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投稿 by レパードクロー Thu Sep 10, 2015 10:27 am

Chapter11

coolhazeside






大粒の涙がすーっと頬を伝って流れ落ちた。

誰かに見られるとまずいので慌てて涙を手でぬぐった。涙は地面に落ちていった。

サンダー族を飛び出して1週間。自分はとんでもない大罪をおかしてしまった。あの指導者の言葉に酔いしれ、なんということをおかしてしまったのだろうか!

シャドウ族_いやボルトシャドウ族のキャンプへ入った来た自分をボルトウェルフは褒めあげた。

そうだ、それこそが戦士だと。聞くところによると彼はある裏切り者の子孫らしい。タイガースターの子孫。

これが本当かどうかはわからない。年輩の戦士がひそひそと話していただけだった。

彼の言葉に感激し、酔いしれ、都合のいい解釈を真に受けて自分は、自分は___!


副長を殺してしまったのだ!!!


もちろん一人でしたのではない。自分にそんな勇気はない。いや、勇気じゃない。正しくは腐りきった勇気だ。

シーアイズとミラクルフットもついてきた。自分が彼に体当たりしてミラクルフットが耳を引き裂いた。シーアイズはプラティパスポーを仕留めた。

キャンプに戻ってきてすぐに幻覚に悩まされた。前足に血がべっとりとついている光景が目の前に何度もちらついた。

悪夢を見るようになった。その内容は自分が副長殺しの主犯になってサンダー族全員から襲いかかられ、ズタズタに引き裂かれる夢..................。

おぞましい!

キャンプのなかには悪臭が漂い、獲物の骨がうずだかく積まれている。穴熊の骨も混ざっており、見るだけで吐き気を催した。

ボルトウェルフは自分のことをボルトスターと呼ばせた。副長にはダークネスナイトが選ばれた。

看護猫はおらず、長老もいなかった。

ちょうどそのとき、骨の山の中からボルトウェルフが出てきた。





「集会を始めるぞ!シャドウロックの下へ集まれ!!」





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投稿 by レパードクロー Thu Sep 10, 2015 10:55 am

