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ラベンダー&鈴蘭の友情

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投稿 by ファイヤウィング Mon Oct 03, 2022 8:32 pm

アイディア出てきすぎてうんざりする・・・
また作ってしまいました。
ちょっと一旦闇の支配者のやつと星猫とこの小説を重点的にやるわ。
ということで登場猫紹介

〈Character〉
旅する猫
リリィベル(鈴蘭)♀
友好的で、おとなしい。
ラベンダー畑に住む猫
パープルフラワー(紫色の花)♀
神秘的で謎に包まれた猫
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投稿 by ファイヤウィング Mon Oct 03, 2022 8:34 pm

プロローグ
辺り一面のラベンダーの中、ある猫の姿が映える。
寂しそうに揺れる花を、じっと見つめる猫。
その花の中に、一輪、光るラベンダーがあった。
それがお告げだということに、まだ猫は気づかない。
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投稿 by ファイヤウィング Mon Oct 10, 2022 7:52 pm

作って気づきましたが、これ、かなりの短編小説だと思います・・・
第一章 1月1日 夜
一面に広がるラベンダー畑に、私は思わず声を漏らした。
なんてきれいなんだろう。
旅の途中で、何故か吸い寄せられるようにしてこちらの裏道に来てしまった。
「あら、いらっしゃい。誰かしら?」
きいたことのない、花のような不思議な声。
振り返ると、美しい猫の姿があった。
「私はパープルフラワー。どう?この花畑」
パープルフラワーがニッコリと微笑む。
「私はリリィベルです。・・・この花畑、とってもきれいよ。」
言うと、パープルフラワーは目を開けた。
ラピスラズリのような、光り輝く目。
神秘的なここに、よく似合う。
旅の途中なのだが、なぜだか、ここのとどまっても良い気がした。
「ねえ、悪いんだけど、しばらくここにいさせてもらってもいいかしら?」
そう言うと、コクリと頷いてくれる。
「ずっと、話し相手が欲しかったの。あなたがとどまってくれるって言ってくれて、とっても嬉しいわ」
ここから、ラベンダー畑での、私達の暮らしが始まった。
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投稿 by ファイヤウィング Sun Oct 16, 2022 4:16 pm

第二章 1月2日 朝
パープルフラワーの寝床の横で、私は目覚めた。
日差しが眩しい。
「起きたの?リリィちゃん。」
寝床から這い出ると、パープルフラワーが日差しに負けないほどの眩しい笑顔でこちらを見た。
「来て」
パープルフラワーが歩き出す。
しばらく歩いたところで、花畑が途切れ、森についた。
「ここが、私の食料調達場所よ。」
森と言っても、葉がキラキラと輝き、花が風もないのにゆらゆらと揺れている。
「ここには、果物がたくさんなっているわ。」
クダモノ?ベリーのことかな?
森に入ると、紫色の房がなった木や、ベリーらしきものがなった低木があちこちに生えていた。
「あれはぶどう。あれはいちご。」
ぶどうというものをかいでみると、独特な匂いがした。
かじってみると、甘酸っぱい汁がジュワッと口に広がった。
美味しい!
コレがいつもの食事?
悪くないかもしれないわね!
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投稿 by ファイヤウィング Sat Oct 22, 2022 5:14 pm

第三章 1月2日 昼
私は、ラベンダー畑に戻ってきた。
紫の中に、オレンジっぽい毛皮が見える。
狐だ!
私は本能的に毛を逆立てた。
「じっとしていて。」
静かだがすごみのある声で、パープルフラワーは言う。
そのとたん、バッと駆け出す。
私はラベンダーに身を隠し、いつでも飛び出せるようにスタンバイした。
キツネは、自分に向かっていた猫にぎょっとし、構えた。
パープルフラワーが話し出すと、落ち着いたように座る。
しばらくすると、キツネはパープルフラワーに会釈し、去っていった。
恐る恐る戻ると、パープルフラワーが平然とした様子で言った。
「キツネなんて、しょっちゅう来るわ。言葉も覚えた。」
すごい・・・
「私は、ここのラベンダー畑の守り猫。ここのラベンダー達を、責任を持って護らなければならないの。」
ききたいことがいろいろあったが、パープルフラワーが寂しそうに一輪のラベンダーを撫でたので、なかなか勇気が出ない。
この猫には、もっと過去がある気がする。
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投稿 by ファイヤウィング Sat Oct 22, 2022 5:23 pm

第四章 2月1日 昼
「困ったときはお互い様。ねっ」
私がグレープフルーツを取るのに困っていると、器用に取ってきてくれた。
ふと、埋もれていた疑問が浮かび上がってきた。
「ねぇ、パープルフラワーってなんでここのラベンダー畑を守ってるの?」
パープルフラワーは少し顔を曇らせていった。
「私は六代目。基本は私の子供が七代目になるわ。例外もあるけどね。このラベンダー畑は、私の家系や別の家系が守ってきたわ。
だから、繋いでいくの。コレまでの歴代の猫たちの努力が無駄にならないように。未来につなぐために。母も、このラベンダー畑をアナグマから守ろうとして亡くなったわ。このラベンダー達がどのようなものなのかはわからないけどね。」
聞いてはいけないことを聞いてしまったかしら・・・
「お気の毒に・・・」
「だから、私は毎日見回りに行く。雨がふらなくなったら、近くの川の水を汲んで来たら良いわ」
とても、責任ある立場なのね。
でも、いつかは途絶えてしまいそう。
そうなったら、ここはどうなるのかしら。
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投稿 by ファイヤウィング Mon Oct 24, 2022 10:52 am

第五章 2月2日 昼
パープルフラワーに会ってから、1か月がたった。
「ここのラベンダーって、一年中咲いてるの?」
「ええ、ここで咲いたラベンダーは、一生咲いてるわ。なぜだかはわからないけど。」
最初にここにきて感じた違和感。
それは、冬でも咲いてるラベンダー
花を尻尾でなでると、黄色い花粉が毛についた。
パープルフラワーが、小さなくしゃみを出す。
そんなに不思議な子じゃないのかも。
この神秘的な花畑にいるから、怖く見えるのかも。
もしかしたら、私の前の部族を知っているかもしれない。
私の育ったムーンボウ族を。
「伏せて」
パープルフラワーの合図が聞こえ、さっと身をかがめた。
パープルフラワーが危険を察知したときは、必ず私にじっとしているようにというのだ。
ラベンダー畑に踏み入った危険は・・・
アナグマ
毛が逆立った。
アナグマは荒々しくラベンダーを踏みつぶしながら歩いている。
まるで自分の縄張りだといわんばかりに。
その態度が、パープルフラワーを怒らせたようだった。
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投稿 by ファイヤウィング Mon Oct 24, 2022 11:03 am

第六章 2月2日 昼
パープルフラワーは、肩を怒らせて飛び、アナグマの背に乗った。
アナグマは驚いたように暴れだし、パープルフラワーを乱暴に振り落とす。
勝ち誇ったように踏みつける。ラベンダーが赤く染まるのが、私からも見えた。
怒りが爆発し、走って行って、アナグマの目を思いっきりひっかいた。
再び血が飛び散る。
アナグマは腹立たしそうに首を振り、目を閉じてのしのしと歩き去った。
「リリィベル・・・」
パープルフラワーが息も絶え絶えに言った。
「あなたが次のラベンダーキャットになるのよ。よろしくね・・・」
それが、最後の言葉だった。
どんなにゆすっても、起きない。
どんなに叫んでも、起きてくれない。
私は覚悟を決め、立ち上がる。
「今、レインボー族にいるであろうパープルフラワーへ。私が7代目のラベンダーキャットになります。」
すると、一輪のラベンダーが揺れた。
元気でねと、ため息よりも小さく、かすれた声が聞こえ、それきり、ラベンダーは動かなくなり、声も聞こえなくなった。

〈END〉
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