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未明の砂漠 (代理過去話)

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未明の砂漠 (代理過去話) Empty 未明の砂漠 (代理過去話)

投稿 by レングティームーン Fri Dec 18, 2020 4:05 pm

昔やろうとして諦めた代理(レングティームーン)の過去話です
創作の方とは別で、ウォリクラ族に入るまでの設定での話になります。
小説自体が大の苦手で完成しない可能性大ですが頑張ります。
(一部登場猫は他の方の代理を許可取って借りています。)


最終編集者 レングティームーン [ Fri Oct 08, 2021 7:38 pm ], 編集回数 1 回
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未明の砂漠 (代理過去話) Empty Re: 未明の砂漠 (代理過去話)

投稿 by レングティームーン Fri Dec 18, 2020 4:29 pm

登場猫(随時更新)

デューン(砂漠)
砂色の毛皮に濃いめの縞模様の猫。瞳は濁った蒼色。
未明の砂漠 (代理過去話) Adunen10


最終編集者 レングティームーン [ Mon Dec 21, 2020 10:49 pm ], 編集回数 1 回
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未明の砂漠 (代理過去話) Empty Re: 未明の砂漠 (代理過去話)

投稿 by ハニードロップ Fri Dec 18, 2020 10:55 pm

面白そうです!頑張ってください!

ハニードロップ
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未明の砂漠 (代理過去話) Empty Re: 未明の砂漠 (代理過去話)

投稿 by レングティームーン Sat Dec 19, 2020 9:07 am

プロローグ

私が生まれたのは、いつもより寒さが早くきた、木枯らしの吹き始める枯れ葉の季節の始まりあたりだったらしい。

そのせいで3匹いた兄弟たちも、生まれてから9ヶ月たった今、もう私以外は生きていない。

今1匹いる妹も、生まれた時は2匹いた。

でも死んでしまった。

家族は泣いていた。私も泣いていた。でも、死んでしまった小さな妹の身体を地面に埋めた時も私は、こんなものかと思った。

猫が死ぬってこんなものか。冷たくなった身体が、土の中に消えていく。
重く暗い土に閉じ込められた妹は何を思ったのだろうか。




「デューン!父さんがそろそろこの森から出発するってよー!」林の奥から聞こえて来る、いつになっても大きな雑音のように聴こえるこの声は、妹のものだろうか。

「わかった今行くからー」

私は適当に答えた。
考え事をするといつも思い出す。あの時埋めた妹の顔と、土の、ザラついたじめつく嫌な感触が爪に食い込むのを。


妹と両親のいる場所へ行く前に、もう一度先程座っていた場所を振り返って眺める。この森は結構好きだったのにな。

パリパリと乾燥した落ち葉が地面を覆い尽くし、紅葉した葉っぱが地面に咲いたかのような美しさだった。

瞳をぎゅっと開いてこの景色を見つめておく。瞬きはしない。

もう少しこの森にいたかった。




私は流浪の民に生まれたただの子猫だった。

砂色の毛皮に濃いめの縞模様。少し他の猫と比べれば小さいのは、子猫の時、飲んだ乳が足りなかったからだろうか。

あとは特徴のない。ただの幼猫。

母親も父親も妹も同じように、特に目立つことのない。私達はごくありふれた流浪の民の家族だった。

流浪の民は、旅する猫たち。いろんな場所へ心赴くままに移り住む。

今、この私がいる森も、月が1度満ちてから欠けるまでいたが、所詮はただの中継地。

結局、いつも慣れた頃にはまた別の場所へと行かなくてはいけないのだ。



みんながそれを当たり前のように森を去っていくのが理解できなかった。

私は流浪の民に生まれたのに、旅するのが嫌いだった。どうしてこんなにも素敵な森があるのに、次々と森を巡っていくのだろうか。

理解ができない。



今朝、父さんがいつものように次の林に行こうと言った。

私はいつものように、「うん」と答えることしかできなかった。

残りたいなんていう事をいう勇気も技術も信頼も。私には持ってなかった。


あとがき
圧倒的に語彙力が足りない、、、、。

ハニードロップsありがとうございます頑張りますね〜!
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投稿 by レングティームーン Mon Dec 21, 2020 8:49 pm

だから、だから少し嬉しいというより、ほっとしたのかもしれない。
親に捨てられたと知った時は。

あれは私も生まれてから13ヶ月経って、父親が、その時暮らしていた栗の木のある森から旅立つと告げられたその夜だった。

普段通り「おやすみ」と一言掛け合ってから、自分の寝床につく。

よく乾きふかふかとした薄緑のコケに、鳩の羽を数枚ふわりと乗せた。私の寝床。

横になって瞼を閉じるとすぐに夢の中へと落ちていった。





夢の内容は、忘れた。
ただ、いつものようにかすみがかって、起きた時も思い出せなかった。それは覚えてる。



朝日の真っ白な色が瞼を焼き尽くすのと同時に、私の意識は夢の中からまた、あの栗の木のある森へと起こされた。

「おはよぅ。。。」
目を擦りながら、半分無意識に挨拶をした。

「おはよう、デューン」

そんなふうに。いつもなら返事を返してくれるはずの妹の声が今日はなかった。

それどころか、いつも1番寝坊する母の寝息すら聞こえなかった。

「ぁれ。。。」

違和感を感じて、あわてて目をきっかり開けて辺りを見渡す。

いつもどおりの森だった。月が満ちて欠ける前と変わらない、栗の木、
葉のない細くうねった木々。
枯れ葉の代わりに小枝があたりに落ちている、冷たい地面、いつも通りだった。

強い朝日に目が霞んで、思わず私は目をぱちぱちと瞬かせた。

そこでやっとどうして声が、寝息が聞こえないのか分かった。



何もなかった。



つい昨夜まではいた家族が、消えていた。

「おかあさーーん!!!!!」

思わず叫んでいた。
でもいくら待っても、妹の名を叫んでも。
答えはなかった。

散々叫んで考えて、日が頭上のてっぺんに登ってやっと、私は捨てられたのか。と実感した。

どうしてかはわからない。もう2度と会えないと思う。それでも少し嬉しかった。




1人で生きていける。


家族にも迷惑はかけない。


どこにでも、好きな場所へ行ける。

希望が私の心を羽ばたかせた。

嬉しくて私は動きたくなった。
そこでそこに立っている栗の木に登る。

空は私が見た中でも1番広くて、どこまでも青くて、とても綺麗だった。


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投稿 by レングティームーン Fri Oct 08, 2021 8:09 pm

空を好きなだけ見た後は、寝床の整備やこの栗林周辺を見ることにした。

ふわふわした鳩の抜け毛と、よく乾いてあたたかい苔をすきなだけ敷き詰めるといままでの寝床がとてもぺちゃんこで湿っていて寝心地の悪いものに思えた。

栗林周辺は二本足の家がすこし連なっている程度で大きな怪物はいなかったし狐やアナグマの心配はなさそうだった。


デューンは獲物を捕るのが大の苦手なので食料関連は正直不安だったが

幸い、今は枯葉の季節が終わりかけて若葉の季節に移るころだったので

獲物をとることが不得意な私でもどうにか暮らせる分だけの食料をとることができた。

リスやネズミはこの栗林にたくさんいたけれど、私は林の中をちょろちょろ流れている川で魚とりをする方が好きだった

影が映らないように背中をぴんと伸ばして座り、川をのぞき込む。

その時に感じる川のさわやかな水の音や足やしっぽについてヒヤッとする水滴。

森の音が聞こえないほど全力で魚の影と川の様子をじっと見て、いまかいまかと待ってから、すくうようにしてさっととりあげた魚は、もさもさとしたリスやくせのあるにおいがしたネズミよりはるかにさわやかでみずみずしくたんぱくな感触はおいしく感じた。

ここはいいところだ。私だけの素敵な林。おいしい魚と綺麗な川、ふかふかであたたかい寝床。

家族がどっか行ってしまったのは少しショックだったはずなのに、いつのまにか名前も顔も思い出せないようになった。

私は幸せだからそれでもいいけどみんなは元気かな、今でも死んでしまった兄弟たちは私のことを覚えていてくれる?


ただ、楽しい時間はそんなに長くは続いてくれなかった。若葉の季節が過ぎると、枯葉の季節が来て、林の葉が全て落ちた。川は凍って魚が取れない。

リスやネズミのなどの獲物は全然取れなくなった。ほかの猫だったらもしかすると一匹分は満足に食べれたかもしれないが、私の腕前じゃそんなわけにはいかなかった。

一日に痩せこけて骨の歯ごたえばかり感じるようなネズミ一匹がやっととれるようなもので、

そんなネズミを捕るために動き回るのでどんどん私は痩せこけていった
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投稿 by シャイニングムーン Fri Oct 08, 2021 8:15 pm

はじめまして!
シャイニングムーンです!
レングティームーンさんの小説とか読んだり絵を見たりしてました!
BBSでお見かけすることがあるとは…!
私のことなど知らないと思いますが、おかえりなさいです!

シャイニングムーン
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未明の砂漠 (代理過去話) Empty Re: 未明の砂漠 (代理過去話)

投稿 by レングティームーン Fri Oct 08, 2021 9:44 pm

「どうしたの?レングティームーン、ぼーっとしているわよ」
まさかハリネズミが空を飛んでいるわけでもないでしょ!