Chapter12










「新たな作戦が決まった!」

野太い声が灰色の空へと上っていく。ぼんやりとそんなことを考えていた。ダークネスナイトにぎろりと睨まれた。きちんと聞けという意味なのだろう。

「俺たちは生きる権利がある!しかし、あの弱者サンダー族が生き延びていいはずがない!」

「そうだ!」ラビットクローが思いっきり叫んだ。

彼は見習い地代も生意気だった。ここにきてさらに欲望が彼を駆り立てたようだ。

「ということでまずは見習いのスパイダーポーを殺し、最年少のレモンポーを誘拐する!そしてそいつを餌にサンダー族全員を呼び出す!」


「そして皆殺し、いや、族長とリーフテイル、そしてベテラン戦士を殺す!残ったものは奴隷とする!」

ワァァァァァとシャドウ族から歓声が上がった。クールヘイズは恐ろしくなってガタガタと震え始めた。

このままでいいはずがない。誘拐だなんて!どうする自分。いつものように酔いしれはできない。

一か八かだ。これで殺されそうになったら走って逃げよう。

「族長!待ってください!」

好奇の目がこちらに向けられた。

「なんだクールヘイズ。」

「そんなことしていいはずがありません。もうやめませんか?」

「..............どういうことだ、クールヘイズ。」


「族長は間違っているんです!貴方は戦士でいる資格はない!」


ブツリと聞こえないはずのおとが聞こえた気がした。

次の瞬間、体が宙に浮いたかと思ったら自分の目に写るのは地面だった。ガツンと衝撃が身体中を巡った。

じわりじわりと地面が赤く染まっていった。子猫が悲鳴をあげた。

「愚か者目が!!!」

ボルトウェルフは信じられない速さでシャドウロックを飛び降りるとクールヘイズに殴りかかったのだ。

誰もが目を見張った。

再び衝撃が身体中を巡った。耳の先から尻尾の先までビリビリと震えた。

「よくも俺に向かってそんな口を聞いたな!」

ダークネスナイトとラビットクロー、そして見知らぬ猫が飛び出してきた。

「紹介してやろう。こいつは飼い猫のノイズ。そしてこっちはモーンだ。どちらもおれの中旬な部下。」

「グッ!」

二匹の力はとてつもないものだった。脇腹に強烈な一撃をくらい、クールヘイズは血を吐き出した。

立ち上がろうとしたところに次はダークネスナイトのかぎ爪が飛んできた。

「お前に死を与えるのは惜しいな..............。おい、ダークネスナイト、ラビットクロー、モーン、ノイズ。こいつを牢屋に閉じ込めておけ。」

「はっ!」

彼らは敬礼するとクールヘイズの肩をつかんで無理矢理立たせた。

ずるずると引きずられるようにして歩くと、オークの倒木の前にきた。この倒木は左右が茨で塞がれており、牢屋のようになっているのだ。

入り口にも茨が絡ませてあってまるで鉄格子のようだ。

四匹はクールヘイズを無理矢理押し込めると再び茨でおおった。




☆☆☆


サンダー族のキャンプにいたビリーブハートは突然寒気を感じた。

まるで身体中が傷つき、痛みに苦しんでいるような...........。



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投稿 by レパードクロー Thu Sep 10, 2015 8:27 pm

Chapter12


ジワリジワリトビョウキハカラダヲムシバンデイク。

カレノカラダデハ、タエキレナイ。ノコリノたいむりみっとハセイゼイイッシュウカン。

イマモカレノカラダノナカデハチャクチャクトシヌジュンビガトトノッテイル。

ウラギラレ、ヨゴレタチノナカニウマレテキタびりーぶはーと。

ソロソロラクニナルベキトボクハオモウ。

ショセンハカイネコ。

イキラレハシナイ。

コノジジツニキヅイテイルモノハ、ボクイガイニダレモイナイ。

アトスコシデしんぞうニテガドク。

ボクノナマエハハビョウキ。

シニガミサ。キミニボクヲトメラレルカイ?

ボクハぶらっくこふッテイウンダ。

カカレバニドトタスカラナイ。

ねがてぃぶシコウハヨクナイケレド、ウンメイダカラシカタガアルマイ。

すたあぞくニイケルカラヨロコビナ。

コレハカレガウマレタトキカラキマッテイタコトナンダ。

カレガオオキクナルニツレ、ボクモオオキクナッテイク。

ヤガテハスベテヲノミコンジャウ。

ボクノテンテキハタッタヒトリ。

しのべりい。

アレハシヲヨブモノダケド、ぶらっくこふニカカッテイルトキニひとつぶタベレバナオルカモシレナイ。

シンケイヲマヒサセテ、ぶらっくこふヲオイダシチマウ。

ソウハサセナイ、ゼッタイニ。

ボクハびりーぶはーとヲコロサナキャイケナインダ!ゼッタイニ!

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投稿 by レパードクロー Mon Sep 14, 2015 2:46 pm

Chapter14









ビリーブハートは我が目を疑った。ボルトウェルフが話し合いを持ちかけてきたのだ。

「罠ですよ!あいつがそんなことするはずはないでしょう!?」

バッドベルはしきりに族長を説得しようとしているが、ホヴァースターはじっと考え込んでいる。

昨晩ダークネスナイトとディムライト、それにライドテイルが縄張りのはずれに立っており、話し合いを提案してきたのだ。

明日の正午、大集会の島で待っていると。

話し合いに参加してもいいのはホヴァースターとフラワーデイズスター、それに戦士一匹のみ。

ボルトシャドウ族は族長と副長と戦士一匹。

「ホヴァースター。」

「どうしました?フラワーデイズスター?」

「ホヴァースターはどうされるおつもりですか?」

族長は視線をそらして森を見つめた。そよ風が木々の間を走って木葉が舞った。

小鳥がぴたりとなきやんで、太陽が一瞬雲に隠れた。

「私は、行こうと思います。」

一族の動きが止まった。取っ組み合って遊んでいた見習いは目をまるくし、グルーミングをしていた母猫はびくっと体をひきつらせた。

ビリーブハートは信じられない思いで尊敬する雌猫を見つめた。


「私は彼を信じます。実は事件が起きる前、レッドクローからもうすぐ引退をしたいと言われていました。その後任にボルトウェルフを選ぼうと思っていましたが・・・。」



「私は参加します。リヴァー族は、どうしますか?」

「私も参加します。」


小鳥たちがいっせいに羽ばたいた。

突風が吹いて、ビリーブハートの毛を逆立てた。葉っぱが舞い上がって空へと消えた。

ビリーブハートはまた一歩、自分達は新たな道を歩んだ気がした。

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投稿 by レパードクロー Mon Sep 21, 2015 9:03 pm

Chapter15









私が族長になる前は、すべてが平和だった。たったひとつの部族だけが栄える日々。

こんなことが起きるなんて夢にも思っていなかった。まさか自分の元弟子に裏切られるとは。

教えられないほど優秀で、そのくせしかられてばかりの優等生。知識と実力は見習いのなかでもトップを競うほど。

レッドポー_レッドクローとよく競いあっていたわね。


「族長!つきましたよ!」

ビリーブハートの元気な声が聞こえた。

考え込んでいたら、もうこんなところまで来ている。キラキラと太陽の光を水が反射してまるでアートのようだ。

丸太の倒木を慎重に渡り終わると、硫黄と腐肉の臭いが鼻をついた。


「待っていたよ、ホヴァースター。そしてフラワーデイズスター。」

ボルトウェルフだった。しばらく見ない間にすっかり容姿は変わってしまった。

ボサボサの毛はすべて逆立っており、痩せこけ、筋肉だけが盛り上がっている。つり上がって血走った目が鋭く光り、舌をだらしなさそうにダラリと垂らしていた。

そばにはダークネスナイトとディムライトがたっていた。


「用件は1つ。サンダー族の領地を我々に明け渡し、全員ボルト・シャドウ族に加入するんだ。」

「残念だけどお断りするわ、ボルトウェルフ。」


私は静かな声で断った。

彼の瞳に怒りが浮かび上がったが、すぐに消えた。たくみに表情を変えている。


「........ほう?ならば仕方がない。」


「お前たちには消えてもらうしかあるまいな。それが嫌なら諦めろ。」


「お断りします。」


今度ははっきりとボルトウェルフの顔に怒りが浮かんだ。尻尾を高々と掲げ、脅すように睨み付ける。


「お前がそんなに頑固だったとはな。よかろう。三日後。ある猫が殺される。裏切り者だ。そいつの死を合図にシャドウ族とサンダー族の境界線でシャドウ族はいっせい攻撃をする。」

「しかし、お前たちはそれに参加できない。なぜなら......................。」



ガササッと大きな音をたてて腐った獲物の臭いがする猫たちが茂みから出てきた。

何匹、いや十何匹はいる。

ビリーブハートが「騙したな!」と叫んでかぎ爪を剥き出した。

ボルトウェルフはニヤニヤと笑いながらグレートオークから飛び降りて島を去った。

「仕留めろっ!肉という肉を切り刻め!」

リーダーらしき黒猫の号令で浮浪猫たちは雄叫びをあげながら突進してきた。

三毛猫が体当たりをしてきてホヴァースターは吹っ飛ばされた。後ろ足で敵を切りつけて三毛猫の腹の下からはい出ると、肩に噛みついた。

血がブワァッと飛び出て三毛猫は痛みに体を捩らせた。尻尾を巻きながら三毛猫は倒木を渡って逃げていった。

少し離れたところでビリーブハートがぶち猫を二匹まとめて吹っ飛ばした。

すでにあちこちから毛の束がぶら下がっており、血がにじんでいる。

敵が多すぎる。額を切ったらしく、ホヴァースターの目に血が流れ込んできた。

どすんと脇腹になにかがぶつかった。

続けざまに首筋に噛みつかれてホヴァースターは悲鳴をあげた。

血しぶきがあがり、意識が遠退いていく。


最後に見たのはビリーブハートがリーダーの黒猫に噛みついて息の根を止めたことだった。
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投稿 by 戦士 Tue Sep 22, 2015 2:56 pm

エルフポーがついに戦士になりましたねw

そして、部族の争いも少しずつ。

クールヘイズはまぁ、仲間を作って反乱してくれるといいですねw

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投稿 by レパードクロー Wed Sep 23, 2015 7:20 pm

ウォーリアートール/戦士 wrote:エルフポーがついに戦士になりましたねw

そして、部族の争いも少しずつ。

クールヘイズはまぁ、仲間を作って反乱してくれるといいですねw



はいwやっとです。エルフポーよくぞ我慢してくれた^^
部族といってもみんなサンダー族の血筋ですがw
クールくんも頑張りますよ、きっと(´Д`)

コメありがとうございました!
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投稿 by レパードクロー Sun Oct 04, 2015 12:39 pm

Chapter16







目が覚めると雨が降っていた。

「ここは........?」

「!」

「母さん、気がついたのね!」

リーフテイルが走ってきた。とするとここは看護部屋だ。私はどうしてここにいるのだろうか?

「母さん、ボルトウェルフたちに襲われたの。覚えている?」

ああ、そうだ。

彼らにまんまとはめられて、浮浪猫の集団に襲われて気を失っていたんだ。ズキズキと首が痛むが気に止めなかった。

命をまた1つ、失った。

「これを食べて。ケシの実とマリーゴールドとジャスミンの飲み薬。」

リーフテイルはそういって薄紫色のペーストを渡してきた。ごくりと一気に飲み込むと喉と口の中にふわりと甘い香りが広がった。

じょじょに痛みが消えていくのをホヴァースターはぼんやりと感じていた。


「ビリーブハートとフラワーデイズスターは?」

「無事よ。ビリーブハートの方はかすり傷とかをいっぱいおっていたけれど、そんなに深くなかったわ。彼、母さんをくわえて湖を半周してサンダー族に帰ってきたの。びっくりしたわ。彼が帰ってきた時はもう夜が明けそうだった。」

「そう.................。」

「それより、母さん。母さんは丸1日眠っていたのよ!」

丸1日!

ということはもうあの戦いから2日はたっている!

「首の致命傷はスター族様が治してくれてたわ。他に目立つ傷はないし、今晩はもう部屋に戻っていいわよ。」

「ありがとう。さっそく集会を開くわ。でもその前に、ビリーブハートを呼んでちょうだい。」






「みんな!よく聞いて!ボルトウェルフは言った。三日後に攻撃を始めると。明日彼らは攻撃してくる。戦おう!みんな!」

ビリーブハートがハイロックで力一杯叫んだ。

「彼の言う通りです。戦いましょう。自由を取り戻し、スター族とサンダー族の栄光を取り戻すんです!」

一族がどっと賛成の声をあげた。

「戦え!戦え!」たまちゃんが叫んだ。

「子猫を守るわよ!」

「スター族に栄光あれ!」

誰もが興奮し、力の限り叫んでいる。小鳥が驚いて飛び立つ音が聞こえた。

「では、攻撃部隊と補助部隊に分けたいと思います。」




「攻撃部隊の隊長はビリーブハート、あなたがしてちょうだい。つれていく戦士は自由に選んで。補助部隊はダーティフェザーに任せるわ。
 母猫と子猫、長老は私の部屋で待機。危険が迫ったらデイジーの農場へ逃げて。補助部隊は5~6匹でいいわ。レモンポーはリーフテイルの手伝いをお願いね。補助部隊はキャンプを守って。今晩はいばらでキャンプの壁を強化して。作業開始!」

「「「「はいっ」」」」
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投稿 by レパードクロー Sun Oct 04, 2015 12:56 pm

Chapter17





決戦の日がやって来た。

サンダー族の境界線のまわりにある茂みには戦士が潜んでいる。ダーティフェザーたちはキャンプを守っているはずだ。

ぷうんと嫌な臭いが漂ってきた。

シャドウ族だ!

「ほう、隠れているのか、サンダー族よ。」

ボルトウェルフ...........。レッドクローの仇、なんとしてでも殺さないと。ビリーブハートは再び心に誓った。

「私たちは戦うわ、反逆者ボルトウェルフ!」

ホヴァースターの掛け声でサンダー族は茂みから飛び出した。両者は唸りあい、牙を剥き出している。

彼は黄色く染まった牙を見せてにやっと笑うと尻尾で合図した。

ぐしゃぐしゃになった青白い毛の塊がどさりと落ちてきた。かすかに森の香りがするが、血の臭いが邪魔をする。

目が二つ、鼻もあるし、足のようなものもある。一本はあり得ない角度に曲がっているが。

「まさか............。」

ビリーブハートは息をのんだ。

「そうか、こいつはお前の親友だったな。」

「ビリーブハート。身寄りのないお前はクールヘイズのことが大好きだったっけ。」

「ギャアアアアアオオオウウウッッッ!!!」

凄まじい怒りの声をあげてビリーブハートは境界線を飛び越した。そのまま一直線にボルトウェルフへ向かうとかぎ爪で彼の顔をえぐった。

血が吹き出した。

一瞬で森は戦場へと変わった。バッドベルは浮浪猫と取っ組み合い、スパイダーポーは奇声をあげてディムライトの尻尾に噛みついた。

狂ったビリーブハートは味方も攻撃し始めた。もはや彼に理性は残っていなかった

必ずしも正義が勝つとはかぎらない。

いつの間にボルトウェルフは浮浪猫の大群を仲間にしたのだろうか。

トワルポーがこっそり後ろからボルトウェルフに忍び寄ると父親の尻尾に噛みついた。

ライトニングポーはダークネスナイトの耳を引きちぎった。

「がふっ」

「たま!」

ホヴァースターは悲しみの声をあげた。

たまちゃんが死んだ。

地面にはシーアイズの遺体も横たわっていた。この若者は暴君の言葉を信じ、ついていったがために早すぎる死を迎えてしまった。

(まて.............)

(まってくれ..................ガフッ)

(まだ、死んでいない。)

(あいつを殺すまでは..................)


「ギュンッ!」

何かが風を突っ切ってボルトウェルフに体当たりした。


「お前を殺すまでは死なないぞっ、ボルトウェルフ!」

「なっ、お前は死んだはずだっ!クールヘイズ!」



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投稿 by レパードクロー Sun Oct 04, 2015 1:10 pm

Chapter18








どしゃ降りの雨が待っていたかのように振りだした。

クールヘイズのかぎ爪はグリッという音をたててボルトウェルフの胸にのめり込んだ。

「ギャアアアアアアアア!」

ボルトウェルフは奇声をあげて崩れ落ちた。

「なっ!」

ダークネスナイトはショックで立ちすくんだ。その隙にライトニングポーが彼の喉を切り裂いた。

「ボルトウェルフが死んだあああああ!」

浮浪猫の一匹が何かにとりつかれたように叫んだ。

しかし、死んだのは彼だけではない。突然ビリーブハートが苦しみ、悶え始めた。

突然の出来事に猫たちは呆然とした。浮浪猫は街へと逃げ去り、ボルトウェルフを慕っていた部族猫もその後を追った。

「死のベリー.........死のベリーを..........」

リーフテイルはかすれ声で言った。

よく見るとビリーブハートの身体中に黒い痣が出来ている。

「死のベリーを持ってきて!彼はブラックコフよ!早くしないと死んでしまう!」

どよっと猫の間にざわめきがおきた。

リーフテイルは足踏みしながらかれに呼び掛けている。

「グッ」

ビリーブハートの口から泡が吹き出した。

雷がピカッとなって木に落ちた。バリバリと音をたてながら、木から炎があがってい


族長は静かにつげた。

「反乱がおき、英雄が突然の病で死に、火事がおこる。」

「私たちは、滅びるときが来たのかもしれないわ。」
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投稿 by レパードクロー Sun Oct 04, 2015 1:24 pm

最終章







ビリーブハートの息が止まった。

猫たちは呆然とした。クールヘイズがわんわん泣いた。みんなはもう、出来事についていけなかった。

もう一度整理してみよう。

ボルトウェルフが戦いをおこし、死んだと思われていたクールヘイズが生きていてボルトウェルフを殺した。激しく動き回ったせいでビリーブハートは抱えていたブラックコフに殺された。山火事がおきた。

ざっとこんなところだろう。

バッドベルは空を見上げた。

いつのまにか夜になっている。

星が綺麗だ。美しい。

部族猫は全員死ぬだろう。そう、自分も。

炎に飲み込まれて混乱した部族は滅びる。

「火が一族を救う。」

ホヴァースターはそっとつぶやいた。

「これは数百年前、我が一族におりてきた予言よ。」

「この予言はもう役目を果たしていたけれど、この火も我が一族を救ってくれるかしらね。」

老いた。たった半日で。

シワが増えたような気がする。

「ギャアーーーッ!」

誰かの叫び声が聞こえた。

燃え盛る木がシュガーハートたちに倒れてきたのだ。

彼らは助からないだろう。

「さようなら、みんな。」

ホヴァースターは涙を流した。

肉が焼け焦げる臭いが上ってきた。

「アアアアア!」

スパイダーポーの悲鳴が聞こえた。

若い見習いはキャンプへ逃げようとして炎に焼かれた。

キャンプも炎に包まれているだろう。

ふと茂みの中を見るとフラワーデイズスターの亡骸が横たわっていた。

右後ろ足が焼け焦げている。

生き残っているのはライトニングポー、トワルポー、ホヴァースター、そしてバッドベルのみ。

「お姉ちゃん・・・。」

「大丈夫、きっとスター族様のもとへいけるよ。さあ、行こう。母さんのもとへ」

ライトニングポーは弟を慰めると、ホヴァースターに会釈して炎の壁へ入っていった。

ガシャアーーーン!


木が倒れた。

燃え盛る倒木がバッドベルとホヴァースターの上に落ちてくる。

不思議と暑さは感じない。

愛した人、初めての弟子、戦友、尊敬する族長。

皆と一緒に死ぬんだ。

怖くない。

さようなら。



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投稿 by レパードクロー Sun Oct 04, 2015 1:27 pm

あとがき



ついに終わりました!いや終わらせました!無理矢理!
かなり雑な終わらせ方になりましたが。
最終章ではビリーブハートがブラックコフで死に、山火事が起きてサンダー族は全員スター族へ旅立ちました。
今までありがとうございました!
そしてこれからもレパードをよろしくお願いします(^^)/
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Sun Oct 04, 2015 6:33 pm

圧巻の結末でしたね・・・。
終わりがとても感動で不思議で・・・w

とっても面白い作品だと思います!
執筆お疲れ様でした!

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投稿 by ジェイハート Mon Nov 30, 2015 5:42 pm

かなり後から読んだので読んだのでコメ遅れてしまいましたが圧巻のストーリーですね‼
あとたまちゃん先輩のゴツいソプラノ声はまさか○○○○○の○○○ですか?違ってたらごめんなさい文字数で何となく察してください
執筆お疲れ様でした‼

ジェイハート
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