WARRIORS BBS
Would you like to react to this message? Create an account in a few clicks or log in to continue.

gray two star

Go down

gray two star Empty gray two star

投稿 by Osubicat Mon May 13, 2024 7:18 pm

こんにちは
まだ一作目の小説は終わってませんが、やります!(は?)
これは家の回りにすむリアルにいる猫たちの創作小説です。
※一部フィクションあり
それでもいいよってかたはご覧くだせぇ

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Mon May 13, 2024 7:20 pm


主な登場猫


【主人公】

灰花(はいか)
濃い灰色の毛をした若い雌猫
のんびりな性格
両親はシャムと【レッドアイズ一団】のbossの赤目の虎
双子の姉は色葉

色葉(いろは)
薄い灰色の毛をした雌猫
冷静でクールな性格
双子の妹は色葉
両親はシャムと赤目の虎

【ブルーストリーム】

《リーダー》
ココア
背中にひし形の白い模様がある焦げ茶色と白の毛をした雌猫
仲間思いで勇敢な性格
【ブルーストリーム】を立ち上げた飼い猫のライトに勧められ、リーダーになった。

《副リーダー》

真っ黒な長い毛をした雌猫
なに考えているかわからない性格
【レッドアイズ一団】を酷く嫌っているらしい

《メンバー》

風月(ふうげつ)
黒と白の毛をした雌猫
しっかり者な性格

水樹(みずき)
明るい茶色のほっそりとした雄猫
マイペース
川で魚をとってくれる

雪見(ゆきみ)
真っ白な毛をした雌猫
無表情だが情に熱い性格


【レッドアイズ一団】


《boss》
赤目の虎
明るい茶色の毛をした大柄な雄猫
片目が赤くなっている。
傲慢で残虐な性格
シャムとの間に主人公二匹
他の猫からは《ブラッド・カイザー》(血の皇帝)と呼ばれ、恐れられている

《幹部》
日影
焦げ茶色の虎がらの雄猫
顔が整っている
冷酷な性格
暗殺が大得意
赤目の虎に忠実
灰花に片想い中

《部下》
疾風
黒と白の毛の斑がらをした雄猫
わがままな性格
飼い猫のライトとは対照的な存在
考えるより先に前足が出る

紅(くれない)
赤っぽい茶色の虎がらな美少女な雌猫
夢みがちな少女に見えるが、本性は恐ろしいほど残酷
殺した猫を実験するのが好き。

《その他》
シャム
シャム虎がらの毛をした雌猫
優しい性格
無理やり赤目の虎の連れ合いにされた
疲れきっている

【飼い猫】

ライト(雷斗)
灰色の毛をしたハンサムな雄猫
優しく、頭が切れる
天才だが、戦いがニガテ
かわこの連れ合い

ミルク
最近野良猫から飼い猫になった焦げ茶色と白の毛をした雄の子猫
やんちゃっ子
【レッドアイズ一団】に属している。
姉を探し中

かわこ
複雑なサビ柄の小柄な雌猫
尻尾が折れ曲がっており、短い
厳しいが優しい一面も持っている
戦いがその小柄な体から想像がつかないほど、とてつもなく強い
その見た目と戦闘能力から、他の猫がつけた通り名は【ラスティ・キラー・クイーン】(錆びがかった殺し屋の女王)と呼ばれている
本猫はそれを嫌がっている

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

Murre likes this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Mon May 13, 2024 7:21 pm


