神話~Future to the desire
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WARRIORS BBS :: 小説投稿フォーラム :: 完全オリジナル猫小説
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38話
「やれ。」
天使群が絨毯爆撃を開始する。悪魔たちは散開してこれをかわすが、ラプラスは敵軍に突撃をかんこうした。
「ラプラス!?無茶だ!!」
「砕!!」
静止しようとするナハトの前に何かが飛んできた。さすがは最強のケットシーというだけあって即座にはじき返したそれは空蓮のメイスだ。
「いかせません。」
「ちっ・・・邪魔だよ!」
グリップからチェーンでつながれた状態で射出され、モーニングスター状態になっていた柄頭を回収、合体させた空蓮が、数匹の護衛とともに三匹の行く手を阻む。
「ウシャァァァァァァァァァ!!」
敵に単身突撃を仕掛けたラプラスは敵の弾幕をラッシュで弾き飛ばしながら突き進む。
「行かせるな!阻止しろ!!」
敵将、エヴァに向かって一直線に向かうその軌道に近接武器を携えた天使たちが立ちふさがる。
「邪魔を・・・するなぁぁぁぁぁ!!」
振り下ろされた剣を右ストレートで砕きながら敵の頭部を殴り、左フックの要領で貫手でを放ち、腹部をえぐり取る。墜落する相手の肩を踏み台に加速をつけて次の敵の首を掻っ切る。
次の敵は両腕をつかんで骨を砕く。救出しようと背後から接近してきた敵には、
ブゥンッ!!
しなやかだが強靭な筋肉の塊である尻尾を鞭のようにふるって弾き飛ばす。
「ガルガルゥ!!」
腕を破砕した敵にとどめを刺すべくその爬虫類のごとく大きく裂けた口を開いて咬みつく。
「グルル・・・ウシャァァァァァァァァァ!!」
頭部の右半分を恐るべき顎で破砕し、食いちぎる。なりふり構わぬその獰猛で苛烈な、猫が文明と引き換えに忘れた野獣の凶暴さを存分に発揮した戦いぶりに天使たちは後ずさった。
「うろたえるな!」
暴れる悪魔を一筋の光条がとらえた。
「グルァァァ!!??」
「見ただろう。この野蛮な生き物を。恐れるな。正義のために!」
新たな姿を獲得したエヴァの槍から放たれた光線だ。天使の長は左肩のマントを翼のごとく広げ、ラプラスに突撃してくる。
「ぐぅ・・・!!」
迫りくるドリルランスをそらすが、腕をガードする毛と鱗がはぎとられ、裂傷が赤い口を開いた。
「チィッ・・・!」
通過していった相手の背後に振り返りざまに翼からの流星弾を放つが、敵の機動性は高く、大きく旋回しながらこれをかわし、正面を向かい合った瞬間、今度は敵のランスに仕込まれたガトリング砲が火を噴く。
その弾幕の網につかまらないようにラプラスは上昇する。エヴァがそれを追う。光と闇が暗雲の空に二筋の線となって走った。
一方地上では残された悪魔たちは背中合わせになって戦っていた。
「ラプラス・・・!さすがに数が多すぎるな・・・!」
二丁拳銃で近寄る敵をけん制しながらゲノムがつぶやく。
「えい!ふんっ!・・・キリがないじゃないもう!」
敵の右腕を切断し、回り込んだ背後から首に針を突き刺し倒したレヴィが悪態をつく。空蓮と戦うナハトもこのままではジリ貧だとわかっていた。敵がこんな強引な手を打って売るとは予想外だった。この分だと神はもう…。
「ゲノム、レヴィ、隙を作る。逃げるよ。」
三匹の天使を同時に弾き飛ばしたナハトがトライデントを担ぎなおす。
「逃げるって、ラプちゃんは!?」
「追いかけながら逃げる。いくよ!ハァッ!!」
反転魔法を地面に叩き込んで周囲の重力を逆転させる。
「この程度!」
護衛の天使が空中で手足をばたつかせて右往左往している中、空蓮は一緒に持ち上がったがれきを蹴って突進してくる。
「私がなぜ最強のケットシーだったか教えてあげるよ!それは!!」
「!?」
ナハトが頭上でトライデントを回転させたかと思うとグリンッ、と空蓮は横からかかる力に流された。いや、自分だけではない。さっきまで浮いていたナハトの周囲が竜巻のように円を描いている。
「反転魔法。それはただひっくり返すだけじゃない。ベクトルを自由に変えられる。私は私の魔法のすべてを知り尽くしている。基礎から応用までね!」
単純な理由だが、それだけ長くの戦闘経験がある。ナハトが強い理由はただそれだけなのだ。空蓮は空中を振り回されつつも飛んできたがれきの一つをメイスで破砕し、次に飛んできたものをタイミングと体制を合わせ、メイスを突き立て足場にする。
(まだの重力の渦を突っ切ってとびかかるチャンスはある…!)
