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月が真上に上った時に

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投稿 by シャイニングナイト Sun Jul 04, 2021 6:09 pm

「閃光に駆ける夜の猫」の噂を知っていますか?
その猫は「電光石火のごとく戦場を駆け回り、相手は瞬く間に死体と化す」らしい……。
そんな猫が目の前に現れたら、突然謎の言葉を残して消えたら、みんなどう思うだろう?
残るのは恐怖隠された真実
みんなは、謎と偏見に惑わされずに、真実を暴くことができるかな……?


最終編集者 シャイニングナイト [ Tue Jul 06, 2021 9:02 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by シャイニングムーン Sun Jul 04, 2021 8:31 pm

気になる......
がんばってください!(あれ?どの口がいってるんだろう?この台詞いった猫20個くらい未完結の小説抱えてるよね?)

シャイニングムーン
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投稿 by オーシャンフラワー Sun Jul 04, 2021 8:35 pm

頑張ってください!
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投稿 by あんしんですめろん。 Mon Jul 05, 2021 6:33 pm

hgkjbgctyxdxびんjvrwtrdhblkにkvrgぜtxbjbgjxdtzてdvnkびhvjybklんhkcfg

あんしんですめろん。
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投稿 by シャイニングムーン Mon Jul 05, 2021 8:47 pm

by あんしんですめろん。 on Mon Jul 05, 2021 6:33 pm hgkjbgctyxdxびんjvrwtrdhblkにkvrgぜtxbjbgjxdtzてdvnkびhvjybklんhkcfg wrote:

これ何なんですか?シャイニングナイトさんの小説で変なことするのやめてください。まずウォーリアーズに全く関係ないじゃないですか!失礼ですよ。

シャイニングムーン
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投稿 by シャイニングナイト Tue Jul 06, 2021 9:02 pm

シャイニングムーンさん、オーシャンフラワーさんありがとうございます、頑張ります!
シャイニングムーンさん、怒ってくださったのはとても嬉しいですが、こういう人たちは無視するのが一番いい対処法ですよー。
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投稿 by シャイニングムーン Tue Jul 06, 2021 9:18 pm

そうですね!
この人よくわからないので、私も無視することにしました。
面倒だし、飽きますよね。

こんな人に負けずに頑張ってください!
私も一個完結させるまで、新しい小説作らないようにします!(それはどうでもいい)

シャイニングムーン
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投稿 by シャイニングナイト Tue Jul 06, 2021 9:27 pm

はい!お互い頑張りましょーねー!
私のいくつも小説放置してる仲間なのは秘密(ボソッ)
シャイニングナイト
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投稿 by シャイニングナイト Tue Jul 06, 2021 9:39 pm

character

浮浪猫 シャイニングナイト(輝く夜)♀
漆黒の夜色の毛皮に輝く月色の瞳を持つ雌猫。やや小柄で脚が長め。「閃光に駆ける夜の猫」という通り名で有名になっているが、詳細を知る者は誰一人としていない。

サンダー族
族長 ブランブルスター(茨の星)♂

副長 スクワーレルフライト(飛ぶリス)♀

看護猫 ジェイフェザー(カケスの羽)♂

戦士 ライオンブレイズ(ライオンの炎)♂

戦士 ダヴウィング(鳩の翼)♀

ウィンド族
族長 ワンスター(一つ星)♂

副長 アッシュフット(灰の足)♀

看護猫

リヴァー族
族長 ミスティスター(霞星)♀

副長 リードウィスカー(アシ髯)♂

看護猫 モスウィング(蛾の羽)♀

シャドウ族
族長 ブラックスター(黒星)♂

副長 ロウワンクロー(ナナカマド爪)♂

看護猫 リトルクラウド(小さい雲)♂

超うろ覚え&面倒くさいので今度書きます(おい)。
4-6の後なのですべて想像で書きます。
後キャラ章紹介はちょくちょく更新するので見てくださいねー。


最終編集者 シャイニングナイト [ Sat Jul 17, 2021 6:47 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by シャイニングムーン Tue Jul 06, 2021 9:55 pm

私シャイニングナイトさん本人?が登場してる話好きなんですよ!
楽しみにしてます!(プレッシャーかけようとはしてません!)

