暗紫の翼

[ハニードロップ]

「お嬢さん、こんばんは。私の名前はブラックウィング。以後お見知りおきを。」

暗闇の中、影が揺らいで言葉を発した。

「ブラックウィング…さん…？ここはどこなの…？」

「ここは迷界でございます。」

「私はただ自分の家で寝ていただけよ。なぜ迷界に…？」

「私があなたをここに連れてきました。
あなたにはとあることをやっていただきたい。」

「どういうこと…？ていうかあなたは何をしている猫なの…？」


「まぁ、まとめ役といったところでしょうか…。
……さぁ、時間が来たようです。行きましょうか…。」


「どこへ行くの…？」
私がブラックウィングに近づいた瞬間、黒い羽がたくさん舞い降りてきた。
驚いて目をつぶる。
ブラックウィングに声をかけられて目を開けるとそこは元の暗い場所ではなく、豪華な屋敷だった。

そこには5匹の雄猫と1匹の雌猫がすわって私のことをじっと見ていた。

「ブラック！この子が新しい子だね？！とーってもワンダフォーっ？！？！」
最初に口を開いたのは目の下に黒いハートの模様がある白い毛皮の猫だった。
その猫は興味津々な様子で私に迫ってくる。
「名前は？どこから来たの？」
あまりにも近づいてくるのでびっくりして私は動けなくなった。
「ハート！あんまり話しかけるから固まっちゃったじゃないか。
こんにちは、僕の名前はスポッティド。あのうるさい奴は、ハート。これからよろしくね。君の名前はなんていうの？」
と白と黒のまだら模様の毛皮の猫はが優しく話しかけてくれた。
スポッティドの優しい声で私は少し落ち着いた。

「私はヴァイオレットといいます。ここはどこですか…？」

[ハニードロップ]

【ヴァイオレット】
黒い毛に紫の目。雌猫。
年齢は、ウォーリアーズで言う戦士になりたてくらい。
【ブラックウィング】
黒い毛に黄色の目。雄猫。
【ハート】
白い毛皮にオレンジ色の目。雄猫。
右目の下に黒いハートの形の模様があるのが特徴。
【スポッティド】
白地に黒のまだら模様の毛に赤い目。雄猫。
【ポイズン】
明るい茶色の毛に緑の目。雄猫。
【ラベンダー】
黒い毛に紫の目。雄猫。
【ダークシー】
灰色の毛に青い目。雄猫。

ヴァイオレット以外の猫はウォーリアーズの普通の戦士くらいの年齢です。

[ハニードロップ]

「ここは選ばれし者が集まっている場所なんだ。」
今まで黙って見ていた茶色い毛の雄猫がゆっくりと話した。
「選ばれし者…？」
「ここにいる猫は皆、何かしら特別な能力を持ってる、ってこと」
ハートが付け足す。
「私、特別な能力なんて持っていないわ。なんで私はここにいるの…？ブラックウィングさん」
最初にまとめ役といったブラックウィングの方を振り向く。

「まだ、現れていないみたいだが君にも能力があるみたいなんだ。君が能力はまだ分からないが、とにかく君の能力が必要なんだ…。だから君はここに呼ばれた。」
私の能力が必要？能力がどんなものかもわからないのに…？まだどういうことかよく分からないけど……………なんだか凄く眠くなってきちゃった……。

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