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ナイト族の話(代理猫)

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投稿 by スカイソング★ Sun Oct 08, 2023 3:58 pm

描いたので載せます。そんなつもりはなかったんですが獲物の山がもしかしたらグロいかもなんで一応注意です。
ナイト族の話(代理猫) - Page 2 Aiaoaa10
右上から時計回りにスカイソング、ブルーストーム、チェイシングシャドウ、ラウンドストーンです。小説の本文で見た目書いたやつしか描かないように気を付けたのでこのメンバーです。
こういうごちゃごちゃした絵描くの好きです。あああ線ががたがただあああ!
クリックしないと見えにくい位置にスカイソングがいます。・・・あ、あと左上の足はキツネです。わかりづらいな。
スカイソング★
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投稿 by スカイソング★ Sun Mar 24, 2024 3:32 pm

本当に久しぶりですね。タイピングが面倒過ぎたもので。

「それ、珍しいベリーじゃないか!」
 ファーストスターの大声に、ヘッドウィンドが首を傾げた。メナシングロアも不思議に思う。何をそんなに驚くんだ?
「いや、珍しいベリーって言いましたよね?」
「ダークネス、来てください!珍しいベリーが!」
 キャンプ内からどよめきが起こった。主に年上の戦士や母猫、長老たちからだ。メナシングロアは、近くの若い戦士たちと顔を見合わせた。
「それ、本当なの!?」
 ダークネスが族長部屋から飛び出してきた。「案内して!」と言いつつキャンプを飛び出していく。慌ててヘッドウィンドとファーストスターが後を追った。
「あの暗黒の時代がまた始まるのか・・・?」
「なたっわ終。だメダうも」
「あはははは。あきらめろ皆。何したって無駄なんだ」
 年上の猫たちの様子がおかしい。いや普段から少しおかしいんだが普段よりおかしい。混沌が嫌いなメナシングロアは近場に居たアイスフラワーに聞いてみた。
「珍しいベリー、って何ですか?」
 アイスフラワーはいつも優しくておだやかな看護猫だ。きっと冷静な答えが返ってくるはずだとメナシングロアは期待した。
 期待が外れた。
「め、珍しくとも何ともないわ。すぐに繁殖してしまうから。あ、あんな珍しくも何ともないベリーなんかを恐れては駄目よ。ねえ、ヴァイオレットグラス」
「とても恐れてるように見えますけど」
 さらに混乱するだけだった。普段はこんなサデンガストみたいな揚げ足取りや矛盾を含んだことを言う猫ではなかったのに。
「って、ヴァイオレットグラス?いたのか?」
「居たさ。何ならさっき顔を見合わせただろ」
 影の薄さでは統計を取るまでもなくナイト族一、いや四部族一の戦士がすぐそばにいた。
 こいつも若い戦士の範疇なので話を振られても分からなかっただろうに。

ヴァイオレットグラス(violet grass)・・・菫草
いやタイピングが面倒だっただけではなく今後の展開を考えてたんですよ・・・本当です。
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投稿 by スカイソング★ Sat Apr 20, 2024 8:54 pm

前来た時はこれから週に一回くらいは投稿出来たらいいなとかなめたことを考えていたものです。そろそろ一か月経ちますね。

 キャンプに戻って来たダークネスたちに、一斉にいろんな質問が浴びせられた。ダークネスは尻尾を振って一旦黙らせると、一族の集会を開く。
「本当に、珍しいベリーだったわ」
 その言葉で、年長の猫たちの周りがさらにどんよりとした雰囲気になる。近くに居たメナシングロアは思わず二、三歩退がってしまった。
 ・・・いや、二、三歩などとどっちだか分からない言い方は嫌いだ。はっきり二・五歩と言おう。
「若い猫たちは、あれが何なのかを知らないわね。説明しましょう」
 ダークネスはそう言って、恐ろしい昔話を始めた。

 ダークネスがまだ族長でなかった頃らしい。ナイト族の縄張りに、いきなり謎のベリーが現れた。二本足が持ち込んだものだと思われる・・・推測の域を出ないが。
 今まで誰も見た事がなかったので、とりあえず「珍しいベリー」と呼んでいたのが定着したという。
 珍しかったので、何匹もの猫が不用意に近づいてしまった。そして・・・。
 ダークネスは、ここで一旦言葉を切った。
 あのベリーに近づくと、不思議な事が起きるらしい。
 曰く、リージングテンペストの尾が二本になった。
 曰く、ヴァニッシュドフロストが空を飛んだ。
 曰く、アイスフラワーとドリズルスカイの尾がくっついて離れなくなった。
 曰く、コールドスリート他二匹が輪になって踊り狂った。
 曰く、イービルアイの前足と後ろ足が入れ替わった。
 もちろん、しばらくすれば治ったらしいが、凄い勢いでベリーが繁殖して、他の事に手が回らなくなる程だったようだ。

 今までのんきにしていた猫たちがそわそわとし始めた。メナシングロアもしっぽを振りそうになるのをこらえる。
 隣でブラッサムフェザーがおびえたようにつぶやいている。
「嘘でしょ!わたしの綺麗な足が入れ替わって、完璧な立ち姿を崩されるなんて絶対嫌よ」
 綺麗だの完璧だの云々は置いておいて、それはぼくも嫌だと、メナシングロアは心の中で賛成する。
 聞いただけでは信じられない話だが、実際にヴァニッシュドフロストが空を飛んだのは目撃されている。
「絶対に近づかないこと。近づいた猫は変になるだけでなく、おそらくその猫が花粉だか種だかを運ぶことで奴らは繁殖しているから」
 アイスフラワーの言葉に、全ての猫がガクガクと頷いた。

リージングテンペスト(raging tempest)・・・荒れ狂う嵐
ドリズルスカイ(drizzle sky)・・・霧雨の空
イービルアイ(evil eye)・・・邪悪な眼
zって二つまでなら格好いいけど三つつくと眠ってるようにしか見えないなとドリズルスカイの英語名を打ってるときに思いました。zzz。
イービルアイはe三つついてますね。
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投稿 by スカイソング★ Wed Apr 24, 2024 8:06 pm

「けど、昔繁殖したらしいベリー、今までは見ませんでしたよね。その時は退治出来たんでしょう?」
 メナシングロアはファーストスターに聞いてみた。
「その時と同じ方法で討伐出来ないんですか?」
「無理だ」
 あっさりと却下されてしまった。
「あんな事は二度としては駄目だ。絶対に駄目だ」
 何やら固い意志があるようだ。じゃあ無理だ、とメナシングロアは引き下がる。
「・・・そういえばお前、最初にあれを発見したパトロール隊の一匹だったな」
「え!?いや、特に異常は無いですけど」
 慌てて自分を確認する。大丈夫だ。視線をファーストスターに戻して・・・メナシングロアは叫び声を上げた。
「わぁっ!副長が二十四匹に!」
 こんなにいたら戦士部屋に収まりきらないし、寝床も足りないじゃないか!せっかくぼくが綺麗に保っている戦士部屋をどうしてくれる!
 メナシングロアが憤っている間に、他の猫も異常に気づき始めた。
「そんな・・・って、本当だ!メナシングロア、よく一瞬で数えられたな!?」
「ぎゃあ、息が詰まる!」
「あの悲劇が再び・・・!」
 二十四匹のファーストスターが悔しそうに地面を見る。
「ダークネス、ヘッドウィンドと一緒に見に行った時にやられたか。ああ・・・」
 全員の動きが揃っているから、多分同じ動作しか出来ないのだろう。つまり仕事が捗ったり便利になったりはしない。本当に邪魔なだけだ。
「と、とりあえず戦士を総動員して、この際見習いも使おう。いくつかのグループでなわばり全体を見て回って、他にベリーが無いか探すんだ」
 何匹もの声でそう言って、ファーストスターが猫たちを割り振っていく。
「よし、これで全員だな」
「ぼくは呼ばれてませんけど」
 ヴァイオレットグラスが立ち上がる。
「・・・これから呼ぼうと思ったんだ」
「嘘だ!二十四匹もいるのに一匹もぼくのことを覚えていなかったんだ!」
「お前はジャギットロックと一緒に行け」

これでコメント数100ですか?わーい。
今モーニング族の話も書き溜めてるんですよ。イブニング族とドーン族もそろそろです。
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