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大集会(オリジナルなりきり)

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投稿 by うぉりあナリ Sat Mar 14, 2020 2:28 pm

大集会のなりきり投稿場所です。
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投稿 by ペタルドロップ Sat Mar 21, 2020 6:53 pm

【ストリーム族】


~オーキッドポー~

雲一つない空では満月が光を放っている。夜の森も月光で明るく照らしだされ、足元が見えづらくなることはない。
大集会! 待ちに待った大集会がついに! リコードシー率いるストリーム族は大集会を開催する島のすぐそばまで来ていた。

他部族の猫ってどんな猫たちなんだろう…。案外みんな同じような猫だったりするのかしら。これから出会う大勢の猫たちのことを思うとオーキッドポーは胸を高鳴らせた。

島を囲う池を見下ろし、オーキッドポーはすぐ横を歩いている指導者に尋ねた。「フォールドリーフ、もしかして島までは泳いで行くんですか?」いくら水の中を泳げても、島までのあの距離を泳いで行くのは流石に嫌だった。頭から足先までびしょびしょで大集会に行くのは勘弁だった。

「いいえ、そんなことないわ!」フォールドリーフはくすりと笑い、池に先頭で入っていった族長を見て言った。「見た目深そうだけど、案外歩いて渡れるのよ」

見てて、とフォールドリーフは池にずんずん入っていき、水面が胸の部分に触れるくらいのところで止まった。「深くてもこのくらい。私みたいに足が短くても全然平気よ!」

オーキッドポーはおずおずと足を進め、池底に足跡をつけていった。夜の池は冷たかったが案外気にならないもので、指導者の横に並ぶ頃にはその冷たさを心地よくさえ感じるようになっていた。

他の部族の猫たちはもう島に到着しているのだろうか。池の見える範囲を見渡しても他部族の猫はおらず、ただストリーム族の戦士たちが立てる波紋が横に広がっているだけだった。だがストリーム族だけ遅いのはおかしくはない。レッドウィングとレインステップとの間でひと悶着あったからだ。オーキッドポーは水の中を歩きながら考えた。

「オーキッドポー」イーグルポーの隣を歩くレッドウィングを眺めていると、オーキッドポーは隣の指導者から急に呼びかけられた。

「なんでしょう?」オーキッドポーは歩みを止めずに尋ね、指導者の顔を見る。そのときオーキッドポーはフォールドリーフのカッパー色の瞳が一瞬、いたずらに光った気がした。

その次の瞬間、オーキッドポーは頭から大量の水を被っていた。



オーキッドポーの予測通り、ストリーム族以外の三部族は既に島へ上がっていた。島では四つの部族の匂いが入り乱れ、オーキッドポーは息を吸うだけで頭がくらくらした。

「先輩、もう一度聞いていいですか? 本当に看護猫の見習いは私以外いないんですか?」オーキッドポーは何度目になるかわからない質問をフォールドリーフにした。

「そうね、今の見習いはあなた一匹だけね」
普通ならもう一匹くらいいてもいいはずなんだけどね、とフォールドリーフは付け足す。いろんなことを共有できるような友達が欲しかったのに。このことは今日の昼初めて聞いた。オーキッドポーはうなだれたまま指導者のあとをついていった。


フォールドリーフが立ち止まるとオーキッドポーも遅れて歩くのをやめた。顔を上げると前で三匹の雌猫が自分を見ていることに気が付いた。

この猫たちは他部族の看護猫だろうか。自分たち二匹が来るまでは三匹で話していたようで、体だけがお互いの方向を向いている。オーキッドポーは少し不安になり自分の指導者を見上げる。

「紹介するわね! この三匹はみんな看護猫なの。」フォールドリーフはオーキッドポーに説明を始めた。「まず、この私と同じ三毛の雌猫は「フォールドリーフ、とそのお弟子さん? 二匹とも私たちに比べてかなりびしょびしょみたいだけど、いったいどうしたの?」
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投稿 by うぉりあナリ Sat Mar 21, 2020 11:59 pm

