炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
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炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
どうも!(。・ω・)ノ゙
シャイことシャイニングナイトです!
これはシャイニングナイトの子、
フレイムキットとライトニングキットの
お話ですヽ(*´∀`)ノ
フレイムキットとライトニングキットは
すくすくと育っていた。今日は記念すべき日。
二匹が見習いになる日だ。
シャイことシャイニングナイトです!
これはシャイニングナイトの子、
フレイムキットとライトニングキットの
お話ですヽ(*´∀`)ノ
フレイムキットとライトニングキットは
すくすくと育っていた。今日は記念すべき日。
二匹が見習いになる日だ。
シャイニングナイト- ライオン族
- 投稿数 : 1286
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
☆登場猫紹介☆
族長 ファイヤスター(火の星)♂
炎の様なオレンジ色の毛皮を持つ雄猫。目は緑。元飼い猫だが、戦士の素質があり、素晴らしい族長。
副長 ブランブルクロー(イバラの鉤爪)♂
焦げ茶色の虎柄の雄猫。目は琥珀色。シャイニングナイトを叱ってばかりいる。
看護猫 ジェイフェザー(カケスの羽)♂
青灰色の縞柄の雄猫。目は見えないが、青色。姉であるシャイニングナイトに呆れている。
戦士 シャイニングナイト(輝く夜)♀
闇夜のような毛皮に黄金色の斑点がある雌猫。目は琥珀色。性格はからかい好きだが、家族思い。イタズラ好きで常に不真面目。ブランブルクローで遊んでいる。姉弟の中で1番ジェイフェザーがお気に入り。姉弟の中で1番年上だが、1番呆れられている。フレイムキットとライトニングキットの母親。
戦士 ライオンブレイズ(ライオンの炎)♂
黄金色の縞柄の雄猫。目は琥珀色。優しいお兄ちゃんタイプ。姉にもっと真面目になって欲しいと思っている。
戦士 グレーフロスト(灰色の霜)♂
シャドウ族の戦士。灰色の雄猫。目は青色。シャイニングナイトの連れ合い。
ダークフラッシュ・ウィンドサウンド・
ソフトテイル・浮浪猫たち
サンダー族を襲った事がある。今はフラッシュ族として太陽の溺れる場所で暮らしている。
ラスティーポー・ラビットポー・ジャギッドポー
フラッシュ族の見習い。ウィンドサウンドとアウルタロンの子供たち。上から順に♂、♀、♂。
バタフライポー・フラワーポー・メモリーポー
フラッシュ族の見習い。ソフトテイルとサンファーの子供たち。上から順に♀、♀、♂。
子猫 フレイムキット(炎の子猫)♂
赤っぽいオレンジの雄猫。目は黄色。正義感が強く、良い奴。かなり優秀。優しくてモテる。
子猫 ライトニングキット(雷の子猫)♀
黄色っぽい茶色の雌猫。目は青色。優しくて可愛いが、考えてる事が分からない。
子猫 タロンキット(鉤爪の子猫)♂
野良猫だが、サンダー族に拾われた。薄茶色の雄猫。目は緑。ハンサムだが、考えてる事がわかりやすい。ライトニングキットに片思い中。
族長 ファイヤスター(火の星)♂
炎の様なオレンジ色の毛皮を持つ雄猫。目は緑。元飼い猫だが、戦士の素質があり、素晴らしい族長。
副長 ブランブルクロー(イバラの鉤爪)♂
焦げ茶色の虎柄の雄猫。目は琥珀色。シャイニングナイトを叱ってばかりいる。
看護猫 ジェイフェザー(カケスの羽)♂
青灰色の縞柄の雄猫。目は見えないが、青色。姉であるシャイニングナイトに呆れている。
戦士 シャイニングナイト(輝く夜)♀
闇夜のような毛皮に黄金色の斑点がある雌猫。目は琥珀色。性格はからかい好きだが、家族思い。イタズラ好きで常に不真面目。ブランブルクローで遊んでいる。姉弟の中で1番ジェイフェザーがお気に入り。姉弟の中で1番年上だが、1番呆れられている。フレイムキットとライトニングキットの母親。
戦士 ライオンブレイズ(ライオンの炎)♂
黄金色の縞柄の雄猫。目は琥珀色。優しいお兄ちゃんタイプ。姉にもっと真面目になって欲しいと思っている。
戦士 グレーフロスト(灰色の霜)♂
シャドウ族の戦士。灰色の雄猫。目は青色。シャイニングナイトの連れ合い。
ダークフラッシュ・ウィンドサウンド・
ソフトテイル・浮浪猫たち
サンダー族を襲った事がある。今はフラッシュ族として太陽の溺れる場所で暮らしている。
ラスティーポー・ラビットポー・ジャギッドポー
フラッシュ族の見習い。ウィンドサウンドとアウルタロンの子供たち。上から順に♂、♀、♂。
バタフライポー・フラワーポー・メモリーポー
フラッシュ族の見習い。ソフトテイルとサンファーの子供たち。上から順に♀、♀、♂。
子猫 フレイムキット(炎の子猫)♂
赤っぽいオレンジの雄猫。目は黄色。正義感が強く、良い奴。かなり優秀。優しくてモテる。
子猫 ライトニングキット(雷の子猫)♀
黄色っぽい茶色の雌猫。目は青色。優しくて可愛いが、考えてる事が分からない。
子猫 タロンキット(鉤爪の子猫)♂
野良猫だが、サンダー族に拾われた。薄茶色の雄猫。目は緑。ハンサムだが、考えてる事がわかりやすい。ライトニングキットに片思い中。
最終編集者 シャイニングナイト [ Thu May 28, 2020 9:45 am ], 編集回数 5 回
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
「起きなよ!起きなったら!」
兄の声だ。うるさいなぁ、もう。
「今日は命名式だぞっ!」
フレイムキットのその言葉に私は飛び起きた。
「忘れてた」
私は慌てて毛づくろいを始めた。タロンキットが現れた。
「一緒に見習になるんだな」
タロンキットが嬉しそうに目を輝かせた。
「ま、歳が同じぐらいだからね〜」
私は顔を丁寧に洗いながら適当に答える。タロンキットが少しだけ歳上だ。.......1ヶ月ぐらい?
「あのさ、獲物は初めに何を捕りたい?」
タロンキットが聞く。えー、そうだなぁ。
「ハタネズミかな?好物だし」
私はあの味を想像し、舌なめずりをした。
「もう、フレイムキット、綺麗にしなくちゃ」
シャイニングナイトが現れ、フレイムキットを舐め始めた。タロンキットは慌てて自分で毛づくろいをする。
「散歩に行ってきます」
私はそう一声かけ、キャンプの真ん中に出た。
「ジェイフェザー!」
私はすぐさま駆け寄った。私の永遠の憧れだ。
「なんだよ、ライトニングキット。邪魔だよ」
ジェイフェザーがイライラしてヒゲを震わせる。
「お手伝いさせて下さい!」
ライトニングキットはせがんだ。
「仕方ないな。これを運ぶのを手伝ってくれ」
ジェイフェザーは薬草をライトニングキットに渡した。
「.......ナツシロギクですか?」
私はにおいを嗅ぎながらたずねた。
「その通りだ。マウスファーにあげるんだけ.......。あっ!なんの効果を持っているか、言えるか?!」
ジェイフェザーは急にこちらを向き、興奮した目で言った。
「せ、咳・腹痛に効く他に、痛み止めの効果もあります」
ライトニングキットは口ごもりながら答えた。
「正解だ!看護猫見習になる気はないか?!」
ジェイフェザーがこちらにズイっと顔を近づけた。
「い、いいんですか?!喜んで!」
ライトニングキットは驚きと嬉しさで目を輝かせた。あ、でも、戦士にも.......。そうだ!いい事思いついちゃった!
「よし、じゃあ長老部屋へ行こう」
ジェイフェザーを先頭に私は長老部屋へ向かった。
「フレイムキット、ライトニングキット、タロンキットはそれぞれフレイムポー、ライトニングポー、タロンポーとなる。今から指導者を発表する」
ファイヤスターがそう言った。
「ダストペルト、フレイムポーの指導を頼めるかな?」
ファイヤスターは焦げ茶色の虎柄の雄猫に目を向けた。
「はい、立派な戦士にしてみせます」
ダストペルトはフレイムポーと鼻を触れ合わせた。
「よろしくお願いします!」
フレイムポーが小さな声でそう言うのが聞こえた。
「グレーストライプ、タロンポーの指導者になれ」
ファイヤスターは灰色の親友に向かって言った。
「任せろよ、ファイヤスター!」
グレーストライプがタロンポーと鼻を触れ合わせた。
「頑張ります」
タロンポーがつぶやいた。次は私の番だ。
「ライトニングポー、君は特別な道を歩むことになる。指導者は、ジェイフェザーだ」
ファイヤスターが看護猫に言う。
「はい」
ジェイフェザーは立ち上がり、ライトニングポーと鼻を触れ合わせた。兄とタロンポーが駆け寄ってくる。
「聞いてないぞー、そんなの!」
フレイムポーがいたずらっぽく目を輝かせた。
「その、えっと、頑張って」
タロンポーは曖昧に言う。ライトニングポーは二匹にうなずいた後、ファイヤスターに向き直った。
「お願いがあります、ファイヤスター!看護猫にもなりたいけど、戦士としても訓練がしたいんです!なので戦えるし狩りもできる看護猫になれるようにしてくれませんか?!」
ライトニングポーは決心に満ちた目で族長を見上げた。私なりに考えた方法なのだ。看護猫と戦士猫の掛け持ち。
「いいだろう。サンドストーム?ライトニングポーの戦士としての指導者になってくれ」
ファイヤスターが連れ合いにウィンクする。
「ええ、任せてファイヤスター」
サンドストームはライトニングポーとそっと鼻を触れ合わせた。私には最高の指導者が2匹いるなんて私は幸せ者だと思った。しかも、部族初の戦士としても活躍出来る看護になれるなんて。
「フレイムポー!ライトニングポー!タロンポー!フレイムポー!ライトニングポー!タロンポー!」
一族の祝福の声が上がる。だが、何匹かは、冷たい目でこちらを見ていた。私と兄はシャドウ族の血を引いていて、タロンポーは浮浪猫の子だからだ。でも私たちはそんな事を気にせず、純粋に喜んでいた。見習いになった!
兄の声だ。うるさいなぁ、もう。
「今日は命名式だぞっ!」
フレイムキットのその言葉に私は飛び起きた。
「忘れてた」
私は慌てて毛づくろいを始めた。タロンキットが現れた。
「一緒に見習になるんだな」
タロンキットが嬉しそうに目を輝かせた。
「ま、歳が同じぐらいだからね〜」
私は顔を丁寧に洗いながら適当に答える。タロンキットが少しだけ歳上だ。.......1ヶ月ぐらい?
「あのさ、獲物は初めに何を捕りたい?」
タロンキットが聞く。えー、そうだなぁ。
「ハタネズミかな?好物だし」
私はあの味を想像し、舌なめずりをした。
「もう、フレイムキット、綺麗にしなくちゃ」
シャイニングナイトが現れ、フレイムキットを舐め始めた。タロンキットは慌てて自分で毛づくろいをする。
「散歩に行ってきます」
私はそう一声かけ、キャンプの真ん中に出た。
「ジェイフェザー!」
私はすぐさま駆け寄った。私の永遠の憧れだ。
「なんだよ、ライトニングキット。邪魔だよ」
ジェイフェザーがイライラしてヒゲを震わせる。
「お手伝いさせて下さい!」
ライトニングキットはせがんだ。
「仕方ないな。これを運ぶのを手伝ってくれ」
ジェイフェザーは薬草をライトニングキットに渡した。
「.......ナツシロギクですか?」
私はにおいを嗅ぎながらたずねた。
「その通りだ。マウスファーにあげるんだけ.......。あっ!なんの効果を持っているか、言えるか?!」
ジェイフェザーは急にこちらを向き、興奮した目で言った。
「せ、咳・腹痛に効く他に、痛み止めの効果もあります」
ライトニングキットは口ごもりながら答えた。
「正解だ!看護猫見習になる気はないか?!」
ジェイフェザーがこちらにズイっと顔を近づけた。
「い、いいんですか?!喜んで!」
ライトニングキットは驚きと嬉しさで目を輝かせた。あ、でも、戦士にも.......。そうだ!いい事思いついちゃった!
「よし、じゃあ長老部屋へ行こう」
ジェイフェザーを先頭に私は長老部屋へ向かった。
「フレイムキット、ライトニングキット、タロンキットはそれぞれフレイムポー、ライトニングポー、タロンポーとなる。今から指導者を発表する」
ファイヤスターがそう言った。
「ダストペルト、フレイムポーの指導を頼めるかな?」
ファイヤスターは焦げ茶色の虎柄の雄猫に目を向けた。
「はい、立派な戦士にしてみせます」
ダストペルトはフレイムポーと鼻を触れ合わせた。
「よろしくお願いします!」
フレイムポーが小さな声でそう言うのが聞こえた。
「グレーストライプ、タロンポーの指導者になれ」
ファイヤスターは灰色の親友に向かって言った。
「任せろよ、ファイヤスター!」
グレーストライプがタロンポーと鼻を触れ合わせた。
「頑張ります」
タロンポーがつぶやいた。次は私の番だ。
「ライトニングポー、君は特別な道を歩むことになる。指導者は、ジェイフェザーだ」
ファイヤスターが看護猫に言う。
「はい」
ジェイフェザーは立ち上がり、ライトニングポーと鼻を触れ合わせた。兄とタロンポーが駆け寄ってくる。
「聞いてないぞー、そんなの!」
フレイムポーがいたずらっぽく目を輝かせた。
「その、えっと、頑張って」
タロンポーは曖昧に言う。ライトニングポーは二匹にうなずいた後、ファイヤスターに向き直った。
「お願いがあります、ファイヤスター!看護猫にもなりたいけど、戦士としても訓練がしたいんです!なので戦えるし狩りもできる看護猫になれるようにしてくれませんか?!」
ライトニングポーは決心に満ちた目で族長を見上げた。私なりに考えた方法なのだ。看護猫と戦士猫の掛け持ち。
「いいだろう。サンドストーム?ライトニングポーの戦士としての指導者になってくれ」
ファイヤスターが連れ合いにウィンクする。
「ええ、任せてファイヤスター」
サンドストームはライトニングポーとそっと鼻を触れ合わせた。私には最高の指導者が2匹いるなんて私は幸せ者だと思った。しかも、部族初の戦士としても活躍出来る看護になれるなんて。
「フレイムポー!ライトニングポー!タロンポー!フレイムポー!ライトニングポー!タロンポー!」
一族の祝福の声が上がる。だが、何匹かは、冷たい目でこちらを見ていた。私と兄はシャドウ族の血を引いていて、タロンポーは浮浪猫の子だからだ。でも私たちはそんな事を気にせず、純粋に喜んでいた。見習いになった!
最終編集者 シャイニングナイト [ Tue May 26, 2020 1:03 pm ], 編集回数 1 回
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
ふぁぁぁ。眠い.......。
「起きろよ!起きろってば!」
兄の声がする。私はしぶしぶ体を起こした。
「分かったから、フレイムキット」
私はあくびをしながら言い、殴られた。
「もうフレイムポー!」
兄は少しだけ機嫌を悪くしてしまったようだ。
「おはよう、ライトニングポー」
タロンポーが声をかける。
「ふぁ?あ、おはよ」
私は思い切り伸びをする。そっか、今日から見習いだ。
「看護部屋に行ってくるね」
私はササッと毛づくろいを済ませると、足早に看護部屋へ向かった。ジェイフェザー、何してるかな?
「おはよう、ライトニングポー。今は薬草の整理をしてる。そして、これがなにか分かるかな?」
ジェイフェザーが薬草を差し出す。誘惑するような香り。なんだろう.......。これは嗅いだことも見たこともない。
「分かりません。教えてください」
私は首を横に振った。
「イヌハッカだ。グリーンコフに効く。だが、〈二本足の住処〉にしか生えていない」
ジェイフェザーが説明をした。
「グリーンコフ!イヌハッカって、とっても大事な薬草ですね!〈二本足の住処〉に行かなきゃダメなんて.......」
私はブルっと身体を震わせた。
「だから僕が薬草畑を作った。そこで育ててるから大丈夫だ。じゃあ次、これは?」
ジェイフェザーは次の薬草を差し出す。これは知っている。私が1度キャンプを抜け出してイバラの茂みにぶつかった時に処方してもらった薬草だ。忘れるわけがない。
「マリーゴールド!出血止めと化のう防止の効果があります!」
私は自信満々で答えた。
「その通りだ!」
ジェイフェザーは満足そうにうなずいた。二匹はしばらく薬草の整理をしながら勉強をした。
「よぉ、ジェイフェザー。こいつを見てやってくれ」
ダストペルトが怪我をしたフレイムポーを連れてきた。全身トゲだらけだ。
「ハリネズミになった気分でしょ!」
私は兄をからかう。
「こら、ライトニングポー!からかってないで薬草を取ってこい。持ってくるものは分かっているな?」
ジェイフェザーがライトニングポーを叱る。私は首をすくめる。分かっているとも。ギシギシ、マリーゴールド、クモの巣だ。ギシギシはすり傷などに、マリーゴールドはさっき言った通りに、クモの巣は出血止めの効果がある。
「えーっと、確か.......。あ!あった、あった!」
ライトニングポーは薬草棚を見上げて言う。そして、向こうから話し声が聞こえたので、聞き耳を立てた。
「こいつ、ウサギに夢中になってイバラに突っ込んだんだ」
ダストペルトの声だ。呆れている。
「でも!僕の体ぐらいある大きさなんだよ!しかも、トゲだらけになったけど、ちゃんと捕まえたよ!」
フレイムポーが必死に抗議している。
「はいはい。分かったから静かにしろ」
ジェイフェザーは迷惑そうだ。
「お待たせ〜。薬草、持って来たよ〜」
私は薬草をくわえ、みんなの所へ行った。ジェイフェザーが手本を見せるように治療を始める。私はしっかりと見ておく。
「よし、終わり。次からは気をつけろ」
ジェイフェザーはしっぽを振り、そう言った。
「はあい」
フレイムポーは看護部屋を出て行った。フレイムポーと入れ違いに淡いショウガ色の雌猫が現れた。
「ライトニングポー、準備はいいかしら?」
ライトニングポーの指導者である、サンドストームだった。私は元気にうなずくとジェイフェザーに頭を下げ、サンドストームの後をついていった。よし、次は戦士の訓練だ!
「起きろよ!起きろってば!」
兄の声がする。私はしぶしぶ体を起こした。
「分かったから、フレイムキット」
私はあくびをしながら言い、殴られた。
「もうフレイムポー!」
兄は少しだけ機嫌を悪くしてしまったようだ。
「おはよう、ライトニングポー」
タロンポーが声をかける。
「ふぁ?あ、おはよ」
私は思い切り伸びをする。そっか、今日から見習いだ。
「看護部屋に行ってくるね」
私はササッと毛づくろいを済ませると、足早に看護部屋へ向かった。ジェイフェザー、何してるかな?
「おはよう、ライトニングポー。今は薬草の整理をしてる。そして、これがなにか分かるかな?」
ジェイフェザーが薬草を差し出す。誘惑するような香り。なんだろう.......。これは嗅いだことも見たこともない。
「分かりません。教えてください」
私は首を横に振った。
「イヌハッカだ。グリーンコフに効く。だが、〈二本足の住処〉にしか生えていない」
ジェイフェザーが説明をした。
「グリーンコフ!イヌハッカって、とっても大事な薬草ですね!〈二本足の住処〉に行かなきゃダメなんて.......」
私はブルっと身体を震わせた。
「だから僕が薬草畑を作った。そこで育ててるから大丈夫だ。じゃあ次、これは?」
ジェイフェザーは次の薬草を差し出す。これは知っている。私が1度キャンプを抜け出してイバラの茂みにぶつかった時に処方してもらった薬草だ。忘れるわけがない。
「マリーゴールド!出血止めと化のう防止の効果があります!」
私は自信満々で答えた。
「その通りだ!」
ジェイフェザーは満足そうにうなずいた。二匹はしばらく薬草の整理をしながら勉強をした。
「よぉ、ジェイフェザー。こいつを見てやってくれ」
ダストペルトが怪我をしたフレイムポーを連れてきた。全身トゲだらけだ。
「ハリネズミになった気分でしょ!」
私は兄をからかう。
「こら、ライトニングポー!からかってないで薬草を取ってこい。持ってくるものは分かっているな?」
ジェイフェザーがライトニングポーを叱る。私は首をすくめる。分かっているとも。ギシギシ、マリーゴールド、クモの巣だ。ギシギシはすり傷などに、マリーゴールドはさっき言った通りに、クモの巣は出血止めの効果がある。
「えーっと、確か.......。あ!あった、あった!」
ライトニングポーは薬草棚を見上げて言う。そして、向こうから話し声が聞こえたので、聞き耳を立てた。
「こいつ、ウサギに夢中になってイバラに突っ込んだんだ」
ダストペルトの声だ。呆れている。
「でも!僕の体ぐらいある大きさなんだよ!しかも、トゲだらけになったけど、ちゃんと捕まえたよ!」
フレイムポーが必死に抗議している。
「はいはい。分かったから静かにしろ」
ジェイフェザーは迷惑そうだ。
「お待たせ〜。薬草、持って来たよ〜」
私は薬草をくわえ、みんなの所へ行った。ジェイフェザーが手本を見せるように治療を始める。私はしっかりと見ておく。
「よし、終わり。次からは気をつけろ」
ジェイフェザーはしっぽを振り、そう言った。
「はあい」
フレイムポーは看護部屋を出て行った。フレイムポーと入れ違いに淡いショウガ色の雌猫が現れた。
「ライトニングポー、準備はいいかしら?」
ライトニングポーの指導者である、サンドストームだった。私は元気にうなずくとジェイフェザーに頭を下げ、サンドストームの後をついていった。よし、次は戦士の訓練だ!
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
私がキャンプの出入口に向かうと、ソワソワしているタロンポーとあくびをしているグレーストライプに会った。
「あら、2人ともどうしたの?」
サンドストームが首をかしげる。私も同じ意見だった。
「タロンポーが、なっ!」
グレーストライプがイタズラっぽく目を輝かせる。
「し、しーっ!言っちゃダメだってば!」
タロンポーは顔を赤くして小さい声で叫ぶ。
「ま、いっか。一緒に行きましょ」
ライトニングポーはウィンクした。タロンポーはぎこちなくうなずく。グレーストライプは笑いをこらえるのに必死だ。
「狩りを教えましょうか。2人とも、何が捕りたい?」
サンドストームの問いかけに私は元気よく答えた。
「ハタネズミ!」
ライトニングポーは舌なめずりをして見せる。
「僕は.......、ツグミかウサギ」
タロンポーが少し考えてから言った。タロンポー、いい舌持ってるね!だって美味しいもん!あ、全部美味しいか。
「よし、よし。それが捕れるように練習しないとな」
グレーストライプが優しく言った。
僕はそうっとツグミに忍び寄っていた。まだ気付いてないぞ。上手くタイミングを見計らって.......今だ!タロンポーはサッと鉤爪を出し、飛びかかった。
「すっごい!良かったね、タロンポー!」
ライトニングポーが笑顔をこちらに向ける。グハッ!可愛すぎる.......。ライトニングポーの事は会った時から好きだ。一目惚れもある。浮浪猫生まれの僕にも優しくしてくれるし、可愛すぎるぐらい可愛い。ただ、看護猫見習いのライトニングポーとの恋は諦めなければダメなんだ.......。
私は全神経を集中させ、興奮していた。ハタネズミを狙っているのだ。身を引くくし、鉤爪を出す。そして、いいタイミングで飛びかかった。
「やったわ!」
私は自分で仕留めた獲物を持ってお母さんの所へ向かい、フレイムポー、タロンポーと共に仲良く食事をしている光景を想像し、思わず笑みをこぼした。
「あら、2人ともどうしたの?」
サンドストームが首をかしげる。私も同じ意見だった。
「タロンポーが、なっ!」
グレーストライプがイタズラっぽく目を輝かせる。
「し、しーっ!言っちゃダメだってば!」
タロンポーは顔を赤くして小さい声で叫ぶ。
「ま、いっか。一緒に行きましょ」
ライトニングポーはウィンクした。タロンポーはぎこちなくうなずく。グレーストライプは笑いをこらえるのに必死だ。
「狩りを教えましょうか。2人とも、何が捕りたい?」
サンドストームの問いかけに私は元気よく答えた。
「ハタネズミ!」
ライトニングポーは舌なめずりをして見せる。
「僕は.......、ツグミかウサギ」
タロンポーが少し考えてから言った。タロンポー、いい舌持ってるね!だって美味しいもん!あ、全部美味しいか。
「よし、よし。それが捕れるように練習しないとな」
グレーストライプが優しく言った。
僕はそうっとツグミに忍び寄っていた。まだ気付いてないぞ。上手くタイミングを見計らって.......今だ!タロンポーはサッと鉤爪を出し、飛びかかった。
「すっごい!良かったね、タロンポー!」
ライトニングポーが笑顔をこちらに向ける。グハッ!可愛すぎる.......。ライトニングポーの事は会った時から好きだ。一目惚れもある。浮浪猫生まれの僕にも優しくしてくれるし、可愛すぎるぐらい可愛い。ただ、看護猫見習いのライトニングポーとの恋は諦めなければダメなんだ.......。
私は全神経を集中させ、興奮していた。ハタネズミを狙っているのだ。身を引くくし、鉤爪を出す。そして、いいタイミングで飛びかかった。
「やったわ!」
私は自分で仕留めた獲物を持ってお母さんの所へ向かい、フレイムポー、タロンポーと共に仲良く食事をしている光景を想像し、思わず笑みをこぼした。
シャイニングナイト- ライオン族
- 投稿数 : 1286
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
ライトニングポーは看護部屋で寝ていた。はずである。なのに、ここは知らない場所。地面には道があって、真っ直ぐ奥の方には澄んでキラキラ光る泉が見える。
「いらっしゃい、ライトニングポー」
その声とともに、星が集まり、それはそれは美しい黒っぽい雌の三毛猫が現れた。スター族の猫に違いない。
「こ、こんにちは。スター族様」
私は頭を下げる。ジェイフェザーの夢に現れるというイェローファングではないのは確かだ。
「私はね、イェローファングの前任の看護猫、スポッティドリーフよ。よろしくね」
スポッティドリーフは優しく微笑んだ。
「ス、スポッティドリーフ?!」
私は思わず大声を上げた。話に聞くスポッティドリーフはこの猫だったのか!思っていた猫の数倍は美しい猫だ。
「下をご覧なさい。これがあなたの進む道」
スポッティドリーフが下を向くよううながした。私は下を見る。見習として陽気にやっている自分が見える。周りにはお兄ちゃんもいるし、タロンポーもいる。
「前へどんどん進んでご覧なさい」
スポッティドリーフが歩き始める。進めば進むほど私は成長していった。命名式の日、私たち3匹全員で誇らしげにしている。そして、これ以上進めなくなった。泉があるからだ。
「泉を覗いてご覧なさい。あなたの未来が映るわ」
スポッティドリーフはどこか悲しそうに言う。私は泉を覗き込み、首をかしげた。
「何が見える?」
スポッティドリーフが絞り出すようにたずねた。
「泥にまみれた猫が見えます。前足は.......、前足は血で真っ赤に染まっていて、目は悲しみで血走っています」
私は見えた光景をそのままに伝えた。
「これが未来のあなたよ」
スポッティドリーフはうつむいた。
「そんなっ!嘘よ!私はこんな猫じゃないわ!どうして!」
私は恐怖で目を見開き、叫び、後ずさった。
「残念だけど、このままだとあなたはこうなってしまう。でも、未来は変える事が出来る。あなたが変える努力をすれば.......」
スポッティドリーフはそう言ったのを最後に消え、私が瞬きをすると、あっという間に違う場所に来ていた。真っ暗な何もない場所に浮いていたのだ。
「な、何これ!スポッティドリーフ!スター族様!お母さん!お兄ちゃん!タロンポー!ジェイフェザー!サンドストーム!ファイヤスター!一族のみんな!誰か助けて!」
独りぼっちで暗い場所に取り残された私は叫んだ。
「落ち着きな。お告げも聞けないのかい?」
老いていてしわがれ声だが、賢さと勇敢さがこもっているこの声の持ち主はイェローファングに違いない。
「よく見て、よく聞き、よく覚えなさい」
今度は賢さに溢れた声がする。きっとブルースターだ。暗い空間にサッと炎と雷、そして、蛇が現れた。蛇と炎が近寄った。初めは異常は無かったが、炎が徐々に薄れ、消えた。蛇は戸惑う。そして、雷は狂うように激しくなった。周りを巻き込み、破壊していく。そして、風と手を組み、部族を消し、太陽の光がない、闇の世界になった。
「炎と蛇が近寄りし時、炎が消え、雷が狂う。雷と風は部族を滅ぼす」
誰の声とも言えない、透き通るような、たくさんの猫が言うような声がそう告げた。これは、重要なお告げだ。
「いらっしゃい、ライトニングポー」
その声とともに、星が集まり、それはそれは美しい黒っぽい雌の三毛猫が現れた。スター族の猫に違いない。
「こ、こんにちは。スター族様」
私は頭を下げる。ジェイフェザーの夢に現れるというイェローファングではないのは確かだ。
「私はね、イェローファングの前任の看護猫、スポッティドリーフよ。よろしくね」
スポッティドリーフは優しく微笑んだ。
「ス、スポッティドリーフ?!」
私は思わず大声を上げた。話に聞くスポッティドリーフはこの猫だったのか!思っていた猫の数倍は美しい猫だ。
「下をご覧なさい。これがあなたの進む道」
スポッティドリーフが下を向くよううながした。私は下を見る。見習として陽気にやっている自分が見える。周りにはお兄ちゃんもいるし、タロンポーもいる。
「前へどんどん進んでご覧なさい」
スポッティドリーフが歩き始める。進めば進むほど私は成長していった。命名式の日、私たち3匹全員で誇らしげにしている。そして、これ以上進めなくなった。泉があるからだ。
「泉を覗いてご覧なさい。あなたの未来が映るわ」
スポッティドリーフはどこか悲しそうに言う。私は泉を覗き込み、首をかしげた。
「何が見える?」
スポッティドリーフが絞り出すようにたずねた。
「泥にまみれた猫が見えます。前足は.......、前足は血で真っ赤に染まっていて、目は悲しみで血走っています」
私は見えた光景をそのままに伝えた。
「これが未来のあなたよ」
スポッティドリーフはうつむいた。
「そんなっ!嘘よ!私はこんな猫じゃないわ!どうして!」
私は恐怖で目を見開き、叫び、後ずさった。
「残念だけど、このままだとあなたはこうなってしまう。でも、未来は変える事が出来る。あなたが変える努力をすれば.......」
スポッティドリーフはそう言ったのを最後に消え、私が瞬きをすると、あっという間に違う場所に来ていた。真っ暗な何もない場所に浮いていたのだ。
「な、何これ!スポッティドリーフ!スター族様!お母さん!お兄ちゃん!タロンポー!ジェイフェザー!サンドストーム!ファイヤスター!一族のみんな!誰か助けて!」
独りぼっちで暗い場所に取り残された私は叫んだ。
「落ち着きな。お告げも聞けないのかい?」
老いていてしわがれ声だが、賢さと勇敢さがこもっているこの声の持ち主はイェローファングに違いない。
「よく見て、よく聞き、よく覚えなさい」
今度は賢さに溢れた声がする。きっとブルースターだ。暗い空間にサッと炎と雷、そして、蛇が現れた。蛇と炎が近寄った。初めは異常は無かったが、炎が徐々に薄れ、消えた。蛇は戸惑う。そして、雷は狂うように激しくなった。周りを巻き込み、破壊していく。そして、風と手を組み、部族を消し、太陽の光がない、闇の世界になった。
「炎と蛇が近寄りし時、炎が消え、雷が狂う。雷と風は部族を滅ぼす」
誰の声とも言えない、透き通るような、たくさんの猫が言うような声がそう告げた。これは、重要なお告げだ。
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
「大集会に行っていいって!」
月が出始めた夜、僕がキャンプに帰ると、妹が騒がしく言った。タロンポーも興奮したようにうなずいた。
「本当?!」
僕は嬉しさのあまり、しっぽをピンと立てた。そういえば今日は満月だった!
「大集会に行く者は集まれ!」
ファイヤスターの収集がかかる。僕達はすぐに駆け寄った。大集会に行くメンバーは湖に向かった。
「俺たちが3番目だ。ウィンド族がまだだな」
ファイヤスターが木を伝って島へ向かう。どんどんみんなが行き、ついに最後━━僕の番━━になった。僕は爪を立て、慎重に歩く。無事に渡れたので、僕はホッとした。
「よくやったぞ。後は自由にしろ」
ダストペルトが僕を褒めた。僕がそのまま橋の前にいると、ウィンド族が現れた。僕は場所をどく。最後に若い雌の見習いがビクビクしながら橋にのった。あ、危ない!僕はそう思った。その子はグラりと傾き、必死に捕まっている状態で、今にも落っこちそうだ。僕の場合はダストペルトが見守ってくれていたが、この子は誰も助けてくれない。僕が助けなきゃ。余計なお世話かもしれないけど、放っておけない。僕はサッと飛び、その子の前足をくわえ、引き上げた。
「君、大丈夫?」
僕は下を向いている見習い猫に声をかけた。
「大丈夫よ。助けてくれてありがとう!」
雌猫はサッと顔を上げると満面の笑みで微笑んだ。可愛い.......。僕はそう思った。これが一目惚れと言うのか.......。
「僕はサンダー族の見習い、フレイムポー」
僕は礼儀正しく会釈した。
「私はウィンド族の見習い、スネークポー」
スネークポーも優しく会釈を返す。
「君、一人かい?」
フレイムポーはたずねた。
「.......うん。毎日独りぼっち」
スネークポーは急に悲しそうに静かに答えた。
「ごめん。悪いこと聞いちゃった?」
フレイムポーは不安になって聞く。
「ううん。気にしないで」
スネークポーは涙を拭き、無理に笑った。
「おいでよ。悩み事は1人で抱え込むよりは誰かに吐き出してスッキリした方がいい」
フレイムポーは招くようにしっぽを振った。大集会の島の奥の方に向かった。そして、座った。
「あのね、私はウィンド族で見習いになったばかりなのに戦士猫と互角に張り合えるぐらい優秀なの。それで族長のお気に入りになって、みんなに恨まれたの。差別はされるし、いじめられるしでもう嫌。友達すらいないの」
スネークポーはまた涙を浮べる。
「友達ならいるじゃないか」
フレイムポーの口が勝手に動いた。
「僕は君の友達だよ」
フレイムポーはスネークポーの頭を撫でた。スネークポーは瞳から涙をポロポロとこぼした。そして、フレイムポーの胸に顔をうずめ、泣いて、泣いて、泣きまくった。
「大丈夫、君は1人なんかじゃない」
僕はそのまま抱きしめてあげた。スネークポーからヒースのいい香りがする。このまま時が止まればいいのに。
「いきなりで悪いけど、言ってもいい?」
スネークポーが不意に顔を上げ、決心したように言う。
「いいよ」
僕はわけも分からず返事をした。
「フレイムポーに友達って言ってもらってすごく嬉しかった。私、あなたが好きになっちゃった」
スネークポーがささやくように言った。
「僕も君が好きだよ」
僕はスネークポーと目を合わせる。スネークポーがパッと顔を輝かせる。ああ、今までの人生の中で1番幸せだ。
「大集会を始めるぞ!」
ファイヤスターの大声が響く。僕たちは毛が擦れ合うほど近い距離で歩いていた。
「明日、境界線で会って.......、くれる?」
スネークポーが期待に満ちた声で言う。
「もちろんだよ。だって君を愛してる」
フレイムポーはスネークポーと鼻を触れ合わせた。
月が出始めた夜、僕がキャンプに帰ると、妹が騒がしく言った。タロンポーも興奮したようにうなずいた。
「本当?!」
僕は嬉しさのあまり、しっぽをピンと立てた。そういえば今日は満月だった!
「大集会に行く者は集まれ!」
ファイヤスターの収集がかかる。僕達はすぐに駆け寄った。大集会に行くメンバーは湖に向かった。
「俺たちが3番目だ。ウィンド族がまだだな」
ファイヤスターが木を伝って島へ向かう。どんどんみんなが行き、ついに最後━━僕の番━━になった。僕は爪を立て、慎重に歩く。無事に渡れたので、僕はホッとした。
「よくやったぞ。後は自由にしろ」
ダストペルトが僕を褒めた。僕がそのまま橋の前にいると、ウィンド族が現れた。僕は場所をどく。最後に若い雌の見習いがビクビクしながら橋にのった。あ、危ない!僕はそう思った。その子はグラりと傾き、必死に捕まっている状態で、今にも落っこちそうだ。僕の場合はダストペルトが見守ってくれていたが、この子は誰も助けてくれない。僕が助けなきゃ。余計なお世話かもしれないけど、放っておけない。僕はサッと飛び、その子の前足をくわえ、引き上げた。
「君、大丈夫?」
僕は下を向いている見習い猫に声をかけた。
「大丈夫よ。助けてくれてありがとう!」
雌猫はサッと顔を上げると満面の笑みで微笑んだ。可愛い.......。僕はそう思った。これが一目惚れと言うのか.......。
「僕はサンダー族の見習い、フレイムポー」
僕は礼儀正しく会釈した。
「私はウィンド族の見習い、スネークポー」
スネークポーも優しく会釈を返す。
「君、一人かい?」
フレイムポーはたずねた。
「.......うん。毎日独りぼっち」
スネークポーは急に悲しそうに静かに答えた。
「ごめん。悪いこと聞いちゃった?」
フレイムポーは不安になって聞く。
「ううん。気にしないで」
スネークポーは涙を拭き、無理に笑った。
「おいでよ。悩み事は1人で抱え込むよりは誰かに吐き出してスッキリした方がいい」
フレイムポーは招くようにしっぽを振った。大集会の島の奥の方に向かった。そして、座った。
「あのね、私はウィンド族で見習いになったばかりなのに戦士猫と互角に張り合えるぐらい優秀なの。それで族長のお気に入りになって、みんなに恨まれたの。差別はされるし、いじめられるしでもう嫌。友達すらいないの」
スネークポーはまた涙を浮べる。
「友達ならいるじゃないか」
フレイムポーの口が勝手に動いた。
「僕は君の友達だよ」
フレイムポーはスネークポーの頭を撫でた。スネークポーは瞳から涙をポロポロとこぼした。そして、フレイムポーの胸に顔をうずめ、泣いて、泣いて、泣きまくった。
「大丈夫、君は1人なんかじゃない」
僕はそのまま抱きしめてあげた。スネークポーからヒースのいい香りがする。このまま時が止まればいいのに。
「いきなりで悪いけど、言ってもいい?」
スネークポーが不意に顔を上げ、決心したように言う。
「いいよ」
僕はわけも分からず返事をした。
「フレイムポーに友達って言ってもらってすごく嬉しかった。私、あなたが好きになっちゃった」
スネークポーがささやくように言った。
「僕も君が好きだよ」
僕はスネークポーと目を合わせる。スネークポーがパッと顔を輝かせる。ああ、今までの人生の中で1番幸せだ。
「大集会を始めるぞ!」
ファイヤスターの大声が響く。僕たちは毛が擦れ合うほど近い距離で歩いていた。
「明日、境界線で会って.......、くれる?」
スネークポーが期待に満ちた声で言う。
「もちろんだよ。だって君を愛してる」
フレイムポーはスネークポーと鼻を触れ合わせた。
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
ライトニングポーは飛び起きた。また、あの夢だ。
「また?」
ジェイフェザーが迷惑そうに起き上がる。
「はい。『炎と蛇が近寄りし時、炎が消え、雷が狂う。雷と風は部族を滅ぼす』という言葉が頭に繰り返し聞こえてきました」ライトニングポーはうつむく。お告げのせいでちっとも眠れない。ジェイフェザーも眠れていないので不機嫌だ。
「炎と雷はフレイムポーとライトニングポーの事じゃないのか?蛇と風は知らない」
ジェイフェザーが少し考えてから言った。
「"蛇"をフレイムポーに近づけなければいいのよね?そうすれば私が狂うことも無い」
ライトニングポーはうなずく。
「ただ、そう簡単にはいかない。普通なら運命はスター族に決められているからな」
ジェイフェザーは肩をすくめる。
「でもやります!私、部族を滅ぼしたくありません」
ライトニングポーは必死に訴える。
「知らないぞ。どうなっても」
ジェイフェザーのそう言いながらも優しさが浮かんだ目でこちらを見た。ライトニングポーはうなずいた。
「じゃ、サンドストームの所に行ってきます!」
私は元気良く訓練に出かけた。兄と共に訓練だったが、兄は全然集中出来ていないようだった。
「フレイムポー!ウィンド族の縄張りに何かいるのか?ウィンド族がこっちに攻めてきてるとでも言うのか?」
ウィンド族の縄張りの奥をぼーっと見ているフレイムポーにしびれを切らしたダストペルトが怒鳴った。
「すみません、何ともないです」
フレイムポーは謝り、その後は真面目に訓練をした。怪しい、ライトニングポーはそう悟った。
「また?」
ジェイフェザーが迷惑そうに起き上がる。
「はい。『炎と蛇が近寄りし時、炎が消え、雷が狂う。雷と風は部族を滅ぼす』という言葉が頭に繰り返し聞こえてきました」ライトニングポーはうつむく。お告げのせいでちっとも眠れない。ジェイフェザーも眠れていないので不機嫌だ。
「炎と雷はフレイムポーとライトニングポーの事じゃないのか?蛇と風は知らない」
ジェイフェザーが少し考えてから言った。
「"蛇"をフレイムポーに近づけなければいいのよね?そうすれば私が狂うことも無い」
ライトニングポーはうなずく。
「ただ、そう簡単にはいかない。普通なら運命はスター族に決められているからな」
ジェイフェザーは肩をすくめる。
「でもやります!私、部族を滅ぼしたくありません」
ライトニングポーは必死に訴える。
「知らないぞ。どうなっても」
ジェイフェザーのそう言いながらも優しさが浮かんだ目でこちらを見た。ライトニングポーはうなずいた。
「じゃ、サンドストームの所に行ってきます!」
私は元気良く訓練に出かけた。兄と共に訓練だったが、兄は全然集中出来ていないようだった。
「フレイムポー!ウィンド族の縄張りに何かいるのか?ウィンド族がこっちに攻めてきてるとでも言うのか?」
ウィンド族の縄張りの奥をぼーっと見ているフレイムポーにしびれを切らしたダストペルトが怒鳴った。
「すみません、何ともないです」
フレイムポーは謝り、その後は真面目に訓練をした。怪しい、ライトニングポーはそう悟った。
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
まずい、まずい。昼はバレるかと思った。訓練には集中しなきゃダメだね。フレイムポーは足取りも軽く、ウィンド族との境界線へ向かっていた。
「スネークポー?」
フレイムポーは小声で呼びかける。すると、横の茂みからパッとスネークポーが飛び出してきて、軽く押さえつけた。
「私の勝ち!」
スネークポーはイタズラっぽく目を輝かせると、フレイムポーの上から降りた。
「不意打ちなんてずるいぞ!」
僕はそう言って飛びかかり、2匹でゴロゴロとウィンド族の縄張りの坂を転がる。
「な、何してるの?」
不意に遠くの方から声が聞こえ、白猫が現れた。
「お姉ちゃん!」
スネークポーが驚きに満ちた声を上げる。フレイムポーは戸惑い、辺りをキョロキョロした。どうしよう。
「あなたは誰?もしかして、私の妹を口説いてるの?それなら許さないわよ」
白い毛皮に銀色の縞柄模様の雌猫は身を低くする。
「僕はフレイムポー。君こそ誰だよ」
フレイムポーも思わず毛を逆立てる。
「私はスラッシュポー」
スラッシュポーは挑戦的な目つきで睨む。
「お姉ちゃん、やめて。私たち、愛し合ってるだけなの。私から言ったのよ。だからフレイムポーは悪くない」
スネークポーがサッと飛び出して二匹の間に入る。
「あっそう。じゃ、好きにすればいいわ」
スラッシュポーはそのままサンダー族の縄張りへ向かって行く。
「おい、どこ行くんだよ!」
フレイムポーは怒鳴った。
「湖を1周散歩。眠れない時はそうするの。ちゃんと湖の周りを通ってるからいいでしょ?」
スラッシュポーは振り返って睨む。そして、スラッシュポーがいなくなると、スネークポーが口を開いた。
「.......お姉ちゃんもだよ」
スネークポーが小さくつぶやく。
「え?」
フレイムポーは聞き返す。
「お姉ちゃんもシャドウ族のレインポーと大集会で仲良くしてたよ。境界線で会ったりはしてないけど」
スネークポーが姉が去って行った方向を睨む。フレイムポーは考えた。僕たちが仲良くして、スラッシュポーとレインポーが仲良くすれば、サンダー族とウィンド族の子、ウィンド族とシャドウ族の子が産まれる。問題になったりしないだろうか?
