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ブレイズソード【炎の剣】

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ブレイズソード【炎の剣】 Empty ブレイズソード【炎の剣】

投稿 by Murre Sat Mar 26, 2022 8:04 pm

弟と妹(またかい)の考えた設定を小説化したものです。
旅する猫達の話です。
マァーラー小説4作目。
どうぞ御一読ください〜


最終編集者 マァーラーフェザー [ Sat Mar 26, 2022 9:03 pm ], 編集回数 1 回
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ブレイズソード【炎の剣】 Empty Re: ブレイズソード【炎の剣】

投稿 by Murre Sat Mar 26, 2022 8:47 pm

ブレイズソード【炎の剣】(部族名)
族長名には〜ソード、見習い名には〜ファイヤとつく

族長
シャイニングクローソード【輝く爪の剣】
一筋淡く、薄い黄色の線が後頭部から尻尾の付け根にかけて通っている。体は薄い桃色のような白の雌猫。輝く黄色の目をしている。

副長
ダウトフラッシュ【疑いの閃光】
真っ黒い雄猫。右青、左黄色のオッドアイ。弟子はブライトフラッシュファイヤ【明るい閃光の火】で、真っ白い体に琥珀色の目の雌猫。

看護猫
スィンアイスストレッチ【薄い氷が張る】
薄く空色かかかった白っぽい灰色の雌猫。氷のような透明感のある水色の目。弟子は青みのかかった濃い灰色と淡い水色がかかった虎柄の雌猫で、白に近いアクアの目をした、コールドウォーターフォールファイヤ【凍った滝の火】

戦士猫
マウスコレクト【ネズミ回収】
好物はネズミで、くすんだ茶色の雄猫。黒っぽい黄色の目。

戦士猫
ディープグリーンフレーム【深緑の萼】
深緑の目で、下生えの中での狩りが得意である濃い灰色の雄猫。弟子はハイエナの模様で、黒に近い紺色の目の雄猫、ハイエナアイファイヤ【ハイエナの目の火】

戦士猫・母猫
ハードウッドリーフ【広葉樹の葉】
紅葉した広葉樹の黄の目の色のをした三毛猫。ルリカラーキット【瑠璃色子猫】(瑠璃色の目をした灰色の縞柄の雌猫)、シャープシディアンキット【鋭い黒曜石子猫】(尖った耳の真っ黒い雄猫で、ヘーゼル色の目をした雄猫)の母猫。

戦士猫
バーンアウルウィング【メンフクロウの翼】
真っ白い顔で薄茶の体をした雄猫。背中にはくすんだ灰色や茶色の斑点が入る。黄色の目をしている。

戦士猫
フレキメデスウィング【羽撃く翼】
前脚後ろ脚のみ薄い灰色で、尻尾は黒く、体は濃い灰色の雄猫。綺麗な緑色の目。

戦士猫
フォワードパースンワールド【前進する者の世界】
脚が長い、青い目をした雄猫。前歯がサーベルタイガー並に長い、黄土色ベースに、黒いぶちがある。

戦士猫
フロンタルウォーリアー【裸の戦士】
茶色の目をした、焦げ茶の、ものすごく短毛の雄猫。足がものすごく速い。ウサギを捕るのが得意。

戦士猫
クールウィンド【涼しい風】
茶色の目をしている三毛の雌猫。短毛。

戦士猫
フットフーテップオブライフアンドデス【生と死の足音】
黄褐色の体に茶色の斑点模様が入る雄猫。オレンジがかった褐色の目。生まれつき右後ろ脚が不自由で激しく動くことが出来ない。

戦士猫・母猫
ボヘミアンワックスウィングフェザー【キレンジャクの羽】
楊梅色の体で前脚後ろ脚の先が淡黄。尻尾は青みの強い灰色。オレンジ色の目。トランスペアレントキット【透明子猫】(細く、透明に見える白い毛の雌猫。ヘーゼルの目。)とグレイシャーキット【氷河子猫】(頭から尻尾に移るにかけて水色から白と、グラデーションの毛色。薄いアクアの目の雌猫。)の母猫。

長老猫
ポーラーベアフット【ホッキョクグマ脚】
黄色がかかった体で長毛の雄猫。茶色っぽい目をしている。

長老猫
フォレストリヴァースカー【森の川の傷痕】
左目の上から下にかけ、右肩の付け根に長く曲がりくねった傷痕がある。尻尾は黒、その他は白と黒のぶちの雄猫。橙色の目。戦士名はフォレストシトラス【森の柑橘】
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投稿 by Murre Sun Mar 27, 2022 11:50 am

ファウンダークラン【創始者の部族】
ブレイズソードの猫達が信仰する先祖の猫達の総称。
巨体起こしたり自然発火した炎の中に縄張りを持ち、炎の中から猫達にお告げを伝える。

アイススピアー【氷の槍】
敵部族。名の通り冷たい。氷を覗くと現れるグレイシャークラン【氷河部族】を信仰している。巨体が多く住む住宅地の隣の荒れ地に縄張りを持ち、浮浪猫や単独猫と仲が良い。

その他 
巨体 
人間のこと。向日葵の季節にブレイズソードの縄張りである森に来てキャンプし、火を起こしてくれる。

桜の季節 春
向日葵の季節 夏
紅葉の季節 秋
雪の季節 冬


最終編集者 マァーラーフェザー [ Sat May 14, 2022 3:54 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by Murre Sun Mar 27, 2022 5:15 pm