プロローグ


街の電灯が暗い街を所々照らしている。
街は異常なほど静まり返り、ニンゲンの声もニンゲンが使う大きな物体のおとも聞こえない。
そのなかを二匹の子猫が走っている。
少しからだの大きな姉の薄い灰色の雌猫がいった。
「はやく逃げないと!」
妹の濃い灰色の雌猫はいった。
「もう本気で走ってるよ!」
姉の子猫はため息をつくと、妹の首を咥え、走り出した。
時々、耳を澄まし、父親が率いる一団の追っ手が来ていないか確認をする。
父親の残酷さにうんざりして二匹で逃げ出したのはいいが、姉妹は追われる身となってしまった。
妹が姉に首を咥えられたままいった。
「お姉ちゃん、あそこだよ!お父さんが唯一支配していないとこ!」
妹の見る先には住宅街があった。
その住宅街を守るように、大きな道路と住宅街の奥に川がある。
あそこなら、父親たちも来にくいだろう。
姉の子猫は道路を渡り始めた。
妹が息をのむ声が聞こえてくる。
前ここの道路で仲間がひかれてしまったのだ。
妹の子猫はそれを思い出しているらしい。
姉の子猫は急いで道路を渡りきった。
姉の子猫は安心し、少しあるいたのち妹を下ろした。
よくにた姉妹は並んで歩いた。
妹の子猫はいった。
「今日の寝床はどうするの?」
姉は答えた。
「うーん、もう少ししたら考えましょ?それより先にここか安全か確かめないと……」
姉の子猫の声はそこで途切れた。
周りのニンゲンの住みかの影や、物陰から沢山の猫が出てきたからだ。
最初は父親の仲間かと思ったが、それは違うらしい。
その猫たちは父親の仲間たちから匂う血の臭いがしない。
その猫たちのリーダーらしき焦げ茶色と白の毛をした雌猫がいった。
「あなたたち、なにしに来たの?」
姉の子猫が答える前にリーダーの雌猫の隣にいた、黒い長い毛をした猫がいった。
「こいつら、奴らの仲間ですよ!殺しちゃいましょう、ココア!」
ココアは落ち着いて答えた。
「そこまでする意味はないわ。夜。この子たちはなにか理由があった来たのかもしれない。」
ヨルと呼ばれた黒猫は憎々しげに二匹の姉妹をみた。
「理由なんか聞かなくても分かりますよ!こいつらはスパイしに来たんですよ!」
妹の子猫はイラついたのか言い返そうと口を開いたが、姉の尻尾によってそれは防がれた。
姉の子猫はいった。
「私たちはスパイに来たのではありません!父さん……【レッドアイズ一団】のbossから逃げてきたんです!」
ココアが驚いたようにいった。
「あなたたち、赤目の虎の子供なの?」
姉の子猫は頷いた。
黒猫のヨルは、唸った。
「ちょうどいい、こいつらを人質にして、赤目の虎を脅しましょう!」
ココアがいった。
「まって、ヨル。この子たちはboss猫の子供なのよ?しかも逃げてきたっていっているし、赤目の虎がわざわざそんな猫をスパイの猫にする確率は低いと思うわ。」
ヨルはリーダー猫にいった。
「そんなことは赤目の虎は平然とするんじゃないですか?だってあいつですもん。」
黒猫のヨルはこちらに向き返ると姉妹に飛びかかってきた。
姉は爪をむき出し、妹を守る準備をした。
その時何者かの呼び止める声が聞こえた。
「まってくれ!」
その声にヨルは動きを止めた。
声がした方を見ると、そこには灰色の雄猫がいた。
その猫はニンゲンの住みかの前にたって、美しいグリーン色の瞳をしている。
ニンゲンのにおいがしているということはその灰色の雄猫は飼い猫らしい。
ココアが目を見開いた。
「ライトさん!」
リーダーの声に、ヨルは急いでココアの隣に戻り、ライトにペコリと頭を下げた。
この飼い猫はどうやらココアが率いる猫の集団にとってたいせつな猫らしい。
飼い猫のライトは猫の集団の元にやって来るとココアにいった。
「この子たちは傷つけたらダメだ!」
ココアは首をかしげた。
「なぜですか?ライトさん。」
ライトはココアに耳打ちをした。
「この子たちは前僕がいった猫かもしれない!」
その声に猫の集団はざわめき始めた。
ココアはこちらをチラッと見ると、いった。
「この子たちが……ですか?」
ライトが頷いた。
「そうだ。」
ココアは理解したらしい。
ヨルは納得がいかないような顔をしているがなにも言わなかった。
一体なにが行われるのだろうか、と姉は思った。
ライトは姉妹の前に立つと言った。
「君たちに提案があるんだ。ココアが率いる【ブルーストリーム】に入らないかい?」
【ブルーストリーム】?
姉の猫は首をかしげた。
ライトは続ける。
「【ブルーストリーム】は【レッドアイズ一団】を倒すための集団だ。」
それを聞いて姉の子猫は目を輝かせた。
「本当ですか!?是非、私たちを入れてください!」
姉の子猫は父親に復讐心を抱いていた。
これは復讐のチャンスだ。と姉の子猫は思った。
これで父親やそのなかまたちが殺した猫の敵討ちができると姉の子猫は考えていたのだ。
ライトは頷くと、前足を肉球が見えるように出した。
「ようこそ!【ブルーストリーム】へ!」

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

Murre and スカイソング★ like this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Tue May 14, 2024 7:57 pm


第一章


色葉は獲物を咥えて、自分と妹を迎え入れてくれた【ブルーストリーム】のすみかに向かった。
あの日、私と妹の灰花を迎え入れてくれた【ブルーストリーム】の猫たちはほとんどが仲良くしてくれるが嫌な顔をするものも中にはいる。
【ブルーストリーム】とは、十数名の野良猫、そしてニンゲンにかわれている猫が何匹か所属している集団で、主に【レッドアイズ一団】に襲われた猫の保護、そして【レッドアイズ一団】と倒すことを目標にしている。
私、色葉は父親とその仲間たちがだいっきらいだ。
何故なら、私の親友の猫 ハル を無惨に殺したからだ。
しかも、ハルは何も悪いことはしていないのに殺されたのだ。
色葉は身を震わせた。
あのときの光景を思い出したからだ。



あの日は雨の日だった。
私はハルに会いに、歩いていた。
ハルという猫は三毛がらの雌猫でとても優しい猫だ。
私はそんなハルのことが好きだった。
 ふと、なまぐさいような匂いが鼻の中に入ってきた。
私はその正体が気になり、そのにおいをたどった。
そのにおいの正体は空き地の真ん中にあった。
赤く染まった毛のかたまりがそこにあり、色葉にはそれがなにかすぐにわかった。
「ハル!!」
私は傷だらけの親友のもとに駆け寄った。
ハルはもう息耐えていた。
「おい、色葉。」
父親の声が聞こえ、私は半分上の空で父親の赤目の虎の方を見た。
赤目の虎の前足には赤い血がべったりついていた。
色葉は驚きと怒りを隠しきれず父親を睨んだ。
父親はふんと鼻をならすとどこかに偉そうな足取りで歩いていった。
空き地に取り残された色葉はハルの遺体に顔を埋め、ひたすら泣いた。
雨は強く降り始め、色葉の心を写しているかのようだった。

色葉は頭を降り、気を保った。
今は【ブルーストリーム】にご飯を届けなければ!
色葉は気を取り直し、【ブルーストリーム】の住みかへ向かっていった。

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

Murre and スカイソング★ like this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Thu May 16, 2024 7:45 pm

飼い猫かわこ
gray two star Aeeu8610

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

Murre, リーフストーム and スカイソング★ like this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Sat May 18, 2024 8:05 pm


※プロローグに出てきた姉妹は灰花と色葉です。


第二章


私、灰花!
一応、【ブルーストリーム】の部下兼医師をやってるよ!
いま私は【ブルーストリーム】の長老猫が痛みを訴えている足に薬草を塗り終わったところだ。
長老猫は礼をいうと、また丸くなり眠りについた
 【ブルーストリーム】の住みかは川の近くの住宅街で目立つ大きな古びた建物だ。
 そこで【ブルーストリーム】は協力しあって暮らしている。
 「おい、灰花」
「ふわぁぁぁあ?!!」
考え事をしている途中に声をかけられ、思わず変な声が出た。
振り替えると、そこには【ブルーストリーム】副リーダーのヨルがいた。
ヨルは長い黒い毛を逆立てて言った。
「うるさい。」
灰花はすぐ謝った。
「すいません!!」
ヨルはフンっと鼻をならすと言った。
「お前に任務を与えに来た。」
灰花は尋ねた。
「なんですか?」
ヨルは冷たくいった。
「水樹(みずき)と川で魚をとってこい。」
へ?川?!
ムリムリムリムリ!!
何を隠そう私、灰花は水がだいっきらいなのだ。
【ブルーストリーム】の猫すべてがそれを知っているはずだが、ヨルはそれを知ってて、水関係の任務を命令してくるのだ。
ヨルは姉の色葉と私、灰花が元【レッドアイズ一団】だと言うことが気にくわないらしく、嫌がらせをしてくる。