そういって白い顔つきの整った雌猫がこちらをのぞき込んでいることにレングティームーンは気が付いた。

ここはどこ?枯葉の季節でもないしあたりはいろんな木々が生い茂る森である。

森とネズミの香りに混じって、うっすらとスイセンのいい香りがこの猫の少しくるっとした雌猫の毛並みから漂ってくるのを感じた。

「ああ、ナルシスフェザーか、、ごめんごめん少し昔のこと思い出しちゃって。」
「じじくさいわね。」
「ちょっとひどくない?」
「さぁ?それよりも早くいかなくちゃ、まさか族長に少しの薬草とスイセンをとるのに午前中いっぱいを使いました。なんて言ってゆるされるとでも思ってる?」

レングティームーンが言い返そうと口を開くと、ナルシスフェザーはひらりと目の前の切り株を飛び越して目的地である大樹のそびえたつ森へと走っていった。

二匹は大樹の下でわかれて、お互いにナルシスフェザーはスイセンを、レングティームーンはノコギリソウを探すことになった。


レングティームーンが下映えの中、隠れるようにして生えたノコギリソウを噛み切ろうと、吐き気をもよおすきついに顔をしかめながらぐいぐい引っ張っているとナルシスフェザーが遠くから駆け寄ってきた。

もうストックの分まで取り終えたらしく、左耳にちょこっと薄灰色の花がからまってついているほかに、口からも何本かスイセンの長い茎がはみでている。

レングティームーンがとりおえると、ナルシスフェザーは黙ってノコギリソウを半分くわえて、キャンプへと二匹で走った。

レングティームーンはナルシスフェザーとお昼を一緒に食べたかったが、ヘアテイルとパトロールに出かけてしまったので、一人で丸々と太ったこのねずみをかじる羽目になった。


やっぱりあのネズミはひとりで食べるには大きすぎたかもしれない。

パンパンにふくれた腹があまりにも苦しくて、特にけがをした猫がいないので仕事もなく、さっきとったノコギリソウを干してから少し腹ごなしの散歩に出かけることにした

ーーーーーーーー
シャイニングムーンs
はじめまして!レングティームーンです!ちょっと小説書きたくなって戻ってきちゃいました!
これからもちょくちょく顔を出そうと思っているのでその時はよろしくです!
レングティームーン
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投稿 by レングティームーン Sun Oct 10, 2021 4:57 pm

若葉の季節らしいあたたかい日差しを堪能しながらのんびりと、レングティームーンは歩いて行った。
時折耳を森の方へとかたむけると様々な生き物のたてる音やにおい、気配が感じられる。

せっかくだし、縄張りの遠くの方。北にある薬草の様子を見に行こう。最近は川沿いの境界線のパトロールにばかりついて行ったから、自分の目でそこに生えている薬草を確かめてなかった。

日暮れまでに帰れば仕事はもう終えたし問題はないだろう。

うっそうとした森をゆったりと歩いてしばらくすると鼻に荒地の風と砂のにおいを感じるようになった。縄張りのはずれに近い証拠だ。

ほかの生き物にやられていたり水が不足して枯れてなければいいんだけど、、。
そんな心配は杞憂に終わった。

まばらにはえた木々の間や下にしっかりときれいに力強く生えている薬草たちを見てレングティームーンは見とれた。

どの薬草も葉がしっかりとついていて、特に虫食いもなく状態は非常に良いものばかりだ。

これくらいたっぷり良い薬草があればいつ隣の部族が攻撃してきても、治療を満足にできる。。。もちろん、戦いなんてくだらないことが起こらないことが一番いいが。



薬草を見て回り、あたりの邪魔な雑草を引き抜いたらすぐに帰らないといけない頃合いになった。

間引きとして引き抜いた薬草をくわえてキャンプに戻ろうとしたとき、薬草のにおいで嗅覚がやられていてなにかが近づいてきたことに気が付かなかった。

なにかにたたかれてぎょっとし、後ろをふりかえると、そこには猫がいた。

しっぽでたたいた猫は、ふっくらとした健康的な毛並みにするどい爪を持っていたが、その瞳には怯えが浮かんでいる。

「あの、ここのあたりに住んでる猫ですよね?」
どうやら敵意はないらしい

レングティームーンの返事を聞かずに、その雌猫は顔をぬっと近づけてきた
「私の両親が、犬に襲われて!追い払ったけど二人は倒れて、血がたくさん出ちゃって、どうすればわからないんです。お願いです少しでもいいので薬草とか分けてください、助けてください!」
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投稿 by レングティームーン Fri Oct 22, 2021 10:49 pm

「ちょ、ちょっと、ちょっと落ち着いて。」
レングティームーンはその雌猫の形相に気おされて思わず後ずさった。

「あ、ああごめんなさい、、、でも時間はないの!おねがい、本当に、、」
雌猫はレングティームーンが後ずさったのを見て申し訳なさそうに耳を垂れた。

この雌猫は幸いなことに看護猫(?)に出会えた。

レングティームーンならけがの治療と薬草の使い方には通暁しているつもりだ。

「とりあえず、、止血はした?」
「ええ。でも傷がふさがらないの!」

だとしたら相当この猫の両親は危険な状態だ。
レングティームーンは助けに行こうと、止血用にクモの巣を用意しようとあたりを見回してクモの巣があるかどうか探したが、このまばらな森にはかかってなさそうだった。

仕方ない、レングティームーンは間引きとして引き抜いた薬草をくわえた。
「助けてくれるの?」雌猫の顔が輝いた。

「ええもちろん。全力はつくすけど、助けられるかはわからない、、」
案内して頂戴。とレングティームーンがまばたきすると、雌猫は荒地に向かって一直線で走り出した。

なにもない荒地の地面に、二匹の走る猫の影が長く伸びている。
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