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鳥籠に囚われて   

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投稿 by フェグワンヴィレッジ Fri Aug 28, 2015 9:16 pm

「ほう。俺も有名になったもんだな。だがお前のことを俺は知っているぞ。」

ローンは体制を崩さない。

「光陰の力・壊をもつ猫。ローン。」

「だったら何だ?俺に炎虎が何の用だ?」

エールは目を光らせる。

「戦意はない。鉤爪をしまえ。」

エールの目に偽りなどない。

「用件を言え炎虎。」

ローンはまだ警戒する。

「用件か・・・。用件と言うべきかも分からねぇ。ただ力を貸してほしいだけだ。」

「何に対してだ?」

ローンは尻尾を立てる。

「ある猫を助けてほしい。」

「はぁ?俺はそんなこと受けねぇよ。」

「その猫が光陰両力だとしてもか?」

光陰両力・・・。

「そいつはどこにいる?手に入れれば俺は何だってできるようになる。」

「やはりお前に頼るんじゃなかったよ。弟だからいいと思ったのにな。」

「ハッ、兄弟の縁は切ったはず。今更お前を兄貴だと思う気はねぇ。」

「そうか・・・もういい。俺は行く。」

エールが立ち上がったそのとき

<地殻破壊>

エールの足場が崩れていく。

「な!やめろ!!おい!!」

<フレイムストーム(炎の嵐)>

エールも反撃する。

「なあ兄貴。お前のせいで俺がこうなったことは知ってるよな?お前が光の力をもったことで俺は・・・陰の俺は嫌われ者だった。」

「俺が悪いんじゃない!!」

そうか兄貴・・・だがお前は俺の全てを奪ったんだ。俺から何もかも奪っていく・・・次は兄貴の番なんだよ。


最終編集者 フェグワンヴィレッジ [ Sun Oct 04, 2015 2:50 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Sun Aug 30, 2015 8:42 am

だが弟だということを意識してエールは本気を出せない。

「どうした?炎龍と呼ばれるお前がこの程度の技しか出せないのか?」

「お前は弟なんだ・・・。手を出したくねぇんだ!」

エールも攻撃はするが弱い。

「俺はもうお前の弟なんかじゃない!俺はお前を恨んでいる!憎んでいる!お前は兄貴ではない!!」

「血はずっと繋がるんだお前が弟という事実に変わりはない。」

分かったよ・・・。

もう限界だ。

兄貴今度はお前が苦しむんだ。

<時間破壊>

エールに触れる。

エールは訳も分からない感覚に囚われ倒れこむ。

「・・・な・に・を・した・・・!?」

「お前の時間を壊した。死にはしないが意思がなくなる。まあ眠りにつくようなもんだ。」

この壊れた時を戻す事ができるのは光の力・生をもつ者だけだ。

「永遠にそこで眠っていろ。」

<破壊壁>

お前に死は与えない。

一生をこのまま過ごし苦しむといい。






ハートside


うぅ!どうして!!こんなに胸が痛むんだろう・・・。

あぁ・・・消えていく・・・

エール・・・何かあったんじゃ・・・

逝かないで・・・

ハートの目には喪失の色が僅かに浮かんでいた。
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投稿 by ティアーミスト Sun Aug 30, 2015 4:22 pm

 読めていなかった部分を一気読みさせていただきましたが、思わぬ展開にはらはらドキドキですw

 そしてエールに危機が!永遠の眠り…ろまんてぃっくな展開に…?(蹴
 続きが楽しみです^^
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Sun Aug 30, 2015 5:27 pm

ティアーミストsありがとうございます!

エールとヘイズィハートの錯誤する運命、そしてローンの抱えた闇と記憶はこれから明らかになっていきます!