~プロローグ~
「シャイニングクローソード!」
黒い雄猫が周りの暗闇と同化し、青と黄色の目が宝石のように浮かんでいる。
「敵です!アイススピアーです!」
呼ばれた雌猫はもう爪を出し、戦闘態勢だ。爪は月明りの下ぎらぎらと光っている。
黒猫は岩の割れ目から風よりも速く飛び出し、月光がまんべんなく当たる空き地の、ごった返す猫達の戦闘の渦へ加わった。白い雌猫も走る。背中の淡い黄色の筋がしなやかに動く。
「ライフブロークンピーススピアー(命の欠片の槍)!」
白猫は鋭く唸り、目の周りだけ四角く空色の、濃灰の雄猫の鼻づらを一回切り裂く。灰色の猫と白猫の間で狂と正を区切るように血しぶきが宙を舞う。雄猫はやり返し、白猫は横滑りした。
「どういうつもり!」
激しく唸った白猫の目はぎらつき、灰猫を離さない。
「この森は今日から俺らの物だ!」
白猫は声がした方に振り向き、恐怖で目を見開いた。
「族長!」
近くにいたオッドアイの黒猫が跳ぶのと同時に、黄金色の虎猫は白い雌猫に襲い掛かった。大きな虎猫に倒され、白猫の姿は見えなくなる。
「俺とキャニオン(峡谷)で新しい部族を作る。」
濃灰の猫は冷たく言い放ち、苛立ち、反抗する白猫のさらされた柔らかい腹に一筋、長い傷をつけた。高く鋭い叫び声がし、白猫の光を失った目は、力なく空を見上げた。
十六夜の月が雲一つ無い濃紺の宇宙から光を放ち、横たわる白猫を淡く照らした。
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投稿 by Murre Sun Mar 27, 2022 7:00 pm

~1~
「シャイニングクローソード!」
「静かに。今、族長に必要なことは、眠り、傷を癒すこと。」
ほっとした低い声をなだめるように、白っぽい雌猫が尻尾で黒猫の背中をさする。その黒猫も顔や脚に数か所、まだ新しい傷があり、クモの巣が巻かれている。
「スィンアイスストレッチ、ダウトフラッシュ…。」
寝ていた白猫がか細い声を上げ、目の前で心配そうに見守る二匹の名を呼ぶ。
「私達は、勝ったの…?」
体を動かすときに腹をを入れた為、顔を顰める。
看護猫が力なく首を振る。
「マウスコレクト、ポーラーベアフットとフォレストリヴァースカーが亡くなりました。バーンアウルウィングとディープグリーンフレーム、族長、副長は重傷で、他の見習い達や戦士も力尽き、怪我を負いました。」
項垂れ、亡くなった戦士と長老に敬意を示した。
「通夜を…。」
「族長も重傷なんです。お腹の傷はとても深く、やっと血が止まったのですよ。」
スィンアイスストレッチは、動こうとし痛みに堪えようとした族長を止める。
「ダウトフラッシュも、体を休めてください。狩りは弟子に行かせたらどうですか。」
副長は反論しようと口を開きかけ、脚の傷に目をやり、渋々近くの苔に寝そべる。
「ブライトフラッシュファイヤ、ハイエナアイファイヤ、フレキメデスウィング、クールウィンドに狩り、フロンタルウォーリアー、フットフーステップオブライフアンドデス、フォワードパースンワールドにアイススピアーとの境界線のパトロールをさせるのを、伝えてくれ。」
看護猫はクモの巣を上から数回巻き、看護部屋に集まっていた軽傷の者達に副長の命令を伝えに行った。
看護部屋は込み合っていて、血とマリーゴールドのにおいが立ち込めている。もう少し広い場所ではスィンアイスストレッチの弟子であるコールドウォーターフォールファイヤがてんてこ舞いで、同じ場所を行ったり来たりしている。口には萎びかけたマリーゴールドが虚しいくらい少量、咥えられている。
そう、今は落ち葉の季節。縄張りのはずれにある巨体の領有する庭は掘り返され、マリーゴールドやルリチシャなど薬草は、透明な袋に入れられ、処分されてしまった。看護猫は毎年憤慨しているがグリーンコフの時になくてはならないイヌハッカは年中植えられていることだけは、不幸中の幸いだ。
キャンプから数匹の猫が縦に並んで出ていく音がした。
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投稿 by Murre Mon Mar 28, 2022 5:07 pm

~2~
この地域周辺には、ブレイズソードとアイススピアーの二部族が縄張りを持っている。境界線は川で、そこでは満月と新月の晩、それぞれの半月の晩、集いが開かれる。満月、新月の集いには、部族猫の殆ど、半月の集いには族長が選んだ者で行く。そして、看護猫は集いの場からいくらか下流の、川が枝分かれする分岐点にある大きく、平らな岩の上で会話し、ファウンダークランとグレイシャークランから、それぞれのお告げを受け取る。
襲撃から数日経ち、私―シャイニングクローソードは歩けるまで回復し、ダウトフラッシュも一族に指示を出せるようになった。スィンアイスストレッチとコールドウォーターフォールファイヤの貢献により、死者はあれ以上増えなかった。
「フレキメデスウィング、フロンタルウォーリアー、フォワードパースンワールド、ブライトフラッシュファイヤ、バーンアウルウィング。今日の集いはこの者で行く。」
ダウトフラッシュは私からの言付けを言うのが小さく聞こえた。
私は少し体を起こした。腹を縦に走る傷は塞がっている。
今日はライフブロークンピーススピアーに、何としてでも、事情を聴かなければ。
何故、浮浪猫と手を組み、私達の縄張りに侵入してきたのか。
…そもそも、事情を詳しく聞かせるほど正気ではないと思うが。
下弦の月が昇り、川には多くの猫が集まった。川の向こうからは多くの浮浪猫のにおいがし、巨体と、ごみと、血の混ざった悪臭となり鼻を突いた。
「ライフブロークンピーススピアー!」
私の声に灰色の猫は耳をぴくっと動かした。
「シャイニングクローソード、いつもの集いと開き方が違うね。」
笑った雄猫の隣には、キャニオンと呼ばれていた目つきの悪い雄猫が偉そうに座っている。副長であるデザードキャクタス(砂漠のサボテン)よりも大きく、偉そうだ。
「これから半月の集いを始めます。」
アイススピアー族長はごもっとも、と言うように頷いた。毎度毎度、相手を苛立たせる態度だな、と心の中で悪態をつく。族長の太くがっしりしている脚の先の爪は月光を反射し、光った。
「ブレイズソードからの報告は、二つあります。マウスコレクト、ポーラーベアフット、フォレストリヴァースカーが殺されました。三匹は今頃、ファウンダークランとして炎の中で輝き続けているでしょう。」
「ブレイズソードは炎の中の火の粉を信仰しているもんな。」
対岸からぼそっと蔑んだ言葉が聞こえた。こっちだって、氷による光の反射を信仰しているのはどうかと思ってるわよ!本当に性格の悪い部族ね。
「そして、アイススピアーに襲われました。」
部族猫は全員、静まり返った。ほー、とフクロウが啼いて高い木から飛び立った影が映った。
「報告はそれだけかな?次は、アイススピアーが話をさせてもらおう。」
浮浪猫に囲まれたライフブロークンピーススピアーは心なしか、若返って見える。そんなに浮浪猫のような巨体以下の生物と一緒にいるのが楽しいのか。
「この前も宣言した通り、アイススピアーはキャニオン達、ディスィル―ジャンメント(幻滅)と共にブレイズソードを追い出す。理由は、俺とキャニオンで新たな部族を作るからだ。そこに正義ぶりたがるブレイズソードは必要ない。」
ライフブロークンピーススピアーは激しく尻尾を振り、ちらと横の猫に目配せした。虎猫が進み出て、鬱陶し気な口調で語りかけてきた。
「シャイニングクローソード、三日の日限を与えよう。寛大だと思わないか?三日以内に俺達ファントムクラン(幻族)を一匹残らず倒すか、自ら現状を受け入れてこの縄張りを去るか。選択権を与えてやろう。」
浮浪猫の言葉に、ダウトフラッシュは明らかに苛立ち、尻尾を激しく振り、小さく唸っている。
「三日後の晩に、ここに再び集まろう。」
ライフブロークンピーススピアーが氷よりも冷たく言った。
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投稿 by Murre Tue Mar 29, 2022 12:02 pm

シャイニングクローソード
ブレイズソード【炎の剣】 16485210
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投稿 by Murre Wed Mar 30, 2022 9:55 am

ダウトフラッシュ
ブレイズソード【炎の剣】 16486010
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投稿 by Murre Wed Mar 30, 2022 1:57 pm

~3~
「族長。」
私を呼んだ副長の口に尻尾を当てる。
「ダウトフラッシュ、スィンアイスストレッチ、コールドウォーターフォールファイヤ、私の部屋へいらっしゃい。」
途中で合流した看護猫とその弟子も呼び、一度一族の様子を確認する。集いへ行って来た猫達は、そろそろと戦士部屋に入り、そうでない猫達は看護部屋にまだいる。
「族長!」
岩の割れ目にできた私の部屋に全員が腰を落ち着けた途端、黒猫が再び私を呼んだ。オッドアイには不安と興奮の二色が浮かぶ。
「私はもう決めた。あなた達には、一族にこの決定を伝えるとき、何かあったら手伝ってほしくて。」
どうか、私のわがままを聞いて。
一度目を閉じ、静寂の音を聞く。
「ブレイズソードは、この土地を譲る。」
副長は爪を出し、看護猫は微動だにしない。見習い看護猫は、ひっと細く声を上げた。
「私は賛成します。族長の判断なら。」
彼は私の同期で、気心知れた仲だ。
「ファウンダークランは、この土地でなくとも炎は起こる、と移動する猫の集団の目に炎が映っている景色を見せてくださりました。」
スィンアイスストレッチの言葉に、弟子も頷く。
「そうなのね。ファウンダークランもこの土地を離れ、新たな土地で安全に暮らすことを望んでいらっしゃるのね。」
炎の戦士らも私の意見に賛成してくださり、正直ほっとした。この体で「まだ戦いなさい」と命じられても遂行できる自信が無かった。
「明日、夜明けのパトロールが終わったら、一族に伝えましょう。私達は無駄な血を流すことは望まない、と。夜明けのパトロールは私が率いるわ。」
スィンアイスストレッチは少し困った顔をしたが、腹の傷のにおいを嗅ぐと、渋々許可を出した。
「あと三日、有意義に過ごしましょう。」
コールドウォーターフォールファイヤは泣き出しそうな顔になっていた。スィンアイスストレッチは弟子の背中を優しく擦り、ダウトフラッシュは苦しそうに顔を伏せた。
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投稿 by Murre Thu Mar 31, 2022 7:52 am

スィンアイスストレッチと
コールドォーターフォールファイヤ
ブレイズソード【炎の剣】 16486010
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投稿 by Murre Thu Mar 31, 2022 5:34 pm

~4~
それから三日は、キャンプを、生まれ育った森を、縄張りを、惜しみなく、目が乾くくらい見つめ、座り、思い出に浸った。
前回よりも欠けた月が、雲二割ほどのダークブルーの空に、かぎ爪の跡に白いインクを染み込ませたように、私達を見下ろしている。
今晩川の向こうに集まったのは、ライフブロークンアイススピアー、デザードキャクタス、看護猫のスノウクリスタル(雪の結晶)、キャニオン、そしてキャニオンの傍にぴたりとついているディスルージャンメントの副長らしき猫と見られる、これまた大きなこげ茶の虎猫のみだった。
「シャイニングクローソード、判断できたかい?」
キャニオンと似た、嫌になる言い方でライフブロークンライフスピアーがぐっと身を乗り出す。
「ええ。」
私はダウトフラッシュと、スィンアイスストレッチに頷きかける。
「ブレイズソードは土地を譲ります。」
アイススピアー族長はにっと笑い、キャニオンの隣の猫は「ふっ。弱っちい。」と呟いた。当のキャニオンは予想通り、と胸を反らした。副長のデザードキャクタスはいつも通り、何も言わず、瞬きすらもしない。
「長い間、ありがとう。どうぞ、森は有意義に使って。」
川を沿って歩き出す。一族全員、―そう、全員来ていたのだーを引き連れ、この、育った森を去る。様々な色の目から放たれる視線が痛い。
しんがりのダウトフラッシュが口を動かし、キャニオンが唸っていた。
「今日は進めるところまで行きましょう。みんな、キャンプで休んで来たでしょう?」
同意の仕草がいくつか上がる。みーと声がしたので振り向くと、ハードウッドリーフの子のルリカラーキットが「はい」と言うように前足を挙げていた。にこり、と微笑み、前を向く。私達は、月に沈む方向に向かっていた。
川を沿っていくらか進む。見習いや母猫、戦士猫に咥えられた子猫が居るため、全体の速度はゆっくりだ。残念なことに、長老猫はいない。
川の上流に向かっているため、次第に上り坂となってくる。歩いているうちに月は目指している雪を被った山の後方に隠れてしまったし。
「シャイニングクローソード!」
夜に暗闇を裂いて私を呼ぶ声がした。
「スノウクリスタル!」
スィンアイスストレッチが口に咥えていた薬草の包みを落とした。
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投稿 by Murre Fri Apr 01, 2022 5:50 pm

~5~
スノウクリスタルとは、アイススピアーの看護猫で、元飼い猫だ。紺色の首輪には水色のチャームが付いていて、光を受ける度、結晶の形をした半透明のそれはスノウクリスタルは、巨体に昔酷い扱いを受けたらしく、庭の隣に縄張りを持つアイススピアーに逃げてきたのだという。しかし、真っ白な毛としゃらしゃらと鳴る首輪の飾りのせいで戦士猫は諦め、看護猫の訓練を受けることにした。
「シャイニングクローソード、私も、ブレイズソードに入れてくれないかしら?」
そう川の向こうから叫んだ白猫の足元にも、スィンアイスストレッチ達の持っているような包みがいくつかある。
 
最後方からダウトフラッシュを呼び、スノウクリスタルは浅く流れの速い川をばしゃばしゃと渡ってきた。
「スノウクリスタルの意見、経緯を聞いてみましょう。」
(失礼だと思うが、私は族長で同期なのでいう。)ダウトフラッシュは見かけによらず心優しいので、飼い猫がどうのこうのとか、どうも思わないだろう。戦士(看護猫が正しいのかもしれないが)の掟を彼女が破らない限り、飼い猫の血が受け継がれる心配もない。
アイススピアー看護猫は長毛により水にぬれたことに顔を顰めたが、説明をした。
「私、正直キャニオン達とそりが合わなさそうなの。あんなごみを食べているような飼い猫以下の浮浪猫と共同支配されるのは、そうね…吐き気がする。アイススピアーにはウォームニュースプラウト(暖かい新芽)が居るし、大丈夫よ。どうか、私を連れて行ってほしいの。」
長毛の白猫は額を草に擦り付け、懇願した。
「シャイニングクローソード、スノウクリスタルは、一緒に来てもらうべきです。看護猫は何匹いても困らないですし、そのう…スノウクリスタルは本当にアイススピアーに居たくないと考えているのですから、それを断り、過酷な環境に置いておく方が酷いことではないのでしょうか?」
ボヘミアンワックスウィングフェザーー彼女は母猫だーが進み出て、意見を述べた。彼女はスノウクリスタルが飼い猫当時から毛嫌いしてきた浮浪猫に対する嫌悪感を理解していた。ブレイズソードの縄張りはキャンプ地と森で、巨体の家は近くなく、彼女も飼い猫出身ではないが。
「私も、反対の理由が見つかりません。」
ダウトフラッシュはスノウクリスタルに会釈して、子猫を周りの戦士に預けていたボヘミアンワックスウィングフェザーと共に後ろの方へ戻った。
「ようこそ、ブレイズソードへ。」
スノウクリスタルの目はチャームに負けないくらい美しく輝いた。
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投稿 by Murre Sat Apr 02, 2022 12:25 pm

スノウクリスタル
太って見えるのは、長毛でもふもふだからです。
ブレイズソード【炎の剣】 16487810
絵柄が変わっているのは、多分You Tubeに影響を受けた。

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クールウィンド
母猫
ボヘミアンワックスウィングフェザー
子猫
トランスペアレントキット
グレイシャーキット
元アイススピアーの看護猫
スノウクリスタル
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投稿 by Murre Sat Apr 02, 2022 3:19 pm

~6~
道は本格的に岩になり始め、看護猫二匹と看護猫見習い一匹は目を皿にして薬草を探し始めた。一応それぞれ蓄えは持っているが。
また、一日に進む速度も遅くなりつつあった。足場は不安定だの、肉球が擦り剝けただの、手助けが必要な猫が現れ始め、私を含めた戦士猫は二倍はたらくことになった。
そして、困ったのは食料である。
山の麓付近から森をはじめ木は無くなり、いつでも空が見えるようになった。紅葉の季節の高い空から降り注ぐ日光は背中を直接温め、子猫を咥えた戦士と母猫は戦士猫の影に隠れるように歩いた。
私達の縄張りは森だったので、開けた道、狩猟場、就寝場は珍しく、不慣れである。
「族長。」
もごもごと口の羽が詰まった声に振り向く。今は岩の影になる所で休憩していた。
ずるずると引きずる音と共に、大きなヒゲワシを咥えたフロンタルウォーリアーとフットフーテップオブライフアンドデス、クールウィンドがもう一度私を呼んだ。
「族長、見てください。近くで瀕死だったんです。とどめを刺しておきました。これなら母猫や怪我をした猫の腹が満たされます。」
フロンタルウォーリアーの毛皮に血がついているのを見ると、彼が仕留めたようだ。
「よくやったわね。ハードウッドリーフ達にあげるといいわ。」
しかし、なぜヒゲワシが死んでいたのだろう?ただの寿命?それとも、縄張り争い?
遠くに黒っぽいものが動き、影だとわかると、反射的に空を見上げた。
天高く、馬肥ゆる季節。筋雲を横切るように一羽の巨大な猛禽類が旋回していた。
「ダウトフラッシュ。」
近くにいた副長に上を見るように伝え、一族を守る体制になる。雪の降りそうな山で、獲物以外の生物を見たのは初めてだ。あのワシは、私達を狙っているのだろうか?
数匹の手が空いていた戦士が一族の守られる猫を囲い、空の、次第に近づいてきた影を、唸りながら睨む。
「助けて!」
目をやった先には、翼を広げ、大きさが増しているヒゲワシにがっしりと体を掴まれた、脚を引きずってこれまでついてきたバーンアウルウィングがぞっとした目でもがいていた。
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投稿 by Murre Sun Apr 03, 2022 4:37 pm

~7~
「助けて!」
バーンアウルウィングと、掴んだワシは、高くなっていく。
私はダウトフラッシュと跳び上がり、ワシの脚を引っ掻くと、同時に掴んだ。
キーっと高い声を上げ、ワシはぱっとバーンアウルウィングを放した。戦士はクールウィンドに指示され移動されていた死んだヒゲワシの死骸の上に落ちた。
ワシのかぎ爪が空になったのを見計らい、私達も脚を放す。ワシは空中を掴み、諦めた。上空を、もう一羽と共に旋回して私達の隙を狙っている。
「バーンアウルウィング、大丈夫?」
傍にいたクールウィンドの声に、戦士は青白い顔をしながらも頷く。
スィンアイスストレッチが自分に包みを丁寧に解き、黒い粒を湿らせた肉球に貼り付けた。バーンアウルウィングはそれを数回舐めると、とろんとした目になり、ヒゲワシの羽が重ねられた間に合わせの寝床に倒れこんだ。
「ショックを抑えるケシの実です。骨に異常は見られません。」
スィンアイスストレッチは包みに、藁のような紐を巻き付けながらスノウクリスタルの反応を覗いみる。白猫はチャームを揺らして頷いた。
「今日はここで夜を明かしましょう。」
私の声に、ダウトフラッシュは見張りの名を挙げた。呼ばれた猫は頷き、睡眠準備を始めた。
橙色の空に走る筋雲も太陽に影響されて同化している。山の頂上付近に来たので体感温度は低く、雪も前方に見える。
真夜中の見張りをするため、岩の端の方で体を丸めた。
 
「こんばんは。月が細くなっていく夜、私の仲間はあなた方の命を繋いだ。」
聞き慣れない声がし、警戒して薄く目を開けた。目の前には猫より何㎝も大きい一羽のヒゲワシが居た。
普通に会話ができている。
「これは、夢かしら?」
ヒゲワシは頷いた。
「私はブラックフォートエンペラー(黒い要塞の皇帝)だ。スティールアウェイデザードキングダム(奪い去る砂漠の王国)の王だ。」
「私はブレイズソード族長のシャイニングクローソードよ。しかし、何故夢の中で?」
ヒゲワシのブラックフォートエンペラーは分かっていたらしかった。
「あなた方が旅する猫だね?サボテン占いで出た猫はあなた方の事だった。こんな岩場ではなく、是非私どもの要塞を覗いてください。」
知らない単語がいくつか出てきたが、屋根のあるキャンプのようなものがあると分かったので、同意する。
「私はサボテン占いや、王国がどのような物かは知らないけれど、一族が安心して休めるなら、是非。」
「明日の朝、案内鳥をよこす。では。」
そう言い、ヒゲワシは濃紺の空の奥に飛び去った。
とても驚いたけれど、悪くはない夢だった。
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投稿 by Murre Mon Apr 04, 2022 8:12 pm

~8~
私達のもといた森の方向が先に朝が訪れた。白っぽい紺と、淡い紫と、明け方の桃色と、ほんのりとした灰色が入り混じり、美しいハーモニーを視覚に訴えかける。
一族も数匹、もぞもぞと起きだした。
「お母さん!お腹すいた!」
目が開いたばかりのトランスペアレントキットがグレイシャーキットをつつき、輝く青い目で、まどろんでいた母を起こした。母猫は尻尾を子猫の口に当てた。
「静かにね。」
「族長、狩猟部隊を送り出しますか。」
ダウトフラッシュが遠くの森を悲しそうに見つめながら、隣に並んだ。副長に昨日の夢を聞かせる。スィンアイスストレッチも聞いていた。
「そのブラックフォートエンペラーが言っていた、案内鳥とは、あれのことですかね。」
ダウトフラッシュは眩しい朝日から目を離し、進行方向四五度上ほどに旋回している大きな鳥のシルエットを指した。
「そのようね。野生のワシだったら、とっくに私達を襲っているはずよ。」
私達の声が聞こえたかのように全長猫三匹分はありそうなワシが、夕方には影を作っていた大きな岩に着地した。脚のかぎ爪は鋭く、猫の首をかすっただけで致命傷になりそうだ。
「おはよう。あなたがブラックフォートエンペラーの使い?」
「そうです。」
ワシは礼儀正しく一礼し、名乗った。
「カーバニックアスィッドスポッツです。スチールアウェイデザードキングダムで王の使いとして働いています。」
オジロワシは寝ている猫を見、笑った。
「私は猫を食べませんから、安心してください。」
その言葉に、少なくとも看護猫は体の硬直を和らげた。
「一族の腹を満たしたいのだけど、いい狩場はある?」
私の問いかけに、ワシは一瞬雪を見、言った。
「よければ私が捕らえましょう。」
親切なワシは飛び立ち、眼下に目を光らせた。
「ディープグリーンフレーム、昨日の通り狩猟部隊を率いてくれ。」
一族の目はワシと会話した私達に釘付けとなっていた。
「はい。」
彼の弟子のハイエナアイファイヤが代わりに返事をし、指導者をつついた。
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投稿 by Murre Tue Apr 05, 2022 2:52 pm

~9~
砂漠が広がっていた。
今足元を覆っている雪が幻ではと疑ってしまうほど砂漠だ。遠くには逃げ水が見え、所々に生えているサボテン(キャクタスとは、あれだったのか!)がゆらゆらと見えた。まるで、炎を通して向こうの景色を眺めているみたいだ。
「私どもの要塞は、滝の向こうの、ピラミッドにあります。」
カーバニックアスィッドスポッツの言う”ピラミッド”が何なのかよく分からなかったが、遠くにこれまた揺らめく煉瓦造りの建物が見えた。
雪とおさらばして、山を下る。下りは登りより楽だった。足場は反対側より柔らかく、斜面も急ではなかったからだ。
「なにこれー?」
しばらくの間降ろしてもらうことをハードウッドリーフに許可されたルリカラーキットが、丘の斜面にぼんと生えた丸いサボテンのにおいを嗅いだ。
「あっ!」
微笑ましく子猫を眺めていたスノウクリスタルが、大量の砂に足を取られながらも前進した。
「痛いよー!」
ルリカラーキットの小さな鼻と肉球には、いくつかの鋭く白い棘が刺さった。ハードウッドリーフとスノウクリスタルが近寄り、他の看護猫はひやひやと見守る。
スノウクリスタルは包みをほどき、ギシギシの葉をかみ始めた。スィンアイスストレッチはその作業を見て、コールドウォーターフォールファイヤを招き、棘を抜き始めた。どろっとした薬を鼻に塗り付け、子猫は目をつぶった。
「しみるよぉ。」
「戦士は文句を言わないわよ。」
スィンアイスストレッチ背中をさすり、優しく宥める。効き目は抜群で、ルリカラーキットは恨めしそうに薬が肉球に塗られるのを見ていたが、顔を顰めるだけで我慢していた。
オジロワシがサボテンの上に着地した。痛くないのだろうか。
「デザードキングダムでは、占い師が切り落としたサボテンの形や状態などを見て、キャクタスエンパイア(サボテン帝国)お告げを読み取るのです。」
「看護猫と同じね。」
コールドウォーターフォールファイヤの言葉にカーバニックアスィッドスポッツは首をかしげた。
ルリカラーキットの散歩許可は瞬く間に却下され、楽しそうによちよち歩くシャープシディアンキットをじっと見つめていた。咥えているフォワードパースンワールドは笑いを堪えるのに必死だった。
カーバニックアスィッドスポッツはあの後から、私達のペースに合わせ先導しながら王国について話してくれた。
スチールアウェイデザードキングダムは、ワシ類の王国だということ、最高権力者(いわゆる族長)はブラックフォートエンペラーで、その一つ下の身分についているのはサリテュードファイヤワークスというカンムリワシであること、その下は自分のような働く者や、雑用をこなす身分の低いもので構成されていることや、先ほど登場した占い師は別の身分で神聖だということ。
中には共通点もあった。
キャクタスエンパイアという、いわゆるファウンダークラン、先祖の帝国を信仰していること、群れのような形で互いを守りながら(身分の低い者は別だが)生活していること、他にも王国(部族)があること。
フレキメデスフォレストキングダム、シャープクローグレイシャーキングダムという敵王国の名を聞き、意識は数秒、昔の森へ飛んだ。
アイススピアーはキャニオン達とよくやっているのだろうか?
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投稿 by Murre Tue Apr 05, 2022 3:42 pm

地図
黒っぽい鳥のイラストは王国のマーク(ロゴ)
ブレイズソード【炎の剣】 Dsc_0023
スチールアウェイデザードキングダム
【奪い去る砂漠王国】
要塞…崩れたピラミッド
サボテンがあちこちに生えている。ワシ系の部族(王国)
フレキメデスフォレストキングダムとは巨体が調査のために作った並ぶ板(吊橋)で繋がれているが、ここの生物は鳥で飛べたり、体が大きすぎたりして役には立っていない。

フレキメデスフォレストキングダム
【羽撃く森の王国】
草原が広がり、奥には巨木の森がある。タカ系の部族
巨木の森…木の高さが30mもある。サーベルタイガーやダイアウルフが住んでいて、巨大な木のうろから要塞に入る。
要塞…うろから入り、地下にある。宮殿と呼ばれていて、かつて巨体が調査のためにねぐらを作っていた石造りの地下室。
活火山…ブロウブレイズドラゴン【火を吹く龍】
常に煙が出ていて、活発に活動中。鐘状火山で噴石は固く、白っぽい。隣の休火山はデザードキングダムと共有しているが、使い道がないので単独鳥が住処にしている。

シャープクローグレイシャーキングダム
【鋭い爪の氷河王国】
氷河で出来ていて、氷山が要塞。ハヤブサ系の部族。氷河の横からは滝が出ていて、地球温暖化の影響をもろに受けている。フレキメデスフォレストキングダムとは陸路で繋がれている。


境界線は深い峡谷。そこには川が流れている。
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投稿 by Murre Thu Apr 07, 2022 3:52 pm

~10~
「シャイニングクローソード」
ダウトフラッシュの心配そうな顔が、目に前にあった。彼の少し上にはホバリングしようと努めているカーバニックアスィッドスポッツが黒い目でこちらを見ていた。
「ダウトフラッシュ。何かあった?」
森からの意識が砂漠へ戻ってきた。不意に鼻づらに水しぶきが当たった。
飛んできた方向を見ると、どうして今まで気づかなかったのだろう、というくらい大きな滝が氷河から重力に従い、下へ下へと流れていた。今気づいたが耳がおかしくなりそうなほどの音が、ここではしていた。
「水を飲ませてやりましょうよ。」
私が滝の存在を知ったことに安堵した副長が、「喉渇いた」と泣く子猫を指した。尻尾の先には、あのルリカラーキットが母に懇願していた。
「飲ませたいのだけど…。」
私は水しぶきがからないよう、滝から少し離れて砂漠の端へ向かう。」
「届きそうにないわ。」
下を見ると、深い深い渓谷だった。滝の水と、並ぶ板側から流れてくる川は私達の視線の先で合流し、奥へと流れている。
ばきばきと音がして、振り返ると、オジロワシがサボテンをもぎ取っていた。もぎ取られた筒状のサボテンは鋭いかぎ爪によって中身がくり抜かれた。すかさず、シャープシディアンキットが中身に近寄り、ルリカラーキットがフットフーテップオブライフアンドデスの口の先から、じとっと自由な弟を見つめた。
「すっぱい!」
口をすぼめたシャープシディアンキットを見て、カーバニックアスィッドスポッツはそっと笑った。そのオジロワシは飛び立ち、くり抜かれたサボテンの中に水を入れた。勢いが激しく器がすっ飛ばされてしまうので、滝の脇で待っていた。
一番に飛びついたのは、シャープシディアンキットで、あれは猫の食べ物ではない、と言うように、サボテンの中身をちょっと蹴った。
水分補給をしていたら、砂漠に数羽の影が現れた。空を見ると、三羽のワシが私達の周りに降り立った。
「カーバニックアスィッドスポッツ、遅い。」
太い声で、サボテンを地に置いたオジロワシを????りつけた。
「シャイニングクローソード!」
ダウトフラッシュが叫び、ハクトウワシにがっしりと掴まれたクールウィンドをなすすべもなく見つめた。
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投稿 by Murre Sun Apr 10, 2022 2:44 pm

~11~
サンフラワールート【向日葵の根】は酷い震えと吐き気で目を覚ました。関節が痛み、体がだるい。子供達を見ると、健康そうに寝息を立てていた。
そっと寝床から起き上がり、眠っていた母猫のヘイズレインファー【霞雨の毛】にそっと声をかけた。
「看護部屋に行ってきます。」
灰色の雌猫は耳をぴくりと動かし、尻尾をひょいと曲げた。挙げられた尻尾があった場所には、彼女とライフブロークンピーススピアーの子であるラスターキット【光沢子猫】とハィアスィンスキット【ヒヤシンス子猫】、イクストゥリームパターンキット【極端な柄子猫】のふわふわな毛が規則正しく上下していた。
イバラとハシバミの低木で作られている保育部屋を出ると、朝霧が濃く残っていて、更に体が冷えた。
空き地を横切り、ディスルージャンメントー今はファントムクランを名乗っているーの誰とも会わなかったことに、グレイシャークランに感謝する。図々しいリーダー格のキャニオンは族長と部屋を共有しているし、威張っているスコーピオン【サソリ】はデザードキャクタスが寡黙なのを逆手に指示を訂正するようになった。本物の副長の青い目は、いつも怒りに燃えているが、さっと頷き、爪を出したりしない。スコーピオンは毎度舌打ちしている。
ファントムクランは早くアイススピアーに馴染みたいようで、弟子を欲しがっている。三番目に強そうなグラァバル【砂利】は私の子のアークキット【弧の子猫】とシュリンクテイルキット【縮む尻尾子猫】を見ては遊んでやり、弟子にくれとアピールしている。私は絶対頼まないけれど。
湿り、露の着いた苔のカーテンをくぐると、薬草とイヌハッカ、ハチミツ、ベリーなどの香りがし、吐き気は収まった。
「サンフラワールート。ルリチシャかしら。」
ウォームニュースプラウトはもう起きていて、熟練の看護猫の手裁きで診察した。
「ホワイトコフでは、なさそうね。熱が出ているから、ルリチシャをあげるわ。今日は看護部屋で休んで。」
新しい看護猫はルリチシャを咥えると、奥の寝床に案内してくれた。
「ヘイズレインファーに、アークキット達の面倒を見てくれるように頼むわね。よかったら、これも。」
ウォームニュースプラウトはケシの実を二粒転がし、咥えていた残りのルリチシャを持って看護部屋を出た。
関節の痛みも治まるかしら、とルリチシャを食べた後にケシの実を舐めた。目がとろんとしたのが分かった。
朦朧とする意識の中、もう聞き飽きた声が聞こえた気がした。
「ウォームニュースプラウト、キャニオンだ。」
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投稿 by Murre Mon Apr 11, 2022 6:38 pm

サンフラワールート、アークキット、シュリンクテイルキット
ブレイズソード【炎の剣】 16495910
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投稿 by Murre Thu Apr 14, 2022 4:33 pm

ライフブロークンピーススピアー
アナログ&デジタル
ブレイズソード【炎の剣】 16499210

母のコメント
「何かロボットみたいだね」
…笑
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投稿 by Murre Tue Apr 19, 2022 5:18 pm

ルリカラーキットの、「しみるよぉ」
妹のお気に入り場面のひとつ。
このイラストは、無事妹の物になりました。
ブレイズソード【炎の剣】 Dsc_0025
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投稿 by Murre Wed Apr 20, 2022 3:06 pm

シャープシディアンキットが、サボテンの中身に興味を持つシーン
ブレイズソード【炎の剣】 Dsc_0028
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投稿 by Murre Sat Apr 23, 2022 8:51 pm

~12~
目が覚めると、薬草と甘いイヌハッカの香りしかしなかった。
「体調はよくなった?」
ウォームニュースプラウトが私に気付く。心なしか、彼女の目に涙が残っているように見えた。
「熱は下がったわね」
「今、時間帯は?」
看護部屋の奥は、苔のカーテンと直角に曲がった通路のせいで、光はあまり差し込まず、色もわかりづらい。
「夕方よ」
「ウォームニュースプラウト!」
テアパターン【裂ける柄】の声がし、看護猫はそちらに行った。彼は私の連れ合いだ。ウォームニュースプラウトが面会を制限していたのだろう。
「はい」
彼は新鮮な、温かいリスを持ってきてくれた。
「これ食べたら、また寝るといいわ。」
私は看護猫の言葉に頷き、リスの背中にかぶりついた。
 
高い叫び声で、目が覚めた。こんな夜中に何があったのだろう。
寝床から起き上がり、岩壁から看護部屋の広間を見る。ウォームニュースプラウトは居ない。
急にぞくぞくとした不安に襲われ、その原因が分かった。
血のにおいが鼻を刺激した。
昨日よりは軽くなった体で、恐る恐る苔のカーテンに近づく。子供たちは無事だろうか。
デザードキャクタスの長い叫び声が耳をつんざいた。顔を出さずに、カーテンの隙間からキャンプの空き地の状況を覗う。
血と埃に塗れた、爪を出した猫達の姿があった。
はっと体をこわばらせ、身を低くする。見つかったら殺されそうだ。
しんと横たわったデザードキャクタスを、キャニオンが踏みつけた。副長はぴくりともしない。
「キャニン!」                                                                                
心の底まで震えるような荒々しい声を出し、ライフブロークンピーススピアーはキャニオンに飛び掛った。キャニオンは大きな体をしながらも族長の攻撃を器用に躱し、すれ違いざまに横腹を浅く長く切り裂いた。
血の溢れ出した体から目を背けた。その先には、スコーピオンの鋭い牙が首に命中したテアパターンが居た。
「テアパターン!」
脚が震えて動けなかった。彼は一瞬こちらを見たかと思うと、キャニオンより僅かに大きい虎猫の下敷きになった。こちらを向いた顔に二つ付いている目の輝きは、次第に暗くなり、青い目は完全に暗くなった。
「テアパターン!」
私の悲鳴は看護部屋の岩壁の至る所に当たり、苔のカーテンを振り切った。
口から血を滴らせ、笑うスコーピオンが私を見つけた。


最終編集者 マァーラーフェザー [ Sun Sep 25, 2022 7:21 pm ], 編集回数 1 回
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