地と、海と、緑と、空と…

[Murre]

猫が勿論主人公ですが、狼や海豚、鳥（どの鳥かはまだ未定）、植物を、それぞれ信仰する猫たちの物語です。
のんびりとですが投稿していきたいと思います。また、イラスト多めになると重います。
是非、楽しんで〜

[Murre]

地図（今回も手描き笑）

[Murre]

各部族のクランマーク（勝手に名前付けた）（しかも格好悪い笑）

“大地”
オオカミを信仰

“海洋”
イルカを信仰

“萬緑”
植物に感謝

“孤高”
ミサゴを信仰

[Murre]

“大地”
族長名→ムーン【月】
見習い名→ソイル【土】
グラウンド（族長）
ダイアウルフムーン【ダイアウルフの月】
目はダイアウルフのような緑で、体は暗闇のように真っ黒な雄猫。口当たりや尻尾がオオカミに似ている。
 
セカンド（副長）
ウォーターフォールクラウド【滝の雲】
薄い水色の目をしている、ふわふわの白い雌猫。オボロヅキミストの母で、ルリアイの連れ合い。
 
ムーンリーフ（看護猫）
オボロヅキミスト【朧月の霧】
淡く霞んだ灰色の雌猫。銀色に近い黄色の目をしている。
 
ウルフ（戦士）
アフォーレステイション【植林】
焦げ茶の縞が入る土色の茶の虎猫。植えられた木のように目だけ緑色の雄猫。最年長のウルフ。弟子はペブルソルト
 
クリサンセマムバッド【菊の蕾】
淡いクリーム色の雌猫。目は黄緑色をしている。ドリフトクラウド、ライムウォーター、エンシャントフォーシルの母親。
 
サンフラワーウインドミル【向日葵風車】
黄色い目に黒と白のぶちを体に持つ雄猫。短い尻尾で、子供のころから自分の尻尾を追いかけてぐるぐる回っていた。子猫によく懐かれる。弟子はポップソイル
 
イェローレイ【黄色の光線】
濃い黄色の目で、濃灰色の体をした雄猫。クリサンセマムバッドの連れ合い。
 
ユラナスファー【天王星毛】
薄い青緑のかかった灰色の毛で、白っぽい緑色の目をした雌猫。
 
ドリフトクラウド【漂う雲】
背中だけ白い、灰色の雄猫。濃い緑色の目をしている。弟子はダウダウンソルト
 
ライムウォーターロック【石灰水岩】
濁った白の体に灰色の縞が入る雌猫。琥珀色の目。
 
エンシャントフォーシル【古代の化石】
灰色と焦げ茶の混ざった色をした虎猫。ヘーゼルの目をした雄猫。
 
ルリアイ【瑠璃の目】
黒っぽい灰色で瑠璃色の目をした雄猫。連れ合いはウォーターフォールクラウド
 
メープルタワー【楓の搭】
暗い赤褐色と焦げ茶、白の三毛猫。灰色の目をしている。
弟子はスキャターダークソイル

[Murre]

ダイアウルフムーン

[Murre]

リトルウルフ（見習い）
セディメンテイションソイル【沈殿土】
足先だけ茶色の黄色い雄猫。深緑色の目をしている。指導者はオボロヅキミスト
 
ペブルソルト【小石土】
最年長リトルウルフで、戦闘より狩りが得意。灰色の斑点模様の入る薄い灰色の雌猫。青い目をしている。指導者はアフォーレステイション
 
ポップソイル【サイダー土】
ペブルソルトの双子の妹で、白い体に水色っぽい斑点が入る。薄い橙色の目で、指導者はサンフラワーウインドミル
 
スキャターダークソイル【散らばった闇の土】
ポインテッド猫で耳崎、口先、手足の先、尻尾の先が黒く、体はベージュの雄猫。ブルーの目をしている。指導者はメープルタワー。母はライムウォーターロックだが、父は不明。噂では浮浪猫とされている。
 
ダヴダウンソルト【ハトの綿羽の土】
黄土色の目をしたほんのり灰色の雌猫。指導者はドリフトクラウド
 
クイーンウルフ（母猫）
ケインパープル【藤紫】
青みのかかった紫色の目を持ったアメリカンショートヘア。ビターブラウンキット【渋い茶色の子猫】とコールキット【石炭子猫】、ハーモニーホワイトキット【調和白の子猫】の母
 
ライトレインスカイ【小降りの空】
淡い虎模様の白と灰色の雌猫。綺麗な水色の目をしている。
 
オールドウルフ（長老）
ライオンメイン【ライオン鬣】
首の周りの毛がライオンのようで、尻尾にふさ毛がある黄土色の雄猫。灰色に近い黄土色の目
 
アストゥロナミクルシャイン【天体の輝き】
紺色の目をした艶のある黒い雌猫。サンフラワーウインドミルの母親
 
デザードペルト【砂漠の毛皮】
尻尾以外砂色で、尻尾は茶色の長毛の雄猫
 
ホワイトタイド【白い潮】
白い数本の縞が背中から腹にかけて入る淡い灰色の雌猫。濃い青の目をしている。

[Murre]

オボロヅキミスト

[Murre]

ウォーターフォールクラウド
使ってみたかった猫メーカーで作った

[Murre]

“海洋”
族長名→オーシャン　見習い名→サンド
シー（族長）
イブニングオーシャン【夕方の海】
明るい橙色の茶寅八割れの雄猫。琥珀色の目をしている。
 
レパードカートゥン【豹の幕】
茶色の背中に黄色の体を持つ琥珀色の目の雄猫。弟子はブロンズサークルサンド
 
サンシェイド【日陰】
黒三毛の雌猫。明るい黄色の目をしている。弟子はウォームサンド
 
シャーク（戦士）
スピンライン【筋を紡ぐ】
体中に黄色の重なり合った線が張り巡らされている黄褐色の雌猫。強い橙色の目をしている。
 
ダイヤモンドファング【ダイヤモンド牙】
”海洋”内で最も硬い牙を持つ茶の虎猫。緑色の目の雄猫。
 
フェイスフルスパロウ【忠実な雀】
模様の色がスズメと同じ色で、鳥を捕らえることが得意な雌猫。広い瞳孔は真っ黒。弟子はライトフェザーサンド
 
ウインドアストゥリッチ【風ダチョウ】
最も脚が速く、逞しい白黒ぶち猫で、まつ毛が長め。桃色のような目をしている雄猫。弟子はオーロラサンド
 
クレーターオーク【火口のオーク】
濃い緑色の目をした黄土色の雄猫。尻尾は赤い。
 
ライトハウスナイト【灯台の夜】
ぼんやりとした黄色の目に真っ黒な雌猫で鉤尻尾。
 
ノーブルダンデライオン【高貴なタンポポ】
首の飾り毛が長く、黄金色。尻尾はタンポポの綿毛のように白い。目は茶色に近いカッパ―。弟子はウォーターサンド
 
シュガーフロスト【砂糖の霜】
クリーム色の毛に白い斑点が入る雌猫。
 
ブロークンポート【壊れた港】
銀色で、頭は船が乗ったように白い雄猫。薄い青の目。弟子はスチームサンド
 
フィアスファング【獰猛な牙】
長い牙を持つ縺れた毛の黒猫。濁った灰色の目をしている雄猫。
 
メルティドロック【溶けた岩】
長毛で泳ぐため、いつも毛が張り付いていて灰色の毛も濡れて濃く見える。紫に近い青の目をしている雄猫。
 
アイビスフェザー【トキの羽】
淡い桃色がかかった白の毛をしていて、橙に近い赤の目をしている雌猫。

[Murre]

イブニングオーシャン
思いっきり日本猫


マァーラーの今日のイラスト投稿率高い

[Murre]

ドルフィンズ（見習い）
ブロンズサークルサンド【青銅丸の砂】
青銅の目をしたグレーの毛をした雄猫。妹はウォームサンド
 
ウォームサンド【暖かい砂】
子猫の頃から体温と熱を見分けることが得意で、生まれた時から今まで平熱が高い雌猫。灰色と白のぶち猫。
 
ライトフェザーサンド【軽い羽の砂】
とても小柄で痩せている雌猫。背中側は汚れた灰色に黒っぽい茶色の斑点が入るが、八割れで腹側は白い。陰ったレモン色の目をしている。
 
オーロラサンド【オーロラ砂】
白いがオーロラ色の光沢をもつ、薄い水色と薄い青緑色の目を持つ雌猫。ライトフェザーサンドの妹だが長毛で、肥えているように見え、体も大きい。
 
ウォーターサンド【水砂】
淡い水色のような灰色をした雄猫。透明に近いアクアの目。
 
スチームストームサンド【蒸気嵐砂】
鼻づらや肉球は常に汗で湿っている濃い灰色の雄猫。足元と尻尾の先は石炭のように黒い。
 
リヴァーサイド（母猫）
インタラプティッドシャドウ【遮られた影】
体前半分が黒く、下半身は灰色の雌猫。シェイドキットとウィロウキットの母親で、ブロークンポートの連れ合い。
 
サターンリング【土星の環】
土星の輪の色で尻尾の下は白い雌猫。クレーターオークの子を身籠っている。
 
ジェイペルト【カケス毛皮】
黄土色と橙、黒と白の毛をし、目は青。耳が聞こえないため、耳を使わなくても仕事ができる保育の仕事をしている。
 
ウェーブ（長老）
クレインウィスカー【鶴ひげ】
年老いてひげが垂れ下がった白と黒の雄猫。
 
レインディアフット【トナカイ脚】
蹄のように足裏だけクリーム色で、全身長毛のくすんだ茶色の雄猫。角のように耳先もクリーム色で、群青の目が陰り、黒に見える。

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サンシェイド

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“萬緑”
族長名→ルート　見習い名→リーフ
ルート（族長）
ダークスノウルート【暗い雪の根】
銀色の体に水色の目を持つ雄猫。見習いはカイトリーフ
 
ステム（副長）
ダイヴスプラッシュ【飛び込みの水しぶき】
脚だけ白い斑点のある青みのかかった灰色の雄猫。弟子はハニーリーフ
 
フラワー（看護猫）
パズルドタイガー【戸惑う虎】
元浮浪猫で、群れを追い出されたところを先代のカミーリャルート【椿の根】に助けられ、部族で暮らすうちにフラワーの仕事に興味を持った。入って来た時の名前はパズルドキット【戸惑う子猫】で、“不死の治療草”（先祖の猫、信仰、感謝する先の部族名の事）も、族長（カミーリャルート）が死んだその日に族長となったシルヴァーハート【銀色の心】に付けられた名前を覆すことが出来なかったため、パズルドは名に残った。
※シルヴァーハートは九生を授かる前に、何者かに殺された。
 
フルート（戦士）
ドライアイススモーク【ドライアイスの煙】
白く長毛の雄猫。冷たい水が好きで、寒い朝に川から上る霧を見るのも好き。明るい青の目。
 
マディーテイル【泥だらけの尻尾】
尻尾は茶色で体は茶、白、きな粉の三毛の雌猫。灰色っぽい目で遠くから見ると何色か分からない。
 
パイントゥランク【松の幹】
錆猫。琥珀色の目をした雌猫。弟子はエイコーンファーリーフ
 
ドラゴンフライテイル【トンボ尻尾】
黒と白の縞尻尾で、体は黒い雄猫。目は蛍光のような緑色。
 
ウィンドチーター【風チーター】
チーター模様でとても足が速い雌猫。ウサギをよく捕える。黄褐色の目をしている。弟子はナイトリーフ
 
インサイドシーウェーブ【内海の波】
皺が寄るような波模様が入る濃い青みがかかった灰色の雄猫。海の色の目をしている。
 
テンシャンストゥリング【緊張弦】
背中に一本張ったような白い線があり、尻尾もその線の色をしている。体は濃いグレーで、鴬色の目をしている。弟子はシューティングスターリーフ
 
ミステリアスブラック【謎の黒】
見る角度によって黄→青の光沢が表れる黒い雄猫。青い目をしている。
 
サマーオレンジウィズアスィックラインド【夏ミカン】
夏ミカンが香る夜に生まれ、夏ミカン色の毛と、ヘタ色の目をしている雌猫。長い名前を気に入っていない。
 
ミックスナッツ【ミックスナッツ】
アーモンド、カシューナッツ、クルミ色がぶちとなって入る雌猫。目は塩のような白い膜のかかった水色。
 
リフレクティドスター【映る星】
背中に白と黄、青の点が疎らに入る黒に近い紺色の雌猫。目は星のような薄い青の目。
 
ダイアゴナルスロープ【斜めの坂】
長い傷跡が右目から左頬にかけて入る鯖虎白猫。陰った琥珀色の目をしている。

[Murre]

ダークスノウルート


右上の穴は、すでに穴あけパンチされていた紙にイラスト描いたから

[Murre]

リーフ（見習い）
カイトリーフ【トビ葉】
長毛で焦げ茶の毛。腹側は白く、羽の形の斑点が数か所に入る雄猫。嘴色の黄色の目。指導者はダークスノウルートで、ダイヴスプラッシュとウィンドチーターの子。
 
ハニーリーフ【ハチミツ葉】
甘い黄色の毛で、クリーム色の虎模様が入る。くっきりとした葉の木の色の目の雌猫。指導者はダイヴスプラッシュ
 
エイコーンファーリーフ【ドングリ毛葉】
ドングリの笠のような毛羽だった頭の毛と首周りの毛、ばさばさの尻尾を持ち、その色は茶色系の灰色。体は艶々した茶色で、暗い琥珀色の目をしている雌猫。指導者はパイントゥランク
 
ナイフリーフ【ナイフ葉】
鋭いかぎ爪で、しょうもない喧嘩で相手を傷つけたことのある問題児の雄猫。ナイフの刃のような輝く銀色で、目は血の赤に近い濃い橙。指導者はウィンドチーター
 
シューティングスターリーフ【流れ星葉】
木々の隙間から流星群が見える日に生まれた、白のそばかすのある黒猫。目は星のような黄色。指導者はテンシャンストゥリング
 
バタフライ（母猫）
ミラーサークルレイク【鏡の丸湖】
口の周りだけ銀色の黒っぽい灰色の雌猫。フェズントキット、チェリーブラッサムズキット、ペイルキットの母で、ドラゴンフライテイルの連れ合い。
 
シャイニングティアドロップ【輝く涙の粒】
両方の目の端に白い丸い模様がある黒白猫。濡れた水色の目で、ダークスノウルートの連れ合い。
 
リリーハート【百合の心】
心優しい白い雌猫。葉や茎のような色の目をしている。クラウンキットの母で、連れ合いは不明。
 
ツリー（長老）
ロープウィスカー【縄ひげ】
ぴんと張ったひげの雄猫。緑色の目のキジトラ猫。

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リリーハート

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“孤高”
族長名→オスプレイ　見習い名→ブルー
ラージスカイ（族長）
シャープケイヴダークオスプレイ【尖った洞窟の闇ミサゴ】
鯖虎猫で、尻尾の先が尖り、黒い。紺色の目をしている雄猫。
 
ネクストスカイ（副長）
イェローファイヤ【黄色の火】
黄色い体に火のようなな橙色の目を持つ雄猫。弟子はベリーブルー
 
クラウド（看護猫）
スパークボイス【火花の声】
どんな時でも弾ける明るさを見せ、絶対に暗くさせない気さくな猫。明るいしょうが色で、琥珀色の目をしている雌猫。
 
ビーク（戦士）
ミントハート【ミントの心】
淡いミント色の毛皮で、明るいオレンジ色の目をした雌猫。
 
ロウオブポプラズ【ポプラ並木】
新緑の目をした白と茶と灰色の三毛の雌猫。弟子はメープルブルー
 
レインボーミスト【虹霧】
虹のような淡さの橙や黄色の体に、緑と青の目をした雌猫。
 
フェイクリーフ【偽物の葉】
落ちていた造花を常に身に付けている、全て暗い色の雌猫。紫が混ざった青の目。弟子はソープバブルブルー
 
スマークサン【にたにた笑う太陽】
口の端が変に上がっている橙色の雄猫。緑色の目をしている。
 
リヴァーロック【川の岩】
川の上流の方の、苔の生えた岩のような猫。苔色の目で、目の周りは茶色い。体は濃灰色で、体の上側は光を浴びたように明るい灰色。弟子はサンダウンブルー
 
ダルスカー【鈍い傷】
体中に傷痕はあるが、殆どが浅い。キジトラ白猫で目は緑色。
 
アイヴィーポンド【ツタの池】
頑固な雄猫。ツタが犇めくように濃い灰の模様が背中や後頭部、尻尾にあり、黒い体。ツタの葉の緑と、池の青の目。弟子はネイビーブルー

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シャープケイヴダークオスプレイ

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プロローグ
遥か昔、侵入の許されぬ生物が我が物顔をして自らの社会を広げる、何万年、何億年も前。
この命持つ惑星地球の誕生日は、荒れていた。
マグマは自らの熱を威張るように押しつけ、海は雲を仲間として力で火を静まらせた。この二力の力は７：３で決定され、海と陸の喧嘩は終息した。
それから広い海は、生命を宿した。
微生物はあれよあれよという間に増え、単細胞だった体は複雑に変化し、種類が増えた。それにしたがい欲も増えてくる。個性を重視した多細胞生物は大陸棚を歩き、いよいよ上陸した。
魚類から、両生類が誕生した。
陸上は、地球の遠い祖先の太陽が情けもなくじりじりと照り付けていた。生物は自らの命を守るため当然のように進化し、固く乾燥した鱗まで持つような爬虫類も誕生した。
次に生物は上を見上げた。陸上には種類が増え、同じ環境を欲しがる仲間から離れたくなった。その者達は、当たり前のように風に吹かれて揺れている木の幹に登り、飛び立った。腕には膜が付き、最終的には羽毛に覆われた翼が付いた。鳥類が出現した。
鳥類が出現する理由になった種類の増加は、魚類たちと異なった形に進化していた水中の哺乳類が上陸し、多様な種類になり、それぞれが自分に合う環境を求め広がっていったからだ。
四足歩行の動物も進化し、猫が誕生した。
俊敏で柔らかく、バランスの良い骨格をした猫は、様々な環境に適応し、生存率を上げるため、少数からではあったが群れを作り始めた。
もう、地球誕生からゆうに数億年は経ていた。



この流れはマァーラーオリジナルなので、事実とは異なります

[Murre]

ミントハート

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出てくる用語
桃色の花　春
青々とした葉　夏
金色の紅葉　秋
寒々とした輝き　冬
侵入の許されぬ生物　人間
デンジャラス　グリーンコフ（病気名）

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第一章　前半　”大地”
「この土地には、四つの部族が生息し始めた。それぞれの生物を象徴、生きがいとし、それらの魂が住むのにぴったりな場所だったからね。」
「“大地”の化身、オオカミは、噴火により病気を治す薬草が枯れ、死に絶えそうだった猫を救った。自らの緑色の炎が宿る目を与え、乾燥させ、一族で平等に分け、粉末を飲むといい、と助言した。血を流したオオカミは雪と火山灰の混ざった物質の上を、風のように走り去った。”大地”の先祖の猫は全員命救われ、子孫に、オオカミに感謝するように、と伝えた。」
「”海洋”の守り神、イルカは噴火により塞がれ、水が飲めなく魚が獲れなく飢え死にしそうだった猫を救った。海から崖の高さ分跳ね、枯れてしまった川を水なしで遡った。たちまち川の水は生き返り、イルカの特殊な声に魚が引き寄せられた。イルカは立ち去る際に滝から落ちて死んでしまった。助かった猫達は、イルカは魂終わっても生き続けると信じ、彼らは海の遠い沖から自分達を守っている、とシンボルをイルカにすることを定めた」
「噴火の影響は”萬緑”にも及んだ。灰を被った木の呼吸は苦しくなり、木で安定の食料を得ていた小動物も死んでいった。飢えによる病の蔓延に小さな白い星型の花が咲いた。その蜜を舐めた者の咳は収まり、その香りを嗅いだものの鼻詰まりは無くなった。花の花粉を付けた部分の痛みは消え、五枚しかない花びらの一枚でも食べた者の体の内部の悪い病が取り除かれた。子孫を残さず、一厘で消滅した花に猫は感謝し、再びその力を借りたいとの願いも含め、全ての植物に感謝するようになった。彼らの決まりには、一日に採る植物の量や、立ち入って良い場所の制限など、あの花に授かった命を他の植物に返せよう、様々な工夫が盛り込まれている」
「噴火の火山灰を被った”孤高”は、狩場を失った。空は薄けて汚れ、草原の草はべたつく灰に占領された。ただでさえ数が少なく痩せている猫の生活は、一層厳しくなった。猫達は隕石衝突の名残のクレーターで暮らした。空を舞うものは不審に思った。いつもの黒い点ほどの塊が、クレーター内で過ごしている、と。ミサゴを先頭とした島の集団は高度から急降下し、自らの命を猫に渡した。彼らの血や肉は猫の体を逞しくさせ、びっしりと生えた羽根は不思議な力を持っていた。当時のラージスカイが羽根を空中に向け一振りすると、全部族を悩ませていた火山灰は一掃され、重くなった一本の羽根だけが残った。”孤高”の者達は命まで捧げた鳥を祀り、特にミサゴを手厚く守った。伝説のミサゴの羽根は既に劣化し土に還ったとされ、今実際にあるのかどうかもわからない…」

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第１章       後半　“大地”
ダイアウルフムーンは、グラウンド中心に代々伝わる部族の成り立ちを子猫に聴かせた。ケインパープルの子達は真剣に話を聴き、最後には「はっ」と声を漏らした。グラウンドは無邪気さを受け止め、微笑した。
「さあ、寝る時間だろう？」
「いや！まだ聞く！”大地”の詳しい話して！」
一番大きなビターブラウンキットが他の子を押しながらせがんだ。ダイアウルフムーンは緑色の目を光らせ、母猫に子猫を押した。
「明日、また来るよ」
グラウンドの申し出に、ケインパープルは恐れ多いと頭を下げたが、遊び盛りの子猫はそんなの関係なしだ。
「やったあ！絶対来てね！」
「ありがとうございます」
子猫と母猫の言葉に尻尾で応え、何世代をも超えて使われて硬くなったイバラのクイーンルームを振り返る。”大地”にはもっとウルフが必要だ。そのためにはリトルウルフが必要だ。だが、子猫はまだ数か月も待たないとリトルウルフの訓練を受けられない。
この寒々とした輝きは、史上最悪だろうと考える。
ダイアウルフムーンは異常に雪の多い山を見、足元に目を戻す。感覚は、とくのとうに桃色の花なのに、寒さはまだ周辺に留まり、口笛を吹いている。デンジャラスはキャンプを虫食み、今や半分のウルフは寝込んでいる。ムーンリーフも、リトルムーンウルフも、いつ病に倒れるか分からない。
病からどうにか立ち直ったさっきの子猫達の顔を思い出し、してやった話を頭の中で回す。
今こそ、オオカミが現れ、絶大なる薬をもたらしてくれないか、と雪雲に覆われた空をはっと見上げた。

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第2章　“海洋”
レパードカートゥンはシーを見た。シーはキャンプの小高い泥の山からじっと、川の支流を眺めている。この現実から少しでも目を背けていたいのだろうか。
リヴァーはそっと声を掛けた。
「イブニングオーシャン、“萬緑”に…」
「嫌だ！」
胆汁を舐めさせられたドルフィンズのような反応を、シーはした。琥珀色の目はつり上がり、肩は大きく上下している。彼も大分歳だ。それにこの病の蔓延ときたら、身体に応えるのだろう。それにしてもプライドが高い。
「シー、シーは私が子猫の時、いや、全戦士が子猫の時、話してくださったでしょう？全部族の、信仰先の基」
シーは目を背けた。話を続けて良いの合図だと読み取り、自分の意を伝える。
「”萬緑”には、白い星型の花が咲きました。自分達も植物に感謝すれば、花の庇護を受けられるのではないでしょうか」
「レパードカートゥン、俺はその話をするとき、お前に植物の信仰心ではなく、イルカへの信仰心を教えたはずだが？」
琥珀色の目に、一族の前で見せる海のような穏やかさは、無かった。
「では、シーはイルカが再び滝登りすることを望むのですか？イルカは話の中では、餓死を食い止めただけで、病を治してはくれませんでした。私の記憶が正しければ…」
「イルカを侮辱するな！」
シーは歯を剥いた。私はそれに応えず、シーの燃え上がる炎を消せるくらい冷たい氷を、目に浮かび上がらせた。
「いいえ、イルカを侮辱しているのではありません。私は、四部族結合の案を、提案しているのです」
「四部族結合して何になる！お前はシーに歯向かっているのだぞ！」
縞尻尾は激しく振り動かされている。私は応えない。
「ええ、分かっています。ただ、もう良い時期かと思いまして」
イブニングオーシャンの目に、さっと恐怖が横切ったのは、俺の思い込みだろうか？
寒く、異常に長い寒々とした輝き。川の方のキャンプには私とシーだけで、他の猫は狩りかパトロールに出払っているか、森川の部屋に籠っている。何せ、一族に仕事の指示を出したのは、私自身なのだから…。
「シー、このことを知る者は誰も居ません。だって、キャンプは広い…。シーの声も、聞こえていなかったのですよ。」
私はちょいと尻尾を振り、海の輝きを火花のように尻尾の先から出した。琥珀色の目に理解と恐怖が広がる……。
シーはイルカの仲間になった。

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第３章　“萬緑”
「ここも駄目だ…」
虎猫は定位置に積もった雪を掘り返し、肩を落とした。足元には黒ずみ、萎びた小さな植物があり、雪の重みに押し花状態になっている。
「カミーリャルート、“不治の治療草”、”萬緑”内では酷い病が蔓延しています。どうか、伝説の星の花を、我々にお与えください」
パズルドタイガーは自らを救った元ルートと遥か昔の、感謝してもしきれないほど偉大な先祖の猫に呼び掛けた。呼び掛けた先の木々は、枝にこんもりと積もった雪を振り落とすように震え、フラワーの花の上に雪を散らした。
「そうですよね…。たかが一フラワーの願いを、それも元浮浪猫の、願いを、聞き入れてくださるはずもない」
やられたイヌハッカを見下ろしながら、橙色の虎猫は呟いた。
パズルドタイガーは本来夢のような香りを放つはずの植物の周りを少しでも多く掘り、寒々とした輝きがは早く終わることへ願いを変えた。
せめてもの希望で、フラワーは他の場所も周った。森を縄張りに持つ広い”萬緑”なら、一か所はデンジャラスに効く薬草が生えているかもしれないと考えたからだ。
 
イチョウの木囲いの中の窪んだ場所に形成されたキャンプから、寒々とした輝きの終わりを告げていてほしい、雲一つない空色が広がっていた。空色に水滴の煙が広がった。
パズルドタイガーの口から吐かれた息は、昼時であるのにもかかわらず白くなった。しかも、その口に咥えられた薬草には、イヌハッカのイの字も無い。
「パズルドタイガー、リリーハートが咳をしているの。クラウンキットは高熱で…」
チーター模様をした雌猫が、バタフライルームを尻尾で指した。
「ウィンドチーター、ありがとう。二匹は動けそうかい？」
ウィンドチーターは首を振った。
「分かった。母猫は全員デンジャラスにやられている。次から症状が出た者はバタフライルームに入ってもらおう」
雌猫は頷き、場を離れた。彼女が向かった先に弟子はいない。彼女の弟子もまた、デンジャラスの餌食となっていた。
「リリーハート」
パズルドタイガーはバタフライルームのイバラの穴を余裕で通り、母猫に呼び掛けた。彼も母猫も子猫も肋骨が浮き出、どの穴でも通り抜けられるくらい痩せ細っていた。
「ヨモギギクを…」
フラワーは悲しく首を振った。

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