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また、月の下で。〜シンア〜

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また、月の下で。〜シンア〜 Empty また、月の下で。〜シンア〜

投稿 by ヴァイオレットペタル???? Mon Feb 01, 2021 9:24 pm

今朝は一段と寒くなっており、猫たちは身震いをしながらキャンプの隅に固まっていた。今日は風も強くて、見習い部屋の一部が飛んで行ってしまったところをダストペルトとソーンクローが修復しているところだった。
「ダストペルト!手伝いましょうか?」ダストペルト目掛けて走ってきた白猫ははホワイトウィング。私の母親だ。ホワイトウィングは少し息切れていた。森でも走ってきたのだろうか。
「ああ、頼む。俺は少し荊を持ってこようと思ってな。土台を作りたいんだ。だからその間頼んだぞ」ダストペルトは少し機嫌がいいようで尻尾を振っている。
「サンポー!」明るい茶色の雌猫が立ち上がって「はい!」と叫んだ。ダストペルトは来いというように耳をピクッと動かした。いくら上機嫌でも自分で迎えに行く気はないようだ。サンポーは元気に走っていくと「何をするんですか、ダストペルト?」と聞いた。目を輝かせている。あの猫はとても先輩たちに可愛がられている。マダニ取りでさえ楽しそうにやるのだ。ああいうのを人生勝ち組と言うのだろうか。いいなと言うふうに眺めた。
私は少し派手すぎると思うのだ。深紅の毛に紫の瞳。そんな私の容姿のせいでバーチフォールがとホワイトウィングは揉める。
私は両親どちらにも似ていないのだ。
それにいじめっ子のレインポーにいじめられる。
「あんた派手すぎwそんなに目立ちたいのw?」と。別になりたくてこんな容姿になったわけじゃないわよ!と叫びたくなったのをグッと堪えて通り過ぎる。

1番憎いのは妹のアイヴィーポーとダヴポー。あの子たちはホワイトウィングにそっくりだ。私と違って。でも、2匹とも私の妹だ。家族なんだ。この2匹はどんなに憎くても私の家族である限り、守ってみせる。

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また、月の下で。〜シンア〜 Empty Re: また、月の下で。〜シンア〜

投稿 by ヴァイオレットペタル Tue Feb 02, 2021 5:21 pm

ただ、サンポーを見ていただけで「お姉ちゃん?どうかしたの?元気ないわ」と妹のダヴポーにそう言われ苛々してしまい、睨んでしまった。しまったと思った時にはダヴポーはガクガク震えて「なんでもない。ごめんなさい」と言って走って行ってしまった。そんなつもりではなかったのに。でもそれを口で伝えることはできなかった。
「クリムソンポー!いるか?」ライオンブレイズに呼ばれ、渋々立ち上がる。そして毛を綺麗に舐めると「なんですか」とぶっきらぼうに言った。貴方はダヴポーの指導者でしょ!と言わんばかりにクリムソンポーは尻尾を振った。
「いや、ただお前と狩りに行きたいだけだよ」ライオンブレイズはクリムソンポーの心を読み取ったように言った。
「ローズペタルは今足を怪我していてお前を指導できていないだろう?ファイヤスターにそう言われたんだ。」ライオンブレイズはそう言って瞬きをした。
『お前と狩りに行きたい』は嘘ってことでしょ?こんな派手なやつといたくないって思ってるんでしょ?心の中でわたしはさけぶ。
「君の毛、綺麗だよな」ライオンブレイズはクリムソンポーの毛をジロジロと見ていった。
「私は嫌いよ、この毛!派手すぎると思うし、レインポーには色々言われるし、それに…」クリムソンポーははっとした。色々言いすぎた。それにライオンブレイズは先輩なのに敬語を使うのを忘れていた。
「すみません、ライオンブレイズ。色々話しすぎました」クリムソンポーは下を向いていった。詮索されたらどうしよう。
「いや、ぼくはかまわないよ。それにの続きも話したくなったらいつでも話せ。俺じゃなくてもいい。信用できる猫に相談したければしたほうがいい。自分だけで悩むんじゃないぞ!」ライオンブレイズは空を見ながら行った。ライオンブレイズも誰かに相談したことがあるのだろう。スター族の誰かに。


そして森を静かに歩いていった。クリムソンポーは狩りと戦いどちらも見習い一位だがライオンブレイズと一緒にいると一位ではなくなってしまうのでずっと嫌だった。
でも今日はそうは思わなかった。対決したい。私が戦士になったら…
そして秋色に染まった木を見た瞬間「あっ!」クリムソンポーは思い出してしまった。
前世の記憶を。
私は人間だ。黒髪の、奥二重で。名前は萌香。これは『エリンギ・ハンター作 warriors』だ!
前世の頃私はwarriorsをよく呼んでいた。
本の中に転生してしまったってこと!?それも悪役クリムソンポーに!?嘘でしょ!?心の中で叫ぶ。
「クリムソンポー?どうしたんだ?」ライオンブレイズは心配そうにクリムソンポーの周りを歩き回った。
「あ…ちょっと…まあ、平気です」
あれ?この会話見たことある…
私の人生はシナリオ通りに進んでいくんだ!
だから、クリムソンポーは未来予知ができたのね。

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また、月の下で。〜シンア〜 Empty Re: また、月の下で。〜シンア〜

投稿 by ヴァイオレットペタル Wed Feb 03, 2021 8:14 pm

それから暫く経つともう、命名式だった。見習いの頃の日々はこれこそ『光陰矢の如し』と言う言葉にぴったりだった。
前世の記憶を思い出してから2ヶ月。

「「「「命名式を始める」」」」

ファイヤスターが野太い声でキャンプにいる全員に伝えた。
猫達はぞろぞろとファイヤスターの乗っている切り株の周りに集まった。隣でサンポーとダヴポーがひそひそと話しながら毛繕いをしている。
アイヴィーポーはホワイトウィングの横で爪を出したりしまったりと落ち着きない。

あ、私…1匹で座ってる…だからみんなが哀れな目で…

でもそんなことどうでもいいの…だって私は色んな意味でいつも目立っているから。
少し離れて座っていたレインポーの笑い声が聞こえる。


「お〜い、クリムソンポーさぁぁん!もしかして…1匹ですかぁw?」大きな声で笑い混じりに聞く。
無視、無視。
「うっわ〜あいつシカトしてきたんだけど〜うざ〜w」レインポーの声が耳の中でこだまする。


「レインポー」ファイヤスターに強く名前を呼ばれ、レインポーは静かになった。



「命名式を始める」もう一度ファイヤスターは言った。




*                               *

「おめでとう、クリムソンフェザー」ダヴウィングとアイヴィープールが近づいてくる。
「ありがと」とそっけなくかえすとレインテイルという名前になったレインポーが近づいてきた。
「ね、ちょっと話そ?」その目はとても苛々していた。


そしてレインテイルについていくとやっぱり。

頭からネズミの胆汁をかけられた。

ヴァイオレットペタル
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また、月の下で。〜シンア〜 Empty Re: また、月の下で。〜シンア〜

投稿 by ヴァイオレットペタル Thu Feb 04, 2021 6:11 pm

「きゃあああああ!」


レインテイルがネズミの胆汁を自分にも少しかけて叫ぶ。どこで私は間違えたのだろうか。warriorsにはこんなシーンはなかった。

近くにいた猫達が茂みを通ってやってきた。
「どうしたの!?」1番早くきた猫はソーレルテイル。おろおろとした様子で2匹の顔を見ている。三毛柄の雌猫が情報を掴もうとぱくぱくしている。
そこへバンブルストライプとトードステップがやってきた。

「あのっ…」クリムソンフェザーが話しかけた時、レインテイルが「クリムソンフェザーがっ…私にっ…」と嘘泣きをしながら話し始めた。
「あのっ…」ともう一度言う。するとソーレルテイルとバンブルストライプとトードステップが鋭く睨み、ソーレルテイルが「レインテイルが話しているでしょう!」と激しく怒鳴りつけた。しょうがなくクリムソンフェザーは一歩下がってレインテイルがなんて言うかじっくり耳を傾けることにした。
「クリムソンフェザーがっ…私にっ……ネズミの胆汁をっかけてっ…」レインテイルが大袈裟にそう言ったので「レインテイル!」と私が怒り立ち上がったとき、ソーレルテイルは「いい加減にしなさい!」とさっきより大きな声で怒鳴った。それに驚いたキャンプの猫達もぞろぞろとこちらへ来た。
「どうしたの!?」
「クリムソンフェザー!!!!!!」走ってきたホワイトウィングがクリムソンフェザーの酷い格好を見てレインテイルを睨んだ。
「レインテイル!うちの子に何をしたの!?」と言った時ソーレルテイルがホワイトウィングを押しのけて


「この子があんたに子供にネズミの胆汁をぶっかけたのよ!」と悲痛な叫び声を上げた。



「ソーレルテイル!クリムソンフェザーはそんなことしません!」驚いて顔を上げるとそこにいたのはダヴウィングとアイヴィープールだった。
「2匹とも…!」感動で近づこうとすると2匹は少し遠かった。あ、そうだった。ネズミに胆汁が私の体にべっとりと…



「まずは洗ってきなさい!」

ヴァイオレットペタル
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また、月の下で。〜シンア〜 Empty Re: また、月の下で。〜シンア〜

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