WARRIORS BBS
Would you like to react to this message? Create an account in a few clicks or log in to continue.

恋の空を羽ばたく二羽の鳥

2 posters

Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Sat Aug 29, 2020 3:16 pm

どうも、シャイニングナイトです!
このお話は「鷹とカラスは恋をする」の
リメイク+続編です!
1番最初に上げた小説なので、そろそろ
リメイクしてもいいかなーと思いました。

ではでは、よろしくお願いします!
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

サンウィング likes this post

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Sat Aug 29, 2020 4:30 pm

主な登場猫紹介

リヴァー族

族長 レパードスター(ヒョウの星)♀
珍しい斑点模様がある黄金色の雌猫。目は琥珀色。クロウポーの指導者。

副長 ミスティフット(かすみの足)♀
青みがかった灰色の雌猫。目は青色。後のホークポーと敵対する。フリーズポーの指導者。

戦士 ファイヤストーム(火の嵐)♂
オレンジ色の体に赤色の縞柄の雄猫。えらそうな新米戦士。フリーズポーと不仲。クロウポーのことが好き。好きな子には優しい。ちょっと馬鹿。

戦士 ミッドナイトムーン(真夜中の月)♀
足の先、耳の先、しっぽの先が黄金色の雌の黒猫。目は綺麗な琥珀色。かなり毛が長く、美しい。長い毛は本猫的には邪魔。ファイヤストームの同期。ふわふわ天然系。かなり鈍感。色々無自覚。怒ると怖い。

見習い クロウポー(カラスの足)♀
主人公。黒く美しい雌猫。目は空色。面倒なことが嫌い。戦いよりは狩りの方が得意。一族にはすごく忠実。

見習い フリーズポー(凍った足)♂
灰色の雄猫。目は氷のような青。クロウポーの兄。シスコン。ホークフロストを警戒してる。ミスティフットが1番正しいと思っている。

見習い ホークポー(鷹の足)♂
焦げ茶色の虎柄の雄猫。目は薄藍色。族長の座を夢見ている。タイガースターとサーシャの息子。タイガースターの野心を受け継いでいる。

子猫 エッジキット(刃の子猫)♂
銀色の縞柄の毛皮に琥珀色の瞳を持つ雄猫。可愛げはないが賢い。顔はハンサムでスラリとしていてスタイルがいい。野心があるが、良心はまだある。目がタイガースターそっくりのせいでみんなからは嫌われている。馬鹿にして名前を呼ぶ。

サンダー族

族長 ファイヤスター(火の星)♂
オレンジ色の雄猫。目は緑色。元飼い猫。

副長 グレーストライプ(灰色の縞)♂
濃い灰色1色の雄猫。目は黄色。ファイヤスターの親友。

戦士 クラウドテイル(雲の尻尾)♂
真っ白な雄猫。目は青色。ファイヤスターの甥。

子猫 チャーミングキット(魅力的な子猫)♀
美しい三毛柄の雌猫。目はエメラルド色。可愛らしい顔に可憐な姿、宝石のような瞳、そして誰もを魅了する声の持ち主。だが、性格がかなりキツい。そして恋愛専門外。


最終編集者 シャイニングナイト [ Sun Aug 30, 2020 10:00 am ], 編集回数 2 回
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

サンウィング likes this post

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by ミッキーポー Sat Aug 29, 2020 5:09 pm

読むのが楽しみです!!頑張ってください

ミッキーポー
子猫
子猫

投稿数 : 8
Join date : 2020/07/12

シャイニングナイト likes this post

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Sat Aug 29, 2020 6:31 pm

ミッキーポーさん、
コメントありがとうございます!
毎日更新目指して頑張ります!
よろしくお願いします!!!m(_ _)m
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Sun Aug 30, 2020 9:27 am

プロローグ

「ホークフロスト.......」
輝いている透明の黒猫はつぶやいた。ホークフロストとは、この猫が愛した猫であり、極悪猫タイガースターの息子だ。ホークフロストは暗黒の森いるので今は離れ離れで暮らしている。ちなみに身内である兄はまだ死んでおらず、活躍中だ。
「こんにちは」
澄んだ美しい声が聞こえた。
「えっ?こんにちは.......。あの、誰でしょう?」
私は戸惑いながら答え、たずねた。
「私は、ハーフムーン。大昔、この湖の土地に住んでいたの。その後、あなた達のように旅をして、山に住み着いたの」
真っ白な雌猫は丁寧に教えてくれた。
「ええと、あなたはスター族なの?」
私は首をかしげた。
「いいえ。私は〈エンドレス・ハンティング一門〉の猫よ。あなたにしてあげたいことがあって来たの」
ハーフムーンは早く本題に入りたそうだ。
「あなたは早死してしまった。愛した者との幸せな暮らしも全うする前に死んでしまった。私には愛する者と暮らせない気持ちがよく分かるの。だから、あなたを生まれ変わらせてあげる」
ハーフムーンは真剣な緑の眼差しを私に向けた。
「じ、じゃあ、ホークフロストと人生を歩み直せるの?!」
私は思わず身を乗り出した。
「ホークフロストが生まれ変わりたいと言うかは分からないけど、少なくとも早死したあなたに新しい幸せな人生を与える事は出来る。ホークフロストが来なくても、新しい雄猫を見つければいい」
ハーフムーンは優しく言った。だが、私は心の中で少しだけ反論した。私はホークフロスト以外は愛せそうにないわ。
「あなたの記憶は消えるし、部族猫じゃない。〈ラッシング・ウォーター一門〉として暮らす事になる。それでもいい?」
ハーフムーンは確認した。
「ええ、構わない。お願いするわ」
私はぎゅっと目を閉じた。記憶が少しずつ薄れていき、自分は意識のない魂となり、小さな黒い毛の塊に吸い込まれた。

ホークフロストは暗い森の中を一人で歩いていた。すると、目の前にスター族らしき猫が現れた。
「おい!暗黒の森で何してやがる?境界線を越えるな!」
ホークフロストは背中を弓なりに曲げて唸った。
「落ち着いて!話があるだけよ。聞くだけ聞いてちょうだい。絶対あなたの得になる話よ!」
白猫は恐怖で目を見開きながら訴えた。
「じゃあ、さっさと言え」
ホークフロストは唸り声で言った。
「あなたを生まれ変わらせてあげる。愛する黒猫と共に新しい人生を歩み直せる。どうする?」
白猫は挑戦的な口調でたずねた。ホークフロストは愛する黒猫と暮らしたくてたまらなかった。
「分かった。やれ」
ホークフロストはクイッと顎を動かした。
「記憶は消えるし、部族猫じゃない。〈ラッシング・ウォーター一門〉として暮らす事になる。それでもいい?」
ハーフムーンはスラスラと言った。同じ質問をアイツにもしたに違いない。
「もうどうなったっていい」
ホークフロストは目を閉じた。記憶がだんだん薄れていき、自分の魂は焦げ茶色の子猫へと吸い込まれた。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Sun Aug 30, 2020 9:58 am

第1章

私はあくびをした。あーあ、つまんない。早く見習いになりたいなあ。私はチラッと兄であるフリーズキットの方を見た。今、母親はいない。ちなみに私の父親は病気で亡くなってしまった。
「お兄ちゃん、今、暇よね?」
私はウキウキしながら耳打ちした。
「うん。暇だよ、クロウキット」
兄のフリーズキットはミスティフットを見ている。兄はミスティフットこそが最高の戦士だと信じて疑わないのだ。
「内緒で縄張り探検に行かない?」
クロウキットは興奮で毛が逆立ちながら言った。
「えっ?見習いにして貰えなくなっちゃう!」
フリーズキットは慌てて反論した。
「お兄ちゃんの意気地無し!いいよ、私だけで行くから!」
クロウキットは走り出した。すると、足音が着いてくる。
「行く、行くよ」
フリーズキットは諦めた声を出した。私はこっそりと用足し場のトンネルを通った。
「うえっ!ここを通らなくてもいいじゃないか」
フリーズキットは文句を言った。
「ここ以外を通ったら怪しまれるし、バレるでしょ」
クロウキットは言い返した。
「でも臭いよ」
フリーズキットはボソッと言った。
「お兄ちゃんも用は足すんでしょ?」
クロウキットは生意気に言った。でも確かに臭い。だが、そこで諦めたら終わりだ。
「分かってるよ。さ、早く行こう。誰かが来たらおしまいさ」
フリーズキットはため息をついた。クロウキットとフリーズキットは急いで森へ出た。
「んー!森のいい匂い!」
クロウキットは新鮮な森の空気を思い切り吸い込んだ。
「なあ、早く行こうよ」
フリーズキットはソワソワ前足を動かしている。兄の興奮するにおいがした。なんだ、やっぱりお兄ちゃんだって楽しんでるんじゃない。
「こっちに行きたい!」
クロウキットは走り出した。
「あ、待てよ!」
フリーズキットが私を追い越した。
「抜かしたわね!」
クロウキットはふざけて唸るふりをしてフリーズキットに飛びかかった。二匹はじゃれ合いながら転がった。すると、目の前に赤茶色の動物がいた。嫌なにおいがする。
「お兄ちゃん.......」
クロウキットは兄に体を押し付けた。その動物は唸ってヨダレを垂らしながら向かってくる。その時だ。
「危ない!!!」
お母さんの甲高い声が聞こえ、お母さんが赤茶色の動物に飛びかかった。激しい戦いで、血や毛が辺りに散乱した。私たち兄妹はゆっくり後ろに下がった。すると、お母さんが赤茶色の動物の首を裂いたのが見えた。私たちは嬉しくなって母親に駆け寄った。だが、母にはお腹に長い傷があり、死んでいた。
「お母さん?お母さん!!!」
クロウキットは悲鳴に近い叫び声を上げた。大声で泣きわめいた。なんて馬鹿な事をしたんだろう.......。
「どうしたの?!」
パトロール隊を率いていたであろうミスティフットが何匹かの猫を引き連れて現れた。
「お母さんがあぁぁ」
私は泣きじゃくった後の涙でぐしゃぐしゃの顔を上げた。ミスティフットは周りを見て、状況を察したようだ。
「とりあえず、帰りましょう」
ミスティフットは私をくわえた。パトロール隊のメンバーは母親の遺体を背中に乗せて歩いてくる。フリーズキットはミスティフットの後ろをうなだれながら着いてきていた。ああ、私って本当に馬鹿だわ。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Mon Aug 31, 2020 6:55 pm

第2章

今日は命名式。母が亡くなってから1ヶ月が経った日だ。ちなみに保育部屋で一緒に育った仲間であるホークキットとモスキットはもう見習いになっている。2匹の顔をハッキリ見た事は無い。理由は聞かされていないが、私たちから2匹を遠ざけているらしい。戦士達も何だかよそよそしく接しているらしい。私は常々不思議に思っていた。仲間なのに何故なの?
「集会を行います」
レパードスターの収集の声がかかった。
「ほら、行こう」
兄は私を優しくつついた。私はうなずくと、なるべくおしとやかに見える様にゆっくり歩いた。
「今から、新しく見習いになる2匹の命名式を行います。前へいらっしゃい」
レパードスターが尻尾をサッと振った。私は緊張のあまりぎこちない足取りで前へ出た。兄は落ち着き払っている。
「本日より、戦士の名を獲得するまでの間、この見習いをフリーズポーと命名します」
レパードスターは兄を見下ろして言った。兄は身動き1つしないが、目は興奮で輝いている。
「ミスティフット、あなたは最高の戦士であり副長です。フリーズポーの指導をしてちょうだい。あなたには沢山の長所があります。それを全この見習いに伝授してくれると期待しているわ」
レパードスターはミスティフットの方を向いた。ミスティフットは立ち上がると兄と鼻を触れ合わせた。
「それから、この見習いをクロウポーと命名します」
レパードスターは私に向き直った。
「この子の指導者は━━━」
レパードスターの熱い目が私の方を向く。
「私が引き受けます」
レパードスターはハッキリと言った。え?私は耳を疑った。聞き間違いじゃないわよね?尊敬しているレパードスターが私を指導してくれるって?!私は思わず叫び声を上げそうになり、慌ててこらえた。
「期待しているわ。素晴らしい戦士になってね」
鼻を触れ合わせる時、レパードスターが小声でささやいた。私は目を輝かせて答えた。
「はい。レパードスターに指導してもらうからには素晴らしい戦士しか目指しません!」
クロウポーは興奮が体を駆け巡るのを感じた。その時、私はふと思い出した。母に命名式の瞬間を見届けて欲しかった。私のせいだ.......。すると、脇腹をかするように風が吹いた。母の懐かしい匂いがふんわりと漂った。見てくれてたのね、お母さん。私は母親に心の中で言った。私が馬鹿なせいで、ごめんなさい。私を見捨てずに見守ってくれてて、ありがとう。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Tue Sep 01, 2020 8:02 am

第3章

今日から私は見習いよ!!!それをどうしても誰かに言いたかった。もし、蝶々が目の前に飛んできたら「あなたは見習いになった私に捕えられるのよ!」と言ってしまいそうだ。
「見習い仲間に挨拶に行こうよ。ホークポーとモスポーとは、そんなに会って無かったから今日のうちに仲良くなっておこう」
フリーズポーが私を急かした。もう.......、今見習いになった喜びを噛み締めているのに!
「別に後でもいーでしょ?」
クロウポーが駄々をこねた。
「いや、僕らはもう見習いだ。子猫じゃない。しっかり挨拶をしないと礼儀のない奴だと思われちゃう」
フリーズポーは折れる気は無さそうだ。
「分かった」
クロウポーはゆっくりと立ち上がってから伸びをした。フリーズポーは早く行こうというように見ている。
「こんにちは!誰かいる?」
私は元気に言った。すると、黄金色の雌猫が姿を現した。
「やあ、君がモスポー?」
フリーズポーが礼儀正しく会釈した。
「ええ、私がモスポー」
モスポーはぎこちなく答えた。
「私、クロウポー!よろしく」
クロウポーは満面の笑みで返した。
「ホークポーは?」
フリーズポーがふとした疑問を聞いた。
「多分、狩りかな」
モスポーは口ごもって答えた。
「新入りが来るって言うから獲物、多めに捕ってきたぞ」
力強い声がした。ネズミの匂いとウサギの匂いだ。恐らくネズミ二匹にウサギ1匹だろう。
「こんにちは!私クロウポー!よろs.......」
クロウポーは笑顔で振り返り、固まった。がっしりとした大きな肩、鋭い薄藍色の目、焦げ茶色の虎柄の毛皮、力強い声。クロウポーはホークポーの全てに惚れた。目はホークポーに釘付けになり、ずっと見つめてしまう。かっこいい.......!完全に一目惚れだった。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Sat Sep 05, 2020 9:30 am

第4章

ホークポーは命名式が始まるという事を聞き、集団の端に妹のモスポーと共にちょこんと座った。
「きっとクロウキットとフリーズキットよ」
モスポーが俺に興奮気味な声で耳打ちした。モスポーは早く見習い仲間が欲しそうだ。そうか、俺にも後輩が出来るのか。
「今から、新しく見習いになる2匹の命名式を行います。前へいらっしゃい」
レパードスターが小さな子猫2匹に尻尾を振った。黒猫の方はかなり緊張していて、灰色の子は落ち着いている。
「本日より、戦士の名を獲得するまでの間、この見習いをフリーズポーと命名します」
レパードスターは灰色の見習いを見下ろした。
「ミスティフット、あなたは最高の戦士であり、副長です。フリーズポーの指導をしてちょうだい。あなたには沢山の長所があります。それを全てこの見習いに伝授してくれると期待しているわ」
レパードスターは指導者にミスティフットを指名した。
「それから、この見習いをクロウポーと命名します」
レパードスターは続けた。
「この子の指導者は私が引き受けます」
レパードスターが言った。族長自ら指導だって?そして、命名式は終わった。ホークポーは自然とクロウポーを目で追っていた。慌てて首を振る。そうだ、獲物を持って行ってやろう。これも先輩としての務めの1つだ。
「どこ行くの?」
ミスティフットが俺を呼び止めた。
「狩りへ」
ホークポーは素っ気なく返した。森の新鮮な匂いを嗅ぐ。ホークポーは鋭い嗅覚を使って獲物を探した。しばらく狩りを続け、ネズミ2匹にウサギ1匹捕れた。見習いが食べる分ぐらいならこれで十分だろう。
「新入りが来るって言うから獲物、多めに捕ってきたぞ」
ホークポーは威厳を見せようと思い、力強い声を出した。捕れた獲物をみんなの前に押す。
「こんにちは!私クロウポー!よろs.......」
クロウポーは笑顔で振り返ると、固まって俺をしげしげと見つけた。バチッと目が合う。俺は顔が赤くなっていくのを感じた。鼓動が早くなる。これが、みんなの言う、恋なのか?
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Tue Sep 08, 2020 7:45 am

第5章

今日は記念すべき訓練1日目。私は珍しく早起きしたし、毛皮も丁寧に整えた。訓練に行きたくて足がうずく。
「クロ.......。あら、起きてるのね。フリーズポーが言うには寝起きが悪いとか」
レパードスターが現れ、驚きながら言った。私は恥ずかしくなってうつむき、こっそりと兄を睨んだ。
「へへ.......。張り切っちゃって」
クロウポーはとりあえず笑って誤魔化した。
「ま、早く起きるのはいい事だわ」
レパードスターは優しく言った。
「今日は縄張りを案内します」
レパードスターは歩きながら振り返らずに言った。クロウポーは早足で後ろについて行く。
「ここが、サンダー族との境界線」
レパードスターは長い尻尾を緩く振った。
「あの岩も私たちのものですか?」
クロウポーは好奇心で聞いた。
「いいえ。あそこはサニングロックス。今はサンダー族に貸しているけれど本来ならリヴァー族のものよ」
レパードスターは唸り声で言った。いつも綺麗なはずの横顔は遠くを睨んでいる。
「すみません」
クロウポーはいけない事を聞いた気がした。
「いいのよ」
レパードスターはいつもの顔に戻って微笑んだ。ただ、どこかいつもとは違う気がした。昔にサンダー族と何かあったのだろうか?その後は早足で縄張りを回った。
「時間が余ったわね。魚捕りでもしてみる?」
レパードスターが優しく聞いた。
「はい!!!」
クロウポーはピシッと姿勢を正した。
「じゃあ、見ててね」
レパードスターが川のふちに座った。水面に影は写っていない。目は真剣でしっかりと水の中を見すえている。すると、いきなりサッと前足を川に突っ込み、銀色の魚を素早くすくい上げた。そして、まだピチピチと跳ねている魚にトドメを刺した。
「さ、あなたもやってご覧なさい」
レパードスターはやるようにうながした。
「頑張ります」
クロウポーは真剣な声で言った。緊張で肉球が汗ばむ。そして、水の中に前足を入れた。水は気持ちいい程度に冷たい。私は小さな魚をすくい上げ、素早くトドメを刺した。
「上手ね。あなたは立派な狩猟猫になるわ」
レパードスターが誇らしげな目で見つめてきた。私は嬉しさで震えた。尊敬するレパードスター━━族長に━━褒めて貰えたのだ!私はますます張り切った。レパードスターの期待を裏切らないように精一杯努力していかなきゃ!
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Sat Sep 26, 2020 9:51 am

第6章

クロウポーは魚をくわえながら歩いていた。今からキャンプに帰るところだ。フリーズポーに早く訓練のこと話したい!
「ただいま、お兄ちゃん!!!」
クロウポーは兄に飛びついた。兄は一瞬驚いた顔をしたが、すぐにふざけて取っ組みあった。
「見てよ、この魚!」
クロウポーは自信満々に見せつけた。
「僕は泳ぎ方も習ったんだぞ!」
フリーズポーも負けじと言った。
「えーっ!いいなあぁぁ!」
クロウポーは頬をふくらませた。リヴァー族に生まれてよかったと思うことはいくつもあるが、そのうちの一つが泳げることだ。水の中を優雅に泳ぐ姿は誰が見ても美しいに違いない。自分が綺麗な川の中を優雅に泳ぐ姿を思い浮かべ、クロウポーはますます泳ぎを習うのを楽しみした。
「その魚、自分で食べていいわよ、クロウポー」
レパードスターが通り過ぎざまに声をかけた。
「分かりました!ありがとうございます!」
クロウポーは言うなり魚にかぶりついた。
「おぉぉぉいひいぃぃぃ!!!」
クロウポーは叫んだ。初めて食べた魚の味は最高だった。自分で初めて仕留めた獲物なのでその分美味しく感じているのかもしれない。ホークポーと一緒に食事をしたかったなぁ〜。そんな事を自然と考えていることに気づき、私は耳から尻尾の先まで熱くなった。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Sun Sep 27, 2020 9:30 am

第7章

私はグダグダと寝床で寝転がっていた。2日目は狩りの訓練で、立派にやり遂げた。私、優秀なのかも!とも思ったほどだ。だが、3日目。3日目は戦いの訓練だった。狩りのようにすんなりとはいかなかった。かなり難しく、何度やっても上手く出来なかった。レパードスターは、みんな初めから上手に出来るわけじゃないわ、と言ってはくれたけど、私のプライドが許せない!
「クロウポー!やる気を出して早起きしたのは三日坊主ってわけ?!早く起きなさい!!!」
レパードスターが見習い部屋の外から叫んでいる。起きてるのに。クロウポーは心の中で文句を言った。私は重い体をゆっくり起こした。ボサボサの毛並みを雑に整えた。
「レパードスター、はい、起きましたよ」
私はあくびを噛み殺しながら言った。
「ホークポーも一緒なのにボサボサのままでいいの?」
レパードスターがからかうようにたずねた。
「ええっ?!ダメです、ダメです!」
クロウポーは慌てて丁寧に毛繕いをはじめた。
「はい!出来ました!」
クロウポーは姿勢を正した。
「じゃ、行きましょう」
レパードスターはキャンプの入口へ向かった。さっきまで重かったはずの体が軽い。キャンプの入口にホークポーが尻尾を前足にかけて座っていた。
「ええと、こんにちは!一緒に訓練が出来て嬉しいわ、ホークポー!」
クロウポーは笑顔で元気に言った。
「ああ。俺も嬉しい」
ホークポーは私と目を合わせずに言った。私はホークポーの隣を歩きながらレパードスターの後ろをついて行った。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Thu Oct 01, 2020 8:34 pm

第8章

僕はフリーズポー。クロウポーの兄だ。妹は訓練に出かけていた。よりによってホークポーと一緒なのが気に食わないが。ホークポーは危険だと本能で悟っていたから。それにホークポーはクロウポーの事が好きだ。本人達は気づいていないようだが。ホークポーがいつクロウポーをたぶらかすかと思うと不安になる。そういえばミスティフットはどこだろう?僕は何をするんだろうか。
「おい、チビ。愛しのミスティフットはパトロールに出かけてるから俺が狩りに連れて行ってやる」
偉そうな足取りでオレンジ色の雄猫が現れた。確かに僕は小柄だが、馬鹿にするな!だが悔しいことに何ヶ月か前に戦士になったこいつはスタイルがいい。僕は顔をゆがめた。なんでこいつなんかと!でも、コイツの本心は知っている。クロウポーと狩りに行きたいだけだ。僕と行けばクロウポーもついてくると思っているらしい。そうじゃなければ仲の悪い僕に一緒に狩りに行こうなど言わないはずだ。
「ファイヤストーム、僕はチビじゃない。ミスティフットは憧れであり、恋愛感情は一切ない。それから、クロウポーはホークポーと訓練に.......」
フリーズポーは真顔で淡々と言い始めたが、ファイヤストームの叫び声によって途中でかき消されてしまった。
「ええっ?!クロウポーいないの?!しかもホークポーと一緒ぉ?!なんでえぇぇ!」
ファイヤストームは叫び散らした。
「うるせーよ.......」
フリーズポーは耳を寝かせてつぶやいた。
「だってクロウポーのためだけにいやいやお前を誘ったのにクロウポーいないんだぜ、叫ぶだろ!!!」
ファイヤストームが驚いた顔で言う。いや、叫ばねーよ。
「いいから、静かにしろよな。君が行きたくないなら僕は1人で狩りに行く」
フリーズポーは立ち上がり、キャンプの出入口に向かった。
「おい、それじゃ俺が怒られる」
ファイヤストームは一応ついてきた。僕はこっそり先輩を睨んだ。こんな風にクロウポーを狙うなら僕が黙っていないからな。お前みたいな馬鹿、クロウポーにふさわしくない。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Sat Oct 03, 2020 2:52 pm

第9章

私は川から上がった。体がびしょびしょになったが、とても楽しかった。合同訓練は、ホークポーと共に戦いの訓練をした。その後はホークポーは単独訓練についた。なので私は泳ぎ方を習ったわけだ。
「楽しかったです!」
クロウポーはレパードスターに言った。
「あなた、泳ぎもなかなかね」
レパードスターは優しく微笑んだ。
「ありがとうございます!午後からは何をしますか?」
クロウポーはたずねた。
「午後は狩りに行くといいわ。好きな戦士と行きなさい」
レパードスターは私にうなずきかけた。指導者なしの狩りだ!私は興奮が全身を駆け巡るのを感じた。
「はい!分かりました!」
クロウポーは走り出した。誰を誘おうかな!

キャンプについて、暇そうな戦士を探した。だが、いつも私と仲良くしてくれるファイヤストームはいない。
「あれぇ〜?クロウポーちゃん〜?なんでいるのぉ〜?レパードスターと訓練じゃ〜なかったっけぇ〜???」
ミッドナイトムーンが言った。いつもホンワカムードを漂わせている天然戦士だ。私は目を輝かせた。
「訓練は午前で終わりました!午後からは狩りに行ってと言われたんですが一緒に行きませんか?!」
クロウポーは勢い込んでたずねた。
「行く〜!それからタメ語でいいよ〜♪」
ミッドナイトムーンは長く美しい毛をなびかせながら言った。クロウポーは走り出した。
「競走っ!」
クロウポーは振り向いて叫んだ。
「あ〜っ!ずっる〜い!!!」
ミッドナイトムーンは不満そうに頬をふくらませながらも楽しそうに走ってついてきた。私たちは並んで走った。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Sun Oct 04, 2020 12:56 pm

第10章

クロウポーとミッドナイトムーンは途中から疲れてしまい、喋りながら歩いた。お互いにふざけあったりした。
「そろそろ狩りしなきゃな〜」
ミッドナイトムーンは残念そうに言った。
「これも勝負です!」
クロウポーはサッと狩りの姿勢をとった。
「望むところよ〜」
ミッドナイトムーンはぬうように進んで茂みの中に消えた。クロウポーはミッドナイトムーンとは反対の方向に向かった。するとふんわりと美味しそうな匂いがした。ネズミだ!私は忍び足で近寄った。もうちょい、もうちょい.......。
「えいっ!」
クロウポーは飛び上がり、ネズミを仕留めた。
「今度は.......リス?」
クロウポーは木の上を見上げた。登れるかなぁ?私はスルスルと登り、リスに噛み付いた。その時、私は足を滑らせた。
「えっ?!助けてっ!!!」
クロウポーは細い枝に必死に前足をかけて頑張って爪を立ててしがみついた。もう持たない!爪が折れそう!
「も、もう無理.......!」
クロウポーはそれでも力を振り絞って耐えた。すると、前足に鋭い痛みが走った。爪が折れた。その時の痛みで私は墜落した。もう無理だ.......。激しい衝撃を感じた。
「スター族様.......、助けて.......」
意識が朦朧とする中、私はつぶやいた。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Wed Oct 21, 2020 9:47 pm

第11章

「おい!!!クロウポー!!!」
耳元で叫び声がし、私は飛び起きた。
「良かった。大丈夫なんだな」
ホークポーの声だ。
「ん.......」
クロウポーは立ち上がって頭を振った。
「どうしたんだ?こんな所で倒れて」
ホークポーは不思議そうにたずねた。そういえば私は木から落ちたんだ。だが幸い怪我はなく背中を打っただけで済んだ。
「リス捕ってたら木から落ちちゃって.......。でも大丈夫。背中を打っただけだから」
クロウポーは歯を見せて無理に笑ってみせた。
「ま、もう夕方だ。帰ろう。俺もちょうど単独任務を終えて帰るところだったんだ。君は看護猫に見てもらわないとだし」
ホークポーは私を軽くつついた。
「分かったわ。ミッドナイトムーンは?」
クロウポーはたずねた。
「パトロールに行かなきゃならないはずだったのに忘れてたのを見つかって連れてかれてた」
ホークポーは肩をすくめた。そして、私のすぐ隣を歩いた。クロウポーは背中の痛みも気にならなくなっていた。ホークポーが私を気にかけてくれてる!それがリヴァー族だからという理由だったとしても、私は嬉しかった。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Sat Nov 21, 2020 3:31 pm

第12章

フリーズポーはイライラしながら歩いていた。ファイヤストームと狩りをしているのだ。やりたくない.......。
「お〜い!2人とも〜、二人が一緒なんて珍しいね〜!私も混ぜて〜♪」
ミッドナイトムーンが長い毛をなびかせながら走ってきた。その姿は美猫そのもので、僕はちょっとドキドキした。
「えへへ、クロウポーと狩りをしてたんだけど、パトロールさせられちゃって。パトロール終わって帰ろうと思ったら2人を見かけたんだ〜」
ミッドナイトムーンはにこにこしながら言う。
「そうかよ。でもあいにく俺らも帰るところでな。お前とは遊んでやれねe.......」
ファイヤストームはミッドナイトムーンを見るなりそう答えようとしたが、僕はそれをさえぎった。
「帰ろうと思ってたけどやっぱりもっと獲物があった方が一族には助かるかな〜と思うんだ。君も手伝ってくれる?」
フリーズポーはキラキラ☆イケメンスマイルを浮かべた。ファイヤストームが隣で馬鹿にして鼻を鳴らした。
「じゃ〜、レッツゴー♪」
ミッドナイトムーンはゆっくりと先頭を歩き始めた。するとファイヤストームが僕の耳元でたずねた。
「お前、ミッドナイトムーンのこと好きだろ?」
ファイヤストームは唐突に聞いた。僕の顔は一気にボッと熱くなる。
「そ、そんなことはない!僕は見習いでミッドナイトムーンは戦士なんだからっっっ!」
僕はファイヤストームの耳元で怒鳴り立てた。
「隠してもムダだって。それに俺もミッドナイトムーンも見習いに毛が生えた程度だろ?俺がクロウポーに恋をするのもおかしい行為じゃないし」
ファイヤストームは今回だけは勝てたと確信しており、歯を見せて笑って見せた。
「でも、ミッドナイトムーンは僕に気はないよ」
フリーズポーは小さくつぶやいた。
「今からその気にさせりゃいい話だろ?」
ファイヤストームは自信たっぷりに答えた。こいつ.......、クロウポーを口説くつもりなのか.......。そう思いつつも、まだ恋を諦めるには早いと認めざるを得なかった。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Sun Feb 07, 2021 7:49 pm

第13章

あれから4ヶ月経ったある日。かなり訓練を積み、クロウポーは戦士に近づいていた。いつものクロウポーならもうすぐ戦士という事実に浮かれて騒ぎ散らしているはずなのに、何故か大人しい。その理由は他の事で頭を悩ませていたからだ。悩み事とはホークポーの事だった。クロウポーは思わずうっとりしてため息をついた。ホークポーはたくましくて、かっこよくて、素晴らしく才能があり、私に優しくしてくれる。
「告白するべきなのかなぁ.......?」
クロウポーはずーっとそれで悩んでいた。勇気を振り絞って告白するべきか告白はもっと後、もしくは相手から来るのを待ってその間に自分は己を磨く。その三択でこの1週間は悩み続けている。そうだ、兄に相談しよう。フリーズポーならきっと良いアイデアをくれる。
「お兄ちゃん、ちょっと相談があるんだけど、いい?」
クロウポーはフリーズポーしか居ない見習い部屋へ行った。
「いいよ。どんな事だい?」
兄は爽やかに優しく微笑んだ。お兄ちゃん絶対戦士になったらモテる.......。っていうか既にモテてる.......。私もそれぐらい美人だったら自信が持てたのになぁ.......。
「実はね、ホークポーに告白するか悩んでるんだけど.......」
私は小さな小さな声で話した。
「はっ?!ホ、ホークポー?!」
ところが兄は私の話を聞いた途端さっきまでの笑顔は消えてとても驚いた顔をして口をパクパクさせた。
「だからね、アドバイスが欲しいんだけど.......」
クロウポーは兄の異常なほどの驚きようは気にしないようにして再び気を取り直してたずねた。
「僕から言わせればホークポーなんて選ばない方がいい。野心がありすぎるんだ。君は気づかなかったかい?族長になりたがるアイツに、ミスティフットのありとあらゆる意見に食ってかかるアイツに」
フリーズポーは大反対した。
「いいじゃない!私が誰を好きになっても。欲しいのは告白についてのアドバイスよ。好きになる相手のアドバイスじゃない。それに、ミスティフットの意見に"食ってかかってる"じゃなくて"より良くするためにアドバイスを言っている"のよ。族長になりたいと思うのも、戦士なら誰でも普通じゃない?」
私は初めて兄に本気で腹が立った。ホークポーが怪しく見えるのはお兄ちゃんが怪しむ目で見てるからでしょ?
「それだけじゃない浮浪猫の子供なんだ。戦士の血が流れてないんだぞ!」
フリーズポーは分かってくれよと言いたげに怒鳴った。私は一瞬ショックで放心した。生まれで何かを決めちゃいけないってお兄ちゃんは分からないの?
「お兄ちゃんなら差別なんかしないと思ってたのに.......。お兄ちゃんなら私の気持ちだって分かってくれると思ったのに.......。お兄ちゃんの.......大馬鹿者!!!大っ嫌い!!!」
クロウポーは一気に早口で怒鳴り、見習い部屋を出た。そしてさっきまでの勢いはどこへやら、とぼとぼと歩いた。そこへホークポーがゆっくりと現れた。
「どうした?暗い顔して。君らしくないな」
ホークポーは心配そうに不安そうにたずねた。
「お兄ちゃんと喧嘩しちゃったの.......」
声に出してみると涙が溢れてきそうで私は慌てて堪えた。
「そうか.......。でもきっと君なら仲直り出来る。心配するな、君の兄だっていつかは寂しくなる」
ホークポーは優しく私の肩をぽんぽん叩いた。ほらホークポーはいい猫じゃない。私は誰がなんと言おうとホークポーが好きよ。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by メープルドライ Mon Feb 15, 2021 10:28 pm

続きが気になる!頑張ってください!

メープルドライ
未登録ユーザー


トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by シャイニングナイト Tue Feb 16, 2021 4:43 pm

ありがとうございます!頑張ります。
シャイニングナイト
シャイニングナイト
ライオン族
ライオン族

投稿数 : 1286
Join date : 2020/04/14
所在地 : Twitter

トップに戻る Go down

恋の空を羽ばたく二羽の鳥 Empty Re: 恋の空を羽ばたく二羽の鳥

投稿 by Sponsored content


Sponsored content


トップに戻る Go down

トップに戻る

- Similar topics

 
Permissions in this forum:
返信投稿: