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森と丘と小川と暗闇の物語~虹の光と星の光~【完結】

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ライトハート
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新しい小説で、何が見たいですか。

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投稿 by ライトハート Thu Apr 07, 2016 10:30 am

森と小川と暗闇の物語


1-4


虹の光と星の光


二つの光が合わさった時、
子猫の能力が目覚め始めようとする。
事件が起き、とある部族と「運命」によって出会ってしまった。


森と丘と小川と暗闇の物語~虹の光と星の光~【完結】 33dxphi





【重要キャラクター】

ラムポー(子羊の足)
灰色っぽい天然パーマの毛皮に緑色の目の雌猫。
生まれたばかりの頃、フォレスト族に突然やってきた。

テンペストポー(大嵐の足)
白い毛皮に青い目の雄猫。
勇敢だが少しやんちゃ。

トゥリクルポー(雫の足)
白い毛皮に青い目の雌猫。
テンペストポーの妹だが、よくお姉さんぶっている。

スパークポー(火花の足)
明るい三毛柄の毛皮に琥珀色の目の雄猫。
フォレスト族の猫に拾われた子。
あまり落ち着きがない。

フォウムポー(泡の足)
灰色の毛皮に青い目の雌猫。
スパークポーの妹で、落ち着いている。

ウィンター(ラッキークローさん提供)
白に灰色の縞柄のメス猫。瞳は黄色。
落ち着いていて大人びた性格。小さな子の面倒見もいい。同年代の猫たちの憧れ。
父親はエディ。

サマー(ラッキークローさん提供)
淡い灰色と白のとらがらのオス猫。瞳はオレンジ色。
活発で積極的な、勇敢な性格。後先考えず物事に突っ込むところもある。戦いは上手い。
ウィンターの弟。

サラマンダー(ひょうつめさん提供)
灰色の毛皮に黒のブチがある雄猫。瞳は桃色。
基本無口で無愛想だが、仲間のことはちゃんと思っている。いざとなれば頼りになるやつ。
ベローとは幼馴染で親友。

ベロー(ひょうつめさん提供)
蝋人形のように青白い毛をした雄猫。大きな右耳と先の太い尻尾が特徴的。
サラマンダーの親友でいつも一緒にいる。彼の通訳的存在であり、誰よりも彼のことをわかっている。
彼とはうってかわってフレンドリーで明るいムードメーカー。喉の器官にヒビが入っており、そこで空気が漏れるためいつも唸り声のような声。

ラギット
この物語の鍵を握る雄猫。
レインボー族の族長。
一族に対しては優しく振る舞っているが、実は………??



【後書き】

こんにちは。このシリーズ、はやくも4巻目です。だらだらと書いて行きたいと思います。ごめんなさい。
さて、みなさんは新学期が始まった頃だろうと思います。ですが私はまだ始まってません…。
ちょっとゆるいおかしい高校に入学したので、他の学校と大分違うと思います。
春休みも長いので、この小説も進めていけたらいいなと思ってます。
今回もよろしくお願いします。


最終編集者 ライトハート [ Wed Sep 21, 2016 9:10 am ], 編集回数 6 回
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投稿 by ライトハート Fri Apr 08, 2016 11:23 am

