロークンスターがいいか?ティスルクローがいいか?」

 顔をぐっと近づける

 「タイガースターがいいのか?」

 ブロークンスター!タイガースター!聞いた事ある… 

「ティスルクローとは?」

 「タイガースターの指導者だ」

 タイガースターを悪の道にやった猫ってこと?

 「いや…です」

 「そうか…なら我慢するんだな…ああ、ダークストライプも一緒につけてやる」 

 いらないわ!

 「スノーストリームは弱いからな、まああいつも弱いが」

 「わかりました…」 

「そうだ…ここのことを誰かに話してみろ!サンダー族をみんな殺してやる」 

「サンダー族を!?出来るわけないでしょ」 

「100匹以上いるんだ」 

 「そんなに!?」

 「素直に従った方が身のためだ」 

 なぜあなたは絶望しか与えてくれないの?

「よし、じゃあ今日は行け!忘れるなよ、悪と血が繋がった者は悪に監視されるんだ…例え今は違ってもな」 

「わかりました…最後に1つだけよろしいですか?」 

 「何だ?」 

「私が見習いになるまで待ってくれたんですか?」

 「ああ、そうだ」 

 見習いになんてならなきゃ良かった…

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by シャイニングナイト Mon Jun 22, 2020 5:49 pm

間隔も空いてて、とても見やすいです!
すっごくいいと思います!(*´꒳`ノノ゙☆パチパチ
こちらが参考にしたいぐらい.......!_φ(・∀・ )♪
こちらこそ読んでくれてありがとうございます!
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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Mon Jun 22, 2020 5:53 pm

ありがとうございます!

シャイニングナイトさんの方が素晴らしいです!

読んでて次へのハラハラがあって毎回次回を楽しみにしてます

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by シャイニングナイト Mon Jun 22, 2020 6:08 pm

ありがとうございます!ヽ(*´∀`)ノ
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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Sun Jul 12, 2020 10:27 am

「ダウポー、起きろ!」

「ライオンブレイズ…ちょっと…寝かせて…zzz」

「おい!」

全く…

まあ、子ども達の様子も見れたから良しとするか…

え?

赤いのは血か?

誰から流れてる?

アザレアポー!?

「アザレアポー、お前どうしたんだ?」

アザレアポーを起こす

「え?なんの…え、なんで…あ、これは1人で夜中狩りに行ってその時に何かにやられたのだと…ごめんなさい」

怪しい…嘘か?後でジェイフェザーにでも調べてもらうか

「ほんとか?」

「ほんとです。どんな罰でも謹んでお受け致します」

アザレアポーはリヴァー族の頃自分に対してではなかったが、『ごめんなさい』より『申し訳ございません』
『何でもします』より『なんでも致します』だった。

常に言い方は敬語だったが、サンダー族に来てからは普通の言葉になったのに…

やっぱり何かあったのかもしれない

「ほんとか?」

アザレアポーはため息をついた

「嘘です」

こんなに簡単に言うなんて…思い過ごしか

「流石ライオンブレイズですね」

「湖を泳ぎました、夜中。それで大集会を行う場所まで行きました。その過程において肩と足は多分何かに噛まれたのだと…」

「何にだ?」

「湖には恐ろしい魚や生物もいますから」

ライオンブレイズはじっとアザレアポーを見た。

「なぜそんなことをした?」

「水が…水が恋しくなりました」

それはあながち嘘では無いのだろう…だが…

「じゃあジェイフェザーの所へいけ!」

「わかりました」

「やあ、ライオンブレイズ!弟子を訓練しようと思ったんだけど」

バーチフォールが顔を出した

「あいつなら今日は訓練できないんじゃないでしょうか?」

ライオンブレイズはコケを見せる

コケには結構な血がついている

「訓練1日目の前に怪我をする見習いなんて初めてじゃないか!どうして怪我を?」

「水が恋しくなったとかで」

「訓練初日の前の晩に?」

「それは僕は分かりません」

確かに…バーチフォールの言う通り訓練の前の晩に水に入るか?

寝不足になるだろう…

ちょっと待てよ!確か見張り番がいる!聞いてみれば分かるだろう

「すみません、クラウドテイル」

「なんだ?ライオンブレイズ」  

「昨日誰かここを通りませんでした?」

「ネズミなら通ったよ」

「見習いです」

「それは通ってないけどなんで?」

「いえ、なんでも…ありがとうございます」

やっぱりそうだ!あの子は嘘をついている

「アザレアポー、クラウドテイルは君の姿を見てないって…」

「クラウドテイルが見間違えたのではないでしょうか?」

「でも、だいたいなんで訓練初日前夜に行くんだよ!君だって本物の子猫のように楽しみにしてただろ」

「私は既に全て学んでいます。これ以上学ぶことなんてあるでしょうか?」

「ああ、ある」

「まあ…少なくとも楽しみではないし…どうでもいいから」

「おい!その言い方はないだろう」

ライオンブレイズはアザレアポーの方を見てハッとした。

アザレアポーの目には深い悲しみと静かな怒り、それから諦めなどといった感情があった

「すみません、失礼します」

アザレアポーはライオンブレンズの横を通り過ぎ、保育部屋を出ようとした

「おい!まだ治療は終わってないぞ」

「なあ、ジェイフェザー。あいつ暗黒の森に行ってると思わないか?」

「…その可能性はあるな。血筋は前世の方はホークフロストの娘なんだろ?」

「え?そうなのか?」

「知らなかったのか?毎回ホークフロストの名前が出るだけで怯えた雰囲気だぞあいつ」

「でも、それだけでは息子って言えないだろ」

「それにアザレアファーだったころ、感情にホークフロストへの戸惑い、驚きが感じられたし…」

「じゃあ仮にそうだったとしてホークフロストとの訓練をしてると思うか?」

「するかもな…あいつは口が上手い。リヴァー族の猫を沢山仲間にするくらい」

「そうだとしたら…どうやって付け入った?」

「もし今自分は正しいと思わせたいならやっぱり…」

ライオンブレイズは言いにくそうに言葉を切る

「タイガースターが僕にやったみたいに…」

「それは無いんじゃないか」

ジェイフェザーはすぐに反対した

「なんでだよ?」

「彼女は見習いなのに戦士並に強い…まあ元戦士だからな…で、そんなに強いんだからわざわざホークフロストに教えて貰う必要は無いはずだ」

「たしかに…」

「それにむしろ彼女は一族に認めてもらいたいんだろ?」

「でも、ホークフロストが悪って知らないなら」

「怯えた匂いだしてるのに」

「まあそうか…やっぱり!」

「2匹で私の話ですか?」

「「アザレアポー」」

「まさか…他でもないあなたに…ライオンブレイズに信頼されてないとは…」

「僕は無視かよ」

「ジェイフェザーも公平だと思っていました」

アザレアポーは言葉を切る

「あなた達とは一応少しくらいは信頼できる仲を築けていると思ってたのに…」

「じゃあ何を隠してるんだ?」

「何も…何も隠してませんよ…え?なんですか?」

突然、アザレアポーがぎょっとした声を上げた

「いや、何も言ってない…」

「僕も」

しかし、アザレアポーは無視してこう続けた

「そんなこと…はぁ…ライオンブレイズ、隠していることはありません」

「本当か?」

「じゃあこれを聞いても怒らないで頂けますか?」

「…内容による」

「ムーンシャインとミスティスターと会ってました…
前日なのはお伝えしようと思ったからです。見習いになったことを。怪我はほんとです!本当に魚なんです」

「じゃあなんでクラウドテイルに見つからなかったんだ?」

「前にあなたと会った時、サンダー族に侵入した時、私見張り番に見つかりませんでした」

確かに…辻褄は合う

本当にそうなのか?

ライオンブレイズは分からなくなった

「そういえばなんで陸から行かなかった?」

ライオンブレイズは食い下がる

「それは…水に久しぶりに入りたかったし…泳ぎきれる自信があったから」

「まあ、このことはファイヤスターに報告させてもらうけど…」

「もちろんです」

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「上手くやり過ごせたでしょう?」

アザレアポーはホークフロストの方を見た

『ああ、そうだな…』

「本当に監視なさってるとは…」

『昼は暇だ…それに余計な事を言っていたらどうしようかと思ったからな』

この場合のどうしようかはどう罰してやろうかという意味だろうと思いアザレアポーは怖くなった

「私以外の猫の声は聞こえないのですか?」

『ほとんど聞こえない』

「私以外の猫に姿は?」

『見えるものもいる』

「バレたらどうしろと!?」

『さあな…俺は困ることは無いからな』

「ホークフロスト!」

『文句があるのか?今度は目でもくり抜いてやろうか』

ホークフロストの目がキラリと光る

「いえ、特には…特にはありません」  

『今日は何もすることは無いのか?』

「午後からあります」

『午前は訓練でもやるか?』

「傷口が開いたら今日外に出して貰えません…!!」

『冗談だ、俺とお前が訓練することはあまりない』

「そうですね」

「アザレアポー!」

「ファイヤスターがお呼びなのですが、言ってもよろしいですか?」

『じゃあ俺はそろそろ苦しくなってきたし帰るとするか』

苦しい…?アザレアポーは疑問に感じつつ、ホッとため息をつき、族長部屋に向かう

「ファイヤスター、失礼します!アザレアポーです」

「アザレアポー、入っていい」

「失礼します」

アザレアポーは頭を下げてからファイヤスターの前に行く

「御用件は…察しがついていますが」

「もちろんそんなに咎めたくもない…気持ちは分かる」  

「誠に申し訳…ごめんなさい」

「お前の取り柄でもあり欠点なのはその丁寧すぎる言葉だな、いつからそうなんだ?」

「小さい頃、は…スノーストリームに敬語じゃないと口を聞いて貰えませんでしたし…戦士たちもよくお前がそんな口を聞いていいと思ってるのかと私に怒っていましたから」

「まあいい…お前が母親に会いに行ったというのはわかる。俺もよく姉にあった」

「お姉様がいらっしゃったのですか?」

「ああ、クラウドテイルはその子どもだ」

「てっきりサンドストームの御兄弟のご子息だとばかり…」

「いや、あいつは俺の姉の子だ」

「そうなんですね…」

「クラウドテイルやファイヤスターが居てくれて一族は幸せですね」

「…何故かお前といると話が逸れてしまうな」

ファイヤスターがため息をつく
「申し訳ございません」

アザレアポーは恥ずかしさで顔がほてった

「いいことでは無いが、悪いことでもない…とにかく親に会うのは分かるが…誰かに伝えてくれ。あと親はともかくミスティスターとは会うなとまでは言わないでもせめて俺の許可はとれ」

「申し訳ございませんでした。リヴァー族なのに…サンダー族の見習いとしての自覚が足りませんでした」

アザレアポーはファイヤスターに謝った

「まあ今回はいい。ところで怪我は大丈夫なのか?」

「もう大丈夫です」

「それにしてもそんな危険な魚がいるんだな…猫の歯型に似てる」

ギクッ!

「では、湖の中に猫がいたんでしょう」

アザレアポーは少しおどけて真面目に言った

「湖の真ん中にいる魚はあまりよく知られていないので…ところで…ファイヤスター聞いて欲しいことが」

ホークフロストはさっき辛くなってきたと言っていた。つまり、こっちに長く留まるのは難しいのだろう…それに気配がしない

話をするのは今だけなのではないだろうか?

「タイガースターとホークフロスト…」

『おい』

背筋の凍るような声

「え?ホー…」

アザレアポーは直前の自分を深く反省した

『タイガースターだ…まさかお前言おうとしていたのではないだろうな』

「ファイヤスター、やっぱりなんでもないです。すみません私はこれにて失礼させていただきます」

「え?あ、ああ」

アザレアポーは礼をして部屋を出る

慌ててみんなから遠ざかり聞いた

「何故ここに?」

『あいつができることがおれにできないわけがないだろう?』

「タ、タイガースター…あの、これは」

冷や汗が吹きでる…怖い!アザレアポーは震えを精一杯隠した

『大丈夫だ…俺はいちいち見習いに手を下しているほど暇じゃない…ここはブロークンスターにしてやる』

「ブロークンスター…」

「おーい!」

『指導者が呼んでいるなら早く行った方がいい…ククク…楽しみだな』

『タイガースター…』

『ムーンシャインか』

ムーンシャインがタイガースターに何かを囁く

『こうしてはどうでしょう??大集会で若干の制裁というのも』

『勝手にしろ…だが、今回のではダメだ。大集会は今夜だからな』

『でも!次回だとアザレアポー大集会に行かないわきっと。だって、あの子今日行くでしょ?そしたら悔しがる顔見れないじゃない』

『どっちにしろ入れないだろう?まだ、スター族も少しは働いているみたいだからな』

『そうですけど』

『それに反論する間もなく部族から疑われているとなると、サンダー族から少し心が離れるだろう…それにその間にもっと工作ができる』

『一瞬びっくりしましたが、流石タイガースター 』

『』
「では、失礼します」

アザレアポー!怖いのはわかるけど指導者との対面なんだから!

落ち着いて…楽しかった記憶を思い出すのよ

「バーチフォール!」

アザレアポーは声をかけた。

「訓練と言いたいが…見習い1日目はみんなサンダー族の縄張りを回る」

バーチフォールの目が楽しそうに光る

「わかりました」

「行こうか…?」

「はい!」

バーチフォールと様々なところを回る

木、気持ちいい風、りす、境界線の川

次第にアザレアポーは本当に楽しくなってきた

「サンダー族って広いし、開放感ある!」

「だろう!」

「でも、意外だったのは少しリヴァー族っぽいですね」

「そうなのか?」

「何となくですけど」

「お前ってアザレアファーだったよな?」

「ええ」

「母親はムーンシャインだっけ?で、指導者がミスティスターだろ?父親誰だ?」

父親…どう答えたらいいのだろうか?

昔の知らなかった時の方が幸せだったのかもしれない

でも、この猫に嘘をつきたくはなかった

「遠ざからないでくれますか?」

「え?」

「軽蔑しないでくれますか?」

「どういうことだ?」

「私の前の父親は…ホークフロストです。タイガースターの息子で、ファイヤスターを殺した」

「そうなのか…」

「昔の母親はミスティスターに逆恨みし、シスルポーを死に追いやり、ブラッド族を呼び寄せリヴァー族を皆殺しにしようとしました」

「軽蔑しますか?怖いですか?」

どうして、私はこんなにも裏切られなくてはならないのだろうか

「いいや、そんなことないよ」

「え?」

「ブランブルクローは父親がタイガースターだし、族長は飼い猫だった。でも、優秀な猫だ」

「バーチフォール…ありがとうございます」

「それにむしろ君は救ってくれただろう?部族を」

「そんなことない…」

「いいんだよ、今の君はムーンシャインの娘でファーンクラウドとダストペルトの娘でもあるんだから…
ん?本当の父親誰?」

なると思った…

この秘密は守りたいけど、この猫に嘘はつけない

「言わないで下さいね…ロビンクローです」

「ふぅん…え?てことはアザレアポー、3部族血が流れてるんだ」

「ほんとですね、初めてかも」

3部族ってすごい

「かもね」

「あと、ウィンド族でコンプリート出来たのに」

「そうだね」

「まあしたくないですけど」

「どの部族に忠誠心を向けるか迷いそうだよな…そうだ、今晩は大集会だ!君も行けるかもな…まあ、普通見習いになってすぐは行けないけど事情もあるし」

「行きたいです!!」
                                   ・  ・  ・
アザレアポーはつい本物の見習いのように言ってしまった

「お前も結構子供っぽいんだな」

「そんなことありませんよ!」

少し顔が真っ赤になる

「そうか?」

バーチフォールは笑い

「どっちにしろ俺より子どもさ」

と言った

「年齢はですよ?」

「おい!どういう意味だよ」

指導者と仲良くなれた気がしてアザレアポーは嬉しかった


「今日の大集会のメンバーを発表する…ライオンブレイズ……シスルポー、アザレアポーだ。」

「やった!」

「だね!…あ、でもファイヤスター!私が生まれてそれからすぐサンダー族に似た猫がいるって分かったら不自然では…?ブルースターの事もありましたし」

シスルポーが聞く

「それは大丈夫らしい…一族はラーチキッドとブラックキッドの2匹しか生まれていないと思っている」

「そんなことできるんですか?」

「保育部屋を封鎖したらしい」

「母さん…」

シスルポーがため息をつく

「そういや、大集会でアザレアポーの名前言ってなかったな」

ライオンブレンズがシスルポーに言った

「そうなの?パパ」

「そうだよなあ?ファーンクラウド」

ダストペルトも連れ合いに尋ねる

「ええそうだったはずよ?」

「まじか…」

「つまり、サンダー族のみんなが言わなければ大丈夫という事だ」

「大集会かぁ…」

「シスルポー…何?憂鬱?」

「いや、リヴァー族にいたのに、サンダー族にいるのが面白おかしくて」

「怖いんでしょ」

「え」

「昔の仲間を見てそれでも、知らないふりをするのが怖いんでしょ」

「それに、母親や姉と本気で戦えるか」

「ハハ…君には敵わないな」

「当たり前でしょ」

「そうだよ…怖いんだ…リヴァー族を見たらサンダー族への忠誠心が揺らぎそうで」

「私に!…私に忠誠心を向けてよ…そしたら…ごめんなんでもない」

「そうだね…ねえ、知ってる?僕ってさ結構腹黒なんだよ」

「え?」

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Wed Jul 22, 2020 10:40 pm

「…僕が生まれたのホークフロストが死んだ後だからホークフロスト派だった猫は母さんを恐れてたんだ…トラ族として生まれを糾弾してホークフロスト派として堂々と意見言って…いい加減、母さんに復讐されるかもって。馬鹿だよな…だから僕子猫の時あいつら馬鹿だなとか思ってさ戦士を見下してたんだよ」

「君の事もさ戦士に反抗するために助けてやろうって上から目線で思ってたんだよ…それで後つけたら君が溺れててさ、助けようとしたのに僕も溺れちゃった…」

「自分も寒いだろうし、僕より少し年下のはずの君は決して諦めなかった…僕の方が助けられた気がする」

「それでさ、リーフプールが助けてくれた時、良かったねって微笑む君がさ、分からなかったんだよ」

「分からない…?」

「ああ…わからなかった。あそこで全然弱音を吐かない君が…だから僕は君の涙を見たいって思ったんだよ」

「え?」

「君の涙はみたくないけど見てみたいし、僕だけがみたい…あの頃から既に好きだった。だから君の前だと他の戦士にも優しくしたけど本当は少しバカにしてた…びっくりした?」

「びっくりしたよ…でも、そんなシスルポーも好きだよ?」

「本心の僕を見て嫌われそうで怖かったけど良かった…ねえ、島でデートしよう?」  

「シスルポー1回しか行ったことないものね」

「ほんとさ…まあ、行けなかった3回分割と全部僕が悪かったりするけどね」

「デートですっぽかしたり」

「勝手に前日夜まで出かけてそこで寝ちゃって気づいたらもう昼とか」

「あと戦士と喧嘩しちゃってでしょ?」

「全部君関連じゃないか!」

「ほんと…そうだね…ふふ」

「アハハ…僕ってほんと君しか見えてないのかも」

「私をいじめた戦士ボコボコにしてくれてありがと」

「その時君は非情にも行っちゃったけど」

「だって、ミスティスターがあんなバカ息子放っておきなさいっていうから」

「えぇ…それでも行く?」  

「ごめんね」

「ヒューヒュー、若いのにラブラブだね、お二人さん?」

「クラウドテイル!」

「先輩も僕達のこと言えませんよ?」

「一緒にするなよ」

「あら?私のこと愛してくれないの」

「違うよブライトハート…僕達はもっと落ち着いて」

「ないだろ」

「先輩がいる限り有り得ません」

「ファイヤスター、スクワーレルフライト!僕の家族じゃないですか」

「やめてください…虫唾が走る」

「スクワーレルフライト…辛辣」

「では、行くぞ…留守は頼んだぞ」

「はい」

「うわぁ…大集会自体久しぶりだから楽しみ」

「不真面目ポー」

「えぇ…名前なが」

「ダメポー」

「ヘコむ」

「アホポー」

「酷いなぁ…あー、どうしよう」

「え?何が?あぁ…どうしよね」

「サンダー族に忠実…僕はサンダー族に忠実、サンダー族に忠実」

「サンダー族、サンダー族、サンダー族」

「じゃあ行こうか」

「やばいすごく水に入りたい」

「入ろうかな…嘘だよ」

「え入りたいよぉ」

「魚食べたい…」

「「我慢我慢」」

「誘惑強めかも」

「ね」

「てかさ、これ母さんに会えない予感するの僕だけ?」

「大集会前に会おうとしたけど」

「族長に会うって困難では?」

「どうします??」

「どうする?」

「とりあえず他の猫に会う?」

「どこまで知ってるの?」

「とりあえずアンバーウィング」

「リョーかいっ」

「アンバーウィング!」

「誰だよ?」

「不機嫌ウィング」

「お前らサンダー族の見習いか?」

「気づかないなんて…僕たち親友じゃないか!」

「いや、誰だよ」

「前にモスウィングの寝床に喧嘩した日トゲ入れたの知ってるからな」

「えぇ…こわ…サンダー族どこがいい奴らだよ恐怖だわ」

「他にも父さ…指導者の寝床に薬入れたり」

「怖い」

「あと、戦士のお腹蹴ったり…あれ?結構あなた酷いことやってたのね」

「だから、怖いからやめてくれ」

「うわぁ…事実なんだ…父さ…ゴールデンストライプに言っちゃお」

「やめてくれよ」

「まだ分からないの?」

「「僕達・私たちシスルポーとアザレアポーさ!」」

「え?」

「つまり元シスルポーとアザレアファーって訳…なんか僕パッとしないな…変わらないからか」

「ぇぇぇえ」

「その尊大な態度変わってないわね」

「シ、シ、シ、シスルポー!?」

「とアザレアファー…何?僕のこと亡霊を見るように見ないでよ」

「生きてたのか?」

「生まれ変わったんだよ、体の大きさ違うだろ」

「確かに…なあシスルポー本当にごめん…」

「いいよ、もう…おっと!大集会の始まりだ」

大集会は私たちが見習いになったことやリヴァー族の見習い…つまり、本当ならば私の兄弟が見習いになったことなどが話された。

「もう終わったね」

「早いものだね」

「母さん探す?て言ってもファイヤスターと談笑中かよ…」

「ウィンド族とシャドウ族も何事というように見てるね」

「傍から見れば同盟みたいだし」

「ここまで大集会が終わったのにみんな黙りこくってるって」

「ほんと空気読まないよな母さん」

「あ、終わったと思いきやリードウィスカーに一族を帰らせた」

「シャドウ族とウィンド族、サンダー族も帰るみたいだけど」

「どうする?」

「うーん…ファイヤスター」

「なんでついてきてるんだ?」

「ええ?」

「折角場を設けたんだ」

「つまり、私たち話して良いと」

「ああ」

「ありがとうございますファイヤースター」  

「ありがとうございます」

「少し怖いけど」

「行きますか?」

「そうだね」

「母上!ご無沙汰しております」

え?何してるの?