シャイニングムーン
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投稿 by オーシャンフラワー Wed Jul 07, 2021 6:45 am

とても面白そうです!
なんかシャイニングナイトの正体をあばきたくなりますよね
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投稿 by シャイニングナイト Sat Jul 17, 2021 7:13 pm

うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。
めっちゃいい感じでかけてた長い文章全部消えたああああああああああああああああああ。

追記
何とか死に物狂いで書き終えた……。
しんどかったし、めんどくさくてちょっと省いちゃった。


最終編集者 シャイニングナイト [ Sat Jul 17, 2021 7:40 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by シャイニングナイト Sat Jul 17, 2021 7:39 pm

prologue
こんばんは

 さわさわと夜風が優しく草を撫でる音が心地いい。雲一つない夜空には月がこうこうと輝いている。ちりばめられた星は、まるで美しく夜空を彩っているかのようだ。
「こんばんは、ジェイフェザー」
魚っぽいリヴァー族独特のにおいがしたと思ったらやっぱりか。リヴァー族が少し遅れて大集会が行われる島に到着したのだ。そして、今話しかけてきたのはリヴァー族の看護猫のモスウィングだ。ほかの部族はもう到着していたというのに、のんきなものだ。
「こんばんは、モスウィング」
こちらも挨拶を返す。そろそろ大集会が始まらないかと、ジェイフェザーがイライラしてきたころ、ようやく大集会が始まった。
「月の光を無駄にしているぞ」
ブラックスターが不服そうに尻尾を振り動かす。
「そうだな。早く始めよう」
ワンスターも同意し、大集会の演説が始まった。
「まずはサンダー族から発言しますね」
ブランブルスターがほかの部族に会釈して一歩前へ進み出る。
「皆さんご存知の通り、この間の暗黒の森からの襲撃によって、ファイヤスターが命を落としました」
すべての部族から悲しみの鳴き声や慰めの言葉が飛び交う。
「彼は素晴らしい族長でした。ファイヤスターを失ったことは、とてもつらいです」
ブランブルスターは本当につらそうに少しの間うなだれた。ほかの部族は何も咎めず、ただブランブルスターが話を続けるのを待っている。
「でも、我々も前へ進まねばなりません。俺は、少し前に月の池へ行き、九つの命と族長名を授かってきました。ファイヤスターには到底及びませんが、全力を尽くします」
全ての部族から大きな祝福の声が上がり、「ブランブルスター!ブランブルスター!」と叫ぶ猫もいた。その声がやんでから、ブランブルスターは他の部族に演説を譲った。それから各部族は各々近況を報告し、そろそろ大集会をお開きにしようかとしていた時だ。突然、猫たちがざわめいた。恐怖に叫ぶ猫もいれば、唸る猫もいる。目が見えないので、何が起きているか、全く分からない。ああ!この目さえ見えていれば!
「兄さん、何が起きてるんだ」
兄のライオンブレイズが近づく気配がしたので、ジェイフェザーはすかさず尋ねた。
「わ、わからない」
ライオンブレイズは戸惑って口ごもった。兄が言うには、突然トールツリーのてっぺんに黄色い瞳が現れたらしい。さっきまでは絶対なかったと全員が断言している。
「はあ?」
話を聞き終えると、ジェイフェザーは拍子抜けした声で言った。
「そんなバカな話があるもんか。突然猫は現れないし、誰にもばれずに登ることも短時間で登ることも不可能。大集会が始まる前から潜伏していたとしても、姿を消すことはできない。誰かは気づく。そんな非現実的な話あるわけないじゃないか」
ジェイフェザーは呆れてそう言ったが、ライオンブレイズはむっとした声で言い返した。
「だけど本当なんだ。信じられないなら……」
その先は何を言おうとしたのかわからない。ライオンブレイズは口をつぐんだ。さすがに今度は何が起きたのか、ジェイフェザーにもわかった。その猫が、あの高いトールツリーのてっぺんから飛び降りて、島の真ん中に着地したのだ。


最終編集者 シャイニングナイト [ Wed Aug 18, 2021 10:40 am ], 編集回数 1 回
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投稿 by シャイニングナイト Sat Jul 17, 2021 8:21 pm

第一章
不吉な予感

 さっきまで姿が見えなかったその猫は、月の光に毛皮が反射して、姿が見えるようになった。真っ黒な夜色の毛皮を、月明かりが銀色に染めている。月色の瞳だけは相も変わらずらんらんと光っている。あ、そうか。だからだ。ライオンブレイズは納得した。これだけ黒ければ、夜だった場合どれだけ目が良くても見分けられそうにない。この猫は大集会が始まる前から、どうしても目立ってしまう瞳を閉じてトールツリーのてっぺんで待機しており、盗み聞きが終わったと同時に目を開けてみんなを震え上がらせたというわけだ。
「どうもこんばんは」
雌猫の冷たい声はよく響いた。みんなが静まり返っているからに違いない。
「『どうもこんばんは』じゃない!なんなんだお前は!」
ブラックスターは大声で怒鳴りつけたが、雌猫は落ち着いてブラックスターを見上げた。
「私にそんな態度とって、いいんですか?」
周りが息をのむ。
「それはお前だろう!俺たち族長に向かってそんな態度でいいと思っているのか!」
ワンスターがまくしたてた。だが。
「そうですか。まあ私、族長よりも素晴らしく、尊い存在なんですけどね」
その雌猫はふっと馬鹿にした微笑を浮かべた。常に小馬鹿にした冷静な態度。すごくむかつく。
「私にかかれば、゛たった゛九つの命なんて一瞬ですよ」
雌猫は爪の出た前足を顔の前でひらひらと振った。爪が月明かりに照らされてギラリと光る。
「は?たわごともほどほどにしてほしい」
ブラックスターが背を弓なりに曲げて唸った。
「たわごとじゃないです、事実です。なんならここにいる猫全員vs私一匹でも全然いいですよ」
その猫は恐ろしいほど自信に満ちていた。
「今日はスター族の定めたおきてで休戦されている」
ブランブルスターが静かに注意した。今にもとびかかりそうな猫が何匹もいたからだ。自分もその中の一匹だった。その猫よりも負けない自信に満ち溢れているのに。なぜなら自分は、絶対に負けない特別な力を持っているから。だけど、このむかつくやつを引き裂きたい気持ちをぐっとこらえて座った。
「スター族!」
雌猫が馬鹿にした笑い声をあげた。
「スター族はもう無力よ。大切な力が衰えてしまったから。その代り、その能力を私が手に入れた」
驚きと敵意に辺りが満たされる。抗議の怒鳴り声で辺りはたちまち騒がしくなった。ジェイフェザーだけは好奇に満ちた目をしているのを見てライオンブレイズは寒気がした。
「スター族は星を読む力を持っていて、星を呼んで手に入れたお告げを陸の猫に伝えていた。陸の猫は星が読めないから。でも、私は星が読める。のと同時にスター族はもう星を読めない」
その猫はにやりと不敵な笑みを浮かべる。
「ま、いいわ。信じたくなければ信じなければいい。私を襲いたければ、襲えばいい。でも、もう絶対にお告げは受けられないし、私を倒すことも絶対にできない」
嫌な薄笑いを浮かべて雌猫は落ち着いた冷たい声で言う。
「私の名前は、『閃光に駆ける夜の猫』のシャイニングナイトよ」
何匹かが顔を見合わせたりしている。知っていたのだろうか。その猫は部族猫に背を向けて立ち上がった。だが、少し、振り返ってから言った。
「月が真上に上るとき、また私はここへ現れる」
そして、夜闇にさっそうと消えた。最初から最後まで、謎な猫だった。不審感にかられて考え事をしていたので、ジェイフェザーが「月が真上に上るときにまたここに……」とつぶやいたのには、気づかなかった。


