WARRIORS・ACADEMY 『The brave tree 』
+4
ヒーステイル
フラワリングハート@ふらわり
ムーンドロップ
レパードクロー
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Re: WARRIORS・ACADEMY 『The brave tree 』
つらら
【氷麗】
湖に着岸した黒いオークのボートから、氷麗はさっと飛び降りた。
サファイヤの瞳が見上げたその先には、巨樹が天を衝かんばかりにそびえたっている。
とうとう、ここで………ここで、生きる術を学ぶ日々が始まるのだ。
私は自由だ。生まれて初めて、自分の時間を自分のために使えるようになるのだから。
もう、ごろつきに襲われない安全さしかとりえのない場所で震えながら眠ることも、
明日の食べものに思い煩わされることもない。
目を離したとたんに、母がまたあの忌まわしい薬草をどこからか手に入れてきてその香りに溺れ、
廃人に逆戻りしているのを見せつけられる、あの絶望………あの嘆きとも、しばらくのあいだは縁がないのだ。
なんて素晴らしい自由。なんて美しい未来。
幼年時代は奪われたけれど、青春だけは私の腕の中に残っていた。
私はここでなら、自由になれる。
「気に入った?」
雪のように真っ白なフクロウは、そっと氷麗に尋ねた。
彼女、オフィーリアをあてがわれたのは、
年中吹雪いている常冬国出身の氷麗のところには、蝶を派遣することができなかったかららしい。
「とても」
氷麗は答え、じゃあ、と軽くしっぽを振った。「オフィーリア、ありがとう」
まずは、まっすぐ学長室へ行こう。
自由は現実なのだと、この目でしっかり、確かめたいから。
最終編集者 ライトニングキット@一人称「俺」 [ Sat Jun 27, 2015 4:02 pm ], 編集回数 1 回
Re: WARRIORS・ACADEMY 『The brave tree 』
【スタラ】
スタラは大きな三本の巨大な老木を見上げた。スズメのベルが、キイキイ声でなく。
「ここがスタラさんの新しい生活となる場所です」
「…すごい」
「そう言う風に思ってるとは思いませんけど」とベルが苦笑いを言う。
「…ありがと、ベル。ここまで連れてきて」
「いいんですよ。後は一匹で大丈夫ですか?」
スタラはうなずき、ボートから降りると、一匹の白い猫が現れた。
それを見てベルはうなずくと、空へ羽ばたいて行った。
「あなたは?」
「…スタラ。新入生です」
「わたしはフロストファー。学長室はこちらです」
*
ほとんど学長の話は聞かず、スタラはいったんお辞儀をして部屋をでた。
これからなにをすればいいのかもさっぱりだった。誰か来てくれないだろうか。
***************
おなじみの光鈴です。遅れてごめんなさい!これからよろしくですw
スタラは大きな三本の巨大な老木を見上げた。スズメのベルが、キイキイ声でなく。
「ここがスタラさんの新しい生活となる場所です」
「…すごい」
「そう言う風に思ってるとは思いませんけど」とベルが苦笑いを言う。
「…ありがと、ベル。ここまで連れてきて」
「いいんですよ。後は一匹で大丈夫ですか?」
スタラはうなずき、ボートから降りると、一匹の白い猫が現れた。
それを見てベルはうなずくと、空へ羽ばたいて行った。
「あなたは?」
「…スタラ。新入生です」
「わたしはフロストファー。学長室はこちらです」
*
ほとんど学長の話は聞かず、スタラはいったんお辞儀をして部屋をでた。
これからなにをすればいいのかもさっぱりだった。誰か来てくれないだろうか。