「あら、シスルポー久しぶりね」

え?何この茶番

「族長就任おめでとうございます。それから、レパードスターのこと、ご冥福をお祈りします」

「何してるの?」

「合わせてよ」

「え?て言っても私どっちにしろ敬語なんだけど」

これはなんの茶番だろう

「ミスティスター…ご無沙汰しております…先日の件誠にありがとうございます。貴方が取り計らってくださったおかげで私幸せでございます?」

「なんで最後疑問形なの?」

「それよりこれなんの茶番?」

「僕達もう他人じゃないか」

いや、だからって…

「ええ」

この人はこの人で何も言わない…ついてけない

「お会いしたかったです…本当に…アハハ、無理だな、やっぱ、あんたに敬語使うの…母さん、久しぶり」

「久しぶり、シスルポー…見ないうちに小さくなったわね」

「そこは大きくなったわねだろ」

「だって本当に小さくなったじゃない?久しぶり、アザレアファー…アザレアポー」

「久しぶりです!おめでとうございます…それと、レパードスターがスター族で幸せに駆け回っていますように」

「痩せたわね」

「母さんはふ…ゴハッ…酷いなあ」

「えぇ…魚の方が食べ応えはあるので」

「そうね…今湖の魚はリヴァー族のものでは無いから食べたら?」

「そうしたいけど一族から臭いと言われるもので」

「ほんと…そこは理解出来ないよサンダー族…そっかもう母さんと部族違うのか」

「戦う事もあるでしょうね」

「えー、愛息子のこと攻撃するの?」

「当たり前じゃない」

「母さん冷たい…姉さんいないの?」

「ムーンシャインは見習いになった子ども相手に疲れてるの」

「父さんは?」

「置いてきたわ」

「かわいそー」

「泣いてるでしょうね、ゴールデンストライプ…可哀想」

「大丈夫よ別に」

「ダメだよ」

「ゴールデンストライプ!?」

「父さん!」

「酷いじゃないか置いていくなんて…会いたかった我が息子」

「これのどこにスノーストリームは惚れたのか僕には理解できないね」

「同感よ…これのせいで襲われるとは思ってもいなかったわ」

「みんなこれこれ酷くないか」

「どこが紳士的でやさしいお方?」

「理解できないな」

「そんなことないよ…理解できないのは俺もだけど」

「自分もじゃないか」

「スノーストリームの思考が1ミリも理解できないわ」

「普段はもっとマシなんだけど」

「深夜テンションでしょう?母さ…スノーストリームが魅力の1つにあげてました」

「えぇ…」

「スノーストリームの見る目の無さ」

「そういう母さんだって好きだったんじゃないの?」

「そ、それは色々あったのよ、あの人とか」

「ブラッククロー?」

「他にもリードウィスカー達や族長の事、副長になったことで忙しかったのよ」

「へー」

「母さん!シスルポー」

「ムーンシャイン?子どもたちは?」

「あの子たち見習いなんだから…」

「ムーンシャイン!いい?あの子たちとっっっってもやんちゃなの」

「でも大人しい…」

「あなたの前ではでしょう?」

「え?」

「ブラックぽーなんてうるさいなんてレベルじゃないわ…シスルポーより手が焼ける」

「え?僕?僕真面目じゃないかな」

「いっつもあなたどこ行ってたの?デートっていうのを繰り返されるのよ。お陰で何度こっちがレパードスターにあなたの息子は〜って言われたと思ってるの?」

「すみませんでした」

「しかもアザレアポーもいないから訓練も出来ないし…相当不真面目よ」

「えへへ」

「すみません」

「褒めてないわよ」

「知ってる…姉さん久しぶり」

「久しぶりシスルポー」

「お久しぶりです、ムーンシャイン」

「久しぶりアザレアポー」

「ねえ、ミスティスター…みんなが凄く探してたわ」

「ほんと?じゃあもう行かないと
じゃあさようなら」

「じゃあね母さん」

「さよなら」

元指導者とムーンシャイン、ゴールデンストライプが帰っていく

島には今2匹だけ

「ねえ、嘘ついてる?」

「嘘?」

「母さんに会いに行ってないだろ」

「やっぱり…すぐバレたか」

「当たり前じゃん…僕じゃなくても分かるよ」

「そうだね…久しぶりって言っちゃったもんね」

「なんで怪我したの」

どうせ変わらない…タイガースターじゃない…ブロークンスターにいじめられるのは変わらない

「ちょっとホークフロストに…ね」

「え?どういうこと?」

「ホークフロストの牙の話…」

「?」

「遅くなったからもう帰ろっか」

「え?でも、今の…」

「置いてくよ」

ごめん…やっぱりあなたにこちら側の世界は見せたくない

ごめん…ごめんなさい

「待ってよ」

「追いついてみてよ!」

どうか…ホークフロストが夜私の笑顔を奪ったとしても昼の笑顔までは奪わないで欲しい…

そう願うのはダメなのだろうか?

「ねえ、泳いで帰ろ」

「ダメだよ、嘘ついたことバレちゃうもん」

「チェッ」

「1人で泳いでもいいよ」

「いやいや、エスコートさせていただきますよ…僕の愛しの方」

「ありがとう…私の戦士様」

ああ、この時間がずっと続けば良いのに


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「喋ろうとしたな」

恐怖というのはこういうことを指すのだろうか…あのブロークンスターが私の首を締めている…苦しい

「苦…しい」

「お前は何族だ?」

「サ…ンダー族」

「サンダー族?ホークフロストの娘じゃなかったのか」

「元リ…ヴァー族…知ってた…んだったら…」

「リヴァー族か…強いやつにはペコペコする脳しかないやつってことか」

「それ…ホークフ…ロストにも…言った…ら」

「随分な口の利き方じゃないか。リヴァー族なら泳げるしその口喋れなくさせてやる」

「あの…濁った…汚い…川にでも…入れるの…やってみれば」

「昨日はホークフロストにペコペコしまくりだったそうだが?」

「あいつ…は私を…征服するまで…帰らせないから…あなたは…とりあえず…虐められれば…それでいい…でしょ?」

「よく分かってるじゃないか」

「…嬉しくないけど…親子だから…それより離して」  

「いいだろう…ゆっくりと追いかけっこでもするか」

逃げろ…本能が語りかけている…逃げろ

でも、どこへ?

「ああ、今日俺がお前を捕まえられなかったろ不問にしてやる」

                                    私
そんな風にして焦る獲物を見てたのしいの?

「約束…破らないでよね?」

普通の場所で屈強でここを知り尽くした戦士に敵う術はない…普通の場所では

自ら処刑台に飛び込んでやる

アザレアポーは嫌な匂いを我慢しつつ川に飛び込んだ

ブロークンスターはゆっくりと近くで待っている…出てくるのを

やばい…すごく寒い

我慢しろ…我慢するんだアザレアポー

「そこの川は冷たいし、汚い川だ…ククク大人しく捕まっていればよかったものを」

「リヴァー族出身者いないの」

「無能なやつなら沢山いる」

「へぇー…有能なのは忙しいあの人位なんだ」
 
「あいつもそんなに忙しくはねぇよ」  

「あの人…ここに来る?」

来たらこの寒さに我慢してるのなんて無駄になる

「来るかもな…でもその前にあいつらが来る」

「誰?」

「ウィンド族のやつだ…グリーンポーとブレイズファーだ」

グリーンポー…?あのグリーンポー?

ウィンド族最大の悲劇とも言える事件

長老、戦士、子猫7匹とシャドウ族の猫、それもシャドウ族の族長の小さかった子ども2匹を殺しシャドウ族とウィンド族の猫を悪化させた最強で最凶の見習い

「嘘…」

殺した人数はタイガースターにも引けを取らない

しかもまだ見習いだ…

「グリーンポーは川も入れる」

「じゃあ…降参します」

この冷え切った体に力なんて入らないから

「潔いいな」

「自分の実力位分かってますから」

身の程を弁えなくて締まるのは自分の首でしかないのだ

「これが…これがスノーストリームとホークフロストの娘か…随分と2匹と似ていないようで似ている」

「不本意ですね」

本当に嫌だなあなんて思いながら

「こっち来い」

アザレアポーは素直に諦めていた

「はい…」

歩ける体力が残っているかと聞かれたら微妙だけど

「何をすると思う?」

「酷いこと」

これからなることを考えると立ち止まってもいられない

「教育だ」

「素晴らしい教育だ」

プライドなんてない

「お前はどれ位で屈するか」

そんなものないけど何も出来ないと思われるのは危険すぎる

「水の中でリヴァー族がどれだけ息が出来るのか」

耐えろ耐えろ耐えろ

ここで屈したら一生この猫にいいように使われる…

やばいどうしよう…苦しい

そろそろ…

「Kosasmu」

やばい…喋れない

手…動かない…何か乗っかって?

ああ、そうか。最初からこの猫は私を降参させるつもりなんてないのか

意識が…

「何をしてるんだ?」

「あ?教育だ」

手が緩む

「殺すな、殺したらつまらないだろう?それに例の計画のこともあるだろう?」

「離したらどうだ?ブロークンスター」

「チッめんどくさいやつらだな」

助かった…

「君がホークフロストの娘だろ?」

「あなたは」

「僕?グリーンポーよろしくね」

「グリーン…ポー…」

「君の考えは察しがつくよ、僕はそのグリーンポーだ」

「俺はブレイズファー…看護猫だ」

「看護猫なんですか」

「僕の元指導者だよ…僕には看護猫の素質なかったから」

「残念だよ…お前を看護猫にしておけば俺がここにいることもなかっただろうに…それよりタイガースターがダークストライプより強い猫を送るように言ってきた」

「だから、僕達ってこと」

「スノーストリームとグリーンポーとブレイズファー?」

最悪な3匹だ…と言ってもブレイズファーが何をしたかは知らないが

「よろしくお願いしますね」

多分相当引き攣った笑みだっただろう…それでも

「よろしく」

「よろしくな」

暗闇の中に光なんてないのだから暗闇を進むしかない


最終編集者 ナイトブルー [ Sun Sep 20, 2020 6:08 pm ], 編集回数 2 回

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Sat Aug 22, 2020 4:51 pm

「起きろ訓練するぞ」

「Zzzzz…」

「全くだな」

「どうしたんですか? 」

「シスルポー、こいつ起こせるか」

「やってみます…リヴァー族の時目覚めすごく良かったのに…」

「アザレアポー、起きて…」

「Zzzzz…」

「あー、無理そうですね」

「待っていかないで…シスルポー…死ぬなんて言わないで」

「アザレアポー!僕はここにいるから…僕はここにいるから」

「…はぁ…はぁ…ここは?…そうだ私寝言言ってました?」

「言ってないよ…訓練の時間だから訓練しにいこうか」

「分かりました、すみません」

あの後1時間くらい夢を見た

だからせめていい夢だと思ったのに

なんでよりによってシスルポーが死ぬ時の夢なの

「バーチフォールありがとうございます」

「え?」

「嘘ついてくださって…寝言言っていたでしょう?」

彼の仕草なんて暗黒の森の戦士達に比べたら単純明快

「ああ、ごめん」

「気遣ってくださったんでしょう?」

「あ、うん」

「バーチフォールありがとうございます…では、訓練どうやりますか?」

「まず僕に襲いかかってきて」

「分かりました」

ああ、どこまでも素直に真っ直ぐな瞳だな…なんて思いながら近くにある木に登る

バーチフォールは動かない

アザレアポーは近くにあった葉をむしりバーチフォールの近くに落ちたと同時に葉をバーチフォール目掛けて投げた

一瞬面食らったバーチフォールに乗る

「アハハ…上出来だよ…まさかそのまま真っ直ぐ向かってこない子がいるなんて」

「私じゃ勝てませんから…こういうのは利用したもの勝ちです」

「今の悪者っぽいな」

「え?そうですか」

「すごく悪者感ある! 」

「うーん…ありがとうございます?」

「褒めてないから」

「知ってました」

「というか、リヴァー族は木に登れるのか?」

「私に聞き出すつもりですか?リヴァー族のこと」

「いやいやそんなつもりじゃ」

「アハハ、冗談ですよ。私は登れるけど登れない猫も多いと思いますよ」

「そうなのか」

まあ、シスルポーとデートした時に木の上に登ったりしたから

「そうです。サンダー族は登れたりしますか?」

「登れる猫の方が多いな。そろそろ獲物とるか」

「はい!」

「捕り方わかるか?」

「はい!リヴァー族は魚以外にも食べますよ」

「そうだよな、じゃあとってみてくれ」

「分かりました」

何がいるかな?

個人的には鳥が好きだけど、あんまりとったことはない

さすがにリヴァー族で鳥をとれる猫は少ない

「リスだ」

素早くトドメをさす

「上出来だ!だが、風の流れが変わったことに気付いたか?」

「いいえ」

「お前は気持ちが焦っていた。動作が素早くなきゃとれなかっただろう」

「そうですね…」

何馬鹿なことをしているのアザレアポー!

魚も辛抱強く待ってとったじゃない

「じゃあ今から1人で獲物をとってこい 」

「分かりました」

「あ、でもまだ境界線を覚え…」

「においでわかりますよ」

「そうだよな」

「日暮れまでに沢山獲物をとってこい!」

「はーい」

湖の方へ行くか?そっちにも沢山獲物はいるだろうし

「待っていましたよ姉上」

「え?」

アザレアポーが振り向くと黒い子猫がいた

「誰?」

「ブラックポーです。ムーンシャインの息子で、貴女の実の弟です」

「そ、そうなの…でも、ここサンダー族では?」

「え?あ、すみません。本当は湖の所で待っている予定だったのについ」

「リヴァー族でしょ?族長大丈夫なの?というか私が姉だって誰から聞いた?」

「族長は…ハハなんでもいいじゃありませんか。どうやって知ったかって盗み聞きですよ盗み聞き」

「ダメな子ね」

「アハハ…」

「まあ私が言えたセリフじゃないけど…さっさと戻らないと」

「分かってます…でも、姉上の事聞いてから会いたくなってしまって」

「どうして?」

「他の兄弟はラーチポーっていうんですが、とてつもなくヤンキーで、ボク話が合わなくて」

「そうなの」

「ラーチポーは僕にもそういうことを強要させるので…もう疲れてしまって」

「そう…なの」

「またここに来てもいいですか」

「え?ダメよだって」

私はサンダー族だから

「ダメですよね…まあ、知ってました。ごめんなさい馬鹿なこと言ってしまい」

そんな顔しないで

「ではさようなら」

そんな顔されると

「待って」

私は

「いいよ」

と言うしかなくなってしまう

「ほんとですか?やった!」

「うん」

あなたはどこか昔の私みたいだ

シスルポーがいない時の私

「でもどうして?急に」

「あなたがまるで」

「まるで?」

「儚い顔だったから」

「そんなこと言ってくださったのはあなたがはじめてです。いつも大人たちはずる賢い顔だという」

「バカはなおってないのね皆」

「え?」

「なんでもないわこちらの話…私にも訓練があるわ、そろそろ」

「分かりました…失礼します姉上」

あんなに礼儀正しい猫はじめてかも…いや、礼儀正しくはないか?

「まあ狩りするか…うーん…ハタネズミの匂い!」

アザレアポーは匂いを嗅ぐとゆっくり慎重に近づいた。

慎重に慎重に

全て知った時にはジ・エンド

そういうとり方をするのが生存競争に勝つコツだ

母であったもの
スノーストリームの数少ない教え

「ごめんね」

ああ、そうか

生存競争は私とホークフロストの戦いでもある

このまま忙しいだなんて逃がしはしない

「生存競争…ホークフロストとの戦いに勝ってやる」

数少ない教えだから

プライドなんてない

だけど信念はある。ただ1つ彼と平和に生きるという信念が

「それだけは死守してみせる」



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「凄いな!獲物沢山とれたのか」

「はい」

「見せてみろ」

「どうぞ」

「ハタネズミにリス2匹、鳥か?」

「ええ」

「鳥…凄いな!じゃあ獲物置き場に置いてこい」

「はい」

獲物置き場にそれを置くと自分が本当にサンダー族の一員になった気がした

「凄いなたくさんとったのか」

後ろから聞こえてくる声にアザレアポーは顔を向けずに答えた

「ライオンブレイズ、子ども扱いしないで」

「悪い悪い、だってリヴァー族じゃん」

「リヴァー族って魚しか食べないって思われてる?」

「いや、ネズミも食べるだろ」

「せーかい」

えらいえらいと言おうかと思ったが
まあやめておいた

「でも、ここまでとれるとは」

「からかってる?」

「まさか」

「へぇーじゃあ」

「おい!待てよ…その、ジェイフェザーが呼んでた」

「なんで?」

「…さあ?」

「隠し事してるでしょ」

「今から狩り行ってくるからその」

「まだ私のこと疑ってるわけ?」

「自覚あるのか?」

「だいたい何の疑惑かけられてるのよ…馬鹿げたこと言わないで」

「ご、ごめん」

「絶対ジェイフェザーの所行かないから!」

アザレアポーはライオンブレイズに背を向け歩き出した

「え?おい待てよ怪我したら行けよ」

アザレアポーは振り向いて答えた

「ばか、行くに決まってるでしょ。それより狩りに行くんでしょ」

「あ、ああ」

そのまま真っ直ぐ行き、茂みに向かう。

「何か用?」

アザレアポーはそこに隠れていた見習いに話しかけた

「え?」

「さっきからずっとこっち見てたじゃん。マローキッド」

「アハハ…バレてしまったならしょうがないな」

「なんで見てたの?」

「答えるからその前に1つ教えてくれないかな」

「何?」

「なんでボクに」

「気付いたかって?舐めないでよ」

こっちがその真実を探るような嫌な目付きに気づかないわけが無い、だって昔から見てきたから

「舐める?いやいや、そんなつもりは無いけど」

「私の弱み握ってイタズラしようと?」

「あ、ああ」

「残念でした、じゃあこれで」

「うん…………チッ」

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
???視点

「根回しはすみましたよ」

「流石早いな、本当に…お前は敵に回すには恐ろしい」

「ご冗談を、あなたには敵いませんよ」

「バカ言うな、俺は野心のためだが、お前は違うだろ?」

「ええ、まあ…そうとも言えますが」

ああ、めんどくさい…こいつも殺ってしまいたいが…今のボクにできるような相手ではないな…悔しいが

「敬語、不自然に感じるな」

「そんなことないですよ」

「こんなやつを頼らなきゃ行けないとは嫌なもんだな。だが、計画が進
めば、一気に馬鹿な奴らは跪く」

「そしたら何匹かは私が貰っても?良いですよ、あなたが半分殺しかけたのでも」

だってボクは

「末恐ろしいやつだ」

死ぬ間際の絶望の目が好物だから

最期さえ見られたらそれでいい

「あなたに褒められて光栄だ」

「フッ、可哀想なことだ…こんなやつを子孫に持って」

「ボクこそ可哀想ですよ、くだらないことをうるさい声で…族長が何なんでしょう?所詮は馬鹿な奴らの集合体のリーダー、つまり1番の馬鹿だ」

「言葉には気をつけた方が身のためだ」

ああ、こいつらも馬鹿な地位を夢見たのか…愚かだな

「それはそうでしたね…失敬。まあ、古の習慣が全て正しいと思っている馬鹿もののリーダーの話であって…あなたならその世界を作り替えるでしょうけど」

「そのおべっかをずっと聞いてろと?去れ」

「了解しました。ではお元気で」

この世界で馬鹿じゃないやつは居ない。その馬鹿を屈服させることで頭がいっぱいなボクも含めて

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
アザレアポー視点

「ねーちゃん!」

「え?何?誰」

「あー!会うの初めてだったねよろしく!ボクは」

「ラーチポー」

「せーかい、よくわかったね!」

「私弟は2人しか持った覚えがないもの。でも」

「ここ境界線の内側だろ?気にすんな!」

「それはサンダー族が言う台詞だと思うけど…今すぐ出ていってよ、そしたら見逃すから」

「やだね」

「え、困るよ」

「だってボクねーちゃんと話に来たんだよ!」

「私は話したくない」

「ブラックポーには話してた癖に」

「…」

「いつも皆ボクだけ」

「やんちゃするから」

「だって…だって、期待が重すぎるんだよ…族長の孫だからって」

「だからって」

「だけど…ボク、今リヴァー族に帰れないよ。だって指導者と喧嘩したんだ」

「指導者?」

「アンバーウィングさ」

「あー、そりゃ喧嘩するでしょうね」

「ねえだから少しここでお話しない?」

「はあ…今何もないから湖の所ならいいわ」

「ありがとうねーちゃん」

「別に」

「ねーちゃんってマローポーとかレッドポーと仲いいの?」

「子猫だった頃は遊んでたけど」

というかこの間のブラックポーといいこの子といい、なんでサンダー族に私がいることを不思議に思わない?