(と、奴が考えているのは分かっている。だからこそー!)
回転を続けながらナハトの口が開く。
「サイクロン・・・ファイアー!」
口からは炎の渦を吐き出し、重力の嵐はたちまち炎に包まれた。
「ぐぅああああああ!!??」
「焼けて・・・飛んできな!」
十分な火力と勢いを載せて重力圏の外にいる敵にぶつけてやる。
「さあ、今だ!」
空間を湾曲させてワームホールを開き、ナハトたちは天国を脱出した。
天使群が絨毯爆撃を開始する。悪魔たちは散開してこれをかわすが、ラプラスは敵軍に突撃をかんこうした。
「ラプラス!?無茶だ!!」
「砕!!」
静止しようとするナハトの前に何かが飛んできた。さすがは最強のケットシーというだけあって即座にはじき返したそれは空蓮のメイスだ。
「いかせません。」
「ちっ・・・邪魔だよ!」
グリップからチェーンでつながれた状態で射出され、モーニングスター状態になっていた柄頭を回収、合体させた空蓮が、数匹の護衛とともに三匹の行く手を阻む。
「ウシャァァァァァァァァァ!!」
敵に単身突撃を仕掛けたラプラスは敵の弾幕をラッシュで弾き飛ばしながら突き進む。
「行かせるな!阻止しろ!!」
敵将、エヴァに向かって一直線に向かうその軌道に近接武器を携えた天使たちが立ちふさがる。
「邪魔を・・・するなぁぁぁぁぁ!!」
振り下ろされた剣を右ストレートで砕きながら敵の頭部を殴り、左フックの要領で貫手でを放ち、腹部をえぐり取る。墜落する相手の肩を踏み台に加速をつけて次の敵の首を掻っ切る。
次の敵は両腕をつかんで骨を砕く。救出しようと背後から接近してきた敵には、
ブゥンッ!!
しなやかだが強靭な筋肉の塊である尻尾を鞭のようにふるって弾き飛ばす。
「ガルガルゥ!!」
腕を破砕した敵にとどめを刺すべくその爬虫類のごとく大きく裂けた口を開いて咬みつく。
「グルル・・・ウシャァァァァァァァァァ!!」
頭部の右半分を恐るべき顎で破砕し、食いちぎる。なりふり構わぬその獰猛で苛烈な、猫が文明と引き換えに忘れた野獣の凶暴さを存分に発揮した戦いぶりに天使たちは後ずさった。
「うろたえるな!」
暴れる悪魔を一筋の光条がとらえた。
「グルァァァ!!??」
「見ただろう。この野蛮な生き物を。恐れるな。正義のために!」
新たな姿を獲得したエヴァの槍から放たれた光線だ。天使の長は左肩のマントを翼のごとく広げ、ラプラスに突撃してくる。
「ぐぅ・・・!!」
迫りくるドリルランスをそらすが、腕をガードする毛と鱗がはぎとられ、裂傷が赤い口を開いた。
「チィッ・・・!」
通過していった相手の背後に振り返りざまに翼からの流星弾を放つが、敵の機動性は高く、大きく旋回しながらこれをかわし、正面を向かい合った瞬間、今度は敵のランスに仕込まれたガトリング砲が火を噴く。
その弾幕の網につかまらないようにラプラスは上昇する。エヴァがそれを追う。光と闇が暗雲の空に二筋の線となって走った。
一方地上では残された悪魔たちは背中合わせになって戦っていた。
「ラプラス・・・!さすがに数が多すぎるな・・・!」
二丁拳銃で近寄る敵をけん制しながらゲノムがつぶやく。
「えい!ふんっ!・・・キリがないじゃないもう!」
敵の右腕を切断し、回り込んだ背後から首に針を突き刺し倒したレヴィが悪態をつく。空蓮と戦うナハトもこのままではジリ貧だとわかっていた。敵がこんな強引な手を打って売るとは予想外だった。この分だと神はもう…。
「ゲノム、レヴィ、隙を作る。逃げるよ。」
三匹の天使を同時に弾き飛ばしたナハトがトライデントを担ぎなおす。