お互いがんばりましょう!ww
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Tue Sep 01, 2015 8:41 pm

ハートは眠っていた。

とても嫌な夢を見た気がする。

でも思い出せない。

「起きてハート。」

スワロウフォールンとラブサイカロジーだった。

「はい。起きてます。」

「またあの場所へ来てくれる?」

ラブサイカロジーが尻尾で出口を示した。

「分かりました。」

ハートは2匹について行く。

そこには前の猫たちに加えイリュージョンリザルトもいた。

「エディハート、来たわよ。」

エディハートは目を輝かせる。

「エディハート・・・。」

いよいよだ。

あの目の輝きから答えを知っているのは明らかだ。

「ね、言ってもいい?」

エディハートはそわそわしている。

「早く言ってあげて。」

ジュエリーシャインが急かす。

「あのねハートの本名は・・・ヘイズィハートって言うの!!」

ついに知る。

自分の名前を。

「霞んだ心・・・。いいじゃない、素敵!!」

コンステレイションが声を張り上げる。

「・・・泣いてるの?ハー・・じゃなかったヘイズィハート。」

「うれしくて・・・エディハートありがとうございます。」

ヘイズィハートは泣いていた。

他の猫たちは優しくヘイズィハートを見守る。

やっと自分の名を知ることができた。
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Wed Sep 02, 2015 2:29 pm

名前を知ったヘイズィハート。

彼女は名前を知ったときから心が強くなった。

そしてある事を心に決めた。

私は待っているだけじゃいけない!

私がエールに逢いに行こう!

この鳥籠から抜け出して彼に逢いに行く。

簡単なことではないけれどエールは私と約束してくれた。

だから私は行く。

旅に出て彼を捜そう。

きっと出来る。

ヘイズィハートは決心した。

待っているだけじゃ強くなれない!自分から行動に移そう。
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Fri Sep 04, 2015 6:26 pm

第4話

炎を探して

ねぇ、ヘイズィハート強くなったよ。

知ってる知ってる。

あーあ。つまんない。

ほんとだよ。

弱いから面白かったのに。

だったらさ、変えてみる?あいつの運命。

できるの?

簡単簡単。

へ~。

任せてよ。

うん、頼んだ。

あいつに面白いもん見せてやろっと。

何々?

これさ。

あ~。なるほど。

やってみるか。

やろう。

悪魔たちは囁く。セイレーンは唄う。
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Tue Sep 08, 2015 1:36 pm

ヘイズィハートは出て行くことを心に決めた。

今までは行き場所も目的もなかったからここでコールドサンに働かされていた。

でも今は違う。

目的はあるし、行き場所だってある。

エールを捜しに行く。

エールは待ってろって言ったけど私は待ってばかりじゃない!

自分から一歩を踏み出せる。

だが、戦いを知らないヘイズィハートは生き残ることは難しい。

それでも意思の方が強い。

「・・・もう、誰の言いなりにもならない!」

コールドサンが奪ったのは自由だった。

そして与えたものは狭い鳥籠だった・・・。

その鳥籠を開けてくれたのはエールだった。

「コールドサン、私はまた戻るわ。あなたとけりをつけるために。」

そう呟くとヘイズィハートはキャンプを後にした。

真夜中の12時。

ヘイズィハートは一生一度のラインを越えた。

彼女はもう前とは違った。

弱々しく指示に従うことしかできなかった彼女とは・・・

辛いかもしれない。

苦しいかもしれない。

それでも構わない。

私は炎を捜しに旅にでる!
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Fri Sep 11, 2015 5:09 pm

「出てきたのはいいけどどこに行けばいいか・・・。」

ヘイズィハートは最初から迷っている。

でもとにかく進まなければ・・・。

コールドサンはすぐにヘイズィハートを追うだろう。

そうすればもう二度と外へは出れなくなる。

「そっか、情報を集めればいいんだ!」

ヘイズィハートは再び歩き出す。

ミスト族からできる限り離れよう。

見つかる前に遠くへ行かなければ。

ヘイズィハートは我武者羅に歩く。

どんなに疲れても足を止めてはいけない。

止まれば即鳥籠に戻される。

エールを見つけて一緒に旅するんだ!

その気持ちがヘイズィハートの足を動かす。

夜中をぶっ通し歩き続けヘイズィハートはある草原に着いた。

ヘイズィハートは疲れ果て倒れるように眠ってしまった。

薄暗い中消えそうな星はいつまでもヘイズィハートを見守っていた。
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Wed Sep 23, 2015 2:53 pm

「んぁ~あ・・・。」

いつもと違う場所。

いつもと違う風景。

そっか・・・私出てきたんだった。

「狩りは・・・できるかな?」

前に教えてもらったけど捕まえられたのは小さいネズミだけだったし・・・。

「でもやるしかないよね。」

生きるためにはやるしかない。

すると近くにモリネズミが餌を食べているのが見えた。

ヘイズィハートは教わったようにやってみる。

だが、逃げられてしまった。

その後も何度も挑戦するものの捕まえたのは小さなトガリネズミ一匹だった。

「何も無いよりマシか。」

そう言ってゆっくりと食べだす。

「これからどうしよう・・・。」

エールを探すには情報を集めるしかない。

自分で決めた。

やってやる!

自由になってやる!!

もう誰にも従わない。

私は強くなるわ!!

「でも・・・どうしよう・・・。」

行く当てもないのに何もできない私はどうやって生きていく?

「ま、なんとかなるよね。」

そう言って旅をしていくヘイズィハート。

まさかこの後あんな出会いが待っているなんて思いもしなかった・・・。
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Sun Oct 04, 2015 12:05 am

ヘイズィハートは途方に暮れていた。

「あぁ、どうしよう・・・。」

なんにもできないよ・・・。

「エール・・・助けて・・・。」

ガサガサガサ・・・

「え!何!!?」

茂みに何かいる。

ビュッ!

出てきたのは3匹のキツネだった。

明らかにヘイズィハートを狙っている。

「あ・・・・・」

ヘイズィハートは固まってしまう。

「た・すけ・・・て・・・」

恐怖で声も出ない。

キツネがじりじりと迫ってきた。

そしてヘイズィハート目がけて飛び上がった。

ヘイズィハートはギュっと目を瞑った。

「生命破壊!」

ギュイーンという音が聞こえたかと思うとドサっとキツネが落ちたのが分かった。

ヘイズィハートは恐る恐る目を開ける。

そこには1匹の猫がいた。

銀色でエールのような琥珀色の目をした猫。

「てめぇ戦い方を知らねぇのか!?」

「知りません。」

「死にてぇのか!?」

「生きる目的があります。」

何いきなり!

エールとは全然違うじゃない!

「ありがとうございました。」

「ふんっ。放っておいても良かったんだが・・・。」

そういえばさっき・・・。

「あなたは光陰の力をもつ猫ですか?」

「あぁ。」

「あの!エールという猫を知りませんか!」

その猫の耳がピクッと動いた。

「まず名乗れ。」

「あ、私はヘイズィハートです。」

「俺はローン。ウェーストトラベラーズのリーダーだ。」

「エール知りませんか?」

あぁ、知ってるさ。

あいつなら眠っているよ。

炎の力も大したことねぇな。

「知らね。」

「そうですか・・・。」

「俺はもう行く。」

ローンは立ち去ろうとしたそのとき。

「あの!私も一緒に連れてってくれませんか!!?」

ヘイズィハートの言葉だ。

「断る。弱い奴は必要ない。」

「・・・でも!」

「でもじゃねぇ。自分の身を守れねぇような奴は足手纏いになるだけだ。」

その言葉がヘイズィハートに突き刺さった。

だめって言うなら・・・

「私!光陰両用の猫なんです!!」

ローンの足が止まった。

「ほう。」

「まだ完璧に使いこなせないけど・・・。」

「・・・それならいいだろう。」

ローンはあっさりと求めていたものを手に入れた。

エールを眠らせた甲斐があった。

「連れてってやるよ。」

ヘイズィハートはまだ知らない。ローンの本当の姿を・・・
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Fri Oct 16, 2015 11:44 pm

ねぇ。

エール。

どこにいるの?

教えてよ。

逢いたいわ。




ヘイズィハートはローンの仲間と合流した。

「俺はアルジャンだ。ま、副リーダーみたいなもんさ!」

自己紹介中だ。

「・・・俺はダスク。」

ダスクは無愛想に言った。

「サーガっていうんだ。よろしくな!」

明るい笑顔でサーガが言う。

「僕はスパイラル。よろしく。」

ふと思った。

さっきからローンがおかしなことをしている。

ウサギに話しているのだ。

獲物なのに・・・。

不思議そうにその光景を見つめるヘィズィハートにアルジャンが言った。

「不思議だろ?」

「あれってウサギですよね。」

ウサギと話してるなんて・・・。

「あの兎は特別なんだ。猫の言葉を話せるんだぜ!」

確かにローンと話してるけど・・・。

「ルナーってんだ。あいつの直感はすごいんだぜ!」

サーガがやってきて付け加えた。

「獲物・・・。」

「食べるなよ!!?」

食べないよ。

猫の言葉を話す兎なんて気味が悪いもの。

「話してみてもいいですか?」

「あー・・・。」

アルジャンが苦い顔をした。

「あいつなぁ・・・結構性格キツイから気をつけた方がいいぜ?」

サーガも同じように苦笑いする。



でも話さなきゃいけなくなった。

「おい!お前。ちょっと来い!」

ローンが呼んでいるのだ。

しかたなく向かうとやはり2匹の忠告どおりだと分かった。

「この猫?弱々しいだけで危険なこと起こせるわけないでしょ!弱っちいわ!!」

ぶしつけにずかずか言ってくる兎に腹が立った。

失礼よ!!

ルナーはこっちを見下ろすようにしている。

「・・・ムカつくわ。」

「もういい。戻ってろ。」

ローンは庇ってくれる様子もない。

この新たな出会いがヘイズィハートの運命を変えていくのだった・・・。
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Sat Oct 17, 2015 4:16 pm

ハート……

エールは深い夢の中にいた。

そしてハートの夢を見ていた。

ハート・・・ヘイズィハートが闇に呑まれて行ってしまう。

助けたい。

でもいくら走っても追いつけない。

そればかりかどんどん闇が覆って行ってしまう。





ある森で深い寝息を立てている灰色の猫。

周りには壁がある。

今一匹のネズミが近寄った・・・

ネズミは壁に触れた途端に失神した。

エールは眠っている。

誰にも気づかれずに・・・。





ほらほら。

早く見せよーよ。

どんな顔するかな?

想像つかないよ。

でもさ。

何?

助けちゃうんじゃない?

ないって!

でも生と死を操れるんだよ?

だから?

あの壁を越えちゃうかも・・・。

えぇ!

何とか邪魔できない?

ローンに任せとけばいい。

そっか。

駄目ならセイレーンを送ればいいよ。

その手があったか。

じゃあさ、まだ見てよ?

だね。

エールクンには絶望を味わってもらうよ?

さぁ、この夢を見続けるといい。

ヘイズィハートがどうしてくれるだろう?

助けるか助けないかは彼女次第。

精々頑張んな。

悪魔たちは秘密の会話を交わした。
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Sun Oct 25, 2015 12:57 pm

「ねぇ、次の目的地は?」

ヘイズィハートはローンに尋ねた。

「とにかく進む。それだけだ。」

だがローンはあることを考えていた。

それは・・・

「お前に見せたいものがある。」

「私?」

お前は驚くだろうな。

捜してる炎虎があんなことになっているなんて・・・。

お前の反応が楽しみだ。

「えぇ!!またあそこに戻るんで!!?」

アルジャンが驚いたように言った。

「何か問題でも?」

「ない・・・ですけど。」

「なら決定に従え。」

ローンが切り捨てた。

「どこに行くのかな?」

ヘイズィハートただ思った。

エールを捜すにはこうやってみんなといる方が確実だ。

また会えるかな。

待っていればよかったなんて後悔したくない。

それに今、コールドサンはどうしてるだろう?

私を血眼になって捜しているのかな?

「おい。」

「あっ!」

「行くって言ってるぞ・・・」

ダスクが教えてくれた。

「うん!」










ヘイズィハートに待ち受けるのは絶望だというのに・・・。

ねぇ、

もしもあのとき、

私が一緒に行くって言っていれば、

何か変わってた?

そんなの、

誰に分かる?

君に無理してでも

ついて行けたなら、

君はあんな目に遭うことはなかったのにね。

私のせいよ・・・。

エール。

貴方を助けたい。

貴方には生きてほしかった。





ヘイズィハートの運命は錯誤していく
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Sat Oct 31, 2015 11:25 pm

「遅れるな。」

のろのろとついていくヘイズィハートに冷ややかに言うローン。

「しかたないわよ、だって戦いも知らない子猫以下の猫なんだから。」

ルナーが馬鹿にしたように言う。

「・・・ごめんなさい。」

ヘイズィハートはもちろんこんなに長い距離を歩いたことはない。

それは息も上がるはずだ。

全くもって素人なのだ。

「リーダーいいんじゃないっすか?」

アルジャンが庇ってくれる。

「こいつのせいでペースが落ちた。」

ローンは険しい顔で罵る。

「まぁまぁ、落ち着いてください。」

サーガが割って入る。

ヘイズィハートは申し訳なさそうに頭を下げる。

スパイラルと目が合った。

スパイラルは大丈夫というような視線を送ってくれた。

ヘイズィハートは少し安堵の表情になった。














私の居場所って・・・














どこだろう。














ここじゃない。














コールドサンのところでもない。














じゃあどこだろう。














エール・・・。














そっか、彼が私の居場所なんだ。






















今、どこで何してる?
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Sun Nov 08, 2015 12:20 am

「大丈夫か・・・。」

ダスクがしきりに気にかけてくれる。

「えぇ、ありがと!」

ヘイズィハートはペースを保つ。

なんだろう。

胸騒ぎがする・・・。

気のせいよね。

(エールと無理してでも行けばよかった。)

こんなに辛いなんて。

ローンがその姿をジッと見ていた。

「ローン!?」

ルナーが話しかける。

「あ?何でもねぇよ。」

ローンは足を止めた。

辺りはすっかり日が暮れて真っ暗だ。

「ここで今日は終わりだ。食事は各自で済ませろ。」

ローンが命令を下した。

「狩り・・・。」

どうしよう。

「狩り苦手か?」

ダスクが聞いてきた。

「・・・うん。」

「教えてやろうか?」

「ううん、大丈夫よ。」

「いや、これから困るだろ。別に迷惑じゃない・・・。」

フイッと顔を背けて言う。

「いいの?」

「あぁ・・・。」

ダスクとヘイズィハートは狩りを始めた。

















ドクン・・・

何か嫌な予感がする・・・
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Sat Dec 12, 2015 5:51 pm

第5章

大切なものは記憶だけじゃない



今向かっている森。

行きたくない。

行ったら何かいやなことが起きそう・・・。

気のせいじゃない。

勘だけど、強く感じるの。

「あの・・・どこに向かってるの?」

「黙ってろ。」

「ッ・・・。」

怖い・・・。

何で・・・。

胸が痛い。

引き裂かれてるみたいに痛い。

























数時間後・・・。

「着いたぞ。」

そこでヘイズィハートが目にしたものは・・・

「エール・・・」
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投稿 by フェグワンヴィレッジ Fri Jan 01, 2016 10:47 am

死んだように眠るエール。

ただ呆然と見ているしかできない。

そして嫌な寒気が差す。

ローンが後ろで笑っていた。

「お前が会いたいと言っていたエールだ。」

「・・・あ・・・・・」

周りの薄い紫色の膜はなんだろう。

「おっと、近づけねェぜ?そいつに触れれば細胞が死んでいくからな。」

恐ろしい。

何故こんなにも私は無力なんだろう。

虚しい。

儚い。

あぁ、どうして?

その中から沸き起こる怒り。

ローンと無力な自分に対して。

そのときだった。

ヘイズィハートから金色の炎が上がった。

命の・・・生きるための炎。

ヘイズィハートは膜を破って突き進んだ。

大切なエールを助けるため。

ローンが顔を歪めた。

私が助ける番よ
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