可愛い彼女を自慢したい。【パロディ】【完結！】

[明日輝]

可愛い彼女を自慢したい。




＿＿ねえねえ、誰か聞いて！




＿＿僕にもね、彼女がいるんだよ！




＿＿ねえ、聞いて！




＿＿ああもう、自慢してえええ！！！！






‼ あてんしょん ‼

‼この作品はSHISHAMOさんの「僕に彼女ができたんだ」という曲のパロディになっています。

‼原曲様のイメージを壊さぬように頑張っていきますので、温かく見守ってください。



‼作者の妄(迷？)想が主のコメディーです。

‼グレー君が「大好き！」「自慢したい！」と言っています。それだけです。

‼キャラ崩壊の可能性大です。



‼息抜き程度にお楽しみください。

[明日輝]

　ああ、ちょうど良かった。そこの君、ちょっと話を聞いてくれよ。そうだ、そこの君だよ。

　僕の名前はグレーストライプ。サンダー族ってところの戦士さ。

　戦士っていうのはね、すっごくカンタンに言うと一族のために働く猫のこと。例えば、狩りをしたり、一族の為に敵と戦ったり。戦士のおきてっていう決まり事？に従って一族に忠誠を誓うんだ。すっごくかっこいいんだよ。

　もっと知りたい？興味が湧いた？うーん、そうだなあ………って、そうじゃあなあああい！！

　た、確かに戦士はかっこいいし神秘的なこともあるし、気になるのはわかるけどさ、今から話したいのは、戦士についてじゃなくてもっと、その、プライベート、の事なんだ。

　そっちは興味ない？いいじゃないか、聞いてよ。

　あ、言っとくけどここでの話はぜったいに内緒だからね！口が裂けても話すなよ。もし万が一話したりしたら一生恨むから、祟るから。地獄の果てまで追い詰めて八つ裂きにするから。

　………ごめんって！僕が悪かった、だから聞いて！ごめん！

　いやあ、そうなんだけどね、だったら誰にも話すなよってなるんだけどね、どうしても誰かに聞いてほしくて………だからお願い！ありがとう！まだ何もいってない？気にするな。

　じゃあ、話すね。

　この前さ、僕に彼女ができたんだ。惚気なんて聞きたくない？まあまあ、今度ネズミ奢ってやるから。わかった、大きい奴奢ってやる。

　それでね、僕たちはすっごく、これはもうとんでもなく！ラブラブなんだけ、え？帰っていいかって？………だめだよ。

[明日輝]

　うーん、どこから話そうか。じゃあ、最初から。話せば長くなる。そりゃあもうナメクジがキャンプを一周するくらいの時間があああ頑張ります手短に話しますううう！！！

　僕たちの出会いを話そう。

　ある日の事。枯葉の季節だったから寒くて、寒くて。川も凍ってさ。獲物も皆冬眠しちゃうから、一族も弱ってて。

　僕は親友と、弟子を連れて狩りにでたんだ。で、小さなミズハタネズミを見つけた。氷の上にいる奴でさ。ものすごく小さいんだ。

　当然、川が凍ってるっていっても僕なんかが乗ったら割れちゃうから、氷の上での狩りは危険。

そんな小さな獲物のために危険を冒すなんてバカなまね、普段だったら絶対しないんだけどさ。

　その時僕、ちょっと大失敗しちゃってて、取り戻すのに必死で。一族の役に立たなきゃって飛び込んじゃったわけ。

　………察しがいいね、その通りだよ、溺れたよ。やめて、結果的に一族に迷惑かけたんだとかその通り過ぎて凹むから！傷つく！

　でもね、こう言っちゃアレだけど、今思うと溺れた僕、グッチョブ！って叫びたいぐらい。あ、叫んでもいい？だめ？わかった。フンスーーー！、グッチョオーーブ！！

　あああ、悪かったから無言で拳握らないで？！だ、だってさ、溺れたおかげで僕は運命的な出会いを果たせたんだよ？！叫ばずにはいられないよ。

　そう、僕を助けてくれた猫がいるんだ。シルヴァーストリーム。長いから略してシルちゃん。

[明日輝]

　シルちゃんにさ、命を救ってもらって。

　その時、僕ビビーン！と来たね。僕のハートをガバーっと、ズバーンっと射抜かれた感じ。だーかーらー、ドカーンって、バッキューンって感じだって！

　それから、僕はシルちゃんにゾッコンなんだ。

　んで、僕たちはラブラブライフを謳歌しているわけだけどさ、困ったことがあるんだ。聞いてくれよ。

　誰にも自慢できないん！だ！

　僕だってね、自慢したいんだよ。凄いだろシルちゃん可愛いだろおい！って、胸張って言いたいの！

　しかもね、僕の親友はさ、同期の雌猫に惚れて鼻の下のばしてデレデレなの！一族皆の前でイチャイチャできているわけ！不公平！僕はそれを言いたいわけ。

　うん、うん、そんな簡単じゃないんだって。僕だってできることなら自慢したい。ああもうそれこそ四本木の中心から大声で自慢したっていいくらいだ。でもできないんだよねえ。

　まだ言ってなかったね。シルちゃんはリヴァー族なんだ。サンダー族とリヴァー族は今ちょっと色々あっていざこざしていてね。僕がその原因のひとつでもあるんだけど。

　だから、とてもじゃないけど自慢できないよ。ただでさえ、他部族の猫と恋をしただなんて知られたら追放されるよ？

　だからシルちゃんと二匹だけの秘密なんだ。うう、自慢したい。

　ああ、誰だよそんな決まり作ったの！ご先祖様だよ！文句ありません、ハイ。でも今すぐ廃止してほしい。

　とにかく僕は誰かに自慢したくって。ホント、君がたまたま通りがかってくれて良かったよ。ありがとうね。

[明日輝]

　あ、じゃあもっと自慢していい？いい？いいよね！

　昨日もね、デートしたんだ！シルちゃんと！

　バレちゃまずいから、こっそりと。

　でも心のどこかでばれないかなーとか思って、いやいやバレちゃだめだろとか叱って。いやあ、ドキドキだったよ。

　バレてほしいけど、バレちゃだめ、的な。

　もちろんシルちゃんだって一族に話していない。

　あ、シルちゃんのお父さんって、リヴァー族の族長さんなんだぜー。すっごく偉いの。でもって、威厳があってかっこいいぞ。

　僕はいつか、シルちゃんのお父さんに、娘さんをください！とか、幸せにします！とか言いたいんだ。

　シルちゃんのお父さん、頑固そうだし、愛娘を溺愛してそうだから、お前なんかにはやらん！とか言われてさー。で、僕はここでザザーっと土下座して頼む。

　でもシルちゃんのお父さんは僕の事を認めずに帰れー！って。僕がどうしよう！ってなったところでシルちゃんが言うんだ。

　お父さん、お願い、認めて！みたいな。

　そんな娘の必死な姿に流石のお義父さんも折れて、めでたしめでたし！ってなる！あ、ごめんなさいそんな冷たい目でみないで！

　そんな夢みたいな将来を思い描きつつ、大好きなシルちゃんと笑いあう。それがめちゃくちゃ幸せ。ああ、シルちゃん、大好きだよーッ！

[明日輝]

　あ、もう一個夢があった。それはね、冷やかされること。

　まだ恋をする前、先輩の戦士たちがいい感じになっててさ、それを見た他の先輩戦士が彼らを冷やかしてたわけ。

　冷やかされたカップルは恥ずかしそうに俯いて気まずそうに目を合わせてさ。

　それを見た僕は思ったわけ。なんで冷やかすんだ。それじゃあくっつくもんもくっつかないじゃないか、って。

　でも、今は思うよ。冷やかされたいっ！って。

　だって、僕たちはどこをどう見てもお似合いなカップルだと思うんだよ。お互いが戦士のおきてを破ってまで会いたいと思うんだよ？！奇跡だよ、ミラクルだよ。

　そう、僕たちはまさに運命なんだ！

　そんな二匹は本来冷やかされるはずなんだ。ヒューヒュー言われたりしてさ。で、最後にはお幸せに！なんて言ってくれるはずなんだよ！なんでだよ！

　この際君でいいから冷やかしてよ。あ、嫌だ？おーけー。………はあ。

　あーもう、そこのネズミでもいいから冷やかしてほしーい！ハタネズミが飛びながらでも冷やかしてくれたら僕も一緒に飛べる自信があるよ。

　僕知らないからな！誰も冷やかしてくれないで、アツアツな僕らの愛で森が丸焦げになっても知らないからな！

　………誰か冷やかしてええええっ！！

[明日輝]

　………ってさ、今まで思ってたわけ。そしたら！

　物凄く察しのいい親友、ファイヤハートっていうんだけど、そいつにばれちゃったんだ。

　ファイヤハート？ああ、こいつは無自覚爽やかイケメンのチート。ちょっとまってこいつに食いつかれても困るんだけど。

　話を戻そうか。

　今まで散々ばれないかなーとか、自慢してーなーとか、冷やかされてーとか思ってたけど、いざバレるってなると、ものすごく焦った。

　やばいいいい！って。シルちゃんにも迷惑かけるしね。

　まあ、ファイヤハートの事だからそのうちバレるだろうとは思ってたよ。でもファイヤハートの事だから何だかんだで内緒にしてくれて、僕らの幸せを祈ってくれるだろうって。

　そしたら、思いっきり自慢してやろうって思ってたんだ。どうだ、可愛いだろう！って。

　そう、全然違ったんだ。

　だってさ、まさか後をつけられるなんて、デート現場に突撃されるなんて思わないだろう？

　聞かれるなら直球で聞かれると思ってた。

　それで僕も怒っちゃってさあ。それからちょっと溝ができた感じで、正直寂しかったけど譲るわけにはいかなかったからね。

　え、今？それなら心配ご無用。ちょっと前に仲直りしたよ。ずっと友達だって！こう言われちゃもう泣くしかないよね。

　やっぱり持つべきものは親友だね！君も大好きだよ、ファイヤハート！

　あ、でも一番はシルちゃんだからね。ファイヤハートはあくまで友達として！

　わかってるって？あ、ハイ

[明日輝]

　もうこんな時間だ。時が経つのは早いねえ。話が長いって？まあまあ僕たちの愛は長い時間をかけないと説明しきれないくらい大きいんだあああごめんなさい。

　今日は話を聞いてくれてありがとうね。おかげで楽しい時間を過ごせたよ。

　え？結局何が言いたかったのか？ずっと言っているじゃないか。

　うーんとね。シルちゃん大好き！愛してる！から、誰かに自慢したい！皆冷やかしてーッ！ってこと。あ、短くなったね。ごめんごめん。

　でも、君に話せて良かったよ。自慢もできたし。ああ、だからごめんって。

　うん、ちゃんとわかってるよ、ネズミおごりでしょ。………え？しょーがないなー、リスもつけてあげるよ、もう。

　ああやばい！そろそろ帰らなくちゃ、じゃ、またどこかで！

[明日輝]

　あ、ぐうぜーん！シルちゃんじゃないか。どうしたの？あ、もしかして僕に会いたくて来ちゃったとか。ええー、照れちゃうなあ………。

　………。

　………シルちゃん？なんか怒ってます？僕何かしました？

　え？デートの約束すっぽかしといて何やってたか？

　え、えええええええ？？で、でえと？マジですか？マジですか。

　ごめんごめん、忘れてたとかじゃなくて、いや忘れてたけどそうじゃなくて。

　で、でも！今日一日ずうっとシルちゃんのこと考えてたんだよ。本当だよ。

　あれ、照れた？ああもう可愛いなあ。

　ああ待って！おいてかないで、シルちゃん！

　大好きだよーーーーーッ！

　ああもう自慢してえええ！！！



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊fin＊

[明日輝]

◇

あとがき

ごめんなさいほんの思いつきだったんです。
グレーストライプが本家とはだいぶ離れた感じになっちゃいましたね。
原作読んでて、グレーストライプに何度涙させられたことか………
そんな彼の幸せを描きたくて思いつきました。
その後の悲劇はスター族のみぞ知る、的な。

読みにくかったとは思いますが、ここまで読んでくれた皆様、どうもありがとうございました。
最後に感想があればぜひコメントしてくだされ！
それから、投票で評価もお願いします！

[ウィングシャドウ@もう復活でいいんじゃないかな]

　面白い企画ですね。個人的にグレーストライプには幸せになってほしいと思っているのでこういう幸せ全開！なグレーストライプは好きです。

　好きですけど、グレーストライプののろけっぷりがすごい……見ててお腹いっぱいになってきます。

　読んでいて楽しかったです！

　

[明日輝]

　面白い企画ですね。個人的にグレーストライプには幸せになってほしいと思っているのでこういう幸せ全開！なグレーストライプは好きです。

　好きですけど、グレーストライプののろけっぷりがすごい……見ててお腹いっぱいになってきます。

　読んでいて楽しかったです！

　

ありがとうございます！

私はこういう大好きーッ！を出しちゃう子が好きなので書いてて面白かったです。

[ライトハート]

面白いですｗまたこういうノリのよい面白い小説出したら見ますよ！
それぐらい面白かったですー！シリーズ的なのこっそり期待しちゃったりしてるライトハートですｗｗ

[明日輝]

面白いですｗまたこういうノリのよい面白い小説出したら見ますよ！
それぐらい面白かったですー！シリーズ的なのこっそり期待しちゃったりしてるライトハートですｗｗ

ありがとうございます！
そう言ってくださるととっても嬉しいです。

こういうコメディー的なのはまた出そうかなと考えているので、
その時はぜひよろしくお願いします！

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