「逃げるって、ラプちゃんは!?」
「追いかけながら逃げる。いくよ!ハァッ!!」
反転魔法を地面に叩き込んで周囲の重力を逆転させる。
「この程度!」
護衛の天使が空中で手足をばたつかせて右往左往している中、空蓮は一緒に持ち上がったがれきを蹴って突進してくる。
「私がなぜ最強のケットシーだったか教えてあげるよ!それは!!」
「!?」
ナハトが頭上でトライデントを回転させたかと思うとグリンッ、と空蓮は横からかかる力に流された。いや、自分だけではない。さっきまで浮いていたナハトの周囲が竜巻のように円を描いている。
「反転魔法。それはただひっくり返すだけじゃない。ベクトルを自由に変えられる。私は私の魔法のすべてを知り尽くしている。基礎から応用までね!」
単純な理由だが、それだけ長くの戦闘経験がある。ナハトが強い理由はただそれだけなのだ。空蓮は空中を振り回されつつも飛んできたがれきの一つをメイスで破砕し、次に飛んできたものをタイミングと体制を合わせ、メイスを突き立て足場にする。
(まだの重力の渦を突っ切ってとびかかるチャンスはある…!)
(と、奴が考えているのは分かっている。だからこそー!)
回転を続けながらナハトの口が開く。
「サイクロン・・・ファイアー!」
口からは炎の渦を吐き出し、重力の嵐はたちまち炎に包まれた。
「ぐぅああああああ!!??」
「焼けて・・・飛んできな!」
十分な火力と勢いを載せて重力圏の外にいる敵にぶつけてやる。
「さあ、今だ!」
空間を湾曲させてワームホールを開き、ナハトたちは天国を脱出した。
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Join date : 2016/04/16
39話
この日、世界のほぼすべての命が天国、生命の樹へと吸収され、文明は崩壊した。だが、吸収を免れた者たちもいる。
「ちょうどいい。徹底的に芽を摘め。悪魔も、それになりうる危険分子も排除せよ。」
「御意。」
各地に天使が送り込まれ、狩りが行われた。
わけもわからず殺されていく不適合者たち。彼らの多くが最期、天に昇る二つのものを見た。一つは光り、一つは闇に見えた。自分たちを殺した忌々しい者どもと同じ光に嫌悪を感じた彼らは闇を美しいと感じた。
やがて光と闇は激しくぶつかり合った!!
「焼き尽くしてやる!!」
急上昇した曇天を飲み干す勢いで空気を吸ったのち、ラプラスが炎の津波のごとく巨大なブレスで下にいる天使たちごとエヴァを焼き尽くそうとする。
だが、天使の長はマントを片翼のごとく広げ、加速をつけるとやすやすと炎の波を振り切り、旋回してガトリング砲を発射してきた。
大きく羽ばたいて上へ逃れる。ランスチャージでこちらをつき貫こうとしたエヴァが真下を猛スピードですり抜けていく。
「一撃離脱戦法…か!」
ワンパターンだが強力な攻撃だ。止まっていてはこちらが不利になる。ラプラスはすぐさま敵の背中を追うように反転し、翼を変化させる。皮膜の間、骨組みの部分の先端から骨の突起物が生える。
「コォォォォォ・・・!」
息を吸い込むと同時にその突起物が火を噴いた。爆発的な速度でラプラスは追いすがる。
「ブレスのエネルギーを羽から放出し、生体バーニアにしたのか・・・フッ!だが・・・!!」
こちらの速度に追いつこうと追いすがる悪魔に対しエヴァは余裕そうだった。即座に腰の羽を展開して空力バランスを制御し、軌道を急転換させる。さながら戦闘機のドッグファイトのごとく、敵の頭上を通り越し、背後に回り込んだ。
ブォォォォ!!
ガトリングが火を噴く。不規則に大量にばらまかれる弾を敵はバレルロールをしながら回避するもこちらの射線から辛うじて逃れているだけだ。
「チィ・・・!」
「やはりな。そのバーニアを使っている間はブレスは使えないと見た。」
エヴァの読みは当たっていた。この生体バーニアはブレスのエネルギーを口ではなく翼に送っているため使用中はブレスは吐けない。流星弾も皮膜から発射するため射角に限りがあり、今は使えない。
(距離を詰められるより自分で詰めたほうがマシ・・・か!)
ラプラスは体をひねって弾幕にあえて突っ込むことを選んだ。
あのドリルを最大加速で喰らえば自分でもただでは済まない。ならば敵に十分な加速距離を与えなければいいのだ。
「ウシャァァァァァ!!」
咆哮を挙げながらカギ爪を繰り出す。敵もドリルを突き出してきたが、大型の獲物故軌道は読みやすい。右腕で先端を避けるようにつかみ、払いのける。開店の影響で手のひらが裂けるが気にはしない。左腕を突き出すが柄の部分で防がれた。そのまま両腕で槍をつかみ、バーニアの出力を上げて押し返そうとする。
敵も左手で槍をつかみ、槍を挟んで押し合う形になる。
「ガルガルゥ!!・・・グオオオオオオ!!」
「ぬぅぅん!!」
両者の水力は拮抗したままぶつかり合い、回転を始めた。光と闇は螺旋を描いて天へ昇っていく。
高く、高く、雲を超え、成層圏にまで達した。
「ぬぇい!!」
ここでエヴァが槍を大きく振りぬき、ラプラスを引きはがした。
「死ね!」
態勢を整えるより先にエヴァが突進してくるが、ラプラスは体を羽に分解して避ける。
「うぉらぁ!!」
即座に敵の頭上で再合体し、尻尾をたたきつける。
「うおおおおおおお!!」
猛スピードでカナダ、ナイアガラの滝付近に向けて叩き落されたエヴァだったが、ドリルランスで地面を掘り進み、滝を真ん中からぶち抜いて再加速する。待ち構えていたラプラスがブレスを吐こうとしたがそれより早くガトリングのエネルギーを圧縮した光線をドリルの先端から発射する。
「ギャウゥ!!」
直撃をもらったラプラスが方向を変える。攻防はまだ続く。
中国、万里の長城、並走する二匹の超高速船等によるソニックブームで抉り取られていく。
インド、ガンジス河がエヴァの上をとったラプラスの流星弾で吹き飛ばされていく。
エジプト、ランスのない左側から組み付こうとしたラプラスがエヴァの回し蹴りでピラミッドに直撃し、羽分解で離脱する。
イタリアヴォルカーノ島火山。噴火の火山弾をものともせずに流星弾とガトリングの応酬が続いた。
日本、スカイツリーをへし折ったラプラスが丸ごとそれを投げつけてくる。エヴァは構わずそれをドリルで貫いた。
各地を破壊しながら地球を七周半もした死闘は一瞬大きく変化した。
「・・・流石といっておこう。確かに他の悪魔とは段違いの強さだ。しかし、今の私は…ケタが違う!」
ガトリングを放っていたエヴァが一瞬のスキを見逃さず目を見開き、加速する。
「軸線は通った。チャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァジィィィ!!」
「-ッ!!」
避けられないと悟ったラプラスは受け止める姿勢をとる。このタイミングでは体を羽分解する暇もない。
ドスッ!!
「ガハッ・・・・・・・!!」
エヴァのドリルランスがつかもうとしたラプラスの両腕を突き抜け、その腹を貫いた。
「これで・・・ッ!?」
勝利を確信したエヴァだったが、思わず身を引いてしまった。
「ぐっ・・・グゥゥ・・・ウゥゥウシャァァァァァァァ!!」
なんと貫かれたラプラスは自ら槍をつかみ、さらに奥深く刺さることでエヴァの頭をつかんできたのだ。兜が竜の握力でミシミシと悲鳴を上げる。
「往生際の悪い・・・!」
「何度も言わせるなよ。あきらめの悪さは…主譲りだってな!!」
「ちょうどいい。徹底的に芽を摘め。悪魔も、それになりうる危険分子も排除せよ。」
「御意。」
各地に天使が送り込まれ、狩りが行われた。
わけもわからず殺されていく不適合者たち。彼らの多くが最期、天に昇る二つのものを見た。一つは光り、一つは闇に見えた。自分たちを殺した忌々しい者どもと同じ光に嫌悪を感じた彼らは闇を美しいと感じた。
やがて光と闇は激しくぶつかり合った!!
