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*欠けた瞳のおはなし*

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投稿 by ミッシングピューピル Sun Dec 01, 2019 12:57 am

はじめに


どもこんです。ミッシングピューピルと申しやす。ここではお久しぶりです。
『希望のクローバーと欠けた月』はデータ消え去ったのでもう更新しません…ごめんなさい。

こちらは私の代理猫であるミッシングピューピルがウォリクラ族に入るまでの(予定)お話です。
これも気まぐれ更新&書きながら物語を作ってるので失踪する可能性は高いですがよろしくお願いします。

登場猫

*欠けた瞳のおはなし* EX4kRc1XYAEt7uB?format=png&name=small
*欠けた瞳のおはなし* 7910
*欠けた瞳のおはなし* 8011
*欠けた瞳のおはなし* 8110
*欠けた瞳のおはなし* 8210



そのうち増えるかもしれません。。。


最終編集者 ミッシングピューピル [ Sun May 24, 2020 5:11 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by ミッシングピューピル Sun Dec 01, 2019 1:03 am

プロローグ


歪んだ視界がこの世界を写しているように見える。これが現実だ。逃れることは出来ない。何があっても、絶対に。
真っ赤に染まるこの世界は、まるで辺り一面に広がっている綺麗な紅い薔薇畑のようだった。

『これが何を意味していると思う?』
『_______________わからない。』

僕はきっと、わからないまま生きている。
過去を知らないまま。振り返らないまま。
でも、これは?この傷は……

「シーニィ!!」
突然僕の耳に飛び込んできたのは聞いたことがない声だった。でも、何故か懐かしさを感じてしまった。
「あぁ…よかった…本当に無事でよかった…シーニィ。あなたがいなくなったら私、どうしたらいいか…」
その時、鋭い痛みが僕を襲った。目だ、片目に傷があるんだ。
「っ!!!」
痛さのあまり唸り声がもれた。
「ごめんね。それしか薬草がなかったの。シーニィ、まだ動ける?急いで逃げないと、奴らに殺されちゃうわ…」
「……奴ら…って……ゴホッ」聞こうとした瞬間、血を吐いてしまった。
肺が痛い。心臓が破裂しそうだ。
「シーニィ…!!」
僕はその時初めて懐かしい声の姿を見た。
綺麗で雪よりも白く、おでこに月の模様がある雌猫。僕にはそれが誰なのか、一瞬でわかった。
「ルナ…あの木の実を取ってきてくれ…頼む…」
僕はもうあと数分で死んでしまう。
あれを使わなきゃ、死んでしまう。
「でも……」ルナは言いかけたが「わかったわ」すぐにそう言い直した。
薄暗い洞窟にルナの悲しそうな足音が響く。
「ごめんね、シーニィ。大好きよ…」



体が熱い。視界が歪む。太陽が目の前にあるのかってくらい眩しくて、熱くて、頭が痛くなった。



僕の目の前にあったのは。





炭になった真っ暗な森と







1匹の死体だった______
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投稿 by ミッシングピューピル Sun May 24, 2020 5:08 pm

第一章


『お前が殺したんだ』

心の中で叫び声が鳴り響いている。あの光景を目にした時からずっと。

「違う、僕は、なにも…」
迫り来る闇から逃がれようと必死で足を動かす。いつもそれしかできなかった。
死にたいくせに死ねなくて。
生きたくもないくせに他者の命を奪っていく。
最低だ。神様はきっと僕を地獄に落とすだろうな。
毎回、闇に呑み込まれる直前に目が覚める。
僕は虫を払うかのように頭を素早く振った。
「ルナ…」
いつもいつも頭に焼き付いて離れない。
アイツが死ぬなら僕が死んだ方がマシだった気がしてならない。生きる意味ってなんだろうか。僕はこれから何を生き甲斐とすればいいのだろうか。
そんなことを毎日考え、小動物の命を奪いながら生きている自分に、吐き気がするくらい腹が立った。
僕は毎日その苛立ちを木にぶつける。
無我夢中に蒼い炎を纏った鉤爪で木を殴りつける。自分の血の音だけが耳に響く中、一匹の声が飛び込んできた。
「やっぱりお前だったのか、こんなことはやめてくれないか」
低く、どっしりとした声だ。僕は驚きのあまり飛び上がった。
「だ、だれだ」
何日も他の猫と会話していなかったので声がかすれる。
「さあな。お前がそれをやめてくれたら教えてあげてもいいが…」
その声の主は海の色をした瞳をもつ、驚くほど真っ白な毛をした大きな雄猫だった。
シーニィは自分の足元に目を落とし、今何をしていたのかやっと理解した。
「ごめんなさい…」
罪悪感で胃がキリキリする。僕はたぶん、この猫の縄張りを荒らしてしまっていたのだ。
「わかってくれればよろしい、ここを住処としている鳥達が困っていたからな」
雄猫はふわふわなしっぽを、風を切るように振った。
「は…今なんと?」
僕はその発言にまた驚かされた。今鳥達って言ったのか…?
「お前の頭の上にもいるよ、ほら、あそこ」
そう言いながら尻尾で木々の間を指した。
そこにはいつも食料にしているような鳥達がチュンチュンと鳴いていた。
「もしかして…あなたには鳥達の話してる言葉がわかるの?」
「もちろん、その様子だとお前には聞こえないみたいだな」
雄猫は何かを払いのけるかのように耳を動かした。
「普通は聞こえないでしょ…?」
僕は訳が分からず首を傾げた。
「お前は普通じゃないだろう?」
雄猫は笑顔で言った。
「な、なんだって?」
そう返すと、雄猫がゆっくり近付いてきた。
「お前は…」僕の目の前まで来ると、足を止めてこう言った。「あの木の実を食べたんだろう?」
僕は目を見開いて固まった。その一言で色々な思いが頭を駆け巡った。
「図星だな?あの木の実を食べたらどうなるか知らなかったのか?」
雄猫の表情は読み取れない。
「…死にたくなかった」
僕は雄猫の吸い込まれそうな青い瞳から目を背けた。
「皆そう言ったさ、お前みたいにな。その特別な力を持った奴がどうなったか知ってるか?」
「知らない。僕はまだそこまで長くは生きてない。それくらい見たらわかるだろ…」
自分の過ちが恥ずかしくてさっきまで消えていた苛立ちがまたふつふつと湧き上がってきた。
「大抵の者は自分の力を制御できなくて自殺していたよ。今のお前みたいにね」
僕は雄猫に向かって炎を纏った鉤爪を振り下ろした。僕は制御できていない。それくらいわかってる。普段の僕ならここで攻撃なんてしない。
雄猫は大きくジャンプして尻尾でその炎をかき消した。
あれは…………水だ。
「今のお前に俺は倒せない」
雄猫はそう言うと目に捉えられない程の速さでシーニィの腹に潜り込み、頭突きをくらわせた。
僕はその勢いで吹っ飛び、木に頭をぶつけて気を失った。
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投稿 by シャイニングナイト Sun May 24, 2020 8:02 pm

はじめまして!(。・ω・)ノ゙
ミッシングピューピルさん!
私はシャイニングナイトと申します!m(_ _)m
なんとも文章力のある文章!
憧れてしまいます!° ✧ (*´ `*) ✧ °
楽しみにしてます!書くの、頑張ってください!٩(ˊᗜˋ*)و
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投稿 by ミッシングピューピル Mon May 25, 2020 10:28 am

シャイニングナイトさん>
コメントありがとうございます。
小説書くの久しぶりで読みにくい部分があるかもしれませんがそう言っていただけると私も嬉しいです!
更新続けられるように頑張ります!!
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投稿 by ミッシングピューピル Tue Dec 29, 2020 6:30 pm

第二章


『お前は』
誰かの声が聞こえる。胸がざわざわする声だ。
『…愚かな生き物だ』
誰だ。目を開けてるはずなのに目の前が真っ暗で何も見えない。
『感情のコントロールすらできない愚かな生き物。そんな奴はこの体にいる資格はない』
体が痺れて動かない。これから何が起こるのか容易に想像できた。
『ずっとこの機会を待っていた。お前を見てるだけで吐き気がしてくるよ。さぁ、今ここで消えてくれ』
なんとかしないと…この猫の匂いは殺意で溢れかえっている。
僕はもう一度立ち上がろうとして体に力を入れた。だが、全く動かなかった。
だんだん僕の首元に針のようなものが突き刺さるのが感覚でわかる。
僕は痛みで呻き声をもらした。
「消えるのはお前の方だぞ」
今度は知っている声が聞こえてきた。ついさっき話をしていた声……
『お前…こんなところまで来れるとは……』
少し動揺しているのが声でわかった。
「この子にはやらなきゃいけないことがある。お前に乗っ取られては困るんだ。運命には逆らえないんだよ。それはお前もよくわかっているはずだろ?」
唸り声が聞こえたがさっきの声の主は無視して続けた。
「自分の欲望に負けてるお前の方がよっぽど感情のコントロールなんてできてないじゃないか」
『黙れ!』
怒っているのか、声がかなり震えている。
『外で自由に身動きできるお前に何がわかる。俺の何がわかるって言うんだ』
「わからないよ、お前の気持ちなんてこれっぽっちもわからない。他者の気持ちなんて理解できるわけないだろ?でもこれは神様が決めたことだ。お前は逆らえない。俺も逆らえない。なんなら俺だってこんな面倒臭いことはしたくないさ。」
さっき話をしていた雄猫の声は冷たく響いた。
「お前をこのままにしていたらきっとまた出てきてしまうだろう。だからここで俺が_____」
雄猫の声が怒り狂った叫び声でかき消された。
一瞬で辺り一面の温度が上がり、僕の周りは赤い炎で埋め尽くされた。
輝く赤い炎の中で初めて声の主の姿が見えた。赤い炎を扱って戦ってるのは真っ黒な影のような猫だった。
『お前さえいなければ…!俺は…!!!!』
そう言って、無我夢中に鉤爪を振り回している。あんなの、当たるわけが無い。怒りに任せて攻撃しているだけだ。
「あぁ、俺もいなければよかったと思ってるよ」
その声には寂しさが混じっていた気がした。白い雄猫は水の壁を作って炎をかき消している。
「すまないな、俺には君を救う資格はない」
白い雄猫が影のような猫の首元に骨が砕けるような勢いで噛み付いたのが見えた。
影のような猫は悲鳴をあげる暇もなく、その場から消えた。
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