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森と丘と小川と暗闇の物語~虹の光と星の光~【完結】

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新しい小説で、何が見たいですか。

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投稿 by ライトハート Fri Jun 24, 2016 10:09 am

ヴァイオレットシャ wrote:ライトハートs、お初です!。ヴァイオレットシャと申します!


ライトハートsの過去作品&このお話、読ませていただきました!。一瞬でライトハートsの小説大好きになりました!w。ドキドキしていて、とっても続きが楽しみです!
頑張ってください!。
初めまして!小説を読んでくださりありがとうございます~!
そんな事言ってくださるとは嬉しいです…!!
頑張りますので今後も応援お願いしますw
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投稿 by ライトハート Wed Jul 13, 2016 9:08 am

【第十五章】



レッドブリンドル率いる一団は、ヒル族の縄張りを何も問題なく抜け出す事ができた。

誰もがさっきの話にショックを受けていた。

「エディ、その話は本当なの?どうして、そんな秘密を大胆に明かすの?」

未知の世界に踏み込み、狩りをし、休憩をとった。荒れた土地で何も見つかりそうもなかったが、

スター族の恵を受けたのか、丸々太った美味しそうなウサギを捕まえた。

そのウサギを分け合って食べながら、カインドハートが質問した。

「まず、秘密だなんて知らなかったんだ」エディはみんなの反応に面食らったらしく、口をゆがめている。

ラムポーはエディの話を聞いて急に不安になった。

母親はウォーターフラワー。父親はブラッククロー。

フォレスト族に帰ったら、あたしはどうなっちゃうの?

「大丈夫?」ラムポーの異変に気が付いたのか、フォウムポーが声をかけてきた。

「心配事があったらいつでも相談しろよ」スパークポーが真剣そうな顔でフォウムポーの横から言った。

「あ、ありがとう」スパークポーの表情に、ラムポーはドキッとした。

「休憩はここまでにしよう」

レッドブリンドルの合図で一団はまた出発した。



太陽が一番高い所に来た頃、どんよりとした雲が風にのって流されていた。

「雨が降りそうだ」エディはつぶやいた。

「さっきまでいい天気だったのに」ラビットハートが不機嫌そうに言った。

「静かに!」

何か物音を察知したのか、レッドブリンドルがさっと身構えた。

ラビットハートが静かになると、前方の茂みからまた音が聞こえ、匂いも漂ってきた。

すると、次の瞬間、一匹の見知らぬ雌猫が現れた。
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投稿 by ライトハート Sat Jul 16, 2016 12:03 pm

【第十六章】



「ウィンター!」

美しい凛とした雌猫に向かって、エディが嬉しそうに駆け寄った。ウィンターは、部族猫に例えるとしたら戦士ぐらいの年齢だろうか。

ベテランで、賢そうな顔をしていた。

「お、お父さん…?」

父親に会うなんて夢にも思わなかったのか、びっくりした顔でエディをしげしげと見つめた。

「て、てっきりラギットに殺されたのかと思ったわ__はやくサマーに知らせたいわ」

「元気にしているのか?」

「ええ。いつも通り___」

「こんにちは」

親子のお話は終わりそうにないと思ったのか、レッドブリンドルが挨拶をした。

ウィンターは急に無表情になり、警告するようなうなり声をあげた。

「不法侵入者ね?ただちに出て行きなさい」

ラムポーは怖くて耳をねかせた。さっきとは大違いだ。

ラビットハートが安心させようとラムポーのそばに行った。

「今日はわざわざ戦いに来たんじゃない」レッドブリンドルは穏やかに言った。そして、戦わないと示すために前足をあげた。

「そうだ、ウィンター。この者達は俺が連れてきたんだ」

「どうして?」ウィンターは段々敵意を見せなくなってきた。

「クリスタル様とサンダー様を保護してくれたんだ」

それを合図に、カインドハートがスパークポーとフォウムポーを連れてウィンターに見せた。

ウィンターは少し首をかしげてじっと二匹を見つめた後、嬉しそうに目を輝かせた。

「よく帰ってきましたね!」

ウィンターは喉を鳴らし、レッドブリンドルを嬉しそうに見た。

「助けてくれてありがとう。レインボー族はあなた方に感謝するわ」
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投稿 by ライトハート Sat Jul 23, 2016 1:09 pm

【第十七章】



「とりあえず、旅の疲れをとるために私のキャンプに来て」

ウィンターはそう言い、ついて来るよう合図をおくった。

レッドブリンドルがカインドハートと小声で相談した。

「どうする?レインボー族を助けに来た事、話すか?」

カインドハートが賛成すると、レッドブリンドルはウィンターを呼び止めた。

「何?」

「少し話があるの」カインドハートはそう言うと、ウィンターは足をとめた。

「レインボー族のキャンプに行く前に、もう一つ目的があって」

「エディが、レインボー族は危険だって言っていたんだ」

そしてレッドブリンドルは族長のラギットは裏切り者でお告げ猫を殺し、スパークポー達を遠い所へ置き去りにした事を全て喋った。

「そうね」ウィンターはうなずいた。「私はその裏切り者の事は知っていたわ。お告げ猫がいつまでたっても戻らないから、様子を見に行ったの。

すると、血や毛が飛び散っていて。レインボー様は私に味方してくださって私の足が自然とお告げ猫の死体の所まで足が勝手に動いたの」

「どうしてラギットを追放しなかったんですか?」ラムポーは気になってたづねた。

「勇気がなかった。だって、ラギットは一族の前では良い猫のフリをしていたから。もう彼を止める事は出来ないわ………」

「いいえ、大丈夫よ、ウィンター。彼を止める事は出来るわ」カインドハートが自信たっぷりに言った。

「なんですって?」

「俺たちがラギットを追放するために、力を貸すよ」

レッドブリンドルはウィンターの綺麗な瞳を見ながら約束した。
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投稿 by ライトハート Wed Jul 27, 2016 9:33 am

【第十八章】



スパークポーはネズミの肉にかぶりつき、腹を満たした。

ウィンターに連れられた小さな森で、今夜はここに泊まり、休憩をとっていた。

ウィンターは先にキャンプに帰ったのだ。

ここは地面がぬかるんでいて、レインボー族はそれを嫌がり滅多に来ない森らしい。

リスを食べていたカインドハートが口を開いた。

「ラギットは良い猫のフリをしていたのよね。そして、お告げを読めるとまで嘘をついたわ」

「ウィンターの話ではそうみたいだ」エディが少し怒った声で言った。「レインボー族の戦士達を信じさせるには、かなり難しそうだ」

「__そのお告げ猫が殺された現場を…証拠を一族に見せたらどうでしょう?そうすれば話を聞いてくれるかも知れません」

ラビットハートが恐る恐る意見を述べた。

「それしかなさそうだな」エディはため息をつきながら言った。



夜になり、一団はぐっすりと眠りについた。

そんな中、スパークポーは夜明け前にふと目が覚めた。

夢の中で考え事をしていた気がする。モヤモヤしていて、目が覚めたのだろう。

スパークポーはあくびをし、みんなの邪魔にならないようゆっくりと一団から少し離れた場所に移動した。

スパークポーはちらりとフォウムポーとラムポーを見た。

あれから随分どっちの部族に残るか悩んでいた。でも、まだ決めれない。

僕は、どっちに残ったらいいんだろうか。

スパークポーはしばらくぼんやりしていると、太陽が少し顔を出した。

スパークポーはぐっと眩しさに目を細めた。

この世界にも朝が来たらしい。

もう、大丈夫だ。どの部族に残るか、決断できた。
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投稿 by ライトハート Wed Aug 03, 2016 9:56 am

【第十九章】



ラムポーは目を覚まし、一族と一緒に昨日の残りの獲物を食べた。

ラムポーが最後の獲物の肉を飲み込んだとき、ふわりと風にのって匂いがはこばれてきた。

「ウィンターが来たんだ。あと一匹は誰だろう?」

「俺の息子、サマーも来ている」

ラビットハート疑問に、エディが嬉しそうに答えた。

「みんなおはよう。食事は済んだ?」

「ああ、お腹いっぱいだ」とレッドブリンドル。

「あなたがサマーね?」

カインドハートが、サマーと言われた雄猫に向かって言った。

「そうだよ。ウィンターから君たちの事は色々聞いている」サマーは待ちきれないという感じで喋り、スパークポーとフォウムポーを見た。

「クリスタル様とサンダー様ですね?姉から聞いております」

二匹はサマーにぎこちなく会釈した。

「それで、作戦は決まったの?」

自己紹介を全て終えると、ウィンターが聞いた。

レッドブリンドルが代表でウィンターたちに作戦を教えた。

「それはいい案だ!」

レッドブリンドルが喋り終えると、サマーが大きな声で言った。

「ただ……証拠が残っているかが心配だわ。あの事件からきっと何日もたっているはずよ。もしかしたら、一か月近く経ってるかもしれない」

「そこはレインボー様にゆだねるしかないよ。僕らは出来る事だけをすればいい」とサマーが堂々と言った。

「それで、その現場に行く流れだが、まず俺たちがレインボー族のキャンプに入った後、

スパーク__いや、サンダー達を連れて来て、状況を説明し、現場に連れて行こうと思うんだ」

「やってみる価値はありそう」レッドブリンドルの話を聞き、ウィンターが考え込むような顔で言った。

「うん、僕もそう思うよ」とサマー。「成功するよう、レインボー様に祈ろう」
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投稿 by ライトハート Sat Aug 06, 2016 1:28 pm

【第二十章】



スパークポーは緊張しているのがばれないようになるべく堂々と歩いた。

レッドブリンドルは、ウィンターとサマー、エディのすぐ後ろを歩いていた。

「もうすぐだ」エディが知らせた。

エディの言う通り、トンネルが見えてきた。トンネルは、フォレスト族のキャンプに入る時のトンネルと少し似ている。

知らない匂いが鼻に飛び込み、スパークポーははっと息をのんだ。

ラムポーやフォウムポーも、知らない匂いに目を丸くしている。

「誰だ?」

トンネルをくぐり、レインボー族のキャンプに足を踏み入れると、キャンプにいた猫達が騒ぎ始めた。

「落ち着きなさい」

ウィンターが鋭い声を出して命令したが、みんなは聞いてくれなかった。

レインボー族の猫達は毛を逆立て、フォレスト族の猫達を追い払おうとし始めた。

「サラマンダー、族長を呼んできてくれ!」と誰かが怒鳴るように叫んだ。

サラマンダーと呼ばれた雄猫がうなずき、どこかへ行ってしまった。

フォレスト族の戦士達は緊張しながらも、戦う姿勢になった。

スパークポーもみんなに習い、うなり声をあげた。

「やめろ!」

エディが怒鳴り声をあげた。

すると、レインボー族の猫達はびっくりした顔をしてエディの方を見た。

「この猫達はサンダー様とクリスタル様を見つけてくださったんだ!」

レインボー族の猫達はひそひそ言い合い始めたが、敵意は少しずつ見せなくなり始めた。

戦わなくてよくなったのがわかり、スパークポーはほっとため息をもらした。

隣で、同じようにフォウムポーもため息をついた。

「で?サンダー様とクリスタル様はどちらにおられる?」

「ここです」姉のフォウムポーは怯まず、堂々と声を張り上げた。「弟のスパーク___いえ、サンダーも一緒です」

フォウムポーの言い方に、スパークポーは少し心配になった。

フォウムポーはそんなスパークポーを灰色の尻尾で招いた。

スパークポーは毛が逆立つのを感じたが、フォウムポーの横に立った。

「よくおかえりになられた」

と、少しおかしな声をした雄猫が言った。きっと喉がやられて、うなり声のような喋り方になっているのだろう。

「これでレインボー族は平和になるんだ。お告げ猫が帰ってきて、危険な事が確実にわかる」

「ベローの言う通りだが、お告げ猫の代わりはもういたじゃないか……」誰かがそっと言った。

「だが、ラギットは族長だ。お告げ猫ではない」とサマーがぼそっと言った。

「いいえ、ベローが言った平和はまだ訪れたわけではないわ」

ウィンターが空き地の中央に行って注目を浴びた。

「ウィンター、それはどういう事だ?」

「とある猫を追い払わなければ、平和にはなれない」

ウィンターの話に、誰もがびっくりした声をあげた。

「おっと、その猫がこちらに来たみたいだ」サマーが少し敵意のこもった声で言った。

スパークポーはドキッとした。

大きな茶色い雄猫がやってきたのだ。

あの猫だ。僕の母さんを殺したのは、あの猫だ!

「何だ?どうして侵入者がこんな所にいる?追い払ったんじゃないのか?」

うなり声で言ったのは、裏切り者の族長、ラギットだった。
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投稿 by ライトハート Mon Aug 08, 2016 11:47 am

【第二十一章】



誰もが面食らったみたいだった。

「まさか、族長が?族長が裏切り者なのか?」

「そもそもどうして裏切り呼ばわりするんだ?」

すると、サラマンダーが前に来て、口をゆがめた。まだ動揺がおさまっていない。

「ウィンター、よくわかるように説明してくれ」

レッドブリンドルが勇気つけるようにウィンターに向かってうなずいた。

「わかりやすく説明するためには、とあるところに行かなきゃいけない__事件が起こった現場に、一族を連れて行くわ」

ラギットが怪しむような顔をした。「いいだろう。ただ、キャンプに二匹見張りをたてるからな」

族長はそう言うと、それぞれ二名猫の名前を呼んで見張りをさせた。

スパークポーは怒りをこめてラギットを睨み付けた。



ウィンターが案内した場所は、うっそうとした所だった。

いつの間にか雨雲が空に広がり、今にも雨が降り出しそうだった。

あちこちに血が飛び散っていたり、毛がいたる所にべったりとはりついていた。

だが、誰の物かはもう特定できなかった。

「そんなっ」ウィンターは絶望した声をだした。

エディはどうしようもない、と言うようなまなざしを娘に送った。

そんな中、ラギットがうなり声をあげた。

「俺を裏切り者にして族長にでもなろうと思っていたのか?非常に残念な副長だ」

「俺たちを騙そうとしたのか!」と誰かが怒鳴った。

「そうだ!ウィンターこそ裏切り者だ!」

その一族の声を聞き、ラギットは満足そうにしていた。

スパークポーはぞっとしながらラムポーとフォウムポーの表情をうかがった。

二匹も、スパークポーと同じような表情をしていた。

「この作戦は失敗したの?」とラムポー。

「それどころか、ウィンターが追放されるなんて」

スパークポーはぶるりと身を震わした。

すると、何の前触れもなく雨が降り出した。

その雨は次第に激しさがました。

『待ちなさい。ウィンターは嘘をついていません』

その声に、スパークポー達は息をのんだ。

大勢の猫達が同時に喋っているような声だ。

「レインボー様!」

サマーが声を上げ、急に頭を下げた。

サマーの視線を辿ると、そこには虹色で輝く、一匹の猫の姿があった。

はっきりとはしていないが、紛れもなく猫の形をしている。

『ウィンターは嘘をついていません』レインボーはまた言った。『みなさん、目をゆっくりとつぶってください』

突然の展開にレインボー族の猫達は戸惑い、ひそひそ喋っていたが、しばらくすると目を閉じ、静かになった。

スパークポーも目を閉じた瞬間、痛々しい悲鳴が頭の中で響いた。

懐かしい、少し思い出のある匂いも飛び込んできた。

悲鳴をあげた猫が、恐怖で目を見開き、うずくまっている。怯えて動けなくなったのだ。

ラギットは目をぎらつかせ、にやりとほほ笑んだ。

「俺はもっと素晴らしい地位につく。そのためには、お告げ猫を殺さなきゃいけないんだ」

鈍い音と共に、また悲鳴があがった。

その後に、子猫の怯えた鳴き声も聞こえた後、そこで映像はストップされてしまった。

スパークポーはゆっくりと目を開けた。

スパークポーはいつの間にか、涙を流していた。

『お告げ猫を殺したのはラギットです。裏切り者を直ちに追放させなさい』
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投稿 by ライトハート Wed Aug 24, 2016 10:51 am

【第二十二章】



テンペストポーはトゥリクルポーと視線をかわした。

ウォーターフラワーは首をうなだれている。それをブラッククローが慰め始めた。

「掟破りの父親なんて、いらないわ」トゥリクルポーがぽつりとつぶやいた。

「ブラッククロー、どうして掟を破った?」

フライトスターは厳しい表情をしていたが、ブラッククローが質問に答えやすいように優しい声で言った。

「やめようとは努力しました、フライトスター。__でも」

「でも、スター族が仕掛けた事だから仕方がない、と」

「スター族のせいにするのか?」

フライトスターの発言に、リポーソングが言った。

「いいや。そうじゃない。そういう『運命』だったんだ」

フライトスターはそう言うと、ちらりと助けを求めるように看護猫のパドルファーを見た。

「これから起こる危機に立ち向かうには、戦士の掟を破らなければいけないと、スター族からお告げを受け取ったのよ。

その夜に、アイスストームから相談があったの。二匹の恋愛の事についてね」

パドルファーはウォーターフラワーとブラッククローを見た。

「それで、戦士の掟を破らなければいけないの意味がわかったの。それは看護猫と付き合う事だって」

「つまり、スター族は看護猫と付き合う事を望んでいらしてたんですか?」ハサックポーがびっくりした顔で言った。

パドルファーがうなずくと、誰もが黙り込んだ。

不意に、足音がしたかと思うと、トンネルからアイスストームが現れた。

目はうつろで、じっと足元を見ていた。

そしてウォーターフラワーとブラッククローをにらむと、戦士部屋にひっこんだ。

アイスストームの母親のフロストフラワーがちらりと族長を見たかと思うと、

娘を慰めに後を追った。
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投稿 by ライトハート Fri Sep 02, 2016 1:12 pm

【第ニ十三章】



一族はぞろぞろとキャンプに帰った。

裏切り者のラギットは、集団の中央にいて逃げれないようにしていた。

レインボー族の猫達はショックで黙り込み、少し気まずそうにラギットをちらちら見ていた。

ラギットは堂々としていて、くいっと顎をあげてレインボー族の猫達を睨み付けた。

一団はキャンプのトンネルの前についた。

ラムポーはスパークポーのそばで足を止めた。

「出て行ってください」ウィンターが鋭いうなり声で言った。「あなたは族長でも、レインボー族でもありません」

ラギットは怒りで目をぎらつかせた。

「いいだろう。ただし、これで終わりだと思ったら大バカ者だ」

ラギットは捨て台詞を言うと、どこかへ消えて行ってしまった。

さっきの台詞はただの脅しだと考えた猫達は、ほっとため息をついた。

ラムポーもその一匹だ。

「クリスタル様が新しいお告げ猫になるのですか?」とベローが質問した。

その質問にウィンターはうなずいた。「そうよ。私と一緒に訓練を受けるの。サンダー様と一緒に」

レッドブリンドルがスパークポーとフォウムポーに前へ行くように促した。

ラムポーは寂しくなった。もう二匹に会えなくなるなんて。

フォウムポーは堂々とウィンターの傍へ行った。

だが、スパークポーは少しためらっていた。

「スパークポー?」ラビットハートが口を開いた。

「僕は」スパークポーは深呼吸をして続けた。「僕はレインボー族の猫になりません。フォレスト族の猫として、今まで通り暮らしていきます」

スパークポーはきっぱりと言うと、ちらりとラムポーを見た。

「それでいいの?お姉さんに一生会えなくなるかもしれないわよ」カインドハートが優しくたづねた。

「それでもかまいません。もちろん、寂しいですが」

「では、サンダー様、クリスタル様____」

「僕はサンダーじゃない。スパークポーだ」スパークポーはウィンターの言葉を遮った。

「わかりました。では、スパークポー、あなたはこれからもフォレスト族の一員のまま生きていくと言う事を許可します」
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投稿 by ライトハート Wed Sep 21, 2016 9:06 am

【第二十四章】


ラムポーは我が家に近づいた事がわかり、ほっとため息がついた。あれから一日がたった。

フォレスト族の縄張りに踏み込んだとき、はっと思い出した。

旅に出る前に、エディからショックな出来事を聞いたのだ。

自分はフォレスト族の血がつながっていて、しかもウォーターフラワーとブラッククローの子供だ。

きっと、みんなに白い目で見られる事間違いなしだろう。

そう思うと、足取りが重くなり帰りたくなくなったが、無理やり足を動かし続けた。


キャンプにつくと、みんなはグールミングをしていた。

空の真上に太陽があり、グールミングの時間と言う事を知らしている。

「帰って来たのね!」

見張り番をしていたメープルテイルが嬉しそうにやってきた。

「フライトスターは?」とレッドブリンドル。

ラムポーは三毛柄の戦士を見た。この猫とも血がつながっているなんて、なんだか変な気持ちだ。

「部屋にいらっしゃるわ__スプラッシュフォール?」

近くにいたスプラッシュフォールが顔をあげた。

「フライトスターを呼んでほしいの」

スプラッシュフォールはうなずくき、ちらりとラムポーを見た後族長部屋に向かった。

ラムポーはみんなの視線を気にしないように努めた。

しばらく待っていると、フライトスターがやってきた。

他の猫達も気になったのか、ぞくぞくと集まった。

アイスストームとテンペストポー、トゥリクルポーはこの場にいなかった。

母親のウォーターフラワーと目が合い、ラムポーはぎくっとした。

レッドブリンドルとカインドハートがフライトスターに報告し終えた。

「レインボー様が自ら現れたのには驚きだ」

フライトスターは目を見開いた。

「何はともあれ、無事解決したみたいだな。みんな、ご苦労だった」

レインボー族の縄張りに行ってきた猫達は、頭を下げた。

フライトスターは尻尾をふり、みんなを解散させた。

一族は探検しにいった猫達を囲み、質問攻めし始めた。

「ラムポー」

ひっそりと隅に行こうとしたラムポーをフライトスターは呼び止めた。

「どうしましたか?」

「俺の部屋に来い。話しておきたい事がある」

ラムポーは緊張した。何を言われるだろう。きっと、出産にまつわる話で何か罰を与えられるに決まってる。

そう考えると怖くなったが、勇気を振り絞って族長についていった。


族長部屋に入るのは初めてだった。

二匹は体を落ち着かせた。

最初に口を開いたのは、フライトスターだ。

「お前はウォーターフラワーとブラッククローの子供だ」

やっぱり、この事で何か言われるんだわ。

「戦士の掟をあの二匹は破った。

そして、お前が生まれた……だが、フォレスト族の恥でも何でもない。お前の事は誇りに思っているよ」

フライトスターは穏やかな声で言った。

「ありがとうございます」

フライトスターの話には続きがあった。

「そして聞いてほしい事がある。スター族からお告げをもらったのだ」

フライトスターは困った顔になった。

「これから起こる危機に立ち向かうには、戦士の掟を破らなければならない、と」

ラムポーはぞくっとした。「どうしてあたしに?」

「お前に関係するお告げだからだよ、ラムポー」

 
                  END
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投稿 by ライトハート Wed Sep 21, 2016 9:09 am

【後書き】


こんにちは、ようやくこのお話もENDをむかえました!たくさんのコメント、ありがとうございます!

ラムポーの出産にまつわるお話や、新たな部族、レインボー族など、たくさんの展開がありました。

そしてその『運命』はすべてあの

「これから起こる危機に立ち向かうには、戦士の掟を破らなければならない」

というお告げに関係していると言う事です。

あと一期も残り二巻となりました。それまでお付き合いしてくださると嬉しいです!

感想など、たくさんお待ちしています(^^♪
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投稿 by ティアーミスト Wed Sep 21, 2016 3:43 pm


完結おめでとうございます!ずっと読み続けている小説でもあり、最後までわくわくどきどきしていました。

ラギットの捨て台詞に嫌な予感しかしません笑

そしてラムポー!予感はしていましたが、彼女はウォーターフラワーとブラッククローの娘でしたね……。アイスストームの辛さを想像するとずきんとしてしまいます。

スター族のお告げの意図とは? 新小説も、おうえんしてます(*´ω`*)
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投稿 by ライトハート Fri Sep 23, 2016 8:59 am

ティアーミスト@霧涙 wrote:
完結おめでとうございます!ずっと読み続けている小説でもあり、最後までわくわくどきどきしていました。

ラギットの捨て台詞に嫌な予感しかしません笑

そしてラムポー!予感はしていましたが、彼女はウォーターフラワーとブラッククローの娘でしたね……。アイスストームの辛さを想像するとずきんとしてしまいます。

スター族のお告げの意図とは? 新小説も、おうえんしてます(*´ω`*)
ありがたいお言葉………!とても嬉しいです!!!
ラギットさん、どこかで活躍させようかななんて思ったりしてますww
お告げの意味は、1-6(まだ投稿してません)でわかるので、最後までお付き合いしていただくと幸いです!
コメントありがとうございました!
ライトハート
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族長
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森と丘と小川と暗闇の物語~虹の光と星の光~【完結】 - Page 2 Empty Re: 森と丘と小川と暗闇の物語~虹の光と星の光~【完結】

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