「スネークポー?」
フレイムポーは小声で呼びかける。すると、横の茂みからパッとスネークポーが飛び出してきて、軽く押さえつけた。
「私の勝ち!」
スネークポーはイタズラっぽく目を輝かせると、フレイムポーの上から降りた。
「不意打ちなんてずるいぞ!」
僕はそう言って飛びかかり、2匹でゴロゴロとウィンド族の縄張りの坂を転がる。
「な、何してるの?」
不意に遠くの方から声が聞こえ、白猫が現れた。
「お姉ちゃん!」
スネークポーが驚きに満ちた声を上げる。フレイムポーは戸惑い、辺りをキョロキョロした。どうしよう。
「あなたは誰?もしかして、私の妹を口説いてるの?それなら許さないわよ」
白い毛皮に銀色の縞柄模様の雌猫は身を低くする。
「僕はフレイムポー。君こそ誰だよ」
フレイムポーも思わず毛を逆立てる。
「私はスラッシュポー」
スラッシュポーは挑戦的な目つきで睨む。
「お姉ちゃん、やめて。私たち、愛し合ってるだけなの。私から言ったのよ。だからフレイムポーは悪くない」
スネークポーがサッと飛び出して二匹の間に入る。
「あっそう。じゃ、好きにすればいいわ」
スラッシュポーはそのままサンダー族の縄張りへ向かって行く。
「おい、どこ行くんだよ!」
フレイムポーは怒鳴った。
「湖を1周散歩。眠れない時はそうするの。ちゃんと湖の周りを通ってるからいいでしょ?」
スラッシュポーは振り返って睨む。そして、スラッシュポーがいなくなると、スネークポーが口を開いた。
「.......お姉ちゃんもだよ」
スネークポーが小さくつぶやく。
「え?」
フレイムポーは聞き返す。
「お姉ちゃんもシャドウ族のレインポーと大集会で仲良くしてたよ。境界線で会ったりはしてないけど」
スネークポーが姉が去って行った方向を睨む。フレイムポーは考えた。僕たちが仲良くして、スラッシュポーとレインポーが仲良くすれば、サンダー族とウィンド族の子、ウィンド族とシャドウ族の子が産まれる。問題になったりしないだろうか?
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
☆追加の登場猫紹介☆
見習い スネークポー(蛇の足)♀
ウィンド族。淡い灰色の縞柄の雌猫。目は黄色。小柄でほっそりしている。優秀で、族長のお気に入りだが、そのせいでいじめられている。努力をおこたらない。なんでも一生懸命。友達がいない。
見習い スラッシュポー(雪解けの足)♀
ウィンド族。白い毛皮に銀色の縞柄の雌猫。目は青色。小柄ですばしっこい。美猫でそこそこ優秀。シャドウ族のレインポーの事が好きだが、他部族恋愛なので諦めている。スネークポーの姉。
見習い レインポー(雨の足)♂
シャドウ族。黒っぽい灰色の雄猫。目は淡い青色。いつも不機嫌だが、賢いので頼りにされる。スラッシュポーの事が好きなので優しくする。他部族恋愛だから諦めようと思っているが、諦めきれていない。
見習い スネークポー(蛇の足)♀
ウィンド族。淡い灰色の縞柄の雌猫。目は黄色。小柄でほっそりしている。優秀で、族長のお気に入りだが、そのせいでいじめられている。努力をおこたらない。なんでも一生懸命。友達がいない。
見習い スラッシュポー(雪解けの足)♀
ウィンド族。白い毛皮に銀色の縞柄の雌猫。目は青色。小柄ですばしっこい。美猫でそこそこ優秀。シャドウ族のレインポーの事が好きだが、他部族恋愛なので諦めている。スネークポーの姉。
見習い レインポー(雨の足)♂
シャドウ族。黒っぽい灰色の雄猫。目は淡い青色。いつも不機嫌だが、賢いので頼りにされる。スラッシュポーの事が好きなので優しくする。他部族恋愛だから諦めようと思っているが、諦めきれていない。
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
「ライトニングポー、ライトニングポー」
頭に声が響く、聞き覚えのあるこの声は紛れもなくスポッティドリーフの声だ。
「他部族恋愛は絶対にダメよ。悲しみと問題しか起きない。阻止しなくてはダメなの。戦士の掟に忠実に」
スポッティドリーフはそう告げ、消えた。
「ジェイフェザー!」
ライトニングポーは夢から覚め、飛び起きた。
「なんだよ」
ジェイフェザーはイライラと起き上がる。
「新しい事を言われました。他部族恋愛を阻止しなさいって」
ライトニングポーは伝えた。
「じゃあ、一族の中の誰かが他部族恋愛をしていると?」
ジェイフェザーは不機嫌そうに聞き返した。
「そうだと思います」
ライトニングポーはうなずく。
「なら、お前が探せ。スター族様がわざわざお前に告げたのには意味があるはずだ」
ジェイフェザーはそう言い、再び体を丸めた。まずは夜中に誰かが抜け出していないかチェックね!
フレイムポーは懲りずにスネークポーに会いに行っていた。
「スネークポー?」
フレイムポーは優しく声をかけた。
「もう、遅いわよ!」
スネークポーはからかうように言う。ガサガサと足音がした。草むらが動き、白い雌猫がまた現れた。
「まだ、やってるの?」
スラッシュポーは妹に食ってかかる。
「愛し合ってるんだってば!」
スネークポーも言い返す。
「私だって泣く泣く諦めているのよ!」
スラッシュポーの目には怒りと悲しみが浮かんでいる。
「愛し合ってるだけだ。まずいことにはならない」
フレイムポーは口を挟む。すると、思いもよらない人物が茂みから出てきて、3匹は固まった。
「お兄ちゃん?!何してるの?」
ライトニングポーはこちらに駆け寄ってくる。さらに思いもよらない人物が現れる。
「いったいどうなってるんだ?」
不機嫌そうに言ったのはレインポーだ。
「レインポー?!」
スラッシュポーは慌てる。
「君が、中々来ないから心配して.......」
レインポーは恥ずかしそうに前足を動かす。
「ウィンド族の境界線じゃなくてシャドウ族の境界線で会っていたのね?!騙したわね!うそつき!」
スネークポーが金切り声をあげる。
「どうでもいいから他部族恋愛はやめて!他部族恋愛は悲しみと問題しか起こさないの!」
ライトニングポーが全員の耳をつんざくような叫び声をあげた。4匹が驚いて目を見開く。
「私は諦めているわ。ただ、お互い夜に散歩する日課が会って、出会ったからおしゃべりしてるだけよ」
スラッシュポーが辛そうに言い、レインポーが悲しそうにうつむく。ライトニングポーは怪しみの目を向けた。
「僕らは愛し合ってるんだ。やめられない。例え、スター族に見放されても。スネークポーを愛してるから」
フレイムポーはそう言い、スネークポーとしっぽを絡めあった。ライトニングポーの目にサッと焦りが横切る。
「スネークポー?!蛇の足?!お兄ちゃん、やめて!スネークポーと会うのは直ちにやめて!」
ライトニングポーが激しく言う。いきなりどうしたって言うんだよ!やめないんだ!
「やめない!絶対にだ!」
フレイムポーは怒鳴る。
「じゃあ、もう口聞いてあげない!」
ライトニングポーが言う。フレイムポーは一瞬悲しみで胸がズキリと傷んだが、気にせず言い返した。
「僕たちを認めない奴は全員嫌いだ!」
フレイムポーはそう叫び、サンダー族の縄張りに飛び込んだ。ライトニングポーの目に悲しみがよぎったが、フレイムポーはチラリとも振り返らなかった。
頭に声が響く、聞き覚えのあるこの声は紛れもなくスポッティドリーフの声だ。
「他部族恋愛は絶対にダメよ。悲しみと問題しか起きない。阻止しなくてはダメなの。戦士の掟に忠実に」
スポッティドリーフはそう告げ、消えた。
「ジェイフェザー!」
ライトニングポーは夢から覚め、飛び起きた。
「なんだよ」
ジェイフェザーはイライラと起き上がる。
「新しい事を言われました。他部族恋愛を阻止しなさいって」
ライトニングポーは伝えた。
「じゃあ、一族の中の誰かが他部族恋愛をしていると?」
ジェイフェザーは不機嫌そうに聞き返した。
「そうだと思います」
ライトニングポーはうなずく。
「なら、お前が探せ。スター族様がわざわざお前に告げたのには意味があるはずだ」
ジェイフェザーはそう言い、再び体を丸めた。まずは夜中に誰かが抜け出していないかチェックね!
フレイムポーは懲りずにスネークポーに会いに行っていた。
「スネークポー?」
フレイムポーは優しく声をかけた。
「もう、遅いわよ!」
スネークポーはからかうように言う。ガサガサと足音がした。草むらが動き、白い雌猫がまた現れた。
「まだ、やってるの?」
スラッシュポーは妹に食ってかかる。
「愛し合ってるんだってば!」
スネークポーも言い返す。
「私だって泣く泣く諦めているのよ!」
スラッシュポーの目には怒りと悲しみが浮かんでいる。
「愛し合ってるだけだ。まずいことにはならない」
フレイムポーは口を挟む。すると、思いもよらない人物が茂みから出てきて、3匹は固まった。
「お兄ちゃん?!何してるの?」
ライトニングポーはこちらに駆け寄ってくる。さらに思いもよらない人物が現れる。
「いったいどうなってるんだ?」
不機嫌そうに言ったのはレインポーだ。
「レインポー?!」
スラッシュポーは慌てる。
「君が、中々来ないから心配して.......」
レインポーは恥ずかしそうに前足を動かす。
「ウィンド族の境界線じゃなくてシャドウ族の境界線で会っていたのね?!騙したわね!うそつき!」
スネークポーが金切り声をあげる。
「どうでもいいから他部族恋愛はやめて!他部族恋愛は悲しみと問題しか起こさないの!」
ライトニングポーが全員の耳をつんざくような叫び声をあげた。4匹が驚いて目を見開く。
「私は諦めているわ。ただ、お互い夜に散歩する日課が会って、出会ったからおしゃべりしてるだけよ」
スラッシュポーが辛そうに言い、レインポーが悲しそうにうつむく。ライトニングポーは怪しみの目を向けた。
「僕らは愛し合ってるんだ。やめられない。例え、スター族に見放されても。スネークポーを愛してるから」
フレイムポーはそう言い、スネークポーとしっぽを絡めあった。ライトニングポーの目にサッと焦りが横切る。
「スネークポー?!蛇の足?!お兄ちゃん、やめて!スネークポーと会うのは直ちにやめて!」
ライトニングポーが激しく言う。いきなりどうしたって言うんだよ!やめないんだ!
「やめない!絶対にだ!」
フレイムポーは怒鳴る。
「じゃあ、もう口聞いてあげない!」
ライトニングポーが言う。フレイムポーは一瞬悲しみで胸がズキリと傷んだが、気にせず言い返した。
「僕たちを認めない奴は全員嫌いだ!」
フレイムポーはそう叫び、サンダー族の縄張りに飛び込んだ。ライトニングポーの目に悲しみがよぎったが、フレイムポーはチラリとも振り返らなかった。
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
ライトニングポーはふてくされて寝ていた。寝ているといっても寝転んでいるだけで起きている。
「仕事をしろ」
ジェイフェザーがイライラと言う。
「そんな気分じゃない」
ライトニングポーは寝転んだまま言う。ライトニングポーは看護部屋の奥の急遽作った寝床で寝ている。誰とも会いたくないのだ。あの夜から3日間、寝てばかりで一切仕事をせず、誰とも会わず、1度も太陽の光を浴びずに。食事はジェイフェザーの獲物を1口もらうぐらいしか食べない。そんな生活を続けていたので毛並みもボサボサで体調も優れない。
「.......すみ.......ん。ライ.......グポーに.......獲物.......来ました」
誰かの声が聞こえる。しっかりとは聞いていないので途切れ途切れにしか聞こえない。
「入れ」
ジェイフェザーの声がする。私はもっと奥に隠れ、体をうんと丸めた。誰にも会いたくない。
「僕だよ、タロンポー。ライトニングポー、大丈夫?ずっと姿を見せないから心配したよ」
タロンポーが気遣うようにライトニングポーの耳を舐めた。そしてハタネズミを差し出した。
「食欲もない。誰にも会いたくない」
ライトニングポーは静かに答えた。
「顔を上げてくれよ。君の顔を1目見に来たんだ。元気出せよ。看護猫がそんなんじゃいけないだろ?」
タロンポーが優しく声をかける。ジェイフェザーは気を利かせて出ていったらしい。看護部屋には私たちしかいない。
「.......見たら帰ってね」
私はそっと顔を上げた。私は自分でも分かっていた。今の自分はボサボサで可愛げなんてないって。でも。
「顔色が悪いけど、どうしたの?僕でよければ、相談に乗るよ。後、君は可愛いんだからちゃんと毛づくろいをしないと」
タロンポーはライトニングポーの毛を舐め始めた。私は一定のリズムで舐められ、気持ちよくなり、気分が落ち着いてきた。
「あのね、秘密なんだけど.......」
ライトニングポーは思い切って打ち明けた。タロンポーは信用出来る。直感がそう言っていた。
「そっか。君も苦労したね。君のしてる事は正しいけど、愛の力ってすごいんだ。すぐに諦められるのは愛じゃない。いつか分かってくれるさ。僕が手伝うよ」
タロンポーがライトニングポーの毛づくろいを終え、優しく言った。ライトニングポーの毛はすっかりフワフワに戻り、前のように可愛くなった。
「さ、訓練に行こう。遅れを取り戻さないと」
タロンポーを先頭にライトニングポーは指導者たちの元へ向かった。ライトニングポーはこの一件からタロンポーを心の底から信用するようになった。それが特別な思いになりかけている事はライトニングポーには気づかなかった。
「仕事をしろ」
ジェイフェザーがイライラと言う。
「そんな気分じゃない」
ライトニングポーは寝転んだまま言う。ライトニングポーは看護部屋の奥の急遽作った寝床で寝ている。誰とも会いたくないのだ。あの夜から3日間、寝てばかりで一切仕事をせず、誰とも会わず、1度も太陽の光を浴びずに。食事はジェイフェザーの獲物を1口もらうぐらいしか食べない。そんな生活を続けていたので毛並みもボサボサで体調も優れない。
「.......すみ.......ん。ライ.......グポーに.......獲物.......来ました」
誰かの声が聞こえる。しっかりとは聞いていないので途切れ途切れにしか聞こえない。
「入れ」
ジェイフェザーの声がする。私はもっと奥に隠れ、体をうんと丸めた。誰にも会いたくない。
「僕だよ、タロンポー。ライトニングポー、大丈夫?ずっと姿を見せないから心配したよ」
タロンポーが気遣うようにライトニングポーの耳を舐めた。そしてハタネズミを差し出した。
「食欲もない。誰にも会いたくない」
ライトニングポーは静かに答えた。
「顔を上げてくれよ。君の顔を1目見に来たんだ。元気出せよ。看護猫がそんなんじゃいけないだろ?」
タロンポーが優しく声をかける。ジェイフェザーは気を利かせて出ていったらしい。看護部屋には私たちしかいない。
「.......見たら帰ってね」
私はそっと顔を上げた。私は自分でも分かっていた。今の自分はボサボサで可愛げなんてないって。でも。
「顔色が悪いけど、どうしたの?僕でよければ、相談に乗るよ。後、君は可愛いんだからちゃんと毛づくろいをしないと」
タロンポーはライトニングポーの毛を舐め始めた。私は一定のリズムで舐められ、気持ちよくなり、気分が落ち着いてきた。
「あのね、秘密なんだけど.......」
ライトニングポーは思い切って打ち明けた。タロンポーは信用出来る。直感がそう言っていた。
「そっか。君も苦労したね。君のしてる事は正しいけど、愛の力ってすごいんだ。すぐに諦められるのは愛じゃない。いつか分かってくれるさ。僕が手伝うよ」
タロンポーがライトニングポーの毛づくろいを終え、優しく言った。ライトニングポーの毛はすっかりフワフワに戻り、前のように可愛くなった。
「さ、訓練に行こう。遅れを取り戻さないと」
タロンポーを先頭にライトニングポーは指導者たちの元へ向かった。ライトニングポーはこの一件からタロンポーを心の底から信用するようになった。それが特別な思いになりかけている事はライトニングポーには気づかなかった。
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
今日は大集会。私はなんとか遅れを取り戻し、大集会に連れて行ってもらえる事になった。
「やったあ!」
ライトニングポーは飛び跳ねた。この間は看護猫見習いとして大集会に行き、今日は戦士猫見習いとして大集会に行く。
「落ち着きなさい」
サンドストームは厳しく言うが、目は優しさで輝いていた。
「行きましょ!」
ライトニングポーは列の後ろの方に並び、ルンルン気分で歩いた。横にタロンポーが来る。
「やぁ。今日は君と大集会を楽しめるね」
タロンポーは少し照れたように言う。ライトニングポーはこくんとうなずいた。倒木の橋が見えてきた。私は慎重に足を動かし、橋を渡り終えた。タロンポーも無事に渡ってきた。
「行きましょう」
ライトニングポーはウィンクし、見習い達がいる方向へ向かって行った。すると、スラッシュポーが茂みの中に入って行ったのが見えた。なぜ、隠れる必要があるの?
「タロンポー、ちょっとごめんね」
ライトニングポーは謝ると、こっそりと茂みに近づいた。
「レインポー!」
スラッシュポーが入った茂みにはレインポーが先にいた。スラッシュポーとレインポーはしっぽを絡め合う。諦めきれてないじゃない!ライトニングポーは怒鳴りそうになった。
「なぁ、駆け落ちの話、考えてくれたかい?」
レインポーから出てきた衝撃の言葉に、私は思わず耳を疑った。駆け落ちするですって?!
「まだ決心がつかないの」
スラッシュポーの方は迷っているようだ。
「さすがにずっと隠れていたら怪しまれるわ。また、終わりの直前に会いましょ」
スラッシュポーはそう言うと茂みを飛び出して行った。
「サンダー族見習い、そこにいるんだろ?」
勘が鋭いらしく、レインポーは私の事を呼んだ。
「なあに?」
ライトニングポーは大人しく出ていった。すると、いきなり押さえつけられ、戸惑った。
「聞いていたんだろ。今すぐ殺したいぐらいだが、やめておいてやる。俺たちの事は誰にも言うな。もし言ったら、分かっているな?」
レインポーは荒々しく言い、爪を出した。
「分かったからどいて!」
ライトニングポーは転がって離れた。そして、2匹の雌猫の盛大な怒鳴り声に私たちは我に返り、茂みを飛び出した。
「やったあ!」
ライトニングポーは飛び跳ねた。この間は看護猫見習いとして大集会に行き、今日は戦士猫見習いとして大集会に行く。
「落ち着きなさい」
サンドストームは厳しく言うが、目は優しさで輝いていた。
「行きましょ!」
ライトニングポーは列の後ろの方に並び、ルンルン気分で歩いた。横にタロンポーが来る。
「やぁ。今日は君と大集会を楽しめるね」
タロンポーは少し照れたように言う。ライトニングポーはこくんとうなずいた。倒木の橋が見えてきた。私は慎重に足を動かし、橋を渡り終えた。タロンポーも無事に渡ってきた。
「行きましょう」
ライトニングポーはウィンクし、見習い達がいる方向へ向かって行った。すると、スラッシュポーが茂みの中に入って行ったのが見えた。なぜ、隠れる必要があるの?
「タロンポー、ちょっとごめんね」
ライトニングポーは謝ると、こっそりと茂みに近づいた。
「レインポー!」
スラッシュポーが入った茂みにはレインポーが先にいた。スラッシュポーとレインポーはしっぽを絡め合う。諦めきれてないじゃない!ライトニングポーは怒鳴りそうになった。
「なぁ、駆け落ちの話、考えてくれたかい?」
レインポーから出てきた衝撃の言葉に、私は思わず耳を疑った。駆け落ちするですって?!
「まだ決心がつかないの」
スラッシュポーの方は迷っているようだ。
「さすがにずっと隠れていたら怪しまれるわ。また、終わりの直前に会いましょ」
スラッシュポーはそう言うと茂みを飛び出して行った。
「サンダー族見習い、そこにいるんだろ?」
勘が鋭いらしく、レインポーは私の事を呼んだ。
「なあに?」
ライトニングポーは大人しく出ていった。すると、いきなり押さえつけられ、戸惑った。
「聞いていたんだろ。今すぐ殺したいぐらいだが、やめておいてやる。俺たちの事は誰にも言うな。もし言ったら、分かっているな?」
レインポーは荒々しく言い、爪を出した。
「分かったからどいて!」
ライトニングポーは転がって離れた。そして、2匹の雌猫の盛大な怒鳴り声に私たちは我に返り、茂みを飛び出した。
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
「お姉ちゃんだって諦めきれてないんじゃない?!」
スネークポーの金切り声が響く。
「私は諦めてるわよ!あんたが悪いんだってば!」
スラッシュポーか耳が壊れるような叫び声をあげる。一族全員の注目が、激しい姉妹喧嘩に集まる。
「なら会ってるのは何?!」
スネークポーが怒鳴る。
「だらか!散歩途中に会うだけ!大集会だったら変でもなんでもないんだからいいでしょ!」
スラッシュポーが地面を掻きむしる。
「何をしているんだ!静かにしろ!ウィンド族に恥をかかせたいのか?!」
ワンスターが思わず飛び出し、怒鳴る。そのあまりの剣幕に二匹の姉妹はピタリと黙る。
「もういい!私には、ここにいる意味はない!出ていくわ!レインポーと一緒に!」
スラッシュポーはそう言い、私の隣にいたレインポーと共に飛び出して行った。私たちは呆然とする。
「今の出来事について知っている者はいるのか?」
ブラックスターのイラついた声が沈黙を破った。
「私とスネークポーが少しなら知っています」
ライトニングポーは少しビクビクしながら前に進み出た。
「なら、話せ」
ブラックスターは耳をぴくりと動かし、グレートツリーに登るようにうながした。私はゆっくり登った。かなり高く、みんなを見下ろす事が出来る。
「えっと.......」
私は緊張しながら口を開いた。
スネークポーの金切り声が響く。
「私は諦めてるわよ!あんたが悪いんだってば!」
スラッシュポーか耳が壊れるような叫び声をあげる。一族全員の注目が、激しい姉妹喧嘩に集まる。
「なら会ってるのは何?!」
スネークポーが怒鳴る。
「だらか!散歩途中に会うだけ!大集会だったら変でもなんでもないんだからいいでしょ!」
スラッシュポーが地面を掻きむしる。
「何をしているんだ!静かにしろ!ウィンド族に恥をかかせたいのか?!」
ワンスターが思わず飛び出し、怒鳴る。そのあまりの剣幕に二匹の姉妹はピタリと黙る。
「もういい!私には、ここにいる意味はない!出ていくわ!レインポーと一緒に!」
スラッシュポーはそう言い、私の隣にいたレインポーと共に飛び出して行った。私たちは呆然とする。
「今の出来事について知っている者はいるのか?」
ブラックスターのイラついた声が沈黙を破った。
「私とスネークポーが少しなら知っています」
ライトニングポーは少しビクビクしながら前に進み出た。
「なら、話せ」
ブラックスターは耳をぴくりと動かし、グレートツリーに登るようにうながした。私はゆっくり登った。かなり高く、みんなを見下ろす事が出来る。
「えっと.......」
私は緊張しながら口を開いた。
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
「私の元にスター族が現れて言いました。他部族恋愛を止めなさい、と。なので私は調べました」
ライトニングポーは堂々と言った。このままでは兄の秘密もばらす事になる。だが、仕方ない。
「すると、スネークポーとフレイムポーがいて、スラッシュポーと争っていました。その後レインポーが来ました」
私がしっかりと聞き取りやすい声で言うと、全員の注目がスネークポーとフレイムポーに向く。
「私は止めようとしました。でも、誰一人として、話を聞き入れようとしませんでした」
ライトニングポーは兄をジロリと睨む。
「さっき、茂みでスラッシュポーとレインポーが駆け落ちの話をしていたのを聞きました」
ライトニングポーはしっぽで茂みを指した。
「私が知っているのはこれだけです」
ライトニングポーはそう言い、グレートツリーから降りた。この後、どうなるかは目に見えている。兄とスネークポーは激しく責められるに違いない。当の二匹は気まずそうに顔を見合わせている。そして、兄はようやく言った。
「俺たちは付き合うのをやめません!」
フレイムポーの挑戦的な言葉に全部族の猫たちは固まった。
ライトニングポーは堂々と言った。このままでは兄の秘密もばらす事になる。だが、仕方ない。
「すると、スネークポーとフレイムポーがいて、スラッシュポーと争っていました。その後レインポーが来ました」
私がしっかりと聞き取りやすい声で言うと、全員の注目がスネークポーとフレイムポーに向く。
「私は止めようとしました。でも、誰一人として、話を聞き入れようとしませんでした」
ライトニングポーは兄をジロリと睨む。
「さっき、茂みでスラッシュポーとレインポーが駆け落ちの話をしていたのを聞きました」
ライトニングポーはしっぽで茂みを指した。
「私が知っているのはこれだけです」
ライトニングポーはそう言い、グレートツリーから降りた。この後、どうなるかは目に見えている。兄とスネークポーは激しく責められるに違いない。当の二匹は気まずそうに顔を見合わせている。そして、兄はようやく言った。
「俺たちは付き合うのをやめません!」
フレイムポーの挑戦的な言葉に全部族の猫たちは固まった。
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
「母さん、浮浪猫たちの訓練終わったよ」
ラスティーポーがこちらに向かって走ってくる。
「母さんじゃない。ウィンドスターよ」
私は息子を睨んだ。
「でもウィンドサウ.......ウィンドスターはまだ、9生も名前も授かってないじゃない。正式な族長ではないわ」
娘のラビットポーが生意気に言い返す。
「それに本当の族長はダークフラッシュだろ?」
1番冷たくて意地悪な性格なのはジャギッドポーだ。
「死んだでしょ」
ウィンドサウンドはイライラと言う。
「生まれ変わった」
ジャギッドポーは顎をクイッと動かし、海で泳いでいる幼い猫を指す。黒猫で胸の毛とお腹の毛だけ黄金色の雌猫だ。
「見習いでしょうが。いちいち親に向かって口答えしないで。あいつの名はダークポー」
ウィンドサウンドは毛を逆立てて唸った。
「あいつ、じゃない。ダークフラッシュ」
ジャギッドポーはしっぽを2倍の大きさに膨らませる。
「やめなさい、ジャギッドポー。私は気にしないから♪ウィンドサウンドは立派にやってるわ♪」
ダークフラッシュの生まれ変わりであるダークポーは相変わらずの声と喋り方で言う。濡れてキラキラと輝く毛はダークポーの美しさを引き立たせていた。
「.......ウィンドスターよ」
ウィンドサウンドは唸り声で言った。
「9生を授かるのはもう少しですから」
メモリーポーは多少の礼儀はわきまえているが、みんなと同じく普通ではない。
「そうよね。もうすぐ復讐する時だもの。ああ!楽しみすぎて震えるわ!血しぶきが上がり、敵の悲鳴が響き、私たちの勝利の雄叫びがとどろく.......!栄光の瞬間はもうすぐ!」
ウィンドサウンドは狂いに狂った笑い声を上げた。
そんな中、1人、オレンジ色に染っていく海のほとりで座っている猫がいた。その白猫の名は、ソフトテイル。
「サンファー、君を愛している。君が僕の事を嫌いになっていてもね。今でも君は僕の命さ」
ソフトテイルは囁き声で言った。
「君が僕の連れ合いになってくれた時は何よりも嬉しかった。.......裏切ってしまってごめん」
ソフトテイルは涙を1粒零した。その涙は波にのまれて一瞬にして消えた。
「部族が危ないようね。でも私は直接は手出し出来ない。お告げを再び送るようスター族に頼みましょう」
アナグマのミッドナイトは洞窟からこっそりウィンドサウンド達を見ながらつぶやいた。
「ジェイフェザーにする?ファイヤスター?ライトニングポー?」
ブルースターがたずねる。
「ファイヤスターがいいんじゃない?」
スポッティドリーフが言う。
「いいや、3匹のうちの誰でもないね!活躍してもらう猫に直接送るさ」
イェローファングが言った。
「タロンポーにね!」
イェローファングはそう言い残し、去って行った。
ラスティーポーがこちらに向かって走ってくる。
「母さんじゃない。ウィンドスターよ」
私は息子を睨んだ。
「でもウィンドサウ.......ウィンドスターはまだ、9生も名前も授かってないじゃない。正式な族長ではないわ」
娘のラビットポーが生意気に言い返す。
「それに本当の族長はダークフラッシュだろ?」
1番冷たくて意地悪な性格なのはジャギッドポーだ。
「死んだでしょ」
ウィンドサウンドはイライラと言う。
「生まれ変わった」
ジャギッドポーは顎をクイッと動かし、海で泳いでいる幼い猫を指す。黒猫で胸の毛とお腹の毛だけ黄金色の雌猫だ。
「見習いでしょうが。いちいち親に向かって口答えしないで。あいつの名はダークポー」
ウィンドサウンドは毛を逆立てて唸った。
「あいつ、じゃない。ダークフラッシュ」
ジャギッドポーはしっぽを2倍の大きさに膨らませる。
「やめなさい、ジャギッドポー。私は気にしないから♪ウィンドサウンドは立派にやってるわ♪」
ダークフラッシュの生まれ変わりであるダークポーは相変わらずの声と喋り方で言う。濡れてキラキラと輝く毛はダークポーの美しさを引き立たせていた。
「.......ウィンドスターよ」
ウィンドサウンドは唸り声で言った。
「9生を授かるのはもう少しですから」
メモリーポーは多少の礼儀はわきまえているが、みんなと同じく普通ではない。
「そうよね。もうすぐ復讐する時だもの。ああ!楽しみすぎて震えるわ!血しぶきが上がり、敵の悲鳴が響き、私たちの勝利の雄叫びがとどろく.......!栄光の瞬間はもうすぐ!」
ウィンドサウンドは狂いに狂った笑い声を上げた。
そんな中、1人、オレンジ色に染っていく海のほとりで座っている猫がいた。その白猫の名は、ソフトテイル。
「サンファー、君を愛している。君が僕の事を嫌いになっていてもね。今でも君は僕の命さ」
ソフトテイルは囁き声で言った。
「君が僕の連れ合いになってくれた時は何よりも嬉しかった。.......裏切ってしまってごめん」
ソフトテイルは涙を1粒零した。その涙は波にのまれて一瞬にして消えた。
「部族が危ないようね。でも私は直接は手出し出来ない。お告げを再び送るようスター族に頼みましょう」
アナグマのミッドナイトは洞窟からこっそりウィンドサウンド達を見ながらつぶやいた。
「ジェイフェザーにする?ファイヤスター?ライトニングポー?」
ブルースターがたずねる。
「ファイヤスターがいいんじゃない?」
スポッティドリーフが言う。
「いいや、3匹のうちの誰でもないね!活躍してもらう猫に直接送るさ」
イェローファングが言った。
「タロンポーにね!」
イェローファングはそう言い残し、去って行った。
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
「お前さん、起きな!スター族からのお告げだってのによく寝れるね!神経を疑っちまうよ!」
誰だか知らないけど年老いた気の強い雌猫の声がする。す、すたーぞく?.......スター族!!!
「ごめんなさい!その、お告げと言うのは?」
タロンポーはガバッと起き上がった。
「ふん!ようやく聞く気になったのかい」
怪我ももつれてボサボサな雌猫は不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「あの、すみません。あなたのお名前は.......」
タロンポーが言い終わらないうちに雌猫は怒鳴った。
「あいての名を聞く前に自分の名を名乗りな!」
.......なんて気性の激しい雌猫だろう。『スター族なら知っているでしょ』と言おうかとも考えたが、やめた。余計な事は言わないでおこう。また怒られてしまう。
「僕の名前はタロンポーと言います」
僕が礼儀正しく会釈をすると雌猫は満足そうにうなずいた。
「私はイェローファングだよ。ジェイフェザーの前任のリーフプールの前任のシンダーペルトの前任の看護猫だよ」
イェローファングはスラスラと言った。頭がおかしくなりそうだと思ったが、分かった事にしておいた。
「.......で、お告げというのは?」
タロンポーは気を取り直してたずねた。
「ある風が通りかかる。その風は音を立ててこちらに向かい、部族への復讐をする。稲妻も協力するであろう。お前には大役を率いてもらうよ。あんたは稲妻を滅ぼし、そのタロン(鉤爪)で風の音を消し去るんだ」
イェローファングは言うと、あっという間に消えてしまった。タロンポーはとりあえず気に止めて置いた。
誰だか知らないけど年老いた気の強い雌猫の声がする。す、すたーぞく?.......スター族!!!
「ごめんなさい!その、お告げと言うのは?」
タロンポーはガバッと起き上がった。
「ふん!ようやく聞く気になったのかい」
怪我ももつれてボサボサな雌猫は不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「あの、すみません。あなたのお名前は.......」
タロンポーが言い終わらないうちに雌猫は怒鳴った。
「あいての名を聞く前に自分の名を名乗りな!」
.......なんて気性の激しい雌猫だろう。『スター族なら知っているでしょ』と言おうかとも考えたが、やめた。余計な事は言わないでおこう。また怒られてしまう。
「僕の名前はタロンポーと言います」
僕が礼儀正しく会釈をすると雌猫は満足そうにうなずいた。
「私はイェローファングだよ。ジェイフェザーの前任のリーフプールの前任のシンダーペルトの前任の看護猫だよ」
イェローファングはスラスラと言った。頭がおかしくなりそうだと思ったが、分かった事にしておいた。
「.......で、お告げというのは?」
タロンポーは気を取り直してたずねた。
「ある風が通りかかる。その風は音を立ててこちらに向かい、部族への復讐をする。稲妻も協力するであろう。お前には大役を率いてもらうよ。あんたは稲妻を滅ぼし、そのタロン(鉤爪)で風の音を消し去るんだ」
イェローファングは言うと、あっという間に消えてしまった。タロンポーはとりあえず気に止めて置いた。
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
今日は三匹の命名式の日だった。普通の戦士ならファイヤスターに決めてもらうが、私は看護猫でもあるのでジェイフェザーとファイヤスターが名前を相談して決めたらしい。
「フレイムポー、今からお前はフレイムヒート(炎の熱)という名になる。これからも一族の忠実な戦士として活躍するように」
ファイヤスターがフレイムポー、ではなくフレイムヒートに告げる。
「タロンポー、今からお前はタロンカルマ(鉤爪の宿命)という名になる。これからも一族な忠実な戦士として活躍するように」
ファイヤスターが意味ありげに名前を強調した。
「ライトニングポー、今からお前はライトニングクラウド(稲妻の雲)という名になる。これからも一族に忠実な戦士として、立派な看護猫として、活躍するように」
ファイヤスターは一族から看護猫でもある戦士が誕生して誇らしそうだ。
「フレイムヒート!タロンカルマ!ライトニングクラウド!フレイムヒート!タロンカルマ!ライトニングクラウド!」
一族から祝福の大声が上がる。私と兄がシャドウ族の血をひいていても、タロンカルマが浮浪猫生まれでも、一族は私たち自身をちゃんと見てくれて、評価してくれている。それが何よりもうれしかった。
「フレイムポー、今からお前はフレイムヒート(炎の熱)という名になる。これからも一族の忠実な戦士として活躍するように」
ファイヤスターがフレイムポー、ではなくフレイムヒートに告げる。
「タロンポー、今からお前はタロンカルマ(鉤爪の宿命)という名になる。これからも一族な忠実な戦士として活躍するように」
ファイヤスターが意味ありげに名前を強調した。
「ライトニングポー、今からお前はライトニングクラウド(稲妻の雲)という名になる。これからも一族に忠実な戦士として、立派な看護猫として、活躍するように」
ファイヤスターは一族から看護猫でもある戦士が誕生して誇らしそうだ。
「フレイムヒート!タロンカルマ!ライトニングクラウド!フレイムヒート!タロンカルマ!ライトニングクラウド!」
一族から祝福の大声が上がる。私と兄がシャドウ族の血をひいていても、タロンカルマが浮浪猫生まれでも、一族は私たち自身をちゃんと見てくれて、評価してくれている。それが何よりもうれしかった。
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
ウィンドスターことウィンドサウンドは子供たちとソフトテイル、ダークフラッシュを連れて湖に着いたところだ。
「ラビットポー、そこどけよ」
ラスティーポーがラビットポーを跳ね除ける。
「失礼ね、ラスティーファー!私はラビットイヤー!」
ラビットイヤーはラスティーファーを睨んだ。そう、ついこの間戦士に昇格したのだ。ラスティーポーはラスティーファー(錆びた毛)になり、ラビットポーはラビットイヤー(ウサギの耳)になり、ジャギッドポーはジャギッドファング(ギザギザの牙)になった。バタフライポーはバタフライフェザー(蝶の羽)に。フラワーポーはフラワーペタル(花の花びら)に。メモリーポーはメモリーファイヤ(思い出の火)になった。
「お黙り。まず、サンダー族をぶっ潰すわよ」
ウィンドサウンドは子供たちを叱り、再び歩き始めた。シャドウ族の縄張りを通りかかった時、懐かしい声が聞こえた。
「もしかして、ソフトテイルと私の子供たち?」
サンファーが少し疑うように言った。
「そうだよ、サンファー!」
ソフトテイルはサンファーに駆け寄ろうとした。だが、サンファーは涙目でショックで目を見開いたまま、後ずさった。
「あなたは裏切り者でしょ?」
サンファーは悲しそうに絞り出すように言った。
「アウルタロン?父さん?」
ラスティーファーが1歩前に進み出た。
「近づくな」
元々気難しかったアウルタロンは歯を向いた。今までなら愛してると言ってくれたのに。
「アウルタロン!子供たちに当たるのはやめて!」
ウィンドサウンドは悲しみの混じった声で怒鳴った。子供たちは驚いた。母が私たちを大事に思ってくれていたとは。
「.......黙れ」
アウルタロンはしばらくしてから言った。ウィンドサウンドはアウルタロンとの縁は切るつもりじゃなかった。
「ま、いいわ。行きましょう」
悲しみを振り払うと、私は再び前に進み始めた。
「ラビットポー、そこどけよ」
ラスティーポーがラビットポーを跳ね除ける。
「失礼ね、ラスティーファー!私はラビットイヤー!」
ラビットイヤーはラスティーファーを睨んだ。そう、ついこの間戦士に昇格したのだ。ラスティーポーはラスティーファー(錆びた毛)になり、ラビットポーはラビットイヤー(ウサギの耳)になり、ジャギッドポーはジャギッドファング(ギザギザの牙)になった。バタフライポーはバタフライフェザー(蝶の羽)に。フラワーポーはフラワーペタル(花の花びら)に。メモリーポーはメモリーファイヤ(思い出の火)になった。
「お黙り。まず、サンダー族をぶっ潰すわよ」
ウィンドサウンドは子供たちを叱り、再び歩き始めた。シャドウ族の縄張りを通りかかった時、懐かしい声が聞こえた。
「もしかして、ソフトテイルと私の子供たち?」
サンファーが少し疑うように言った。
「そうだよ、サンファー!」
ソフトテイルはサンファーに駆け寄ろうとした。だが、サンファーは涙目でショックで目を見開いたまま、後ずさった。
「あなたは裏切り者でしょ?」
サンファーは悲しそうに絞り出すように言った。
「アウルタロン?父さん?」
ラスティーファーが1歩前に進み出た。
「近づくな」
元々気難しかったアウルタロンは歯を向いた。今までなら愛してると言ってくれたのに。
「アウルタロン!子供たちに当たるのはやめて!」
ウィンドサウンドは悲しみの混じった声で怒鳴った。子供たちは驚いた。母が私たちを大事に思ってくれていたとは。
「.......黙れ」
アウルタロンはしばらくしてから言った。ウィンドサウンドはアウルタロンとの縁は切るつもりじゃなかった。
「ま、いいわ。行きましょう」
悲しみを振り払うと、私は再び前に進み始めた。
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
「フレイムポー!私、スネークハート(蛇の心)になったの!」
スネークハートがいつもの場所で待っていた。
「僕はフレイムヒートになったんだ!」
僕は自慢そうに言った。
「ね、聞いてよ!私、あなたの子を身ごもったの!」
スネークハートは膨らみ始めているお腹を見せた。
「それは最高だな!」
フレイムヒートは思わず立ち上がった。その時、あるにおいがした。嫌なにおいだ。なんのにおいか分かっていた。
「〈二本足〉!!!」
フレイムヒートは叫び、立ち向かった。
「スネークハート!逃げろ!」
フレイムヒートは怒鳴った。スネークハートは恐怖で目を見開き、茂みに隠れた。
「〈二本足〉め!スネークハートに手を出させなんかしないぞ!」
フレイムヒートは勇敢に戦った。だがしばらくすると、〈二本足〉は本気で怒り狂い、キラリと光る銀色の鋭い物をフレイムヒートの喉に切りつけた。血が溢れる。〈二本足〉はさっさと退散して行った。僕は苦しみにあえいだ。
「フレイムヒート!」
スネークハートはすぐさま駆け寄る。
「愛す.......る君、を守れ.......て良かっ、た.......」
フレイムヒートは意識が遠のく中、血を吐きながらも、喉から出血しながらも、スネークハートに別れを告げた。
「フレイムヒートーッ!」
スネークハートはその場で泣きじゃくった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「.......お兄ちゃん?ね、どうしたの?」
ライトニングクラウドは状況を理解出来なかった。いや、理解出来ているが、認めたくなかった。まさか、兄が.......死ぬなんて。お兄ちゃん、お兄ちゃん.......。全部、全部スネークハートのせいだ!許さない!
「スネークハート!」
ライトニングクラウドは怒鳴った。
「.......なあに.......?」
スネークハートは涙で濡れている顔を上げた。
「全て全て、あなたのせい!」
ライトニングクラウドはスネークハートの喉を裂いた。血しぶきが上がり、スネークハートはしばらくして息を引き取った。
「わ、私.......」
ライトニングクラウドは少したじろいだ。猫を殺してしまったのだ。.......でも、〈二本足〉に2匹とも殺された事にすればバレない。私、もう悪事を働いてしまったから後はどんな行いをして暮らしても自由なんだわ。
「.......部族が憎い。私を差別した全ての部族が」
私は憎しみを込めてつぶやいた。
「.......私も部族を滅ぼしたいのだけれど協力する?」
見知らぬ雌猫が現れた。私はもうどうなろうとどうでも良かった。なのですぐに許可した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「運命は変えられなかったわね」
ブルースターが悲しげにつぶやいた。
「ウィンドサウンドの血を引いているからね」
イェローファングが肩をすくめる。
「ライトニングクラウドは死ぬ運命かもしれないけど、タロンカルマが一族を救うわ」
スポッティドリーフが言った。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「サンダー族!復讐に来たわ!」
ウィンドサウンドの叫び声がサンダー族のキャンプ中に響き渡った。
スネークハートがいつもの場所で待っていた。
「僕はフレイムヒートになったんだ!」
僕は自慢そうに言った。
「ね、聞いてよ!私、あなたの子を身ごもったの!」
スネークハートは膨らみ始めているお腹を見せた。
「それは最高だな!」
フレイムヒートは思わず立ち上がった。その時、あるにおいがした。嫌なにおいだ。なんのにおいか分かっていた。
「〈二本足〉!!!」
フレイムヒートは叫び、立ち向かった。
「スネークハート!逃げろ!」
フレイムヒートは怒鳴った。スネークハートは恐怖で目を見開き、茂みに隠れた。
「〈二本足〉め!スネークハートに手を出させなんかしないぞ!」
フレイムヒートは勇敢に戦った。だがしばらくすると、〈二本足〉は本気で怒り狂い、キラリと光る銀色の鋭い物をフレイムヒートの喉に切りつけた。血が溢れる。〈二本足〉はさっさと退散して行った。僕は苦しみにあえいだ。
「フレイムヒート!」
スネークハートはすぐさま駆け寄る。
「愛す.......る君、を守れ.......て良かっ、た.......」
フレイムヒートは意識が遠のく中、血を吐きながらも、喉から出血しながらも、スネークハートに別れを告げた。
「フレイムヒートーッ!」
スネークハートはその場で泣きじゃくった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「.......お兄ちゃん?ね、どうしたの?」
ライトニングクラウドは状況を理解出来なかった。いや、理解出来ているが、認めたくなかった。まさか、兄が.......死ぬなんて。お兄ちゃん、お兄ちゃん.......。全部、全部スネークハートのせいだ!許さない!
「スネークハート!」
ライトニングクラウドは怒鳴った。
「.......なあに.......?」
スネークハートは涙で濡れている顔を上げた。
「全て全て、あなたのせい!」
ライトニングクラウドはスネークハートの喉を裂いた。血しぶきが上がり、スネークハートはしばらくして息を引き取った。
「わ、私.......」
ライトニングクラウドは少したじろいだ。猫を殺してしまったのだ。.......でも、〈二本足〉に2匹とも殺された事にすればバレない。私、もう悪事を働いてしまったから後はどんな行いをして暮らしても自由なんだわ。
「.......部族が憎い。私を差別した全ての部族が」
私は憎しみを込めてつぶやいた。
「.......私も部族を滅ぼしたいのだけれど協力する?」
見知らぬ雌猫が現れた。私はもうどうなろうとどうでも良かった。なのですぐに許可した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「運命は変えられなかったわね」
ブルースターが悲しげにつぶやいた。
「ウィンドサウンドの血を引いているからね」
イェローファングが肩をすくめる。
「ライトニングクラウドは死ぬ運命かもしれないけど、タロンカルマが一族を救うわ」
スポッティドリーフが言った。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「サンダー族!復讐に来たわ!」
ウィンドサウンドの叫び声がサンダー族のキャンプ中に響き渡った。
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
「は?」
シャイニングナイトは挑むような声で言った。
「紹介しましょう。この子はダークポー.......、じゃなくてダークフラッシュよ」
ウィンドサウンドは黒猫にしっぽを振った。
「恐ろしいぐらいにソックリだな」
ファイヤスターが眉をひそめる。
「そりゃそうだろうよ」
ジャギッドファングがボソッと言った。
「だって生まれ変わりだもの」
フラワーペタルがサラリと言う。一族が驚きと恐怖でざわめいた。そして、シャイニングナイトは叫んだ。
「そういえばライトニングクラウドがいない!」
シャイニングナイトは悲痛な鳴き声を上げた。
「ライなんちゃらはここにいるわよ!」
バタフライフェザーが叫び、後ろを見た。そこには、ゆっくりと前へ歩いてくるライトニングクラウドの姿があった。
「ライトニングクラウド?!」
実はライトニングクラウドの事を可愛がっていたブランブルクローは目を見開いた。
「私の事は恨んでくれていいから。こんな.......、こんな罪猫の事なんて恨んで当然だから」
ライトニングクラウドはそう告げた。本人が1番つらそうに見えた。一族はライトニングクラウドの言う意味が分からなかった。"罪猫"?何をしたって言うんだ?
「私は.......、私は.......、スネークハートを殺したの!」
ライトニングクラウドは絞り出すように怒鳴った。一族全員の叫び声でキャンプはうるさくなった。
「うっさいわね。誰を殺したとかは別にどうでもいい。私たちはサンダー族を潰しにきたの」
ウィンドサウンドは冷酷に告げた。
「ふざけんなああああああああぁぁぁ!」
シャイニングナイトは耳をつんざくような叫び声を上げ、ウィンドサウンドに殴りかかった。
「うっさいわね。鼓膜破れたらどうすんのよ」
ウィンドサウンドは冷静に返しながら、空中で宙返りをすると、勢いよくシャイニングナイトの背中に着地し、押さえつけた。
「やめろおおおおおおおおおおおお!」
同じく鼓膜が破れるような叫び声を上げて現れたのはグレーフロストだった。ウィンドサウンドは吹っ飛んだ。
「姉さん!姉さんはなんのためにこんな事をしてるんだ!」
グレーフロストは悲しみと怒りの入り交じった声を上げた。
「知りたい?!いつもみんなあなたに夢中!私たちなんていないみたいに扱われて!大集会でもあなたの周りばかり猫が集まって私たちはひとりぼっち!全ての部族に私の名を刻んでおくの!」
ウィンドサウンドは血走った目をして言った。
「僕らは耐えられなかったんだよ」
ソフトテイルがそっと言った。
「戦うなら、受けて立つ」
ファイヤスターは堂々と言った。
「そうこなくっちゃ♪」
ダークフラッシュが楽しそうに言った。
「「かかれ!」」
ファイヤスターとウィンドサウンドの声が響いたのは同時だった。2つの部族は戦いを始めた。
シャイニングナイトは挑むような声で言った。
「紹介しましょう。この子はダークポー.......、じゃなくてダークフラッシュよ」
ウィンドサウンドは黒猫にしっぽを振った。
「恐ろしいぐらいにソックリだな」
ファイヤスターが眉をひそめる。
「そりゃそうだろうよ」
ジャギッドファングがボソッと言った。
「だって生まれ変わりだもの」
フラワーペタルがサラリと言う。一族が驚きと恐怖でざわめいた。そして、シャイニングナイトは叫んだ。
「そういえばライトニングクラウドがいない!」
シャイニングナイトは悲痛な鳴き声を上げた。
「ライなんちゃらはここにいるわよ!」
バタフライフェザーが叫び、後ろを見た。そこには、ゆっくりと前へ歩いてくるライトニングクラウドの姿があった。
「ライトニングクラウド?!」
実はライトニングクラウドの事を可愛がっていたブランブルクローは目を見開いた。
「私の事は恨んでくれていいから。こんな.......、こんな罪猫の事なんて恨んで当然だから」
ライトニングクラウドはそう告げた。本人が1番つらそうに見えた。一族はライトニングクラウドの言う意味が分からなかった。"罪猫"?何をしたって言うんだ?
「私は.......、私は.......、スネークハートを殺したの!」
ライトニングクラウドは絞り出すように怒鳴った。一族全員の叫び声でキャンプはうるさくなった。
「うっさいわね。誰を殺したとかは別にどうでもいい。私たちはサンダー族を潰しにきたの」
ウィンドサウンドは冷酷に告げた。
「ふざけんなああああああああぁぁぁ!」
シャイニングナイトは耳をつんざくような叫び声を上げ、ウィンドサウンドに殴りかかった。
「うっさいわね。鼓膜破れたらどうすんのよ」
ウィンドサウンドは冷静に返しながら、空中で宙返りをすると、勢いよくシャイニングナイトの背中に着地し、押さえつけた。
「やめろおおおおおおおおおおおお!」
同じく鼓膜が破れるような叫び声を上げて現れたのはグレーフロストだった。ウィンドサウンドは吹っ飛んだ。
「姉さん!姉さんはなんのためにこんな事をしてるんだ!」
グレーフロストは悲しみと怒りの入り交じった声を上げた。
「知りたい?!いつもみんなあなたに夢中!私たちなんていないみたいに扱われて!大集会でもあなたの周りばかり猫が集まって私たちはひとりぼっち!全ての部族に私の名を刻んでおくの!」
ウィンドサウンドは血走った目をして言った。
「僕らは耐えられなかったんだよ」
ソフトテイルがそっと言った。
「戦うなら、受けて立つ」
ファイヤスターは堂々と言った。
「そうこなくっちゃ♪」
ダークフラッシュが楽しそうに言った。
「「かかれ!」」
ファイヤスターとウィンドサウンドの声が響いたのは同時だった。2つの部族は戦いを始めた。
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
タロンカルマは目の前の雄猫をなんとか投げ飛ばした。今回は前よりも数が多いし、鍛え抜かれている。サンダー族だけでは負けてしまう!すると、雄叫びが聞こえた。シャドウ族だ。
「ウィンドサウンド達は元々シャドウ族だ。裏切り者を放置する訳にはいかない」
ブラックスターはそう言った。ファイヤスターは瞬きをし、感謝を示した。それでもほぼ互角という感じだ。
「もうやめろ」
アウルタロンの冷たい冷たい声がし、みんなが固まった。いっせいにアウルタロンに注目する。
「ウィンドサウンド。お前には失望した」
アウルタロンは吐き捨てるように言う。ウィンドサウンドはその言葉に相当なショックを受けている。
「お前は一族の恥としか思えない」
アウルタロンは淡々と続ける。
「ここで消えてもらいたい。最後に言い残すことは?」
アウルタロンは聞いた。感情はこもっていない。
「.......私だってみんなて友達になりたかった。ただ、それだけよ。アウルタロン、愛してる」
ウィンドサウンドは弱々しく微笑んだ。今まで狂っていた心が元に戻ったように。涙を流し、何かを決意した。
「私はいさぎよく死ぬわ。殺して」
ウィンドサウンドは頼んだ。これが最後の願いだと。アウルタロンは少しためらったのち、ウィンドサウンドの喉を裂いた。ソフトテイルがすぐに駆け寄る。
「姉さん!姉さんはスター族に行くの?」
ソフトテイルは尋ねた。まるで、子供のように。
「いいえ.......。暗黒の森よ.......」
ウィンドサウンドはそう言い、目を閉じた。サンファーがソフトテイルにそっと近寄る。
「僕も死ななきゃダメなのかい?」
ソフトテイルは恐怖に満ちた声を上げた。
「いいえ。あなたはここにいて」
サンファーは絞り出すように言った。アウルタロンはかつて愛した者の遺体に寄り添っている。
「.......弱い。弱すぎる。ならせめて、1匹だけでも殺してやる」
ライトニングクラウドはそうつぶやくと、すぐ近くにいたタロンカルマに飛びかかった。タロンカルマは戸惑った。愛していた者を殺さなければならないなんて.......。
「ごめん!」
タロンカルマは長い鉤爪を出し、切りつけた。タロンカルマはせめてスター族に行けるようにと祈りを捧げた。
「これで、いいの」
ライトニングクラウドはそう言うと、倒れた。
「よくも俺の娘を!」
グレーフロストは睨んだ。
「スター族のおぼしめしです」
タロンカルマは頭を垂れた。
「ウィンドサウンド達は元々シャドウ族だ。裏切り者を放置する訳にはいかない」
ブラックスターはそう言った。ファイヤスターは瞬きをし、感謝を示した。それでもほぼ互角という感じだ。
「もうやめろ」
アウルタロンの冷たい冷たい声がし、みんなが固まった。いっせいにアウルタロンに注目する。
「ウィンドサウンド。お前には失望した」
アウルタロンは吐き捨てるように言う。ウィンドサウンドはその言葉に相当なショックを受けている。
「お前は一族の恥としか思えない」
アウルタロンは淡々と続ける。
「ここで消えてもらいたい。最後に言い残すことは?」
アウルタロンは聞いた。感情はこもっていない。
「.......私だってみんなて友達になりたかった。ただ、それだけよ。アウルタロン、愛してる」
ウィンドサウンドは弱々しく微笑んだ。今まで狂っていた心が元に戻ったように。涙を流し、何かを決意した。
「私はいさぎよく死ぬわ。殺して」
ウィンドサウンドは頼んだ。これが最後の願いだと。アウルタロンは少しためらったのち、ウィンドサウンドの喉を裂いた。ソフトテイルがすぐに駆け寄る。
「姉さん!姉さんはスター族に行くの?」
ソフトテイルは尋ねた。まるで、子供のように。
「いいえ.......。暗黒の森よ.......」
ウィンドサウンドはそう言い、目を閉じた。サンファーがソフトテイルにそっと近寄る。
「僕も死ななきゃダメなのかい?」
ソフトテイルは恐怖に満ちた声を上げた。
「いいえ。あなたはここにいて」
サンファーは絞り出すように言った。アウルタロンはかつて愛した者の遺体に寄り添っている。
「.......弱い。弱すぎる。ならせめて、1匹だけでも殺してやる」
ライトニングクラウドはそうつぶやくと、すぐ近くにいたタロンカルマに飛びかかった。タロンカルマは戸惑った。愛していた者を殺さなければならないなんて.......。
「ごめん!」
タロンカルマは長い鉤爪を出し、切りつけた。タロンカルマはせめてスター族に行けるようにと祈りを捧げた。
「これで、いいの」
ライトニングクラウドはそう言うと、倒れた。
「よくも俺の娘を!」
グレーフロストは睨んだ。
「スター族のおぼしめしです」
タロンカルマは頭を垂れた。
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
〜感動のエピローグ〜
あれ?ここは.......暗黒の森じゃない。スター族だ。私、ライトニングクラウドは辺りを見回した。
「スター族は歓迎するわ。あなたは間違った事をしていた猫を、戸惑いと悲しみと怒りで殺してしまっただけ。スネークハートも許しているわ。安心しなさい」
ブルースターが現われ、優雅に優しく微笑んでみせた。ライトニングクラウドは涙を零し、声を上げて泣いた。
「わああああん!私、私!怖かったの!」
ライトニングクラウドは泣いて泣いて、泣いた。怖かったのだ。みんなに嫌われるのが。いさぎよく悪を認めたとしても許して貰えないのではないかと。そして、道を間違えた。
「さあ、あなたはスター族よ」
ブルースターが言った時、ある雄猫が乱入した。
「ウィンドサウンドはどこですか?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
俺は怒りで毛を逆立て、強い口調で言った。俺はこの間、二本足に捕まり、殺されたのだ。
「暗黒の森よ」
ブルースターが当たり前のように言った。
「こいつはスター族にいるのに、なんであいつはここにいれないんですか?納得いきません」
俺は唸った。
「落ち着きなさい、アウルタロン。あの子は暗黒の森に行き、反省する事を望んだの。それに、あの子は部族を裏切り、子供たちを兵士として育て上げ、2度もサンダー族を滅ぼそうとした。すごい大罪だとは思わない?」
ブルースターは穏やかな口調で言った。
「あいつは誰も殺してません」
アウルタロンは低い、敵意に満ちた声を出した。
「でも、あの子は自分が望んだの」
ブルースターは首を振った。
「.......分かりました」
アウルタロンはブルースターに背を向け、愛する者のいる空へと向かっていった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ウィンドサウンドは暗くて、嫌な雰囲気のする森にいた。スター族に行けば良かったかな?と思う時もあるが、そのたびに思い直す。私はスター族たちに嫌われているに違いない。だから、いけない。私は、ここで1人で寂しい思いをして、反省して、罪を償いたい。これしか思いつかなかった。
「おい、邪魔だぞ!」
ティスルクローの声がした。
「黙ってくれない?私、あなた達のような心が腐った猫とは会話したくないの」
ウィンドサウンドは冷たく言った。ティスルクローが毛を逆立てる。怒らせてしまったようだ。
「ウィンドスター、怒らないでくれ。それから、あの話だが、考え直してくれないかい?」
珍しく穏やかな口調なタイガースターが現れた。あの話、とは暗黒の森で地上の猫とスター族を滅ぼす話だ。
「私は、ウィンドサウンドです。その話は終わったはずです。お断りします、そう答えたはずです」
ウィンドサウンドは睨んだ。そして、もっと影になった暗い場所に向かった。一人でいたいから。
「ウィンドサウンド」
懐かしい声が聞こえた。
「まさか.......、アウルタロン?」
ウィンドサウンドは顔を上げた。そこには私が愛した猫がいた。優しい笑みを浮かべて、立っていた。
「なぜ、なぜここに.......」
ウィンドサウンドは戸惑った。
「愛する君に会うためさ」
アウルタロンは耳元で囁いた。私の目から涙が零れた。泣きたくなかった。そんな情けない姿は見せたくなかった。でも、泣き始めたら止まらなかった。そのうち、声を上げて泣き始めた。
「大丈夫。俺がついてる」
アウルタロンは、大声で泣いている小さな猫をそっと抱いていた。ウィンドサウンドはか弱くて幼い猫のようだった。2匹とも、優しい気持ちに包まれた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ああ、そうそう。伝え忘れていたよ。お告げの最後をね。『稲妻は踏み外した道を改め、風は悪の心を改心し、愛する者と暮らす』。ま、いいだろう」
イェローファングは肩をすくめた。わざと言わなかったのだと知っているのはイェローファングだけだった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ライトニングクラウドはどうしているかな?タロンカルマはその事ばかり毎日考えていた。どうか幸せであって欲しい。そう思い、眠りに落ちた。
「タロンカルマ、タロンカルマ」
誰かが自分の名を呼んでいる。
「ライトニングクラウド!会いたかったよ!」
タロンカルマは思わず飛び起きた。
「あなたに伝えたくて。私の事を差別をせずにあなたは接してくれた。とても、感謝している。.......愛してるわ」
ライトニングクラウドは囁いた。
「ま、待ってくれ、ライトニングクラウド!僕もだよ!行かないで!」
タロンカルマは必死に叫んだ。戻るはずのない、魂に向かって叫んだ。愛しいあの子は寂しそうな笑みを残し去っていった。
〜END〜
あれ?ここは.......暗黒の森じゃない。スター族だ。私、ライトニングクラウドは辺りを見回した。
「スター族は歓迎するわ。あなたは間違った事をしていた猫を、戸惑いと悲しみと怒りで殺してしまっただけ。スネークハートも許しているわ。安心しなさい」
ブルースターが現われ、優雅に優しく微笑んでみせた。ライトニングクラウドは涙を零し、声を上げて泣いた。
「わああああん!私、私!怖かったの!」
ライトニングクラウドは泣いて泣いて、泣いた。怖かったのだ。みんなに嫌われるのが。いさぎよく悪を認めたとしても許して貰えないのではないかと。そして、道を間違えた。
「さあ、あなたはスター族よ」
ブルースターが言った時、ある雄猫が乱入した。
「ウィンドサウンドはどこですか?」
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俺は怒りで毛を逆立て、強い口調で言った。俺はこの間、二本足に捕まり、殺されたのだ。
「暗黒の森よ」
ブルースターが当たり前のように言った。
「こいつはスター族にいるのに、なんであいつはここにいれないんですか?納得いきません」
俺は唸った。
「落ち着きなさい、アウルタロン。あの子は暗黒の森に行き、反省する事を望んだの。それに、あの子は部族を裏切り、子供たちを兵士として育て上げ、2度もサンダー族を滅ぼそうとした。すごい大罪だとは思わない?」
ブルースターは穏やかな口調で言った。
「あいつは誰も殺してません」
アウルタロンは低い、敵意に満ちた声を出した。
「でも、あの子は自分が望んだの」
ブルースターは首を振った。
「.......分かりました」
アウルタロンはブルースターに背を向け、愛する者のいる空へと向かっていった。
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ウィンドサウンドは暗くて、嫌な雰囲気のする森にいた。スター族に行けば良かったかな?と思う時もあるが、そのたびに思い直す。私はスター族たちに嫌われているに違いない。だから、いけない。私は、ここで1人で寂しい思いをして、反省して、罪を償いたい。これしか思いつかなかった。
「おい、邪魔だぞ!」
ティスルクローの声がした。
「黙ってくれない?私、あなた達のような心が腐った猫とは会話したくないの」
ウィンドサウンドは冷たく言った。ティスルクローが毛を逆立てる。怒らせてしまったようだ。
「ウィンドスター、怒らないでくれ。それから、あの話だが、考え直してくれないかい?」
珍しく穏やかな口調なタイガースターが現れた。あの話、とは暗黒の森で地上の猫とスター族を滅ぼす話だ。
「私は、ウィンドサウンドです。その話は終わったはずです。お断りします、そう答えたはずです」
ウィンドサウンドは睨んだ。そして、もっと影になった暗い場所に向かった。一人でいたいから。
「ウィンドサウンド」
懐かしい声が聞こえた。
「まさか.......、アウルタロン?」
ウィンドサウンドは顔を上げた。そこには私が愛した猫がいた。優しい笑みを浮かべて、立っていた。
「なぜ、なぜここに.......」
ウィンドサウンドは戸惑った。
「愛する君に会うためさ」
アウルタロンは耳元で囁いた。私の目から涙が零れた。泣きたくなかった。そんな情けない姿は見せたくなかった。でも、泣き始めたら止まらなかった。そのうち、声を上げて泣き始めた。
「大丈夫。俺がついてる」
アウルタロンは、大声で泣いている小さな猫をそっと抱いていた。ウィンドサウンドはか弱くて幼い猫のようだった。2匹とも、優しい気持ちに包まれた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ああ、そうそう。伝え忘れていたよ。お告げの最後をね。『稲妻は踏み外した道を改め、風は悪の心を改心し、愛する者と暮らす』。ま、いいだろう」
イェローファングは肩をすくめた。わざと言わなかったのだと知っているのはイェローファングだけだった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ライトニングクラウドはどうしているかな?タロンカルマはその事ばかり毎日考えていた。どうか幸せであって欲しい。そう思い、眠りに落ちた。
「タロンカルマ、タロンカルマ」
誰かが自分の名を呼んでいる。
「ライトニングクラウド!会いたかったよ!」
タロンカルマは思わず飛び起きた。
「あなたに伝えたくて。私の事を差別をせずにあなたは接してくれた。とても、感謝している。.......愛してるわ」
ライトニングクラウドは囁いた。
「ま、待ってくれ、ライトニングクラウド!僕もだよ!行かないで!」
タロンカルマは必死に叫んだ。戻るはずのない、魂に向かって叫んだ。愛しいあの子は寂しそうな笑みを残し去っていった。
〜END〜
最終編集者 シャイニングナイト [ Tue Jun 16, 2020 9:13 pm ], 編集回数 1 回
シャイニングナイト- ライオン族
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Re: 炎と雷が歩む道 〜驚きの人生〜
感動するかは謎ですが、完結しました!(*`・ω・´)
どうでしょうか〜?(*^^*)
バットエンドが下手なシャイでございます(笑)
どうでしょうか〜?(*^^*)
バットエンドが下手なシャイでございます(笑)
シャイニングナイト- ライオン族
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