「へー」

作られた性格。ふと頭によぎる考え
にアザレアポーはびっくりした。

相手は子どもだ。落ち着け、スノーストリームでもアプリコットハートでもない

疲れているんだきっと

「ブラックポーとは仲がいいの?」

「いいよ、一緒に悪戯するの、ブラックポーはよく考えてくれるから、面白いこと」

「どんなこと?」

「例えば…秘密だよ。モスウィングの薬草持って行って戦士に食べさせたりとか」

「…!!」

「他にも獲物置き場のものぜーんぶ他部族の境界線の近くに持ってったり…ねーちゃんどうしたの?」

「なんてことしてるの」

「え?」

「それがどの薬草か貴方には区別がつくのですか?つくのだとしたらそれだけの知識よくまあ無駄にできますこと。薬草の無駄だし、辞めなさい。ついてないのなら戦士の命に関わることしないで!」

「ねーちゃんサンダー族じゃん?関係なくね」

「そういう問題じゃないです!分からないのですか?それに、あなたがやっている事は獲物を粗末にする行為。つまりスター族と命への冒涜とも言える行為。そして、他部族の境界線の近くに置くのは自分たちの命を軽視していることです。リヴァー族と境界線がある無いじゃない。それは看過出来ないことです」

「ふーん…だから?」

「だから?だからって言いました?」

「言ったよ、はぁ…なんか興ざめ、ボク帰る」

「もう2度と境界線を越えてこないで下さい。それから次それをやったら、族長には隠しているんでしょうけど全部言いますから」

「秘密にするって言ったじゃん」

「言ってません、貴方の勝手なお願いです。私は認めてはおりません」

「姉ちゃんってつまんねえ性格」

「それこそ関係のないことでは?」

「いつか彼氏に捨てられないように気をつけてね」

「そちらこそ、部族に捨てられないように気をつけてください」








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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Thu Oct 01, 2020 8:40 am

『お前は冷たい姉だな』

「…ホークフロスト、あれが冷たいですか?」

『いや』

「良かったです」

『今はなんの時間なんだ?』

「自主訓練です、まあもう既に1度やった事なので」

『じゃあ俺と訓練するか?』

「遠慮致します」

『昨日は大変だったらしいな』

「ブロークンスターは優しいのですね」

『お前は思ってもいないことを言うのが得意なのか?』

「ええ、世渡りが下手では嫌われ者はやっていけませんからね」

『まさか他でもない俺の娘が嫌われるとは思わなかったな』

ホークフロストは人に好かれるけど

「私のせいでは無いですけど」

『俺ならその状態でもやりようはあったな』

「まあ、私は半分しかあなたの血を継いでいませんし」

『スノーストリームは有能なやつだが』

「嘘」

『お前は知らないのか』

「ええ…」

『あいつは有能だ。駒として使えるくらいにはな』

「へぇ」

『ふっ、興味無いのか』

「ええ」

『まあいい…今日からせいぜい訓練を楽しむがいい』

「はぁ…私の身がもたないですよ」

『壊れるなら壊れればいい…関係ない話だ』

「はいはい」

『グリーンポーだけでなくブレイズファーもお前には恐ろしい奴だな』


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「やあ待っていたよ」

「ブレイズファー」

「グリーンポー!スノーストリーム」

「あら、来たのね!私の愛しい愛しいアザレアファー」

怖い…怖い…怖い!!

「スノーストリーム!今彼女はアザレアポーだ」

その瞬間首がしまる

「ブレイズファー!見て!この締め方いいと思わない?」

「さっさと離せグリーンポー!」

「はーい」

「全く…これは前途多難だな。今日やるのは木登りだ」

「わかりました」

「僕木登り得意だよ…よいしょ…1人はその方法で殺したから!ほら、こうやって降りてそのまま突き刺した!!!」

グリーンポーが木に登ってから下に降りる。鉤爪が土をさす

「実践しろと入ってない」

「はいはい」

「やってみろ」

「はい」

ゆっくり登り、枝から飛びおちる

バランスを崩し、頭が泥に浸かる

「無様だなあ…笑わせないでよ…ほんと」

「0点だな…子猫でもお前より上手い」

「私の娘なのに無様ね」

近くによってきたスノーストリームに怒鳴る

「あんたの娘じゃない!」

「次やるぞ。失敗したら…俺は見過ごせないな」

「どうするの?あの人に突き出すつもり?」

「いいや…お前がやる」

「僕?」

「違う、スノーストリームお前だ」

「分かったわよ…ちゃんとやればいいんでしょ!」

「最初から本気を出すことだな」

集中して

あいつに嬲られるなんてごめんだ

「えいっ」

ストンという音とともに綺麗に着地した

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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

投稿 by ナイトブルー Thu Oct 29, 2020 7:37 pm

「できるじゃないか」

「あんなので出来てるに入るの?」

「まあまあね」

「ありがとうございますブレイズファー」

「まあいいや…この僕が見ててあげよう。2人は休んでていいよ」

え?スノーストリームがいないのは嬉しいけどこの悪魔と?

無理

「だめだ」

「僕が教えたい!」

「ダメだと言ってるだろう!だからお前はいつまで経っても」

「うるさいな…弱虫」

「はっ!弱虫なのはどっちだ?」

「そっちだ」

え?どうすればいいの?

「ブレイズファー」

恐る恐る声をかける

「あ、すまない…とにかくお前は休んでろグリーンポー」

「でも…わかったよ」

グリーンポーは言いかけだが、渋々といったかんじで了承した

「じゃあ訓練を始めよう」

月日が流れ、私は主にブレイズファーに1人で教えられるようになった

ブレイズファーからグリーンポーに連れ合いと娘を殺害されたことを聞き、娘の死を嘲笑った猫をカッとなり刺してしまったことを聞いた

ブレイズファーは殺したことに変わりない

だがここにいる奴らの誰よりもまともだった

私は次第にブレイズファーに心を許した

「元気がないようだな?大丈夫か」

「いや、ただ…ホークフロストが私を使う意味がわからないんです」

「意味?」

「はい、多分私を使って何かやろうとしてるんです…例えば」

「ファイヤスターの暗殺」

「はい、そうです」

「ここで言ったことは秘密にしてくれ…実は俺も止めたいと思っているんだ」

「そうなんですか…私も…です」

「そうか…俺はホークフロストに会いたいと思って待ち伏せているんだが…なかなか会えないんだ」

「避けられてるのでしょうか?」

「どうすればいいだろうか?」

「一応考えは」

「どうする気なんだ?」

「今度偉い人で集まって会議をするんですよね?私そこにこっそり聞き耳を立てようと思って」

「わかった…その会議に俺は出席出来ないから内容は知らないが…何かあったらお前は俺と訓練していたと言おう」

「ありがとうございます」


ナイトブルー
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生と死を越えて愛し合った2匹の猫 Empty Re: 生と死を越えて愛し合った2匹の猫

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