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忌み子はやがて伝説になる

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投稿 by シャイニングムーン Thu Jun 10, 2021 9:49 pm

やめて!私の子を返して!
 
こいつさえいなければ...!

部族は滅びる。夜明けを見ずに

シャイニングムーン
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投稿 by シャイニングムーン Thu Jun 10, 2021 9:56 pm

雨がしとしと降っている。

排水溝に流れる水の音が冷たい路地に静かに響く。

どこかで吠える犬の声が聞こえる 
 
子猫の鳴く声が張り積めた空気を破る

この子は知らない

もう乳を与えてくれる存在はないことを

もうあたたかい存在はないことを

シャイニングムーン
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投稿 by シャイニングムーン Fri Jun 11, 2021 4:27 pm

登場猫紹介①

ディンジーラット(薄汚いネズミ)主人公 薄汚れた黒い毛に赤い目の猫
エンペラー(皇帝)ボス猫 みんなから恐れられている
チキン(臆病者)ごみ捨て場の猫 みんなから臆病者といわれている
ボーン(骨)エンペラーの取り巻きの一人 みんなから恐れられている
ブラッド(血)エンペラーの取り巻きの一人 みんなから恐れられている
ミート(肉)エンペラーの取り巻きの一人 みんなから恐れられている

シャイニングムーン
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投稿 by シャイニングムーン Fri Jun 11, 2021 8:18 pm

ああ、腹が減ったな......。腹の虫がなる音でディンジーラットは目を覚ました。今日もいつもと同じ夢を見た。緑豊かな森をかける夢だ。ディンジーラットは一度も森を見たことはないというのに。ディンジーラットはごみ捨て場で生まれた。気付いたらもうごみ捨て場にいてごみ捨て場の他の猫と同じようにエンペラーや、二本足を恐れながらごみを漁っていた。いつかはごみ捨て場の外にいってみたいが、ごみ捨て場の猫に他の居場所なんてない。それに、俺の黒い毛に赤い目なんて受け入れてもらえるわけがない。エンペラーに目をつけられないように気を付けながらひっそり生きていく他はないのだ。もうそろそろごみが捨てられるだろうから早くいかなくては。すぐに食べないとエンペラーに取られてしまう。前に食べ物がなくてネズミを食べたときはひどい目にあった。確かに、腐ったような臭いはしていたが食べられると思ったんだ。あまりに腹がいたくて眠れなかったからな。さぁ!ごみ捨て場にいくか!

シャイニングムーン
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投稿 by シャイニングムーン Fri Jun 11, 2021 10:53 pm

ごみ捨て場につくともうすでに何匹かの猫がいた。お!こんなところに美味しそうな肉が!二本足には無理でも猫には食べる部分がたくさんある。引きずってゴミ箱のしたにいくとギリギリでエンペラーが現れた。ギリセーフ!エンペラーにはなぜか目をつけられている。せっかくの肉だ。エンペラーには渡せない。よし、エンペラーは向こうへいっている。肉にかぶりつこうとすると急に後ろから背中を尻尾で撫でられた。「よぉディンジーラット!皇帝様のご飯にかぶりつこうとするなんていい度胸だな!」ボーンだ。「エンペラーのじゃない!これは俺が取ったんだ!」「はぁ?立派な肉は皇帝様に献上する決まりじゃなかったか?」そんな決まりない!「皇帝様の言葉は法律だ。おとなしく肉を渡しな。」いつの間にか他の猫たちも集まってきていた。「嫌だね!だって俺が先だった!」「とっとと肉を渡せばいいんだよ!」そういうとボーンは激しく唸って飛びかかって来た。負けてたまるか!こっちも激しく唸る。耳の奥で血がごうごうなっているのが聞こえる。耳を裂かれたのがわかったが、痛みはなかった。相手の目を引っ掻くと、外したが、手応えは感じた。「おいボーン!ネズミ相手にてこずっているなぁ。本気で俺についてくるきがあるのか?」エンペラーだ!とにかく引っ掻いて引き裂いて噛みつく!
動けない!やめろ!急にエンペラーに頭を押さえつけられた。「エンペラー様すみませんでしたといえ。そうしたら今回は許してやる」「い...だ。」「何といった?よく聞こえなかったが?」「嫌だと言ったんだ!」「本気か?ならごみ捨て場からでてけ!」「こんなところ出ていってやる!もうごめんだ!」勢いに任せてごみ捨て場を飛び出したが、誰も道を阻むものはいなかった。俺は伝説になる!

シャイニングムーン
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投稿 by シャイニングムーン Sat Jun 12, 2021 12:09 pm

路地を抜けると外には二本足が大量に行き交う世界があった。こんなに二本足が......そのとき後ろから「よう!」と声をかけられた。「チキン!」弱虫のチキンがどうして?「僕も一緒に連れていってくれない?飛び出して来ちゃったからもうエンペラーが怖くて戻れないからさ!僕チキンだから」えへへと笑ってそういったチキンの顔は輝いて見えた。一緒に来てくれるなんて......「あ、ダメだった?」黙っていた俺に心配になったのかチキンは不安そうにいった。「そんなことないよ!一緒にいこう!」こうして俺らは新しい一歩を踏み出した。

シャイニングムーン
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投稿 by スパークリングムーン Tue Jul 20, 2021 10:39 pm

(………!………!)
霧の奥に霞んで見える猫……雌猫……
知らない猫だ。でもなぜか知っている気がする…
ディンジーラットの瞳には、雌猫がこちらを向いて微笑んだように見えた。
さようなら…
きこえはしなかったがなんとなく雌猫がそう言ったような気がした。
(……に向かっ…行……!夕……行き…!)
なんと言っているんだ??
ディンジーラットは眉をひそめた。聞こえない。
(夕陽に向かって行きなさい!)
突如、頭の中に声が響いた。
夕陽に向かって…か、わかったよ。


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投稿 by スパークリングムーン Tue Jul 20, 2021 10:39 pm

(………!………!)
霧の奥に霞んで見える猫……雌猫……
知らない猫だ。でもなぜか知っている気がする…
ディンジーラットの瞳には、雌猫がこちらを向いて微笑んだように見えた。
さようなら…
きこえはしなかったがなんとなく雌猫がそう言ったような気がした。
(……に向かっ…行……!夕……行き…!)
なんと言っているんだ??
ディンジーラットは眉をひそめた。聞こえない。
(夕陽に向かって行きなさい!)
突如、頭の中に声が響いた。
夕陽に向かって…か、わかったよ。


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投稿 by シャイニングナイト Wed Jul 21, 2021 9:56 am

ええ。
天才ですかね……?
特に二個目の「雨がしとしと降っている(以下略)」とか天才過ぎました。
このお話し面白いです!頑張ってください!
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投稿 by スパークリングムーン Thu Jul 22, 2021 10:35 pm

ありがとうございます♪もっと褒めてください♪

目を開けると見慣れない光景が目に飛び込んできた。
その眩しさに思わず目を瞬く。
「ここは…」
「ここは二本足の住処のオオドオリって言う場所だよ!」
チキン…!
「で、僕らはどこに行くの?ここで暮らす?でも僕はそれはやだな。エンペラーからせっかく逃げてきたわけだし?」
エンペラー。そうだ!俺はエンペラーのところから追い出された逃げてきたんだ!
「そういえばきょう夢を見たんだ…」
ディンジーラットは躊躇いつつも切り出した。
「どんな夢?」
チキンが目を輝かせた。
「なんか知らない雌猫がいて、夕陽に向えって言うんだよね…んでただの夢だと思うんだけど従ってみようかなって思ったんだ。」

スパークリングムーン
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投稿 by スパークリングムーン Thu Jul 22, 2021 10:35 pm

ありがとうございます♪もっと褒めてください♪

目を開けると見慣れない光景が目に飛び込んできた。
その眩しさに思わず目を瞬く。
「ここは…」
「ここは二本足の住処のオオドオリって言う場所だよ!」
チキン…!
「で、僕らはどこに行くの?ここで暮らす?でも僕はそれはやだな。エンペラーからせっかく逃げてきたわけだし?」
エンペラー。そうだ!俺はエンペラーのところから追い出された逃げてきたんだ!
「そういえばきょう夢を見たんだ…」
ディンジーラットは躊躇いつつも切り出した。
「どんな夢?」
チキンが目を輝かせた。
「なんか知らない雌猫がいて、夕陽に向えって言うんだよね…んでただの夢だと思うんだけど従ってみようかなって思ったんだ。」

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投稿 by スパークリングムーン Sun Sep 05, 2021 9:53 pm

「いいと思うよ。僕は。」
チキンはきっと反対すると思っていたディンジーラットは目を丸くした。
「えっ?なんで?」
「時には夢に従うことも大切だと思うから。それにずっとここにいたらエンペラーに捕まってしまう。君には教えなかったけど、実は今朝、エンペラーの手下が僕らの寝た場所のすぐそばを嗅ぎ回っていたんだ。出発するなら早くしないと。」
「じゃあ今す」
おもわず立ち上がりかけたディンジーラットをチキンは慌てて押さえつけた。
「見えないのか?あそこの路地に奴らがいる。」 
目を凝らすと黒っぽい影が2体、オレンジ色に光る濁った宝石が宙に四つ浮いていた。
「急いで行こう。」
屈んで足早に歩き出す時、こっそり後ろを振り返ると影はもう無くなっていた。

スパークリングムーン
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投稿 by スパークリングムーン Sun Sep 05, 2021 9:53 pm

「いいと思うよ。僕は。」
チキンはきっと反対すると思っていたディンジーラットは目を丸くした。
「えっ?なんで?」
「時には夢に従うことも大切だと思うから。それにずっとここにいたらエンペラーに捕まってしまう。君には教えなかったけど、実は今朝、エンペラーの手下が僕らの寝た場所のすぐそばを嗅ぎ回っていたんだ。出発するなら早くしないと。」
「じゃあ今す」
おもわず立ち上がりかけたディンジーラットをチキンは慌てて押さえつけた。
「見えないのか?あそこの路地に奴らがいる。」 
目を凝らすと黒っぽい影が2体、オレンジ色に光る濁った宝石が宙に四つ浮いていた。
「急いで行こう。」
屈んで足早に歩き出す時、こっそり後ろを振り返ると影はもう無くなっていた。

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