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地と、海と、緑と、空と…

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投稿 by Murre Sat Jun 11, 2022 3:08 pm

第二章始まる前のシーン
イブニングオーシャンとレパードカートゥン
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投稿 by Murre Sat Jun 11, 2022 3:08 pm

パズルドタイガー
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投稿 by Murre Sun Jun 12, 2022 8:36 pm

第4章 “孤高”
「ラージスカイ、ミサゴは…?」
「来ない」
鯖虎の雄猫は、晴れ渡った空の手前に古くから構える雪の積もった山を見、左側からの紫外線の多い日光に、ぐっと目を細めた。隣に腰を下ろしたネクストスカイは、陰影のはっきりする山と、その向こうから現れるはずの影が無いことを確認し、肩を落とした。
「もう、三回月が巡った。ミサゴの定期便が途切れて」
シャープケイヴダークオスプレイは目を閉じ、山の向こうの小さな王国に思いを馳せた。
かつて”孤高”を救ってくれたミサゴら猛禽類は、”大地”の縄張りの山の向こうに住んでいる。そして、我が”孤高”に月一回やって来て、獲物を御裾分けしてくれる。だから”孤高”は、昔からの恩を返すためにせっせと虫を養い、やってきた鳥たちの体に乗ってはネズミの胆汁を掛けたり、マッサージをして差し上げたりする。ミサゴらは喜んで獲物の少ない“孤高”の猫にネズミやらリスやらをくれる。
しかし、その定期便が、三か月前から停まっているのだ。ミサゴのリーダーは一向に姿を見せず、向こうの国で何が起こっているかも分からない。定期的にやって来る獲物の大量供給が無いことで、細い遺伝子で元々数の少ない”孤高”の猫の数多くは更に瘦せ、数匹命を落とした。
腕を伸ばしてものめり込んでいく空の青が、ラージスカイの目を重なり、細くなった。
「キャンプを森に、移しましょうか?」
イェローファイヤは提案した。今のキャンプは野晒しで、風が吹くと寒さが中心付近に籠る。
「いいや、バードの体力が持たない」
子猫を抱えたバードは、今の季節に入ってから、おそらく数回しか外の空気を吸っていないだろう。
クラウドのスパークボイスが不意に現れた。
「ラージスカイ」
シャープケイヴダークオスプレイは振り向き、クラウドの声に耳を傾けた。
「盗聴すみません。しかしながら、私も発言させていただきたいです」
スパークボイスの声は普段と違って数音低く、琥珀色の目は古生代の虫が集まり固められた標本のように暗く、疲れが結晶となって張り付いている。
「スパークボイス、言ってみてくれ。多くの者の意見が大切だ」
クラウドは、申し訳なさそうにちょこんと頭を一度下げてから、小さく口を開いた。
「私が思うには、動くしかないと思います。山を越え、ミサゴの状況を確かめに行くのです。彼らが困っていたら、私達の時のように、助けるべきです」
例の山は高く、傘雲が掛かり始めた。
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投稿 by Murre Wed Jun 15, 2022 7:35 pm

第4章のイラスト
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投稿 by Murre Sun Jun 26, 2022 8:49 pm