「焼き尽くしてやる!!」
急上昇した曇天を飲み干す勢いで空気を吸ったのち、ラプラスが炎の津波のごとく巨大なブレスで下にいる天使たちごとエヴァを焼き尽くそうとする。
だが、天使の長はマントを片翼のごとく広げ、加速をつけるとやすやすと炎の波を振り切り、旋回してガトリング砲を発射してきた。
大きく羽ばたいて上へ逃れる。ランスチャージでこちらをつき貫こうとしたエヴァが真下を猛スピードですり抜けていく。
「一撃離脱戦法…か!」
ワンパターンだが強力な攻撃だ。止まっていてはこちらが不利になる。ラプラスはすぐさま敵の背中を追うように反転し、翼を変化させる。皮膜の間、骨組みの部分の先端から骨の突起物が生える。
「コォォォォォ・・・!」
息を吸い込むと同時にその突起物が火を噴いた。爆発的な速度でラプラスは追いすがる。
「ブレスのエネルギーを羽から放出し、生体バーニアにしたのか・・・フッ!だが・・・!!」
こちらの速度に追いつこうと追いすがる悪魔に対しエヴァは余裕そうだった。即座に腰の羽を展開して空力バランスを制御し、軌道を急転換させる。さながら戦闘機のドッグファイトのごとく、敵の頭上を通り越し、背後に回り込んだ。
ブォォォォ!!
ガトリングが火を噴く。不規則に大量にばらまかれる弾を敵はバレルロールをしながら回避するもこちらの射線から辛うじて逃れているだけだ。
「チィ・・・!」
「やはりな。そのバーニアを使っている間はブレスは使えないと見た。」
エヴァの読みは当たっていた。この生体バーニアはブレスのエネルギーを口ではなく翼に送っているため使用中はブレスは吐けない。流星弾も皮膜から発射するため射角に限りがあり、今は使えない。
(距離を詰められるより自分で詰めたほうがマシ・・・か!)
ラプラスは体をひねって弾幕にあえて突っ込むことを選んだ。
あのドリルを最大加速で喰らえば自分でもただでは済まない。ならば敵に十分な加速距離を与えなければいいのだ。
「ウシャァァァァァ!!」
咆哮を挙げながらカギ爪を繰り出す。敵もドリルを突き出してきたが、大型の獲物故軌道は読みやすい。右腕で先端を避けるようにつかみ、払いのける。開店の影響で手のひらが裂けるが気にはしない。左腕を突き出すが柄の部分で防がれた。そのまま両腕で槍をつかみ、バーニアの出力を上げて押し返そうとする。
敵も左手で槍をつかみ、槍を挟んで押し合う形になる。
「ガルガルゥ!!・・・グオオオオオオ!!」
「ぬぅぅん!!」
両者の水力は拮抗したままぶつかり合い、回転を始めた。光と闇は螺旋を描いて天へ昇っていく。
高く、高く、雲を超え、成層圏にまで達した。
「ぬぇい!!」
ここでエヴァが槍を大きく振りぬき、ラプラスを引きはがした。
「死ね!」
態勢を整えるより先にエヴァが突進してくるが、ラプラスは体を羽に分解して避ける。
「うぉらぁ!!」
即座に敵の頭上で再合体し、尻尾をたたきつける。
「うおおおおおおお!!」
猛スピードでカナダ、ナイアガラの滝付近に向けて叩き落されたエヴァだったが、ドリルランスで地面を掘り進み、滝を真ん中からぶち抜いて再加速する。待ち構えていたラプラスがブレスを吐こうとしたがそれより早くガトリングのエネルギーを圧縮した光線をドリルの先端から発射する。
「ギャウゥ!!」
直撃をもらったラプラスが方向を変える。攻防はまだ続く。
中国、万里の長城、並走する二匹の超高速船等によるソニックブームで抉り取られていく。
インド、ガンジス河がエヴァの上をとったラプラスの流星弾で吹き飛ばされていく。
エジプト、ランスのない左側から組み付こうとしたラプラスがエヴァの回し蹴りでピラミッドに直撃し、羽分解で離脱する。
イタリアヴォルカーノ島火山。噴火の火山弾をものともせずに流星弾とガトリングの応酬が続いた。
日本、スカイツリーをへし折ったラプラスが丸ごとそれを投げつけてくる。エヴァは構わずそれをドリルで貫いた。
各地を破壊しながら地球を七周半もした死闘は一瞬大きく変化した。
「・・・流石といっておこう。確かに他の悪魔とは段違いの強さだ。しかし、今の私は…ケタが違う!」
ガトリングを放っていたエヴァが一瞬のスキを見逃さず目を見開き、加速する。
「軸線は通った。チャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァジィィィ!!」
「-ッ!!」
避けられないと悟ったラプラスは受け止める姿勢をとる。このタイミングでは体を羽分解する暇もない。
ドスッ!!
「ガハッ・・・・・・・!!」
エヴァのドリルランスがつかもうとしたラプラスの両腕を突き抜け、その腹を貫いた。
「これで・・・ッ!?」
勝利を確信したエヴァだったが、思わず身を引いてしまった。
「ぐっ・・・グゥゥ・・・ウゥゥウシャァァァァァァァ!!」
なんと貫かれたラプラスは自ら槍をつかみ、さらに奥深く刺さることでエヴァの頭をつかんできたのだ。兜が竜の握力でミシミシと悲鳴を上げる。
「往生際の悪い・・・!」
「何度も言わせるなよ。あきらめの悪さは…主譲りだってな!!」
DCD- 見習い
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Join date : 2016/04/16
40話
「ガァァァァァァァァ!!」
「チィッ!」
食らわせたアイアンクローでそのまま頭を握りつぶそうとするラプラスに対し、エヴァは左手から光を収束させ、タジャルマハルのような光の剣を精製し、腕を切り裂いた。
「ぐぁぁぁ!!」
頭が拘束から離れると同時にドリルランスに仕込まれたガトリング砲が火を噴き、ラプラスを弾き飛ばす。すでに槍によって貫かれた体の穴から血が噴き出し、地面に落下していく。
「グッ、・・・ガッ、・・・ハッ!あ、ああああ・・・。」
激痛が脳を支配する。だがそこからさらに上空からガトリング砲の掃射が襲い掛かる。
翼の被膜が次々と撃ち抜かれ、地面を虫のように這いまわりながら撃たれ続ける。
エヴァはそのままゆっくり地面に降り立ち、ラプラスの翼の一枚をつかむとそのままむしり取った。
絶叫が上がる。しかしそれをかき消すようにむき出しになった筋肉を踏みつける。飛び散った血がパールホワイトの鎧に飛び散った。
「悪あがきもここまでだ。」
「我欲を満たすために世界をゆがめ、それを咎められれば貴様のような怨念を残す。つくづく迷惑な存在だったな。あの女は。」
「主のことか・・・。あの子はただ、貴様らの神に、ダチに、生きていてほしかっただけだ!」
「そのために神に、正義に仇名すのか。そんなことが許されるわけがない。」
あきれたように話すエヴァの足元でラプラスが体を持ち上げ、踏み付けから逃れる。
「しつこいぞ。」
「お前らにはわからないんだろうな。救われて、感謝して、それで終わりのお前たちには。」
「何?」
「なぜ、ケットシーとしては弱っちい部類の主が悪魔になれたと思う?なぜ俺が消えずに世界に残ったと思う?お前らの正義なんかよりずっと強いものを持ってたからだ。」
「この宇宙で最も多くのものを救い、そして殺してきたもの…今に至るまで世界を回したもの。それは世間知らずのほざく偽善でもいくらでも移ろう曖昧な正義なんかでもない。」
おびただしい血を流しながらもラプラスは立ち上がる。
「この世で一番強いのは・・・愛だ!主はあの女を、デイジーを誰よりも愛していた!生きてほしかったんだ!」
「そして、それは俺だって同じだ。俺は主を愛しているこの世の誰よりも生きていてほしい!それを邪魔する奴は許さねぇぇぇぇ!!」
残った左腕のかぎづめとともにラプラスが駆け出す。
「-フンッ・・・。」
対するエヴァも光の剣を突き出す。
両者のそれは相手の顔面に吸い込まれていき・・・・・・
「うっ・・・?」
感じたのは強烈な光。視界が安定したそこは何もない白の世界。
「久しぶりだね。ラプラスちゃん。」
「-ッ!」
声の方向を振り向いてラプラスは驚愕と歓喜を覚え、しかしそれはすぐに湧き上がる怒りに代わっていく
「何のつもりだ…デイジー!」
神々しい白いドレスと羽をはやしたケットシーの神は空中でうずくまるように丸くなっていた。
「今は、ーちゃんの姿をしてるんだね。」
「・・・そうだ。あの子を、あの子の願いを、最低の形で裏切った貴様を、俺はー!」
ボロボロの体のまま歩み寄ってくるラプラスをデイジーは悲しそうな目で見た後。目を伏せる。
「-おいで。ここまでこれたら、好きにしていいから。」
「ウシャァァァァァ!!」
とびかかろうとする足がピンクの光の矢で射抜かれた。
「グルル・・・!」
倒れこみながらも伸ばした手が射抜かれ、縫い付けられる。
「俺はァ・・・!貴様ぉ・・・!」
かすむ視界の中、ラプラスは怨嗟あの声をあげながら意識を手放した。
「・・・出てきていいよ。」
デイジーの言葉に上からさかさまの顔が降ってくる。
「・・・お久しぶりです、神。」
「そうだね。リリスさん。」
「今は、ナハトです。」
ナハトはボロボロのラプラスを抱え上げる。
「こんなはずじゃなかったと思いますか?」
「・・・きっとみんなもこんな気持ちだったんだよね。」
「私は、-ちゃんのおかげでもう一度ただの猫になって、パパやママ、普通の友達と会って・・・戻らなくちゃいけないのに、戻りたくないって、・・・どこかで思っちゃった。」
「あなたは確かに善意で願い行動してきた。だから間違ってはいない。ラプラスも本当はわかっているんです。ただ、この子にとってはあなたよりーのほうが大事だった・・・。」
「ーちゃん・・・。」
「私もあなたの願いにはもう賛同できない。次あうときは、…殺します。」
空間を割いて去っていくナハトを見送りデイジーはまた顔を伏せた。
「今のは・・・。」
時は戻り、エヴァは困惑していた。突然の光とともに眼前の悪魔の姿は消えていたのだ。
「どうなっている・・・。」
「天使長!」
一匹の天使が息を切らせながらやってくる。
「どうした。」
「大変です!悪魔が…!悪魔が世界中から!」
「なんだと!?」
天使たちの悪魔狩りが世界中で行われる中、ゲノムとレヴィは対抗策をとったのだ。
ネットワークに接続し、あらゆる端末という端末に触手を伸ばし、レヴィの意識操作魔法を共に世界中にいる悪魔候補たちに覚醒を呼びかける。
「聞こえるか?お前たちは強い。お前たちには力を持っている!あの天使を名乗る傲慢な奴らに、お前たちの人生を好きにさせるな!死にたくないなら、生きて何かなしたいことがあるなら、戦え!!」
「さぁ、世界よ…Raise your flag!!」
「チィッ!」
食らわせたアイアンクローでそのまま頭を握りつぶそうとするラプラスに対し、エヴァは左手から光を収束させ、タジャルマハルのような光の剣を精製し、腕を切り裂いた。
「ぐぁぁぁ!!」
頭が拘束から離れると同時にドリルランスに仕込まれたガトリング砲が火を噴き、ラプラスを弾き飛ばす。すでに槍によって貫かれた体の穴から血が噴き出し、地面に落下していく。
「グッ、・・・ガッ、・・・ハッ!あ、ああああ・・・。」
激痛が脳を支配する。だがそこからさらに上空からガトリング砲の掃射が襲い掛かる。
翼の被膜が次々と撃ち抜かれ、地面を虫のように這いまわりながら撃たれ続ける。
エヴァはそのままゆっくり地面に降り立ち、ラプラスの翼の一枚をつかむとそのままむしり取った。
絶叫が上がる。しかしそれをかき消すようにむき出しになった筋肉を踏みつける。飛び散った血がパールホワイトの鎧に飛び散った。
「悪あがきもここまでだ。」
「我欲を満たすために世界をゆがめ、それを咎められれば貴様のような怨念を残す。つくづく迷惑な存在だったな。あの女は。」
「主のことか・・・。あの子はただ、貴様らの神に、ダチに、生きていてほしかっただけだ!」
「そのために神に、正義に仇名すのか。そんなことが許されるわけがない。」
あきれたように話すエヴァの足元でラプラスが体を持ち上げ、踏み付けから逃れる。
「しつこいぞ。」
「お前らにはわからないんだろうな。救われて、感謝して、それで終わりのお前たちには。」
「何?」