(すみません…。間違えて共有垢の方で投稿してしまいました…。byへあている)
【ウェイヴ族】

ハニークラウド

早足で歩く猫の集団の頭上でまんまるの月が淡い光を放っている。空には小さな雲もいくつか浮かんでいるが、月には被らなそうだ。大集会は中断せずに済む。今朝は小雨が降っていて昼間も薄曇りだったため、大集会が中止になるんじゃないかと心配した。池の水面にシー族様の姿が見えなくては大集会は行えない。ハニークラウドはみずみずしい空気を吸い込んだ。今日は久しぶりの大集会なんだから!

「嬉しそうね」

並んで歩いていたヘザーハートが水色の目をきらきらさせる。

「もちろん」

ヘザーハートはニコッと笑って頷くと、小走りで前の方の戦士たちに追いついた。
ハニークラウドは列の後ろの方をのーんびり歩いていた。大集会に参加できるのはもちろん嬉しいけど、夜寝れないのはキツイ…。うぅ…。


ウェイヴ族が島に着いた時には、まだサーフ族の姿しか見当たらなかった。仲間の猫たちは残念そうに座り込む。サーフ族は他の部族の猫と交流をしようとしないし、大集会であっても敵対心を緩めようとしない。見習いや看護猫は話しているが、戦士はよっぽど付き合いの古い戦士でないと話している姿を見たことがなかった。

「どうして泥浴びをするのか聞いてこようかな」

いつのまにかブライトリーフが横に来ていた。前に話していた話題を持ち込まれ、思わず笑ってしまう。

「聞いてきたら?きっと年長の戦士たちは、あなたがサーフ族に仲間入りしたいのかと思うよ」

「やめろよ!したいわけないだろ!あんなへんてこりんな一族…」

そう言いかけたところで、マッドクラウドが後ろから息子の頭を叩いた。

「他の部族を馬鹿にするのはやめなさい!」

ハニークラウドは言い争う親子から離れ、集団から少し離れた木の陰に座り込んだ。やっぱり眠いなぁ。どうしよ、寝たら怒られるよね。そんなことを考えながらうとうとしていると、ふっとスウェル族の匂いがし、島に到着したのがわかった。
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投稿 by ペタルドロップ Sun Mar 22, 2020 9:13 pm

【サーフ族】


~ディアミスト~

頭上では木々が風に揺られてさわさわと音を立て、島の周りでは水の流れる音が静かに響いている。ひと欠けもしていない月は夜空に浮かび、大集会の島を照らし出す。ここにはまだサーフ族しか来ていなかった。

「大集会なんて久しぶりね。今日もないかと思ったわ!」ディアミストの妹、サズウィングが呟いた。

「大集会をしようがしまいが関係ないわ」島に他部族の姿はまだないが、ヘーゼルフレアは既に耳を寝かせている。「かぎ爪一本でもあたしたちに触れたらただではすまないわ」

最近部族間では争いがそこまで起きていない。あっても境界線のいがみ合いくらいだ。ヘーゼルフレアの言うようなことになることはないとわかっているが、とりあえずディアミストは頷いておいた。

やっとサーフ族の猫たちの鼻に他部族の匂いが飛び込んできた。ウェイヴ族だ。

ディアミストたちの隣でブルームポーと喋っていたシルバーポーが、興味津々といった様子で質問してきた。「この部族ってウェイヴ族ですよね?」真ん丸に見開かれたヴァイオレット色の瞳は池から上がってきたほっそりした体つきの猫たちを見据えている。

「そうだ。他の部族によく干渉してくる厄介な部族だよ」ディアミストが答える前にホーンテイルが代わりに答えた。「ただ優しいだけでなわばりを横取りするような奴らだ。気を付けろ」

「ちょっと! ホーンテイル!」ディアミストはホーンテイルが大袈裟に話すことにいら立ちを覚えた。ウェイヴ族は確かに親切な部族だが、なわばりを横取りするような部族ではないと信じたい。

「そんなこと、話してみないと分からないじゃないですか」シルバーポーが不思議そうにホーンテイルを見る。「大集会って部族間で交流していいんですよね?」

「全然構わないけど…」銀色の見習いはサーフ族とウェイヴ族のほとんどの猫たちが互いに交流しようとしないのを疑問に思ったようだ。それも当然だ。サーフ族は必要でない限りは他部族との関わりを避けているんだから。「敵の部族の猫たちは何してくるか分からないから常に周りに目を配るのよ。それと、あ!」

サーフ族の情報は漏らさないようにね、と付け加える暇もなく、シルバーポーはウェイヴ族と今到着したばかりのスウェル族のいる方へ駆けて行ってしまった。

「あの子、相当大集会を楽しみにしていたのね」サズウィングが優しげにひげを震わせる。

ディアミストはたった一匹で他部族の方へ向かって行ったシルバーポーが心配だった。「変なことしないといいけど」


そのまま全部族が揃うのを待っていると、やっとストリーム族が島に上がってきた。なんて遅いの?

「私たちが戦士になったこと、みんなの前で発表されるかしら?」サズウィングがふさふさのしっぽを前脚にかけ、礼儀正しくする。

「わからないわ。本来は前回の大集会で言われるはずだったんだもの」時期的には自分たちが戦士名を取得したのが一ヵ月ほど前になるため、発表されるかどうかは怪しかった。「シルバーポーたち弟子はしてくれそうだけど」

あ、と声を漏らしそうになった。そうだ、サズウィングは弟子をもらえていなかったんだった。後ろめたい気持ちで妹を見たが、特に気にしている様子はなかった。よかった! 近くから他の猫の視線を感じたが、ディアミストは気にしないことにした。

そう言えばシルバーポーはどこに行ったのだろうか。周りを見渡してみるが、近くにはいなさそうだ。

ディアミストは伸び上がって銀色の弟子の姿がないか探した。みんなの頭越しには探している見習いの代わりに、リコードシー────ストリーム族の族長────が三匹の族長のそばについたのが見えた。
するとすぐペブルシーが立ち上がってひと声鳴き、大集会の開会を告げた。

大集会が終わった後で探そう。ディアミストは座り直し、族長たちの話す内容に集中することにした。
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投稿 by サンウィング Sun Mar 22, 2020 9:23 pm

トーティシー【ウェイヴ族】

「サーフ族しかいないのね・・・・・・。あら?スウェル族のにおい!」トーティシーはがばっと起き上がった。一番最初に来た戦士と話そうかな!
「サーフ族とウェイヴ族・・・・・?」最初に来たのはマリンリフル?
「マリンリフル!話さない?あ、敬語使わなくていいからね?」トーティシーはいった。
「トーティシー。わかった。何かあった?」マリンリフルは聞いた。
「ううん、何もない。犬も何も」マリンリフルにいっていいのかな?大丈夫だと思う。
「あっ、このにおい、ストリーム族!来たのね!」

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投稿 by レングティームーン Sun Mar 22, 2020 10:14 pm

リコードシー


一行は島へたどり着いた。どうやら1番最後だったようだ。
仕方ないといえば仕方ない。だが本当にレインステップについては悩みの種だ。
しばらくして、部族が集まったことを確認してリコードシーは中心に向かう。
2匹が集まっている。トーティシーはマリンリフルと話していた。
ぺプルシーが冷たい視線を投げかけてきた。ベルーガシーは美しい水色の目を優しく投げかけてきた。
「悪い遅くなった…。ちょっといろいろあってな」
「大丈夫わかってるわよ…!」ベルーガシーは本当に優しいと思う。
「じゃあトーティシーヲ呼んでくるよ。先に座っていてくれ」リコードシーはそう言うとトーティシーのところへ向かっていった。

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投稿 by へあている Sun Mar 22, 2020 10:36 pm

【サーフ族】

ペブルシー

草原の向こうに沈んでいく夕日がキャンプをオレンジ色に照らす。足元で眠っている2匹の猫を見て、ペブルシーは呆れて目をぐるりと回した。

「起きろ、アップルテイル!アイステイル!」

これから大集会だというのに、こいつらは何をのんびり寝ているのだろうか。ひと声かけただけで目を覚ましたものの、あくびをして間抜けな顔でペブルシーを見つめてきた。

「ペブルシー?なにごとだ?」
「お兄ちゃん?なにごと?」

ペブルシーは二匹の頭を尻尾で叩き、怒鳴った。

「お前らはバカなのか?今夜は大集会だよ、もう出発だ!」

二匹は慌てたように顔を見合わせたが、ペブルシーは不機嫌な足取りでその場を離れ、キャンプの入り口で待機している集団のところへ行った。
他の部族の猫に会わなくてはいけないというだけでもイライラするのに、あいつらときたら…。いつの間に一緒に寝るほど仲良くなったんだ?
二匹が集団に加わったのを確認すると、ペブルシーは尻尾で合図し、キャンプを出発した。

「ごめんって」

アップルテイルが並んで歩きはじめた。ペブルシーはイラッとして睨みつける。

「大集会に遅れるのはどうだっていい。他部族を待たせようと知ったこっちゃない」

「じゃあ…」

目を逸らして責任逃れをしようとした雄猫に、ペブルシーは後ろ足でわき腹を蹴りつけた。



「…以上です」

最初の発言者であるトーティシーが頭を下げて後ろにさがった。
続いてベルーガシーが何やら話しはじめたが、ペブルシーはほとんど聞いていなかった。他の部族の狩りの調子など興味がない。どうでもいい。リコードシーが話しはじめ、自分の名前を呼ばれた時には正直慌てた。

「なに?」

「聞いてなかったんでしょ、あなた」

リコードシーが肩の毛を逆立ててもう一度言った。

「私たちがサーフ族を洪水から救ったこと、覚えているわよね?」

ペブルシーはため息をついた。やっぱりきたか。

「ああ、もちろん。あの時の恩は忘れないよ」

親しみを込めた言葉を返したが、歯の隙間から怒りが漏れ出ているのが自分でもわかった。

「貴方たちのお役に立てたのなら光栄だわ。けど、私たちは寝床も食料も提供した。それなりのお返しがあってもいいと思うんだけど」

「俺たちが助けてと頼んだわけじゃない!」

ペブルシーが答えるよりも先にアップルテイルが立ち上がり、大声で叫んだ。それに他の戦士たちも同意の声を上げる。

「縄張りが欲しいならはっきりそう言え!正々堂々と戦え!」

ペブルシーは薄笑いを浮かべて言った。

「これが僕たちの意見だが…どうだ?戦うかい?」
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投稿 by ナルシスフェザー(訳あって未登録) Mon Mar 23, 2020 12:01 am

【スウェル族】

~ベルーガシー~

はぁ…今日は大集会だ。また大勢の前で話さないといけない…嫌だな。
そう思っていると、外から呼び掛ける声がした。
おはいり、と応えるとクォーツテイルが部屋に入ってきた。

「族長、大集会に連れていく猫たちを決めて頂きたいのですが」

「分かったわ、決まったらまた呼ぶわね」

そう言うとクォーツテイルは軽く会釈をして部屋を出ていった。
さあ、誰を連れて行こうかしら…


「バタフライシャイン、クォーツテイルに会ったら私の部屋に来るように言っておいてくれるかしら」

「分かりました、言っておきます」

ほどなくしてクォーツテイルが部屋に来た。

「大集会に連れていく猫たちが決まったわ」


全員揃ったのを確認し、ベルーガシー一同は大集会に向かった。
島に到着すると、ウェイヴ族とサーフ族のにおいがした。ストリーム族はまだ来ていないようだ。
とりあえずペブルシーとトーティーシーの近くに座ることにした。

しばらくしてストリーム族が到着し、集会が始まった。最初はトーティーシーのようだ。
特に異常が無いことを確認し、自分の番になった。

「ス、スウェル族は、」

声が震える。ちょっとめまいもしてきた。

「じゅ、順調な生活を送れています」

そう言って自分の番を終えた。
体が震え、めまいがひどくとても他の族長の話を聞ける状態ではなかった。

だが複数の猫たちの騒がしい声で意識がはっきりとした。どうやらストリーム族とサーフ族の間で揉め事があったようだ。絶対に聞き逃すまいとベルーガシーは耳を傾けた。

ナルシスフェザー(訳あって未登録)
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投稿 by レインステップ Tue Mar 24, 2020 12:39 am

【ストリーム族】

~レインステップ~

豹柄の強く浮いた銀色の毛並みが、月光に照らされて白銀へと反射して輝く。その毛皮の下では満足感と、少しばかりの緊張が溢れんばかりに詰まっているようだった。
戦士となって以来、否、この世に生を受けてから初めてキャンプを出たその猫は、興奮に体を震わせていた。
今夜、キャンプを出てその猫が向かう先は、他の部族の縄張りのちょうど真ん中で行われる月一度の猫達の大集会。
父親と最後の最後まで言い合って出発が遅れてしまったが、仲間への罪悪感よりも、他の部族猫への好奇心の方があっさりと打ち勝った。
毎朝のように父親の目を盗み、境界線へと走って他の部族猫の姿を見ようと首を伸ばした今までのもどかしい日々よ。戦士となっても血筋と過去に縛られ、キャンプへと囚われていた日々よ。両親の大袈裟な愛情を受け、仲間達からの冷たい目線を堪え忍んだ日々よ!

「…ンステップ、レインステップ!」

大勢のストリーム族の猫達に囲まれて、水の中へと前足を踏み入れた途端、その冷たさと自分を呼ぶ声にハッと意識を取り戻した。

「何?言いつけ通り側にいるわ。」

上の空で自分のありがたい忠告に頷き続けるレインステップに痺れを切らしたらしいレッドウィングが、娘の名前を呼んだらしい。
レッドウィングも仲間を待たせたことについてそれほど罪悪感を感じていなさそうなのがその態度でわかる。
それに比べてすぐ前を歩くムーンペルトは、頭を下げ、尻尾を垂らし水につけて歩いている。ブラックフェザーは遠くを歩いているのか仲間に紛れて姿が見えない。

「俺の言ったことを良く覚えておくんだ。他の部族猫には用心しろ。そしてどんな噂話にも耳を…」

レッドウィングの退屈な話がまた再開する。静かにこの素晴らしい未知の土地の景色を楽しみたいのに、とうんざりしたレインステップはイライラと尻尾を振った。

「…、一族に忠誠を誓うこと。我々は一滴の混じりもない高潔なストリーム族なのだから。」

またこれだ。
確かに両親は、完璧に純粋な純血のストリーム族だ。血の話だけでは収まらない。それはもう、骨の髄まで!

「ええ、ええ。」

適当に頷いているのがばれたってもう構いやしない。だって集会の場に着いたんだもの!
鼻に入り込んでくる、今までに嗅いだことのない香り。見知らぬ大勢の猫達。ストリーム族が一番最後に到着したことはすぐにわかった。
言いつけ通り、両親から狐の尻尾三つ分以上は離れない。だけど、狐を見たことがないんだもの。きっととんでもなく大きいものに違いないわ。多分、この場所の反対側まで行ったって平気なはずよ。
レインステップは喜んで猫の群れに体を滑り込ませて夜の闇に姿を消した。

レインステップ
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