【プロローグ】



満月の光が輝き、とある洞窟は輝いていた。天井に穴があき、そこから月の光が差し込み、洞窟の壁に

血がべっとりとついている事がわかった。

雄猫はとある猫の悲鳴をききつけてやってきたのだ。血の匂いからすると、あの雌猫が殺された事がわかった。

不意に、子猫の哀れな鳴き声がして、歳をとった雄猫は慌てて外に飛び出した。

外に出ると、乱暴に子猫を歩かせていた見覚えのある姿があった。

「ほら!さっさと歩け!馬鹿!」

その声に、雄猫の毛は逆立った。いつもは優しい、あの雄猫にあんな一面があるとは。

「ラギット!」

その猫を呼び止めようとしたが、ラギットは子猫を歩かせる事に夢中なのか、反応はしなかった。

「なんてことだ。きっと、お告げ猫の子猫を連れ去る気だ」

雄猫は追跡する事を決心した。追跡には実際、自信があった。見張り部隊のリーダーをやり、

見張り部隊の戦士たちを育てる指導者までやったのだ。

副長にはなれず長老に仲間入りしたが、副長にならなくてよかったと心の中で思った。


もうすぐ夜が明けようとしていた。

雄猫は疲れが出てきたので、しばしの休憩をとった。

やはり、歳をとると追跡は無理なのか。

「もう、もうここまでか」

そんな自分が情けなかった。

すると、どこからか子猫の鳴き声がしたので、希望をもった。

「あの子達だろうか。でも、少し様子が変だ。生まれたての子猫の鳴き声だ」

だが雄猫は希望を捨てずに声のした方向へ歩き始めた。

すると、どうやらその子猫の両親らしき声がした。

「可愛い子ね」一匹の雌猫が、うっとりした声で言った。

雄猫はそっと茂みから顔を出した。あの子達じゃない。

黒い雄猫がかがみこんで子猫が見えなかったが、子猫は一匹いる事がわかった。

雄猫は出産が終わった家族に出会い、感謝した。

何故か勇気がでたのだ。あの子猫達を見捨ててはならない。

あの子達を探そう。そうしないと、我々の一族は危ない。


【後書き】

こんにちは!ライトハートです~!ついにプロローグ投稿しました*
とあるトピで募集した猫達がこの小説で出てくる予定なので、よろしくお願いします!!
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投稿 by フラワリングハート@ふらわり Fri Apr 08, 2016 12:51 pm

今更で申し訳ありませんが新小説おめでとうございます!
四作も続いているのですか…!
休まず投稿し続けられるその精神、尊敬します!
ちょっと過去作読んできますね(バッ

執筆頑張ってください!
フラワリングハート@ふらわり
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投稿 by ライトハート Sat Apr 09, 2016 12:02 pm

【第一章】


天然パーマのクルクルした毛を苦労して整えていると、母猫のアイスストームが手伝い始めた。

この猫は、本当の母親じゃない事は知っている。自分はどうやらフォレスト族の猫ではなく、ブラッククローが突然連れてきたらしい。

そんな事をわかっていても、自分はこの猫を実の母親みたいだと思っていた。

「できたわよ、ラムキット」

「ありがとう!」

癖ッ毛のある毛にちなんでつけられたその名前は、あまり気に入っていなかった。

「ぼくにもやって!母さん!」

白い大きな雄猫が、急にラムキットを突き飛ばしてアイスストームの所へ行った。

「もう、お兄ちゃんったら。ラムキットが可哀想でしょ!またボサボサになっているわ!」

テンペストキットの妹、トゥリクルキットは兄にそう言った。

妹の癖して、お姉さんぶっているのだ。

「ラムキットはグールミングしても意味ないさ!」

テンペストキットの友達のランドキットが笑いながら言った。

「意地悪な事言わないの!」

ラムキットが落ち込んでいると、ランドキットの母親のサンフラワーが叱った。

「でも、本当の話だよ」

ランドキットの兄のハサックキットが小さな声でつぶやいた

「ほらほら、遊びに行きなさい」

アイスストームがみんなを外へ行くように促した。

「ぼくら、もうすぐ見習いになるんだ!」とランドキット。

「そうだ。しかも、正式な見習いにな」

「ラムキットは見習いになれたとしても、正式にはなれないさ!」

そのテンペストキットの言葉にサンフラワーの子供達はどっとおかしそうに笑いながら外に飛び出した。

「あの子達の言っている事は無視したらいいわ」

みじめな気分で座っていると、トゥリクルキットが慰めた。

姉さんぶっちゃって。本当はあの子達と同じ気持ちなんじゃないの?

ああ、友達のいない生活って、退屈!

もう少し平和になったらいいのにな。
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投稿 by ライトハート Sat Apr 09, 2016 12:04 pm

フラワリングハート wrote:今更で申し訳ありませんが新小説おめでとうございます!
四作も続いているのですか…!
休まず投稿し続けられるその精神、尊敬します!
ちょっと過去作読んできますね(バッ

執筆頑張ってください!
こののシリーズ、一応六巻までつくる予定をしています!
(だらだら書いているおかげで皆さんに飽きられてますが(黙)
一応一章一章短いので、すぐに読めると思います!((
コメントありがとうございました~!!
ライトハート
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投稿 by ライトハート Thu Apr 14, 2016 2:50 pm

【第二章】



テンペストキットは白い毛を逆立ててハサックキットが投げた落ち葉を奪い取った。

「やった!」テンペストキットは嬉しさの余り叫んだ。

「そうはさせるかっ!」

茶色い雄猫、ランドキットが油断していたテンペストキットに向かって突進してきた。

ハサックキットが落ち葉をつかまえたランドキットを追いかけまわした。

テンペストキットも慌てて後を追おうとすると、驚いた声が空き地に響いた。

「ご、ごめんなさい!」

「おい、どうしたんだ?」

ハサックキットと同時にとまったテンペストキットはランドキットを見下ろした。

ランドキットはうずくまり、看護猫のウォーターフラワーを恐れるような目で見上げていた。

二匹のまわりには、ベリーが転がり、つぶれているものもあった。

「まったく、雄猫っていうのは困っちゃうわ!」

「いいのよ。ベリーの蓄えはまだたくさんあるから」

「何があったんだ?」

騒ぎをききつけて父親のブラッククローとキャロルクローがやってきた。

「やっちまったな、ランドキット」

状況がわかると、キャロルクローは言った。厳しい目をしているが、優しい口調で言った。

「今日はおとなしくしておきなさい」

ウォーターフラワーがベリーをかき集めようとすると、

トンネルからバタバタと足音が聞こえてきた。

ゴールデンファー、リポーソング、レッドブリンドルだ。

「何事だ?」

すると、誰かが息をのんだ。

「子猫だ!しかも二匹もいるんじゃないか?」

ゴールデンファーとリポーソングの口には、衰弱している子猫二匹がぶら下がっていた。
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投稿 by ライトハート Fri Apr 15, 2016 1:03 pm

【第三章】



ラムキットは最年長の戦士たちがくわえている子猫を見て驚いた。よそ者はあたしだけじゃなくなったわ!

でも、衰弱しているから生きのびるかどうかはわからないわ。

空き地が猫の声でざわざわしている事に気が付いたのか、フライトスターと看護猫のパドルファーがやってきた。

「可哀想に」パドルファーが小さな声で言った。「元気になるまで看護部屋で看病するわ」

「でも、よそ者なのにいいんですか?」

戦士になったばかりのブリーズレッグが叫んだ。

その発言に、ラムキットは怒りを覚えた。

あたしだってよそ者よ!もしかして、あたしの事快く思ってないの?

「前に一度、見知らぬ猫を助けたじゃないか」ウッドウィスカーが言った。「今度も助けてやるべきだ」

ウッドウィスカーはあたしの事を言っているんだわ。

「いい加減にしろ!」

フライトスターは言い争いをとめた。

「パドルファーやウッドウィスカーの言う通り、ここにしばらくおいてやる事にする」

「私達が世話をします」

保育部屋の近くで、サンフラワーはそう言うと、その横にいたアイスストームもうなずいた。

「よし。ゴールデンファー、リポーソング、子猫達を保育部屋に移動させろ」

二匹が族長の指示に従い始めると、みんなはグループになって子猫達の話題に花をさかせた。

「なんだってあいつらをここにおかせるんだ?よそ者はどうだっていいだろ」ハサックキットがぼそぼそ言うと、ちらりとこちらを睨んだ。

ラムキットはみじめな気持ちになった。

どうしてあたしはフォレスト族の血が流れていないの?あたしを見捨てた両親は誰?
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投稿 by ライトハート Tue Apr 19, 2016 11:27 am

【第四章】


いくつか時は流れた。

とある日の朝、ラムキットはワクワクしていた。

今日から見習いになるのだ。

指導者が誰かわからない所は少し怖かったが、きっと大丈夫だと自分を励ました。

フライトスターが一族を呼ぶ声が空き地に響いた。

テンペストキット達も、ご機嫌なのかラムキットの悪口は一つも言わなかった。

「楽しみだな」普段ラムキットを馬鹿にしているランドキットが声をかけにきた。「そう思わないか?」

保育部屋にキャロルクローとブラッククローが入ってきた。

「父さん達についておいで」

二匹の父親はとても誇らしげにしていた。


「ランドポー、お前の指導者はリポーソングだ」

ランドポーが指導者になったリポーソングと鼻を触れ合わした。

いよいよあたしの番だわ!

「ラムキット」

フライトスターに呼ばれ、ラムキットは堂々と前に出た。

「戦士になるまでの間、お前はラムポーという名になる。指導者はラビットハートだ」

「ハサックポー!ランドポー!テンペストポー!トゥリクルポー!ラムポー!」

「よろしくお願いします」

ラムポーはほっとした。ラビットハートはラムポーを快く思ってくれる。


祝福が静まると、何かあるらしくフライトスターは喋りだした。

「あの子猫達も、成長したら訓練を受ける事になる」

賛成する声や、反対する声が空き地に響いた。

「なんだってまたよそ者を受け入れるんだ?」

テンペストポーの指導者、ウィンドソングがぼそぼそ言った。

「別にいいじゃないですか」ラビットハートがウィンドソングを睨んだ。「一族に忠実であれば」

「それで?」後ろの方でスートファングの声があがった。

「名前は決めたのかい?まさか、正式な名前にするんじゃないだろうね?」

「正式な名前にするつもりです。あの子達の名前は、スパークキット、フォウムキットだ!」
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投稿 by ライトハート Wed Apr 27, 2016 9:12 am

【第五章】


テンペストポーは指導者のウィンドソングについて行った。

見習いになってから二日目。

今日もネズミの狩り方の訓練をする事になっていた。

「お見事!」

ネズミを一撃でしとめて持って帰ると、ウィンドソングに褒めてもらった。

「お前は見習いの中で一番狩りが上手になりそうだ」

「ありがとうございます」

ウィンドソングが何か言おうと口を開けると、指導者はそのまま固まった。

「どうしたんですか?」

「静かにしろ。そして鼻を使え」

テンペストポーは言われた通りあたりをかいだ。

すると、嗅ぎ慣れない臭い匂いだ。しかも、ダークネス族の猫よりも酷い。その下に、ヒル族の匂いもする。

「出てこい!お前がいる事はわかっている!」

ウィンドソングは大声をあげ、体に力をこめた。

テンペストポーはワクワクし始めた。本格的な戦いになりそうだ。

「ま、待ってくれ……少し話を聞いてくれ」

かすれた声が聞こえたかと思うと、茂みから一匹の老いぼれた歳をとった雄猫が現れた。

「話だと?侵入者の癖に!」

「ああ、それはわかっている。痩せこけたウサギの匂いをぷんぷん匂わせた猫達にも言われた」

多分、ヒル族の事だ。

「追い払いましょう」

テンペストポーはうずうずし始めた。

初めての戦いがこの老いぼれた猫なのは残念だが、とにかく自分の力を試したい。

まだ何も訓練してないが、この猫は余裕だろう。

ウィンドソングはかすかに耳の先を動かした。

「俺たちはよそ者は歓迎していない!」

ウィンドソングは爪を出した。

「次来たら容赦しないぞ!」

テンペストポーは体に力をこめて、いつでも戦えるようにした。

だが、その必要はなかった。

その脅しが聞いたらしく、雄猫は怯えた匂いを発してどこかへ逃げていった。
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投稿 by ライトハート Thu Apr 28, 2016 9:44 am

【第六章】


次の日、テンペストポーの話をラムポーは耳にした。

「どうして歓迎してあげなかったの?」

「知らないのか?よそ者はここにいてはいけないんだ」ハサックポーがうっとうしそうに言った。

「でも、困っていたんでしょう?なら、助けてあげなきゃ」

「全く。ラムポーはフォレスト族の血が流れてないからそんな事を__」

ランドポーが嫌味を言いかけた所で、言葉が途切れた。

「なんだって!?スパークキットとフォウムキットが見習いに!?」

「ラムポー、行ってみない?」とトゥリクルポーがさそった。

「いいよ」

トゥリクルポーは最初、お姉さんぶっていると思っていたが、ただ友達になりたかっただけだと今ではわかっていた。

「どうしたんですか?」

さっきの声の持ち主、スートファングは戦士のブリーズレッグと喋っていた。

結局一緒にやってきたランドポーが聞いた。

「スパークキット達が明日見習いになるんだ。全く、フライトスターもどうかしている」

ブリーズレッグが吐き捨てるように言った。

「まさか、フライトスターも族長だがフォレスト族の血が流れていないとか?」

「ちょっと、ブリーズレッグ!それは失礼ですよ!もし__」

トゥリクルポーが毛を逆立てたが、誰かの大きな声にさえぎられた。

「ああ!ぼくのコケが!」

三毛猫の雄猫、スパークキットはコケを追いかけていたが、そのコケはラムポーにあたり、降り注いだ。

「お似合いだよ!ラムポー!」

ランドポーが馬鹿にして笑った後、トゥリクルポー以外の猫が笑い始めた。

ラムポーはむっとしながら毛についたコケを振り払おうとしたが、癖がついていて中々落とせない。

「いますぐラムポーにあやまりなさい、スパークキット」

静かな落ち着いたフォウムキットの声が聞こえた。

彼女は冷たい目をスパークキットに向けた。

「た、ただ遊んでいただけで__」

フォウムキットはもっと怖い顔をしてスパークキットを黙らせた。

スパークキットはおずおずラムポーを見あげた。

「ラムポー、すいませんでした」

「いいのよ」

フォレスト族の血が流れていない理由で同じように苦しい想いをするであろう子に、厳しくはできなかった。

今回はこんな事が起こったけど、きっと仲良くできるよね?
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投稿 by ライトハート Fri May 06, 2016 12:16 pm

【第七章】



「獲物を一匹で捕れる年齢の者は全員、ハイツリーの下に集まれ!集会を行う!」

フライトスターの号令に、ラムポーは目が覚めた。今日はスパークキット達が見習いになる日だ。


みんなが集まると、フライトスターは任命式を始めた。

「スパークキット、戦士になる間、お前はスパークポーと言う名前になる。指導者はレッドブリンドルだ」

「よそ者が副長の指導者になるって、いいよな」とハサックポーがランドポーに耳打ちした。

スパークポーは少し緊張していながらも、レッドブリンドルと鼻を触れ合わした。

「フォウムキット、戦士になる間、フォウムポーと言う名前になる。指導者はカインドハートだ」

フォウムポーはスパークポーと違って冷静にカインドハートを指導者として受け入れた。

「スパークポー!フォウムポー!スパークポー!フォウムポー!」

祝福の声が聞こえてきたが、いつもも任命式より祝福している猫は少なかった。


集会が終わると、ラムポーはさっそく指導者のラビットハートと訓練を開始した。

「ラムポー?」

休憩の間に、ラビットハートはラムポーの目を覗き込んだ。

「昨日の事、気になってるんだ。コケが毛に引っかかって笑われてたじゃないか」

「大丈夫です。ラビットハート。笑われる事には慣れているので」

そう言ってもラビットハートは心配そうだ。

「何かあったらすぐ相談するんだぞ。俺でもいいし、お前のお母さんやお父さんでも____」

急に、ラビットハートは息を飲んだ。耳をピンと立て、何かを警戒している。

「誰かいるぞ。気を付けろ」

さっきより小さな声でラムポーに注意した。

ラムポーはあたりをかいだ。すると、臭い不愉快な匂いが漂ってきた。

浮浪猫の匂いだ。ラムポーは指導者に報告しようとしたが、尻尾でふさがれた。

茂みのガサガサと言う音が背後からした。

ラムポーは毛を逆立てた。少し怖いけど、戦える準備をしなくっちゃ。

ラビットハートは勢いよく振り向き、びっくりした声をあげた。

ラムポーも思い切って振り返った。

すると、一匹の歳をとった雄猫が現れた。
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投稿 by ライトハート Fri May 06, 2016 12:26 pm

【第八章】



「お前は?」

ラムポーはぞくっとした。凄く痩せている。あばら骨がくっきりと見えていた。息を切らし、今にも倒れそうだ。

「通りすがりのお前達に教える事は何もない」

嫌な臭いの下にヒル族の匂いがかすかに嗅ぎとれた。

「ヒル族の猫ですか?追放されたんですか?」

「ヒル族?聞いた事ない。もしかして、昨日出会った二匹の雄猫の事か?子供と大人の猫だ」

テンペストポーとウィンドソングの事に違いないわ。

「それで?俺たちの縄張りに何の用だ?」

「やれやれ。昨日も聞かれたよ。その前も……確か__ウサギの匂いをぷんぷんさせた猫にな」

「やっぱり、ヒル族を先にたづねたんですよ!ウサギをもらおうと考えたんじゃないですか?」

ラムポーは指導者に言った。

「おい!そんなに飢えているのなら、俺たちの部族に来い。フライトスター__族長だ__も歓迎してくれるだろう。

ただし、余計な事をしたらすぐ追い出すからな!」

「そんな事はしない。俺は二匹の子猫を探していただけだ」



渦巻き模様の雄猫をキャンプにいれると、誰もが攻撃的な態度をとった。

「おい!どうしてまたよそ者をキャンプにいれたんだ?」

ウィンドソングが怒りで毛を逆立てた。

「ぼく達が追い払ったのに!」テンペストポーがそばでわめいた。

「何事だ?」

騒ぎを聞きつけ、フライトスターがこちらにやってきた。副長の姿はない。

「浮浪猫を見つけて___」

「クリスタル様にサンダー様!ご無事で!」

ラビットハートの報告を、雄猫は遮った。

雄猫はトンネルの方向へよたよたと歩き、二匹の若い猫を迎えた。

それはなんと、狩りから戻ってきたスパークポーとフォウムポーだった。
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投稿 by ライトハート Wed May 11, 2016 9:39 am

【第九章】


「ああ!クリスタル様!サンダー様!」

雄猫は喉をならし、二匹の見習い猫を迎えに行った。

見知らぬ猫の行動に、キャンプはざおわめきだした。

スパークポーも怯えていて一歩後ろにさがった。

「俺はエディです」エディと言われる猫は、深々と頭を下げた。

「どうして見習いに対して丁寧にするのかしら」ラムポーは疑問に思った。

エディが探していた二匹の猫って、あの子達の事?

「よくわからないのだが」

フライトスターはエディの所へ来た。

「スパークポー、知り合いか?」

「いいえ」

すると、エディがきっと族長を睨んだ。

「レインボー様の血を引いている方に対して、その口調は何事だ!」

「レインボー様?変な名前ね」フォウムポーがおかしそうに言った。

「クリスタル様!何も面白い事はございません!あなたの故郷を最初につくりあげた猫であり、

あなたの血を引いている猫なのですから!」

「その話、詳しく聞かせてくれるか?そもそも、この三匹はどういう関係だ?」

フライトスターの質問に、エディはうなずいた。

「教えてやろう」

エディはそう言うとゆっくりとキャンプの中央へ向かった。

一族はいびつな形でエディを囲んで話を聞いた。

パドルファーとウォーターフラワーがラムポーのそばに座った。

その時、エディははっとした表情になった。

「話してくれ」

その事に気が付かないフライトスターは、エディをせかした。

「俺はエディ。俺はクリスタル様とサンダー様はレインボー族のキャンプに住んでいた」

レインボー族?あたし達みたいな部族猫が他にいたんだ。

その部族の名前を口にした瞬間、誰もが話に集中した。
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投稿 by ライトハート Sat May 14, 2016 10:32 am

【第十章】


「よく雨の降る場所にレインボー族は住んでいる。雨があがると虹ができ、その光からお告げを読み取れる猫がいる。

その猫が、お告げ猫だ。そのお告げ猫は、クリスタル様しかいなくなった」

「ど、どうしてあたしが?」

フォウムポーはいつも冷静だが、この時だけは戸惑っていた。

「雌猫の方がお告げ猫になる優先順位が高いんだ。何故なら雌猫は子猫を産む。その子猫に色んな事を遺伝しやすくなる」

エディは少し休憩をした後、また喋り出した。「だが、クリスタル様とサンダー様は何らかの事情でレインボー族から引きはがされ、

あなた達の母親_お告げ猫__も殺された」

「ちょっと待って!ぼく達はレインボー族の猫なの?そして名前も顔も知らない母親が死んだ?でも、どうして死んだの?」

「それに、何らかの事情って何?」

スパークポーとフォウムポーの二匹の質問攻めに、エディは戸惑った。

「あなた方の母親は………こ、殺された………。族長に。そ、そして族長はあなた方を遠いところへ連れて行ったのだ」

「どうしてそんな……」

「多分、権力が欲しかったと思う。レインボー族では、族長よりお告げ猫の方が地位が高い。

お告げ猫は危険をしらせ、その猫のおかげで危険な事にも前もって準備をして戦えた。

でも、そのお告げ猫がいなくなると、いつどこで危険な事が起こるかわからなくなる」

エディはそういうと、座り込んだ。怖い想いを一生懸命に喋ったせいで、疲れたみたいだ。

「フライトスター、エディを少し休憩させた方がいいわ」パドルファーは心配そうに言った。

フライトスターはうなずき、エディを見た。

「エディ。俺たちが力をかそう。その族長をこらしめるために。レインボー族以外の猫もたくさんいれば、

その族長も怯えるはずだ」

「ありがとう、助かる」エディはほっとした声で言った。

「さ、その前に体力を回復しなければ。私の部族の看護猫が体力をつけられるまで看病してくれるから」
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投稿 by ラッキークロー Thu May 19, 2016 6:59 pm

 遅くなりましたが新作、おめでとうございます!

 前作に引き続き、更新を楽しみにしています。ずっと読み続けている小説です^^
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投稿 by ライトハート Thu May 19, 2016 7:53 pm

ラッキークロー@28まで活動できません wrote: 遅くなりましたが新作、おめでとうございます!

 前作に引き続き、更新を楽しみにしています。ずっと読み続けている小説です^^
嬉しいです!最近コメント少ないのでいつもより余計に…(小声)
時間のある時にバンバン書いて行きたいと思います!!
コメントありがとうございました<m(__)m>
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投稿 by ライトハート Sun May 22, 2016 11:03 am

【第十一章】



次の日、年長の戦士たちは時間のある限りにフライトスターと作戦会議を行っていた。

「ラムポー」

スパークポーが複雑な表情を浮かべてやってきた。

「君もぼくらの姉弟だったらよかったのに。親が誰だかわからないだろ?そういう辛い気持ちはわかる」

ラムポーは途端に悲しくなった。もしかしたら、スパークポーとフォウムポーといる時間は、そう長くはないのかも知れない。

もしかしたら、別れはもう近くまでやってきてるのかも。この戦いを乗り越えたら。

「向うに行ったら…レインボー族に行ったら、もう帰ってこなくなるの?もう二度と会えなくなるの?」

「どうしたらいいかわからないんだ」スパークポーは苦しげに言った。「ここに残りたい気持ちはあるよ。でも、ぼくはレインボー族の猫だし」

「フォウムポーはどうするの?」

「ラムポー!訓練の時間だ!」

指導者のラビットハートがやってきて、ラムポーの質問を遮った。

「あの、ラビットハート。ぼくも訓練に参加してもいいでしょうか?」

「ああ。いいぞ。正し、レッドブリンドルに聞いてからだ」


レッドブリンドルは会議をしていたので、許可が下りた。

何も考えず、何も苦しまずに時間を過ごすのは心が楽だった。

ここは、あたしを白い目で見るような猫はいない。

もっとスパークポーのそばにいたい。

ラムポーはだんだんとそう思い始めてきた。
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投稿 by ヘザーストーム Sun May 22, 2016 11:14 am

すごい遅いですが新小説おめでとうございます。
このシリーズ、大好きです。更新頑張ってください!
ひっそり応援してます…

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投稿 by ライトハート Sun May 22, 2016 11:34 am

ヘザーストーム wrote:すごい遅いですが新小説おめでとうございます。
このシリーズ、大好きです。更新頑張ってください!
ひっそり応援してます…
そんな事言っていただけるとは物凄く嬉しいです!
コツコツ小説投稿頑張りたいと思います(*´ω`)
コメントありがとうございました~!
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投稿 by ライトハート Wed May 25, 2016 9:04 am

【第十二章】


あれから何日かたった朝、スパークポーは目が覚めた。

外は騒がしく、これから何か始まるみたいだ。

まだ見習い部屋で眠っているトゥリクルポーを起こすと、スパークポーは外に出た。

外に出ると、興奮した声がキャンプに響いた。

フライトスターはエディの横に立ち、低い声で何やら相談していた。

「明日の夜明けには出発したいと思う」

スパークポーは耳をぴんと立てた。嘘だろ?まだどうするか決めてないのに。

スパークポーは近くにフォウムポーがいる事を知った。

姉は堂々としていて、エディをじっと見つめていた。

スパークポーはがっかりした。多分姉は、レインボー族でこれから暮らす事になるだろう。

「メンバーはエディ、レッドブリンドル、カインドハート、ラビットハート、スパークポー、フォウムポー、ラムポーだ」

ラムポーと一緒だ。スパークポーの胸は高鳴った。

「レッドブリンドルは旅をしていて、一族をまとめる事ができない。その間、スプラッシュフォールに一族をまとめてもらいたい」

スプラッシュフォールは特に嬉しそうな表情もせず、ぶっきらぼうにうなずいた。

怒りっぽいが、しっかり者で良い戦士だ。見習いをしっかりと褒める所もある。きっとレッドブリンドルの代わりができるはずだ。


旅に出る者達は、休憩をとった。

スパークポーは自分の寝床で横になりながら、ラムポーとフォウムポーをちらりと見た。

彼女達はフォレスト族に残ると言ったら、どう思うだろう。レインボー族で暮らすと言ったら、どう思うだろう。

フォウムポーはレインボー族で暮らすと決意した見たいだ。

けど、ぼくはどうだろう?レインボー族で暮らしたいと言ったら……?……まだわからない。もう、どうしたらいいんだろう。

ラムポーをとるか、姉であるフォウムポーをとるか。

でも、ラムポーと一緒にいる方が何故かいい気がする。ずっとそばにいたいと思っている。姉以上に。
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投稿 by ライトハート Fri May 27, 2016 7:16 pm

【第十三章】



とうとうこの日がやってきた。夜明け前、一族は旅に出発する仲間を見送るため、空き地に集まった。

「レッドブリンドル、検討を祈る」

フライトスターは真剣な目で副長であるレッドブリンドルを見つめた。

レッドブリンドルはうなずくと、旅に出発する仲間を順番に見た。

「今から出発したいと思う。エディが案内役だ。今日中には未知の世界に踏み込みたい」

レッドブリンドルはそう言うと、歩き出した。

ラムポーはドキドキした。まだ誰も見た事がない、未知の世界に行くんだわ!

「ちょっと待ってくれ。お礼を言いたい猫がいるんだ」

ラムポーが進もうとすると、エディが声をあげた。

「どうぞ、エディ」とフライトスター。

「ウォーターフラワー、ブラッククロー」

エディは目を輝かせ、二匹を呼び寄せた。

二匹は少し困った顔になったが、エディに近づいた。

「お前達に感謝する。ウォーターフラワーが出産する姿を見たんだ。クリスタル様とサンダー様を探している間に。

あの時は諦めかけていた。でも、ラムポーが生まれる瞬間を見たら、何故か勇気と希望が湧いてきた。

お前達に会わなかったら、今頃諦め____」

言い終わらないうちに、一族は怒り狂った鳴き声を上げた。

ラムポーはエディの発言にショックを受けた。

ずっとフォレスト族の血は繋がっていないと苦しんでいたのに。

看護猫の子供?それじゃあ、ウォーターフラワーは掟を破っているじゃない!

「どういう事だ?どうしてそんなに怒ってるんだ?」

「エディ、もう行きましょう」少し驚いた表情を見せながらも、レッドブリンドルはエディを促した。

「はやく出発した方がいい。この騒ぎは片づけておく」フライトスターはそう言った。

ラムポーは納得がいかなかった。この場に残りたい。でも、この場に居たくない気もする。

ラムポーはふとある事に気が付いた。

ウォーターフラワーとブラッククローの子供よね。

ブラッククローはアイスストームとも付き合っている。

つまり、テンペストポーとトゥリクルポーとも、血が繋がっていると言う事?
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投稿 by ライトハート Fri Jun 03, 2016 1:26 pm

【第十四章】


テンペストポーは地面がぐらりと揺れた気がした。

まさか、父親のブラッククローが母親のアイスストーム以外にも付き合っていた猫がいたなんて!

後ろの方でうなり声があがったかと思うと、アイスストームが白い毛を逆立て、怒り狂っているのか、

ブラッククローに襲い掛かった。

ブラッククローはぎゃっと叫び、アイスストームの攻撃をギリギリかわした。

「お母さんとお父さんを止めなきゃ!」

トゥリクルポーが震えた声で言った。ショックのあまり、動けそうにもない。

「お母さん、お父さん、やめてくれ!」テンペストポーは力のある限り叫んだ。

すると、メープルテイルが喧嘩を止めに入った。

近くにいたスプラッシュフォールも慌ててメープルテイルに力を貸した。

ハイツリーからフライトスターが大きな鳴き声を上げた。あれは族長に注目しろと言う鳴き声だ。

メープルテイルは息子であるブラッククローを守り、スプラッシュフォールはアイスストームを止めた。

「お母さん、お父さん____」テンペストポーは勇気を出して両親に声をかけた。

「あんな猫、もうあなた達の父親でもなんでもないわ。戦士の掟を破った、最低な猫よ」

アイスストームは吐き捨てるように言うと、スプラッシュフォールを押しのけてトンネルへ消えていった。

テンペストポーが慌てて追いかけようとすると、スプラッシュフォールが行く手をさえぎった。

「今はそっとしておいてやれ」

「でも___」

「命令に逆らう気か?」スプラッシュフォールは厳しい口調で言った。

テンペストポーはスプラッシュフォールの言う通りにし、一歩後ろに下がった。

「ごめんなさい」

かすれた声があがった。

その声の持ち主は、ウォーターフラワーだった。

彼女は後悔しているのか、目に涙をうかべていた。

「もう、もうあの恋は終わっていたと思っていたの…………」
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投稿 by ライトプール Mon Jun 20, 2016 6:23 pm

すごくおもしろいです!
これからどうなるのか、とても気になります!!
更新楽しみにしてます♪がんばってください!

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森と丘と小川と暗闇の物語~虹の光と星の光~【完結】 Empty Re: 森と丘と小川と暗闇の物語~虹の光と星の光~【完結】

投稿 by ライトハート Mon Jun 20, 2016 7:28 pm

ライトプールさん
初めまして!!励みになるコメントありがとうございますw
これからも更新頑張っていくので応援よろしくですw
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投稿 by ヴァイオレットシャ Thu Jun 23, 2016 4:56 pm

ライトハートs、お初です!。ヴァイオレットシャと申します!


ライトハートsの過去作品&このお話、読ませていただきました!。一瞬でライトハートsの小説大好きになりました!w。ドキドキしていて、とっても続きが楽しみです!
頑張ってください!。
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