WARRIORS BBS
Would you like to react to this message? Create an account in a few clicks or log in to continue.

魔法が溢れる世界での日常

Page 2 of 2 Previous  1, 2

Go down

魔法が溢れる世界での日常 - Page 2 Empty Re: 魔法が溢れる世界での日常

投稿 by シャイニングナイト Fri May 15, 2020 6:28 pm

「何、あんた」
黒い雌猫は赤い目をギラつかせ、そばにいる雌猫を睨んでいた。その雌猫は目が紫色だ。
「わ、私も差別を受けて.......。その、仲間に.......」
目が泳ぎ、しどろもどろの赤茶色の雌猫はどうも怪しかった。不自然だ。怪しい、排除しなくては。本能が叫んだ。
「嘘つけ。あんたは違う」
私は怒りが膨らんだ。魔法族の魔法が見破れないとでも?私は目に魔力を集め、睨みつけた。
「わあっ!」
赤茶色の雌猫の瞳は緑に戻ってしまった。
「いいこと教えてあげる。明日の昼、あんたの所の最低差別部族を滅ぼしてやるから楽しみにしてな」
私はなんて優しいのかしら!わざわざ教えてあげるなんて!私は心の中で鼻で笑った。でも、襲うのがバレても私が勝つのは決まっているわ。
「滅ぼせるもんなら滅ぼしてみなさい!私たちは誇り高き魔法族よっ!野良猫出身のお前とは.......」
赤茶色の雌猫の言葉で私は自分でコントロール出来ないほどの怒りに駆られた。私の中で何かが切れた。
「はあ!?誇り高い?!有り得ないわ!あんた達みたいな最低部族があ?!差別をしない一族だった?!違うでしょうが!私、そのクズ一族の出身よ!残念ながらね!」
私は思わず怒鳴り散らし、優雅さをなくし、取り乱し、目を更にギラつかせた。
「落ち着いて下さい!」
後ろから雄猫が現れてなだめた。
「ふう、ふう。一族の中に心辺りのある猫、1人ぐらいいるでしょう。聞いてみなさい。自分の"誇り高き"一族が私にした仕打ちを。こっちの白い雄猫の事も聞いてみるといいわ。絶対、自分が魔法族出身なのを恥じるから」
私は冷たく言い、去った。

私、フォックステイルは走る。あの雌猫の狂った瞳が脳裏に焼き付いて離れない。怖い、心の底から思った。
「みんなぁ!助けてぇ!」
私は泣きながらキャンプに駆け込んだ。こんな夜中に出かけている雌猫の心配していたのは一族全員だった。ブライアーソーンが口を滑らせて、心配なのを言ってしまったそうだ。
「雌猫が言ってたんだけど.......」
私は説明した。すると、族長が口を開いた。
「そいつはムーンアイだ。歴史に残ってる。私はそれが良くなかったと分かっている。もう1人は恐らく、リトルポーだろう。母猫と父親を殺されたその子は泣きながら追放された。可哀想だと心から思う」
族長は本当に恥じているように言った。歴史の話を詳しく話すと全員からの同情が集まり、できる限り話し合いで解決しようと言う事になった。でも、あの雌猫の感じだとそうはいかなさそうだと私は心の中で悟った。


最終編集者 シャイニングナイト [ Fri May 15, 2020 7:44 pm ], 編集回数 2 回
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

魔法が溢れる世界での日常 - Page 2 Empty Re: 魔法が溢れる世界での日常

投稿 by シャイニングナイト Fri May 15, 2020 7:39 pm

☆追加の登場猫紹介☆

ムーンアイ(月の瞳)♀
赤い瞳を持つ黒い雌猫。辛い過去のせいで心が狂ってしまった。赤い月が不吉を表すため、追放された時にこんな名前を付けられた。魔法族を恨んでいる。魔法は操り。

リトルホープ(小さな希望)♂
赤と水色の瞳を持つ小柄な白い雄猫。飼い猫と魔法猫のハーフ。良心があり、ムーンアイの事に少し反対している。少しでも希望を持ちたくて、自分で名前を決めた。魔法は不老不死にする。

イービルクロー(邪悪な鉤爪)♂
金と銀の瞳を持つ灰色の雄猫。目のせいでいじめられてきた。名の通り邪悪。牙と鉤爪が異常に鋭い。ムーンアイ以上に狂っている。野望があり、それは世界征服。戦いで負けた事は無い。平気で仲間も裏切る冷酷者。魔法は持っていない。

