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看護猫の集会(オリジナルなりきり)

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投稿 by うぉりあナリ Sat Mar 28, 2020 12:34 pm

看護猫の集会のなりきり投稿場所です。
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看護猫の集会(オリジナルなりきり) Empty Re: 看護猫の集会(オリジナルなりきり)

投稿 by ペタルドロップ Mon Mar 30, 2020 8:58 am

【ストリーム族】


~オーキッドポー~

夕日が地平線の向こうに沈みかけ、赤くたなびく雲が藍色の空に溶け込んでいく。二匹の看護猫は赤色に輝く海の方角へ歩を進めていた。

フォールドリーフは振り返ると言った。「あら、リーフシェイド! こんにちは」

指導者の視線の先を見ると、そこにはサーフ族の看護猫がいた。オーキッドポーは大集会でこの三毛猫と会ったことを思い出し、続いて挨拶をする。
「こんにちは! リーフシェイド!」

「こんばんは、フォールドリーフとオーキッドポー。薬草のたくわえはいかほどかしら」リーフシェイドはにこりとも笑う様子も見せず、尋ねてきた。

「十分すぎるほどあるわ。もし何か起きても…余るくらいにね」歩きながらそう言う指導者の横顔はいつも通りにこやかだが、表情の裏は見えない。

戦いが起きたとき用に、オーキッドポーはフォールドリーフと一緒にたくさんの薬草をたくわえている。今日は薬草を求めてなわばりをあちこち歩き回り、そこここと生えているマリーゴールドやトクサを摘み取ったため、オーキッドポーの脚はすでにくたくただ。明日は昼起きたらすぐに、摘み取った薬草のえり分けをしないと。

「意外ね。サーフ族も同じよ。砂利だらけななわばりにも薬草が生えているなんて、知らなかったわ!」リーフシェイドはそう言いつつ、ゆっくりと耳を後ろに倒した。

フォールドリーフとリーフシェイドの間にピリピリした嫌な空気が流れた。看護猫であっても、敵対している部族ならこうならざるを得ないのかも。

何とも居心地の悪い気分で二匹の間を歩いていると、しばらくしてウェイヴ族とスウェル族の匂いがするのが分かった。助かった!

「クラウドリーフ、スパークリングバブルズ、こんばんは!」オーキッドポーは気まずい雰囲気を打ち破るかのように無理に明るい声で二匹に呼びかけた。

「お待たせしました」フォールドリーフがそう言った次の瞬間には、砂地に描かれた五つの長い影が交わった。


一行は歩き始めてすぐ崖にさしかかった。好奇心に負け、オーキッドポーは恐る恐る崖の下に頭をのぞかせてみると、下に浜辺があるのが分かった。そのまま目を遠くへ向けると、オーキッドポーの視界には果てしなく広がる海が映った。

崖のいくらか緩やかな斜面を五匹は慎重に滑り降り、砂地に降り立つ。砂浜に押し寄せては引くさざ波の音が心地よかった。
オーキッドポーは他部族の猫に話しかけるかどうか迷っていた。看護猫は部族の隔たりを気にせず話していいんだよね…? うん、きっと大丈夫。

オーキッドポーは浜辺を慣れた様子で歩く白猫に話しかけた。
「クラウドリーフ。初めてシー族────先祖の猫たちに会ったときのこと覚えていますか?」

ウェイヴ族の看護猫はオーキッドポーを振り返ると答えた。「もちろんよ。そのときのことはいまだ鮮明に思い出せるわ」クラウドリーフは懐かしそうに目を細める。「本当にシー族はいるのねって感動したの」

「怖くはなかったですか?」オーキッドポーは先祖の猫に会いに行く、ということ自体に軽く恐れを抱いていた。

「会う前はね」クラウドリーフは見習い看護猫が少しおびえているのを感知したのか、おかしげにひげをぴくっとさせる。「安心して。きっと、みんなはあなたが看護猫になったことを歓迎してくれるわ。」

歩いて行くと近付くにつれ大きくなる水の激しい音に邪魔されて、自然と会話はストップしていた。上を見ると、水がなめらかなカーブを描いて岩のへりを越え、とどろきながら海に流れ落ちていた。滝つぼは泡立ち、水しぶきは夜空にかかる銀河を反射して煌めいている。

一行は無言のまま滝の裏側に回る。するとオーキッドポーは、月明かりに照らされ、そこにぽっかりと開いた穴があるのが分かった。その穴に不思議と吸い込まれていきそうな感覚を覚え、オーキッドポーの背筋をそって冷たいものが走った。

四匹は星明かりを無駄にしたくないのか、そそくさとその洞窟の闇へと順番に姿を消していった。
三匹の後ろについていたフォールドリーフは躊躇しているオーキッドポーを振り返り、洞窟へ入るよう促す。どうやらこの穴には絶対に入らなければいけないようだ。

オーキッドポーは渋々フォールドリーフの後ろにつくと、洞窟に足を踏み入れた。

洞窟の地面は若葉の季節にしては冷たかった。オーキッドポーはひんやりとした空気をゆっくりと吸い、高鳴る鼓動をおさめようとした。

中には小さな池があった。池には月光が差し込み、きらきらと反射している。シー族の猫たちはそこにいるの?

みんなが到着したのを確認すると、看護猫たちは池の横にうつ伏せになり始めた。オーキッドポーも指導者の横に行くと、見よう見まねで柔らかいお腹を冷たい地面に密着させる。

「池の水を舐めてね」フォールドリーフはオーキッドポーにそう教えると、体を丸めて寝始めた。寝ている…? 違う、夢を通してシー族に逢っているのだ。

オーキッドポーは池の水を少しだけ舐めた。────それは驚くほど冷たかった。

オーキッドポーは急激に眠気を感じ、導かれるように目を閉じた────


********************


遅くなりました
ペタルドロップ
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