5章 “大地”
「ダイアウルフムーン、来た!」
ハーモニーホワイトキットがじゃれ合いから一番に顔を上げた。次に白猫の下敷きになっているコールキットが「わーい!」と言った。ビターブラウンキットはクイーンルームの出入り口から、そっと外を窺っている。
「ビタ-ブラウンキット、出ておいで」
グラウンドの声に、焦げ茶の子猫は、ひっと声を上げ、そろそろと出てきた。今日は曇りのため放射冷却が行われず、子猫も外に居れる温度だと判断した。子猫の引きつった顔が見る見るうちに緩んだ。
「狼の話して!」
ダイアウルフムーンは頷き、語りだした。子猫達は押しくらまんじゅうのようにくっつき、互いを温め合っている。
「狼の目により助けられた”大地”の先祖は、完全に元気を取り戻し、グラウンドは狼に感謝することを含めた新しい戦士の掟を制定することを提案した。当時の看護猫はさっと狼の走り去った方角に目を走らせると、何を確信したのか、大きく頷いた。当時のグラウンドは、あの時、ムーンリーフの目に緑色の炎が一舜宿ったと言った。
グラウンドはおよそ一か月、セカンド、ムーンリーフの意見を交えながら戦士の掟を新しく作り上げた。宗教の持たなかった”大地”の猫に、狼に感謝し信仰することを勧め、自らも率先して祭りごとを行った。その例が、“寒々とした輝きの炎”だ。」
ホワイトハーモニーキットが前足をちょんと上げ、「“寒々とした輝きの炎“ってなに?」と問うた。グラウンドは話が遮られたことに難色を示さず、微笑ましいとの表情をしながら朗らかに答えた。
「寒々とした輝きの時に行う、特別な物質を山の向こうから少し採掘してきて、それに火をつけ炎を緑色にし、狼と交信する儀式だよ。緑色の炎はダイアウルフの目を表しているんだ」
「今年も、あなた達の生まれる前に行われたのよ」
ケインパープルがダイアウルフムーンに続けて言った。ホワイトハーモニーキットは「へぇ!炎は緑色になるんだ!」と感心した素振りを見せた。
「続きを話すよ。
当時の族長は、最初の”寒々とした輝きの炎“を終えると、何者かに殺されているのが見つかった。その周辺にはグラウンド自身の者ではない血が垂れていて、それは直に母猫の血だと断定された。近くで生まれたての子猫が鳴いていたからだ。セカンドはその日出産した母猫を問い詰めた。母猫は落とさなかった子猫を尻尾で守りながらざっくりと切れた腹を見せた。
母猫はその晩、死んだ。
セカンドは考えた。母猫は政治に関わってはいけない。再びこのような汚れた血が流れてしまう。セカンドは、流血を嫌い、狼の目の薬の施しを唯一受けていない者でもあり、くり抜かれた目を見ることを嫌った者だった。セカンドはグラウンドになると、戦士の掟の一部を変更した。母猫は、セカンドにもグラウンドにもなれないと定めたのだ。当時有力セカンド候補と言われていた、一戦士猫の母猫は、呆気なく夢を奪われた。」
沈黙が流れた。ケインパープルは尻尾を前足にかけ、気まずそうにキャンプの出入り口を見ていた。
しばらくして、誰もしゃべらない状態が、白猫のキャンプ入りによって破られた。
セカンドの、オボロヅキミストの母、ウォーターフォールクラウドがパトロールを終えて帰ってきた。
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投稿 by Murre Wed Jun 29, 2022 8:50 pm

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投稿 by Murre Fri Jul 01, 2022 7:54 pm

6章 ”海洋“
日が昇り始めた頃、ようやく一族が起きだした。日が沈んだ頃に戻って来ていたパトロール隊も、シーの定位置の泥の盛り上がりの向こうに横たわった遺体は、見つけられなかったのだ。
早朝、一番に川に向かったのは、汚れた薬草を洗いに向かったストリームのサンシェイドだった。
「シー、起きていらっしゃったんですね」
三毛猫は橙色の虎柄の背中に声を掛け、それから異常に気付いた。
虎柄は、右から左に向かって走っている模様だったっけ…?
サンシェイドはあっと声を上げ、シーに駆け寄った。イブニングオーシャンは、揺すぶられても叩かれても、びくともしない。
「冷たい…」
サンシェイドは、不運にも冷たい寒々とした輝きの時季の川のすぐ傍で亡くなったシーに、哀悼の意をささげた。
「イルカと共に、天を駆けていますように…」
 