***************
おなじみの光鈴です。遅れてごめんなさい!これからよろしくですw
ライトハート- 族長
- 投稿数 : 525
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所在地 : 日本
Re: WARRIORS・ACADEMY 『The brave tree 』
~エイトセレネ~
「うふふぅwそんなペリドットも好きだよぉ。じゃあばいばぁい♪」冷たく接されたあとも、エイトは笑顔を保ち続けた。
ペリドットたちと別れ、一人ふらふらさまよっていたエイトはブルースターと同じよな雰囲気を漂わせている雌猫を発見した。
ニコニコしながら声をかける。
「やあ!ボク、エアだよぉ。よろしくねぇ。君は................?」
「氷麗。」「ふぅん。氷麗だねぇ。覚えとくよぉ。」
また彼女は歩きだす。もう、何事にも囚われはしないと思っているかのように。
エイトは氷麗の隣に並ぶと、ニコニコ笑いをやめた。彼女はボクと同じだから。って思って。
「君は強い。そうだろう?」ニコニコエアをやめて、本来のエアへと戻る。
氷麗は「・・・・どういう意味?どうかした?」と、否定も肯定もせずに用心深く答える。「もっとフレンドリーになりなよぉ。」ボクはいう。
「ボクとタッグを組まない?」「え?」
「ボクは...........いつかブルースターを消すよ。ペリドットもいつかは消すかもしれない。しょうがないよ、ボクに歯向かったんだから。」
「君は強い。強いし感情に流されにくい。だから、君の野心も叶えてあげれる。どう?」
「・・・・・」
すぐに返事は返ってこなかった。悩んでる?んなことはない。
彼女は強いし、野心家とみた。
ボクが間違っていることなんてありえない。
「ボクはムーンの望んだアカデミーをつくる。それを君が邪魔するのなら、ボクは君を消すよ。絶対に。」
えるねいさん、交流させていただきました!
タッグっていっても友達みたいなもんですw返事はどーでもいいし、無視でけっこうですw
「うふふぅwそんなペリドットも好きだよぉ。じゃあばいばぁい♪」冷たく接されたあとも、エイトは笑顔を保ち続けた。
ペリドットたちと別れ、一人ふらふらさまよっていたエイトはブルースターと同じよな雰囲気を漂わせている雌猫を発見した。
ニコニコしながら声をかける。
「やあ!ボク、エアだよぉ。よろしくねぇ。君は................?」
「氷麗。」「ふぅん。氷麗だねぇ。覚えとくよぉ。」
また彼女は歩きだす。もう、何事にも囚われはしないと思っているかのように。
エイトは氷麗の隣に並ぶと、ニコニコ笑いをやめた。彼女はボクと同じだから。って思って。
「君は強い。そうだろう?」ニコニコエアをやめて、本来のエアへと戻る。
氷麗は「・・・・どういう意味?どうかした?」と、否定も肯定もせずに用心深く答える。「もっとフレンドリーになりなよぉ。」ボクはいう。
「ボクとタッグを組まない?」「え?」
「ボクは...........いつかブルースターを消すよ。ペリドットもいつかは消すかもしれない。しょうがないよ、ボクに歯向かったんだから。」
「君は強い。強いし感情に流されにくい。だから、君の野心も叶えてあげれる。どう?」
「・・・・・」
すぐに返事は返ってこなかった。悩んでる?んなことはない。
彼女は強いし、野心家とみた。
ボクが間違っていることなんてありえない。
「ボクはムーンの望んだアカデミーをつくる。それを君が邪魔するのなら、ボクは君を消すよ。絶対に。」
えるねいさん、交流させていただきました!
タッグっていっても友達みたいなもんですw返事はどーでもいいし、無視でけっこうですw
最終編集者 レパードクロー [ Thu Jul 23, 2015 9:49 am ], 編集回数 1 回
レパードクロー- 副長
- 投稿数 : 335
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所在地 : ちゃぶ台帝国にある実家
Re: WARRIORS・ACADEMY 『The brave tree 』
【フロスト・シャイン】
何匹かの猫が学長室の前にいたが、その中をすり抜けてドアの前に立った。重そうな戸を叩く。
「どうぞ。」
ドアは軋むような音をたててあいた。賢そうな光を目にたたえた青灰色の猫がこちらを見る。
「あなたは?」
「フロスト・シャイン、フォレスト族出身です。希望は戦闘技術班。」
静かに、侮られぬよう。ブラッド族でやって行くために必要だったことだ。
ブルースターはただこっちを見ていた。しばらくしてから冷たい、警戒するような声で言った。
「あなた、どこのフォレスト族出身なの?」
私は少し微笑んだ。
「どこだと思います?」
ブルースターは冷たい目で観察するように私を見つめてから言った。
「何故聞いたと思う?」
私はさっきの微笑みを全く変えずに答えた。
「わかりません。フォレスト族はフォレスト族でしょうから。それに、ここではどんな部族から来ていても、力があれば平等に扱われると思っていましたし。」
ブルースターは癇に障ったように耳をピクッと動かした。
「そうね。そのとおりよ。」
「失礼します。」
私は笑みを一切崩さずそう一礼すると学長室を出た。
出たところで誰かに話しかけられた。
「君なんて言うの?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どなたか交流お願いします!(言葉変えてもかまいません。)
何匹かの猫が学長室の前にいたが、その中をすり抜けてドアの前に立った。重そうな戸を叩く。
「どうぞ。」
ドアは軋むような音をたててあいた。賢そうな光を目にたたえた青灰色の猫がこちらを見る。
「あなたは?」
「フロスト・シャイン、フォレスト族出身です。希望は戦闘技術班。」
静かに、侮られぬよう。ブラッド族でやって行くために必要だったことだ。
ブルースターはただこっちを見ていた。しばらくしてから冷たい、警戒するような声で言った。
「あなた、どこのフォレスト族出身なの?」
私は少し微笑んだ。
「どこだと思います?」
ブルースターは冷たい目で観察するように私を見つめてから言った。
「何故聞いたと思う?」
私はさっきの微笑みを全く変えずに答えた。
「わかりません。フォレスト族はフォレスト族でしょうから。それに、ここではどんな部族から来ていても、力があれば平等に扱われると思っていましたし。」
ブルースターは癇に障ったように耳をピクッと動かした。
「そうね。そのとおりよ。」
「失礼します。」
私は笑みを一切崩さずそう一礼すると学長室を出た。
出たところで誰かに話しかけられた。
「君なんて言うの?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どなたか交流お願いします!(言葉変えてもかまいません。)
ムーンドロップ- 新入り戦士
- 投稿数 : 77
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所在地 : 宇宙の向こう側
Re: WARRIORS・ACADEMY 『The brave tree 』
つらら
【氷麗】
学長室へ向かおうと、巨大な老木の入口らしきうろのなかに足を踏み入れかける。
その瞬間、にこにこしながら見知らぬ雌猫が話しかけてきた。
「やあ! 僕、エアだよ」
氷麗は彼女に向き直り、突然声をかけられたことに驚きつつも、礼儀正しく会釈しながら、ちらりと彼女の雰囲気を確かめた。
のんびりとした雰囲気を醸し出している、綺麗な猫だ。
だが………なぜだろう、どこか不気味な感じがする。それは雌猫でありながら自分を僕と呼ぶ不自然さのせいだけではない。
氷麗がかすかに警戒したまなざしになると、エアはそれをほどこうとするかのように笑った。
「よろしくね。君は?」
あまりに屈託のない笑顔………
しかも眼だけは笑っていない。やっぱり怪しげな猫だ。 つらら
あくまで悠然とした態度を取りながら、氷麗は答えた。「氷麗よ」
「ふうん。氷麗だね、覚えとくよ」
その口ぶりに氷麗は綺麗な眉をひそめた。
相手を油断させようとしているような妙な馴れ馴れしさが、雨で濡れた毛のように氷麗の心の表面にまとわりついてくる。
さらに警戒しながら、氷麗はついに、これで話は終わりとばかりに背を向けて歩き出した。
あまり関わりたくない、彼女の態度からどうしてかそう感じてしまう。
見かけは美しい猫だ。笑顔が絶えないというのも本来なら美点なのだろう。
でもその笑顔が偽りのそれに見えて、心を許す気になれない。
なぜ自分に話しかけてきたのかわからないが、なにか腹に一物あるなら、彼女に囚われたくはない。
だが、エアは氷麗の隣に並んでついてきた。
氷麗が立ち止まってきっと彼女をを見下ろすと、エアはにこにこした笑みをさっと消した。やっぱりわざと笑顔になっていたようだ。
「君は強い。そうだろう?」
「………どういう意味?」
彼女、何かが変だ。
氷麗は用心深く答える。
「だからどうかしたの?」
「もっとフレンドリーになりなよ。ねえ、僕とタッグを組まない?」
絶対に怪しい。ただ者じゃない。
氷麗のその確信は、次の言葉でほとんど真実へと変わった。
「僕は………いつかブルースターを消すよ。ペリドットもいつかは消すかもしれない。
しょうがないよ、ボクに歯向かったんだから」
氷麗はあっけにとられて雌猫を見つめた。
………彼女、いったい………?
「君は強い。強いし感情に流されにくい。だから、君の野心も叶えてあげれる。どう?」
どうと問われても───。
氷麗は一瞬、絶句してしまった。
いきなり物騒な話を持ち出してきたこの猫に、なんと返せばいいのかわからない。
会って早々に、これから入る学術組織のリーダーを消すだとか、自分に歯向かったからだれかを消すだとか、そんな話を振ってくるなんて。
それに、「自分に歯向かったのだからしょうがない」………?
だが彼女の異様な色の瞳には────自分の容貌だってあまり人のことを言えたものではないけれど───何か確信のようなものがある。
自分が間違うことなどありえない、と言うような。
やっぱり、彼女、とても普通の猫とは思えない。
エアは真顔で言った。
「ボクはムーンの望んだアカデミーをつくる。それを君が邪魔するのなら、ボクは君を消すよ。絶対に」
………とうとう、彼女の中で氷麗を脅す段階まで話が進んでしまったようだ。
その瞬間、氷麗の心はすっと、氷のように冷えた。
せっかく来られた、自由な世界。
学長のブルースターが手を差し伸べてくれなければ、氷麗はきっと今でも、
自分の運命を自分で描ける………そんなわくわくした思いを抱くことなんてなかった。
ここがどんな場所だとしても、氷麗は恩を感じている。
ただ、ここで学ばせてもらえればいい。
エアの言う通り、確かに氷麗は自分に野心があることに薄々気がついている。
でも、氷麗にとっては理想郷のようなこの世界を壊すつもりでいるらしい猫と、親しくするなんて───絶対にできない。
氷麗はきちんと向き直り、優しくほほえんだ。きっぱりとした拒絶のほほえみだ。
「なんだか、話し慣れているみたいね。こういう言葉を、ほかの猫にもかけてきたんでしょう?」
「まあね」
エアはまたけろりと笑ったが、氷麗が彼女に対して取る態度を決めたことに感づいたらしい。
氷麗は金色のイヤリングを揺らしながら目の前の巨木を見上げ、それからエアに目を戻した。
本来なら、無下に相手の申し出をはねつけたり、喧嘩を売ったりするような馬鹿は避けたかった。
相手の関心をひくし、こちらへの好意とも殺意ともとりかねない感情をますますあおってしまいかねない。
でもこの猫に対しては、取り繕ったところで無駄だろう。それに性格的にあっさりしてはいなさそうだ。
でなければ、殺害予告を他人にこぼしたりするだろうか………?
氷麗は深く息を吸い、エアをまっすぐ見つめて言った。
「エア、気持ちだけはありがたく受け取るわ。でも私、今のところはここで平和に学ぶことができるのならそれでいいの。
同い年のあなたがなにを成し遂げようとしているのか………全然わからないけれど、
私はあなたに敵意はないし、逆に敵意を持たれる筋合いだってないはず。
でも私も、ここでの暮らしを乱されるようなら、それなりにいやな思いはするし、そうなるとあまり黙ってはいられないかもしれない。
私は、自分の平穏を乱されるのがきらいよ」
エアが目を見開く。
この穏やかな口調で宣戦布告し返されるとは思っていなかったのだろう。
氷麗は軽く会釈して、エアのもとから去った。
なんだか、面倒なことに巻き込まれた───否、自ら関わってしまった───ような気がする。
でも黙ってはいられなかった。
ムーンの望んだアカデミー………?
ここには貴族階級の子たちも来ているから、きっとそれぞれに、それなりの一族の確執があるのだろう。
けれど、無関係の氷麗がそれに巻き込まれなければならないはずがない。
氷麗はたしかによそ者だが、アカデミーは貴族の子たちの私物ではない気がする。
氷麗の望みは、ただ教授たちのもとで学ぶこと、それに、同じことを望んでいる仲間を見つけることくらいだ。
エアのいうムーンがなにを望んだのかわからないけれど、氷麗のささやかな望みを阻まれなくてはならない筋合いはない。
アカデミーには、なにか思想をめぐる波乱が渦巻いているみたいだ。
氷麗はため息をついた。
私はできればどちらの側にもつきたくないのだけれど。
厄介なことになりそうだから、エアの敵にも味方にもなりたくない。
でも、もしもここでの念願の学びの日々を乱されるようなら───
そのときは、たとえ望んではいなくても、
しかるべき手段での対抗を………エアの「邪魔」をするほかない。
レパードクローさん、ごめんなさい。
私自身にエアへの悪意はないつもりですが、不愉快な思いをさせてしまったようでしたら、書き改めさせていただきます。
他の皆さんに能動的に交流しに行けず申し訳ありません………!
また、樹の構造をいまいち把握できずにいるのですが、学長室やこのあと行くべき場所はどこなのでしょう………?
Re: WARRIORS・ACADEMY 『The brave tree 』
【ターミガンビート】
少し前をちらちら羽ばたくサファイヤ色の羽に目をやる。
この蝶はどこか頼りない。派遣された蝶の中でもかなりの新入りと言えるだろう。
ヴァニッシュ族のことも知らず、自分にも怯える素振りを見せない。
きっとお転婆で無邪気で愚かなのだろう。
「もう、早くしないと遅れちゃう!このボート不良品だべ!」
なぜか方言混じりに喋るこの蝶はひどく焦っていた。
「でも、まだ時間はあるだろう?」
「そうだけど、これ初めての任務だから!失敗は許されないんよ!」
そもそも遅れたのはこの蝶が迷子になって迎えるのが遅れたからではなかったか。
もう失敗しているも同然だろう、なんて、野暮なツッコミをするのも面倒くさい。
「……青藍?」
「なんね?」
「アカデミーでは、どんなことをするんだい?」
「そりゃあもういろいろよ」青藍は少し落ち着き、ボートの端っこにちょこんと止まった。
「戦いや狩りの練習したり、治療とか勉強したり、音楽やったりね」
戦いや看護などは正直やりたくない。
手馴れていることを変に追及されたくないのだ。
その点、音楽などは楽しそうだ。
いや。ターミガンは頭を振った。
楽しそうだ、などと、俗なことを考えるべきではない。
自分はここに、使命をもってやってきたのだから。
「演奏班の音楽は名物よ!仕事中でもついついふらっとそっちに行っちゃうんよ」それはいかがなものか。
ターミガンはまた話を変えた。
「ここの生徒って、どうやって決められるか知ってるかい?」
青藍はぴくりと触覚を動かした。
「知るわけないべ。寧ろ教えて欲しいくらいよ」
もとよりこの若い蝶の娘に期待などしていない。少しもがっかりしなかった。
ボートが止まる。
岸の向こうは森だった。広大な森に三つ、剣を突き立てたかのように一際大きな木が並んでいる。
「ここをまっすぐ歩けばすぐよ。お待ちかねのアカデミーといよいよご対面!」
この蝶は、入学生よりもはしゃいでいることに気がついているのだろうか。
つくづく騒がしいやつだ。
「この先は一人でも大丈夫?」
「ああ、ありがとう。楽しかったよ、青藍」
作り笑いを浮かべると、青藍はその美しい羽をぱたぱたと嬉しそうに羽ばたかせて去っていった。
「やった!初めての外任務成功!」甲高い声を響かせて。
今日からここが、自分のターゲットだ。
今からは、どんな失敗だって許されない。
やり遂げてみせる。……必ず。
出遅れてしまいました…
誰か交流して下さると嬉しいです…
少し前をちらちら羽ばたくサファイヤ色の羽に目をやる。
この蝶はどこか頼りない。派遣された蝶の中でもかなりの新入りと言えるだろう。
ヴァニッシュ族のことも知らず、自分にも怯える素振りを見せない。
きっとお転婆で無邪気で愚かなのだろう。
「もう、早くしないと遅れちゃう!このボート不良品だべ!」
なぜか方言混じりに喋るこの蝶はひどく焦っていた。
「でも、まだ時間はあるだろう?」
「そうだけど、これ初めての任務だから!失敗は許されないんよ!」
そもそも遅れたのはこの蝶が迷子になって迎えるのが遅れたからではなかったか。
もう失敗しているも同然だろう、なんて、野暮なツッコミをするのも面倒くさい。
「……青藍?」
「なんね?」
「アカデミーでは、どんなことをするんだい?」
「そりゃあもういろいろよ」青藍は少し落ち着き、ボートの端っこにちょこんと止まった。
「戦いや狩りの練習したり、治療とか勉強したり、音楽やったりね」
戦いや看護などは正直やりたくない。
手馴れていることを変に追及されたくないのだ。
その点、音楽などは楽しそうだ。
いや。ターミガンは頭を振った。
楽しそうだ、などと、俗なことを考えるべきではない。
自分はここに、使命をもってやってきたのだから。
「演奏班の音楽は名物よ!仕事中でもついついふらっとそっちに行っちゃうんよ」それはいかがなものか。
ターミガンはまた話を変えた。
「ここの生徒って、どうやって決められるか知ってるかい?」
青藍はぴくりと触覚を動かした。
「知るわけないべ。寧ろ教えて欲しいくらいよ」
もとよりこの若い蝶の娘に期待などしていない。少しもがっかりしなかった。
ボートが止まる。
岸の向こうは森だった。広大な森に三つ、剣を突き立てたかのように一際大きな木が並んでいる。
「ここをまっすぐ歩けばすぐよ。お待ちかねのアカデミーといよいよご対面!」
この蝶は、入学生よりもはしゃいでいることに気がついているのだろうか。
つくづく騒がしいやつだ。
「この先は一人でも大丈夫?」
「ああ、ありがとう。楽しかったよ、青藍」
作り笑いを浮かべると、青藍はその美しい羽をぱたぱたと嬉しそうに羽ばたかせて去っていった。
「やった!初めての外任務成功!」甲高い声を響かせて。
今日からここが、自分のターゲットだ。
今からは、どんな失敗だって許されない。
やり遂げてみせる。……必ず。
出遅れてしまいました…
誰か交流して下さると嬉しいです…
フラワリングハート@ふらわり- 年長戦士
- 投稿数 : 111
Join date : 2015/05/16
所在地 : 窒素
Re: WARRIORS・ACADEMY 『The brave tree 』
つらら
氷麗
エアの不気味な言葉を聞いた後、すぐに当のブルースターに会うのは何だかためらわれる気がして、氷麗は巨木の苔むした根のひとつに青灰色の体を横たえ、しばらく毛づくろいをしていた。
ピンク色の舌で丹念に、丹念に整える。
雌猫たるもの、人前に出るときもそうでない時も、外見には常に気を遣わなくては。
新しいボートが着岸した音がしたのでそちらをみると、しなやかな黒猫が島に降り立つところだった。
サファイヤ色の美しい蝶と別れのあいさつを交わしている。
漆黒の毛に走っているからこそいっそう目立つ耳の後ろの金色のラインが、氷麗の目をふと惹く。
………いや、惹かれたのは、雄猫の悠然とした物腰になのかもしれない。
学長室に行こうとしてやって来た彼が、根っこの上にいた氷麗とふと目を合わせる。
暗い火のような錆色の目だ。
そのまま逸らしづらくなり、氷麗は儀礼的ににこりとほほえんだ。「こんにちは」
「こんにちは」黒い雄猫も落ち着き払って返す。目に穏やかな光が浮かんでいる。
「お嬢さん、そんなところでいったい何を?」
「旅の疲れをいやしていたの。木漏れ日が気持ちよかったから」
高いところから見降ろし続けると失礼になる。氷麗は飛び降り、雄猫の前に立って太いしっぽをゆらりと揺らした。
「氷麗よ」
「ターミガンビートだ」
挨拶はそれで終わり。あっさりしているが、あたたかみがないわけではない。
このくらいドライなほうが、氷麗には心地よい。
「学長室で入学届けを出した後、何をすればいいかご存知?」
「さあ………」雄猫はからだにしっぽを巻きつけながら答える。
「あいにく俺は役に立てない。良かったら二人でだれか教授に聞きに行こうか」
穏やかな好青年だ。氷麗は微笑み、彼の隣に立って島を見渡す。だれか教授はいないだろうか。
「あ」ターミガンが声を上げる。
視線の先では、薄黄色のオッドアイの雌猫が、紺色の目をした白い毛皮の教授と一緒に、どこからか出てきたところだった。
ふらわりさん交流させていただきました!
光鈴さんを巻き込んでしまうような形で終わってしまいますが、おふたかたのお好きなようになさっていただいて構いません。ごめんなさいね^^;
Re: WARRIORS・ACADEMY 『The brave tree 』
遅くなってごめんなさい。それとまた、入れてください。
【名前】 オウヴァキャスト (曇り) キャスト、とでも呼んで下さい。
【性別】 ♂
【容姿】 こげ茶色の毛に黒の豹柄がある引き締まった体の雄猫。瞳は鋭い薄灰色で、その目の色から名前がついた。鉤爪が鋭く、とても長く、耳の端がちょっと切れている。雄にしては細く弱々しく見えるが、その体はとても硬い。形の良い三角形の顔は以外と人気。
【性格】 雌猫との関わりが苦手というか雌猫嫌い。冷淡で相手の傷つくような言葉を容赦無く発する。自分の立場など気にしない。ただ自分の道を突き進むだけ、と言い換えれば頑固な奴である。
【希望班】 戦闘技術
【口調】 「俺の周りをうろつくな。その顔見ると殴りたくなる」 「……目障りだ」
【名前】 オウヴァキャスト (曇り) キャスト、とでも呼んで下さい。
【性別】 ♂
【容姿】 こげ茶色の毛に黒の豹柄がある引き締まった体の雄猫。瞳は鋭い薄灰色で、その目の色から名前がついた。鉤爪が鋭く、とても長く、耳の端がちょっと切れている。雄にしては細く弱々しく見えるが、その体はとても硬い。形の良い三角形の顔は以外と人気。
【性格】 雌猫との関わりが苦手というか雌猫嫌い。冷淡で相手の傷つくような言葉を容赦無く発する。自分の立場など気にしない。ただ自分の道を突き進むだけ、と言い換えれば頑固な奴である。
【希望班】 戦闘技術
【口調】 「俺の周りをうろつくな。その顔見ると殴りたくなる」 「……目障りだ」
ウィンターリーフ@冬葉- 年長戦士
- 投稿数 : 140
Join date : 2015/06/20
所在地 : 北国
Re: WARRIORS・ACADEMY 『The brave tree 』
名前:コールドフィーリング(冷たい感情)
性別:雌
容姿:黒い縞模様がある猫。足と尻尾が長い。目の色は澄んだ青。
性格:恥ずかしがり屋で、感情表現が苦手。真顔でいる事が多い。だが、明るく前向きな所もあり、誰とでも友達になりやすいタイプ。
昔、親に捨てられたとか。
出身地:ボルケーノ族 火山のふもとに住んでいる一族。
希望班:戦闘技術班
一人称:私 二人称:あなた
同じ奴です(笑)
亀ペースなのでついていけないと思いますが、よろしくお願いいたします(^^;
性別:雌
容姿:黒い縞模様がある猫。足と尻尾が長い。目の色は澄んだ青。
性格:恥ずかしがり屋で、感情表現が苦手。真顔でいる事が多い。だが、明るく前向きな所もあり、誰とでも友達になりやすいタイプ。
昔、親に捨てられたとか。
出身地:ボルケーノ族 火山のふもとに住んでいる一族。
希望班:戦闘技術班
一人称:私 二人称:あなた
同じ奴です(笑)
亀ペースなのでついていけないと思いますが、よろしくお願いいたします(^^;
ホワイトクラウド@しろくも- 未登録ユーザー
Re: WARRIORS・ACADEMY 『The brave tree 』
えるけいさんへ>説明が遅れてすみませんでした。樹の構造などを1ページにある説明文に書きました。
そしてこのあとは学長室にいって生徒手帳などをもらい、大ホールにて朝食をとってください。
そしてこのあとは学長室にいって生徒手帳などをもらい、大ホールにて朝食をとってください。
レパードクロー- 副長
- 投稿数 : 335
Join date : 2015/05/17
所在地 : ちゃぶ台帝国にある実家
Re: WARRIORS・ACADEMY 『The brave tree 』
久々に帰ってきましたw
〈アメシスト・クレッセント・スターライト〉
「えっと・・・」
エフォート・ウエイトという子とは別れたし、クレッセントは一人、学長室前に来ていた。
「入ってもいいのよね・・・?」
コンコンと学長室のドアをノックしてみる。
「おはいり」
中から、・・・たぶん学長であろう・・・声がした。
「失礼いたします。」
そう言って学長室に足を踏み入れる。
「私はブルースター。学長よ。」
「よろしくお願いいたします。」
丁寧に挨拶をする。
「さっそくだけれど・・・。書いてきていただいたはずのあなたの資料、見せていただけるかしら?」
「はい。」
書いてきた数枚の資料をわたす。
「名前はアメシスト・クレッセント・スターライトね。間違いない?」
「はい、間違いありません。」
「あなた、希望の班は?」
「看護班に入りたいと思っています。」
「そう・・・。」
ブルースターは急に目を細め、こう聞いてきた。
「演奏班に、興味はない?」
まさか、そうくるとは。
「あります。私は、楽器を弾くこと、音楽を奏でること、聞くこと、歌うこと・・・。とても好きです。初めは、迷いました。でも、私にとって、看護という分野は、得意というだけでなく、生きがいにも感じられる大切なものだと私は考えました。だから私は看護班を希望します。」
「そう。ではそう書いておくわね。」
「・・・出来たわ。これがあなたの生徒手帳よ。大切に持っておいてね。」
「はい。ありがとうございます。」
「では、もういっていいわ。大ホールで朝食をとってね。」
「はい。失礼いたしました。」
学長室を出ると、みんながこっちを向いているのが見えた。
・・・たぶん、もう行ってきたのかと思われているのだろう。
すると、エフォートがこっちに来ていた。
「どうだった?」
「うん、普通よ。生徒手帳、もらえたの。エフォートも行ってきたら?」
「うん、行くつもりだよ。じゃあね!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヒースさん、巻き込んでしまってすみません。
〈アメシスト・クレッセント・スターライト〉
「えっと・・・」
エフォート・ウエイトという子とは別れたし、クレッセントは一人、学長室前に来ていた。
「入ってもいいのよね・・・?」
コンコンと学長室のドアをノックしてみる。
「おはいり」
中から、・・・たぶん学長であろう・・・声がした。
「失礼いたします。」
そう言って学長室に足を踏み入れる。
「私はブルースター。学長よ。」
「よろしくお願いいたします。」
丁寧に挨拶をする。
「さっそくだけれど・・・。書いてきていただいたはずのあなたの資料、見せていただけるかしら?」
「はい。」
書いてきた数枚の資料をわたす。
「名前はアメシスト・クレッセント・スターライトね。間違いない?」
「はい、間違いありません。」
「あなた、希望の班は?」
「看護班に入りたいと思っています。」
「そう・・・。」
ブルースターは急に目を細め、こう聞いてきた。
「演奏班に、興味はない?」
まさか、そうくるとは。
「あります。私は、楽器を弾くこと、音楽を奏でること、聞くこと、歌うこと・・・。とても好きです。初めは、迷いました。でも、私にとって、看護という分野は、得意というだけでなく、生きがいにも感じられる大切なものだと私は考えました。だから私は看護班を希望します。」
「そう。ではそう書いておくわね。」
「・・・出来たわ。これがあなたの生徒手帳よ。大切に持っておいてね。」
「はい。ありがとうございます。」
「では、もういっていいわ。大ホールで朝食をとってね。」
「はい。失礼いたしました。」
学長室を出ると、みんながこっちを向いているのが見えた。
・・・たぶん、もう行ってきたのかと思われているのだろう。
すると、エフォートがこっちに来ていた。
「どうだった?」
「うん、普通よ。生徒手帳、もらえたの。エフォートも行ってきたら?」
「うん、行くつもりだよ。じゃあね!」
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ヒースさん、巻き込んでしまってすみません。
フェザーリーフ@帰ってきました~^^- 未登録ユーザー
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