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森と丘と小川と暗闇の物語~<ねじれた木>のそばで~【完結】

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投稿 by ライトハート Thu Mar 10, 2016 10:59 am

【第十二章】



マリーゴールドの薬をトゲでやられた肉球に塗ってやった。

ラビットハートは金色っぽい毛を寝かせ、ため息をついた。

コケのカーテンがふわりと舞、パドルファーが慌ただしく帰ってきた。

「パドルファー?」

指導者は目を見開いて、すぐに部屋から出て行った。

「どうしたんだろう」ラビットハートがきょとんとした表情をしてパドルファーを見送った。



クモの巣を貼り、ラビットハートが部屋が出ると、外は騒がしかった。

レッドブリンドルが一族に指示を出している。

「ゴールデンファー、ラビットハート、リポーソング、お前達はパトロール隊を助けに俺と一緒に行く。

スプラッシュフォール、キャンプの見張りと監督を頼んだ」

レッドブリンドルはそれだけ言うと、メンバーを引き連れて慌ただしくキャンプから出て行った。

「どうしたんでしょう」

ウォーターポーは指導者のパドルファーにたづねた。

あんなにばたばたしているのを見るのは初めてな気がする。

「パトロールの一団が<シャープクロー一団>に襲われたらしいの」

「そんな!アウルポー達は大丈夫でしょうか?」

「それはなんとも言えないわ。大丈夫なようにスター族にお祈りするしか………」

ウォーターポーはスター族に祈った。

お願いです、全員無事で帰ってきてくれるようにしてください!

「さ、私達の仕事はお喋りじゃないわ」パドルファーがきびきびと言った。「怪我した戦士達を治すのが仕事よ」

「はい!」

「今のうちに薬を作っておきましょう」

ウォーターポーはぶるりと身を震わせた。

お願いだから無事に帰ってきて!
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投稿 by ライトハート Thu Mar 10, 2016 11:08 am

【第十三章】



ウォーターポーはパドルファーと一緒に薬草を取り出した。今ある分だけで足りるといいが。

空き地では、スプラッシュフォールが耳をそばたて、いつ<シャープクロー一団>が現れてもいいようにしている。

ここに残る事になったメープルテイルやウィンドソングも、ようく耳を済ましていた。

保育部屋ではスプラッシュフォールの指示により、見習いのアイスポーとブラックポーが守っていた。

中にはフロストフラワー、ブリーズキット、そして長老のスートファングがいる。

「ほら、手が止まっているわ!」

パドルファーの厳しい声に、ウォーターポーは我に返った。

「も、申し訳ありません!」



しばらくすると、勝利に満ちた声がキャンプに聞こえ、たくさんの足音がした。

その声を聴いて、ウォーターポーはどきっとした。まさか<シャープクロー一団>が?

どきどきしながら匂いをかぐと、フォレスト族とヒル族の匂いがした。

どうしてヒル族がいるの?

パドルファーが部屋から出て行ったので、ウォーターポーも指導者についていった。

副長のレッドブリンドルは息を切らし、キャンプの中央にやってきてヒル族の戦士達を迎えた。

「フライトスターは?」ヒル族の族長、ナットスターが質問した。

「ここだ」

フライトスターは少し体に傷を負っていた。ボロボロの体で、キャンプに入ってきた。

口には、何かをぶら下げている。

それを見たスプラッシュフォールが手助けをし、フライトスターを助けに行った。

ウォーターポーもその正体が気になり、二匹に近づいてみて、ショックをうけた。

なんと、アウルポーの死体が運ばれていたのだ。

ウォーターポーはめまいがした。
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投稿 by ライトハート Thu Mar 10, 2016 11:31 am

【第十四章】



空の色が変わりはじめ、オレンジ色の空になった。

フライトスターはアウルポーの死体をそうっと地面に置くと、ナットスターに向き合った。

「助けてくださりありがとうございました」

「いいや、どうって事ない。ヒル族でも<シャープクロー一団>には悩まされていたからな」

「本当にありがとうございました。この恩は一生忘れません」

ナットスターは静かにうなずくと、ちらりとアウルポーを見た。「彼の事は…気の毒に」

ナットスターは低い声で言うと、ヒル族の猫達を連れてキャンプから出て行った。

ヒル族の猫達がいなくなると、フライトスターは声を上げた。

「治療を行う前に、聞いてくれ!アウルポーはスター族に仲間入りをし、ドリズルハートはいなくなった___」

その理由を喋り終えると、一族は複雑な表情をうかべ、騒がしくなった。




今夜は夜遅くまで働いた。

ウォーターポーは悲しい気持ちでアウルポーの冷たくなった毛に顔をうずくめた。

アウルポーは死んでしまったわ。そして、ドリズルハートは罪から逃れようと逃げてしまった。

「あたしを一匹にしないで」

フライトスターにこの裏切り行為を喋らなかったのは、二匹を失いたくなかったから。

でも、裏切り行為を喋っても二匹は失ってしまった。



『一匹にさせないわ、ウォーターポー』

『僕らはずっと姉さんの事を見守ってるから』



あの懐かしい匂いが風にのって漂った。

ウォーターポーは思わず涙を流した。

「いつかきっと、夢で会ってくれるよね?」



                              




【後書き】

こんにちは、ライトハートです。

<ねじれた木>のそばで、も無事完結しました!
これは皆さんの応援のおかげです!

あと連続で投稿してしまい、すいませんでしたw
早く皆さんに読んでもらいたいと思ったのです。

そしてなんと意外な結末になりました。
復讐を果たせなかったアウルポーとドリズルハート。

そして二匹を失って悲しむウォーターポー。


彼女はそんな想いを背負ってこれからも看護猫の道として生きていきます。


では、最後になりましたが、

今まで読んでくださった皆様に感謝!!



▶次回予告 ウォーターポー視線の物語


         『水の花』


お楽しみに!
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