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星猫 ~天王星の恋の葛藤~

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投稿 by ファイヤウィング Thu Sep 15, 2022 5:31 pm

ファイヤウィングです。ヨ・ロ・シ・ク☆
また新しい小説を作ってしまった・・・
まだ一章も描いてないので続くかわかりませんがよろしくおねがいします。

主猫
スカーレットユラナス(緋色の天王星)♂  戦士
警戒心は強いけど、争いは嫌いというなんか矛盾してる性格。
母にエルダーベリーリーフ(ニワトコの葉)、父にチャフィンチフライト(飛ぶズアオアトリ)、妹にメリリーフェイト(陽気な運命)を持つ。

脇役
ムーンボウ族(月虹族)
族長  レッドスパイダーリリー(彼岸花)♀
副長  スターリースカイ(星空)♀
医者  マーズグレイシャー(火星の氷河)♂
戦士  コメットフォール(落ちる彗星)♀
    ライアーバード(コトドリ)♀
    チャフィンチフライト(飛ぶズアオアトリ)♂
    エルダーベリーリーフ(ニワトコの葉)♀
    メリリーフェイト(陽気な運命)♀
    ミッドナイトサン(白夜)♀
    ピーコックフェザー(孔雀の羽)♂
    スターグリッター(星のきらめき)♀
生徒  ヘイズボウ(もやがかかった虹)♂
    チャコールボウ(炭虹)♀
子猫  マーキュリーキット(水星子猫)♀

ムーンボウ族とは・・・
助け合って行き繋いでいる部族
信仰しているのはレインボー族(虹族)
住んでいるところは水辺。
泳ぎが得意。

名前の被りがあるかもですが、そこはご了承を(~_~Wink
これでも、だいぶ調べたんですよ!エッヘン
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投稿 by ファイヤウィング Fri Sep 16, 2022 6:45 pm

プロローグ
白と黒色の猫は魚と格闘していた。
魚はヌルヌルしていて、爪を立てようとしてもすぐに滑ってしまう。
不意に、猫の頭の中に二匹のメス猫のことが浮かんだ。
一匹は自分が本気で好きな猫。
一匹は自分のことが好きな猫。
猫が考え込むうちに、魚は体をくねらせて水の中に逃げ込んだ。
猫は腹立たしげに頭を振る。
何であいつらのことを考えてしまうのか、と。
猫は考える。
どちらのほうが自分にふさわしいのか、と。
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投稿 by ファイヤウィング Fri Sep 16, 2022 7:06 pm

第一章
「ほら!ねぼすけ!早く起きろ!クラゲにでもなったか?」
くそっ ピーコックフェザーのやつ。
オレがゆっくり休みたいのを知らないのか?
昨日は海まで行ってきて、わざわざお前が食べたいって言ってたヤドカリを取ってきたんだぞ!
「今日はライアーちゃんと狩り行くんだろ?」
ライアーバードか・・・
オレは苦々しく思った。
オレにつきまとう嫌な奴。
でも、あっちはオレのことが好きみたいだ。
そんな猫の友情をはねつけることはできない。
縄張りの集会所に向かうと、ライアーバードが目を輝かせて座っていた。
「あ!きたきたユラナス君!」
全く・・・ピーコックフェザーじゃないんだから下の名前で呼ぶなよな
「今日は族長から海へ行ってくるように言われてるよ。」
オレはこういう・・・元気なやつは苦手なんだよな・・・
って、昨日海行ってきたんですけど!?
「さ、行こっ!」
ライアーバードがウィンクをして走り去る。
ちょ・・・待てっ速い!
ライアーバードは一族の中で一番走るのが速い。
だからって言って、良いわけじゃない。むしろ・・・不便。
浜辺に着くと、砂がサラサラと肉球の間に食い込む。
「先潜ってるね~」
ライアーバードがバシャンと海に飛び込む。
オレ、水よりも陸のほうが好きなんだけどな・・・
ゆっくりと水に足を入れる。
いきなり入るのは心臓に悪い。
すべて水に浸かる。海底の方にウミブドウが見えた。
ネコカキで深く潜る。ウミブドウをできるだけ頬張って水面に浮き上がった。
一旦、浜に上がり、砂の下に新鮮なウミブドウを埋めた。
ライアーバードも一度上がったようだ。
オレのものじゃない肉球の跡がある。
もう一度潜ろう。
あまり魚はいなかったが、アジがなにか黒っぽいものをつついているのが見えた。
勢いをつけて潜る。
帰ったらアイツに食べさせてやろう。
そう思ったが、アジがつついているものの正体がわかり、ぎょっとした。
それは、後ろ足がねじれたチャコールボウだった。

あとがき
この小説、結構自信あります!( ̄ー ̄)ニヤリ
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投稿 by ファイヤウィング Thu Sep 22, 2022 7:44 pm

第二章
オレがライアーバードとチャコールボウを運んでいると、狩りの任務に出ていたスターグリッターがぎょっとした声を上げた。
スターグリッターはオレが好きな猫だ。
もっとも、本猫は気づいていないようだが。
スターグリッターはクールで無口。まさにオレのタイプ。
そんな猫が今、取り乱している。少なくとも、オレにはそう見えた。
「・・・とにかく、一族に伝えてくるわ。」
スターグリッターは有無を言わせぬ口調で集合場所へ駆け出していった。
ライアーバードはちょっとムッとしたような声で言った。
「嫌なやつよね」
いや・・・オレにはお前のほうが嫌なやつに見えるけど・・・
オレは口からぶら下がっているチャコールボウを見た。
ちょっと嫌味なやつだったから、嫌っている猫が多かった。
しかも、後ろ足がねじれていて、首にも傷がある。
後ろ足はサンゴなどに巻き込まれたりしたのかもしれないが、首のキズはそうはいかない。
深く噛みつかれたあとがある。
まさか、チャコールボウを殺したやつがいるのか?
俺たちが住むこの場所に。
もっと犠牲者が出たらどうするんだ?
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投稿 by ファイヤウィング Thu Sep 29, 2022 8:26 pm

第三章
一族がチャコールボウを囲んで頭をたれた。
特に、ヘイズボウ
ヘイズボウは正直で、みんなに好かれているというチャコールボウとは真逆だが、仲が良かったらしい。
獲物置は、獲物でいっぱいだったが、誰も取ろうとはしなかった。
食欲がないのだろう。
族長のレッドスパイダーリリーは、なにかにとりつかれたようにぶつぶつと何かをつぶやいている。
チャコールボウはレッドスパイダーリリーの子だったから、仕方ないだろう。
メリリーフェイトがやってきて、身を押し付けてきた。
「兄ちゃん・・・怖いね」
あまりメリリーフェイトのことを可愛く思っていないが、今は少し気の毒になった。
自分の勘は、当たっているだろうか?
この事件は、猫の仕業ではない気がする。
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投稿 by ファイヤウィング Thu Sep 29, 2022 8:33 pm

第四章
「あ~あ・・・ライアーちゃん、お前に取られちゃった。」
ピーコックフェザーが口をとがらせていった。
おま・・・今言うことか?それ。
オレの親友は全く空気を読めない。
「別に、お前が告っても良いんだぞ」
「おっ?何だ何だ?じゃ、ピーくんがスターちゃんに告っても良いんだね?」
「・・・やめとけ」
やっぱり、ピーコックフェザーとは反りが合わない。
なんでもない話を切り上げ、いつものルートで河口に向かった。
ここではオレの好物が取れる。
水面に見えた黒い影に向かって、オレは前足を伸ばし、放った。
地面でピチピチ跳ねる魚は、サケ。
「あら?あなたもサケ、取りに来たの?」
鈴を鳴らすような声。
スターグリッターがスタスタと歩いてきた。
「・・・サケって、美味しいわよね」
スターグリッターも、サケ好きなのか・・・
オレたちはそのまま昼の時間をサケで潰し、寝床についた。
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投稿 by ファイヤウィング Sat Oct 01, 2022 6:20 pm

第五章
最近、見知らぬ猫がすみかの中を歩き回っているのをよく見かける。
誰かは知らないが、争いが起こる前に立ち去ってくれるといいんだが・・・
オレは大きなサケを獲物置き場からひったくって引きずっていった。
オレはサケしか食べない主義だ。
もし獲物置き場にサケしかない場合は獲ってくる。
まあ、獲物が乏しいときはアジも食べたりするが・・・
空き地の隅に、ピーコックフェザーがどんよりと座っているのが見えた。
オレはピーコックフェザーの分の大きなクジャク(ピーコック)を引きずり、前においてやった。
オレの親友は背中を丸め、うつむいていた。
「コメットフォールに振られたんだ。」
バチン
あの、生徒に毛が生えたようなやつにか?
なんで告ったんだ?
しかも、そんなに落ち込むか?
「ま、そんなに落ち込むなって。本命じゃないだろ?」
ピーコックフェザーの本命は、多分ライアーバードだと思う。
「そうだな。お前も、そろそろライアーバードに告ったらどうだ?」
やっぱこうなったか・・・
「おれは・・・いい」
オレは、どちらに忠誠を尽くす義務があるのだろう。
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投稿 by ファイヤウィング Sat Oct 01, 2022 6:27 pm

第六章
オレはライアーバードとスターグリッターと海に来ていた。
潜ると、おなじみのサンゴ礁が見えた。
あそこなら多く魚が見つかるだろう。
ライアーバードも近くで泳いでいる。
小魚を見つけ、捕まえようとしたとき、オレの足に異変が起こった。
右後ろ足が痛い。動かすと、激痛が走る。
視界が捉えた、にょろりと動く、細長いもの。
ウミヘビだった。
もしかして、チャコールボウを殺したのもウミヘビだったのか?
ウミヘビの毒はムーンボウ族には大したことないが、噛みつく力が強いので、水中で噛まれる猫は、大抵溺れる。
オレの親友だったフィッシュスイム(魚の泳ぎ)も、ウミヘビに噛まれ、亡くなった。
ライアーバードが捕まえた魚を放して、呆然とこちらを見ている。
驚きすぎていて、こちらへ来れそうもない。
その時、オレの首筋を強く引っ張るやつがいた。
そのやつを確認するまもなく、オレは意識を手放すしかなかった。
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投稿 by ファイヤウィング Mon Oct 10, 2022 8:56 am

今更ですが地図

星猫 ~天王星の恋の葛藤~ Dsc_0416
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投稿 by ファイヤウィング Mon Oct 10, 2022 8:02 pm

第七章
医者部屋で、オレは目を覚ました。
ズキズキと痛む後ろ足の傷は、苔とつるで塞がれていた。
「よう、起きたかユラナス。お前が怪我で来るのは始めてだな。」
医者猫のマーズグレイシャーがせっせと薬草を練り合わせる。
「スターグリッターがお前を引きずってきたときにはびっくりしたよ。」
スターグリッター、あいつが・・・
「ま、しばらく後ろ足は動かさないようにしとけ。」
「族長にウミヘビのことを知らせなきゃいけないんだよ!!」
医者に怒鳴るのは間違っているが、興奮していてそれどころではなかった。
勢いよく族長部屋に入ると、レッドスパイダーリリーが目を丸くした。
「オレはウミヘビに噛まれました。チャコールボウも、ウミヘビに噛まれたのではないでしょうか。」
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投稿 by ファイヤウィング Mon Oct 10, 2022 9:27 pm

第八章
族長が考察を始めたようなので、オレは部屋を後にした。
スターグリッターがオレを呼んでいる。
「川を辿っていって。コスモス畑で待ってるわ。」
俺たちの縄張りの近くにある川は一つしかない。
湖が水源のフラワーリヴァーだ。
言われた通りに辿っていくと、コスモスの花がいっぱいに咲いていた。
足が痛くなければ、こんなに時間がかからずに済んだのにな。
コスモス畑の中央の方で白い猫がぽつんと座っている。
スターグリッターだ。
「あ、やっと来たの?スカーレットユラナス。」
オレが足を半分引きずるような形でスターグリッターの方へ行くと、心配したように声をかけてきた。
「足、大丈夫なの?」
「あぁ。」
まだだいぶ痛いけど・・・
話って、何だ?
ライアーバードのことを好きなのはわかってるわ。でも・・・私も好きなの
それが告白の言葉だと気づくのに、数秒かかった。
「オレはライアーバードが好きなわけじゃない」
スターグリッターは少し赤くなって、
「考えといてね」と言った。
考えるまでもない。
だが、素早く川を辿っていってしまった。
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投稿 by ファイヤウィング Mon Oct 10, 2022 9:34 pm

第九章
集合場所に戻ると、尻尾をぐいと引っ張られた。
ピーコックフェザーだ。
オレの扱い、雑じゃね?
コメットフォールに振られたときとはまるで正反対の満面の笑顔で見つられ、その言葉も引っ込んだ。
まさか・・・?
「告った!OKだって!!」
笑顔が弾ける。
「誰に告ったんだ?」
早く相手を言えよ。バカ。
「決まってるだろ!メリリーフェイトだよ!
ふぇ?
なんで?
「優しいし、可愛いよな。メリちゃん」
可愛いか?あと、名前略してんじゃねえか。
「というわけで、じゃ!」
ビュンと走っていってしまった。
速ぇ・・・
そこではっとオレは思い出した。
ライアーバードにどう伝えれば良いんだよ!
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投稿 by ファイヤウィング Sat Oct 15, 2022 6:03 pm

第十章
やっとのことでライアーバードを見つけたときには、もう夜になっていた。
「ライ・・・」
「ユラナスッ!」
岩の上でライアーバードは叫ぶ。
「私、ユラナスにはふさわしくない!」
駆け寄ろうとすると、更にライアーバードが強く言った。
「行って!!」
オレは後退りし、一気に坂を駆け下りる。
オレの寝床のムーンストーンの近くに来ると、スターグリッターがいた。
「あ・・・スカーレットユラナス・・・」
スターグリッターがオレにも見せたことがないほどの眩しい笑顔を見せた。
「一緒に寝てもいいかしら?」
うなずくと、寝床の洞穴に入った。
隣に、スターグリッターがうずくまってくれる。
スターグリッターはオレの毛をリズミカルに舐めながら、言った。
「おやすみ、ユラナス。」
始めてあだ名で呼ばれた瞬間だった。

〈END〉

よくわからないエンドでしたね(汗)
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