「おい、口が聞けなくなったのか?」
ヨルの声で、灰花は現実に戻された。
灰花は内心嫌がりながらも、頷いた。
「分かりました」
副リーダーはくるっと、向きをかえ、姿を消した。
灰花はため息をつき、住みかの建物からでた。


灰花は川岸に着いた。
川はそんなに大きいわけでなく、猫の尻尾五つ分の横幅だ。
水樹は川の飛び石の上で待っていた。
水樹は明るい茶色のほっそりとした雄猫だ。
そしてマイペースな性格をしている。
水樹は川岸に来た灰花を見つけるといった。
「やあ。一緒に魚釣りをしようじゃないかぁ!」
灰花は嫌々頷き、水樹の横の飛び石に座った。
 水樹は川の中の中に狙いを定めると、前足を使い、魚に止めを指し、すくいあげた。
魚は宙をまい、水樹の横に落ちた。
灰花は見事だなと思った。
さすがプロだ。
「さあ次は君の番だ」
灰花は息を呑んだ。
ついに、前足を濡らす時が来たのだ。
灰花は川を泳ぐ魚を見つけた。
今だ!
灰花は前足を振り下ろした。
だが、魚は灰花に気づいたようだ。
ものすごい勢いで水のなかを泳いで逃げてしまった。
灰花が水に濡れるのが嫌だと言う感情より、魚を取れなかった悔しさで尻尾を激しくふった。
水樹はドンマイ、というとまた魚をとりはじめた


数時間、水樹がたくさん魚を取っているのに反して、灰花は0匹だった。
水樹は灰花を励ました。
「こんなひもあるさ!さ、戻ろうか!」
灰花は暗い気持ちで、川岸に戻ろうとした。
灰花の足がツルッと水で滑り、川の中に入ってしまった。
それだけならまだしも、この川は流れが早く、深めなのだ。
灰花は水の中でもがいた。
浮き沈みを繰り返し、どんどん灰花は流されていく。
「灰花!!」
水樹が助けようと前足を伸ばしたが、灰花には届かなかった。
灰花は水からでようともがくが、意味はなかった。
灰花は川に揉まれ、流れてしまった。

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

Murre and スカイソング★ like this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Sun May 19, 2024 7:32 am

ちなみに登場猫に出てきたほとんどは私のすむ街にいる野良猫や、実際に飼っている飼い猫です。
実在してます

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

Murre likes this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Mon May 20, 2024 7:59 pm

赤目の虎



明るい茶色の毛をした大柄な雄猫
片目が赤くなっている
傲慢で残虐な性格
シャムとの間に主人公二匹
他の猫からは
《ブラッド::カイザー》(血の皇帝)と呼ばれ、恐れられている。

街を暴力で支配しようとしているgray two star Aeeu9510

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

Murre and スカイソング★ like this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Tue May 21, 2024 7:06 pm

レッドアイズ一団
gray two star Aeeu9412
ブルーストリーム
gray two star Aeeu9413

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

Murre, スカイソング★ and mimi like this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Sat May 25, 2024 1:18 pm

第四章


色葉は寝床をこしらえた。
今日、妹の灰花が川に落ちた。
妹いわく、自力で川から出たといっているが、妹からあの猫の匂いがした。
【レッドアイズ一団】幹部の日影の匂いだ。
あの猫は昔から灰花に好意を持っていた。
きっとあの猫と何かあったに違いない。
色葉は眠くなり、寝床に丸まり、眠りについた。

ふと、足音が聞こえ、色葉は目を覚ました。
薄目を開けて、見ると【ブルーストリーム】の副リーダー ヨルだった。
ヨルはこそこそ歩いていた。
色葉は疑問に思った。
なぜこの猫は夜中にこそこそしているのだろう。
ヨルは【ブルーストリーム】の住まう建物の出入り口から出た。
色葉はとたんに好奇心に襲われた。
あの猫は何をしようとしているのだろうか。
色葉は寝床から起き上がり、ヨルを追跡することにした。

住みかから出る頃には、ヨルは大きな道路をわたろうとしているところだった。
色葉はドキッとした。
道路を渡った先は、【レッドアイズ一団】の縄張りだ。
色葉は道路を急いで渡った。
今日は何か悪いことが起こりそうだ。

【レッドアイズ一団】の縄張りに入ってからしばらくして、ヨルは広い空き地に入っていった。
色葉はゴミ捨て場を利用して、ヨルを隠れて観察することにした。
ヨルは広い空き地の真ん中に座っている。
周りを見渡しているところを見ると、ヨルは誰か待っているようだ。
夜の街の闇から大きな雄猫が出てきた。
その猫は明るい茶色の虎がらの雄猫で、片目が赤くなっている。
色葉はその猫が誰かわかりゾッとした。

あの猫は色葉と灰花の父親であり、【レッドアイズ一団】の残酷なボス猫 赤目の虎だった。
ヨルが危ない!と色葉は思ったが、その思いとは裏腹にヨルはペコリと頭を下げた。
「情報を持ってきました。ボス。」
赤目の虎はヨルの横に座ると言った。
「報告しろ。」
ヨルはばらしては不味い情報を赤目の虎に話始めた。
 【ブルーストリーム】が【レッドアイズ一団】を倒す計画を立てていることやその本拠地の場所。
そして、色葉と灰花が【ブルーストリーム】に所属していることを話した。
色葉はヨルをぶん殴りたくなった。
この猫は【ブルーストリーム】の猫たちを騙し、【レッドアイズ一団】へ荷担していたのだ!
今すぐ、【ブルーストリーム】のリーダー ミルクに伝えなければ!
色葉は向きを変え、【ブルーストリーム】の住みかに帰ろうとした。
 背中に強い衝撃が走り、色葉はあっけなく押さえつけられた。
色葉は首を曲げ、自分を押さえつけている者をみた。
色葉を押さえつけていたのは焦げ茶色の毛をした雄猫⎯⎯⎯⎯【レッドアイズ一団】幹部の日影だった。
日影は尋ねた。
「ボスを隠し見るなんてどうしたんだい?」
色葉は唸る。
「あんたには関係ないわ!」
色葉を押さえつける力が強くなった。
「言わないつもりならいいよ。無理矢理でも、君の口から吐かせるから。」
騒ぎに気づいたのかヨルと赤目の虎がいつの間にか色葉の近くに居た。
赤目の虎は言った。
「おやおや、これはこれは。俺の娘じゃぁないか!何をしてたのかな?」やけに優しげな声で赤目の虎は話す。「なにしに来たんだ?」
色葉は父親たちをにらんで言った。
「そこの裏切り者をつけてたのよ」
赤目の虎はヨルに言った。
「このことはばれないようにと言っただろう?」
ヨルは毛を逆立た。
「す、すいませんでした!でも、この猫しか俺の正体を知らないはずです!」
赤目の虎は、もう一度ヨルを睨むと色葉に向き直った。
「さて、お前の処罰はどうしよっかなー」
赤目の虎が悩んでいるのをみて、色葉はいま逃げるチャンスだ!と思った。
だが、日影が色葉を強く押さえつけ、逃れることができない。
「お前の処罰はあとで決めよう。こいつをつれていけ。役に立つかもしれん。」
日影は頷くと、色葉の後ろの首をつよく殴った。
色葉はそのせいで、意識が遠退いていった。

灰……花…

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

スカイソング★ likes this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Wed May 29, 2024 7:29 pm

第五章


「え?お姉ちゃんがいなくなった?!」
灰花は言った。
【ブルーストリーム】の仲間の風月が頷いた。
「そうなんだ!今朝から姿が見えないのを雪見が気づいたの!僕たちは探したんだけど、ここにはいなかったわ。今、雪見がリーダーに報告してる。」
灰花は姉が心配で胸が張り裂けそうになった。
お姉ちゃん大丈夫かな?
「みんな!私の回りに集まって!」
【ブルーストリーム】リーダーのココアが皆に呼び掛けた。
【ブルーストリーム】は素早くココアのもとに集まった。
灰花と風月も急いで、ココアのところにいった。
ココアはニンゲンが使っていたタナに乗ると深刻な顔でいった。
「今朝から、色葉が行方不明です!」
猫たちはざわめき、顔を見合わせた。
どうやら、みな色葉が狩りにでも言ってたと思っていたようだ。
副リーダーのヨルがボソッといったのが、灰花には聞こえた。
「あいつどうせ【レッドアイズ一団】に帰ったんじゃないか?」
灰花は腹立たしくなった。
私たちは【レッドアイズ一団】に入りたくてなった訳じゃないのに!
灰花はヨルに言った。
「何でそんなことが言えるんですか!?姉は【レッドアイズ一団】をきらっているんですよ!?」
ヨルは言い返されると思わなかったのかしかめっ面になった。
「どうだかな?」
灰花は唸り、ヨルに飛びかかりたいのをこらえた。
ココアはヨルと灰花を見ていった。
「やめなさい。今は内輪でもめている場合ではありません。」
ヨルはココアに向かって一礼すると、灰花を睨みつけた。
ココアは言った。
「色葉を探すために、捜索隊を出そうと思います。」
色葉は願った。
ココアはそこで一旦言葉を切り、捜索隊のメンバーを指名した。
「ヨル、風月、スズ」
呼ばれた三匹は頷いた。
ココアが閉会の合図をすると、【ブルーストリーム】の猫たちは、散り散りになった。
灰花は隣にいた風月に言った。
「おねがい!お姉ちゃんを見つけて!」
風月は頷いた。
風月がヨルに呼ばれ、捜索隊のなかまたちの元に向かっていくのを、灰花は見つめていた。
お願い、お姉ちゃん。無事でいて!!



それからと言うもの、灰花は姉が心配すぎて失敗ばかりだった。
もう、辺りは真っ暗になっている
「捜索隊が帰ってきたぞ!!」
誰かが叫んだ。
灰花は急いで捜索隊の元に走った。
捜索隊の元にはもうココアがいた。ココアはたずねた。
「色葉は?」
ヨルが横に首を降った。
「いませんでした。」
灰花はショックを受けた。
お姉ちゃん、いったいどこにいったの?
ヨルは言った。
「色葉の匂いをたどってみたんですが、そのにおいは【レッドアイズ一団】の縄張りに続いていました。」
そのヨルの一声に辺りはしーんとなった。
灰花はヨルがいったことが信じられずにいた。
嘘でしょう?
あの【レッドアイズ一団】嫌いの姉があの一団に入るわけがない。
そう信じたかった。
ココアは言った。
「ご苦労様。一回やすみなさい。」
捜索隊は頷き、自分の寝床へとそれぞれ向かっていった。
ココアが自分の部屋に戻ろうとしたので、灰花は焦げ茶色と白の雌猫に急いで話しかけた。
「ココアさん!」
ココアは立ち止まり、灰花の方を見た。
灰花はココアに駆け寄ると、尋ねた。
「ココアは色葉が【レッドアイズ一団】にはいったとお思いですか?」
ココアは言った。
「いいや、思ってないわ。」
灰花は内心ホッとしながら言った。
「姉は【レッドアイズ一団】に捕まったのでしょうか?」
ココアは考え込んだ顔をした。


「そればかりは分からないわ。もしかしたら【ブルーストリーム】の生活が嫌になったのかもしれない」

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

スカイソング★ likes this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Fri Jun 07, 2024 7:31 pm

第六章


「ねぇ、大丈夫?」
友達の雪見が話しかけてきた。
雪見はいつも無表情だが、今は心配そうな顔をしている。
灰花はいった。
「うん、大丈夫。」
雪見は気の毒そうに言った。
「お姉さん⎯⎯⎯色葉ちゃんまだ見つかってないんでしょう?」
姉の名前を聞いて、灰花の心がうずいた。
色葉が行方不明になってから一週間が過ぎた。
ココアはまだ捜索隊を派遣してくれているが、【レッドアイズ一団】の支配する縄張りにはいって行ったという情報しか見つかっていない。
 雪見は言った。
「私、捜索隊のメンバーに入ったから、何か手がかりがないか見てくるね。」
灰花は目の前の白い雌猫に感謝した。
「ありがとう、雪見。」
雪見は向きを変え、捜索隊のメンバーのもとに向かっていった。
灰花は目を閉じた。
実を言うと、私には特殊能力がある。
それは過去に起こったことを途切れ途切れだが見ることができる。
ただ、この力を使うと体力を大幅に削られて、しばらくこの力が使えなくなる。
この前、姉の秘密を探るために使ったので今日まで使えなかったが、いまなら使える。
私の力の事は姉とココアにしか言っていない。
ちなみに姉は身体を強化する力を持っている。
 灰花は精神を集中し、姉に何が起こったか、探り始めた。


姉は真夜中に怪しい動きをするヨルをつけていた。
【レッドアイズ一団】の縄張りに入ってしばらくして、ヨルは【レッドアイズ一団】の残酷なボスであり、灰花と色葉の父親の赤目の虎と出会い、【ブルーストリーム】の秘密をばらし始めた。
その様子を見ていた姉を【レッドアイズ一団】幹部の日陰が押さえつけて気絶させ、【レッドアイズ一団】の本拠地となっている古びたニンゲンの住みかに姉の色葉を連れていった。

そこで頭のなかに流れた映像が途切れた。
灰花は真実に目を見開いた。
 色葉はスパイをしているヨルをつけていて、それで捕まってしまったのだ!
早く助け出さないと姉が危ない!
灰花はいてもいられなくなり、【ブルーストリーム】の住みかから飛び出した。
【ブルーストリーム】の猫たちが、駆け抜ける灰花を見て、驚いている。
灰花は大きな道路を横断し、【レッドアイズ一団】の縄張りに入った。



「ついたわ……」
灰花はボソッと呟いた。
灰花の目の前には【レッドアイズ一団】の本拠地と辺りを見張る【レッドアイズ一団】のしたっぱたちがいる。
さて、どう侵入しよう。
灰花がそんなことを考えていると、弱々しい声が聞こえた。
「灰花……」
その声が誰か灰花には分かった。
姉の色葉だ。
その声は【レッドアイズ一団】の本拠地の横にある小さな小屋から聞こえた。
きっと姉はそこに閉じ込められているんだわ!
灰花は【レッドアイズ一団】の本拠地の周りを囲む茂みを使い、姉が閉じこめられているらしき小屋に向かった。
体を地面に這うようにあるき、小屋のうらについた。
灰花は小屋の入り口がどこにあるか探った。
やがて、小屋の上の方にあいた窓があるのを見つけた。
灰花は楽々と窓に飛び乗り、小屋の中を覗いた。
奥の方に薄い灰色の毛をした猫の姿が見えた。
あれは色葉だ!
「お姉ちゃん!」
灰花は姉に駆け寄った。
目の前に爪の斬撃が飛んできた。
灰花はギリギリでそれを避けた。
「お、お姉ちゃん?」
爪の斬撃は姉が放ったのが灰花には分かった。
「わたしだよ!あなたの妹の灰花!」
だが、姉は毛を逆立て唸った。
次の瞬間、首元に鋭い痛みが走った。
姉は目をぎらりと光らせ、飛びかかってきた。
なんで?
なんでお姉ちゃんが私を攻撃するの?
灰花は反撃できずに、避けることだけしかできない。
「やってるな、出来損ないども。」
ばかにするような聞き覚えのある声が聞こえた。
小屋の窓に三匹の影が見えた
その真ん中にたっている猫は、虎がらで片目が血のように赤くなっている。
灰花は唸った

「赤目の虎!!」

憎き、父親は言った。
「色葉が無事でよかったな!」
「お姉ちゃんに何したの!」
赤目の虎の横にいた赤っぽい茶色のメス猫 紅が言った。
「ちょっと、体と記憶をいじらせてもらっただけですよ。灰花ちゃん!」
紅め!
と灰花は心のなかで牙をむきだした。
あの猫は猫の解剖や実験大好きなヤバい猫だ。
「モタモタしてる暇はないぞ。」
赤目の虎が言った。

ザシュ!!
辺りに鮮血が飛び散った。
「お姉……ちゃん。」
色葉が灰花に深い傷をつけた。
灰花は敵と化した姉に弱々しく微笑むと、倒れた。


あとがき

今回は姉の色葉が悪に堕ちましたね。
いやぁー、はいかちゃんは姉を救えるのでしょうか…

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

スカイソング★ likes this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Fri Jun 14, 2024 6:47 pm

第七章


~色葉side~


色葉は目の前で倒れる濃い灰色の雌猫を見下ろした。
彼女は弱々しく、こちらを見ているだけだ。
この猫……灰花はボス(赤目の虎)に命令されて、私が止めを刺すように言われている。
色葉は止めをさそうと血に染まった前足を上げた。
色葉は考えた。
私はこの猫に見覚えがある。
……⎯⎯⎯誰だっただろうか?
オモイダセナイ。
けど、私はこの猫を殺してはいけない気がする。
だが、ボスの命令は絶対だ⎯⎯⎯たとえ大切な猫だとしても⎯⎯⎯⎯
私は赤目の虎に言った。
「止めをさしておくので、ボスはどうぞお部屋にお戻りください。」
私が服従の姿勢を赤目の虎に向けてすると、赤目の虎は満足げに言った。
「分かった。頼むぞ、俺の‘‘後継者‘‘」
赤目の虎たちは窓から下りた。
色葉は灰花を見た。
彼女は苦しげに息をしている。
苦しそうだね。今楽にしてあげるよ!
色葉は自分の持つ特殊能力を使い強化した爪をむき出し、灰花に振り下ろした。
色葉の鋭い爪が灰花の体を切り裂く直前、灰花の目が異様なほど輝いた。
色葉は驚き、動きを止めた。
灰花の目に危険を感じて、目を話そうとしたが、体が動かない。
色葉の頭のなかに記憶が流れ込んだ。

灰花との思い出が次々と思い出されていく。
小さい灰花と私がじゃれあう記憶や、二匹で父親の赤目の虎たちから逃げる記憶、
そして最後に優しくこちらに微笑む灰花の記憶。
色葉は全てを思い出した!!
「灰花……私の妹の灰花?」
色葉の言葉を聞いて、灰花は弱々しく言った。
「思い出した?」
……私は…私はなんてことをしてしまったんだ!
色葉は涙を流した。
「ごめん……ごめんね!」
色葉はたおれこむ灰花を抱き締めた。
灰花は言った。
「大丈夫だよ。お姉ちゃんは悪くない。」
「でも、私は実の妹を傷つけたのよ!」
色葉はそう言ったあとはっとした。
灰花が意識を失ったのだ。
⎯⎯⎯早く【ブルーストリーム】の住みかに灰花を運ばなければ!
色葉は灰花をくわえ、小屋を出た。
だが、小屋の前に見張り猫がいた。
黒と白の毛をした雄猫 疾風だ。
疾風は訪ねた。
「どこにそいつを持っていくつもりなんだ?」
色葉はまだ赤目の虎の忠実になったままのように、演じた。
「こいつを処分しにいくんだ。」
疾風は言った。
「小屋で殺せばいいじゃないか」
色葉はドキッとしたが、言った。
「お前は私の立場を忘れたのか?私はボスの娘だぞ?」
疾風は怯え、毛を逆立てた。
「す、すいませんでした。」
色葉は灰花をくわえながら、【レッドアイズ一団】の本拠地をあとにした。
たくさんのニンゲンの住みかが並ぶ道路を歩き、【ブルーストリーム】の住みかに急いだ。
隣をニンゲンの操る車が走り抜け、色葉の毛が乱れたが、気にしない。
今はそれより、灰花が優先だ。
 やがて【レッドアイズ一団】と【ブルーストリーム】の縄張りの境界線となっている道路が見えてきた。
もうすぐだ!
色葉が胸を撫で下ろしたその時、目の前に焦げ茶色の雄猫が現れた。
色葉はぎょっとした。
この猫は【レッドアイズ一団】の幹部 日影だ。
疾風のようにごまかせないだろうか、と色葉は思った。
が、日影は言った。
「お前、記憶が戻っただろう。」
色葉は驚いた。
見抜かれてしまった!これでごまかせれない。
色葉は灰花を地面に優しく置くと、妹を守るようにたった。
「だったらなに?」
日影は言った。
「逃げろ。見逃してやる。」
「へ?」
思わず、色葉の口から変な声が出た。
この猫が敵を見逃すなんて、車が空を飛ぶぐらいあり得ない話だ。
「はやくいけ!」
日影が怒鳴るように言った。
色葉は急いで灰花をくわえ、【ブルーストリーム】の住みかに走っていった。
その場に残った日影は小さな声で呟いた

「今回は見逃したが、次は好きな猫であろうと容赦しないよ。灰花。」
恐ろしいその呟きを聞いたのは誰もいなかった。

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

スカイソング★ likes this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Fri Jun 14, 2024 6:49 pm

第八章



灰花は目を覚ました。
この見覚えのある景色は【ブルーストリーム】の建物のなかにある医師部屋だ。
灰花を見下ろすように、風月と雪見がいた。
風月が言った。
「灰花が目を覚めたわ!」
雪見が言った。
「灰花、大丈夫?」
灰花は頷いた。
その時、灰花は姉が心配になった
そういえばお姉ちゃんは?
「お姉ちゃんは大丈夫なの?」
灰花が訪ねると、二匹の雌猫は気まずそうに目を見合わせた。
「えっとね、色葉は元気よ。でも……」
風月の話を続きを雪見が言った。
「灰花ちゃんを傷つけたって自ら牢屋に入っていったの。ココアは止めようとしてたのだけれど……」
その事を聞いた灰花は驚き、立ち上がった。
お姉ちゃんは悪くないのに!
立ち上がった灰花をなだめるように雪見は言った。
「灰花ちゃん、無理しないで!あなたは重傷なのよ!」
灰花は構わず言った。
「ココアに報告しなきゃいけないことがあるの!」
灰花は医師部屋を勢いよく、飛び出し【ブルーストリーム】のリーダー、ココアの元に走った。
ココアはリーダーの寝床でヨルと話していた。
ヨルは灰花を見ると警戒するように目を細めた。
裏切り者のヨルは灰花が姉の色葉からヨルの正体を聞いているのか気になっているらしい。
ココアは走ってきた灰花をみて驚いていた。
「灰花?怪我は大丈夫なの?」
「ええ、大丈夫です。それより話したいことがあります!」
ココアは真剣な顔で灰花に訪ねた。
「どうしたの?」
灰花は言った。
「この事は皆に言わなければならないのです。集会で話してもよろしいでしょうか。」
ココアは少し考えたあと頷いた。
「分かったわ。今から集会を開くわね。」
灰花はこの焦げ茶色と白の雌猫に感謝した。
この猫は【レッドアイズ一団】のボスの娘である私と姉の色葉を認めてくれているのだ。
ココアは立ち上がり、演説用の古びた棚の上に乗った。
「【ブルーストリーム】のみんな!私の元に集まって!」
【ブルーストリーム】の猫はなんだ、なんだというようにあちらこちらから出てきた。
ヨルは疑わしげに棚の下に座った。
ココアは言った。
「灰花から話があるそうです。」
ココアはそういうと、しっぽで灰花に来るように合図した。
灰花は棚の上に飛び乗り、棚の周りに集まる猫たちを見下ろした。
何十もの目が灰花を疑問に思ったように見つめている⎯⎯⎯⎯⎯一匹だけ敵意を丸出しにしているものもいるが⎯⎯⎯⎯⎯。
灰花は深呼吸したあと、言った。
「皆さんは色葉が故意で私を傷つけてたとお思いですか?」
誰かが言った。
「だって色葉がそう言っていたぞ?」
灰花は皆に聞こえるように言った。
「姉は【レッドアイズ一団】によって、記憶を奴等のいいように組み替えられて私を襲ったのです。」
周りの猫たちがはっと息をのむ音が聞こえた。
ココアが訪ねた。
「でもなぜ色葉は【レッドアイズ一団】に捕まったの?」
「それはあの猫に聞いた方がいいかもしれませんね。」
灰花はヨルをしっぽで指した。
【ブルーストリーム】の猫たちは驚いたようにざわめき、ヨルを見た。
ヨルは立ち上がった。
「なんだと?」
「あなたは【レッドアイズ一団】のボス 赤目の虎に【ブルーストリーム】の情報を流していますよね⎯⎯⎯それも長期間も」
灰花の言葉にヨルは言った。
「そんなのデタラメだ!俺は【ブルーストリーム】に忠実だ!」
嘘をつき、真実を隠し通そうとするヨルに灰花は苛立った。
「それじゃあ、見ます?証拠」
灰花は目を閉じ、能力を使った。