「なぜ、ケットシーとしては弱っちい部類の主が悪魔になれたと思う?なぜ俺が消えずに世界に残ったと思う?お前らの正義なんかよりずっと強いものを持ってたからだ。」
「この宇宙で最も多くのものを救い、そして殺してきたもの…今に至るまで世界を回したもの。それは世間知らずのほざく偽善でもいくらでも移ろう曖昧な正義なんかでもない。」
おびただしい血を流しながらもラプラスは立ち上がる。
「この世で一番強いのは・・・愛だ!主はあの女を、デイジーを誰よりも愛していた!生きてほしかったんだ!」
「そして、それは俺だって同じだ。俺は主を愛しているこの世の誰よりも生きていてほしい!それを邪魔する奴は許さねぇぇぇぇ!!」
残った左腕のかぎづめとともにラプラスが駆け出す。
「-フンッ・・・。」
対するエヴァも光の剣を突き出す。
両者のそれは相手の顔面に吸い込まれていき・・・・・・
「うっ・・・?」
感じたのは強烈な光。視界が安定したそこは何もない白の世界。
「久しぶりだね。ラプラスちゃん。」
「-ッ!」
声の方向を振り向いてラプラスは驚愕と歓喜を覚え、しかしそれはすぐに湧き上がる怒りに代わっていく
「何のつもりだ…デイジー!」
神々しい白いドレスと羽をはやしたケットシーの神は空中でうずくまるように丸くなっていた。
「今は、ーちゃんの姿をしてるんだね。」
「・・・そうだ。あの子を、あの子の願いを、最低の形で裏切った貴様を、俺はー!」
ボロボロの体のまま歩み寄ってくるラプラスをデイジーは悲しそうな目で見た後。目を伏せる。
「-おいで。ここまでこれたら、好きにしていいから。」
「ウシャァァァァァ!!」
とびかかろうとする足がピンクの光の矢で射抜かれた。
「グルル・・・!」
倒れこみながらも伸ばした手が射抜かれ、縫い付けられる。
「俺はァ・・・!貴様ぉ・・・!」
かすむ視界の中、ラプラスは怨嗟あの声をあげながら意識を手放した。
「・・・出てきていいよ。」
デイジーの言葉に上からさかさまの顔が降ってくる。
「・・・お久しぶりです、神。」
「そうだね。リリスさん。」
「今は、ナハトです。」
ナハトはボロボロのラプラスを抱え上げる。
「こんなはずじゃなかったと思いますか?」
「・・・きっとみんなもこんな気持ちだったんだよね。」
「私は、-ちゃんのおかげでもう一度ただの猫になって、パパやママ、普通の友達と会って・・・戻らなくちゃいけないのに、戻りたくないって、・・・どこかで思っちゃった。」
「あなたは確かに善意で願い行動してきた。だから間違ってはいない。ラプラスも本当はわかっているんです。ただ、この子にとってはあなたよりーのほうが大事だった・・・。」
「ーちゃん・・・。」
「私もあなたの願いにはもう賛同できない。次あうときは、…殺します。」
空間を割いて去っていくナハトを見送りデイジーはまた顔を伏せた。
「今のは・・・。」
時は戻り、エヴァは困惑していた。突然の光とともに眼前の悪魔の姿は消えていたのだ。
「どうなっている・・・。」
「天使長!」
一匹の天使が息を切らせながらやってくる。
「どうした。」
「大変です!悪魔が…!悪魔が世界中から!」
「なんだと!?」
天使たちの悪魔狩りが世界中で行われる中、ゲノムとレヴィは対抗策をとったのだ。
ネットワークに接続し、あらゆる端末という端末に触手を伸ばし、レヴィの意識操作魔法を共に世界中にいる悪魔候補たちに覚醒を呼びかける。
「聞こえるか?お前たちは強い。お前たちには力を持っている!あの天使を名乗る傲慢な奴らに、お前たちの人生を好きにさせるな!死にたくないなら、生きて何かなしたいことがあるなら、戦え!!」
「さぁ、世界よ…Raise your flag!!」
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