イブニングオーシャンの訃報は、瞬く間に一族に広まった。
サンシェイドは体をさっと見て、首を傾げた。
「この体、どうしたのでしょう。傷が無いの…」
弟子のウォームサンドが隣から灰色と白の体を押し込み、白い腹をしげしげと見つめた。
「本当ですね。じゃあ、殺されてはいないんですね」
ストリームは自分のドルフィンの言葉に、更に首を傾げた。
「いいえ、でも…」
ストリーム独自の嫌な予感を感じたのだ。何かが不足している。シーはだいぶんお年を召していたが体内に病気の音はせず、健康そのものだった。それに、気配が足りない…。
水気の取れ切っていない冷えた体に半面を押しつけていたメルティドロックがはっと顔を上げ、きょろきょろと辺りを見回した。何かを探しているときの、鋭い目つきだ。
「レパードカートゥンは?リヴァーが居なかったら、誰がシーの後を継ぐんだ?」
辺りの静けさを切り裂くような声は、張り詰めた空気をびんびんと鳴らした。悲報に項垂れていた一族の誰もが黄色と茶色の雄猫の姿を探した。
「本当だ」
ウォームサンドも静かに言った。サンシェイドも頷いた。
「そうね。でも…」
ストリームの明るい黄色の目は、大きくなった。それと対照に焦げ茶の瞳孔は見る見るうちに細くなり、切り裂かれた風のようになった。
「レパードカートゥンの、後を追いましょう」
「サンシェイド?どうしました?」
弟子がいきなり突飛なことを言い出した指導者に疑問符をぶつけた。三毛猫はふるふると首を振り、お別れの列を一度止め、多くの猫のにおいに掻き消されないうちにイブニングオーシャンの体を再び嗅いだ。強く、強く。
目は閉じられ、彼女の意識は滝を登ったとされるイルカと共に天へ昇っていた。
毛、一本一本の間に入り込み、においのもとの、きらきら光る猫の瞳のようなものを辿る。
元々埋め込まれていたイブニングオーシャンの琥珀色の粒をかき分けると、黄色と茶色が程よく混ざった琥珀色の、他の物と雰囲気が異なる尖った粒があった。
     カートゥン
黄色の粒に、幕のように茶色の煌めきが垂れ下がっている…。
 
サンシェイドの琥珀色の目に、シーも死の直前見たと思われる眩しい黄色の光が遠くから映った。
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投稿 by Murre Sat Jul 02, 2022 10:34 pm

7章 ”萬緑”
いつもと変わらないルーティーンを、諦め半分でこなし始める。パズルドタイガーはイヌハッカのあるはずの場所の雪をちょっとどけた。雪は湿り、質量は昨日より増していた。
さあっと生暖かい風がフラワーの頬を撫でた。橙と黒の毛が風にくすぐられる。
イヌハッカが生き返ってないのを見て、パズルドタイガーは尻尾を垂らしたが、重大な事実にはっと顔を上げた。口腔をぼわんと空洞にするような形を作り、においを感じ取る器官の神経が過剰に反応しただけではないことを願った。
そのふわりと吹いた温かい風は、南のにおいがしていた。蒸気が鼻を抜けた。
「桃色の花が、ようやくやって来た!これでイヌハッカやヨモギギクは芽を出し、一族は生き返る!」
虎猫は興奮にひげを震わせた。再び風が吹いた。正真正銘南風だ。
「やったぁ!」
フラワーは子猫のように歓声をあげながら南へと走った。夜空の星が応援するように瞬いた。
ずっと走り、夜が明けてしまうと思われた頃、パズルドタイガーは森の端へ辿り着いた。痩せた筋肉とだれた腹を波打たせ、呼吸を整える。向こうは海に面した崖で、南の方角だ。海も空も水平線も、まだ夜を楽しみたいらしく、暗い藍色だ。
パズルドタイガーはさっとあたりに目を走らせると、一撃でネズミを捕らえた。それを慎重に咥え、海の方へ歩いた。潮の香が強くなり、海風はより暖かくなる。
ほろっとした崖の淵に爪を食い込ませ、一度ネズミを置いた。深々と礼をし、パズルドタイガーは先程のネズミを海へ投げ入れた。傷口から赤い血が噴き出し、細い星明りの下、僅かに光った。
ぽっちゃんと小さな音が波の上を這い、波紋が同心円状に広がるが、すぐ白波に消された。海や波は隠し事が嫌いなようだ。
「カミーリャルート、”不死の治療草”、ありがとうございます」
水色の目が再度地面に向けられる直前、塩分を含んだ水面が輝く生き物によって破られた。大きく弧を描いたイルカは、口に小さな影を咥えて体を半円にし、海水の中の自分たちの世界へと戻っていった。
パズルドタイガーは隣の部族の守護神が供え物を得たことに驚きながらも、ふっと笑った。
「この風をよこしてくださったのは、イルカたちなのかもしれない」
風が凪いだ。
風向きが変わり、朝日が昇り始めた。
崖の中腹にある、星型の白い花も、新しい日光に照らされるー
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投稿 by Murre Fri Jul 08, 2022 5:42 pm

第8章 “孤高”
ラージスカイは一族を自分の身の前に集めた。一族は何だろうとそわそわ前足を動かす。
「”孤高”の仲間よ。ミサゴの定期便が三か月、止まっている。見ての通りだ。そこで、遠征隊を出そうと思う。”大地”の縄張り内の山の向こうにあるミサゴらの国に向けてだ。これから呼ばれた者達は、三か月分の乾燥させた虫を体に縛り付け、持っていくように。そちらからの安否確認は…行えない。生存確認は、戻ってくることだ。」
一族の空気がぴんと張りつめ、空間はしんとなった。多くの戦士は瞳孔を縮め、自分が選ばれるのか否かという未来に肉球を湿らせる。
「遠征隊の、メンバーを発表する」
シャープケイヴダークオスプレイの声は僅かに上ずり、そして震えていた。まるで、自ら御判断がもう既に、過ちだと案じるかのように……。
「ミントハート、スマークサン、ダルスカー、そして、俺だ」
四匹。ラージスカイは自らを含めた四匹を発表した。遠征隊は名を呼ばれた順にきっぱりと顔を上げ、きりりとした顔をラージスカイに向けた。一族は慈悲のこもった賛成の声を上げた。
「俺の居ない間、”孤高”はイェローファイヤに任せる。ネクストスカイの仕事を増やすようだが、みんな、彼に尽くしてやってくれ」
一族の数匹はうんうんと頷き、もうまた数匹は頑張ってとの視線を向けた。イェローファイヤは深く礼をした。その隣にいたスパークボイスが俯いたかと思うと顔を上げた。
「これで一族の集会を終える」
ラージスカイがそう言い、この場を占めた時、広い空を切り裂いたのは雄猫の遠吠えのような声だった。それは続けて三回響いてきた。合計四回の鳴き声に一族の猫は誰もが首を傾げた。ネクストスカイまで。
シャープケイヴダークオスプレイだけは例外だった。
青い目を極限にまで広げると目を閉じた。ラージスカイの考えているときの癖だ。
暗い瞳孔の大きさが抑えられた。それは、了解を示していた。
「あの声は確か、”萬緑”のパズルドタイガーだ。遠征隊に加わっていない戦士は全員、今すぐクレーターに向かう。遠征隊はバードたちと遠征の準備をしててくれ」
「ラージスカイ、何しに行くのですか?」
イェローファイヤが首を傾げた。
「決まっているだろう。大集会だ。クレーターからの四回の雄たけびは四部族の象徴。臨時の大集会だ」
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投稿 by Murre Sat Jul 09, 2022 2:19 pm

第9章 “大地”
オボロヅキミストはムーンリーフルーム内から、キャンプの空気の変化を肌で感じた。何かが変わった。異様で気まずい空気が流れている。においも変わった。
ムーンリーフはキャンプ北側にある大きな岩の陰にあるこれまた窪んだ部分にあるムーンリーフルームを出た。
キャンプは険悪な空気に包まれていた。
キャンプ入り口近くに居る私の母、ウォーターフォールクラウドがダイアウルフムーンと対面している。グラウンドの後ろにはケインパープルが子猫達を尻尾で隠しながらおどおどとしている。
その二匹の対面を囲むように、その他のウルフたちが並んでいた。皆目は鋭く、歯は剥かれている。喧嘩が始まりそうだ。でなければ分裂。
「ダイアウルフムーン、ウォーターフォールクラウド…」
「ごめんなさい!こうなったのは私のせいなの!」
それまで子供の事しか見ていなかったケインパープルが突然あたりの空気を変えた。声はきーんと貫かれた。目には涙が湛えられている。
「私の子がグラウンドにせがんだからなのよ。昔話してって」
「ごめんなさい…」
ケインパープルの後にホワイトハーモニーキットが尻尾の陰からもぞもぞと出てきて小さく謝った。ダイアウルフムーンはそれを横目で見ると、ウルフたちの包囲網を肩で押し分けながら輪の中から出ると、グラウンドの定位置へ素早く移動した。
「皆、聞け」
ダイアウルフムーンの声は、いつもと比べて鋭く、強い。一族誰もが従う。
「これは、俺の昔の判断なんだ。今更異論を唱えられても、狼は決定を覆せない」
「でもダイアウルフムーン、これは語り継がれてきた話に基づけば、異例なんだぞ」
オボロヅキミストは嫌な予感がした。身の毛がよだった。
「雌猫がセカンドになる、つまり雌のグラウンドが将来登場してしまうということなんだぞ!」
オールドウルフの一員は大きな声を上げ、ウォーターフォールクラウドを睨みながら強く非難した。母は小さくなり、成り行きに任せる。
グラウンドの怒りはさらに激しくなった。
「これはグラウンドの決定なんだ。一ウルフが俺の決定機口出しすることは、断じて許さない!」
ダイアウルフムーンは輝くエメラルド色の目をぐっと細めると、一族をゆっくり見渡した。反論する者はいない。デザードペルトもおとなしくなり、隣にいた彼の息子のイェローレイが気まずそうに足を動かした。
あぁ、予想されていたことが起こってしまった。オボロヅキミストが生後六か月数日前の子猫の時に先代のセカンドが無くなり、ダイアウルフムーンは狼によるお告げを聞きにいかずセカンドを指名した。そのときに昔から守られてきた汚れた雌の血から逃れるための掟を、きちんとした儀式を行い変更した。その批判は大きかった。ウォーターフォールクラウドはもともとダイアウルフムーンの弟子だったから、大きく非難された。けれど、当時からグラウンドは達観していた。“寒々とした輝きの炎”で上げられる炎と同じ色の目には、何かが映っていた。
批判を受けながらもダイアウルフムーンは自らの志を貫き、雌猫の、それも子持ちの母猫をセカンドに指名した。
”大地”の時代は変わった。
オボロヅキミストは、一言意見しようと思った。ムーンリーフとして、グラウンドを助けなければ、と。
淡い灰色の雌猫が口を開きかけた時、遥か昔にできたクレーター方面から、長い遠吠えのような鳴き声が四回、響き渡った。
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投稿 by Murre Sun Jul 10, 2022 3:13 pm

10章 “海洋”
サンシェイドは、困惑する弟子に向けて鋭く言った。
「シーの遺体を運んで。私はレパードカートゥンを追ってくるから」
「わかりました」
ウォームサンドがレパードカートゥンの弟子である兄のブロンズサークルサンドを慰めながら頷いた。黒三毛は目で確認して、キャンプを出ようとした。
「これは何?」
新米シャークのアイビスフェザーが遠くから聞こえてきた雄猫の長い鳴き声に疑問を持った。サンシェイドの目は見開かれた。
ストリームの代わりにウェーブのクレインウィスカーが答えた。
「あれは、臨時集会の呼びかけだよ。四回の尾を引く雄たけびは、四部族結合を表しているんだ」
「へぇー」
ウォーターサンドがウェーブの解説に小さく反応した。
「どうしよう。シーもリヴァーもいないわ。誰が大集会を率いていくの?」
リヴァーサイドのサターンリングが悲痛な声を上げた。他の猫達もどうするんだと困っている。
私がまとめないと…けれど、レパードカートゥンを探さないと、どこか遠くまで逃げられてしまうかもしれない。”萬緑”の縄張りの外れに居る浮浪猫の集団内とか…。サンシェイドは軽く目をつぶり、この場に居る中で最も一族を纏められるものとして考えをまとめた。しかし、やはりシー殺害の疑念がかかるリヴァーを放っておけない。
黒三毛は年長戦士のダイヤモンドファングに相談した。
「ダイヤモンドファングは大集会、どうすべきだと思いますか?」
茶色の虎猫はうーんと首を傾げてからさっと一族を見回した。
「体力のあるものを選ぶのが、最良の案だと思います」
「そうね…」
サンシェイドはシーに最後のお別れをしているウェーブ達を見ながら呟いた。
唐突に森側のキャンプの出入り口付近に居たメルティドロックが唸った。リヴァーサイドたちはいそいそとジェイペルトを保育部屋内に導く。ジェイペルトは鼻と目で状況を確認すると、リヴァーサイド達の手を振り払った。青い目をした雌猫は自分の尻尾と戯れていたインタラプティッドシャドウの子猫のウィロウキットを優しく保育部屋へ促し始めた。
木の幹の陰から、草の下の方から、がさがさと音がしている。”萬緑“の戦士ではなさそうだ。忍び寄るのがこんなに下手ならドルフィンズにもなれないだろう。
「誰?出てきなさい!」
サンシェイドは強く呼びかけた。草は一度止まり、二手に分かれた草の隙間から木陰に居るため灰色っぽくなった細い前足が出てきた。
「名乗りなさい!」
ストリームは再び強く言った。猫の頭も現れた。薄いミント色の毛をした猫で、目は毒のような紫色だ。
「こんにちは、サンシェイド」
黒三毛ははっとした。何故あちらは私の名前を知っているの?
「あなたは誰?どこのシャークでもなさそうね」
嗅いだことの無いにおいのする雌猫は、全身を現した。警戒心はなく、爪は出されていない。メルティドロックが再び唸った。ダイヤモンドファングも硬い牙を見せる。
「私…?私の名前は無いわね…。呼ぶならこう呼びなさい。」
ミント色の雌猫は一度爪を出してから引っ込めた。
「ポイズン」
毛が逆撫でされるような声で言われた名は、目の色通りだった。
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投稿 by Murre Mon Jul 11, 2022 5:21 pm

ポイズン[毒]
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投稿 by Murre Mon Jul 11, 2022 8:59 pm

“大地”の山
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投稿 by Murre Sun Nov 13, 2022 10:13 pm

11章 “萬緑”
パズルドタイガーはキャンプに戻ろうと振り向いた。その時ー
「あ……」
絞り出された声。それは、衝撃を伝える物だった。
「貴女……」
鼻をつんと上げた雌猫の目は吊り目で、夜空色だ。
「お久しぶりね、抜け者」
「ムーンペルト【月の毛皮】……」
ぎざぎざした右耳と、三日月の形をしたチャームを通した左耳。目の下には傷と、儀式的な模様があり、いかにも夜に認められた猫だ。
    ワタクシ
「そう。私はムーンペルト。ありがとう、名前を確認させてくれて」
目は笑っていない。厳しく、貫いてくる冷たい目。
「どうして、ここに?僕は、もうあの時代の僕じゃない」
「いいえ、迎えに来たのよ」
俺の言葉を即座に否定するムーンペルトー俺の放浪時代の主であり、指導者のような猫ー。
「僕はもう浮浪猫じゃない」
「部族はそう呼ぶそうね」
会話が噛み合わない。いつもそうだった。
「季節が巡ったんだ。風が変わった。僕は、イヌハッカを一族に届ける役割がある。戻る意志などない」
「そう」
“無駄よ”
ムーンペルトが言い放つ。その後、確実にそう口が動いていた。
「何故」
僕は単語を繰り返す。
「何故、何故!!」
ムーンペルトは答えない。
「何故!何故!今を生きているのに何故!僕を最悪の過去に連れ戻そうとするの!」
沈黙。風もそよそよとも言わない。
「戻ったら分かるわ。何故、貴方が放されていたのか」
ムーンペルトは具体的な会話をしない。いつも抽象が空気を漂っている。
「良いから、おいで?」


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投稿 by Murre Sun Nov 13, 2022 10:14 pm

ムーンペルト
Twitterでツナ真夜さんに頂いたキャラ
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投稿 by Murre Sat Dec 17, 2022 6:54 pm

12章 ???
「ムーンペルト様はっ……」
「何処に居るんだ、答えろ」
鉤爪が鈍色に光る。鋭く研がれた爪は、より力が込められる。
「答えなっ……」
詰問されている雄猫がくぐもった声を出す。首筋に、つーと静脈血が流れ出る。
「命が惜しいだろう、お前らの師匠より」
血の筋が二本になる。雄猫は更に苦しそうな声を出す。
「言わない、言わないっ」
「恨むなら、消えた師匠を恨めよ、同胞になれたのにな、残念だ」
問いかけていた狐面の雄猫は、更に力を入れる。捕らえられている方の猫は、尚も黙秘を続ける。
狐の面の口が妙に吊り上げられる。まるで、幻覚を見ているようだ。
目の裏に黒い点がちらつく。呼吸が出来なるなる。血が首から吹き出る。深いところまで凍った地面がじわじわと赤く染められてゆく……


******


狐面の、狐色の雄猫は、固まる猫達を睨み付けた。仲間が殺されても口を割らない北方の集団を。
「ムーンペルトを呼べ」
子猫を連れている雌猫が一歩退く。
「俺はムーンペルトが来ないのならば、ここを滅する」
痩せた子猫がみーみーと鳴く。母猫がさっと屈んで静かにさせる。
「ムーンペルトは……」
一匹の若い雄猫が俯きながら口を開く。隣に居た妹らしき雌猫が驚いたように首の後ろの毛を逆立てる。
「駄目よ、ナイト【夜】【騎士】!!」
「そうか、お前はナイトと言うのか、不運だったな」
狐面の閉じていた目が、かっと開かれる。何もない空洞の瞳の中に覗いた緑色の光。
ナイトと呼ばれた黒い雄猫が、どすっと倒れた。
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投稿 by Murre Sun Dec 18, 2022 10:21 pm

13章 4部族
「パズルドタイガーを見た?」
“萬緑”の族長、ダークスノウルートが他部族の族長に問いかけた。
「見てない」
“海洋”の看護猫の弟子、ウォームサンドが首を横に振った。
「サンシェイドは一緒じゃないの?」
ダイアウルフムーンと共に近付いてきた“大地”の看護猫、オボロヅキミストが、弟子のセディメンテイションソイルの横で質問する。
「えっと……シーが病気になって、看病してるんです……」
「レパードカートゥンが来れば良いじゃないか」
後ろから口を挟んだのは、“孤高”の族長、シャープケイヴダークオスプレイだ。イェローファイヤ、スパークボイスと並んで、不安げな表情をしている。
「レパードカートゥンは……海の方に狩りに出てて、すぐ戻って来れなかったんです……だから、至急代理として……」
ウォームサンドは前足をもぞもぞさせながら答えた。
「そうか。よく部族を引き連れてきた。ところで、パズルドタイガーがどうかしたのか?」
ダイアウルフムーンがダークスノウルートの目を見て問い掛ける。
「あぁ、招集の声を上げた張本人が、キャンプに戻って来なかったんだ。においを辿ったが、途中で北の地のにおいに消されていた」
「北の侵略ですか?」
オボロヅキミストがおずおずと尋ねる。
「いや、においは一匹分しか付いていなかったんだ。不思議だ」
ダークスノウルートが顔を顰める。
「あいつの事だから……」
「パズルドタイガー無しで、何を話し合えば良いのだ?俺達は至急やらなくてはならぬことをキャンプに残してきたのだ」
シャープケイヴダークオスプレイがいらいらと尻尾を地面に叩きつける。
「もう少し待って、それでも彼が来なかったら、各部族の報告のみ行い、帰りましょう」
“孤高”の看護猫のスパークボイスが意見を纏める。各部族の族長と看護猫、副長、看護猫見習いは頷き、それぞれの部族の定位置へと散った。
大昔からあるクレーター内には、今や4部族の猫がごった返すように集まっている。久々の集会で興奮して、長く厳しかった寒々とした輝きの季節の感想を口にしていた。
「来ませんね」
猫達の声が少し小さくなった頃、“萬緑”の副長、ダイヴスプラッシュが肩を落とし、族長に告げた。ダークスノウルートは肩をすくめ、他の族長に頷いて合図した。
「ったく、あいつめ……」
“萬緑”族長の苛ついた言葉は、風にもみ消され、誰にも届かなかった。
「これより、4部族集会を開会する」
ダイアウルフムーンが、クレーター中央部で、よく通る声を上げた。
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投稿 by Murre Tue Dec 20, 2022 6:39 pm

14章 “海洋”
「ポイズン」
名前を認めたくないけれど、目の前の猫を、そう呼ばざるをえない。
「はい?」
「理由」
「ん?」
「ここにいて、何もかも知ってる理由、教えて」
ポイズンは不気味に微笑んだ。曲がった口が捻り上がり、笑顔が似合わない猫だと憎く思う。
「私の話、聞きたい?」
「理由を聞かせなさい!ここは“海洋”の縄張りなのよ!」
他に誰もいないー族長のすっかり冷たくなった遺体はあるがーキャンプに、私の声が虚しく虚ろに響く。
「私ね、母に言われた記憶があるの」
ポイズンは、その言葉を胸の中で噛み締めるように、一度間を置いた。全ての行動に何とも言えないが腹が立つ。
「貴方はイルカに守られた子、ってね」
衝撃的な言葉に、崩れ落ちそうになった。
私達が崇め奉るイルカに守られた子?部族を救ったイルカ達は、この一匹の浮浪者を守ったの?飢えて、病気のデンジャラスが蔓延して、多くの猫がこの季節に命を落とした、大衆の部族猫達にではなくて?
「私は、海上で産まれたの。母が、島から流されてきたのね、樹齢何千年もの倒れた大木に乗ってね、そこでね、産気づいたのね、それで」
話が半分以上耳を通り、反対の耳から抜けていく。ポイズンの発言に心が病まれた以上の衝撃で、身体内部から腐り果てそうな、何とも表し難い、胸焼けのような吐き気に襲われる。
「それで、私は滑り落ちちゃったのね、そう、大きな波が来たから、丸太から落ちちゃったの、爪が弱かったわね。その時、海に落ちた私を、イルカが持ち上げてくれたの。私が息出来るように、背鰭近くに私を乗せて、ここの近くの、そう、崖の下の砂浜まで連れてきてくれたの」
ポイズンは一匹語り続ける。
「それでね、イルカに同じように運ばれた母はそこで死んじゃったんだけどね、他の兄弟をお腹に残して。私は、どうにか生き延びれたのよ」
衝撃の波が収まったと思うと、再び、高潮より、大しけの日より、津波より大きくなって、私を襲った。
「イルカが私に魚を運んでくれたから、この砂浜で大きくなれたのよ、お陰で今は魚が大好き!」
「あんた、ずっとこの崖の下の砂浜で生きてたの?なんで、誰にも気付かれなかったの…?」
「それは…、レパードカートゥンが助けてくれたからね、ああそういえば彼はどこ?私、彼に頼み事されて出てきたのよ」
「レパードカートゥン?……レパードカートゥンは、居ないわ。姿を晦ましたのよ。残念ね」
「そう。じゃあ探すから良いわ。じゃあね、サンシェイド、“海洋”の看護猫」
ポイズンは捲し立てるように自分の話だけすると、こちらに背中を向けた。
「待ちなさいよ!あんたは何故、レパードカートゥンと知り合いなの?」
「ん?ここに住んでたからよ」
あぁ!腹が立つ!
「違う!手を組んだ理由よ!」
「はぁ、そういうこと?私言語苦手で」
「いいから、早く答えなさいよ!寄り道ばかりしてないで」
なんだか、この猫と話してると無駄な体力まで浪費する。
「彼は私の連れ合いだからね。ほら、子どもいるのよ」
ポイズンの腹は、妊娠中の雌猫と同じように膨れている。
もう、止めて!
あんたと話してると目眩がするのよ!
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