ヨルが【レッドアイズ一団】のスパイであること、それを探ろうとした姉が捕まったことを映像として【ブルーストリーム】の皆の頭に流した。
映像をながし終わると、ココアが小声で呟いた。
「まさか副リーダーがスパイだったなんて……」
【ブルーストリーム】の猫たちが怒り狂った声をあげた。
ココアが静かにと合図し、辺りが静まったのを確認すると言った。
「ヨルの言い分は?」
「灰花は嘘をついている!俺の座を狙っているんだ!」
ヨルは灰花を睨み付けた。
ココアはため息をつき、ヨルに吐き捨てるように強く言った。
「灰花は嘘も、地位も狙っていません。あの映像が真実です。」
ヨルは黙り混んだあと、観念したのか本性を現し始めた。
「……くそ。」
ココアは言った。
「スパイをした罪によって、ヨルを追放します。何か異議のあるものは?」
誰も声をあげない。
「さぁ、ヨル。【ブルーストリーム】から出ていきなさい。もし縄張り内でを見つけたら敵として見なします。」
追放されたもと副リーダーは出口に向かってあるきだした。
出口の前にたつと、【ブルーストリーム】の猫たちに唸った。
「みなボスに殺されてしまえばいいさ。」
その捨てぜりふを最後にヨルは【ブルーストリーム】の住みかを出ていった。
猫たちの間が沈黙で包まれた。
その沈黙を破ったのは水樹(みずき)だ。
「副リーダーは誰にするのですか?あと、色葉ちゃんはどうなるのですか?」
ココアは命じた。
「色葉を連れてきて下さい。」
雪見と雄猫が頷き、臨時の牢屋から色葉を連れてきた。
姉の姿をみて灰花はドキッとした。
姉の艶やかだった毛皮はボサボサになっていて、顔は疲れきった顔をしている。
「皆さん、色葉は牢屋から出します。色葉は記憶を改造されて、灰花を傷つけたので無実です。」
「え?私は妹を傷つけたのですよ?」
色葉が言った。
ココアは強く言った。
「あなたは悪くない。」
「それでも、なにか刑を私は受けるべきです。」と色葉。
ココアは困ったように顔をしかめた。
姉の頑固さに灰花は内心驚いていた。
「ならば刑を与えましょう。あなたの刑は『【ブルーストリーム】と妹のために生きること。』です。」
それを聞いて、灰花はココアに感謝した。
姉も同じ考えをしていたようで涙ぐんでいた。
ココアは話を変えて言った。
「さて、副リーダーを指名します……」

灰花は副リーダーはベテランの猫水樹などが選ばれると予想していた。

「……灰花です。」

え?
私は目を見開いた。
なぜ私なの?
「え、あの、え??」
困惑する灰花にココアが言った。
「あなたは色葉や【ブルーストリーム】を救ったの。あなたが一番副リーダーに向いているわ。」
ココアは灰花に勇気づけるように前足の肉球で灰花の肩を触れた。
灰花は言った。
「まさか私が副リーダーに指名されると思っていませんでした。頼りないかもしれませんが、私は【ブルーストリーム】に命をかけてでも尽くすことを誓います。」

「「「灰花! 灰花!」」」

【ブルーストリーム】の猫たちが私の名前を呼んでくれた。
私はみんなに感謝した。
【ブルーストリーム】の副リーダーとして頑張って見せる!



あとがき

いやぁお久しぶりです。
テストの点数が悪くスマホ禁止にされてました。
いえい★

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

スカイソング★ likes this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Osubicat Sat Jun 15, 2024 7:32 pm

第九章



「ねえ、灰花……ちょっといい?」
色葉は灰花に話しかけた。
色葉は灰花が副リーダーになってから、なかなか妹に話しかけれなかった。
暇そうにしていた妹に謝罪と真実を私の代わりに言ってくれたこと感謝
「いいわよ。お姉ちゃん。」
灰花は腰をあげ、色葉に毛を触れあわせた。
「なあに?」
「あの……あなたを傷つけて本当にごめんね」
妹は色葉の猫の体に押し付けた。
「なにいってるのよ。お姉ちゃんは悪くないでしょ?」
「でも……」
色葉の言葉を灰花は遮った。
「でもじゃないよ。私はお姉ちゃんに怒ってないし、許してるわ。」
優しい妹に灰花は涙を流した。
「お姉ちゃんったら、【レッドアイズ一団】に捕まってから泣き虫ねぇ。」
灰花は色葉を慰めるように、尻尾をからめた。
色葉は妹のぬくもりに慰められた。
副リーダーの妹はすっかり立派になっていた。
 突然警告を表す長い鳴き声が聞こえ、色葉は目を見開いた。
侵入者?
入り口の扉から、艶やかな灰色の毛をした雄猫が現れた。
色葉はその猫が誰か分かった。
【ブルーストリーム】の創立者であり、【ブルーストリーム】の住みかの近くのニンゲンに飼われた雄猫 ライトだ。
ライトが来たのに気づいたココアは駆け足でライトの元にやって来た。
焦げ茶色の尻尾はぴんと立っている。
「どうしたんですか?ライトさん。ニンゲンの家から出てきてよかったのですか?」
「あぁ、ニンゲンはいま留守だから今がチャンスだ!と思ってきたんだ。」
ライトは遠くからココアとライトが話している様子を見ていた色葉と灰花に気づくと、二匹に呼び掛けた。
「君たちには今日の夜、僕のすむ家に来てほしいんだ。いいかい?」
色葉は驚いた。
創立者のお偉いさんのライトさんが私たちを誘うなんて!
ココアはライトの考えていることが分かっているようだ。
頷いている。
「あの事を話すんですね……?」
「あぁ。」
ライトはこちらを見た。
「んで、君たちは今日の夜これるのかい?」
色葉は困惑したあと、頷いた。
ライトはココアと視線を通わせた。
「じゃあ、夜ココアと共に来てほしい。よろしくたのむ。」
そう言い、ライトは住みかを去っていった。


真夜中になり、ココアと灰花、そして私 色葉は住みかを出た。
ライトのすむ家は【ブルーストリーム】の住みかの横の空き地の向こう側にある。
あそこに行くのはずいぶん久しぶりだな、と色葉は思った。
最後に行ったのは一人前の猫になったばかりの頃だろうか。
妹灰花は目を見開き、辺りを見回している。
妹はライトの家に行ったことがほとんどないので緊張しているのだろう。
ココアがライトの家ノ前で立ち止まった。
ライトの家の一階のベランダに黒っぽい虎柄の雌猫が座っていた。 
「私よ。ココアよ。」
雌猫はライトに会いに来た猫たちを眺めた。
雌猫の瞳のなかに悪意が見えたのは私のみまちがいだろうか?
黒っぽい雌猫は言った。
「ようこそいらっしゃいました。ライトを呼びますね。」
雌猫は家になかに入っていった。
しばらくして雌猫はライトをつれてきた。
ライトは雌猫に言った。
「もういっていいよ。レイ。」
レイは一礼し、家のなかに戻っていった。
ライトは尻尾で色葉たちにベランダに乗るように合図した。
一同はベランダに同時にのり座った。
ライトは言った。
「君たち……色葉と灰花に話したかったことがあるんだ。」
ライトがかしこまっていうので、ただ事ではないことが色葉には分かった。
「なんですか?」
灰花がせかした。
ライトは訪ねた。
「君たちは‘‘幽霊‘‘を信じるかい?」
突然そんなことを聞かれ、色葉はどもった。
「え、あの、えと……しんじます…………」
「そうか、それなら説明しやすい」とライト
ライトは言った。
「幽霊は不思議な力を持っている。例えば……過去を見ることや、他のものにその映像を見せることができる……とかね。」
色葉はドキッとした。
ライトが例えで言ったことが妹の能力と一致している。
灰花も、驚いた顔をして何も言えずにいる。
「君たちの力のことは知っているよ⎯⎯⎯【ブルーストリーム】のみんなもね。」
「しってたんですか!?」と灰花がいきなり言った。
ライトは頷き、色葉を見た。
「君の身体能力を向上させる力」
ライトは次に灰花を見た。
「過去を見る力とかは、幽霊…………【レッドアイズ一団】に殺された猫たちが君たちに与えたんだ。」
幽霊が!?
色葉は驚いた。
私たちに力を与えたのは死んだ猫なの?!
ココアが言った。
「実は色葉と灰花が来るのは事前に分かってたことなの。ライトさんが魂から教えてもらったんですって!」
「そうなんだ。」とライト。
色葉はハッとした。
色葉と灰花が【レッドアイズ一団】から逃げてきて、初めてライトや【ブルーストリーム】と出会ったときに、ライトが言っていたのはこの事だったんだ!
ライトは言った。
「死んだ猫たちが君たちに力を与えたのは、『【レッドアイズ一団】を倒してほしい』という意味を込めて、君たちに渡したようだ。」
ニンゲンがライトを呼ぶ声が聞こえ、ライトは立ち上がった。
「おっと、じかんのようだ。」
ライトは色葉と灰花に言い加えた。
「なにかわからないことがあったら、僕に訪ねてくれ。何かのたすけになれるはずだ。」


 色葉たちは【ブルーストリーム】のすみかに戻り、眠ろうとしていた。
だが、色葉はなかなか眠れずにいた。
それもそうだ、あんなことをライトに言われたのだから。
色葉は丸くなり、ライトが言った言葉『【レッドアイズ一団を倒してほしい】』を考えていた。
色葉は【レッドアイズ一団】のボスに殺された色葉の親友 ハルを思い出した。
⎯⎯⎯⎯あの親友も、【レッドアイズ一団】を倒してほしいとおもっているのだろうか?
そして【レッドアイズ一団】に殺された猫たちも私たちに期待しているのだろうか。
色葉は決意した。

亡くなった猫たち、私あなたたちがくれた力を使って、【レッドアイズ一団】を倒して見せるわ!

Osubicat
新入り戦士
新入り戦士

投稿数 : 64
Join date : 2024/04/28

スカイソング★ likes this post

トップに戻る Go down

gray two star Empty Re: gray two star

投稿 by Sponsored content


Sponsored content


トップに戻る Go down

トップに戻る


 
Permissions in this forum:
返信投稿: