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無色の世界で貴女は泣いた

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投稿 by Murre Sun Jun 19, 2022 5:05 pm

Twitterの企画のようなものをbbsに持ってきました?
キャラデザ配布で頂いたキャラの小説です。
ゆっくり書き進めていきます。
因みにこの小説の元案は、小学校の頃に少しだけ描いて止めた漫画です。
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投稿 by Murre Sun Jun 19, 2022 5:06 pm

主人公のステラアイリス
星の菖蒲と星の虹彩の2つの意味を持つ、星や雪がモチーフの雌猫。
無色の世界で貴女は泣いた 16556110


最終編集者 Murre [ Sun Aug 27, 2023 11:12 am ], 編集回数 1 回
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投稿 by Murre Sun Jun 19, 2022 10:32 pm

ホワイトマウンテン(通称白)
非常に標高の高い一年中雪のある山の山頂付近に住んでいる白猫中心の部族。毛を雪と同化させ、主に兎や鳥を食す。年中気温が低いため長毛で、紫外線が直接来るためすぐ毛がちりちり気味になってしまう。そのためキャンプは北の小さな古いクレーター内に作られ、植物が殆ど育たないので羽毛を主に敷いている。看護猫は地上では夏の時期に、雪解けの流れを沿い、川で言う上流付近の渓谷へ下り植物を採る。過去何匹も滑死している。この部族で黒猫や濃い灰色の猫、白の入らない虎猫や三毛猫が生まれると“迷い者”とされ、族長の手により、その子猫の目の色の国へ託される。託された国はホワイトマウンテンの猫だと感じながらも乳母をつけてやる。

ブルーミラー(通称青)
一本の川とも繋がっていないカルデラ湖で、とても澄んでいる。空が映ることが多く、青く見える。泳ぎが得意な猫が多く、主食は魚。毛がすぐに乾く短毛が中心。目の青いホワイトマウンテンの猫は、ここへ連れてこられることが多い。キャンプは楕円の湖よ南側に突き出たところに作られていて、湖の周りには葦が生え、苔の代わりに葦を踏んで寝床などを作っている。

イェローサンド(通称黄)
土の上にさらさらとした砂が被っている草の少ない広い土地を持つ。足の早い猫が多く、小柄で痩せている体型。草の生えている部分にキャンプが作られ、そこには茨などが生えているため防御にも優れている。冬は砂の粒が凍るため多くの猫が肉球の擦れを訴える。雪の降るほど寒くならない南の方にあり、雨季と乾季に分かれる。雨季に運ばれてきたものが黄色の砂。黄色い目の子猫がホワイトマウンテンからやってくることが多い

レッドヘッジ(通称赤)
名前の通り赤い実のなる垣根に囲まれている。垣は櫟で、他の国の猫は近寄ろうとしない。櫟で囲まれたキャンプに屋根はなく、部屋は櫟の下の方の枝を蔦で縛って隙間を作りそこに苔などを敷いている。時々子猫が誤って死のベリーを口にしてしまうことがあるが、族長はここ以外にキャンプに適した場所が無いので、子猫を垣根の疎らなキャンプ中心に寝かすくらいのことしかしてやれない。

グリーンシャドウ(通称緑)
夏、影が葉を透かし緑になるくらい茂った森を領土に持つ国。殆どの植物はここで採れる。獲物も豊富で最も艶の良く肥えている国。国内を流れている二本の川は、イェローサンドとレッドヘッジからそれぞれ流れてきて、ホワイトマウンテンの山の向こうにあるオレンジホライズンの海まで流れていく。緑色の目の子猫がホワイトマウンテンから連れてこられる。

キャットミントフラワー(通称紫)
国の外れにイヌハッカの茂みがあり、惑星唯一のイヌハッカ。紫色の花が咲き乱れる時期は多くの猫がそこに行きたがるため、族長は6月頃になると毎年の咲く量を予想して仕事を多めに作り、少し離れたところで眠らずに隠れて見張る。イヌハッカ以外にも全ての物が領土内にあるので、キャットミントフラワーの猫達はマイペースが多く、ほんわかした雰囲気が常に流れている。紫色の目の子猫がホワイトマウンテンから連れてこられるが、数は少ない。

オレンジホライズン(通称橙の海)
ホワイトマウンテンの山の向こうにある海のこと。全ての猫が海に映る星や月、太陽の輝きを信仰し、年に一回の大集会や四ヶ月に一回の看護猫のつどいは海の淵で行われる。名前の由来は、水平線が日没時に橙色になるから。

ジェットブラック(通称惑星の裏の国)
語り継がれる伝説内で登場する黒猫の集団。目は不思議なことに赤く、全員の爪が長く鋭い。気が短く、常に誰か流血している。惑星の裏に住んでいると言われ、ジェットブラックの猫は全員、オレンジホライズンの勇者たちによって滅っされたと語られている。

左上から右下にホワイトマウンテン、レッドヘッジ、イェローサンド、ブルーミラー、
二枚目 オレンジホライズン、ジェットブラック、キャットミントフラワー、グリーンシャドウ
のロゴマーク。四角い石の色はその部族の象徴の色
無色の世界で貴女は泣いた 20220610
無色の世界で貴女は泣いた 20220611


最終編集者 マァーラーフェザー [ Mon Nov 14, 2022 8:07 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by Murre Fri Jun 24, 2022 9:31 am

地図
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投稿 by Murre Fri Jun 24, 2022 11:33 am

ホワイトマウンテン
族長
オレンジパピヨン[橙色の蝶]
耳がパピヨンのような茹で雌猫で、目は紫色に近い青。完璧な自猫。戦士名はパピヨンイヤー[蝶の耳]、ステラアイリスの元指導者

副長
ステラアイリス[星の虹彩][星の菖蒲]
薄い水色や灰色がかかった白の皮で、毛先が青っぽい雌猫。目は薄い紫色。オレンジパピヨンの元弟子

看護猫
プロミネンスアルカナ[紅焔の秘密]
燃えるような赤い目をした白の雌猫。弟子はアッシュミルキーウェイ

戦士猫
テンペストファー[嵐毛]
毛が風でもつれるくらい長い白ハチワレの鯖虎猫。青い目をした雄猫。弟子はクレッセントストーン

セレストアイ [青空目]
空のような青い目をした白い雄猫。

セピアフット [褐色脚]
脚だけ褐色の白猫。橙色の目をした雌猫。

ハネデューストリーム[蜜の小川]
背中に蜜色の線が入るクリームに近い白猫

スノーフレークペルト[雪の結晶毛皮]
白が多い白、きな粉、黒の三毛猫。琥珀色の目をした雌猫。弟子はブリザードストーン

エタニティエコー[永久のこだま]
声がよく通る水色を帯びた白の雌猫。日は群青色で、ステラアイリスの妹り

スネークラビリンス[蛇の迷宮]
背中と目にぐねぐねとした模様がある雄猫。背中の模様は灰色、目の中の模様は藍色の白猫。目は緑色をしている。弟子はゼファーストーン

フォレストボンファイア[森の焚き火]
緑色の目をした背中側と尻尾が赤茶の雄猫

アズールホワイト[空色白]
空色のような白い毛の雌猫。目は青で弱視。聴覚や嗅覚が特に優れている。

アルーンテイル[栗色尻尾]
尻尾と耳の先の房毛が栗色の雄猫。目はカッパー

母猫
ティアドロップ[涙の雫]
目の下に涙のような水色の模様がある本当に薄い灰色の雌猫。テンペストファーの連れ合いでジャガーキット[ジャガー子猫]、シアンキット[シアン子猫]、ラズベリーキット[木苺子猫]の母。

クリムゾンフレイム[深紅色の炎]
深紅の目をした母猫。フォレストボンファイアの連れ合いでノワールキット[黒子猫]の母。ノワールキットは目が黄色い濃灰色のため、イエローサンドへ送られることになった。

見習い
アッシュミルキーウェイ[灰の天の川]
背中と尻尾が灰色の白猫。日は水色の雌猫り指導者はプロミネンスアルカナ

クレッセントストーン[三日月石]
目のハイライトが三日月形のハチワレ茶虎猫。目は緑色雌猫。指導者はテンペストファー

ブリザードストーン[大吹雪石]
特に長毛で風が吹くと毛がもつれやすい足先だけ薄い灰色の白猫。目はアクアの雄猫。指導者はスノーフレークペルト

ゼファーストーン[そよ風石]
細く小柄で珍しく短毛の白猫。目は紺色のブリザードストーンの妹。指導者はスネークラビリンス

長老
パステルグリーン[淡い緑の色彩]
ミントグリーンの目とした薄い茶虎ハチワレの雌猫

スカイアンセム[空の聖歌]
声が透き通り、歌うことが好きな白猫。青色の目をした雌猫。

スターデブリ[星の破片]
生まれつき右前足の先が無いキジトラハチワレ猫。灰色に近い青の目をしていて、視力も低下している
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投稿 by Murre Sun Jun 26, 2022 8:14 pm

ブルーミラー
族長
オレンジシャトー【橙の城】
ハチワレ黒猫で、足の先や尻尾の下半分も白い。紺色の目をした雄猫。戦士名はシャトーシャドウ【城の影】
 
副長
エーデルワイスフラワー【エーデルワイスの花】
黄色い目をした雌の白猫。副長になることで母猫になることを諦め、他の部族に生まれてしまった子猫を託したと言われる。その猫はどの部族に居て、父親が誰なのかなど分からない。弟子はカスケードストーン
 
看護猫
リーフレガシー【葉の遺産】
葉にくるまれて葦の茂みの中に捨てられていた。銀色の虎猫で葉の色の目をした雌猫。
 
戦士猫
トゥルーブルー【色褪せない藍色】
トゥルーブルーの目をした黒い雄猫。弟子はフォーシルストーン
 
アイスバーグテイル【氷山尻尾】
尻尾だけ長毛で冬水分を含むと凍る、淡い水色の雄猫。目はクリーム色をしている。
 
ティンバーウルフ【森林狼】
森林狼に容姿が似ている雄猫。目は灰色のような水色で、泳ぎより走ることの方が得意。
 
リードシーショア【葦の浜辺】
砂色で茶色の模様が入る虎猫。琥珀色の目をした雄猫。弟子はハニーストーン
 
スフィアスカイ【天体空】
宇宙の青をした目を持つ雄猫。灰色の虎猫。弟子はファジーストーン
 
ヒースハイランド【ヒースの高原】
紫色の目をした焦げ茶の虎猫。弟子はストライプストーン
 
モノリスシャドウ【巨大な一枚岩の影】
体の殆どが赤茶色で左耳が黒く、その他白い三毛猫。暗いカッパーの目をした雌猫。
 
デイブレイクオーシャン【夜明けの海洋】
深い紺色の目をした薄い銀色の雌猫。捨て猫。
 
オピュレントフォレスト【華やかな森】
黒と焦げ茶と山吹色と白の入り混じった毛の雌猫。目は森のような深緑。
 
ムーンリベンジ【月の仕返し】
濃灰色の長毛の猫。ホワイトマウンテンとブルーミラーが争っているときにやってきた捨て子で、ホワイトマウンテンのにおいが濃かったことから“リベンジ“とつけられた。銀色のような水色の目をした雌猫。
 
見習い
カスケードストーン【小さな滝の石】
胸元が滝のように白い灰色の雄猫。目は水色をしている。指導者はエーデルワイスフラワー
 
フォーシルストーン【化石石】
茶色っぽい化石色をし、所々ひびのようなぎざぎざ模様が入る雄猫。目は赤錆色。指導者はトゥルーブルー
 
ハニーストーン【蜂蜜石】
輝き艶めく蜂蜜色の目をしたクリーム色の雌猫。指導者はリードシーショア
 
ファジーストーン【曖昧な石】
体の上から下にかけてグラデーションのように濃灰色から灰色に変わる色の雄猫。黄緑色の目をしている。指導者はスフィアスカイ
 
ストライプストーン【縞の石】
縞馬のような縞が体と尻尾に入る灰色と濃い灰色の雄猫。黄金色の目をしている。指導者はヒースハイランド
 
母猫
トワイライトフロスト【夕暮れの霜】
夕暮れの橙色の目をした灰色の雌猫。背中は霜の張り付いたような白い模様がある。アイスバーグテイルの連れ合いで、スノウキット【雪の子猫】、ミラージュキット【蜃気楼子猫】の母
 
フラジャイルペタル【儚い花弁】
薄い桃色のような毛をした山吹色の目の猫。シャトーシャドウの連れ合いで、モノクロームキット【単色画子猫】とルリキット【瑠璃子猫】、リヴァーキット【川子猫】の母。
 
ディストピア【暗黒郷】
青と緑のオッドアイの黒猫。子猫の頃にピラニアに後ろ足を噛み千切られ、それから様々な場所の手伝いをしている雌猫。前足と膝で歩いているような状態
 
長老
オールドメランコリー【古い憂鬱】
幼い時から体が弱い代わりに考えることに長けている雄猫。茶色と白のぶちで緑色の目をしている。戦士名はナイトフラッシュ【夜の閃光】
 
バーサークシャーク【凶暴な鮫】
戦いをすることで自らの地位を高めようとした雄猫。今は病気を患い元気がない。ムーンリベンジがやって来た頃に勃発していた戦いは、この猫がホワイトマウンテンに言いがかりをつけたもの。目の鋭い虎猫でアンバーアイ
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投稿 by Murre Fri Jul 01, 2022 5:27 pm

イェローサンド
族長
レッサーパンダオレンジ【レッサーパンダの橙】
笹色の目をしたレッサーパンダ柄の雄猫。戦士名はレッサーパンダバンブー【レッサーパンダ竹】
 
副長
ヴァルケイドファウンテン【火山の泉】
火山のような茶褐色の雄猫。目は水のような澄んだ青。弟子はカモミールストーン
 
看護猫
ウィンタ―グローリー【冬の栄光】
見習い看護猫だった冬に、国全体を救う偉業を成し遂げたため、オレンジホライズンからこの名を貰った。冬の盛りに生まれた青みのかかった灰色の雌猫でトルコ石色の目を持つ。弟子はスフィアストーン
 
戦士猫
ポイズナスネイク【毒蛇】
毒餅と思われるくらい殺傷能力の高い牙を持つ黒と灰色の蛇柄の雄猫。毒舌。目は毒々しい紫。
 
イレクトゥリスィティテイル【電気尻尾】
見習いの頃、木から降りた後尻尾だけ気にくっついていて、そこ木に落雷し尻尾が縮んでしまった。白と黒のぶち猫で目は黄色。
 
キャナルフェザー【運河の羽】
全身運河の水のような暗い青みのかかった灰色で、右横腹に羽根のような模様がある。目は水色。
 
ダークヴァーミリオン【暗い朱色】
暗い朱色と濃い灰色と白の三毛猫。飴色の目をした雌猫。弟子はスキャターストーン
 
ライトレイン【小雨】
湿気を含みやすい毛の雌猫。灰色と白のぶちで目は灰色のような青。
 
スタースカイ【星空】
紺色っぽい黒の体をした黄色の目の雌猫。弟子はナイトストーン
 
アブソリュートゼロ【絶対零度】
異例の寒さの日に生まれたウィンターグローリーの双子の兄。絶対零度の目で灰色の薄い虎柄が入る。弟子はハニカムストーン
 
ユークロニアエンパイア【時間の無い帝国】
誰とも関わろうとしないため、見習い時代も半ば独学で能力を身に付けた。戦士となった今も逃げるように一人を好む。狩りやパトロールも一匹で行う。暗褐色の虎猫で目は暗い山吹色。
 
ベリーシュラブ【ベリーの低木】
ベリー色の目と枝色の体で、焦げ茶の縞が入る雄猫。
 
スティールペルト【鋼鉄毛皮】
皮膚がとても固い鉄色の長毛の雄猫。目は火花の黄色。
 
シャイニングホープ【輝く望み】
濃い灰色で黄色い目の雌の捨て猫。
 
見習い
カモミールストーン【カモミール石】
黄色い目の白い雌猫。指導者はヴァルケイドファウンテン
 
スフィアストーン【天体石】
濃い紺色の目を持つ黄土色の雌猫。指導者はウィンターグローリー
 
スキャターストーン【飛び散る石】
黒い小さなぶちが多くある灰色の雄猫。目は黄色で捨て猫。
 
ハニカムストーン【蜂の巣石】
六角形の黄色い模様が幾つかある黄、白、茶の三毛猫。薄い黄色の目の雌猫。指導者はアブソリュートゼロ
 
母猫
ミラージュファー【蜃気楼毛】
ぼんやりとした灰色の長毛の雌猫で青い海色の目を持つ、ヴァルケイドファウンテンの連れ合いでユニバースキット【宇宙子猫】(とハシュハシュキット【秘密の子猫】)。実はブルーミラーの族長、オレンジシャトーと付き合っていて、ユニバースキットとハシュハシュキットが生まれてしまった。ハシュハシュキットはオレンジシャトーの手によりトワイライトフロストのミラージュキットとされ、ユニバースキットはヴァルケイドファウンテンの子として育てている。
 
長老
トラディションミッドナイト【伝統的な真夜中】
副長が任命された真夜中に生まれた黒い雌猫。副長任命=真夜中という仕来たりにとてもこだわりがある。
 
ウィンドヒル【風の丘】
走るときに毛が風に撫でられ、盛り上がった肩などが丘に見える黄褐色の毛をした新緑色の目の雄猫。
 
クロウシャイン【烏の輝き】
黒く、烏のような光沢をもつ青い目の雄猫。
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投稿 by Murre Fri Jul 01, 2022 10:44 pm

ブルーミラー
トワイライトフロスト
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投稿 by Murre Sat Jul 02, 2022 10:03 pm

レッドヘッジ
族長
オレンジウィング【橙の翼】
橙色の目をした、青みのかかった濃い灰色の雄猫。長毛で、肩周辺の毛がもつれにより絡まり、翼のようになっている。羽のような尻尾。戦士名はナイトウィング

副長
スパロウソング【雀の歌】
声が高く、常に一羽の雀と行動している茶色の雌猫。目の下に黒い模様があり、目は暗い橙色。

看護猫
ハイドレンジアクリスタル【紫陽花水晶】
青い紫陽花色をした目を持つ淡い灰色の雌猫。生まれつき左目が無い鉤尻尾。

戦士猫
チェイスクレイン【鶴を追う】
足の先と口周辺が黒く、目が赤銅色の白い雄猫。足が速い。弟子はウィンドストーン

ハニーレモン【蜂蜜檸檬】
蜂蜜檸檬色の目をしたクリーム色の長毛の雌猫。

ターニングホーク【旋回鷹】
上から見ると背中に鷹の飛ぶシルエットのような黒い模様がある灰色と黒のぶち猫。目は黄色の雄猫。

パインリーフ【松の葉】
松葉色の目をした焦げ茶の虎猫。弟子はエニグマストーン

オーシャンサンクチュアリ【海洋の聖域】
看護猫ではないのに予言が降り、自らの魂をどの猫とも入れ替えることが出来る雌猫。目は紺色の白猫。

アンノウン【未知の】
白猫なのに捨てられていた雌猫。目は赤い。

フォールブランチ【落ちた枝】
細長い茶色の模様が入る砂色の雄猫。目は葉の緑色。弟子はヴァイオレットストーン

オータムクラウド【秋の雲】
鰯雲のような白い斑点が背中にびっしりと入る、空色に白を重ねたような毛皮の雌猫。目は秋の夕暮れ色の橙色。

ブルークレマチス【青いクレマチス】
青い目をしたクレマチス型の黒い柄が入る毛の雌猫。弟子はホワイトストーン

ホウオウフェザー【鳳凰の羽根】
赤い尻尾をした赤と砂色と焦げ茶の三毛の雌猫。火のような橙色の目。

ウィンドフィーリング【風の気持ち】
走ることの好きな黄色の目をした茶色い雌の虎猫。弟子はタイガーストーン

見習い
ウィンドストーン【風の石】
指導者のチェイスクレインと似て足が速い、薄い灰色の雄猫。目は山吹色。

エニグマストーン【謎の石】
アンノウンが来たぴったり一年後に再び捨てられていた赤い目をした白い雄猫。指導者はパインリーフ

ヴァイオレットストーン【菫石】
青に近い菫色の目をしたロシアンブルーに近い毛皮の色の雌猫。指導者はフォールブランチ

ホワイトストーン【白い石】
白黒ぶちの灰色に近い水色の目を持つ雄猫。指導者はブルークレマチス

タイガーストーン【虎石】
橙色の虎柄の雄猫。目は色素の薄い黄色。

母猫
クラウドシェイド【雲の陰】
左横腹に雲の陰のような黒い模様がある白猫。目は緑色。フォールブランチの連れ合いでロウタスキット【蓮子猫】とフォックスキット【狐子猫】の母

マグノリアコブシペタル【辛夷の花弁】
しょうが色のハチワレ虎猫。目は黄色。ターニングホークの連れ合いでウォーターキットの母

長老
サンハート【太陽毛皮】
太陽のように温かい心の持ち主。元オレンジウィングの指導者。暗い黄金色の毛皮をしたエメラルド色の目の雄猫。


最終編集者 マァーラーフェザー [ Tue Jan 17, 2023 5:19 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by Murre Sat Jul 02, 2022 10:37 pm

オレンジウィング
(と入道雲のつもり)
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投稿 by Murre Sun Jul 03, 2022 10:31 am

レッドヘッジ看護猫のハイドレンジアクリスタル
背景は紫陽花のつもり〜
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投稿 by Murre Sun Jul 03, 2022 8:41 pm

グリーンシャドウ
族長
オレンジポンド【橙色の池】
平らな橙色の目をした粘土色の毛皮の雌猫。戦士名はメープルポンド
 
副長
ブラックライトニング【黒い稲妻】
両横腹に雷型の黒い模様が一つずつ入り、黒い尻尾は火により焦げてぎざぎざしている。クリーム色の雄猫で目はネズの実色。弟子はエーデルワイスストーン
 
看護猫
ラベンダーフレーバー【ラベンダーの香り】
苦い薬草には名にちなんで必ずラベンダーの香り、味をつける薄紫色の目をした、灰色に濃灰色の縞の入る雌猫。弟子はマウスストーン
 
戦士猫
ストロベリーフラワー【苺の花】
腰付近に土色、上半身に苺の柱頭のような黄色い丸い模様が入り全体的に白い雌猫。目は黄色の雌猫。
 
シーサイドパール【海辺の真珠】
首に、大集会時に海辺で拾い、領土内に生える長い蔓を通した首飾りを付けている雌猫。崖のような濃い灰色で海のような青い目をしている。見習い時に死んだ弟のオリビンストーン【橄欖石】は首に拾ったペリドット(カンラン石)を付けていた。
 
ブレイズバード【炎の鳥】
橙色の毛をした赤い尻尾の雄猫。目は黄色。弟子はホウルストーン
 
サンズドーナツ【太陽のドーナツ】
左目の周りが、日食時の光のように白くなっている黒い雄猫。目は太陽のような強い橙色。
 
アイスィクルクロー【氷柱爪】
生まれつき左前脚の爪が二本欠けていたので、そこに溶けない水色の氷柱を入れている。氷のような冷たい水色のかかった白猫で、目はエメラルドグリーン。弟子はサンライトストーン
 
ブルーベリースィケット【ブルーベリーの茂み】
ブルーベリー色の目をした黒い雄猫。
 
トゥーザフューチャー【未来の者へ】
緑色の目をした黒猫で元捨て子の雄猫。
 
サンダー【雷が鳴る】
額に雷柄が入るクリーム色の雄猫。弟子はハーフムーンストーン
 
ナイトトドロキ【夜の轟】
大荒れの夜に生まれ、誕生の瞬間には雷が大きく鳴った。夜闇色で黄色の雷色の目をしている雄猫。
トレインドパワー【鍛えられた力】
次期族長と唄われる雄猫。薄い毛で目が緑色の白猫。弟子はスノーマンストーン
 
クロコダイルペルト【鰐毛皮】
鱗のようにざらざらした黒っぽい黄褐色の毛皮を持ち、顎の力が強い雄猫。目は濁った緑色。
 
カスミスカイ【霞空】
ふんわりとした長毛のごくごく薄い灰色の雌猫。目は水滴のような澄んだ水色。
 
母猫
カッパーベル【銅色の鐘】
カッパーの目をした、暗い青銅色の雌猫。ナイトトドロキの連れ合いでアイスキット【氷子猫】とスノウキット【雪子猫】の母。
 
プルーロゥアイ【冥王星の目】
冥王星色の目をした、数本薄い灰色の線が入る白猫。トレインドパワーの連れ合いで、ウラヌスキット【天王星子猫】とネプチューンキット【海王星子猫】、サターンキット【土星子猫】の母
 
見習い猫
エーデルワイスストーン【エーデルワイスの石】
黄色い目をした白い雌猫。指導者はブラックライトニング
 
マウスストーン【ネズミ石】
ネズミのような灰色の毛皮で銅色の目をした雄猫。指導者はラベンダーフレーバー
 
ホウルストーン【穴石】
花周りだけ黒い白猫。水色の目をした雄猫。指導者はブレイズバード
 
サンライトストーン【日光石】
後頭部から尻尾にかけてクリーム色の線が三本入る灰色の雄猫。目は濃い黄色。指導者はアイスィクルクロー
 
ハーフムーンストーン【半月石】
胸にツキノワグマのような半月の印がある黒っぽい雌猫。目は銀色に近い黄色。指導者はサンダー
 
スノーマンストーン【雪だるま石】
白っぽい頭と、僅かに陰った白の体をした黒い斑点が胸周辺に入る雄猫。目は人参色。指導者はトレインドパワー
 
長老
パストメモリー【昔の記憶】
全国最高齢の雄猫。濃灰色で毛先は白い。目は陰った空色。一匹の寂しさを和らげてくれる子猫や見習い猫が好き。
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投稿 by Murre Mon Jul 04, 2022 6:07 pm

ターニングホーク
レッドヘッジ
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投稿 by Murre Fri Jul 08, 2022 5:21 pm

キャットミントフラワー
族長
オレンジシトラス【橙色の柑橘】
爽やかな橙色の目をしたカフェモカ色の雌猫。足や尻尾、耳の先が白い。
 
副長
レッドファーベアー【赤毛の熊】
赤っぽい色の長毛の雄猫。体が大きい。目は暗い黄色。
 
看護猫
アンブレラスカイ【傘の空】
透明な傘を吊るしたような薄い黄色や薄い水色のぶちのある白猫。目は薄い黄色と緑の雌猫。
 
戦士猫
スネークズフロック【大蛇の群れ】
渦巻のような模様が多くあり尻尾が巻かれている雄猫。黒と灰の体で目は緑青。弟子はマーズストーン
 
ブルーウォーターリリー【青い水百合】
澄んだ青い目をした、全体的に薄い水色で口周りや胸、腹が白い雌猫。
 
ライラックブランチ【ライラックの枝】
ライラック色の目をした茶色に焦げ茶の虎柄の雌猫。弟子はソーンストーン
 
ジュニパーグラウンド【ネズの地】
白い靄がかかったような黒っぽい青の目を持つ、暗い黄土色の雄猫。
 
スクエアサテライト【四角い衛星】
四角い黒いぶちが入る白猫。琥珀色の目の雄猫。
 
アーモンドアイ【アーモンド目】
アーモンド形でアーモンド色の目をした雄猫。形の滑らかな茶色い虎猫。弟子はブランブルストーン
 
ギンコウイヤー【銀杏の耳】
黄色い耳をした灰がかった茶色の雄猫。目も黄色い。
 
フィッシュテイル【魚尻尾】
国内に流れる小川に尻尾を入れ魚を釣るのが好き。鱗のように輝く銀色の毛皮で目は黄緑色の雄猫。
 
フレッシュミント【新鮮なミント】
爽やかなミント色の目をした銀色の虎柄の雌猫。看護猫だったが子を授かってしまったのでアンブレラスカイに任せた。二匹の子猫は連れ合いのジュニパーグラウンドの手により殺された。
 
バルーンドリーム【泡の夢】
色素の薄い猫で半透明の水色の目を持つ白い雌猫。
 
トマトフラワー【トマトの花】
領土内に自生しているトマトの花のような黄色と実の橙色の目をしている。毛が細く透明で白く見える雌猫。
 
クリサンセマムウォーター【菊水】
淡いクリーム色の毛をした水中の葉の色の目を持つ雌猫。弟子はペタルストーン
 
プラントレイン【植物雨】
緑と青(右青左緑)のオッドアイの雄猫で白猫。弟子はケイヴストーン
 
見習い
マーズストーン【火星石】
火星のような赤褐色の毛をした日の色の目の雄猫。指導者はスネークズフロック
 
ソーンストーン【棘石】
黄褐色の虎柄の雄猫。深緑色の目している。指導者はライラックブランチ
 
ブランブルストーン【茨石】
ソーンストーンの兄で暗い茶色の虎柄の雄猫。黄緑色の目をしている。指導者はアーモンドアイ
 
母猫
ポピーシェイプ【芥子の形】
芥子の花のような赤い柄が数個ある赤、茶、白の三毛猫。目は緑色。スクエアサテライトの連れ合いで身籠っている。
 
長老
ムーンシー【月の海】
暗い灰色をし、クレーターのように薄い灰色のぶちが入る雄猫。目は黄色。
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投稿 by Murre Sat Jul 09, 2022 1:38 pm

プロローグ
人間は、地球でふえ過ぎた。今や人口爆発は少子高齢化の進んでいた先進国でも発生した。人々は人口増加に対する土地と、食料の問題を一挙解決すべく、周りの惑星に手を出し始めた。今地球上の人口の約四分の一は火星と近世に移り住み、植物を育て、家畜を養いながら暮らしていた。
人間の技術は、地球外への移住の他にも使われた。その一つが、動物に対する知識移植だ。
人間は数学から科学を全て理解したと悟った。浅はかな考えだと思うが。そこで人間は、人間という二足歩行で特別頭脳を発達させた生物ではなく、生物に人間の頭脳内の知識、全言語をデータ化したものを移植した。その実験はネズミから行われイヌ、猫と種を変えていった。これは、猫の場合の話だ。
人間の生暖かい実験室内で人工移植された数匹の血のつながりのない猫六匹に、それぞれ別の観点から知識が埋め込まれ、それに見合った言語が与えられた。一匹目から順に南極、ユーラシア、オーストラリア、南アメリカ、アフリカ、北アメリカ大陸の実験台の知識が複製され、脳の中心へと埋め込まれた。白衣を纏った人間たちは、自分たちの言葉が通じるようになった生後六か月の子猫達に、新たな星を見つけるように、と教え込んだ。
猫達はそれぞれ人工移植による子と、望みもしていない連れ合いと共に六つの箱に分けられ、宇宙船に乗せられた。犬が新星へ向けて送り出された二年後、ネズミから数えると十年後になった。仮冬眠となる温度まで下げられた箱内の猫達は、人間の常識と猫の本能の狭間を朦朧とさまよいながら、外を決して見ることのできない宇宙旅行に身を任せた。
それから数百万光年後、人間も自ら完璧と思い込んでいた愚かさを、遥か遠くの壊れかかった惑星で、悟ったのかもしれない。長年低温に保ち過ぎたことと離れすぎたことにより、人と猫を繋ぐ情報機器は壊れ、その爆発と共に猫達の冬眠は破れた。目をすっかり覚ました猫らは、外れかかった壁の隙間から見えた物に一瞬、帰って来たと錯覚した。
猫達の着陸した惑星は地球から約六百十一万光年離れた、別の銀河のもう一つの太陽系に属する三番目の惑星だった。銀色のたった一つの衛星が遠心力と引力に釣り合うように回っている。
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投稿 by Murre Sun Jul 10, 2022 3:41 pm

✧1✧
私は一族に指示を出しながら、湿気を多く含んだ雪の残る岩に登っている族長を盗み見た。オレンジパピヨンは再び空を見た。またあのことを案じているのだろうか。
「テンペストファーはパトロール隊を率いてください。地面もそうですが、空もしっかりお願いします。アルーンテイルはブルーミラー側の草地に狩猟部隊を率いてください。ブリザードストーンを連れて行くといいでしょう。あの子はもうすぐ戦士昇格試験が待っているので。そして、グリーンシャドウの方には近づかないでください」
私は年長戦士とまだ弟子を持っていない雌猫にそれぞれ部隊を率いることを指示した。二匹は快諾し、アルーンテイルはブリザードストーンとその指導者のスノーフレークペルトを呼びに行った。テンペストファーは彼の弟子のクレッセントストーンと戦士のセピアフットと共にキャンプ出入り口の黒ずんだシダの壁の穴を潜り抜けて行った。
「オレンジホライズンが戦士全員を無事、返してくださいますように」
オレンジパピヨンが岩の上で小さく呟いた。青い目には青空が映り、ホワイトマウンテンにはまだあの危機が訪れていないことを示していた。
「大丈夫ですよ。安心してください。」
私は族長を見上げて行った。オレンジパピヨンはこちらを向くと、そうねと静かに頷いた。アルーンテイル部隊もキャンプを後にした。
白猫がしなやかに岩から飛び降り、私と並んだ。
「ステラアイリス」
「はい」
数秒間をおいて、族長は私に向かって尋ねた。今度は空ではなくキャンプの猫達の様子を窺っている。
「もしー」
「オレンジパピヨン!」
オレンジパピヨンの声が、急に飛び込んできた雌猫の声に掻き消された。銀色の虎猫はきょろきょろとキャンプを見ると、私と並ぶ族長を見つけて大声で言った。
「ブルーミラーも、ジェットブラックの手に、落ちました!」
ブルーミラー看護猫のリーフレガシーははあはあと息をつくと、ぱたりと倒れ込んだ。プロミネンスアルカナがアッシュミルキーウェイと共に看護部屋から走り出てきて、看護猫仲間の状態を確認する。
「私は大丈夫。でも…」
葉の色の目には恐怖が浮かんでいる。顔は青白い。
「テンペストファー達やアルーンテイル達は!」
私は今さっき送り出してしまった部隊を案じた。オレンジパピヨンは残っていたスネークラビリンスに言った。
「二つの部隊を呼び戻してきて!」
スネークラビリンスは少し動揺した。目は看護部屋に向けられている。族長は気付いていないのだろうか?
「スネークラビリンスはキャンプの警備にあたってください。族長、私が行きます」
雄猫はほっとしたように頷いた。族長は私が提案してようやく気付いた。
彼の弟子のゼファーストーンは一昨日山から滑落して、まだ意識不明なのだ。
「ステラアイリス、黒は南からやって来たの。縄張りの北の方には、まだ残っている者がいるかもしれない。いたら、連れてきてほしいの」
私は尻尾を振り了解しながらキャンプを出た。ピューマのようには走れないが、出来るだけ雪のないところを飛び跳ねるように降りていく。
確かに、ブルーミラーの領土の南の方は黒雲に覆われていた。
ついに、この惑星内でジェットブラックの支配を受けていないのは、ここ、ホワイトマウンテンだけになってしまった。
私は降りながら二つの部隊を見つけるため忙しなく目を左右に走らせた。


最終編集者 マァーラーフェザー [ Wed Jan 18, 2023 5:09 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by Murre Wed Jul 20, 2022 3:56 pm

アイスィクルクロー
無色の世界で貴女は泣いた Dsc_0046
プロミネンスアルカナとアッシュミルキーウェイ
無色の世界で貴女は泣いた Dsc_0048
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投稿 by Murre Mon Nov 14, 2022 9:08 pm

✧2✧
「ステラアイリス!!」
不意に呼ばれた。雪のせいで横滑りしながら斜面途中で止まる。
「ティンバーウルフ」
速いスピードで走っていた雄猫は頷き、堰を切ったように話し出す。
「ブルーミラーもやられたんだ、ジェットブラックだ。キャンプにまだ、猫が沢山!!正午だったから、キャンプに多くの猫が居て……」
「ええ、分かった。貴方は、逃げて!山を登って、私達の、白のキャンプへ!私は、キャンプを見てくるわ」
「俺も行きますよ……」
「貴方はオレンジパピヨンに、詳しく状況を話して!侵攻を見て生き残っているものは、数少ない。情報が、足りない!」
銀色の狼のような雄猫は理解し、頷いた。
「オレンジホライズンが行く手を照らしますように!」
私は南へ駆け出しざま叫んだ。ブルーミラーの戦士が反応したかどうかは確認する術が無い。
一刻も早くブルーミラーの、ここより遥か南にあるキャンプを見に行かなければ。どれほど多くの猫が色を失うか、想像しただけで鳥肌が立つ。
雪はとっくの昔に通り過ぎたが、ブルーミラーの湖は簡単に見えない。あそこは霧が立つことが多いのと、北側の淵は沼気味なのと、キャンプのある南側に比べて細いからだ。
「あ……ぁ……」
思わず溜息が漏れた。視線の先、私が今向かっている方向には、ブラックホール色の暗雲が立ち込めていて、その下の大地は草の緑色を失い、黒く枯れ荒れ果てている。
そして、湖は見えてきたが、その水は見慣れていた輝く空を映した青色ではなく、くすんだ墨色。じわじわと南から広がってきて、べとつく沼と混じる。ブルーミラーのキャンプの存亡が危ぶまれる。
「オレンジシャトー!」
ブルーミラー族長の名を、暗黒の世界に向かって叫ぶ。私の疲れた声は遠くまで届かない。ぱっと散って、音の波が波でなくなる。
「キャンプへ……」
独り言を呟く。自分の体を無理矢理動かすために、自分自身に命令する。
ブルーミラーの族長も、今キャンプで色を失い、灰色になった目で黒い雲を見上げているのだろうか。ジェットブラックにより、どの部族も色と生命を奪われていく、不条理な世の中。
「ステラアイリス、ホワイトマウンテンの副長」


最終編集者 マァーラーフェザー [ Wed Jan 18, 2023 5:09 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by Murre Sat Jan 14, 2023 11:40 am

✧3✧
ティンバーウルフではない、澄んだ雌猫の声。
振り向く。
視線の先には、橙色の、光の帯。
エジプト座りする雌猫は、淡い明るい光を纏い、沈もうとしている太陽を背にしている。輪郭の短い毛が光を屈折させ、透明に光っているかのように境界線が曖昧になる。
「貴女は……」
「ええ、やって来たの、橙色の太陽から」
「オレンジホライズン」
明るい橙色と黄色に輝く水平線を背に、先祖の猫は微笑みつつ頷く。
「私、ブルーミラーのキャンプへ……」
踏み出そうとした脚は、硬直してしまったのか、ぴくりとも動かない。
「いいの、貴女はいいの」
滑らかでゆったりとした導の声。
            ココ
「私達はこの時間帯にしか惑星上に存在出来無い。勇者たちがジェットブラックに勝利した、夕方の光の時間」
私は、伝わる伝説を思い出し、そうですね、と頷く。
「一日中動けるのは、貴女達、惑星上に生命宿す者達」
オレンジホライズンの戦士の顔は、未だにはっきりと見えないが、橙色の瞳がきらりと光ったような気がした。
「だから、私が使いとして降りてきたの。丁度ジェットブラックの進攻と重なってしまい、一部族しか救えないという結末になってしまったけれど」
日没の光は刻一刻と小さくなり、夜闇がじわじわと迫ってくる。
「色を集めて。今後、この惑星に彗星が近づく。その日、夕日を身に纏い、新たなる世界へ出掛けるの、ステラアイリス」
先祖の戦士の言葉は次第に早口になる。私はただ耳を傾けるのみだ。
「残された者達で、オレンジホライズンの再興を成し遂げるのです」
今日の光が失われつつある。下半身は宵の影に混ざり、既に見えない。
「さあ、キャンプへ戻り、星降る夜を待ちなさい」


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投稿 by Murre Mon Jan 16, 2023 8:25 pm

✧4✧
背中を押されたような感触で、はっと辺りを見渡す。
いつの間にか日は地平線の遥か下。残る太陽の鱗片も闇空に溶け、直ぐに星と化するだろう。
月が無く、太陽も沈んだ時間帯なのに、足元付近に影がある、と頭の片隅で思った。
いや、私という障害物により生成される自然の影ではない。
触れたら、全てが飲み込まれてしまいそうな、ブラックホールより深い漆黒の影。
本能が『走れ!』と叫んでいた。
脚を車輪のように果てし無く回転させて、人生最高速で走る。風の強さで、そう体感する。
先程降りてきた山を、尖った石をなるべく避けながら駆け上がる。けど、その努力も虚しく、直ぐに尖った痛みが肉球を刺激する。
依然雪の残るキャンプを目指す。
そして、背後から迫りくる、底の無い闇から必死で逃げる。
もし今も日が昇っていて、オレンジホライズンの猫達が私を眺めていたら、先祖の惑星では主に雪山に生息していたというピューマに負けない速さだと感嘆するだろう。
斜面が急になり、スピードが嫌でも落ちる。
足場に気を付けながら、しっかりとした小さな岩棚のような場所を見つけては、そっと跳び乗る。
「はっ」
乗った岩棚は風化して脆く、思わず声を出す。
ぱらぱらと大きめの石が零れ落ち、下の方で砕けた。
その微かな音が反響して、山を這い上ってきた。
次は気を付けよう。
慎重に足場を選びながら誓う。
次の迫り出した岩に脚を掛けようとしたら。
「わぁっ!」
唐突な揺れに、身体も心も震える。
よっぽど動揺したのか、焦点が一瞬ずれた。
何秒も経たないうちに、振動が収まった。
この岩棚は、なんとか持ちこたえたようだ。
何の揺れだろう?と首を傾げながらも、キャンプへの足は止めない。
先程の揺れにより、頂上付近から降ってくる小石や砂利も、私の下から落ちてゆく岩石も増えた気がする。
「ようやく!」
キャンプがもう少しで見える!
と思ったのが最後。
元の形の山を望めていたのは。


最終編集者 マァーラーフェザー [ Wed Jan 18, 2023 5:08 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by Murre Tue Jan 17, 2023 6:55 pm

✧5✧
地面が再度揺れた。足を踏み外しそうになった時よりも強く、大きく。
さっきの反省を活かしてなのか、本能なのか、そこまで思考は辿り着かないが、咄嗟に爪を出し、ぼろぼろと崩れ落ちそうな脆い山肌にしがみつくことは出来た。
揺れが収まったか、と安堵しかけたら、耳をつんざくような、鼓膜を破るような、爆発音が噴き上がってきた。
熱を持った、埃っぽい砂塵が鼻の中、目の中、口の中に容赦なく入り込んで来る。
「何が!」
何が起こったの!
この激しい揺れと、一瞬にして変わった空気の質。
こんなの、前代未聞だ。
地面が熱病に罹患したように、徐々に熱を上げる。直ぐに肉球が熱くなる。
爆発音の直後に発生した突風の風向きが変化し、砂埃が私の背後から迫ってくる方向になった。
ごろごろと痛む目を、怖ず怖ずと開く。瞼の裏に粘ついた砂粒が付着した感触が、私の眼をじわじわと刺激する。
「あっ!」
目の前に、山の上部にある、キャンプの窪みは無かった。キャンプがあった場所には、もくもくと背丈の高い煙が立ち上がり、空へ向かって咲く花のように広がってゆく。
煙の発生源周辺にも、山を削り取ったような岩がごろごろと落ちてきていて、山の形がすっかり変わってしまっている。
「オレンジパピヨン!」
族長の名前を呼んだが、噴煙の下の猫達はひとたまりもないだろう。
煙は晴れることなく、いや、どんどん悪くなっていく。灰が空を覆い尽くしていく。空が次第に侵食されていく。まるで、地上の国々のように。
熱が引いたかと思うと、粉っぽい溶岩らしきものが、振動を伴って振り始めた。
私は逃げようと戸惑うが、この噴火の二次被害からは逃げられない。
この惑星上に居る限り。
新月の夜、火山灰に空は覆われ、頼りない明かりしか放たない星々も、薄い幕の外側へと追いやられる。
私も、このままここにしがみついて死ぬんだ。
キャンプに残っていた猫達のように。
ジェットブラックに侵略され、色を失った他国の漆黒の猫達のように。
黒よりも深い黒の絶望が胃から迫り上がってきた。
火砕流による振動は尚収まらず、ここの岩棚もぴしっぴしっと不吉な音を立てている。
もう、岩棚も限界か……
目の前に星がちらつき始める。遂に、私は火山灰の膜を抜け、昇天していたか。
前脚がぷるぷると震えた。もう、辛い思いはしたくない。いっそ、遥か下部の山の麓へ身を投げ出してやろうか。
爪に痛みが走る。毎日研いできた爪も、擦り減ってしまうほど、私はこの山肌の隙間に居たのか。
諦観の念が脳内を支配する。
さよなら、愛する惑星よ。私の国、ホワイトマウンテン。私は先祖の願いを叶えられぬまま、命を全うするんだ。
何の前触れも無く、山を中心に再び惑星が揺れた。
あぁ、また大きな揺れが来たな。
力無く首をもたげ、震源を確認しようとする。
目の端に、輝く夜空が映った。
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投稿 by Murre Sat Jan 21, 2023 4:54 pm

✧6✧
一番最初の地の揺れ。あれは、火山の突発的噴火が原因ではなく、惑星全体の揺れだったのだ。
火山灰の雲が割れるように晴れ、夜空が煌めきだす。
星の降る夜、彗星の夜。
オレンジホライズンの猫が夕暮れに口にした、魅惑の輝きの夜。
長く引く尾の発生源へと、上を向きながら進む。水色で青く、紫が掛かって、濃い桃色の光の帯は、山の裏から発生している。そこに、水源があるように。
近づくにつれ、光が眩しく、鮮やかになってくる。月無し夜だが、山肌の小石を一粒一粒見分けられるくらい明るい。
不意に再び揺れた。
惑星の震えは、回数を重ねるごとに大きくなっていく。
地面から伝わっていた、火山内のマグマの熱も引き、いつの間にか空気は冷徹な雰囲気を纏っていた。
山の上の方にいるからか、それともマグマが冷え固まったからか、吐き出す息がくっきりと白い。
ようやく山の裏側に回り込んだ。ちくちくする火山灰が辺りを覆っていて、肉球にめり込んでくる。
足の裏についた火山灰を舐め落とそうとし、口の中がべたべた、ごろごろした。諦めて、唾を何回か吐き、光源を探した。
目を閉じても、瞼の裏にちらつくばかりの、激しい輝き。
コバルトブルーを中心として、空色、青紫色、氷色、さまざまな宇宙の色が鮮やかに、繊細に、太い一枚の帯を織りなしていた。
そのオーロラより真っ直ぐな光帯が揺らめく度に、惑星は振動する。
眩しさに目を細めながら、吸い込まれるように源へ近づく。
様々な色の光の中に包まれた時、空気が凍りついた。
冷気の発生源にあったものは、光の発生源と同じで、大きな凍りついた岩石だった。
その氷の貼り付いた大岩が、がりがりと毛も逆立つ耳障りな金属音に近い音を立てると、彗星の尾の光帯が、風に吹かれた幕のように揺れ、遅れて地震がやって来る。
最初の地震の時、彗星は山の向こうに落ちていて、私の場所からは見えなかった。
けれど、この氷岩を目の前にした今、惑星が震えだし、火山が噴火を始めた原因は、この彗星の衝突にあったと、頭の端で理解した。
凍てついた岩に、自ずと足が吸い寄せられる。
私の本能の中の核が、私を突き動かそうとしている。
息が真っ白になり、鼻面に水滴が付着する。
再び大きな、多分最大の振動が来た。転びそうになるが、脆い岩肌に爪を立てて堪える。
惑星の表面に食い込んだ彗星の移動は、次第と大きくなり、惑星から離れ、再度永久の旅に出ようとしている。
これを逃したら、次は無い。
彗星の尾が先から黒くなっていき、惑星に食い込んだまま止まってしまう、漆黒の彗星。
脳がじーんとなるような想像。
ここを離れなければ、ホワイトマウンテンの山までもがジェットブラックに支配されてしまう。
心の声だろうか、先祖の呼びかけだろうか。
私は決死の思いで、動き出した彗星に跳び乗った。
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投稿 by Murre Sun Jan 22, 2023 8:46 pm

✧7✧
心地良い冷気が口から入り、気管支をすうっと冷やして、肺まで運ばれてゆく。まるで凍星の煌めきの欠片を飲んでいるような、なんとも言えない至福の一時。
彗星は、一度惑星の食い込みを逃れてしまうと、流れ星の速さで進んでゆく。故郷の、漆黒に殆どを侵食されている惑星が、ぐんぐん遠のいてゆく。
どこから湧いてきたのかは分からないが、必ず戻って来れる。そんな自信が心の奥に居座っている。
惑星、そして太陽から離れていくごとに、彗星の温度はより下がる。色鮮やかな尾も次第に短くなり、流星が、私の乗っている彗星の核へ併合されてゆく。
黒く、果てし無く広がっている宇宙は冷酷な場所で、この寒い彗星に身を寄せていなくても、自ずと孤独を噛み締めなければならないだろう。
この宇宙の色は何色?不安を可視化したマイナスカラー?
彗星の他にも、所々に光が見られる。火の粉が消えずに、風に乗って運ばれてしまったような散らばり。
その一つ一つの燐光は頼りなく、冷たい。
辺りを見回していたら、彗星から足を離してしまった!そう思って心臓が跳ね上がった。
けれど、よく見てみると、宇宙に熱を吸われた彗星は冷え固まり、私の足の周りには氷ができていた。足が凍って彗星と合体しているので、自然的宇宙船から身を投げられることは、太陽のような強く温かい恒星に近づかない限り、ないだろう。
青、白、黄色、赤……
色とりどりの光が深い漆黒のだだっ広い三次元空間に点在し、私の暇潰しに一役買ってくれている。
しかし、果てし無い。
何時間も何日も何週間も、同じような、奥行きしかない空間を進む。景色は全く変わらず、恒星が近づいて大きく見えることも無い。時々、不格好な小惑星が彗星と接近するが、ぶつかることは未だかつて無い。
私は何をしたいんだっけ?
呆然と宇宙を眺め、時々使命感を放り投げたくなる。
この彗星の行き先も知らずに乗り、死ぬかもしれないという危険を鑑みずに惑星を捨てた私は、果たして……
温度が極端に低いからか、臓器機能が低下し、空腹感は全く感じない。呼吸の感覚も次第に空いていて、時々吐く白い息は、その場に留まったかと思うと、後方へ流されていく。
いや、私が移動しているのだろうか。
風景の流れる速度は遅く感じる。
時々、銀河が近づいたり、星雲が目視できたりするが、直ぐに遠ざかってしまう。
暇だ。
ジェットブラックの支配下には戻りたくないが、この永遠なる時間から抜け出したい。
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投稿 by Murre Sat Jan 28, 2023 5:56 pm

✧8✧
惑星を空から覆う、淀んだ影よりも、濃く、深い影が滑るように動く。漆黒の空気にぼんやりと浮かぶ一対の光。琥珀色の光の面積は少なく、殆どはかっと見開かれた焦げ茶色の瞳孔が占めている。
何処かで弱々しい子猫の鳴き声。
影のように這い進む黒猫の耳が、声の方向にぴくりと動いた。白い牙が口の中からかーっと覗く。
辛うじて見える白い線は、ぐっと細めた左目を囲う綺麗な円形。
日食柄の雄猫は、先程より遥かに速いスピードで、沼闇を突っ切る。べたべたとした漆黒の空気は、黒猫の柔らかい毛に付着するが、気にせず歩みを進める。
「助けて……」
見下された子猫は、誰彼構わず声を出した。
見下ろす雄猫は無表情だ。
子猫は反応が無いのに不信感を覚え、そっと目を開けた。全身闇の沼に浸かり、震えが止まらない。
「誰も居ないの?」
世界の漆黒に同化した黒猫を見つけられず、白い子猫は弱く溜息をついた。僅かな白い息が一瞬で黒くなり、凍りついて落ちた。
環状の模様の雄猫も、はーっと息を吐き、重くなって落ちる息を見つめた。
「白の国じゃあ、黒猫は見慣れないだろう」
子猫がびくっと目を開けた。水色の目が恐怖で固まる。
「こんな世の中じゃ、尚更」
水色の目が次第に黒に支配され、子猫の真っ白な毛皮も灰色に侵食されていく。
「そこに、居るの?」
子猫の視野が次第に狭くなっていく。闇が景色を奪ってゆく。
「居る。不思議なことに、闇に耐性がある猫が生き残っているようだ」
雄猫は、尻尾の先から黒くなっていく子猫を苦しそうに見る。
「誰?」
声を絞り出すと、子猫の瞼が痙攣した。ぎゅっと閉じられた目は苦しそうだ。
「俺はー」
琥珀色の目に、懐かしと辛苦の感情が浮かぶ。
「日食の昼闇に生まれた、環を持ちし猫、サンズドーナツだ」
子猫からの反応は無い。徐々に固くなっていく黒い小さな身体。
サンズドーナツと名乗った雄猫は、痩せた身体を咥え上げた。
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投稿 by Murre Mon Jan 30, 2023 12:04 am

✧9✧
宇宙の闇に頭がくらくらする。遠くの星々が瞼の裏に瞬きながら散る。
夢と現在の狭間の曖昧な時間。ぼんやりとした、形の無い時間。夢現な状態だけど、身体は動く、目覚めの悪い瞬間。
段々と意識がはっきりしてきて、眠っていたことを理解する。しかし、どう考えても、先程までいた夢空間の内容は思い出せず、心の引っ掛かりを遠い世界へ残してきたのでは、ともどかしさに歳悩まされる。
けれど、その感覚もほんの数十秒で、日中には、夢を思い出したかったなんて思っていたことさえ忘れる。
曖昧な境界線が、ぷつんと切れてしまう、目覚め。
相変わらず、彗星の上は寒く、常に吐いた息は白くなり、凍る。息が掛かる鼻と睫毛は凍り、瞬きする度にぱさぱさと軽い音が微かにする。
身体が一種の冬眠状態に入っているのか、臓器の活動は鈍くなり、食欲は依然湧かない。
睡眠は取ったが、さて、どのくらい眠りに落ちていたのか、太陽という天然時計が無い今、計る術は無い。
からからからと、氷のぶつかる軽音が背後でした。
当然のことながら、脚が凍って彗星表土に貼り付いているため、後ろを振り向くことなど不可能で、首の動く範囲の景色しか眺めることは出来ない。
惑星を出立してから、どれほどの銀河を越え、今どこまでやって来たのだろう。
永遠なる時間の中、景色も恒久なるもので、星の配置や数、色が変化しているだけで、大きな変化という楽しみは、星と違って散りばめられていない。これまでも、これからも、出会うことは無いだろう。
つべこべ考えてるうちに、涙が頬を伝った。
何故だろう。
懐古郷愁とは、これなのか。
涙を振り払おうと瞬きするごとに、涙は溢れてくる。視界が最初の波紋のように歪む。
首を数回振って、頭をすっきりさせようと試みるが、深い眠りから這い戻って来た後だ。涙の理由をしっかりと考えることは出来ない。
頭が回らない。
彗星の尾の氷が立てる、からころから、軽い複数音は、次第に増えていた。
よっぽど私は暇だったのだろう。
これ程の、普段なら聞き逃している音の回数の変化にまで気づいたのだから。
私の涙を向かい風が攫って行った。
不意に、呼吸が楽になる。口から吐かれる白煙に生温さを感じたのは、私の思い違い?
目の端に、暫く見なかった、強い光。
間隔の広い見慣れた散星たちではなく、1つの星から出された、眩しいくらいの直光。
突然そちらを見たら、多分網膜が焼けるよ、と本能が囁やき掛けてきたから、誘惑に負けず、じわじわと光源を辿る。
「わぁ……」
溜息が漏れた。
旅中、ずっと感じることなかった暖かさ。光の熱。生き返った心地に包まれる。
このまま寝てしまいたい。
彗星は、ぐんぐんとその光に近づいていく。1つの恒星。待ちに待っていた、光への接近。
氷の張り付いていた毛が解け、その氷もちょっと置いといたら生温かくなり、蒸発する。
鼻面に付いた水滴も水蒸気になり、更に呼吸が楽になる。
光とは、なんと美しきものだろう。
見習い猫になってから、惑星が闇に侵略され始めた私は、なんとも言えない幸福感を、生まれて初めて実感する。
常に当たり前にあったら気付けない大切な物。
彗星はそれを間接的に教えてくれた。
耳の奥に付いた水滴を足で拭き取り、全身をぶるっと震わせる。いつの間にか氷は解けていて、強張った節々をほぐすことが出来た。
呆気の瞬きを2回。 
私の体は無意識のうちに爪を立てていた。伸びた爪が、かりかりと彗星表面を削る音がする。
いつの間にか、氷のぶつかり合うからから音は消えていた。
自由になった体で、滑らないよう気をつけながら、そっと振り向く。
悪寒が脊髄を這った。
目に見えない力が、私の体を持ち上げようとする。
後ろ脚が堪えきれず、宙にはためく。
数秒踏ん張っていた前脚も、速さと力に太刀打ち出来なかった。
ふわりと体が浮く。
無重力空間に投げ出される。
「たっ…!」
ショックで、助けてと叫ぶことが出来なかった。喉が引き攣り、声が出ない。
猛スピードで飛ばされる私の体。
自由の効かない、引っ張られるばかりの私の目の端に、黄色を帯びた強い銀色の真ん丸い“月”が映った。

今となっては古の時代に、別世界へ送り込まれた、人工的知能・考え・言語能力を持つ猫達の子孫が、長い年月振りの帰郷を果たした。
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