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Road of love ~それぞれの恋の道~

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投稿 by ジェードウィング Sat Aug 26, 2023 12:21 pm

主な登場猫
●フォレスト族
・ジェードポー(翡翠の足):翡翠色の目をした、斑点模様がある銀色と白の毛皮の美しいメス猫。
・クリムソンハート(深紅の心):珍しい、赤銅色の目を持つオスの白猫。ジェードポーの指導者だが、訳があってジェードポーとは同い年。
●グラス族
・スカイポー(空の足):空のような水色の目を持つ美しい白猫。耳・足・しっぽの先と鼻づらが淡いショウガ色。
            指導者は、淡い黄金色の毛皮に青い目のサンダーペルと。
●ラーク族
・ブラクンペルト(ワラビの毛皮):薄い緑色の目をした茶色にトラ柄の毛皮のオス猫。胸と足の先が白い。
・レインクラウズ(雨の雲):灰色の毛皮に青い目をしたオス猫。ブラクンペルトの兄。
●サンド族
・クレセントクロー(三日月の爪):琥珀色の目を持つ白地に黒のぶち柄のオス猫。爪が鋭い。



第三章 (フォレスト族の話からグラス族の話に切り替え)
「スカイポー!前を見て歩け!」
「え?何ですか?」
遅かった。
次の瞬間、スカイポーは浅い川の中に落ちていた。いつもなら底に足がつくが、あんまりいきなりなことでパニックになり、水の中でもがいた。
そして、サンダーペルトに首筋をくわえ上げられ、水から引き上げられた。
「スカイポー、ボーっとしていてはいけないだろう?!」
言葉では怒っているようだが、サンダーペルトの青い目は心配そうだ。
「すみません。」
スカイポーはしゅんとした。
サンダーペルトの心配そうな目が、同情の目に変わった。
「しかたないよ。お前は今日、朝からずーっと働いているもんな。」
「でも、川に落ちるなんて____」
「もういいから、そのハタネズミを持ってキャンプへ帰ろう?な?」
スカイポーはハタネズミをくわえ上げ、キャンプへ向かって歩き出した。
すると、横にあるシダがかさっと音を立てて揺れ、リスが飛び出してきた。
「サンダーペルト、あのリスを捕まえてきます!」
「ラーク族との境界線を越えるなよ!」
スカイポーは全速力でリスを追って走っていった。


第四章 (グラス族→ラーク族の話に切り替え)
「とった!」
ブラクンペルトは本日5匹目の獲物を捕らえ、くわえ上げた。
ブラクンペルトは朝から働き通しだ。少しイライラしている。
疲れていてボーっと歩いていると、木の根っこに足が引っ掛かり、ブラクンペルトは転んだ。
それを見ていたレインクラウズはブラクンペルトのことを笑った。
「笑わなくたっていいだろ、兄さん!」
「でもお前、ボーっとしすぎだよ、疲れてるのは知ってるけど」
レインクラウズに笑われて、ブラクンペルトのイライラがついに爆発した。
「もういいよ!」
ブラクンペルトは獲物をくわえ、キャンプとは別の方向に走り出した。
何なんだよ、みんな。ぼくは一族のみんなのために一生懸命働いているんじゃないか!兄さんだって、それを笑うなんて!
ブラクンペルトはそのことしか頭になく、自分が今、どこにいるのかも、どこに向かっているのかもわかっていなかった。
ふいに、知らない猫の声がした。
「ああっ!逃げちゃった!これをとったらサンダーペルトに褒めてもらえると思ったのに!」
サンダーペルト?聞いたことがある。グラス族の戦士だ。
サンダーペルトに褒めてもらえるってことは、この猫はサンダーペルトの弟子。
つまり、ここはもうグラス族のなわばりなんだ!
怒りのあまり、周りのにおいが分からなくなっていた。
そしてぼくは、獲物を狙っていたサンダーペルトの弟子のじゃまをしてしまったんだ!


第五章 (ラーク族→グラス族の話に切り替え)
「リス、逃げちゃった…」
わたし、音は立ててないわ。でも、どうして?
スカイポーが考えていると、ラーク族のにおいが漂ってきた。
やだ、ここはもうラーク族のなわばりなの?
スカイポーは周りを見渡した。
いいえ、違う。ここはまだグラス族のなわばりよ。
すると不意に、知らない猫の声がした。姿は見えない。
「ごめん」
誰なの?
「あなた、誰?」
「ぼく…ぼく、ブラクンペルト。ラーク族の戦士だ。戦士といってもなりたてなんだけどね。」
「どうしてあやまったの?」
「ぼくが音を立てたせいでリスが逃げちゃったんだよ…」
あやまるなんて、ほかの部族でも礼儀の正しい猫がいるのね。
「姿を見せて?お願い」
しばらくして、ブラクンペルトが姿を見せた。
素晴らしい猫だ。ひきしまった体につややかな茶色のトラ柄の毛皮。目はヒースの葉っぱのような、薄いが鮮やかな緑色…とてもハンサムだ。
スカイポーは一目惚れだった。
「なんてすばらしいの…」
スカイポーはとても小さな声でつぶやいた。
「え?何か言った?」
「い、いいえ。何もないわ」
「とにかく、獲物を逃がしてしまってごめん。よかったらこのリス、持って行ってくれないか?ぼくが音を立てなかったら、あのリスは捕まっていたはずだから」
なんて優しいの!そこまで気遣ってくれるなんて!
でも、だめよ。彼は部族が違うじゃないの。戦士のおきてに反してしまうわ。
しばらくして、ブラクンペルトが言った。
「君の指導者が来たみたいだよ。ぼく、そろそろ行かなきゃ」
「え、ええ。さようなら」
ブラクンペルトが駆けだした。
「リス、ありがとう!」
ブラクンペルトがちょっと立ち止まって振り返り、うなずいた。
少しして、サンダーペルトがやってきた。
「リス、捕まったか?」
「は、はい。捕まりました!」
「立派なリスだな。ゴールデンスターに言って、明日は昇格試験にしよう!疲れているのによくやったな、スカイポー!」
「ありがとうございます!」
スカイポーはブラクンペルトがくれたリスをくわえてキャンプへ向かった。
スカイポーの頭の中はブラクンペルトの優しい瞳と声でいっぱいだった。


第六章 (グラス族→フォレスト族の話に切り替え)
「違う、ジェードポー!そうじゃない」
これで3度目だ。
「ごめん、クリムソンハート」
「大丈夫だよ、ジェードポー。まだ3度しかやっていないんだから。そんなにすぐに技をおぼえるなんて、誰もできない。お前は頑張っているよ」
ふと、クリムソンハートが心配そうな目をした。
「足、まだ本調子じゃないのか?」
「そんなわけないじゃない!とっても元気よ。あなたと訓練ができてうれしいわ」
「俺もうれしいよ、ジェードポー」
ジェードポーはあたたかい気持ちでいっぱいだった。
クリムソンハートがしゃきっと姿勢を正した。
「もう一回やってみろ。敵の動きをよく見るんだ」
「わかった、やってみるわ」


ジェードポーはその日のうちに技を完ぺきにこなせるようになり、キャンプへ帰った。
「ジェードポー、よくやったな。すまないが、長老の部屋の掃除、頼めるか?」
「ええ、いいわよ。コケとシダを取ってくるわ」
ジェードポーはキャンプから出て、柔らかいコケとシダを取ってきた。
「ジェードポーです。入りますよ?」
ジェードポーはコケとシダを口いっぱいにくわえて長老部屋に入った。
「あら、ジェードポーじゃない!訓練どうだった?」
三毛がらのメスの長老、スポッティドウィングが優しくたずねてきた。
「とっても楽しかったです、スポッティドウィング!今日も一つ、技を習得しましたよ!」
「それはうれしいことね!私もうれしくなっちゃうわ」
「ありがとうございます!」
それを聞いていた別の長老がいった。
「お前はよく頑張っている。足が折れてしまっても心は折れず、親友のクリムソンハートを指導者にしてもらうなんて、いい考えだ」
ショウガ色の縞模様のオス猫、ラシットストライプだ。
「クリムソンハートが指導者になってくれたおかげで、訓練がとても楽しいです!」
今度は真っ白な毛のオスの長老、ホワイトクローが言った。
「お前は長老部屋の掃除も文句を言わずにやってくれるからうれしいよ。とってきてくれるコケやシダは柔らかくて心地がいい」
「そういっていただけてうれしいです、ホワイトクロー!私は戦士になってもあなたたちの部屋の掃除をしにきますね!」
「それはうれしいな。お前はそろそろ戦士になってもいいころなんじゃないか?じゃあ、明日も訓練を頑張れよ」
「ありがとうございます!失礼しました」
そう言って部屋を出た。
ラシットストライプが言ったことが忘れられない。
「親友のクリムソンハート」
実はジェードポーはクリムソンハートのことは親友だとは思っていない。
____そう、ジェードポーはクリムソンハートのことが好きなのだ。

ジェードウィング
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投稿 by ジェードウィング Sun Aug 27, 2023 12:35 pm

この物語を1章だけだも読んでいただいた方々にお願いがあります。
お願いです!返信をください!
読んでもらっているということを実感したいんです!

ジェードウィング
未登録ユーザー


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投稿 by ジェードウィング Sun Oct 29, 2023 8:54 am

三~六章

ジェードウィング
未登録ユーザー


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