最終編集者 シャイニングナイト [ Wed Aug 18, 2021 10:47 am ], 編集回数 1 回
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投稿 by シャイニングナイト Sun Jul 18, 2021 9:46 pm

第二章
一難去って、また一難

 カンカンと太陽が照りつける中、ジェイフェザーはイライラと看護部屋を歩き回っていた。シャイニングナイトに会って、話を聞いてみたくてたまらない。数日前の大集会からそれしか頭に浮かばず、薬草のえり分け作業をするのをすっかり忘れていた。とりあえず今夜は新月ではない。シャイニングナイトは、月が真上に上っていれば満月じゃなくても現れるのだろうか。それとも満月の夜だけなのか?次の満月まで、とても待てそうにない。今晩、どうしても行ってみたい。そうと決まればジェイフェザーはライオンブレイズとダヴウィングのもとへ急いだ。ありがたいことに、ライオンブレイズとダヴウィングは最初から一緒にいた上に、周りには誰の気配もない。
「兄さん、ダヴウィング。話があるんだ」
ジェイフェザーは単刀直入に告げた。ライオンブレイズが警戒して目をぐっと細める。
「まさかこの間の雌猫に会いたいとか言うわけじゃないだろうな」
図星だ。だが、驚きも隠そうともせずにジェイフェザーは
「そうだよ。別に変なことじゃないだろ?」
と、さらっと答えた。
「変なことだよ。あんなのに会いに行きたいだなんて、馬鹿げてる。ソルの時もひどい目にあったろ?」
ライオンブレイズは呆れたように否定した。
「それに、何のために会いに行くんですか?これは罠で、近づいたら殺されるかも知れないのに」
ダヴウィングもライオンブレイズに賛成の様だ。でも、ジェイフェザーは意見を変える気がなかった。
「兄さんは戦いで絶対に負けない力を持ってる。殺されないよ。それに、僕らを殺す気なら、きっと昨日のうちに皆殺しにされてたさ。そして、あの猫はよそ者なのに戦士名を持ってて、スター族の力が衰えていることも知ってる。何か役に立つ情報をもらえるかもしれない。たとえ大したことがなくても、損になることはそうそうないと思うよ」
ジェイフェザーも負けじと言い返した。ライオンブレイズとダヴウィングは顔を見合わせる。
「よし。じゃあダヴウィングがキャンプからその雌猫がいるかを調べ、いたらまず俺が話しかけに行く。俺が襲われたらお前らは逃げろ。そして襲われなかったら俺がお前たちを呼びに行く」
ライオンブレイズは諦めたように作戦を立てた。
「ほんとジェイフェザーってたまに頑固になりますよね」
ダヴウィングが少し微笑んで言った。ライオンブレイズもそれに同意していた。でも、ジェイフェザーはそんなの聞こえていなかった。今夜、あの猫に会って話を聞くことができる!そう思うと興奮が体中を駆け巡った。

 細長い月が上がっている。茂みや木の陰に隠れつつ三匹は忍び足で歩く。ダヴウィングによると、その雌猫は島の中央に優雅に座っているらしい。
「お前らはここで待ってろ。いいか、絶対おとなしくしてるんだぞ」
兄の視線がチクチクと刺さる。主に自分のことを言われているようだ。さすがにそこまで言われて、のこのこ出ていくほど馬鹿じゃない!そもそも立てた作戦には、よほどのことがない限り従うよ!頑張って耳を澄ますとかすかに二匹の会話が聞こえてくる。
「あ、来たわね」
「襲わないんですか」
「襲う理由が見当たらないからね」
「俺の仲間はシャイニングナイトは誰彼かまわず襲う通り魔だと言っていましたよ」
「間違ってはないけど、今回は襲わないわ」
「そうですか。では信用していいんですね?裏切った場合、俺はあなたを殺しますよ」
「私を殺すことは不可能に近いけど、まあ勝手にしなさい」
そこで、足音がこちらに近づいてくる。
「一応大丈夫そうだ、来い」
ライオンブレイズが尻尾をさっと振った。はやる気持ちを抑えてゆっくりと島の中心へ向かう。
「ようやく隠れていた猫も出てきたのね」
シャイニングナイトはそう言った。気づかれていたようだ。兄とダヴウィングは驚きつつ警戒しているようだが、ジェイフェザーは正直尊敬していた。この猫を味方につけることができたらどれほどいいだろう。
「星を読んでください」
ジェイフェザーは言った。雌猫は何の抵抗もせずに、すんなりと星読みを始めた。これにはさすがに驚いた。しばらくすると、小さな星の集団のような光の嵐がシャイニングナイトの周りを囲った。かと思えば、吸い込まれるようにして星の嵐は夜空に消えた。
「一難去ってまた一難。せっかく大きな災いを乗り越えたけど、また大きな災いが降り注ぐ。その災いから部族を救う方法はただ一つ。私たちが聖なる土地へ行き、新たな力を手に入れること」
シャイニングナイトは星が瞬いている瞳をこちらに向けて告げた。いつもは目の見えないジェイフェザーにも、星の嵐から、シャイニングナイトがお告げを言い終わるまでの間、目が見えていた。だが、シャイニングナイトの目から星の光が消えると同時に自分も視界もすとんと落ちた。
「俺は旅になんか行かない。怪しいわけのわからない猫の言いなりになって旅に出て、その間一族を放置するなんてできない」
ライオンブレイズはきっぱりと告げた。
「私も、行きません。なんだか信用できないので」
ダヴウィングもライオンブレイズの横に並んで立ち、シャイニングナイトを睨み付けた。シャイニングナイトは、当然自分にも断られると思っているのか諦めた微笑を浮かべている。
「僕は行きます」
予想に反して断られず、シャイニングナイトは面食らったようだった。
「行かないと一族が滅びる。行っても滅びるかもしれないけど、行かなくても同じなら行くべきだ。それに、この猫の言っていることは本当だと思う。二人ともあの星を見ただろ?」
ジェイフェザーはそう言った。そのあと二匹から散々止められたが、ジェイフェザーは頑固にも「旅に出る」の一点張りだった。
「わかった。ジェイフェザーだけじゃ不安だから俺も行く」
とうとうライオンブレイズが諦めた。僕だけじゃ不安?僕はもう子猫じゃないんだぞ!
「じゃあ私だけ残っても中途半端ですね。私も行きます」
ダヴウィングも諦めて苦笑するしかなくなった。
「おーけー。それじゃあ、明日の早朝に出発よ。もうここで寝ていって。すぐに出発したいから」
シャイニングナイトはそう言うと、ありあわせの寝床をこしらえてくれた。ライオンブレイズとダヴウィングはすぐに眠りについた。が、ジェイフェザーは当のシャイニングナイトが寝床に来ないので様子を見に行った。島の真ん中で儚げに夜空を見上げるシャイニングナイトが安易に想像できる。
「どうして、僕たちに力を貸すんですか?」
ジェイフェザーは隣に座り、聞いてみた。シャイニングナイトがこちらを向く気配がする。その瞬間だけ、ジェイフェザーの目が見えるようになった。
「それが私の宿命だから」
シャイニングナイトは儚く悲しそうに微笑んでいた。美しい笑顔だった。


最終編集者 シャイニングナイト [ Sun Oct 17, 2021 7:58 pm ], 編集回数 2 回
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投稿 by シャイニングナイト Tue Jul 27, 2021 7:34 pm

第三章
果てしない旅

 ダヴウィングは小鳥のさえずりで目が覚めた。あれ……?どうして天井がないの?ウィンド族じゃないんだから、こんな空の下の開けたところで寝ないはずなのに。
「おはよう、ダヴウィング」
ライオンブレイズが見下ろしていた。寝ぼけ眼で辺りを見回し、ようやく思い出した。ここは大集会の島だ!そして今から私たちは謎の怪しい猫とともに未知の旅に行かなくてはならないんだ。
「おはようございます。あの例の猫はどこ行きました?」
ダヴウィングは起きて座るなり尋ねた。旅をすっぽかしてどこかへ行かれてしまってはたまったもんじゃない。
「ああ。そいつは島の中央だ。ついでに言うとジェイフェザーもそこにいる」
口調がイライラしている。
「ようやく起きたのか。僕とシャイニングナイトはもう準備ができてる。早く行かないと一族に捜索隊を出されてこの島も捜索されるかもしれないぞ。それに、いつ誰に目撃されるかわからない」
ジェイフェザーが草をかき分けて現れ、見えない目をこちらに向けて告げた。
「うるさいな。今いくよ」
ライオンブレイズが呆れて目をくるりと回した。
「遅い方が悪い」
ジェイフェザーはそのまま歩き去った。まったく!ジェイフェザーってば!その後、私とライオンブレイズはジェイフェザーに言われるがままに準備を整え、出発した。シャイニングナイトはその間、動かず黙って座っていた。
「まずは、山を越えなくてはならない」
シャイニングナイトが振り返らずに告げた。
「はあ?まずは?目的の場所はもっと遠いってことか?馬鹿言うな。山を越えるだけでもかなりの日数がかかるんだぞ!」
ライオンブレイズが噛みつくように怒鳴った。
「だから災いが起きるずっと前からお告げが下りたのよ。ちゃんと間に合うはず。変な寄り道やトラブルが起きない限りね」
シャイニングナイトは遠くを見据えた。
「あと、途中で全員死ななければ」
シャイニングナイトの目に感情はなかった。淡々と述べられたその言葉にダヴウィングはぞっとした。最初は、自分だけ残ったところでメリットがないと思い、ついてくることにしたがそれを心底後悔した。メリットならあっただろうに。自分が絶対生きているということだ。それに、姉を置いていくのも気が引ける。ああ、こんな旅、こなければよかった!


最終編集者 シャイニングナイト [ Wed Aug 04, 2021 10:19 am ], 編集回数 2 回
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投稿 by フレイムストーム(低浮上中) Tue Jul 27, 2021 7:54 pm

いつも読んでます!
面白いです(*´ω`*)
続きも頑張ってください!!
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投稿 by シャイニングナイト Wed Jul 28, 2021 7:45 pm

ありがとおおおございまあああす!頑張ります!
ダヴウィング目線ちょっと短くなっちゃったなあ。次はちゃんと書かないとな。
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投稿 by シャイニングナイト Tue Aug 17, 2021 4:43 pm

第四章
機転

 風が甘いヒースの香りを運んでくる。辺りには強く風が吹き付け、髯が顔に張り付く。毛が後ろに引っ張られるようで、どうも動きにくい。よくウィンド族はこんな場所で暮らせるな!ジェイフェザーは心の中で馬鹿にして鼻を鳴らした。サンダー族の三匹が動きにくそうにウィンド族の縄張りを横切るのに奮闘している中、シャイニングナイトはずんずんと進んでいく。たまに馬鹿にしたように振り返って待ってはくれるが、距離は離れたまんまだ。シャイニングナイトは、もしかすると元々荒地住んでいたのかもしれない。そういえば、元はどこから来たんだろう。もしかすると、部族のことをソルのようにミッドナイトから聞いたのかもしれない。住処はそっちの方なのかも。
「君は元々どこに住んでいたんだ?」
ジェイフェザーは走って追いついて尋ねた。慌ててライオンブレイズとダヴウィングもついてくる。
「ずっと遠いところ」
シャイニングナイトは詳しく伝えず、そっけなくそう言った。
「これからの目的地に近いところに住んでいたのか?」
ライオンブレイズが聞いた。
「そっちとは違う方」
シャイニングナイトはジェイフェザーにした返答と同じぐらいそっけなく返す。
「じゃあ俺たちは案内する猫すらよく知らない道を歩かされてるんだな!」
ライオンブレイズの毛が逆立つ。
「なんて余裕そうな旅なの!これだとウサギの五歩でみんな無傷で帰ってこれるわね」
ダヴウィングが唸り声で皮肉った。ジェイフェザーが二匹を怒鳴りつけようと口を開いたとき、一瞬早くダヴウィングが言葉を発した。
「ウィンド族!伏せて!」
ダヴウィングは声と同時に伏せ、ライオンブレイズとジェイフェザーも続けて伏せた。ここでは森のように隠れることができない。が、ヒースの茂みに隠れることで、少しはましだろう。そこで、ジェイフェザーはぎょっとした。シャイニングナイトが伏せずにずかずかウィンド族に歩み寄ったからだ。ジェイフェザーは恐怖でぎゅっと身を縮めた。
「おい!お前今すぐここから失せろ!」
激しい怒鳴り声が何もない荒れ地に響いた。ブリーズペルトの声だ。
「そうよ、ここはウィンド族の縄張りよ!」
ナイトクラウドがブリーズペルトの横に立ち、息子の肩を持った。
「サンダー族のにおいがする気がしたのだけれど」
アッシュフットが単なる疑問を述べた。
「それはこの胡散臭い雌猫がサンダー族の縄張りを通ってきたからだろ」
ブリーズペルトが馬鹿にして鼻を鳴らした。
「うるさいなあ。今出ていくところなのにさ」
シャイニングナイトがボソッと言った。
「私たちに反抗するつもり?」
ナイトクラウドが爪を出して、背中を弓なりに曲げた。
「逆に反抗しちゃいけない理由がないのよね」
シャイニングナイトは落ち着いて挑発を続ける。ジェイフェザーはこの雌猫の態度に感心した。三匹の猫に敵対心をむき出しにされても自分の意見を貫き通すこの雌猫を、ライオンブレイズ達も尊敬すべきだ。
「反抗しちゃいけない理由をわからせてやる」
ブリーズペルトが雄たけびをあげて飛び掛かった。シャイニングナイトは横によけ、地面に足をついたブリーズペルトの前足を払った。ブリーズペルトが無様に顎を地面に打ち付けた瞬間、シャイニングナイトはブリーズペルトをライオンのような力で押さえつけた。ブリーズペルトは諦めずにもがき続けるが、その努力もむなしくシャイニングナイトから抜け出すことはできない。激しく引っ掻かれた傷跡からどくどく赤い血が流れる。すべてが一瞬の出来事だった。ウィンド族の猫たちは一瞬唖然とする。
「なんてことするの!」
ナイトクラウドが叫び、シャイニングナイトの背中に飛び乗って爪を立てた。が、シャイニングナイトは仰向きにひっくり返った。ナイトクラウドは勢いよく地面に背中を打ちつけた。シャイニングナイトは横へ転がり、ナイトクラウドを押さえつけて引っ掻く。ナイトクラウドの皮膚が裂ける。アッシュフットも勇敢に立ち向かったが、シャイニングナイトがアッシュフットの腹の下に入り、後ろ足で蹴り上げて素早く体勢を立て直し、アッシュフットを押さえつけて激しくかみついたため、慌てて逃げ出した。
「退却!」
アッシュフットがあえぐように叫んだ。傷だらけで血を流した三匹は無様な走り方で逃げ去った。結局ジェイフェザーたちには気づかなかった。ライオンブレイズとダヴウィングがぎょっとして怯えているのがわかる。ライオンブレイズでさえもこんなに強く戦えるかどうか怪しい。ウィンド族の猫たちは立ち上がるのがやっとという感じだったのに、シャイニングナイトは無傷だ。改めてこの猫の恐ろしさを三匹は知った。


最終編集者 シャイニングナイト [ Sun Oct 17, 2021 7:52 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by ストームウェーブ Tue Aug 17, 2021 10:56 pm

わぁシャイニングナイトさんかっこいい…
更新頑張ってください!
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投稿 by シャイニングナイト Tue Aug 24, 2021 8:21 pm

第五章
不審感

 ダヴウィングはウィンド族の縄張りを抜けると唸り声をあげ、シャイニングナイトの前に立ちはだかった。シャイニングナイトは少しも動じず、ただ冷たい目で見返してきた。
「どうして私の言うことを聞かなかったの?せっかく警告したのに!大人しくしていれば戦いは起きなかったのに!」
ダヴウィングが怒鳴りつけたが、シャイニングナイトは肩をすくめた。
「さあ。それはどうだと思う?」
「喧嘩売ってるの?」
ダヴウィングは恐怖を隠しながら唸った。喧嘩になってしまったら私は確実に負ける。悪ければ殺される。
「もしかして、分からない?」
シャイニングナイトが呆れて目を回した。
「ああ。わからない。何のためにウィンド族を傷つけたんだ?無駄なことにしか見えない」
ライオンブレイズが顎をクイッとあげた。元指導者は怖くないんだ。自分のあの能力があるから。シャイニングナイトはため息をついた。
「あんな開けた場所で見つからないと思った?それに匂いだって匂うし。だからあえて私が気を引いてあげたの。もし私も隠れてたら匂いで見つかって、サンダー族の縄張りへ追い返されていたわよ。感謝してもらいたいわ」
シャイニングナイトは吐き捨てるように言った。
「何がともあれ助かったんだ。先を急ごう。間に合わなくなったら元も子もない」
ジェイフェザーは冷静に指摘した。それから四匹は黙って歩き続けた。辺りの空気は緊張でピリピリしていた。ダヴウィングは居心地が悪くてしょうがなかった。ダヴウィングはサンダー族のキャンプに感覚を漂わせてみた。うるさい辺りの音を遮断するのは中々苦戦したが、苦戦しても頑張ってよかったと思った。なぜなら、見事なリスを仕留めている姉の姿が見えたからだ。ダヴウィングが喜んでいると、ライオンブレイズの鋭い声が割り込んできた。
「ダヴウィング!聞いているのか?ぼうっとするんじゃない!」
ライオンブレイズが怒鳴ったので、私の感覚は一気に引き戻された。ライオンブレイズは怒鳴っているが、目には少し心配の色を浮かべている。
「ここら辺は犬がいるから、と言ったの」
シャイニングナイトが遠くで顔を洗いながら言った。いつでも冷静で落ち着いた態度に吐き気がしてくる。この猫は本当に事の重要性を理解しているの?噂では、この猫は誰彼構わず殺しているらしいではないか。今回の事も、ただごたごたを起こして掻き乱して楽しんでいるだけだったらどうしよう。この猫の言っていることがすべてでたらめだったら?特別な能力のある私たちをおびき出して安全に殺してから一族を滅ぼすつもりだったら?
「おい!頭にアザミの綿毛でも詰まっているのか?」
ジェイフェザーが私と鼻を突き合わせて怒鳴った。また考え事をしていてぼうっとしてしまった!目をつけられてしまったらどうしよう。また考え事に浸りそうになったが、何とかとどまった。
「すみません。わかりました、気を付けます」
ダヴウィングはぼそぼそ答えた。シャイニングナイトは、私のことは気にも留めずにさっさと歩きだしていた。ジェイフェザーが慌てて後を追っている。ジェイフェザーはどうしたっていうの?まさか、あの雌猫に惚れたわけじゃないでしょうね?あんな無愛想でミステリアスな殺し屋に惚れるなんて、馬鹿にもほどがあるわ!しかも、目が見えないのに!さすがに、惚れたはずはないか、とダヴウィングは思い直した。ジェイフェザーもさすがにそこまで向う見ずな恋はしないだろう。そこで、ダヴウィングはちくりと良心がとがめた。自分は他部族でタイガースターの息子で暗黒の森に通っていたタイガーハートと恋に落ちていたではないか!ジェイフェザーほどではないが、私も同じようなことをしでかしているので、何も言えないのかもしれない。ああ、どうしよう。不安で不安でおかしくなりそうだわ。あの雌猫に何か裏があったら?ジェイフェザーが本当に恋していて危険な目に合ってしまったら?ライオンブレイズの力でもシャイニングナイトに太刀打ちできなかったら?私のいない間に姉や一族の身が危険にさらされていたら?ああ、スター族様!どうかわたしたちと部族をお守りください!ダヴウィングは心の中で祈りをささげた。
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