悪役は最後の方まで秘密にしてみました!
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

魔法が溢れる世界での日常 - Page 2 Empty Re: 魔法が溢れる世界での日常

投稿 by シャイニングナイト Sat May 16, 2020 11:39 am

ブルーテイルは出入り口にいる雌猫を睨んでいた。
「待っていたよ。ムーンアイ」
バードスターがムーンアイの目の前に立つ。
「あら、あんたが今の族長?ずいぶん頼りなさそう」
ムーンアイは馬鹿にした表情を浮かべた。
「その、礼儀がなくすみません」
後ろからリトルホープが現れ、頭を下げる。
「礼儀なんぞいるかよ!」
イービルクローがリトルホープを突き飛ばす。
「仲間割れしてるぜ.......」
レッドブレイズが呆れたため息をつく。
「仲間には見えないよ」
ブリンドルファーがブルーテイルに耳打ちする。ブルーテイルは確かに、と思った。ムーンアイは優雅に座り、リトルホープは怯えてムーンアイの影に隠れ、イービルクローは.......まあ、とにかく狂った目で辺りを見回していました。
「話し合いで解決しないか?」
バードスターは話し合いを持ちかけた。
「嫌よ。なんで今更?最初に私をこんな気持ちにさせたのが悪いのよ」
ムーンアイは赤い目をギラりと輝かせた。だが、その瞳の奥には別の感情が隠されていて、ブルーテイルは戸惑った。
「イービルクロー?かかりなさい」
ムーンアイはチラリとイービルクローを見た。
「嫌だね。俺は誰の命令も聞かな.......」
イービルクローの首がガクンと垂れ、その後、こちらへ向かって襲って来た。操られている。
「私は行くわ。あんたは自分の身を守りなさい」
ムーンアイは後ろを振り返り、リトルホープにそう言うと、こちらへ向かって突っ込んで来た。
「だから!話し合いを!」
バードスターが言うが、誰一人聞いていない。
「なんちゃらクロー、かかってこい!」
レッドブレイズが火花を散らしながら威嚇する。
「イービルクローだっ!」
イービルクローは怒鳴りながら突進する。
「悪者の名前なんぞ覚える必要がねー!」
レッドブレイズとイービルクローはぶつかり合った。
「は、話し合いを.......」
バードスターの声は2人の耳にはチラリとも届かない。
「つ、強ぇ!」
レッドブレイズは炎をまとった爪を使うが、イービルクローの爪は馬鹿みたいに鋭く、攻撃できない。
「私も加勢するわ」
トーニーフラワーがサッと空間から現れ、イービルクローは戸惑った。トーニーフラワーの瞬間移動だ。
「俺も加勢す.......」
ブルーテイルは飛び出そうとし、行く手を阻まれた。
「あんたの相手は私」
ムーンアイはしなやかな筋肉の動きで飛びかかって来た。ブルーテイルはニヤリとした。僕だって優等生だ。絶対に負けないっ!
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

魔法が溢れる世界での日常 - Page 2 Empty Re: 魔法が溢れる世界での日常

投稿 by シャイニングナイト Sat May 16, 2020 7:53 pm

ブルーテイルは素早い動きで少しずつ攻撃していた。だが、ムーンアイは余裕顔で、痛そうな表情は少しも見せない。
「ふう、無駄な事を」
ムーンアイは優雅な動きでブルーテイルを投げ飛ばした。ブルーテイルは何とか着地する。
「やるな!でも絶対に負けない!」
ブルーテイルは怒鳴る。すると、隣の方で血しぶきが上がった。全員がそちらを振り向く。
「トーニーフラワー!」
シャープエッジがすぐさま駆け寄った。
「だ、大丈.......夫よ.......。余計.......な心配を.......しないで!」
トーニーフラワーは途切れ途切れに怒鳴った。首の切り傷から血がたれているが、堂々と立っている姿は威厳を感じさせた。
「看護部屋に行こう。まだ戦士は沢山いるから」
シャープエッジが連れていこうとする。
「まだ戦士は、たくさん.......いても!私が.......戦.......えば、他の子.......が怪我しない.......でしょ!」
トーニーフラワーは最後の最後までしぶり、忠誠の限りを尽くしたくて、もがいた。だが、根負けし、シャープエッジに連れていかれた。ブルーテイルはムーンアイに向き直り、その表情を見て、驚き、戸惑った。

ムーンアイは不思議と心が痛んだ。なぜ、なぜ敵が可哀想だと思うのか。そんな事は時々あった。
「それは、まだ良い心が残っていると言う事ですよ、と何度も教えましたよ?ね、だからやめましょう?」
ブラックフェザーとストーンペルトに追いかけられながらリトルホープが微笑んだ。あ、そうだ、お兄ちゃんだ。おにいちゃんも三毛柄だった。でもお兄ちゃんは琥珀色の優しいの目をしてた。そっか、いつもこの気持ちになる時は決まって三毛猫か、琥珀色の目か、優しい目をしてた時だった。

ブルーテイルはもう一度問いかけた。
「話し合いをしよう」
ブルーテイルは優しく言い聞かせるように言った。
「い、嫌よ」
ムーンアイは1歩後ずさった。その瞬間、イービルクローが自由になった。魔法がゆるんだのだ。イービルクローは向きを変え、油断していたムーンアイを押さえつけた。
「何?裏切る気?!」
ムーンアイはもがき、怒りで目を光らせた。
「ああ、もちろん。お前を消して1番偉い地位になりたいと狙ってた。この辺りの縄張りは魔法族の縄張り以外はお前のものだから、縄張り、乗っ取ろうと思ってたんだ。さよなら」
イービルクローはまるで楽しんでいるような響きだ。誰もムーンアイを助けに動かない。
「やめてくださあぁぁぁい!」
リトルホープが大声で叫んだ。全員が驚いて目を見開く。
「すんなり殺されてたまるものですか!そんな事はさせません!僕が身代わりになりますから、ムーンアイの事はやめて下さい!例え、死ぬ事になっても僕は、僕は愛しい者を守ります!」
リトルホープは珍しく怒鳴る。
「じゃあ、殺してやるよ。ムーンアイの後にな」
イービルクローは少しの優しさも見せない。
「やめて下さ.......」
リトルホープは飛びかかり、呆気なく投げ飛ばされ、意識を失ってしまった。ムーンアイの瞳から涙がこぼれる。
「ムーンアイ?僕の言う事を1つ、後で聞くなら助けてあげてもいいけど。どうする?」
僕は楽しそうにウィンクして見せた。
「いいわ。聞いてあげる」
ムーンアイはもう力尽きて言った。さっきから何度もイービルクローを引っ掻いているがビクともしないのだ。
「シャープエッジ?」
僕はそう呼びかけ、イービルクロー目掛けて飛びかかった。二匹は激しく戦い、ブルーテイルが何とか押さえつけた。
「来世では良い奴に生まれ変わるように祈ってるぜ」
シャープエッジが馬鹿にして言いながら現れ、押さえつけるので精一杯のブルーテイルに変わってトドメを刺した。
「来世.......で復讐、して.......やる!」
イービルクローはその言葉を最期に、息絶えた。
「助けてくれて、ありがとう」
ムーンアイはボソボソ言う。
「トーニーフラワー!」
シャープエッジが駆け出し、他のみんな━━ムーンアイとリトルホープも━━は後を追った。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

魔法が溢れる世界での日常 - Page 2 Empty Re: 魔法が溢れる世界での日常

投稿 by シャイニングナイト Sun May 17, 2020 4:15 pm

一族は寝床で苦しそうに息をする雌の副長を心配していた。ブルーテイルもトーニーフラワーを覗き込んでいた。
「大丈夫.......だって.......ば!」
トーニーフラワーは不機嫌そうに言う。
「何とかならないのかよ!」
シャープエッジはみんなを順番に見つめる。
「そういえば、イービルクローはなぜ死んだの?リトルホープの能力は不老不死にする事だというのに」
ムーンアイが疑問を口にする。
「魔法を解いたので」
リトルホープは笑って言う。
「それじゃない!」
ブリンドルファーがいきなり叫ぶ。
「なんだ!早くしてくれ!」
シャープエッジはすがるように言う。トーニーフラワーはもう意識がもうろうとしていた。
「最.......後に、シャープ.......エッジ、あれ、OKって.......事、で.......。どう、せ、死ぬなら伝え.......ておこうと思っ.......て」
トーニーフラワーはそれを最後に意識を失った。
「ブリンドルファー、早く!」
シャープエッジを初めに、みんながすがる。
「リトルホープの力で一時的に不老不死にし、また元に戻せば一命は取り留めるわけでしょ?」
ブリンドルファーが言うと、全員の目が一気にリトルホープに集まる。そしてリトルホープにすがる。
「ふ、ふぇぇ.......。プレッシャーがあぁぁ」
リトルホープは涙目になりながらも魔法の歌を歌う。

生き物はいずれは死んでしまう
でも、死なないで欲しい
だから、歳も取らず、死なない体を
あなたにあげる
さあ、もう安心
絶対に死なないよ

リトルホープが優しく、綺麗な声で歌うと、キラキラとした魔法が舞う。すると、魔法を浴びたトーニーフラワーが片目を開ける。一族が安心のため息を着く。
「何?なんで生きてるの?」
トーニーフラワーは不思議そうに瞬きする。
「それが.......」
ブルーテイルは耳打ちして教える。トーニーフラワーの事だから敵に助けてもらうなんて余計なお世話!って言いそうだと思いながらブルーテイルは優しく説明する。
「ま、今回はお礼を言おうかしら」
トーニーフラワーは少し睨みつつ言った。
「ふえ、なんか怖いけど、どういたしまして.......」
リトルホープは魔法を解いた後、ムーンアイの影に隠れる。
「後は、裁判だな」
バードスターは看護部屋から出て、空き地の真ん中に堂々と立ち、隣にトーニーフラワーが立った。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

魔法が溢れる世界での日常 - Page 2 Empty Re: 魔法が溢れる世界での日常

投稿 by シャイニングナイト Sun May 17, 2020 10:10 pm

バードスターは一族に問いかける。
「この猫にはどういう罰を受けさせるべきだと思う?」
バードスターの質問に対して、一族の猫たちが口々に意見を叫び始める。その意見はそれぞれ違う。
「二度とここに来ないように脅してから追放だ」
レッドブレイズが叫ぶ。
「許してあげましょうよ」
シャイニングサンダーが叫ぶ。
「死んで償うべきよ。私の二匹の友達の命を奪ったんだから。ドリームハートが死んで償わなきゃいけなかったとしたらムーンアイなんて当たり前でしょう」
ブリンドルファーが叫ぶ。
「死ぬほど恐ろしいめに合わせるのは?」
リヴァーフットが叫ぶ。
「記憶を消して1からやり直させたら?」
ブラックフェザーが叫ぶ。他にも次々と思い思いに一族が叫ぶ中で、ひときわ大きな声を上げたのは、ブルーテイルだった。
「僕の考えを聞いて貰えませんか?」
ブルーテイルは叫ぶと言うよりは優しく言った。
「聞くよ。どんな考えだい?」
バードスターがこちらに注目する。
「ムーンアイは一族に嫌われて辛い思いをしました。仲間に裏切られてショックを受けました。魔法族に助けられて反省しました。やり直させてやりましょうよ。魔法族として受け入れます。でも、怪しい行動をとったら、追放です」
ブルーテイルはムーンアイに軽くウィンクした。僕からのお願いというのは仲間になる事だ。
「そうして頂けるなら光栄です」
ムーンアイが頭を下げる。
「ぼ、僕からもお願いです。許してあげて下さい.......」
リトルホープは最後の方、消え入りそうな声で言った。
「いいだろう」
バードスターは許可し、トーニーフラワーを見た。
「少しでも怪しい行動をとったらもう二度とチャンスはあげないから。いいわね?」
トーニーフラワーがギロりと睨むと、ムーンアイが頭を下げ、リトルホープは涙目でうなずいた。
「よし!解決だな!」
バードスターがうなずいた。ブルーテイルはにこりと笑った。平和な解決法。それほど素晴らしい物はない。二度と、ムーンアイのような猫が生まれるような悲劇が起きませんように.......。

……To be continued
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

魔法が溢れる世界での日常 - Page 2 Empty Re: 魔法が溢れる世界での日常

投稿 by シャイニングナイト Sun May 17, 2020 10:16 pm

どうも!(。・ω・)ノ゙
シャイニングナイトですっ!ヽ(*´∀`)ノ

完結!ではなく(笑)
続きます!一応!
続編はどうなるのかなあ〜?(*^^*)
恋愛中心になるかもしれませんが、
ちゃんとストーリーは考えてあります!

なので、皆さん、
私を見捨てないで、
最後まで見守ってくれると嬉しいです!
頑張ります!(๑و•̀ω•́)و
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

魔法が溢れる世界での日常 - Page 2 Empty Re: 魔法が溢れる世界での日常

投稿 by Sponsored content


Sponsored content


トップに戻る Go down

Page 2 of 2 Previous  1, 2

トップに戻る

- Similar topics

 
Permissions in this forum:
返信投稿: