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小説が書きたい!〜レイク族〜

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投稿 by Murre Thu Jan 20, 2022 3:08 pm

境界線の下ってくる川に着くと、<シンボルレイク族に釣り糸を垂らす者達>が、シンボルレイク族の縄張りに侵入している木を加工した物の上で釣り糸を垂らしていた。
ライトポーは、後ろ脚で立っている生き物を見て目を丸くしている。
1度ロック族の見習いを下ろして、休憩する。
「た、助けてくださり、ありがとうございました。シャドウトゥースの耳を千切ってくれたのは、せいせいしました。けど、レイク族の族長さん…イブニングレイクも、同じ事を言っていて…」
さっきの恐ろしいキャンプの景色が脳裏をよぎったのか、言葉を濁す。
「私ね、貴方の指導者になりたい。今からロック族のキャンプに向かうの。歩けそう?」
銀色の見習いはふるふると首を振る。
「そう、分かった。貴方、指導者は誰?」
「シャ、シャドウトゥースです…」
想像通りだった。この子は、ウォーター・フェザーで苦しんで来たんだ。
「貴方は、どう?私が指導者になる事、賛成してくれる?ウォーター・フェザーを抜ける気持ちが有る?」
小さな澄んだ目には、覚悟の色が浮かんできた。
「私はウォーター・フェザーを許せません。私の母は、この前の戦いでウォータークラウドに殺されたんです。シャドウトゥースの命令で…
マァーラーフェザー、弟子にしてください!」
見習いになったばかりなのに、大人びた返答だった。この子の母猫は、きっとこの前レイク族で葬られていたフローズンモスだ。
「来て。もう、ブラックロックにお告げが降りているはずよ。私ね、海に行く使命をシンボルレイク族から承っているの。もし、すぐ出発して、ロック族に居られなくても、貴方は大丈夫?」
この子は信用出来る。
そうフェザーライトが囁いてくれた気がしたから、全てを話す。
まるでフェザーライトの生き写しであるライトポーは、驚きながらも興味を持ってくれた。
「私、ロック族が好ましく有りません。母親はもうシンボルレイク族だし、兄弟もシャドウトゥースにやられて冷たくなってしまったからです。スィンポーとインヴァイロメントポーが兄弟なんです。私の居場所はここに有りません。」
母猫はシンボルレイク族…え、父親は?
私の困惑を感じ取ったかのようにおどおどと話す。
「父は、シャドウトゥースです…」
「いいのよ。私は、生まれを気にしない。貴方は素晴らしい可能性を感じる。胸を張って」
ライトポーは力強く頷く。
「マァーラーフェザー、行きましょう。ブラックロックに命名式を行ってもらうんです。」
「ついてきて。<シンボルレイク族に釣り糸を垂らす者達>を避ける方法が有るの。」
自分の元部族、レイク族に背を向けて、新しい弟子となる猫とキャンプを目指した。
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投稿 by Murre Fri Jan 21, 2022 4:03 pm

「ブラックロック!只今戻りました!」
私の口にぶら下がっているライトポーが甲高い声でキャンプに報告する。
ロック族はざわざわし始めた。
まだ朝だから、キャンプには多くの猫が残っていた。レイク族の猫が自分の一族の見習いを連れている事に目を見張っている。
アンダーレイクのような湖の下の洞穴から黒い族長が出てきた。後ろには副長のシャドウトゥースがついている。
ライトポーの体かこわばった。
彼女を自分の横におろして、ロック族の族長に礼儀正しく会釈する。
「マァーラーフェザーだな。ロック族に何をしに来た。」
ずっしりとした声とシンボルインディゴからの使命が私にのしかかる。
「この子の指導者を務めさせて頂きたく思いまして、キャンプを訪れました。」
シャドウトゥースは驚き、弟子を穴があくくらい見つめている。ブラックロックは私を見据えて、表情をあらわにしない。他の猫は、批判の声と驚きの声をあげている。
兄弟のスィンポーとインヴァイロメントポーは無表情だ。
「ライトポー、説明しろ。」
ブラックロックが見習い自身からの説明を求める。
「私は、一昨日からレイク族の看護部屋で治療を受けていました。昨日、レイク族にクレインボイスという戦士猫が誕生しました。」
そこで息をつくと、私に許可を求めた。
薄青の目を見つめ返し、頷く。
敵の部族だったロック族の見習いが、一族の隠したがる事実を伝える。
「クレインボイスが、今日、寝ずの番の後に殺されました」
ロック族の猫達はえっと息を呑む。
「そして、私は、マァーラーフェザーの弟子になることを望みます。その許可を得に帰って参りました。」
シャドウトゥースが何か言い返そうとしたが、ブラックロックが尻尾で口を閉ざさせた。
「シャドウトゥース、副長として、一族に指示を出してくれ。獲物を獲らないと一族が腹をすかせている。」
シャドウトゥースも一応一族に忠実だから、族長の命令はすんなり従い、狩猟部隊などを送り出した。
「ライトポー、マァーラーフェザー、インレイクへ来い。マァーラーフェザー、俺は話を聞く限りお前を侵入者とみなさない。誰にも、辛いことはある」
族長の尻尾はインレイクの暗闇の中へ吸い込まれた。
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投稿 by Murre Sat Jan 22, 2022 12:23 pm

「俺たちにお告げが降りたのは、ついさっきだ。シンボルアイスィクルからだった。」
「心得ています」
そうか、というようにダブルロックは頷く。
クリサンセマムペタルも入って来た。クリーム色の体が薄い日光に照らされている。
「私にも、あるお告げが降りました。」
ロック族の看護猫も発言する。族長は静かに、考えるように耳を傾けている。
「鳥と光が羽を従え、塩にまみれる。その経験が一族を破滅へと救う」
クリサンセマムペタルの声は、シンボルレイク族の猫たちが乗り移ったかの様に聞こえた。
背筋が寒くなる。
鳥は私だろう。光もライトポーだ。
羽…フェザーライトの事だろうか。シンボルアイスィクル達ははっきりと意思を伝えてこない。
「ダブルロック、どうか、ライトポーを私の弟子にさせてください。そして、ウォーター・フェザーを滅ぼさせてください。」
族長は、少し目を丸くした。
「やはり、族長はウォーター・フェザーの仲間ですか」
本心を打ち明ける。なぜ、ロック族の歴代の族長達はウォーター・フェザーを抑え、レイク族への虐めを止めさせられなかったのかが、ずっと気になっていたからだ。
何回も尊い猫の命を奪っているのにロック族もシンボルレイク族も罰しないのが、不思議で堪らなかった。
「違う。俺は。」
「他の族長は、そうだったんですね?」
静かに問い詰める。族長は、看護猫をちらっと見ると、ぽつぽつと話し始めた。
ライトポーも耳を傾ける。「俺はまだしも、ダブルロックは、酷く縛られていた。」
そう言うと、悔しいような目で私を見つめてきた。
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投稿 by Murre Mon Jan 24, 2022 6:12 pm

ブラックロックがまだ、戦士猫で、ダブルロックが族長だった頃、ウォーター・フェザーはダブルロックと繋がっていた。他から見れば、ダブルロックの方がウォーター・フェザーに従えられている様に見えただろう。
ブラックフェイスは、パトロールの報告をしようとインレイクへ入ると、ダブルロックとナイトビーストが暗い中話していた。
聞いてはいけないと思いながらも、こっそり耳を傾けてしまった。
「レイク族のサークルレイクが、副長のブルーフォーヘッドを殺しました。」
その時にウォーター・フェザーのリーダーであったナイトビーストが唆す様に語っていた。いや、本当に唆していたのかもしれない。
ダブルロックの顔は、みるみる暗くなっていき、顔を上げたときには、目には殺意が浮かんでいた。
ブラックフェイスは、首を傾げた。下ってくる川までパトロールへ行ってきたが、ブルーフォーヘッドの遺体など無かったし、レイク族が侵入した形跡も無かった。
流石に恐ろしくなったため、インレイクをそろそろ後退って出ると、ブルーフォーヘッドを探した。副長は、今頃、何も仕事が入っていないはずだ。
戦士部屋を覗き、ブルーフォーヘッドを呼んだ。
「ブラックフェイス、どうした?」
戦士部屋にはうとうとしたメテオライトスピードしか居なかった。
「ブルーフォーヘッドを探しているのですが。」
足の速い戦士は見てないと首を振ると、顔を埋めた。
長老部屋、見習い部屋、看護部屋にも顔を突っ込んだが、青い額の副長はキャンプ内のどこにも居なかった。
焦ってきた。
もしかして、本当にサークルレイクに殺されてしまったのではないかと。
レイク族の族長は、そんなに非情な戦士では無いと分かっていたが、ダブルロックが信じ切っている事に寒気を覚えた。
ダブルロックは、なぜ残虐なウォーター・フェザーのリーダーであるナイトビーストなんかを信頼しているのだろう。
見習いの頃から少しずつ芽生えていた族長に対する疑問が、縄張り内のリスの松より大きく立派に成長してきた。
早くブルーフォーヘッドを見つけ、ダブルロックからナイトビーストを離さなければ。
縄張り内の至る所を探した。
さっきパトロールしていた下ってくる川の周辺へ辿り着くと、不快な<シンボルレイク族に釣り糸を垂らす者達>のキャンプが見えた。今は落ち葉の季節だから、釣りをして魚を脅かしている者達は居ない。
硬い黒い地面に肉球をぺたぺたさせながらキャンプをぐるっと回ったが、副長の匂いは付いていなかった。
ロック族のマーキングの匂いが風に乗って自分の鼻まで運ばれて来た。
口を微かに開け、口の上の器官で細かい匂いも捉える。
<2部族の椅子>へ向かう方にある、浮かぶ木の橋から、ブルーフォーヘッドの新しい匂いが嗅ぎ取れた。
耳を動かしたが、物音はせず、雀が1羽、遠くでさえずっているのが聞こえただけだった。
短く刈り取られてしまった下生えを毛でかすりながら、木の道へ全速力で走った。
「ブルーフォーヘッド、ナイトビーストが、副長は殺されたと報告していましたが…」
自分の目を疑った。木の道に左前脚を掛けるようにして、ブルーフォーヘッドは、横たわっていた。


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投稿 by Murre Tue Jan 25, 2022 4:09 pm

こちら側から顔は見えないが、尻尾はだらんと地面につき、背中には縦に長く切り裂かれた痕がまだなまなましく残っていた。周りの下生えは赤黒い血でべたべたになり、近づいてみると、澄んだ水色をしていた目は、光が無く、灰色に見えた。口からも血が流れ、柔らかい腹はずだずたにされていた。
あんなに立派で、想いを寄せ始めていた、少し年上の雌猫がぼろぼろにされて死んでいる姿を、全く信じられなかった。
何かの間違いだ。
「ブルーフォーヘッド…」
鼻づらを彼女の血まみれの腹に押し付けた。血の循環で波打つ動きは感じられず、生暖かい温もりに衝撃を受けた。
周りを何周かぐるぐる回っていると、微かに嗅いだことのある匂いを感知した。
鼻を近づけると、愕然とした。
ロック族内で最もすばしっこいドーンウィングの嗅ぎ慣れた匂いが付いていた。
もう、嫌になった。
ナイトビーストに命令されたのだろう。ドーンウィングを始めとするウォーター・フェザーは、どんな内容でもリーダーに従う。
冷めつつあるブルーフォーヘッドの遺体を引きずりながら、考えていた。
目の前がぼやけてきて、口にしょっぱい液体が1滴、流れてきた。
前脚から崩れ、俺は泣いた。キャンプにようやく戻ると、ブルーフォーヘッドの体は冷たく、こわばってしまっていた。
石が幾つも転がっているキャンプには多くの猫が出てきて、亡き副長のずたずたの姿に目を疑った。
ダブルロックは、冷ややかな目でこちらを見つめてきた。
ブルーフォーヘッドを下ろし、族長に報告する。
「木の橋の近くで、ブルーフォーヘッドは殺されていました。辺には、ドーンウィングの匂いが、付いていました。」
一族は怯えた匂いを発し、俺の報告を聞くとドーンウィングに視線を向けた。
「そうか。」族長はそれだけ言うと、元副長と鼻づらを触れ合わせた。
ドーンウィングがこちらを睨み、戦士部屋に姿を消した。
薄いグレーの年老いた雌猫が長老部屋からゆっくり出てきて、娘のすっかり変わってしまった姿に崩れ落ちる。
シンボルレイク族も悼み、新しい仲間を歓迎するように鈍い光を彼女に向けた。
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投稿 by Murre Tue Jan 25, 2022 4:39 pm

サードシンボル族
シンボルレイク族の中で2つ命を失った
族長 シンボルダブル(シンボル2つ)
   [ダブルロック]
まだ命を1つしか失っていないが、先にいたサークルレイクも1つしか失っていなかったので、空いたサードシンボル族で族長を務めている

副長 ハイドレンジアシンボル(紫陽花のシンボル)
   [ハイドレンジアブルー]
ウォーターシャドウの妹。セカンドシンボル族でも、ナイトビーストに不意に攻撃され、サードシンボル族の一員に。ウォーター・フェザーからの被害に可哀想に感じたので、副長になった。

看護猫 バーンシンボル(燃えるシンボル)
    [バーンバード]

戦士猫 アクアシンボル(アクアのシンボル)
    [アクアバブル]
    ブラックシンボル(黒いシンボル)
    [ブラッククロウ]
    マァーラーフェザー達の母親
    ホワイトシンボル(白いシンボル)
    [ホワイトフット]
    マァーラーフェザー達の父親
    シックスシンボル(6シンボル)
    [シックスセンス]
    クレインボイス達の父親
    リカヴァリーシンボル(回復シンボル)
    [リカヴァリーフット]
    元ウォーター・フェザー 
    サンフラワーシンボル(向日葵シンボル)
    [サンフラワーシーズン]
    スプラッシュシンボル(しぶきシンボル)
    [スプラッシュカラー]
    ラーチシンボル(鰌シンボル)
    [ラーチリヴァー]
    タイガシンボル(針葉樹林シンボル)
    [タイガグリーン]
    カッパーシンボル(銅色のシンボル)
    [カッパーフラグメント]
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投稿 by Murre Wed Jan 26, 2022 6:50 pm

「ダブルロック、ちゃんと考えてください。レイク族はまだしも、自分の一族の猫を殺した裏切り者を、キャンプ内に何もせず置いておくなんて!」
最後の方は、微かに悲鳴に変わった。
族長は、俺を副長に任命すると、インレイクに引き籠もった。
俺は、どうしても副長になりたかった俺より年長のナイトビーストを差し押さえ、副長になってしまった。
「クリサンセマムペタルを呼んでこい。話し合おうじゃないか。」
弱々しいかすれた声で俺を使いに走らせると、どこか遠くを見るように苔の上で横になった。
族長に背を向けると、乾いた咳が聞こえた。

クリサンセマムペタルは、俺が副長になるべきだとお告げを受けたらしい。
看護部屋からインレイクに向かう途中、教えてくれた。俺は、看護猫から渡されたヨモギギクをくわえていたから、返事てきなかった。
シンボルレイク族には認められていた、という事実には少しほっとした。
インレイクの中は、乾燥していて、歩くたび土埃が舞うように感じられた。
「クリサンセマムペタル、俺は副長に話を伝える。」
威厳があったはずの族長の声には、悲しみと苦しみが含まれていた。
俺は族長にヨモギギクを渡しながら、看護猫が頷いた時の空気の動きを感じた。
どんな話が始まるのか見当もつかないが、良くない話だとわかる。
「初代族長のファーストロックの話は知っているな。」
族長の声に、シンボルレイク族の猫達が加わった気がした。声が、重複している。
「はい。」目を逸らさずに応える。
「偉大なる初代族長が誕生すると同時に、何らかの原因で、ウォーター・フェザー初代リーダーも誕生した。クラウディーハート(濁った心)と言った。ファーストロックは、クラウディーハートが野心強い猫だと見抜いていた。彼を副長に任命することは決して無かった。しかし、2代目族長のスパロウロックは、クラウディーハートに縛られた。彼のつがいと子供をウォーター・フェザーに仲間入りさせられ、悪事まで働かさせられたのだ。」
この時がレイク族を虐めるきっかけだったんだな、と思った。シンボルレイク族の縄張りの周りに部族は2つしかない。
「クラウディーハートは、スパロウロックのつがいのフェズントアイ(キジの目)と、子供のペッパーサン(胡椒太陽)、クリアリィファー(はっきりした毛)にレイク族の族長と看護猫を殺させた。フェズントアイは、当時のレイク族の族長マウンテンレイクに返り討ちに逢い、亡くなった。ペッパーサンとクリアリィファーはきっちり仕事をして、看護猫のハイドレンジアプールを殺したそうだ。スパロウロックは、ウォーター・フェザーに逆らったらつがい、子供を殺される束縛を与えられ、それからどの族長もウォーター・フェザーにまるで従うような格好になってしまった。先代のキングフィッシャーロック(カワセミ岩)も、子供をウォーター・フェザーに殺されていた。」
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投稿 by Murre Fri Jan 28, 2022 4:25 pm

族長は、そこまで話すと乾いた咳をした。
クリサンセマムペタルは、苔に水を含ませて持って来ていた。
族長が水分補給している間、俺は考えを巡らせていた。
族長が副長に代替伝えてきただろうこの話からすると、ダブルロックも誰かをウォーター・フェザーに取られている可能性がある。
そういえば、族長のつがいのスィンリーフは、戦いで亡くなっていたが、あれは、ウォーター・フェザーが仕組んだのかもしれない。
ウォーター・フェザーで育ったウォータークラウドは、族長の子のはずだ。
全ての回路が繋がった。
この眼の前に居る、病気の族長もウォーター・フェザーに縛られ、苦しんできたんだ。
この、ウォーター・フェザーによる負の連鎖を絶ち切らなければならない。
そう、シンボルレイク族が伝えてくれた気がした。
「俺も、ウォーター・フェザーにスィンリーフを殺され、子供を取られている。お前を副長に命令したから、ナイトビーストは怒り狂い、ウォータークラウドに何かしらの事を仕出かすだろう。キングフィッシャーロックからこの話を伝えられた時、俺は、ウォーター・フェザーを滅ぼしてくれ、と言付けされたが、それが出来るのは、俺では無かったようだ。全ての族長が苦しんできたんだ。お前だけには、このような思いをさせたくない。俺はもうすぐラストロックをシンボルレイク族に捧げようと思う。」
族長の目は、病気だからか、感情移入しているのか、涙が溜まっている。
「お前は、立派な戦士だ。そして、偉大なる族長になるだろう。必ずウォーター・フェザーを滅ぼし、ロック族とレイク族を苦しみから救ってくれ。一人じゃなくてもいい。レイク族でもいい。仲間を見つけ、黒く染まった水の羽を滅ぼしてくれ。」
ダブルロックの息が荒くなり、クリサンセマムペタルが尻尾で背中を擦る。
「分かりました、ダブルロック。私に重大な役目が、務まるかどうか分かりませんが、将来の部族の為に、ウォーター・フェザーを滅ぼす事を光栄に思います。」
ダブルロックは目を閉じて、ゆっくり頷く。
俺は恭しく会釈し、インレイクを出ようとした。
クリサンセマムペタルが口を開く。
「ブラックフェイス、貴方が副長に選ばれたのは、シンボルレイク族がこれまでの功績を認めてくださったから。誇りを持って、しっかりね。」
母親の様な温かさに包まれ、心に優しさの波がやって来た。
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投稿 by Murre Sat Jan 29, 2022 11:00 am

レイク族が長年ーしかも部族が出来た頃からーロック族のウォーター・フェザーに虐められていた理由の靄がようやく晴れた。
名前しか聞いたことのない、初代族長のファーストロックはまだしも、スパロウロック達は、ウォーター・フェザーに家族という自分の命をかけてでも守りたいもので束縛されていたんだ。
思考回路が光りながら全て繋がったことに驚きながらも、納得し、しばらく黙っていた。
ぴんと張り詰めた空気の中、年齢にしては賢いライトポーがおずおずと口を開く。
「どうして、副長のシャドウトゥースではなく、私達にその話をしてくださったのですか」
隣に居たクリサンセマムペタルにこっそり耳打ちするが、狭い洞穴の中は声が筒抜けだ。
にっこり微笑みながら、ロック族の看護猫は答える。ブラックロックも愛おしげに見習い猫を見る。
「この話を伝えたのは、シンボルレイク族からのお告げでは無い。俺の意志だ。シャドウトゥースは副長にする気がなかったが、俺は家族も、つがいもいないから、命を1つ奪われた。シンボルレイク族には、申し訳ないと思っている。マァーラーフェザー、ライトポー、お前達がロック族の一員であってくれて、嬉しいよ。」
族長は、そう言いながら、私を向いてウインクした。
ロック族に無事、迎えられたと遠回しに分かり、嬉しくなった。
「私達は、マァーラーフェザーの事情はよく知らないけれど、お前の目の奥にある、まるで偉大なるダブルロックの様な深い輝きに、心を打たれた。」
沢山褒めてくれて、心が追いつかない。
ライトポーは、自分の質問の答えが返ってこなくて、尻尾を振っている。
ブラックロックの黄色い目はちらっと銀色の見習いの方に動くと、まぶたに覆い隠された。
「お前達に、ウォーター・フェザーを滅ぼしてもらうためだ。ウォーター・フェザーの真の目的を知らず、無闇に殺して欲しくない。矛盾かもしれないが、殺気に支配された殺戮者になって欲しくない。どうか、殺す、ではなく、束縛を開放する、という行動をしてくれ。」
ライトポーは、困った顔をしてこちらを見てきた。ウォーター・フェザーを滅するつもりだったのに、族長に殺さないでくれ、と言われたからだろう。
私も困ったけれど、副長ではない私達に大切な話をしてくれてから、期待を裏切らないよう、しっかり目を見て答える。
「分かりました。もうすぐ海へ向かおうと思うのですが、それまでに邪なウォーター・フェザーを殺さずに滅ぼしてみせます。」
こわばった節々を軽く伸ばし、アンダーレイクの様なインレイクの狭い通路に体を向ける。
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投稿 by Murre Sun Jan 30, 2022 10:23 am

「…ロック…ブラックロック…パトロールの報告です」
低い、耳障りな声がぼわんと響いた。
声をした方に首を曲げると、太陽の光は強く、白く変化していた。
「パトロールもしてくれたんだな、ありがとう。」
族長が頷く。
シャドウトゥースは、ちらっと嫌そうな目つきで私と弟子を見ると、不機嫌な足取りで光に向かって歩き出した。尻尾はいらいらと頻繁に振られている。
「ブラックロック、クリサンセマムペタル、方法がいくつか思いつきましたので、実行させて頂きます。」
クリサンセマムペタルはそっと目を閉じ、ブラックロックは黄色い目をきらりと光らせた。
外は眩しく、瞳孔がきゅっと小さくなるのが分かった。キャンプの細かい尖った石はきらきら輝き、太陽が浮かんでいる空は雲ひとつ無い爽やかな青だ。
まず、ウォータークラウド。ダブルロックの息子で、幼い頃からウォーター・フェザーに乗っ取られていたはずだからだ。
実は、シャドウトゥースに話を聞かれていた事は、分かっていた。族長も気付いていただろう。
だから、それも策に入れた。
まあ、見てたら分かるわ。あのリーダーの顔がみるみる暗くなっていくのがありありと思い浮かべる事が出来る。
戦いとは違う優越感が、倒す前から湧いてきた。
こっちのほうがいいかも。
「マァーラーフェザー、日没の頃、式を行ってくれるそうですよ。あと、クリサンセマムペタルが、海へ行く前には、<2部族の椅子>へ行くべき、と言っていました。」
ライトポーが、さっきまでの重い雰囲気を吹っ切るように明るく言う。
はきはきさは、クレインボイスに似てる…
あの子を思い出すと、悲しくなった。まだ、今朝の事なのに。
「私は、ウォータークラウドを改心させに行くね。その後、ドーンウィングも。シャドウトゥースは、連れて行く。」
弟子の顔が引きつった。辺りをさっと見渡し、副長が居ない事を確認すると、小声で言う。
「何でですか…父親は、何匹も殺してきたんです。私達も…」
「大丈夫。私は負けない。シンボルレイク族も手を差し伸べてくれるはず」
ライトポーの脇腹を尻尾で撫で、怯えた匂いを無視する。
視点が定まらず、ひっきりなしに動く瞳孔は怯えているのが傍から見ても分かるが、だんだんと落ち着いてくる。
私は脇腹に鼻面を強く押し付ける。
「貴方は、食事をして、休みなさい。クリサンセマムペタルに脚も見てもらうこと。」
目はいつもの輝きを取り戻し、今日の空のような青に吸い込まれそうになる。
弟子は意思を決めたようにこくっと頷き、看護部屋とみられる空き地の反対側のはっきりした日陰が有るシダと松の部屋にゆっくり歩いていった。


最終編集者 マァーラーフェザー [ Sat Feb 05, 2022 5:48 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by Murre Mon Jan 31, 2022 6:41 pm

ウォータークラウドは、戦士部屋で背中を舐めていた。
「ウォータークラウド」
そっと呼びかける。
ぎろっと薄い空色の目で睨まれ、彼の父親のダブルロックを嫌でも思い出す。
「レイク族の裏切り者が何のようだ。早く縄張りから、出てってもらいたい」 
疲れた唸り声が返ってきて、ダブルロックが亡くなったことをまだ哀しく思っているのが少し、伝わってくる。
「腹を割って話をさせてほしいの。今日から、ロック族に仲間入りさせてもらうから。」
白い雄猫は、鼻を蔑むように鳴らしながらもついてきてくれた。
私は、れき場に居る時によく見えた沼地へ向かう。あそこは、ほとんど獲物が捕れず、猫も少ない。
広葉樹林は生き生きとしていて、緑が眩しかった。下生えも豊富に生えていて、獲物の匂いが四方八方から漂ってきた。
「少し狩りをしてもいい?」
ロック族の戦士に許可を求めると、そっけない頷きが返ってきた。
直ぐにミズハタネズミを捕らえると、ウォータークラウドも太ったリスをくわえていた。
沼地ではずぶずぶと脚が埋まり、日差しとは真逆の冷たさで、腹の毛を擦るひんやりとした泥が気持ちいい。
もっと冷たいであろう湖に入りたくなるのを必死で堪えた。
下っていく川の淵に座ると、ウォータークラウドも少し離れたところに腰を下ろす。
ミズハタネズミを流されないように内陸側に置いて、ロック族の戦士と面を向かい合わせる。
「さっき、ブラックロックから、ダブルロックの話を聴いたの。」
ウォータークラウドは、屈んでリスを頬張っている。視線をちらっとこちらに動かし、まだ俯いた。
「私はよく知らなかったけれど、貴方のお父さんは、とても子供思いだったことが伝わったわ。」
「それがどうした。ダブルロックは、もうシンボルレイク族だ。」
取り乱しそうになっているのを隠すような冷たい声が返ってきた。
私は心を込めて頷き、空色の目をじっと見つめる。白い雄猫は、恥ずかしそうに明日の方向をを向いた。
「ダブルロックは、一族をウォーター・フェザーから守るため、貴方をウォーター・フェザーに預け、スィンリーフをシンボルレイク族に行かせた。けど、それは、貴方ーウォータークラウドの事を考えての判断だった筈よ。」
ウォータークラウドのリスは綺麗に平らげられ、ふさふさした尻尾が残されていた。
「どうゆう事。ダブルロックの何が分かる。」
冷たさが、さっきより溶けてきた。
「いいえ、何も分からない。けど、ダブルロックは、貴方の命を守るため、スィンリーフの形見を守るため、貴方をウォーター・フェザーに仲間入りさせたの。私の推測は、そこまで。」
「そんな…父は、俺を見放したんだよ…」
「違う!私は父も母も、幼いときに亡くなったけど、いつも、私達子供のことを優先に考えてくれてた。ダブルロックだって、同じはずよ。もし、ダブルロックが貴方をナイトビーストに渡さなかったら、貴方は、確実に、シンボルレイク族に仲間入りしてた。考えてみなかった?スィンリーフは、貴方がウォーター・フェザーに取られる前に戦いで死亡したけど、あれも、ナイトビーストが仕組んだことに違いない。ダブルロックは、一人っ子の、唯一の息子を守るために、自分のプライドを犠牲にしてまでウォーター・フェザーに渡したの。貴方を見るたび、ダブルロックは、哀しい目をしたはずよ…」
自然と、涙が溢れてしまった。目の前が滲み、ウォータークラウドがぼやけた雲に見える。
「ねえ…」
「ごめん…わかったよ。お前の言いたい事、分かった。確かに、父は、いつも落ち込んだ目をしてたよ。俺の心は、ナイトビーストに支配されてたから、いっつも無視してきた。悲しく思ったよな。お前に言われて気づいた。君は、シンボルレイク族からの使者みたいだ。」
そこまで噛みしめるように言うと、ウォータークラウドは、崩れ落ちた。
夕日がウォータークラウドの背中を優しく擦るように光を称え、白い毛がオレンジ色に染まった。
心底、呆気に取られていた。こんな容易くウォータークラウドを説得できるなんて、思ってもみなかった。
ウォータークラウドは、こっちを向き、涙を泥炭地に含ませた。


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投稿 by Murre Tue Feb 01, 2022 9:05 pm

しばらく見つめていた。じわじわとウォータークラウドの毛のオレンジが引いていき、後ろを向くと、1番星が顔を出していた。
いつの間にかネズミは冷めていた。
「俺、決めた。ダブルロックと暮らす。今まで出来なかった親孝行を、しに行く。」
開いた口が塞がらない。えっと…、ダブルロックに会いにいく、つまり、シンボルレイク族に仲間入りする、って事?
「困るよな、はは。けど、俺、ウォーター・フェザーとして沢山の罪を犯してきたから、それを父や、殺してしまった仲間、レイク族の一員に償いたい。シャドウトゥースは、何とも思わないだろうし、ドーンウィングだって許してくれる。ありがとう、マァーラーフェザー。」
待って、もう行くの?今、心を開いてもらったばかりなのに…
そう言おうとしたけれど、言葉にならなかった。
「マァーラーフェザー、君が俺を殺した、と疑われるだろうが、クリサンセマムペタルにお告げを伝えてもらうよう、計らうから、安心して。じゃあな。君は、僕の人生のうちの、たった1匹の友達だよ。」
ウォータークラウドは、お別れにさっと私の耳を舐め、ウインクした。
彼は広葉樹林の方へたたたっと走ると、シンボルレイク族の縄張りに飛び込んだ。
水しぶきがきらきらと輝き、紺色に染まりつつある湖に波紋が幾つも広がり、波を立てる。泳げないウォータークラウドは、2、3回水をかくと、湖の深みに自ら身を任せるように抵抗を止めた。やがて、ウォータークラウドの体は沈んでいき、最後のひと息が泡となり、空気中に逃げた。
「ウォータークラウド、ウォータークラウド…!」
私が親しくしようとした者は、全て、死んでしまうのであろうか。ウォータークラウドは、シンボルレイク族に仲間入りした。
辺りは闇に包まれ、静まり返る。星々が、私を慰め、ウォータークラウドを偲ぶようにきらきらと光りだした。


最終編集者 マァーラーフェザー [ Sat Feb 05, 2022 5:48 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by Murre Thu Feb 03, 2022 4:27 pm

ウォータークラウドが亡くなったことをそっと族長に伝えると、もう聞いた、と言うように悼みの目で見つめ返してきた。多分、クリサンセマムペタルに報告が来たんだろう。
「遺体は、持って帰れませんでした。湖に入水したので。今頃、シンボルレイク族に認められて、ダブルロック、スィンリーフと再会を喜んでるはずです。」
報告していたら、シャドウトゥースが近寄ってきた。そういえば、と、ウォーター・フェザーを滅ぼすための方法を、族長の前で伝える。
「明日の日の出の頃、<2部族の椅子>を訪ねてから海に向かいます。多分、道の途中で真の目的が判明するはずです。そして、シャドウトゥースを連れていきたいと思います。ドーンウィングは、もう、ウォーター・フェザーにいる気が無いはずなので、残るはリーダーなんです。」
「俺を連れて行くだと?俺は自らの意志ぐらい持っている。お前なんかに命令される筋合いは無い。」
シャドウトゥースが必死で抵抗する。
「いいえ、来て。もう、ロック族に貴方の居場所は無い。」
黒い雄猫は不機嫌にぼろぼろの耳を動かした。
「まあ、いいから式を眺めてろ。」
族長が静かに諭す。副長は不機嫌に従う。
青葉の季節の終わりの今頃、空はよく晴れ、紺色の空に散りばめられた星が思い思いの色で輝いている。
大きな黒い体が、小高い坂を身軽く登り、インレイクの前で一族に収集をかける。
「ロック族の仲間たちよ、これから、異例な式を蒼く輝くシンボルレイク族に認めて貰えるよう、インレイクの前で行う。」黄色い目は、喜びと、苦痛を湛えているように見える。
「ライトポー、お前は、自ら新しい指導者を付けることを願い出た。その先がマァーラーフェザーに突き当たった。シャドウトゥース、お前はライトポーの指導者だったが、マァーラーフェザーに指導権を譲り渡す事を認めるか?」
一族は、えっと驚いた野次を飛ばす。
弟子が指導者を途中交代など、指導者が生きているうちはまず行われない。
シャドウトゥースは、悔しそうにこちらをきっと睨みながらも、渋々、苦々しく頷く。ブラックロックは、その反応に、頷きを返す。
「ライトポーの指導者は役を離れ、新たな指導者がつく。マァーラーフェザー、お前はウォータークラウドを血の湖から引き戻してくれた。俺、ブラックロックは、お前がロック族の一員であることを認める。そして、ライトポーの指導者に、マァーラーフェザーを推薦する。」
ライトポーが私に一歩近寄り、精一杯首を伸ばす。私も、この子の期待に応え、鼻づらを触れる。
私は、フェザーライトの生まれ変わりのような、銀色の雌猫の指導者になった。


最終編集者 マァーラーフェザー [ Sat Feb 05, 2022 5:48 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by Murre Fri Feb 04, 2022 2:54 pm

「もうひとつ、前代未聞の事を行おうと思う。実は、今ロック族に仲間入りしたマァーラーフェザーと、弟子のライトポーは、これから旅に出なければならない、とシンボルレイク族が定めている。そして、マァーラーフェザーからシャドウトゥースも指名された。」
そこで切り、ブラックロックはすうと息を吸う。ちらとシャドウトゥースを見ると、これからの事が目に浮かんだのか、青ざめた顔をして、ひげをぴくぴく動かしている。
「副長を、交代する。」
族長の決定に、ロック族の猫達はざわざわと騒ぎ出す。黒い族長は止めようともせず、ただ、前副長をきっと見つめていた。
シャドウトゥースは、キャンプを抜けた。
「ドーンウィング、お前は悪のウォーター・フェザーを抜け、罪を償う事を望んでいる。今、チャンスを与えよう。一族の猫や、レイク族の猫を無闇に殺すなどの行為を行い続けるならば、ロック族はお前がして来た以上に厳しく罰するだろう。」
灰色の雌猫は、驚きつつも誇り高く胸をそらした。
「シンボルレイク族に誓って、もう2度と、あのような事はしません。そして、私に償いをさせてください。」
ドーンウィングの母猫のハイドムーンが、嬉しそうに尻尾を振り、新たな副長の耳をそっと舐めた。
「ドーンウィングを、ロック族の副長に命じる。」
ドーンウィング、ドーンウィング、という称賛の声がキャンプを満たし、夜空の下の空気がお祝いムードに包まれた。
月が暗闇にぽっかりと浮かび、私達を優しく見守っている。
「ロック族に、2度とウォーター・フェザーのような悪の組織が、誕生しない事を祈る。」
締めくくりに、ブラックロックが湖を見つめて呟いた。
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投稿 by Murre Sat Feb 05, 2022 11:02 am

任命式が終わったあと、どっと疲れが襲ってきた。早朝クレインボイスが殺され、午前中にライトポーとロック族へ逃げ込み、午後、ブラックロックに話を聴き、夕暮れ、ウォーターシャドウを見送った。深夜の今、新たな副長が誕生した。
隣を見ると、弟子もとろんとした目をしている。
「そういえばライトポー、貴方、足の怪我、無事なの?」
朝、無理矢理キャンプを抜けてきた事を後悔する。ライトポーの体調を気にする暇もなく様々な事が飛ぶように過ぎていった。 
「マァーラーフェザー、心配してくださり、ありがとうございます。けれど、実は私、大した怪我ではなかったんですよ。あの時動けなかったのは、ショックだとカインドアイが仰っていました。血だらけだったのは、返り血が殆どです。」
驚くほどはきはきと喋るライトポーは、見習いだと思えない達者な口だった。最近のフェザーライトに似ている。
「明日の朝、<2部族の椅子>へ向かうけど、昼にする?疲れたでしょう。」
ライトポーは、少し考えて、万円の笑みを返した。
「そうしましょう!私、ハリネズミより眠れる気がします!」
改めて弟子のいる幸せを心で感じられた。



今回短め
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投稿 by Murre Sun Feb 06, 2022 10:30 am

瞼を透かすように白い光線が眼球を刺し、薄っすら目を開ける。ロック族の戦士部屋は固く、小石がちらほらと剥き出していた。
戦士部屋にはフィッシュスケイルとフロントリードが寝床で丸くなっていた。
そっと光の方向へ這うと、雲一つない真っ青な空が見下ろしていた。
「おはようございます!」
ぴょんぴょんと銀色に反射する塊が転がってきたかと思うと、すっかり目が覚めているのか、ぱっちりとした蒼い目を顕にした。
「おはよう。身支度は、完璧そうね。」
「はい!獲物は食べてはいけないんですよね?」弟子はちらと目を横にやったかと思うと、さっと反らした。
「おはようございます、シャドウトゥース、クリサンセマムペタルに薬草を貰いに行きましょう。」
黒い雄猫は、そっぽを向いて先に看護部屋に向かった。
「体力を付ける薬草ですよね。ブラックロックが行くときに食べてた気がします。」
ええ、と頷き、記憶力に才能を伺い見る。
挨拶しながら突っ立っていたら、背中が温まり、寝起きの体温が上昇した。

ロック族の看護部屋は湿っていて、嗅いだことのない臭いで鼻が効かなくなりそうになった。看護猫の嗅覚に改めて畏敬の念を送る。
見渡していると、視界の端に赤い小さな実が固い葉に包まれて置いてあるのが映った気がした。
「マァーラーフェザー、どうぞ。<2部族の椅子>の後にまた戻ってきてね。休んでいくといいし、レイク族の縄張りは通れそうにないから。」
クリサンセマムペタルがクリーム色の体を奥から示しだし、指示をくれる。シャドウトゥースは看護部屋の広い窪みで先に薬草を口にしていた。
「はい、ライトポーのには蜂蜜を混ぜてあるわ。初めてでしょう?」左に置いてあった濃い緑の包を弟子に差し出す。
私も薬草を一口食べたら、戦士になる前の、苦い味が蘇ってきた。
「うぇ、苦い…でも、戦士になるには…」
凄い、この子は。親も兄弟もウォーター・フェザーに冷たくされ、一人で学ぶことを普通の子より早く身につけたのか、それとも、そんな格好を見てきたから、猫一倍立派な戦士になる事に燃えているのか、意志が固い。自分をコントロール出来ている。
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投稿 by Murre Mon Feb 07, 2022 6:22 pm

気づくと<2部族の椅子>でカープウィスカー、カインドアイと対面していた。これがショック過ぎて、どのように、どれくらいの時間を掛けて登ってきたか、記憶が飛んだ。
「マァーラーフェザー、これ、どうゆう事ですか…」ライトポーが怯えた匂いを発する。
「私もわからない。ただ、カープウィスカーは私の兄。」
ちらとシャドウトゥースを見ると、無表情だった。
「カープウィスカー、どこに行ってたの?イブニングレイク達は何日か捜索隊を出していたのに…」なぜここにいるのか分からぬまま、行方不明だった兄に問いかける。
灰色の兄は、私の大嫌いなカインドアイと何故一緒に居るのだろう。疑問が次々と浮かび上がってくる。
兄は、看護猫に何かを囁くと、雌の虎猫は自信満々に頷いた。
「カインドアイと仲良くしてたら、俺たちに関する秘密があった事が分かったんだよ。」兄が一歩進み出て、ひげをぴくりと動かす。
「カインドアイは、俺達の母親だ。」
カープウィスカーは嬉しそうに尻尾を振ると、実の母親だと言うカインドアイの耳を舐める。
何かが崩れ落ちた。
私は、この看護猫の娘だって言うの?
「俺だって最初は驚いた。この、好きになっていた雌猫が母だってことに。」
しかも兄は、自分の母猫に惚れていた。
「私達の母は、ブラッククロウ…」
言っても無駄だと分かっていたが、つい、口から出た。
兄は、軽蔑するような目で睨んできた。
「あんな奴、俺らの母猫じゃない。カインドアイこそ、真の母猫だ。」
怖くなって、2歩3歩引き下がると、ライトポーが脇腹に鼻づらを押し付けてきた。シャドウトゥースは崖の端のほうで耳を欹てている。
「ねえ、ち、父親は、誰…」声が震えた。
カインドアイの濁った目が、崖の先を向いた。
「シャドウトゥースよ、喜びなさい。」
あぁ、私は、邪悪な父と戦士の掟を蔑ろにする母、感覚が狂っている兄の血縁者なんだ…
私の中に流れている血を全て入れ替えたい。
「マァーラーフェザー、私、腹違いの妹です。私は嬉しいです。」
あぁ、ライトポーとフェザーライトが似るのも当たり前だ。だって、父親が同じシャドウトゥース何だから…。
カープウィスカーが青い目をきょろきょろさせている。
「マァーラーフェザー、喜んでくれ。カインドアイ、俺の子を身ごもったんだ!」
次々と戦士の掟が破られている事実が重すぎて、潰れそうだ。
ある日のフェザーライトの言葉が鮮明に蘇ってきた。
カインドアイ、あの子は注意。濁った目ですべてを見通してくる。カープウィスカー、ウォーター・シャドウに気をつけて。必ず貴方を捉えに来る。
私は何をされるんだろう。恐怖がこみ上げてきた。
「俺は、お前を排除しようと思っていた。俺の支配に疑い深い妹は必要ないし、カインドアイもお前を気に入ってないからな。最初はホークテイルに殺させようとしたけど、失敗した。ウォーター・フェザーとの戦いでも死ななかった。クレインボイスを殺して、お前がレイク族に殺されるように仕組んだけど、ロック族に逃げた。邪魔で邪魔で仕方がなかった。けど、どうだ。今、自らのこのこやってきた。」
私は狙われていた。その目的は、兄の部族の支配。ホークテイルに死のベリーを食べされられそうになったのも、クレインボイスが殺されたのも、全て全て繋がり、隠れていた兄の仕業だった。兄はウォーター・フェザーとも繋がっていた。
「フェザーライトが死んだのも、カープウィスカーが仕組んたの?何のために…!」
カープウィスカーは高笑いした。
「そうだよ、俺に妹は要らない。甘えてくるだけだから。お前の弟子?が義理の兄妹だったのは誤算だったが。」
カープウィスカーの青い目は、軽蔑の色に染まった。
もう、この場に信用できる者は、ライトポーしかいない。
「カープウィスカー、話終わった?」
カインドアイが、甘い声で、息子であり、つがいであるカープウィスカーに呼びかけた。



今回はすごく長いっ!
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投稿 by Murre Tue Feb 08, 2022 8:58 pm

だん、と踏切の音がして、鋭く研がれた鉤爪が私のひげを掠った。さらとひげが地についた。
「私は、死なない!シンボルレイク族から、海へ行く命令が幼い頃から出ているから!」そう唸ると、ライトポーがカインドアイに襲いかかられているのが見えた。
カープウィスカーの攻撃を避けると同時に横に跳び、カインドアイを激しく引っ掻いた。看護猫はギャッと叫び、カープウィスカーの後ろに下がった。
シンボルレイク族様、助けて。私とライトポーは、海へ行くんですー
ライトポーを庇いながら戦ったが、大きい兄の腕は落ちぶれてなんていなった。むしろ、前より強くなっている。
不意に、薄いグレーの尻尾と真っ黒い尻尾がちらと揺れた。小柄な2匹の雌猫達は、青白いベールのような光を纏っていた。目には湖のような輝きがきらきら輝いている。
「フェザーライト、クレインボイス!」シンボルレイク族が、仲間をよこしてくれた。
2匹は優しく微笑むと、カープウィスカーに踊りかかった。3体1だと気づいた兄は、カインドアイを立たせ、<2部族の椅子>の奥へ尻尾を巻いて逃げ出した。捨て台詞が耳を刺した。
「マァーラーフェザー、お前が戻ってきた時には何もない。シンボルレイク族も滅ぼしてやる。」
金縛りにあったような感覚に襲われ、めまいがした。
はっと息を戻し、辺りを見回すと、シャドウトゥースは眠り、ライトポーの目にはきらきら輝く猫が映っていた。
「フェザーライト、クレインボイス、ありがとう。そして、会えて嬉しい…」
2匹と鼻面を触れ合わせた。2匹は喉を鳴らした。
「フェザーライト、私達の親…」
フェザーライトは、了解する様に頷く。
「私は、シンボルアイスィクルに教えてもらったわ。聴いたときには、ショックで立てなかった。けど、私達は、親に似ないように行動するのみ。私達に罪はない。」
また声が聞けて、嬉しかった。そして、掛けてくれた声が優しくて、心の氷が溶けた気がした。
フェザーライトはさっと頷くと、クレインボイスに促した。
「クレインボイス、ごめんね、戦士の仕事をさせてやれなくて…」
クレインボイスはううん、と首を振ると、優しい声を響かせてくれた。
「私、少しの期間でしたけど、マァーラーフェザーの弟子でいられて、最高の人生でした。私を殺したのは、カインドアイではなく、カープウィスカーです。シンボルサークルが仰っていました。」
カープウィスカーに腹が立ったけど、クレインボイスは穏やかだった。
「私達は、いつでもマァーラーフェザー、そしてライトポーの味方ですよ。どんなに遠くでも見守って、手を差し伸べます。」
クレインボイスは、私に鼻づらを押し付けると、ライトポーにも声をかけた。
フェザーライトが耳に口を近づけた。
「シャドウトゥースに気を付けて。今はシンボルダブルがお告げを告げていて、眠っているから聞こえてないけど、とっても耳が良いの。何でも聞いている。そして、海に辿り着いたら、シンボルレイク族の仲間が裁いてくれる。貴女達の手からやっと離れていくから、心配しないで。」
よく喋るフェザーライトは、シャドウトゥースを睨んだ。
「私達が海に行くのは、間違いないのよね。」
フェザーライトの体が薄れ始めた。クレインボイスの体も消えかけている。
「下っていく川の先で貴女を待っている。」
フェザーライトの体が空気に吸い込まれた。
ライトポーに目をやると、私を尊敬する目をしていた。
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投稿 by Murre Thu Feb 10, 2022 9:22 pm

眠っているシャドウトゥースー実の父親ーをしげしげと見つめる。カープウィスカーの黒い体はこの猫から来て、虎柄はカインドアイから来たんだろう。シャドウトゥースの目は青かったはず…カインドアイは濁った灰色だ。でも、若いときは澄んだ青だったのかもしれない。
背筋に冷たい雨がつーと伝って行ったような寒気がした。
でも、ブラッククロウとホワイトフットは、お互いに愛していた。しかし、2匹の子は、どこに行ったのだろう。
ライトポーを見ていたら、ロック族の猫達の顔が次々と浮かび上がってくる。
そういえば、メテオライトスピードとアピアムーンは、<シンボルレイク族に釣り糸を垂らす者たち>の家の近くに捨てられていた、という話を聞いた事がある。真っ黒いメテオライトスピードと月のように明るいクリーム色のアピアムーンは、生前のブラッククロウとホワイトフットを彷彿とさせる。
カインドアイが、子供たちを入れ替えたのだろう。メテオライトスピード達は、私達と同じ位の年齢だったはず。
黒い塊が伸びをしていて、ライトポーが私の後ろに隠れる。
「シャドウトゥース、1度ロック族に戻ります。明日の早朝に下っていく川を辿って海へ向かいます。」シャドウトゥースは、私達を不機嫌にじろっと見ると、先に崖を下っていった。
ライトポーもあとに続く。
シンボルレイク族の縄張りはオレンジ色に侵食され、大きな赤い太陽が下っていく川に映る。シンボルレイク族のブラッククロウとホワイトフットのような形に波が揺れ、すぐに消えた。
ブラッククロウ、何も知らずに、湖で助けなくて、ごめんなさい。 
乳母に、最後の時のことを謝った。
黒い影がきらっと輝いて、波に揉まれ、消えた。
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投稿 by Murre Fri Feb 11, 2022 5:58 pm

キャンプに戻った時にはシャドウトゥースも、ライトポーも、私も獲物をくわえていた。雲が厚めの空には月が見えない。
とぼとぼと歩きながら今日の午後の衝撃の秘密を考える。
あんなに嫌いなカインドアイが、母親で、カープウィスカーは母親と子供を作った。しかも、私達の父親は目の前の闇に紛れる色の毛をしたシャドウトゥースだった。
獲物を置く窪みはまだ幾らか獲物が残っていた。ライトポーは、初めての<2部族の椅子>への頭頂で、疲れ果てている。何も言わずに見習い部屋に姿を消した。
シャドウトゥースも苔で丸くなっていた。毛はぼさぼさに縺れている。毛づくろいをする気力も無かったのだろう。
シンボルレイク族にそんなに酷いことを言われたのかな。
少し思いやる。
けれど、私達は残り1匹のウォーター・フェザーを滅ぼすために父親を連れて行くんだ。ほら、お告げが降りたじゃないか。海で正しい裁きが行われる。私達にはシンボルレイク族がついている。
夜が深まっていく。
鳥が嬉しそうに鳴いているのが聴こえた。何を喋っているのかは分からない。
目を開けると、横にシャドウトゥースが立っていた。
「下っていく川で待ってる。広葉樹林で狩りをしておく、お前たちの分も。」
ぶっきらぼうに言う言葉には、優しさが垣間見えた。
「ありがとうございます。」
頭を下げるとシャドウトゥースは出ていった。
1度伸びをしてキャンプの広場に出ていく。
見習い部屋に顔を突っ込むと、ライトポーの背中は規則正しく上下していた。
「ライトポー、体調はどう?よく眠れた?」
他の見習いー特にスィンポーとインヴァイロメントポーーは起こしたくない。ウォーター・フェザーによる冷たさもドーンウィングが協力してくれたお陰で溶けてはきた。けれど、何か意地悪をしてくるかもしれない。
「マァーラーフェザー、助けてください…嫌な夢を見ました…」
「行く途中に詳しく教えて。」
シンボルレイク族がライトポーに伝えてきたきたことが気になる。
ライトポーは、1度兄姉達を振り返り、ますっぐな瞳を空に向けた。
澄んだ青の目は、フェザーライトだ。


情景描写多めの回
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投稿 by Murre Mon Feb 14, 2022 4:38 pm

色づいた葉の広葉樹林を抜け、向こう側に大好きなれき場が見える沼地に辿り着く。
シャドウトゥースはまだ来ていない。ライトポーの夢は恐ろしかった。
水平線が広い、広い湖の淵に伸び、日が沈んでいった。すると、海が太陽を溶かし、オレンジ色に染まった。そこまでは良かった。
オレンジ色は次第に赤く、赤黒く変化していき、やがて血を纏った大きな猫の形の獣が牙をむいた。その獣が横を向いたとき、黒い物体がぶら下がっていたー
黒い物体が何かは考えないようにした。
「大丈夫よ、シンボルレイク族は、この様になるのに気を付けろ、と忠告して下さったの。そうならない様に対策出来るようにね。」
ライトポーは微かに怯えた匂いを発しながらも、頷く。
「シャドウトゥース、もうすぐ来るはず…」弟子から目を離し、レイク族の縄張りに目を向けると、黒っぽい体が朝日に照らされ、灰色のっぽく見えた。
暗い青の2つの瞳が真っ直ぐにこちらに向けられている。
ライトポーの事が頭から飛んでいき、空気に揉まれ、薄まった。早く近づきたくて、スピードを速める。
相手も下っていく川に向かって沼地の泥を体に飛び散らせながら駆けている。口は黒く光っている。
「ウォーターシャドウ!」
下っていく川の淵で横滑りして止まり、川に身を乗り出す。
「マァーラーフェザー、数日しか離れてなかったけど、こんなに寂しいなんて!」
ウォーターシャドウの言葉に胸がずきんとした。これから、うんと長く出かけなくてはならない。もしものことーライトポーの夢のようなことーがあったら、そもそも帰ってこれないかもしれない。
ウォーターシャドウが口を開いたときに、黒い薄い物がゆっくりと朝日を受けて輝きながら落ちていった。一粒一粒が白く光を放つ波に揉まれ、下流へと下った。
「ウォーターシャドウ、私も会えて嬉しい!」
黒い薄い物体が何なのか気になったけれど、ウォーターシャドウから目が離せなかった。
「クレインボイスの亡くなったあと、ウォーターシャドウ、大丈夫だった?何か、いつもと違ったの…」
彼はさっと湖に目を走らせた。
「あのときは、お前がクレインボイスを殺したと思いこんでしまって、混乱したよ。それで、そんな猫の元指導者でレイク族に居られないと思い…」
語尾を濁す。暗っぽい目が川の流れをなぞる。
「精神がおかしかったと、今は思うよ。だって、君を殺猫だと疑い、入水自殺しようとしたんだから!」
前脚を川に突っ込みそうになった。
「えっ!!もしかして、このウォーターシャドウも、幻…?」
「違うよ。死んでない。」
彼は爽やかに笑い飛ばす。そうゆうところが好きだ。
「フェザーライトが、引き戻してくれたんだよ…と言う前に、そもそも泳いじゃって、溺れなかった。」
あははっ、と笑う彼は、フェザーライトと合っていた。
「フェザーライト…」
誰にでも優しく声をかけてくれるお喋りになった妹に感無量の感情が水の泡のように絶え間なく浮き上がってくる。
「マァーラーフェザーを助けて。これから海に向かうの。あの子は一人で悪の羽に立ち向かっているの。ウォーターシャドウ、貴方は立派な指導者でしょう!と、活を入れられて、自分の行為に恥たよ。すぐ目が覚めた。」
ウォーターシャドウ。本当の心が戻ってきてくれて、嬉しい以外言いようがなかった。彼の鼻づらを尻尾で掠った。
「生きてて、良かった…」
彼はぐっと身を乗り出し、ふっきって脚を水に浸けた。体を川に入れ、しっかりとした足取りでロック族との境界線のぎりぎりまでくる。耳を舐めてくれた舌の感触が気持ち良かった。
「君はロック族の猫で、僕はレイク族の猫だ。どうする?」
意地悪に笑おうとしているけれど、口角が引き攣っていて、可愛い。
「部族を離れたら、誰も咎められないわ。それに、私は元々レイク族の猫!」
しゃぱんと川に飛び込み、彼はさっと身をかわす。
「僕も海に行っていいかい?また一緒に暮らそうよ!」
彼の申し出に少し戸惑う。私は海に行ったあと、何をするんだっけ?帰ってくるのだった気がする…
「海に行ったあと、一回帰ってこない?一回でいいから!仲間達に海がどんなところか教えてあげようよ!」
シンボルレイク族からのお告げなど無視して、彼を誘う。彼は快く承知してくれた。
「あれは、誰だい?フェザーライトみたいだ…」
ウォーターシャドウがレイク族側の岸に上がり、首を伸ばして伺う。その後、自分より大きい猫を見たかのように身をこわばらせる。
後ろを振り向くと、初めて見る絡み合いに驚いているライトポーと、うんざりしたシャドウトゥースが居た。
「この子はライトポー。フェザーライトにそっくりよね。シャドウトゥースが何故いるのかは、今度こっそり教えるね。」
状況を察したかのように頷き。、ライトポーに挨拶した。
シャドウトゥースに近づき、報告する。
「ウォーターシャドウも行くことになりました。」
黒猫は顔を顰めながらも、頷く。
シャドウトゥースが沼地にぼとっと獲物を落とした。


長い…


最終編集者 マァーラーフェザー [ Thu Feb 24, 2022 6:59 pm ], 編集回数 1 回
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投稿 by Murre Tue Feb 15, 2022 5:15 pm

下っていく川は太陽の沈む方向に流れている。まだ日は高く、影は短い。今日も乾いた晴天で、空気の水分が見当たらない。雲は東の方に固まっていて、黒い。
下っていく川は変わらず細く、足元はぺたぺたとした沼地だった。ひんやりとした泥が肉球に纏わり付く。
そして、会話が少なかった。
シャドウトゥースは喋らず、ライトポーは嫌いな父が近くにいることで塞ぎ込んている。ウォーターシャドウはまだ私にシャドウトゥースとの関係を教えてもらえず誰とも話せないでいる。しかも、彼はレイク族で、他の親子はロック族だ。居心地悪いのだろう。
「シンボルレイク族は、川にも縄張りを所有してるのでしょうか。」
ライトポーが素朴な質問を隣の私に投げかけてくる。
シャドウトゥースが先頭を歩き、ライトポーをウォーターシャドウと挟むように並んでいた。シャドウトゥースと後ろの私は川ぎりぎりを歩き、時々足を滑らせそうになり、焦るを繰り返していた。
「この前、フェザーライトは、そんな感じのこと、言ってたね。」
照りつける太陽が鬱陶しくなり始め、直ぐ側の川にいいなと眼差しを送りながら<2部族の椅子>での会話を思い出す。
丁度思い出したから、シャドウトゥースとのことをウォーターシャドウに話そうと思いついたけれど、フェザーライトの、シャドウトゥースはとてつもなく耳が良い、という忠告を思い出し、口をつぐむ。
「日陰無いかな…」
ウォーターシャドウがぼそっと呟き、シャドウトゥースがちっと舌を鳴らす。
険悪な空気に先が思いやられた。



今日は他愛もない会話になりました。
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投稿 by Murre Fri Feb 18, 2022 10:06 pm

「ライトポー、あっちの下生えから姿を晦まして!」
鋭い声で弟子に指示する。灰色の尻尾は丈の高い草の中に消えた。
ウォーターシャドウが犬とすれ違い、くるりと振り返る。
そう。私達は犬に目をつけられた。
黒と茶色の細い犬で、剥き出した牙が空を裂く。
私は追われていたシャドウトゥースの横に並び、犬に立ち向かうよう説得する。
「シャドウトゥース、鼻か目!」
ロック族の戦士には伝わった。
黒い体は急に止まり、犬は驚いて一瞬動きを止める。ウォーターシャドウが後ろ脚を引っ掻き、私は背中に跳び乗る。シャドウトゥースは藻掻く犬の目に何度も鋭い爪で攻撃を食らわす。
犬が目の痛みに首を左右に揺らし、私は一塊の毛を得ただけで振り落とされる。ウォーターシャドウも地に脚を付けていた。
犬は目の付近から血を垂らしながら攻撃を食らわしてきたシャドウトゥースに目をつけ、追う。
追わせてたまるかと私達はまた下半身に噛みつき、爪をかける。
太い<シンボルレイク族に釣り糸を垂らす者達>の怒鳴り声が私達の進んでいく方向からし、犬は苦しそうな首輪についた皮のような紐でずるずる引き摺られていく。こちらを向いて、小さめに唸り声を上げながら、怪物のお腹の中に押し込まれた。
灰色の空気が怪物の口から放たれ、鼻が毟り取られそうな匂いが当たりに充満する。ぶおんと一度低く唸り、怪物は太陽より眩しい光を放って怪物の通る道に沿って黒い丸い物を回し走っていった。
「もう犬は居ませんよね」震え、怯えた弟子の声がし、耳が下生えから僅かに覗いた。
「終わったぞ。」ウォーターシャドウが耳を動かす。
「ウォーターシャドウ、シャドウトゥース、この旅の間にライトポーに戦闘技術を伝授したいのですが、時間、取れますかね…」今日犬に遭遇したことでまだライトポーを指導していなかったことを思い出した。
シャドウトゥースは次第に草が増えていった下っていく川に返り血を落としに行った。ウォーターシャドウはライトポーを引き寄せ、怪我をしていないかしげしげと眺める。
シンボルレイク族の湖から離れて三日が経った。
今日は早朝からじめじめとした空気で、時々生温かい雨が毛を濡らした。怪物の通る道の脇のスズメノカタビラが先に付いた露を重そうに乗っけている。川に映る空も、灰色の低い雲が彼方まで分厚く広がっていた。
「こんな天気だから、あいつらから離れて留まったほうが良さそうだ。」元指導の鼻面に雨粒がぽつんと筋を描いた。
それをきっかけにするように雨足は強くなっていく。
あいつらとは、<シンボルレイク族に釣り糸を垂らす者達>の事だ。犬を連れてきたり、怪物を走らせてきたり、毛のない脚を伸ばして触ろうとしたりと理解出来ない行動を取ってくる。しかも後ろ脚で立ち、体にはひらひらした毛皮を纏っている。
シャドウトゥースは勿論聞こえていて、寡黙に松の林を耳で指した。程よい下生えが密生していて、雨が凌げそうな松の葉の重なり方をしている。
ライトポーは戦闘の言葉に青い瞳を輝かせた。
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投稿 by Murre Fri Feb 18, 2022 10:28 pm

シャドウトゥースについて
(久しぶり)
真っ黒い雄猫。目は琥珀色。
いくつかの歯の神経が断ち切られ、黒くなっている。
元副長。
傷跡多い
指導者はウォーター・フェザー前リーダーのナイトビーストで、弟子はライトポー(元)とリーフブラック、ドーンウィング。
ロック族でのつがいはフローズンモスで、子供はインヴァイロメントポー、スィンポー、ライトポー。
レイク族での(戦士の掟を、破った)つがいはカインドアイで、子供はカープウィスカー、マァーラーフェザー、フェザーライト。因みにカインドアイとカープウィスカーはつがいになり、身籠ってもいる。
ややこしい関係。


最終編集者 マァーラーフェザー [ Fri Mar 04, 2022 9:30 pm ], 編集回数 4 回
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投稿 by Murre Tue Feb 22, 2022 5:20 pm

「私は、うーん…浮浪猫よ!ロック族のキャンプを攻撃してきた!襲いかかってみて。」
ライトポーをすっくと見つめて、目付きをきりっとさせる。弟子は腰を少し高くし、本能的に戦闘の態勢を作る。尻尾が体より少し高くして左右に振られている。
と、銀色の雌猫が爪をむき出し、顔面目掛けて飛び込んできた。私は動きを察知して、左に転がる。弟子は雨で滑るシダに足を滑らせ、無様に毛を擦った。
が、直ぐにしゃんと立ち、下半身を後ろに一度引き、ばっと前に跳んだ。目は真っ直ぐに顔に向けられていた。私はさっと身を屈め、ライトポーがさっきまで居たところにまで滑る。弟子は今度はきちんと着地し、こちらに向き直る。
「襲おう、と思っている目線がばればれね。じゃあ、私の見てて!」
そう言うと同時に、真上に跳び上がった。弟子の目は真ん丸だ。空中で脚を下に向け、顔に中心を向け、背中に飛び乗る。銀色の弟子は不意をつかれてぐしゃっと潰れる。
「マァーラーフェザー、今、顔目掛けて背中攻撃しましたね!」
弟子ははきはきと答える。
「そう!あまり空中で態勢を変える猫はいないから、技術アップしたら、教えるわ。相手は驚くはずよ〜」ライトポーは頷き、だだだっと突っ込んでくる。態勢派低く、足元が掬われそうだ。
そう思ってたら、鼻に爪が迫っていて、ひげに触れた。
後ろに飛び退いてみたが、ライトポーはしつこくついてきて、今度は足を払われた。
顔に当たった雨粒が温かく弾けた。
「良かった、今の!ついてこられるとは思わなかった。戦闘は、そういう瞬時の判断の奇想さが求められるの。」視線を端に動かすと、黒い雄猫が微笑ましく眺めていた。
隙を見せた途端、ライトポーに鼻面を殴られ、足元がおぼついたら強く払われ、前から地面に突っ込んだ。体が小さいことによる素早さで横に回り込まれ、脇腹をがんと押された。
「良いね。マァーラーフェザーは完全に素早さで負けてた。」ウォーターシャドウが言うと、ライトポーに向かって掛かってこいの構えになった。
状況を察したライトポーは、今度はウォーターシャドウの目を見つめながら近づき、上に跳んだ。ウォーターシャドウも跳び、空中でライトポーを突く。
先程空中で態勢を変える猫は少ないと言われたからライトポーは驚き、地面に打ち付けられた。身をこわばらせている隙にウォーターシャドウは脚に噛みつく。
「ウォーターシャドウ、あれも有りなんですか!」
「マァーラーフェザーが言ってただろう?奇想さが求められる、って」元指導者は意地悪っぽく歯をむき出す。いつの間にかシダの空き地には猫が4匹に増えていた。
「シャドウトゥース、稽古つけてください!」
ライトポーは前よりシャドウトゥースに怯えなくなった。
黒猫は琥珀色の瞳をきらっと光らせ、ライトポーが息を整える間もなくさっと体の下に滑り込み、倒し、腹を晒させた。前脚を地面、右後ろ脚を弱点の腹に乗っけた。ライトポーは驚きを隠せない。
いつの間にか厚い雲が一部剥がれ落ち、首が痛くなるぐらいの真上に薄い黄色の光が梯子を描いていた。
今日の戦闘訓練はここで引き上げた。
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