スイセンの毒(if) 1話完結
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スイセンの毒(if) 1話完結
ナルチャンのifストーリーです。
guest :レングティームーン氏
「やめて・・・近づかないでッ・・・・・・」
ナルシスフェザーは怯えたように叫びながら後ずさっていく。
「私に触れると・・・
死んでしまうから。」
黙り込むレングティームーンの前でナルシスフェザーは目に涙を浮かべながら絞り出すように話す。
「昔からこうなの・・・。私に触れた全ての生き物が目の前で倒れて死ぬ、触れた瞬間にばたっと。親も、ッきょうだいもそれで亡くしたの。」
「それはつら「だから、私には一切近づかないでほしいの。」
「あなたのためなの」
「あなたが・・・あなたが大切だからこそ、私に触れないで、近づかないでほしい。」
レングティームーンの言葉を遮り、ナルシスフェザーは話し続けた。
・・・
始まりはある晴れた春の日だった。
ナルシスフェザー、いや。ナルシスキットは母親と花を摘みにキャンプの川沿いにある小さな花畑に来ていた。
「おかーさん!このお花、なあに?」
「スイセンだわ、すぐに捨てて手を洗ってちょうだい!毒があって危険なのよ。」
母親はぎょっとした顔で子猫に駆け寄った。
ナルシスキットは訳が分からないというように首を傾げる。
「どく?それよりこのお花の蜜、甘くておいしかったんだー!おかーさんものんでみt「何をやっているの・・・!すぐに吐き出しなさい!キャンプに戻って手当てしてもらわないと・・・」
子猫をくわえて看護部屋に運ぼうとした。その時だった。
母親が目の前で口から泡を吹いて倒れたのだ。
子猫はぎょっとしてキャンプの中央部にリスのごとく飛んで帰った。
「だれか!おかーさんが大変なの!だれかきて!」
子猫の叫び声に何事かと年長の猫たちが集まってくる。看護猫も選り分けていた薬草を放り投げながら向かってくる。
その猫達を連れて母親のもとへ集まるが、既に息絶えていた。
親を失った悲しさに泣きじゃくる子猫をなんとかなだめようと、彼女の姉が子猫の肩に触れた。
姉も母親と同じように、泡を吹いて倒れた。
幼い子猫は泣くのも忘れ、呆然とその場に立っていた。
周りの猫たちも訳が分からない、と言うように顔を見合わせた。
中にはお前のせいか、というように子猫の方を睨む猫もいた。
やめなさいよ、と小声でなだめる声が聞こえる。
まだ幼い子猫はその場の空気に耐えられなかったのであろう、キャンプの出口に向かって駆け出した。数人が後を追う。
・・・
「ナルシスキット、止まりなさい」
声をかけたのは副長だった。
ナルシスキットはぎょっとして立ち止まり、数歩後ずさった。
着いてきた猫たちが続々と到着し、2匹の周りをがっちりと取り囲んだ。
「きっと、他に理由があるんだ。君は悪くないよ。」
威圧的に周りを取り囲む猫たちには見向きもせず、幼いナルシスキットだけに優しく語りかけるように副長は続けた。
「さあ、キャンプに戻って。お母さんやお姉さんとお別れをしなくてはいけないからね。」
そう言って副長がナルシスキットをくわえ、連れ戻そうとした時だった。
副長も泡を吹いて倒れた。
あの子猫は危険だ、と誰かが叫ぶよりも早くナルシスキットは駆け出した。
数匹の猫が後を追いかけるが、溶け残った雪が真っ白な子猫の身を隠してすぐに姿が見えなくなってしまった。
・・・
その後の部族の様子は分からない。
ただ一心に、誰にも出会わないように遠くへと逃げてきたのだから。
・・・
子猫はすっかり成長し、一人前の成猫となった。
時には自分で命名式のまねごとをして名前を変え、時には自分の能力で狩りをして飢えを凌いだ。
そんなある日、ついにナルシスフェザーは猫と出会っt
「待って。」
今まで黙って話を聞いていたレングティームーンが遮った。
「あなたのためなら、死んでも構わないの。私もそれくらいあなたのことが大切なの。あなたの手で死ねるのなら、それが一番幸せなの。」
そう言ってレングティームーンはナルシスフェザーの顔に手を這わせた。
レングティームーンは生きていた。
guest :レングティームーン氏
「やめて・・・近づかないでッ・・・・・・」
ナルシスフェザーは怯えたように叫びながら後ずさっていく。
「私に触れると・・・
死んでしまうから。」
黙り込むレングティームーンの前でナルシスフェザーは目に涙を浮かべながら絞り出すように話す。
「昔からこうなの・・・。私に触れた全ての生き物が目の前で倒れて死ぬ、触れた瞬間にばたっと。親も、ッきょうだいもそれで亡くしたの。」
「それはつら「だから、私には一切近づかないでほしいの。」
「あなたのためなの」
「あなたが・・・あなたが大切だからこそ、私に触れないで、近づかないでほしい。」
レングティームーンの言葉を遮り、ナルシスフェザーは話し続けた。
・・・
始まりはある晴れた春の日だった。
ナルシスフェザー、いや。ナルシスキットは母親と花を摘みにキャンプの川沿いにある小さな花畑に来ていた。
「おかーさん!このお花、なあに?」
「スイセンだわ、すぐに捨てて手を洗ってちょうだい!毒があって危険なのよ。」
母親はぎょっとした顔で子猫に駆け寄った。
ナルシスキットは訳が分からないというように首を傾げる。
「どく?それよりこのお花の蜜、甘くておいしかったんだー!おかーさんものんでみt「何をやっているの・・・!すぐに吐き出しなさい!キャンプに戻って手当てしてもらわないと・・・」
子猫をくわえて看護部屋に運ぼうとした。その時だった。
母親が目の前で口から泡を吹いて倒れたのだ。
子猫はぎょっとしてキャンプの中央部にリスのごとく飛んで帰った。
「だれか!おかーさんが大変なの!だれかきて!」
子猫の叫び声に何事かと年長の猫たちが集まってくる。看護猫も選り分けていた薬草を放り投げながら向かってくる。
その猫達を連れて母親のもとへ集まるが、既に息絶えていた。
親を失った悲しさに泣きじゃくる子猫をなんとかなだめようと、彼女の姉が子猫の肩に触れた。
姉も母親と同じように、泡を吹いて倒れた。
幼い子猫は泣くのも忘れ、呆然とその場に立っていた。
周りの猫たちも訳が分からない、と言うように顔を見合わせた。
中にはお前のせいか、というように子猫の方を睨む猫もいた。
やめなさいよ、と小声でなだめる声が聞こえる。
まだ幼い子猫はその場の空気に耐えられなかったのであろう、キャンプの出口に向かって駆け出した。数人が後を追う。
・・・
「ナルシスキット、止まりなさい」
声をかけたのは副長だった。
ナルシスキットはぎょっとして立ち止まり、数歩後ずさった。
着いてきた猫たちが続々と到着し、2匹の周りをがっちりと取り囲んだ。
「きっと、他に理由があるんだ。君は悪くないよ。」
威圧的に周りを取り囲む猫たちには見向きもせず、幼いナルシスキットだけに優しく語りかけるように副長は続けた。
「さあ、キャンプに戻って。お母さんやお姉さんとお別れをしなくてはいけないからね。」
そう言って副長がナルシスキットをくわえ、連れ戻そうとした時だった。
副長も泡を吹いて倒れた。
あの子猫は危険だ、と誰かが叫ぶよりも早くナルシスキットは駆け出した。
数匹の猫が後を追いかけるが、溶け残った雪が真っ白な子猫の身を隠してすぐに姿が見えなくなってしまった。
・・・
その後の部族の様子は分からない。
ただ一心に、誰にも出会わないように遠くへと逃げてきたのだから。
・・・
子猫はすっかり成長し、一人前の成猫となった。
時には自分で命名式のまねごとをして名前を変え、時には自分の能力で狩りをして飢えを凌いだ。
そんなある日、ついにナルシスフェザーは猫と出会っt
「待って。」
今まで黙って話を聞いていたレングティームーンが遮った。
「あなたのためなら、死んでも構わないの。私もそれくらいあなたのことが大切なの。あなたの手で死ねるのなら、それが一番幸せなの。」
そう言ってレングティームーンはナルシスフェザーの顔に手を這わせた。
レングティームーンは生きていた。
ナルシスフェザー- 年長戦士
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Re: スイセンの毒(if) 1話完結
レングティームーン氏お借り致しました!!!メンヘラぽくなって申し訳ない!!!
ナルシスフェザー- 年長戦士
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